香納諒一作品一覧

  • 川崎警察 真夏闇
    NEW
    -
    1巻2,200円 (税込)
    第26回大藪春彦賞候補にノミネートされた「川崎警察 下流域」の第2弾。 神奈川県警川崎署のデカ長・車谷一人(くるまだにひとり)の活躍を描く、長篇警察ミステリー。 京浜運河沿いで死体があがった。身元は暴力団員、伊波肇の母親照子。 陰部をナイフで抉られ、腹部から腸がはみ出る陰惨な殺しだ。対抗する組の犯行か? だが、家族には手を出さないのがヤクザの掟だ。それが破られたとなると、報復の連鎖で大変なことになる……。 発見現場に臨場した川崎警察署捜査係デカ長の車谷一人は、軽のバンの荷台から不審な荷物を下ろして走り去ったふたり組の男がいたことを聞きつける。男の一人は足を大きく引きずっていたという。 被害者は故郷の沖縄に里帰りし、事件当日午後二時着の飛行機で羽田空港に帰ってきた。だがその後の足跡が不明だった。 翌年五月に沖縄は本土返還を控えており、帰郷はそれからの方が便利ではという大家に「返還されてからでは、遅い」と伝えたという。 捜査を進めるうちに、空港から照子を軽バンに乗せたのが、死体発見現場で目撃されたふたり組で、どうやら照子の知り合いらしきことがわかった。 有力容疑者として浮かびあがった男を、全力で探す車谷。 だが、予想外のところで別の殺人事件が起きた。被害者は沖縄の開発や本土との交流に尽力しているという大阪の会社社長。 本土復帰を目前にした沖縄を食い物にしようする者たちの暗躍が明らかになるにつれ、ふたつの事件が絡み合っていく…… 好評『川崎警察 下流域』が第26回大藪春彦賞候補となった著者による、書下ろし長篇警察サスペンス第2弾!
  • 蒼ざめた眠り
    3.6
    各紙絶賛の隠れた名作、ついに電子化! 日経、毎日、中日新聞、週刊現代、週刊文春、週刊新潮ほか、二十媒体以上で取りあげられたハードボイルドミステリ巨編が、ついに電子化。  死にかけた海辺の町にもちあがった空港建設計画。町は真っ二つに割れていた。そんな中、辰巳翔一は廃ホテルを撮影中、反対派の女性ジャーナリストの絞殺死体を発見した。殺害女性の元夫で地元新聞の記者をしている安昼のたっての願いで、辰巳は元探偵である経歴を買われ、事件の解決を手助けして欲しいと頼まれる。簡単な事件に見えたが、しかし事態は二転三転し、辰巳自身想像すらしなかった事件の闇に絡め取られていく。  疲弊する共同体、己が欲得に溺れる人間たち、希望の見えない日本という状況を活写しつつ、ハードボイルドの物語を描ききった著者渾身のミステリ巨編!

    試し読み

    フォロー
  • あの夏、風の街に消えた
    3.8
    行方をくらました父に呼び出された大学生の僕。その夏を過ごすことになった新宿で遭遇した事件とは。祖父の変死、中国の天安門事件、地上げとマフィア、そして自分の出生の秘密が交錯し、青春の痛みを描き出す長編。
  • 絵里奈の消滅
    3.6
    1巻1,699円 (税込)
    最後のページに「彼女」はいない――。謎の女の正体にあなたは気づけるか? 元刑事で探偵の鬼束啓一郎。彼がかつて逮捕した男・牛沼が水死体で発見された。その前日、鬼束の携帯電話には、牛沼からの不在着信履歴が残っていた。その電話の用件とは、行方不明になっている娘・「絵里奈」を探してほしいという捜索依頼だったらしい。鬼束は依頼人不在のまま、牛沼の遺品の写真を元に、絵里奈の行方を追うことになるが……。失踪した謎の女を取り巻く闇に迫った鬼束が、最後に目にした衝撃の結末とは? 著者渾身の傑作ハードボイルド!
