津原泰水作品一覧

  • 夢分けの船
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    映画音楽の勉強のため四国から上京してきた修文。幽霊が出ると噂される風月荘704号室を舞台に、「音楽」という夢の船に乗り合わせた人が奏る、切なくも美しい、著者最後の青春小説。
  • 赤い竪琴
    4.5
    その頃の私はいつも、どこか疲れていたし注意力散漫だった。蓄積していた疲れは私を無気力にした――漠然とした不安のなかで日常を過ごす三十代のグラフィックデザイナー・入栄暁子は、祖母の遺品から発見された、夭折の詩人・寒川玄児の日記帳を手渡すため、その孫である古楽器職人に会いに行く。この、無愛想な男との出会いは、沈んでいた暁子の心を強く揺り動かした。彼は日記の礼にと、暁子に自作の竪琴を託すが。二人とその祖父母を繋いだ“絆”と“謎”を鮮やかな筆致で描いた、静謐な恋愛小説。/解説=日下三蔵
  • 11 eleven
    4.2
    百年に一度生まれ、未来を予言するといわれる生き物「くだん」。鬼の面をした怪物が「異形の家族」に見せた世界の真実とは(「五色の舟」)―各メディアでジャンルを超えた絶賛を受け、各種ランキングを席巻した至極の作品集。津原泰水最高傑作短篇との呼び声が高い「五色の舟」を始め、垂涎の11篇を収録。著者による自作解題も併録。
  • エスカルゴ兄弟【電子特別版】
    値引きあり
    4.1
    編集者の尚登は突如クビを言い渡され、何故か料理人として次の職場を斡旋されることに。そこで待っていたのは若手写真家の秋彦。うずまきを偏愛する彼と前代未聞のエスカルゴ料理店を立ち上げることになるが……!?【電子限定、著者サイン入り!】
  • 綺譚集
    4.1
    散策の途上で出合った少女が美しく解剖されるまでを素描する「天使解体」、白痴の姉とその弟が企てる祖父殺し「サイレン」、陵辱された書家の女弟子の屍体が語る「玄い森の底から」等、妖美と戦慄が彩る幻想小説や、兎派と犬派に分かれた住民たちの仁義なき闘争を綴る「聖戦の記録」の黒い笑い、失われた女の片脚を巡る「脛骨」の郷愁、ゴッホの絵画を再現した園に溺れゆく男たちの物語「ドービニィの庭で」の技巧等々。文体を極限まで磨き上げた十五の精華を収める。孤高の鬼才による短篇小説の精髄。※紙書籍版とはカバー画像が異なります。/【収録作】「天使解体」/「サイレン」/「夜のジャミラ」/「赤假面傳」/「玄い森の底から」/「アクアポリス」/「脛骨」/「聖戦の記録」/「黄昏抜歯」/「約束」/「安珠の水」/「アルバトロス」/「古傷と太陽」/「ドービニィの庭で」/「隣のマキノさん」/解説=石堂 藍
  • クロニクル・アラウンド・ザ・クロック
    4.4
    1巻2,035円 (税込)
    次は誰が死ぬの?――いま、ロックバンド“爛漫”の事件に立ち会ったひとりの少女は語り出す、美しいほどに血も涙もない真犯人・オープンD……著者最高の青春「犯罪」小説!
  • 五色の舟
    4.4
    先の見えない戦時にありながら、見世物小屋の一座として糊口をしのぐ、異形の者たちの家族がいた。未来を言い当てるという怪物「くだん」を一座に加えようとする家族を待つ運命とはーー。津原泰水の傑作幻想短編を、近藤ようこが奇跡の漫画化。月刊コミックビーム2013年8月号~2014年3月号に掲載の全8話を収録。カバー、あとがき(近藤氏、津原氏)は書き下ろし。
  • 少年トレチア
    4.0
    都市のまどろみは怪物を育む。みんなが云う。悪いのはトレチア。殺したのはトレチア――謎の少年が囁く死の呪文「キジツダ」とは? 新興住宅地で次々おこる殺人事件。目撃された学帽と白い開襟シャツの少年は何者か。都市伝説を通して“恐るべき子供たち”の真実を捉え、未来を予見する異形のミステリ長篇!
  • たまさか人形堂物語
    4.0
    1~2巻580~722円 (税込)
    OLをリストラされたことをきっかけに、祖母の形見の零細人形店「玉阪人形堂」を継ぐことになった澪。 押しかけ従業員で人形マニアの冨永くん、高い技量を持つ謎の職人・師村さんに助けられ、なんとかお店を切り盛りしている。 「諦めてしまっている人形も修理します」 こんな広告をみて、今日も傷ついた人形を抱えたお客さんがやってくる。 人形と大事な思い出を修理すべく、三人の活躍が始まる。ほのぼのミステリ。 【目次】 毀す理由 恋は恋 村上迷想 最終公演 ガブ スリーピング・ビューティ
  • たまさか人形堂それから
    4.0
    人形を売買するだけの自分に、ものを作る人々にのしかかる重圧は永久にわからない――スランプに陥った店の職人・冨永の言葉に傷つきながらも、せめて創作の一端に触れようと、老舗の人形店が開く教室に通い始めた玉阪人形堂の新人店主・澪。店にやってくる様々な顧客が持ち込む謎、そして人々との対話を通して、彼女は日々、人形に向き合う。少女たちが夢中になった国民的着せ替えドールを巡る騒動、髪が伸びる市松人形に隠された胸を打つ物語。当代きっての短篇の名手が贈る、『たまさか人形堂ものがたり』に続く珠玉のミステリ連作集。書き下ろし「戯曲 まさかの人形館」を収める。/解説=倉数茂
  • たまさか人形堂ものがたり
    4.4
    会社をリストラされ突如無職となった澪(みお)は、祖母が遺した小さな人形店を継ぐことにした。人形マニアの青年・冨永と謎多き職人・師村の助けを得て、いまでは人形修復を主軸にどうにか店を営んでいる──自分がモデルになったという、顔を粉々に砕かれた創作人形の修復を希望する美しい女性。だが、その人形が創られたのは、彼女が生まれた頃と思しい三十年以上前のことだと判明する(「毀す理由」)。ほか、伝統的な雛人形を有する旧家の不審死、チェコの偉大な人形劇団の秘密など、名手が人形を通して人の心の謎を描く珠玉の短編を収める。書き下ろし短編「回想ジャンクション」を収録。/解説=紅玉いづき
  • バレエ・メカニック
    4.1
    造形家・木根原の娘・理沙は、九年前に海辺で溺れて以来、昏睡状態にあった。「五番目は?」@@都心での商談後、奇妙な幻聴を耳にした木根原は、奥多摩の自宅へ帰る途中、渋滞の高速道路で津波に襲われる。理沙の夢想が異常事態を引き起こしているらしいのだが……希代の幻視者による機械じかけの幻想、全三章
  • ヒッキーヒッキーシェイク
    3.6
    「人間創りに参加してほしい」カウンセラーのJJは年齢性別さまざまな4人の引きこもりを連携させ、あるプロジェクトを始動する――!
  • ブラバン(新潮文庫)
    3.8
    一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。忘れられない男女がそこにいた。高校を卒業し、それぞれの道を歩んでゆくうち、いつしか四半世紀が経過していた――。ある日、再結成の話が持ち上がる。かつての仲間たちから、何人が集まってくれるのだろうか。ほろ苦く温かく奏でられる、永遠の青春組曲。
  • ペニス
    4.0
    井ノ頭恩賜公園の管理人として、チャイコフスキーとともに日常を送る男は、ある日、少年の死体と遭遇する。著者の初期長篇、復刊第2弾!
  • 妖都
    4.2
    黄昏の東京――。鞠谷雛子は、周防馨は、電柱の陰の、交差点の向こうの、ふとした廃墟の様相に“死者”を見る。東京の街で“死者”が増殖し始めたのは、CRISISのヴォーカリストにして両性具有と噂された、美しくも妖しいチェシャが自殺してからのこと。“死者”たちが引き起こす恐怖は臨界へと達し、やがて世界はあまりにも絶望的な相貌を見せ始める――前世紀末、読書界を震撼させた津原泰水の更始作、ついに復刊。
  • 羅刹国通信
    4/30入荷
    -
    1,980円 (税込)
    叔父を殺したことは固く秘しておくべきだった。自殺するなんてと母が泣き続けるものだから、本当はわたしが崖から突き落としたのだとわかれば、すこしは気が楽になるかと思ったのだ。震災で妻を失いPTSDに苦しむ叔父との同居に疲弊する家族のために、小学六年生の左右田理恵(そうだりえ)は叔父を殺した。その四年後、理恵は奇妙な夢を見るようになる。荒れ果てた灼熱の地で岩蔭と食糧を求める「鬼」の集団。かれらは二つの勢力に分かたれ争い殺し合う――その法則を理恵に教えたのは、同じ夢を共有する一人の少年だった。鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。/【目次】羅刹国通信/続羅刹国報/続々羅刹国――雨の章――/続々羅刹国――夜の章――/解説=春日武彦/津原国通信=北原尚彦

