長浦京作品一覧

  • 警官の道
    4.0
    「力が必要だ」――母と自分を虐待し別れたろくでなしの父親に復讐するため、暴力団員を目指す聖。中華料理店でアルバイトをしながら、神戸の金坂組のバッジをもらうチャンスを狙う聖は、組に出入りするサングラスをかけた迫力十分の男に弟子入りを懇願する。だが、男は素姓はそのうちわかると言い残し闇の奥へ消えた……(「聖」)。 組織に生き、事件と隣り合わせの警官たちの生きざま。 「孤狼の血」シリーズの柚月裕子、『スワン』『爆弾』で注目の呉勝浩、「刑事犬養隼人」シリーズの中山七里など、ミステリー界を背負う注目作家たちによる、豪華警察小説アンソロジー!
  • リボルバー・リリー
    3.7
    小曽根百合――実業家・水野寛蔵の下、幣原機関で訓練を受け、16歳で実地任務に投入。東アジアを中心に3年間で57人の殺害に関与し、各国大使館から「最も排除すべき日本人」と呼ばれた美しき諜報員。20歳で消息を絶った彼女だが、消えた陸軍資金の鍵を握る少年・細見慎太との出会いによって、再び戦場へ。百合と慎太を追うのは陸軍の精鋭部隊。関東大震災後の帝都を生き抜く先に、終息の地は待っているのか。
  • アキレウスの背中
    3.5
    1巻1,900円 (税込)
    公営ギャンブル対象のマラソンレースで、世界記録を狙うトップランナーに脅迫状が! 国際テロリスト集団が、襲撃を仕掛けてきた。 標的は日本人最速ランナーと、ランニングギアの開発をめぐる機密情報。 警察庁は極秘に、特別編成の組織横断チームMITを立ち上げた。 MITを率いる女性刑事は、ランナーを守れるか。 直木賞候補作『アンダードッグス』の著者による圧巻のノンストップ・サスペンス。
  • アンダードッグス
    3.3
    1巻1,056円 (税込)
    「君の選択肢に『No』はない。『Si(はい)』でなければ『morte(死)』だ」――1996年末、元官僚の証券マン・古葉慶太は、顧客の大富豪・マッシモからある計画を託される。それは、中国返還直前の香港から密かに運び出される国家機密を強奪せよというものだった。かつて政争に巻き込まれ失脚した古葉は、逆襲の機会とばかりに香港へ飛ぶ。だが、彼を待っていたのは、国籍もバラバラな“負け犬”仲間たちと、計画を狙う米露英中、各国情報機関だった――。裏切るか、見破るか。策謀の渦巻く香港を“負け犬”たちが駆け抜ける!
  • アンリアル
    3.9
    1巻1,881円 (税込)
    両親の死の真相を探るため、引きこもり生活を脱し警察官を志した19歳の沖野修也。 警察学校在学中、ある能力を使って二件の未解決事件を解決に導いたが、推理遊び扱いされ組織からは嫌悪の目を向けられることになってしまう。 そうした人々の目は皆、暗がりの中で身構える猫のように赤く光って見える。それこそが、沖野の持つ「特質」だった。 ある日、単独行動の挙句、公安の捜査を邪魔したことで、沖野は副所長室に呼び出され聞きなれない部署への異動を命じられる。 「内閣府国際平和協力本部事務局分室 国際交流課二係」。 そこは人知れず、諜報、防諜を行う、スパイ組織だった--。 日本を守る暗闘に巻き込まれた沖野は、闇に光る赤い目の数々と対峙していくことになるのだが……。 スパイ小説のシンギュラリティとなる記念碑的作品、ついに刊行。
  • 1947
    4.3
    1巻2,750円 (税込)
    1947年。英国軍人のイアンは、戦場で不当に斬首された兄の仇を討つため来日する。駐日英国連絡公館の協力を得つつ少ない手掛かりを追うが、英経済界の重鎮である父親ゆずりの人種差別主義者でプライドの高いイアンは、各所と軋轢を生む。GHQ、日本人ヤクザ、戦犯将校……さまざまな思惑が入り乱れ、多くの障害が立ちふさがる中、次第に協力者も現れるが日本人もアメリカ人も信用できない。イアンの復讐は果たされるのか?
  • 決戦!忠臣蔵
    4.5
    三百有余年、日本人が愛し涙を流し続けた続けた歴史物語『忠臣蔵』。多くの文学賞を受賞している歴史小説界の至宝とも言うべき作家たちが、日本最大の歴史サーガに挑む。傑作アンソロジーが待望の文庫化。
  • 赤刃
    4.7
    江戸初期、徳川家光の治世。百を超える<辻斬り>の災禍に、江戸の町は震撼していた。殺戮集団の主犯は、戦国の英雄、元津藩士の赤迫雅峰とその一党。幕府が送る刺客は次々と返り討ちにあい、老中・松平伊豆守は切り札となる<掃討使>に旗本・小留間逸次郎を任命する。赤迫対逸次郎、血塗られた闘いは連鎖し、やがて市中は戦場と化す--。無惨にして無常。これぞ、新時代の剣戟活劇!
  • プリンシパル
    4.0
    1巻2,310円 (税込)
    1945年、東京。大物極道である父の死により、突如、その「代行」役となることを余儀なくされた綾女。大物議員が巡らす陥穽。GHQの暗躍。覇権を目論む極道者たちの瘴気……。綾女が辿る、鮮血に彩られた謀略と闘争の遍歴は、やがて、戦後日本の闇をも呑み込む、漆黒の終局へと突き進む! 脳天撃ち抜く怒濤の犯罪巨編、堂々開幕。
  • マーダーズ
    4.5
    大藪賞受賞作『リボルバー・リリー』が2023年行定勲監督で映画化決定! 気鋭の作家による衝撃の問題作。 この街には複数の殺人者がいる。彼らが出会うとき、 法では裁き得ない者たちへの断罪が始まる――。大藪賞作家が現代を舞台に描く圧倒的犯罪小説! デビュー2作目『リボルバー・リリー』でいきなり大藪賞受賞! ストーカーに襲われる女性を助けた夜から、 商社マンである阿久津清春の日常は狂い始める。 ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女、 柚木玲美は言った「あなたが殺人犯だと知っています」 17歳の夏、清春は人を殺していた。誰にも知られず――。 意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、 母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する。 パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組対五課の刑事・則本敦子。 彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。 異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、 やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしまう……。 この10年で日本全体の殺人認知件数は1万288。検挙率の平均は98%。 単純計算で206人の殺人犯が捕まっていないことになる。 また、年間約17万人が死因不明の異状死として届けられるが、解剖に回されるのはわずか12%。 およそ15万の「異状死体」が、詳しく調べられないまま死因を特定されている。 イギリスでの解剖率は約40%、アメリカで約60%、北欧では90%を超えるところもあり、 他の先進国と比べてこの数値は異様に低い。 つまり、この国では多くの「死」が見逃されている可能性があるのだ。

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