源氏鶏太作品一覧

  • 青い果実
    -
    金満家の娘を独占しようと奇行を演ずる町の青年たち。ダラクしたそれらの青年たちにレジスタンスする町の娘たち。ちょうどその頃、若い青年医師が東京から帰郷したことにより、波紋はますます大きな輪を描く……。海に近い小さな町に起った珍騒動を、軽快なタッチで描いた痛快小説。
  • 青空娘
    3.8
    主人公の少女、小野有子は祖母の死によって自身の出生の秘密を知り、見知らぬ土地東京で暮らすことになる。継母とその子供たちからのいじめ、手がかりの少ない実母の行方探しなど幾多の困難にぶつかるが、それでも健気に真直ぐ生きる彼女に手を差し伸べてくれる人々が現れ、運命は好転していく……。青空のように明るく希望に溢れた日本版シンデレラストーリー。
  • 明日は日曜日
    4.3
    総務課に勤める桜井大伍は、同期の山吹桃子とともに、社内外に巻き起こるドタバタ事件に次々と巻き込まれる。1950年代、懐かしい“昭和”の牧歌的な空気の中、魅力的な登場人物たちが、恋や仕事に右往左往する姿をユーモラスかつキュートに描くラブコメディ。各話「明日は日曜日」と締め括られる構成も魅力的で、「今」読むからこそ新鮮な13編からなる連作短編小説。
  • 一騎当千
    -
    昭和33年、日中貿易の中断で、北浜交易株式会社は東京支店を閉鎖。解雇され人生の岐路に立った社員の有志7人は団結し、退職金を資本に新会社を設立、脱サラどころか資本家として再出発した。だが、弱者につけいる世間のあくどい罠、そして怪人物・怪婦人の跳梁など、前途は多難である…。「わざわい転じて福」となるのか? 覇気、恋、人情、滋味横溢の脱サラ奮闘ストーリー。
  • 英語屋さん
    3.3
    入社10年の風間京太は、気難しい社長の出張に随行を命じられた。お眼鏡に適えば、大出世。機嫌を損ねたら、お先真っ暗。社長は現地にいる元愛人との逢瀬を企んでいるが、夫人からは二人の密会を阻止せよ、と厳命されており…。風間の選択は!?(「随行さん」)ほか、サラリーマンの哀歓を描く全10編。不条理な職場や理不尽な上司に喘ぐ、若い読者こそ必読。働き方のヒントは、昭和の名作にあった!
  • 奥様多忙
    -
    いいなずけを嫌って家出して、東京の義兄の家に転がり込んだ現代娘・悠子さんの周辺に起こる、波瀾の数々。オフィス・ラブの誘惑に揺らぐサラリーマンたち、亭主の横暴に業を煮やした夫人たちの主婦連盟の結成など、いつに変わらぬサラリーマン家庭の悲喜劇を、見事に描く。恋あり涙ありの傑作ユーモア長編。
  • 御身
    5.0
    “誰かが私を三十万円で買ってくれないだろうか”OL矢沢章子は弟が作った不慮の借金を自分の身体を売った金で返済することを決意。結婚を考えた恋人に心の中で別れを告げ、知人の紹介で長谷川という会社社長と愛人契約を結ぶ。金銭による義務的な取引と割り切っていたはずが、関係を深めるうちに感情が変化していく。そして契約期間6カ月の終わりが近づき……。
  • 家庭の事情
    4.0
    定年になった三沢平太郎は退職金と貯金を合わせて300万円を5人の娘と自分で平等に6等分することにした。その金を元手に喫茶店を開いた長女、お金に困っているという恋人に貸した次女、旅行の資金にする三女、株式に投資する四女、会社で高利貸しを始めた五女、小料理屋の女に入れあげる父、平太郎。それぞれの50万円の使い道から三沢家にドタバタ劇が巻き起こる?!
  • 愛しき哉
    5.0
    恋に破れた長女、姉の許婚者にひそかな想いを寄せる次女、陰影の濃い男性にプロポーズされた三女、そろって青春の岐路に立った可愛い三人娘に、父親はとまどう。不憫な思いをさせたくない親心とは裏はらに、嫉妬、背信に苦しむ母を知らない娘たち。それを優しく抱く父の心を、あますところなく描いた傑作長編。
  • 最高殊勲夫人
    3.8
    野々宮杏子は、三原商事の社長夫人である姉から、義弟の三原三郎との政略的な結婚を持ちかけられる。しかし、利発な彼女は恋人がいると嘘をつき、三郎と協力してこの話が実現しないよう奔走する。それぞれに別の結婚話が動き出す頃、いつの間にか二人はお互いに惹かれ合っていることに気づいてしまう……。読み始めたら止まらない、胸ときめく昭和のラブコメディ!
