谷沢永一作品一覧

  • 孫子の兵法 勝ち続けるために何をすべきか
    5.0
    ビジネスで成功するためにどうすべきか。中国・韓国の理不尽な対日攻撃にどう反撃するか 朝日新聞論説委員に読ませたい一冊です! (編集部より)→本書は、渡部昇一氏と谷沢永一氏が、『孫子』の説くさまざまな訓話を、現代の日本の状況と照合しつつ論じ合った本です。その教えは21世紀を生きるビジネスパーソンにも参考になる内容です。また、『孫子』と関連して「宋襄(そうじょう)の仁(じん)」を取り上げます。これは、昨今の日韓関係などにもピタリと当てはまる教訓です。「宋襄の仁」とは、宋と楚との戦いの際、宋の公子・目夷が楚の布陣しないうちに攻撃しようと進言したが、襄公は君子は人の困っているときに苦しめてはいけないといって攻めず、楚に敗れたという故事によるものです。本書エピローグ等でお二人はこう指摘します。 「『孫子』は、儒学の反対です。『宋襄の仁』になるなということを教えている。襄公のようにはなってはいけない、ということです」(渡部) 「『孫子』のもっとも重要なエッセンスは『宋襄の仁』になるなであり、『ええかっこしい』ではいけないことに尽きます」(谷沢) 韓国の慰安婦・徴用工・レーダー照射等々の理不尽の対日攻撃に際して、ささやかな反撃(戦略物資の対韓輸出規制)をしたとたん、「報復の応酬に陥りかねない」「即時撤回せよ」と居丈高に一方的に日本政府を批判する社説(2019・7・3)を書く朝日新聞論説委員にも本書を読んでもらいたいものです。 ※本書は、2013年に小社より刊行した単行本『孫子の兵法 勝つために何をすべきか』を改題し、WAC BUNKO化したものです。
  • 紙つぶて(完全版)
    5.0
    とかく内容と著者の紹介を中心に、半分ほめて半分けなしてお茶を濁す書評が多い中で、本書に収められた書評コラムという「作品」は異彩を放っている。知識は正確をきわめ、守備範囲は洋の東西、古今を超え硬軟とりまぜ、あくまで広い。「これぞ」と思う名作には過不足ない賞賛を与え、一見に値する奇書を見逃すことがなく、世におもねった俗書、奇を衒っただけの愚書の類は容赦なく一刀両断に斬って捨てる。一篇600字という限られた紙幅の中で、その本と本の周辺の事情を閃光のごとく照らし出す鮮やかな技は、見事の一語に尽きる。昭和44年3月から昭和58年8月まで、あしかけ15年にわたって大阪読売新聞(夕刊)、雑誌『銀花』等に書き続けた、著者自らライフワークと認ずる書評コラム「紙つぶて」455篇を集大成。鋭利な刃物のような切り口の賞賛と批判は、読書の海を航海する人の、正確無比な羅針盤になること間違いない。
  • 日本人の論語(上) 『童子問』を読む
    4.5
    江戸初期の儒学者、伊藤仁斎は、学問とは知識の競い合いではなく、人間性の修練であると唱えた。そして、『論語』『孟子』の精髄を読み抜き、日本人の感性に即した儒学を、師と弟子の問答形式を用いて叙述した。それが『童子問』である。本書は、全百八十九章から成る『童子問』を現代人が読みこなせる言葉に訳し、さらに要諦を解説する。仁斎は儒学を支那から取り寄せ、そのままを暗唱するのではなく、儒学の真髄を把握したいと考えた。儒学の目的は人間の生きるべき道を深く学び、それを実践する強い意志であることを悟り、これこそが、本来の学問であるという信念を持った。仁斎の出現により儒学は輸入学ではなく、日本人が人生の生き方を社会生活の中で、工夫する手立てとなったのである。仁・義・礼・智とは何か。人間関係の心得とは何か。人生における永遠のテーマを、親しみと温かみをこめて、諄々と説く。古典の碩学が、老若男女すべてに贈る、普遍の人間学。

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  • われらの獲物は、一滴の光り(KKロングセラーズ)
    4.0
    苦く遊び、学んで、そして感じなさい。開高健歿後20年、単行本初収録のエッセイ18篇と厳選された47篇の計65篇が時代を越えて、いま甦る。 【目次より】●マスコミ雑感 ●ミルクに化けた奨学金 ●病床雑感 ●メリメの魅力 ●『チャップリンの独裁者』 ●貴重な道化 貴重な阿呆 ●ケチくさくない作品 ●もう一度行きたいところベスト・3 ●「可愛い女」のオーレンカ ●広津和郎氏の一片 等々