  • 女警察署長 K・S・P〈新装版〉
    -
    累計20万部を超える人気シリーズ! 新任署長を待ち受ける試練! 盗まれた妻のヴァイオリンを探してほしい―—。 署長の村井貴里子は都知事の仲立ちで引き合わされたアメリカ人石油王から突飛な依頼を受けた。 特捜部チーフ・沖幹次郎と捜索を開始するが、あの男が立ちはだかる。 チャイニーズマフィア・五虎界の朱栄志。 三年前、壮絶な銃撃戦のすえに取り逃がした怨敵だ。 再び死闘がはじまる。 なぜ、栄志もヴァイオリンの入手に執念を燃やすのか。 貴里子と沖を待っていたのは驚愕の真相だった。 累計20万部を超える人気シリーズ第四弾。 新任署長を待ち受ける試練!
  • 嚙む犬 K・S・P〈新装版〉
    -
    新宿オフィス街で見つかった女刑事の白骨死体。 その死の背後には、警察内部の不祥事隠蔽や、権力をめぐる暗闘、政官を巻き込む巨大な闇が。彼女の無念は晴れるのか。 新宿高層ビル街の一角に沖幹次郎、村井貴里子らK・S・P特捜部が駆けつける。 植え込みから白骨体が見つかったのだ。 身元は警視庁捜査二課の溝端悠衣警部補。 死亡前の動向を探ると、未解決の轢き逃げ事件を単独捜査していた形跡が浮上。 被害者は暴力団組員で、溝端は保険金の受取人である婚約者とも接触していた。 彼女が秘密裏に突き止めようとしていたものとは。 事態はやがておぞましき全貌を――。 警視庁歌舞伎町特別分署KSPシリーズ第3弾!
  • 川崎警察 下流域
    4.5
    1巻2,200円 (税込)
    1970年代の川崎。地元漁師たちには、漁業権や船舶の買い上げと補償金を巡り、分断と対立が生じていた。また朝鮮や沖縄からの流入者が多く住民感情は複雑化していた。そんななか、多摩川河口に矢代太一の溺死体があがった。彼は漁業権問題で漁民をまとめる交渉役だったが、それゆえに一部の漁師から恨みも買っていた。遺体には複数の打撲痕が認められた。また遺品にはキーホルダーがふたつあり、自宅以外にも家があるようだった。川崎署のデカ長、車谷は捜査に乗り出す。矢代は補償金で食堂を始めたが、妻の死で店を畳み、いまは次男と暮らしていた。被害者の足取りを追ううちに、矢代は居酒屋で飲んでいるところに若い女性からの電話で、慌てて店を出て行ったことがわかった。事件が報道されると、矢代と義理の娘に部屋を貸したという夫婦から連絡が入る。矢代に義理の娘などいない。車谷たちは不審死の背後に横たわる深い泥沼に足を踏み入れることに…
  • 完全犯罪の死角~刑事花房京子~
    3.3
    1巻1,320円 (税込)
    沢渡留理は亡き父親から引き継いだ会社“沢渡家具”を守るため、綿密に計画を練って兄とその愛人を、痴情のもつれを装って殺した。偽装工作は完璧だったはずなのに、翌朝、家政婦から、家に強盗が入って兄が殺されたようだ、という連絡を受ける。いったい何が……? 現場に戻った留理は、子供のように捜査に没頭している長身の女刑事と出会った。その女は、花房京子と名乗った――。
  • 逆転のアリバイ 刑事花房京子
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    宝石商の壬生真理子が夫の陽介と共に描いた綿密な殺人計画が今宵実行に移される。ターゲットは自分たちに偽造ダイヤを売りつけたイタリア人のフェルナンド。アリバイ工作も整い、残るは殺害のみという状況下、予想外の人物が凶弾に倒れる……。だが、それすらも「計画」を逆手に取った加害者の計算通りだった……。予断を持って捜査を進める集団の中で、ただひとり花房は別の可能性を検討しはじめていた。
  • 刑事群像
    3.9
    1巻1,672円 (税込)
    路上で発見された女性の全裸遺体。捜査一課七係強行班が動き始める。被害者は経営コンサルタントの坂上実咲。その名前は刑事たちに、二年前の痛恨の記憶を呼び起こす。被害者の身辺を洗う中、二年前の事件で辞職した元刑事・沢崎の名前が挙がった。やがて捜査一課は、中本班・強行班の二班合同体制をとる。被害者の周囲に蠢く人間と欲望、刑事たちの思惑と記憶。警察小説の名手が満を持して放つ、捜査一課シリーズ最高傑作!
