高樹のぶ子作品一覧
-
-■■■緊急特集 都知事の「ウラの顔」■■■ ◎小池百合子都知事 元側近の爆弾告発 小島敏郎(元都民ファーストの会事務総長・弁護士) 「私は学歴詐称工作に加担してしまった」 ◎カイロで共に暮らした友への手紙 北原百代 百合子さん、あなたが落第して大学を去ったことを私は知っている── ◎コロナワクチン後遺症 読者の疑問に答える 福島雅典(京都大学名誉教授) ◎大座談会 昭和海軍に見る日本型エリート 保阪正康/河野克俊/戸高一成/新浪剛史/楠木建 ◎特捜部はなぜ五人衆を逮捕できないか 五十嵐紀男(元東京地検特捜部長) ◎プーチン新政権の「影の軍団」小泉悠×長谷川雄之 ◎トランプ前大統領は気配りもできる 杉山晋輔(元駐米大使) ◎短期集中連載4 駐中国大使、かく戦えり 原発処理水「情報戦」の真相 垂秀夫 ◎訂正できない日本共産党 東浩紀×松竹伸幸 ◎五大商社を鍛えた失敗の歴史 秋場大輔 ◎伝説のサラリーマン投資家が明かす個人資産800億円の投資術 清原達郎 ◎東大教授の「尊厳死」提言 あなたはどう死にたいですか 佐倉統 ◎カラダの不調スッキリ 室伏流4つのメソッド 室伏広治(スポーツ庁長官) ◎令和Z世代はなぜ働かないのか 麻布競馬場 佐藤優 ◎皇居の新博物館で宝物を探そう 磯田道史 島谷弘幸 ◎アカデミー賞なんて夢みたい 本田雄 ◎松本幸四郎インタビュー 叔父吉右衛門の煙草入れ 【連載】 ◎新連載 地図を持たない旅人 大栗博司 ◎お笑い社長繁盛記4 太田光代 ◎ムーンサルトは寝て待て10 内館牧子 ◎記者は天国に行けない28 清武英利 ◎有働由美子対談64 万城目学(作家) ◎小説 病葉草紙 京極夏彦
-
3.0
-
-シークワーサーの台木に、甘い蜜柑の穂木を接ぐ接ぎ木の映像を見た主人公は、幼い頃の生々しい匂いが満ちた混乱の記憶を呼び起こしてしまう「接ぎ木」。 聡子の友だちは14歳になってすぐに病気で亡くなってしまうが、数日後の夕方、誰もいない音楽室から知っているピアノの曲が聞こえて、亡くなった友だちに思いを馳せる「迷鳥(まよいどり)」。 死者に触れてしまったことでしばらくの期間、物忌みの日々を過ごさなければならなかった平安時代の貴公子・在原業平は、その日々を手の先からするりと消える蛍になぞらえた。現代にもまた、儚い思い出から抜け出そうと生きる男がいる「蛍」 などをはじめ、場所も時代も立場も様々な人間模様を、まるで空想と現実が混ざり合ったような不思議な物語として描く珠玉の短編24編を収録。
-
-恋愛小説とミステリが融合した傑作長編! 京都で和裁士を務めていた堀雅代は、名前を堀田雅代と偽って金沢市大野町にあるモロミ館に住み込んだ。 一人息子・圭介の〈死の真相〉を突き止めるためだった。 当時、金沢芸術大学の学生だった圭介は、16年前に金沢港の防波堤から海に落ちたのだが、波にさらわれたと警察に処理された。 だが、雅代は息子の事故死や自殺を認めるわけにはいかなかった。 「息子は殺されたのだ」 圭介の大学時代の同級生で親友だった柿沼利夫と、妻になった涼子が何か知っているに違いない。 利夫は金沢芸大の准教授になっていた。 遠藤美津は金沢の郊外、湯涌温泉にある夢二館に勤める20歳の美しい女性だった。彼女は利夫と不倫関係にあった。 金沢芸大の講師・薄井宏之は、古いロッカーの中から布にくるまれた白磁の皿を見つける。 この白磁の正体をめぐって陶芸界の重鎮ウダゴーこと羽田(うだ)豪太郎が大学を訪ねてくる。 羽田は柿沼利夫の妻・涼子の父親だった。 〈息子圭介の死〉と〈謎の朝鮮白磁〉が出合った先に真実はあるのか――。 恋愛小説とミステリが融合する、名手・高樹のぶ子のエンタテインメント長篇。
-
-恋愛と戦争、旅と読書を語りつくした随筆集。 [色]―口紅、汗、匂いとエロス。男を待つ時間の記憶。少女から大人の女へと時は過ぎゆく。 [旅]―日々を暮らす福岡から自らの分身「マイマイ新子」のふるさと山口県防府へ、そしてアジア、ヨーロッパへ。 [風]―老いの問題から拉致問題まで、9・11からイラク攻撃まで。2002年から2009年までの世界を丸ごととらえた斬新で古びない時事評論。 [流]―中高年の恋愛は「黄色の純愛」だ。映画やオペラ、音楽を娯しみ、昨日の通りに明日を生きる。 [本]―読んだつもりの本と嫌いなはずの本を語り、川端康成・三島由紀夫から須賀敦子・吉田修一までを味わう。 そして、巻頭には夢のような恋愛を描いた珠玉の短篇小説「花迎え」を特別収録。 高樹のぶ子の魅力を一冊に収めた芳醇なエッセー集。
-
4.0数々の文学賞を受賞した物語の匠が、一瞬にして日常から幻想的な非日常の世界へと連れていってくれる、珠玉の短編11編を収録。 常に家族写真に写っていた火鉢をきっかけに、家族の出生の秘密を探っていた主人公は、いつの間にか自らがその古い火鉢のなかに入り込んでいた(「旅する火鉢」)。還暦を迎え、これまでの秩序、精神を崩したいと願う主人公。血のような赤い椅子を得て、最高の快楽を古い記憶とともに夢想する(「ポンペイアンレッド」)。困っているセミを助けようとするも突如仇討ちされ、過去の男への加害を思い出す(「散歩」)。幼少期から青春時代に愛した、男たちとの煌めくような記憶。年老いた主人公は彼らの記憶を養分として、トマトを作り続ける(「私が愛したトマト」)。不治の病で入院している少女は、医者から一匹の蚕を贈られる。蚕は美しい絹を吐き出すと、自らの宿命を知っていたかのようい生を終え……(「蚕起食桑──かいこおきてくわをはむ」)。楽して生きることばかり考えている、どうしようもない若者・翔は、東北のある町で気のいい女性に会って徐々に変わっていき、大地震の日、女性の家族を助けようと危険のなかへ向かっていく(「翔の魔法」)。子どもの頃、心にひっかかっていた出来事は、大人になり人生に迷ったとき思わぬ形で幼馴染と再開したことにより、すべてが希望へと変わっていく(「かぐや姫」)。 表題作「私が愛したトマト」をはじめ、幻想と郷愁、現実と非現実、人とモノ、過去と未来といった日常の境界線があいまいになっていく不思議な世界を美しい文で描く。