  • 回想 開高健
    4.0
    敗戦の傷痕が残る昭和25年、冬の大阪。「タニザワさんですかっ、ぼくカイコウですっ」。著者と開高健の交遊は初対面としては少々奇妙なこの一言から始まり、平成元年12月、開高が亡くなるその日まで続いた。開高が読みたいといえば、その本を自腹を切って購入し貸し与え、開高の小説「パニック」が昭和33年1月の芥川賞候補になれば、居ても立ってもいられず店じまいまで酒を飲み、早朝、受賞を知るや「放心」してしまう著者。言うことは何でも聞き、することは何でも許す、わずか1歳年長である著者の開高に対する母性のような友情……。それを支えたものは、身近に才能を見ることへの喜び以外の何物でもなかった。そんな友情を結べる友をもつことは、まさに人生の至福だったろう。「開高健が、逝った。以後の、私は、余生、である」。本書の最後はこう結ばれている。生涯の友が「傑出した個性」との40年の交遊を綴った、感動の回想録である。
  • 聖徳太子はいなかった
    4.0
    日本書紀、三経義疏、法隆寺釈迦三尊の銘など、実在の根拠とされる文献や遺物のどこにどのような問題があるのか。誰がこのフィクションを必要としたのか。その背景には何があったのか。江戸時代の考証から最新の歴史学までを踏まえ、書誌学の厳しい目でつぶさに検証する。禁忌の扉を開き、実在論を完膚なきまでに粉砕した衝撃の一冊。

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  • 孫子 勝つために何をすべきか
    4.0
    2500年を経ても、今なお、多くの人々に読み継がれる兵法書『孫子』。『孫子』が他の兵法書と異なり、後世の人々に大きな影響を与え続ける理由は、単なる戦争の技術にとどまらず、人間の心と行動を見据え、勝負の哲学にまで深められていることにある。本書は、『孫子』に影響を受けてきた二人が、過去の戦争や現代の政治・経済を題材にとりながら、勝つための方法を徹底的に論じ合ったものである。「すべての勝負はスピードが肝心」「部下をいたわりながらも、命令できるか」「情報収集に費用を惜しんではならない」など、二人が『孫子』から導き出した勝つための原理・原則は、読み手に多くのことを教えてくれる。人生はいついかなる時も勝負だ。そして勝負である以上勝たねばならない。しかし、戦争が力押しだけでは勝てないように、人生もまた戦術なくして勝つことはできないのである。大競争時代を生き抜く上でぜひとも読んでおきたい一冊である。

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  • 山本七平の智恵 日本人を理解する75のエッセンス
    3.7
    日本人とは何か。そして日本社会は、いかなる見えざる論理で動いているのか――このテーマに一貫して取り組み、比類なき足跡を残した思想家・山本七平。当代随一の読書人、人間通である著者・谷沢永一が、敬愛してやまない山本七平の代表的な著作から75の視点を厳選して、そのエッセンスを紹介した山本日本学の真髄。
  • いじめを粉砕する九の鉄則
    3.7
    人間は人間をいじめたがる。いじめは問題だというが、そうではない。いじめを跳ね返す力がなく、自ら命を絶つ子供が増えたことが問題なのだ。テレビは、自殺した子の葬式、追悼式の放映をただちにやめるべきである。いじめに悩み、死ぬ一歩手前の子たちが見たら「僕も死んだら、みんながああして泣いてくれる」と思うだけだ――人間通の著者が喝破する、唯一にして決定的ないじめ解決法とは? 日本中の親子に、覚悟して生きよと説く痛快教育論。
  • 「宗教とオカルト」の時代を生きる智恵
    3.0