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  • ルピナス探偵団の当惑
    3.7
    二十世紀の黄昏の、ある晩秋に起きた殺人。たわいもない筈のその事件には、一つ奇妙な謎が残されていた。私立ルピナス学園に通う吾魚彩子(あうおさいこ)は、かつてうっかり密室の謎を解いてしまったために、刑事である奇矯な姉に無理やり現場写真を見せられ、推理を強要される。なぜ犯人は殺人ののち、現場で冷えたピザを平らげたのか――(「冷えたピザはいかが」)。青薔薇の館に残された、鏡文字のルビ付きダイイング・メッセージ。死体から右手を切り取られた大女優。博学の少年・祀島(しじま)らと遭遇する不思議な事件の結末は? 少年少女が織りなす謎と論理のセッション。清冽な印象を残す佳品三編を収める。

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  • ルピナス探偵団の憂愁
    4.0
    高校時代「ルピナス探偵団」を称し様々な事件に遭遇してきた彩子、キリエ、摩耶、そして博学の少年・祀島。卒業から数年後、四人のうち、一人が不治の病で世を去った。久々に顔を合わせた三人に残されたのは、彼女が死を前にして百合樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった。探偵団“最後の事件”を描く第1話「百合の木陰」から順に時を遡り、高校卒業式を目前に殺人が起きたルピナス学園で、彼らが授かった“祝福”を描く第4話「慈悲の花園」まで、物語は戻らぬ時間への郷愁を紡ぎ上げる。奇蹟のような輝きに満ちた少女探偵の“その後”を描く、〈ルピナス探偵団〉のシリーズ第2作。

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