  • 孤独なき地 K・S・P 〈新装版〉
    3.5
    新署長赴任の朝。署の正面玄関前で、容疑者を連行中の刑事が雑居ビルから狙撃された。目の前で事件に遭遇したK・S・P(警視庁歌舞伎町特別分署)の沖幹次郎刑事は射殺犯を追う。銃撃戦の末、犯人のひとりを仕留めるが、残るひとりは逃亡した。金を生む街、新宿歌舞伎町で暴力組織が抗争を開始したのだ。息も吐かせぬ展開と哀切のラストシーン。最高の長篇警察小説。
  • さすらいのキャンパー探偵 降らなきゃ晴れ
    4.0
    1~3巻550~594円 (税込)
    改造したフォルクスワーゲン・タイプ2、通称ワーゲンバスを塒に、フリーのカメラマンと探偵の二足の草鞋を履く辰巳翔一。様々な依頼に応えて、今日も全国を東奔西走する。「降らなきゃ晴れ」「バーボン・ソーダ」「石売り伊三郎」3編を所収。
  • さらば狩人
    -
    今度の依頼はどこかキナ臭い。標的を横取りされた殺し屋の安本兄弟は、暴力団に加えて産業スパイ、公安、CIAまでが入り乱れての熾烈な争いの渦中で、失踪した妹をひたすら探す山人(マタギ)の娘と出逢う。やがて不気味な気配とともに浮上する、コンピューター業界の均衡を劇的に崩壊させかねない新型チップの謎!ある大物右翼が綿密に画策した、日米半導体戦争に新たな地平を拓く巨大な陰謀とは何か―。第52回日本推理作家協会賞受賞の気鋭が贈る、人間ドラマに満ちたノンストップ・ハードボイルドサスペンスの傑作。
  • 砂時計 警視庁強行犯係捜査日誌
    3.8
    1巻2,200円 (税込)
    マンションの一室で三十八歳の女性が死亡。大量の睡眠薬をアルコールとともに服用したことで昏睡状態となり死に至ったようだ。テーブルには「疲れました。ごめんなさい」と印字された遺書らしきプリントも。 自死と思われたが、所轄は警視庁捜査一課の大河内茂雄部長刑事に現場への臨場を依頼した。不自然なことが多かったのだ。部屋のパソコンからはここ数カ月のメールが消去されていたし、死の前日にスーパーの宅配サービスに注文を入れていることもわかった。 マンション住人からの聞き込みから、複数の男の出入りが確認され、事件当夜には男女の言い争う声も聞かれていた。 大河内刑事は、被害者が中学生のときに父親が殺人を犯していたことをつきとめる。また被害者は二年前にも大量の睡眠薬を服用し病院に搬送されたこともわかった。 捜査を進めるうちに、被害者のまわりでうごめく黒い影に存在に気づく…… 書下ろし警察ミステリー。
  • 刹那の街角
    4.3
    新宿の裏社会とアジアの地下銀行の取引の陰で、幸薄いひとりの女が命を落とした。表題作「刹那の街角」をはじめ、運命に翻弄され心ならずも犯罪に巻き込まれる人生の悲哀を描いた計七編を収める連作短編集。
  • 絶対聖域 刑事花房京子
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    刑務所に一般市民を招くオープンデイ。盛況に沸く中、元受刑者の首吊り死体が発見され、会場は瞬く間に騒然となった。路頭に迷っての自殺を有力視する刑務官たち。しかし、現場に居合わせた警視庁の花房らは疑問を抱く。死んだのは弱者を食い物にしてきた男。自ら命を断つとは考えにくい。捜査陣の介入に刑務官たちは頑なな拒絶を貫こうとする。彼らは何を守ろうとしているのか――? 名手の技が光る傑作倒叙ミステリーシリーズ!