    「インチキ宗教」や「エセ科学」がどんなにはびころうとも、これを知っていれば、決して騙されない。ますます混迷の度合を高める時代において、「宗教とオカルト」という人間の存在を大きく左右してきた問題の重要性と危険性は、ますます高まってきている。しかし日本人はこれまでの風土から、宗教を知らず、オカルトに弱い性質がある。そこでオカルトを長年研究対象にしてきた渡部昇一氏が、これまでの蓄積をもとに、(1)学問とオカルトの違い(2)良い宗教と悪い宗教との違い・判断方法(3)宗教とオカルトの類似性(4)オカルトと宗教を裏付ける奇跡について(5)宗教とオカルトがなぜ人をひきつけるのか(6)若者に対する、〈日教組〉教育の問題点(7)日本人は、宗教・オカルトとどうつきあっていくか等々について、親友・谷沢永一氏と縦横無尽に語り合う。白装束集団や、オウム真理教など身近にオカルトじみた、悪の集団があふれている昨今における、日本人必読の書。
  • 人間は一生学ぶことができる 佐藤一斎「言志四録」にみる生き方の智恵
    3.0
    西郷南洲をはじめ、「志」ある日本人に読み継がれてきた古典を題材に、現代の碩学二人が、「人」「学」「史」「書」「生」「老」「死」について、縦横無尽に語り合う。江戸末期から明治維新期に活躍した人物の多くに、多大な影響を及ぼし、その後も、政財界で活躍するリーダーに必読の書とされてきた佐藤一斎の「言志四録」。この一斎のエッセイ集ともいえるような古典が、なぜそれほどまでにリーダーたちを魅了し続けてきたのか。本書では、この「言志四録」のなかから、学者としての人生を極めた著者二人が、それぞれの心に響く条文をとりあげて、その魅力に迫ります。とりあげた条文はすべて、谷沢氏が現代語訳。人生訓的であり、もっとも有名な条文「少にして学べば、則ち荘にして為すこと有り。壮にして学べば……」から、老境にいたってからの心構えを説く条文など幅広く取り上げており、志ある若者から老年の方まで、それぞれの読み方ができる書です。
  • 反日的日本人の思想 国民を誤導した12人への告発状
    3.0
    本書は、ベストセラーになった『悪魔の思想』の文庫版を電子書籍化したものである。日本という国家とその主体である日本国民を、限りなく卑しめ、蔑み、劣った者として罵り、国益を外国に売り渡す思想……。著者はそれを「悪魔」のような「反日的思想」と呼ぶ。著者によれば、この「反日的思想」は日本の敗戦を契機にして、にわかに湧きだし、論壇を占拠した、いわゆる進歩的文化人たちによって、戦後50年の長きにわたって、日本と日本人を誤導してきたという。本書は、進歩的文化の代表と目された大塚久雄、大内兵衛、丸山眞男、久野収、加藤周一、向坂逸郎、大江健三郎ら12人を俎上にのせ、そのポイントとなる発言を細かく引用、点検し、その思想の発生源に鋭く迫っている。「ああ源流はこれだったのかと、必ずやひざを叩いて頷いていただけるはず」と著者自らまえがきに記しているように、その迫りようは徹底的であり、その徹底さに快ささえ感じる、胸をすく評論である。
  • こんな人生を送ってみたい 私が惚れた十五人
    3.0
    かつてこの国には、思いをこめて自らの仕事を成し遂げ、歴史に確かな足跡を残した男たちがいた。わが国初の政党内閣を組閣した原敬、稀代の実業王渋澤栄一、企画の天才菊池寛、プロ野球を育成した正力松太郎……男冥利の人生を颯爽と歩んだ十五人。本書は、卓抜なる批評眼で読者の支持を得ている著者が、彼らの生き方を通して理想の人生のかたちを探究する。激動の時代を生き抜いた男たちは、自分の好きを的確に知り、真実一路、一筋道を一貫して歩んだ成功者であるが、少なくともその成功が一から十まで自らの力に拠ると自認する者たちではない。達意の文章で語られる人生の断面は、自らの使命を全うしようとする強い志を表すのみでなく、家族、友人、先輩・後輩、後援者のありがたさをも見事に描いている。まさに読む者の気持ちに迫るエピソードの数々である。不安を抱え、生き方に迷う現代人に、人生における重大な心得を改めて問いかける。『男冥利』を改題。
  • 高橋亀吉 エコノミストの気概
    3.0
    エコノミスト・高橋亀吉は、何を問題提起して論じてきたのか。その観察眼と理論構成の精髄を全著作の内容に踏み込んで、その卓抜した成果を客観的に説く。
  • 人間通になる読書術
    3.0
    1~2巻640円 (税込)
