岸美光作品一覧

  • 詐欺師フェーリクス・クルルの告白(上)
    4.0
    武器は天与の美貌、爽やかな弁舌、鮮やかな模倣の才。貧しい青年クルルは子供の頃のずる休みと同様、仮病をつかって徴兵検査をくぐり抜け、憧れのパリで高級ホテルのエレベーターボーイとして雇われる。そして宿泊客の美しい女性作家に誘惑され、彼女の寝室に忍びこむと……。冴えわたる筆で繰り広げられる厖大な語りと騙り、これぞマンの真骨頂。『魔の山』と好一対の傑作ピカレスク・ロマン。この圧倒的な面白さ!
  • ヴェネツィアに死す
    4.0
    高名な老作家グスタフ・アッシェンバッハは、ミュンヘンからヴェネツィアへと旅立つ。美しくも豪壮なリド島のホテルに滞在するうち、ポーランド人の家族に出会ったアッシェンバッハは、一家の美しい少年タッジオにつよく惹かれていく。おりしも当地にはコレラの嵐が吹き荒れて……。『魔の山』で著名なトーマス・マンの思索と物語性が生きた、衝撃の新訳。
  • だまされた女/すげかえられた首
    3.8
    アメリカ人青年に恋した初老の未亡人は、再び男性を愛する喜びに目覚めたのだが……(「だまされた女」)。インドの伝説の村、頭脳の優れた青年と見事な肉体の若者が美しい腰の娘に出会う。娘は女になり、目覚めた愛欲が引き起こす混乱の結末とは(「すげかえられた首」)。女盛りに向かって上りつめる女と、老いのなかでいまいちど情熱に燃える女の、対照的なエロスの魔力。

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