  • ただ去るが如く
    4.5
    5年前、組の幹部を殺害して大阪を後にした橋爪優作は、北陸の海辺の町で所帯を持ち、一見かたぎのような生活を送っていた。だが、その裏では元タンカー乗りの老人と手を組み、「表沙汰にできない金」を強奪するという裏仕事に手を染めていた。冬のある日、京都のお茶屋で闇献金を奪取した優作は、旧知の女実業家に現場を押さえられ、ありがたくない仕事を押しつけられる。ある業者から広域暴力団、共和会に渡る3億円の横取りだ。やむなく女の言い分を受け入れた優作は、因縁の男たちと対峙することになるが……。傑作ロマン・ノワール。
  • タンポポの雪が降ってた
    4.7
    甘美な恋の思い出と裏切りの痛みをたどりなおす、グレイハウンドの旅を描いた表題作はじめ、ふとした感傷が時をへだてて突きつける人生の哀しみを綴る「歳月」など、乾いてせつない珠玉七編を収録。
  • 毒のある街 K・S・P 〈新装版〉
    -
    K・S・P特捜部の沖幹次郎は突然の人事でチーフをはずされた。新チーフはキャリア警部の村井貴里子。怒りを抑えきれない沖だが、その矢先、射殺事件が起きた。標的は神竜会のヤクザ二人。新宿進出を目論む関西系暴力団・共和会傘下の鳴海興業による犯行だった。さらには首領を失い凶暴化するチャイニーズマフィア・五虎界も、新宿再開発を巡って暗躍を始める。「孤独なき地」に続くK・S・Pシリーズ第二弾。
  • 名もなき少女に墓碑銘を
    4.0
    無聊(ぶりょう)を託(かこ)つ探偵・鬼束は、刑事だった時に逮捕した男が、水死したことを知る。携帯への着信から、亡くなる前にその男が、行方不明となっている娘の捜索を頼もうとしていたことを知った鬼束は、男の遺品にあった彼女の写真を手に入れ、娘の行方を追い始めるが……。見えてきたのは、娘を取り巻く家族の歪んだ愛情、捜索過程で得た家族写真……。手がかりを掴むたびに増す違和感の果てに、鬼束が目にした衝撃の真実とは? 傑作長編ミステリー。『絵里奈の消滅』を改題。
  • 幻の女
    3.8
    弁護士の栖本は五年ぶりにかつての恋人、瞭子に会い、未だに彼女を忘れられない自分を知る。ところがその翌朝、瞭子が刺殺されたという連絡を受け、彼女の本当の過去を追い始める。日本推理作家協会賞受賞作。
  • 無縁旅人
    4.0
    『贄の夜会』の警視庁捜査一課大河内班が再登場! 腐乱死体となって発見された16歳の少女・舞子は妊娠していた。援助交際、ネットカフェ難民――地方の養護施設から逃げ出し都会をさまよう舞子は、腹違いの弟を死に追いやり保険金を奪った叔父の行方を追っていたという。無縁社会を生きる若者たちの孤独を噛みしめ奔走する警視庁捜査一課大河内班の刑事たち。解説・中辻理夫
  • 無限遠
    3.3
    歪な学園都市の闇を探偵・辰巳が抉り出す! 「この街は、根っこに様々な問題を抱えています。新住民と旧住民ということだけではありません。この学園都市の住民たちは、役職や地位によっていくつもの層に分かれていて、その悪い影響が子どもの中にも出ているんです」 3人の少女達の堕落死に揺れる街で、失踪した青年の捜索を依頼された元カメラマンの探偵・辰巳翔一。青年の無実を信じ、捜査を続ける辰巳の行く手に、新興都市の闇と過去の迷宮がたちはだかる! ゆがんだ教育環境の下で震える少女たちの孤独と、疵を負った青年の「魂」の救済を描く感動のミステリー。

    試し読み

    フォロー
  • 夜の海に瞑れ
    4.0
    癌に冒された老ヤクザを故郷の淡路島まで運べ。舞いこんだ依頼はたやすいはずだった。だが、謎の追手の襲撃によって、老人と親友が拉致される。しかも、その老人は、五十年以上前にシベリアの捕虜収容所で、凍土に葬られたはずの男だった。組織を裏切った老ヤクザの本当の狙いは何か。殺し屋、ロシアンマフィア、そして日本の闇権力の陰謀と裏切りが交錯しあう中で、探偵碇田が執念の追跡の果てに見たものは……? 過去の傷痕に引きずられ、闇に蠢く男たちの吐息。信義なき世界でぎりぎりの誇りを全うする孤独な闘いを、壮大なスケールで描き切る、冒険小説!

最近チェックした本