    マキアヴェリ、シェイクスピアから司馬遼太郎、星新一まで、当代きっての読書人・谷沢永一が「読んで面白かった」という基準だけで選び出した四十冊。本書ではそのエッセンスを凝縮して紹介する。「この一冊さえ読めば、四十冊を改めてお読みになる必要はありません」と著者自ら太鼓判を押す、忙しい人にも怠け者にもぴったりの画期的な読書案内。

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  • 現代人のためのスタミナ読書 古典の読み方
    3.0
    「古典」とは、我々現代人の「腹のたしになる本」である。そして我々が「古典」から学ぶべきものは、「人間をどう見るか」「その人間が構成する社会をどう見るか」のただ二つである。―本書では、当代随一の読書人が、その基準のみに依って、論語、サマセット・モーム、匿名の性記録ほか、九冊の古典を厳選。併せて、実生活に活かす知恵としての、谷沢流読書ノウハウも開陳する。精神のスタミナ不足を感じるビジネスマン必読の一冊である。

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  • 執筆論 私はこうして本を書いてきた
    3.0
    これまでの著書200冊以上。何を、どう書き、いかなるネーミングで世に出せば良いのか。谷沢流・ベストセラー作家であり続けるための極意。 【主な内容】 1.薄田泣菫『茶話』との出合い/2.府中天王寺中学へ入学/3.河上肇『第二貧乏物語』の衝撃/4.天中事件と関西大学予科への進学/5.異例の関西大学文学部進学/6.学生連盟の初代委員長に就任/7.「二つの堕落」で志賀直哉を批評/8.学生運動から書斎人間へ/9.同人誌『えんぴつ』を創刊/10.『斎藤茂吉ノオト』   ほか
  • 人間通と世間通 “古典の英知”は今も輝く
    3.0
    「この一冊は、欲の深い人のために書いた本である。つまり、何かを読むのに貴重な手間をかけた以上は、必ず効果(もと)をとらねばならない、と考えておられる方々に向けた本である。すなわち、人生の持ち時間をできるだけ有効に使いたい、と願っておられる方々を、念頭においた本である」(まえがき)。複雑怪奇な「人」の正体を鋭くも温かく洞察、人間関係のエキスパートがほどよく噛み砕いた文章で即効力のある本を読み解く。
  • 人生に活かす孟子の論法
    -
    谷沢永一、渡部昇一の両氏が、人生修養の書として昔日から日本人に親しまれて来た「孟子」の中から特に愛誦する章句を選出し、その叡智から汲み取るべき人生の知恵について討論する。誰もかなわない説得力の極意、初心者にも最適の入門書。
  • 人生行路は人間学
    -
    人生は常に順風満帆というわけには行かない。未来へ向けて生きて行く人間にとって常に必要なものは、理性と智恵である。無類の本好きという共通点を持つ二人の人生の達人が、その勘どころを縦横に解き明かす。味わいのある生き方のコツを満載。
  • 人生の難局を突破し、自分を高める生き方
    -
    いまでは希代の書誌学者といわれる二人だが、デビューはけっして早くない。専門家として認められるまでに、あるいは論壇で活躍するまでに、さまざまな嫌がらせ、嫉妬、妨害に直面してきた。学界という特殊な世界のなかで頭角を現わすために、どんな努力をしたのか。いかにして、自分を見失わず個性を磨いてきたのか。本書では、人生の方向性を決めた恩師との出会い、デビューのきっかけ、論争必勝法から健康の秘訣まで、人生の難局を突破する智恵が明かされる。 〈目次〉第一章:世間を知るには――世間は嫉妬の塊でできている/第二章:志を立てるには――仰げば尊し、わが師の恩/第三章:仕事を究めるには――何が成功を生み出すのか/第四章:逆境に立ち向かうには――これが私たち二人の論争必勝法だ/第五章:病気と仲良くするには――二人は病弱な身体をどう克服してきたか 人生通の二人が、悩める現代人に贈る「明日のための智恵」「知的生活のヒント」。
  • 現代流行本解体新書 ベストセラーの本当の読み方
    -
    80年代後半のベストセラー33冊を俎上にのせ、希代の二大論客が、眼光紙背に徹する鋭い分析で、その真贋を率直に語りあう。絶妙にして示唆に富む真剣勝負の対談書評集。現代人よ、かく流行本とつきあうべし!