  • 青春をわれらに
    -
    婿の周吉に社長の椅子を譲った南部友助は、閑暇な日常がもの足らず、とかく小言幸兵衛になりがちだ。この上は茶飲み友達でもあてがおうと、周吉夫婦が見合いのプランを立てた。一方、友助が昔世話をした女性が、用事あり気に突然現れた。前社長の面目にかけてもと友助は胸を叩く。見合いも進行、用事も進行。友助に青春は蘇るか。
  • 停年退職
    -
    1巻1,210円 (税込)
    五十五歳の矢沢章太郎は、某化学工業会社の厚生課長、すなわち半年後には停年退職の日が控えている。母親のいない娘と息子のこと、愛人のバーのマダムのこと、新しい就職口のこと――停年後のあれこれを案ずる章太郎は、焦燥の日々を送る。サラリーマンのだれもがいつかは必ず迎えることになる停年退職という大きな問題をめぐって、人生の喜びと哀しみを描きあげた評判の長編。
  • 天下泰平
    5.0
    ソ連から復員して会社に戻ってみると、会社は合併されていて元社長は格下げになっていた。熱血漢・立春大吉は、恩顧を受けた元社長の重役復帰を画策するが、会社側の猛反撃を受けて窮地に陥る……。会社内部の派閥抗争、ポスト争い、スパイ合戦などの中で、敢然と闘う独身男・立春大吉、そして彼をめぐる3人の女性を描いたサラリーマン小説の超大作。
  • 天下を取る
    -
    二流大学卒ながら、エリート人間とはひと味違うバイタリティを社長にみこまれ、東洋物産に入社した大門大太。入社早々、「天下取り」を宣言し、参謀を買って出た同期の亀村兵治、爽快な生き方に惚れた安原沢子らの協力で、次々に難関に体当りを開始する。快男子の型破りな行動を痛快に描く、現代サラリーマン出世物語。
  • 天上大風
    -
    1巻1,320円 (税込)
    南雲は、友人の会社に乗り込み、総務部長として「悪人」田所専務と対決しようとする。しかし肝心の友人が、世間体のみを気にする気の弱い金持ちの息子にすぎなかったため、会社の改革も一筋縄ではいかない状況に。恋の三角関係もからみつつ、南雲が選んだ結論とは……。独自のサラリーマン小説で一時代を画した著者の代表作。
  • 二十四歳の憂鬱
    -
    K商事の支店長で妻子ある青地を恋する滝沢みき子は、悪いこととは知りつつも、彼との逢瀬に溺れてゆく悦楽には勝てずにいる。一方、会社の若い同僚・三森は、みき子に思いを寄せ求婚を公表している。――ときに青地の身辺には、大きな転機が訪れてきた。人生の曲り角に立たされたみき子。同じことがひろ子、由利子にも……。若いOLの愛の苦悩、24歳の危険な年齢を描く傑作長編。
  • 僕と彼女たち
    -
    僕は28歳。野原理恵子に失恋した痛みを抱えつつも、いま成田伸子と深い関係になろうとしている。でも伸子と結婚するつもりはない。もっと好条件の相手がいそうだし、現に、僕のまわりには数人の女が虎視眈々僕を狙っているのだ! 北沢浩平と彼を巡る5人の女性たち。独身時代を謳歌する若いサラリーマンの「愛と性のモラル」を描く長編明朗青春小説。
  • 坊っちゃん社員
    3.0
    太陽工業株式会社の新入社員・昭和太郎は、根っからの江戸っ子で、自然児のごとく振舞う。田舎のN町の工場に赴任そうそう、芸者と輪タクに相乗りしたり、ボス相手に乱闘したり、その奇行が町でも会社でも話題になる。そして、町での武勇伝が新聞にのり、会社からは要注意人物視される。だが、このアウトサイダーは、いつしか会社にとってかけがえのない重要人物になっていく。その起伏に富んだ過程を描く、ほほえましい痛快小説。
  • 万年太郎
    5.0
    万年太郎が九州から東京本社へ転勤になった。彼の評判はすこぶる悪い。酒と女にだらしなく喧嘩っ早い。これが彼に貼られたレッテルだ。しかし、それが大いなる誤解にもとづいたものだとは誰も知らない。いよいよ上京の当夜、太郎はさっそく噂を実証してしまう……。純情多感な快男児、颯爽たる奮闘を描く明朗長編小説。
  • 見事な娘
    4.0
    お転婆で男勝りの桐子は、ミス丸の内と呼ばれるOLである。溌剌としているけれども、悩みがないわけではない。結婚後に家出をした兄、事業に失敗した父のことで、心は曇る。それでも不幸な恋愛で傷手を受けた同僚には、献身的な助力を惜しまない。青春の哀歓を見事に生きる、OLの典型を描いた傑作長篇。
  • 緑に匂う花
    -
    初夏の日曜日、蕗子は自転車に乗って、兄の家を次々と訪問していく。父はとうに停年で、嘱託期間もあとわずか。その後の生活についても、相談しなければならない。しかも相談相手の兄夫婦は、不安定な生活だ。そんな折、蕗子の家に青年技師が下宿することになり、彼女は胸をはずませる。22歳、蕗子は適齢期であった……。微妙にゆれうごく乙女心を爽やかに描く明朗青春小説。
  • 娘の中の娘
    -
    父親を裏切り、男と失踪した長女に、複雑な気持を抱いている父親は、次女の桂子にすべての夢をかける。だが、その桂子も父親の意見をきかずに、OLになってしまう。未知の世界は、桂子に新たな目を開かせるのだが……。愛と友情に悩む乙女心と、父親の哀歓を鮮かに描いた傑作長編。

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