  • 『名将言行録』乱世を生き抜く智恵
    -
    1巻1,200円 (税込)
    戦国時代は人を率いる立場にある者をいやがうえにも賢くし、智的水準を向上させ、その成果は数え切れないほど多種類の戦記として結晶した。それらの古記録を引用して編まれたのが『名将言行録』だが、残念なことに現在は絶版となっている。本書は、『名将言行録』を所蔵している当代一流の両読書人が、現代の眼から見て感動を呼び起こす勘所を、話題を広げながら語り下ろした価値ある一冊である。取り上げている武将は、いずれも強者の27人。北条長氏(早雲)、上杉輝虎(謙信)、武田晴信(信玄)、毛利元就、北条氏康、武田信繁、太田資長(道灌)、織田信長、柴田勝家、前田利家、山内一豊、細川藤孝(幽斎)、竹中重治(半兵衛)、今川義元、豊臣秀吉、黒田孝高(官兵衛、如水)、加藤清正、小早川隆、津軽為信、伊達政宗、石田三成、黒田長政、立花宗茂、細川忠興、真田昌幸、真田幸村、松田信綱。戦国人が現代人に遺してくれた叡智を存分に味わえる名著。
  • 人生を楽しむコツ
    -
    「熱心にやるとおもしろくなる性質が仕事にはある」「井戸は汲まなければ必ず涸れる」「適応し切ったところは進化の行き止まりである」など、読書通で知られる二人が、さまざまな世界中の著作から“これこそ名言名句なり”と思わず膝を叩いて唸るような極め付きの洞察を選りすぐり、思う存分の解釈とともに紹介。“人生を楽しむ精髄(エッセンス)”を一挙に公開した、とっておきの一冊。
  • 平成徒然談義
    -
    旅、友、礼儀、名利、機、芸、晩年、外見、色――。昭和を生き抜き、平成の世を大所高所から見渡す二人の碩学が、人の世のあれこれについて自由奔放に語りあう。その道先案内をするのは、言わずと知れた古典的名著『徒然草』である。まず『徒然草』が日本の文学史上においてどのような役割を果たし、文豪たちからどう評されてきたか、またどう読まれてきたのかについての話をする。芥川龍之介はそして小林秀雄はこの古典とどう対峙したのか。話は尽きることがない。それから次には、二人が思うままに日々語ってみたいと思っていたことについて存分に語り合うことになる。その題材は、いずれも『徒然草』でもとりあげられているテーマである。人の世で生きることの、儚さ、楽しさ、面白さ、苦々しさ……、どの話題においても長く濃い人生体験に基づく発言が縦横無尽に駆けめぐる。人生の妙味を知り尽くした著者らによる、これぞまさに平成「つれづれ」談義である。
  • 大人の読書 一生に一度は読みたいとっておきの本
    -
    仕事を引退した人や第二の人生を歩みはじめた人、さらに知的生活を送りたい人は、いま世の中にある厖大な数の本のなかから、いったい何を読めば人生をより豊かなものにできるのか。古今東西のあらゆる本に精通する二人が、年齢を重ねてからの本の読み方と、年齢を重ねたからこそ面白いと感じることのできる選りすぐりの本を一挙紹介! 人生を感じさせる本、娯楽として最適な本、愉悦にひたることのできる古典、歴史と楽しくつきあえる本、社会を読み解くための本など、いろいろなテーマでお薦めの本、さらには薦めない本までもを語り合った、ざっくばらんな対談集。
  • [完本]巻末御免 昭和から平成へ――時代の風を斬る
    -
    希代の読書家にして、書誌学者。しかし、著者の真骨頂は、時代の「空気」を素早く察知し、洞察し、そのうえで「えいやっ!」と気合を入れて、鋭く斬り込んでいくコラムにある。本書は、25年もの間、月刊誌『Voice』連載の時評コラムとして続けられた「巻末御免」計300回を、<完本>として纏めたものである。著者は、最終回の平成21年12月号まで、病に悩まされた時があろうとも、一度も休むことなく、毎回、渾身の一閃を読者に提供し続けてきた。このコラムニストとしての気概に、往年のファンの方々は、心を揺り動かさずにはいられないだろう。次第に忘れ去られようとしている昭和という時代から、いまの平成の世まで――移りゆく時代の「風」をつかみつつも、けっして流されることなく、著者は書き手として、独自の「煌き」を放ち続けてきた。本書の内容が、より多くの読書人、そして多くの日本人の、心の琴線にふれることを、念じてやまない。
  • 人生は論語に窮まる
    -
    「子曰く、学んで思わざればくらし。思って学ばざれば殆し」「子曰く、これを知るものはこれを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」。誰でも一度はその一節に触れたことのある『論語』。古典中の古典として通読しておきたいと感じつつも、どこか道徳臭が強く、説教臭くてかなわないと敬遠しがちな人も少なくないのではないだろうか。しかし本書には漢文の授業で習ったような道徳臭や説教臭さはさらさらない。若くして『論語』に出合い、年を経て今日もなお、その真髄を味わうことを楽しみとする、当代一流の読書人である谷沢永一・渡部昇一の二人が、『論語』のなかから「これぞ」という一節四十項を俎上にあげ、社会批評や自分自身の体験を語りつつ、そのエッセンス、読みどころを紹介し、人生にどのように活かしていけるかを本書で語り合った、座談会形式の人生論である。人間社会をしなやかに、そしてしたたかに生き抜くヒント満載の一冊。
  • 老子の読み方 五千言に秘められた「きらめき」をどう拾い上げるか
    -
    近年静かなブームの老子。しかしこの老子という人物が確実に存在していたかはいまだ不明であり、『老子』五千言についても謎は多い。また有力な説である、弱者集団の発想、古代人の万物根源としての女性崇拝という視点で読むと納得できるところは多く、その魅力はつきることがない。ただ確実にいえることは、この五千言には「自由人がぱっと閃いた瞬間に走る稲妻」のような、いわば「きらめくような鋭さ」が随所に秘められていることである。そしてこの古典的名著に現代の碩学二人が挑んだのが本書である。まずは「老子」を読むうえで最上のテキストとは何かから始まり、訓詁注釈の姿勢で読まず、秘められた「きらめき」を拾い上げるように、絶妙の対話を重ねながら読み解いていく。日本人のなかで、長い時間をかけて血肉化されたこの一大思想には他の古典のように教師として高い場所から教え諭すような気配はない。老子を読むための最良のテキストが本書である。
  • 嫉妬の正体
    -
    人間誰しも、嫉妬からは逃れられない。松下幸之助が「嫉妬心は狐色に程よく妬かなければならない」と述べたように、その存在を認めていかに飼い馴らすか、そして他人からの嫉妬をどのように避けるかが肝要である。歴史上の人物から現代各界まで豊富な事例を紹介し、日本社会で生き抜く術を説いた名著、ここに復刊。
  • この国の不条理
    -
    PHP研究所刊行の月刊誌『Voice』連載の時評コラム「巻末御免」。本書では、この10年分を集成する。(平成9年1月号分~平成18年12月号分まで)全120編の中に、その時々を映す論点が、著者ならではの眼光で見事に捌かれる。知的刺激に満ちた、読書人待望のコラム集。
  • 本は私にすべてのことを教えてくれた
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    徹底的に、本に彩られた人生。本とは、著者にとって「生涯の師」であり、「終生の友」であった。蒐書六十余年、その数二十万冊以上。この数字は、著者が日本で最も本を愛する読書人であることを明確に示すといって過言ではないであろう。そのような、読書に徹した人生の経過を、思い出の特に深い本の話を枕に描き上げた、感動的な読書自伝である。
  • 欧米の独創的な100人に見る 名言の智恵 生きる智恵
    -
    短かくて覚えやすい気の利いた言葉は、ちょっと見には意味が深いようであっても、そこだけ切りとって前後の関係から取りはずしたら、単純で薄っぺらく奥行きの浅い放言となってしまう。著者は、これまでの名言集とは一線を画し、世間の一般には知られていないけれども、著者を感動させ、人生に開眼させ、導いてくれた名句ばかりを選び、著者の問題意識による自選名句集を世に送ってきた。本書は、そうした谷沢名句集の終局の一冊。近代・現代を中心に、欧米の珠玉の言葉100を厳選し、600字で解説している。出典は、例えば、ショーペンハウアー「幸福について」、マルセル・プルースト「失われた時を求めて」、マックス・ウェーバー「職業としての学問」、リヒテンベルク「わが箴言」など幅広い。ハッとさせられるような初めての名句に出あえる。
  • 大国・日本の「正体」
    -
    繁栄のさきに行きつく日本の未来はあるか? いま日本は、政治も経済もそして社会も、歪みが極限に達している。その歪みの正体を捉えることが、日本の未来像を描くために、最も重要である。現代は否応なく、個人が国家の命運に縛られざるを得ない。いや、世界がわれわれを直撃する。碩学が時代を喝破し、処方箋を提示する! 「精神的鎖国の民」に未来はあるのか……海図なき日本の真の姿が見えてくる!
  • 「正義の味方」の嘘八百 昭和史のバランスシート
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    第二次石油ショックを経て、経済効率において世界のトップに進み出た瞬間から、我が国は指標とすべき「先進国モデル」のない、海図のない時代へと突入した。これは構造的また心性的に、劇的な地殻変動である。この時期に当って日本歴史を見直し、日本人の智恵と活力を再発見し、現代の日本人として生きていく目安、勘所を模索して出した答案が本書である。
  • 歴史に学ぶライバルの研究
    -
    人の世は良くも悪しくも競争の世界である。「独断専行型の天智天皇VS人心懐柔型の天武天皇」「政治家・頼朝VS戦術家・義経」「信長に仕えた芸人・秀吉VS教養人・光秀」「人望家の西郷VS合理主義者の大久保」……。熾烈を極めたライバルたちの競争の歴史は、われわれにとって第一級のケーススタディとなっている。座談の名手が巨大なライバル8組を俎上に、その人間像を浮き彫りにする。
  • だから、論語を学ぶ
    -
    本書は、二〇〇〇年一月にPHP研究所より出版された『人生は論語に窮まる』を改題して二〇一二年にワックより刊行した『いま、論語を学ぶ』を『だから、論語を学ぶ』と再度改題したWAC BUNKO版です。 こんなに読みやすく、よく分かる! 「知の巨人」の二人の結論 人生で大切なことはみんな論語が教えてくれた! 「この本は読後感が大変さわやかで、心が洗われるような気がする。自信を失って浮遊状態にある日本人にとって、孔子の『論語』と、渡部・谷沢両先生の本書の教えは最高の人生指南だと思う」(日下公人「解説」より) ●社会生活をきちんとしていれば教養は自ずからつく ●友だちになろうと思われる人間になれ ●自分より劣った者を友にする人は成長しない ●人生とは八割以上が待つことである ●偽善のメッキは必ず剥げる ●「信」がなければ何事もなし得ない ●賭博の借金は必ず返すのが紳士の条件 ●これだけは許せないという基準を持つ ●露骨な批判を嫌う日本社会の雰囲気 ●実力があれば隠れたままで終わることは考えられない
  • 悩みの9割は読書が解決してくれる(KKロングセラーズ)
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    年代別におすすめする本を谷沢永一流に解説。本との出会いは「自分」の身の上にだけ起こる事件ともいえる。十五歳、二十歳、三十歳、四十歳、五十歳、六十歳、七十歳別に、谷沢永一がおすすめの書籍を紹介。いつ、なにを、読むかで人生が変わる全世代向け年代別+読書ガイド=105冊
  • 読書の悦楽
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    毎日、店頭に溢れ出るほど刊行される新刊書籍の中から、何を、どう選んで読めばよいのか? 図書費を押さえつつも、できるだけ幅広い分野の書物に目を通しておきたいが、何か上手い方法はないか? 本書は、こんな悩みを持つ活字中毒者に贈る、本読みのプロ・谷沢永一が経験的に得た“読書の手口”の大公開である。本書を構成するのは「雑読学序説」「蒐書学序説」「読まねばソンする25冊」の3章。「雑読学序説」は、著者が教鞭をとっていた関西大学の一年生対象の講座の最終講義を文章化したものだけに、漫談のような語り口調の中にも、思わず頷いてしまうプロの読書の方法論が堅苦しくなく語られていて面白い。「読まねばソンする25冊」では、著者お薦めの逸品、名著が紹介されており、活字好きにとっては有り難い読書ガイドになっている。作家、評論家による読書論は多々あるが、これほど実践的な読書論はない。活字好き必読の一冊である。
  • 正体見たり社会主義 「正義」の仮面と「理想」の嘘
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    「世の中には人を騙すことを本務としているような奴等がいっぱいいる。われわれはいつも気をつけて警戒しているのだが、時として引っかかることもある」(本書「人間性を見つめて考える」)。そのなかでも、手練手管の限りを尽くし、大仕掛けに網を打ち、二十世紀の世界をいちばんひどく騙したのが共産主義と社会主義である、と著者はいう。本書は、その「騙し屋」の手に二度と引っかからないように、日本社会党(現社民党)、日本共産党、マルクス、レーニン、スターリンを俎上に上げて、共産主義、社会主義の実態を見定め、その騙しの手口を解き明かした、痛快評論である。また、本書のなかで著者が、人間の権力欲がもっとも極端に達してできたのが共産主義権力であり、その実態を知れば知るほど、権力本能の怖ろしさに慄然とすると述べているように、本書は、共産主義、社会主義の研究書であると同時に、人間性の研究書、人間の権力欲の研究書でもある。
  • 人間通でなければ生きられない
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    人間に精通していければならない。そうでなければ、タテマエ倒れの小理屈屋か空理・空論のみの単細胞人間に終わってしまう。そこで本書は、大宅壮一、梅棹忠夫、司馬遼太郎、高橋亀吉、山本七平ら五人の人間通の人となりと発想法を説きつつ、人を知り、時代を把握するための秘訣を明かす。
  • 歴史が遺してくれた 日本人の誇り
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    上智大学名誉教授・渡部昇一氏絶賛!!「読むほどに日本人としての自信が湧き上がってくる名著である」古今東西の書物に精通した当代随一の“知の巨人”であり、“人間通”の著者が、人生をより豊かに生きるための「歴史との向き合い方」を語り尽くした一冊。装いも新たに、待望のリニューアル復刊!
  • 開高 健の名言(KKロングセラーズ)
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    谷沢永一20歳、開高健19歳、「谷沢さんですか、ぼく開高です」『えんぴつ』(谷沢永一主宰の同人誌)を訪ねた開高健の一言からはじまった交友が、没後20年、開高健の名言と谷沢永一の解説で奇跡の邂逅が実現。
  • 決定版 日本人の論語 伊藤仁斎『童子問』を読む
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    江戸の儒学者・伊藤仁斎はただテキストを暗唱するのではなく、その真髄を理解し、本来の学問としての究極の信念を理解しやすく書いた。本物の学問とは、人生をいかに生きるべきかをめぐって心の修練を重ねる努力である、という日本人の特有の学風が生まれたのも仁斎の出現による。仁斎がその人生最後の日まで手を入れた『童子問』を、書誌学の谷沢永一がその風格を活かしつつ、訳したのが本書である。巻の上16章:盗賊にも彼らなりのモラルがある。だから教育は可能である。巻の中13章:天下国家の治政を願うなら、人々が実行できない規律は強制するな。巻の下11章:天命を知る者はその身を慎む…など、現代に生き返った仁斎ならどう表現したかと、広く想像をめぐらし補足し省略もしている。上・中・下巻を1冊にまとめ159章からなるが、どの章から読んでもそこには人生について深く考えさせる倫理がある。

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  • 松下幸之助の智恵
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    他人の眼鏡を借りることなく、ひたすら自分の眼だけで物事を捉え続けてきた松下幸之助。彼が遺した五十冊以上にも及ぶ全著作を渉猟し“人間や国家はどうあるべきか”の本質を、希代の人間通・谷沢永一が解説する。「一人だけの繁栄はありえない」「賢愚の差よりも熱意の差」「無税国家は実現できる」など、その生涯をかけて人々に訴え続け、そして自らも実践した松下幸之助・信念の言葉。

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  • 本はこうして選ぶ買う
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    良書と愚書の見分け方、辞書の買い方、古本屋とつき合う法など、当代きっての読書人・谷沢永一が自身の反省の苦心と努力を大公開。本マニア必読の啓蒙書。 【主な内容】 1.最初の2冊/2.斎藤孝『読書力』の検討/3.次に買う2冊/4.読んだ本から枝葉を生やす/5.再び本を買おうと思案する時/6.本についての「せぬはよき」/7.辞書の買い方/8.本を読む前の思案5カ条/9.古本屋と昵墾(じっこん)になる法

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