小説・文芸 - 中央公論新社作品一覧

  • 合本版 レッドサンブラッククロスⅠ・Ⅱ・Ⅲ・全短篇
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    「よろしい」  ベルンハルトはこたえた。 「ならば、戦争をはじめようじゃないか」 第二次世界大戦で勝利した大ドイツ帝国は、抗戦を続ける英国を追って北米に侵攻。ここに日英同盟対ドイツの第三次世界大戦が勃発した。インド洋では独東方艦隊と伊東洋艦隊、日本遣印艦隊と英ロイアル・ネイヴィーが激突。日英同盟は独伊連合が死守するソコトラ島への侵攻作戦を開始、熾烈な戦車戦が。一方、日本からアメリカへと北太平洋を渡る支援船団に、ドイツ海軍が放つ〝海の狼〟Uボートが襲いかかる。北米陥落の危機に、日英同盟はついにパナマ運河侵攻作戦を発動する!! 架空戦記史上に屹立する未完の大作「レッドサンブラッククロス」――著者最大のシリーズの本篇1~11と、外伝ほかの中短篇27篇、著者インタビュー、高梨俊一による解説を収録した合本版。 収録作品 〈本篇〉 1 合衆国侵攻作戦/2 迫撃の鉄十字/3 反撃の旭日旗/4 作戦グスタフ発動/5 第二戦線崩壊/6 インディアン・ストライク/7 バーニング・アイランド/8 死戦の太平洋1/9 死戦の太平洋2/10 パナマ侵攻1/11 パナマ侵攻2 〈短篇〉 戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期/勇者の如く倒れよ/予備士官/塹壕にて/新戦艦建造に関する往復書簡/少し遠い場所/九九九艦隊計画概論/ある中尉の戦死/戦艦/標的は〈大和〉/飛鳥の征けぬ空はなし/交戦規則/海底戦隊〈隼〉/七二七高地の争奪/市民討論/法務大佐かく語りき/フリードリヒ大王最後の勝利/主力戦闘戦車論・断章/喪失第一号/宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ/ルール・ブリタニア/最後の一人まで/夜桜は散った/乗艦命令/オデュッセウスの霊廟/看過せず/ペリカンはいつも血を流す (インタビュー)佐藤大輔、仮想戦記を語る/(解説)高梨俊一
  • 嗚呼 戦艦武蔵 軍艦武蔵会会員の実録
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    本書には士官や下士官兵が体験した「武蔵」の艦内生活や苛烈だった戦闘の実相が余すところなく描かれている。 投稿者は「正」が八十九名、「続」が百二十六名の合計二百十五名で、中には母親や妻子、兄弟たち三十二名による追悼文も含まれている。一隻の軍艦に関してこれほど多くの人たちの原稿が編まれた手記集は、海外は知らず日本には存在しないだろう。 話題は昭和十九年十月二十四日に生起した対空戦闘、その後のフィリピン方面の陸上戦、輸送船「さんとす丸」の遭難のほかにも、「武蔵」の各分隊と戦闘配置、親と子や兄弟のこと、海軍入隊前の思い出や戦後の生活、「武蔵会」設立の事情などが語られている。中でも特筆すべきは、「武蔵」の沈没地点であるフィリピン・シブヤン海への慰霊の旅を回想した文章である。そこには夫や親を喪った遺族の想いが切々と綴られ、読む人の胸に切々と迫るものがある。 二百十五名が想いの丈を籠めて綴った正続二巻の復刻版『嗚呼 戦艦武蔵』と『続!! 嗚呼 戦艦武蔵』が、「武蔵」戦没者の魂を慰めるとともに、未来永劫に日本人の精神を伝え続けてくれることを願ってやまない。 ――軍艦武蔵会顧問 手塚正己(編纂者)
  • 解註 謠曲全集〈巻1〉 [新装]
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    1~6巻11,000円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 序説/翁/脇能物四十番(高砂、弓八幡、養老、逆矛、氷室、加茂、難波、白鬚、道明寺、老松、放生川、呉服、鱗形、内外詣ほか)
  • 旭日、遥かなり(全8巻合本)
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    〈真珠湾攻撃のない対米開戦!――人気シリーズ一気読み!〉 資源獲得のため仏印に進駐した日本に対し、米国は対日禁輸政策を強化、石油の輸出を禁止した! 一方同時期、ペトロパブロフスクのロシア帝国軍が反乱を起こした。日本はロシアの要請を受けて反乱鎮圧に助力するも、その際に米国の輸送船を誤射してしまう。怒る米国は日本に最後通牒であるハル・ノートを突きつけた! 対米開戦を決意した日本は、真珠湾攻撃を計画。だが図上演習の結果は日本の惨敗だった――。真珠湾攻撃がなかった太平洋戦争を描く。
  • 會津八一全集 第1巻 - 研究 上
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    1~12巻7,924~9,675円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 法隆寺法起寺法輪寺建立年代の研究 〈奈良美術研究〉 正倉院に保存せらるゝ公験辛●(きへんに貴)について/『南都七大寺日記』述作の年代を論じて法隆寺金堂四天王像の移入に及ぶ/法隆寺六躰仏並に白檀地蔵像の伝来を論じて再び四天王像の金堂移入に及ぶ/興福寺の華原磬について/公験辛●(きへんに貴)論後記/古瓦の名称について/法隆寺金堂四天王像と興福寺華原磬について/『法起寺塔婆露盤銘文考』の筆者として/再燃せる法隆寺問題/古瓦名称の用例について/瓦/『瓦』といふ漢字について/薬師寺三重塔/薬師寺東塔の銘文を読む 他
  • 第三次世界大戦(全8巻合本)
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    〈地獄の戦端がついに開く!? 人気シリーズ一気読み!〉 ロサンゼルスで、ある事件が白昼に起こる。祖国で巨額の横領を働いた男に、中国特殊部隊〝ドラゴン・スカル〟が接触したのだ。彼らは米国へ逃げた人物の奪還を任務としていたが、この時に出た予想外の犠牲者が、ホワイトハウスに激震を与える。IT長者で、大統領の最大支援者の妻子が巻き添えになってしまったからだ。謝罪を求める米国に対し、中国も「人民の金を不正に使い込んだ男を、米国は情報提供と引き替えにずっと匿っていた」と不快感を示す。そしてこの事件が、後に日本を、世界をも巻き込む大戦のはじまりとなっていった――。
  • 日中開戦(全8巻合本)
    2.0
    〈直近未来の日本の行く末を占う人気シリーズ一気読み!〉 尖閣を巡る領土問題、歴史認識問題、そして首相の靖国参拝。日中関係は、国交正常化以来《最悪》に冷え込んでいた。双方の国民感情も爆発寸前の中、ついにある事件が長崎で起こる。元自衛官を中心にしたグループによる中国総領事館占拠と、中国高官の子どもたちが乗る飛行機のハイジャックだ。自ら七七義勇隊を名乗る犯人らに対し、穏便な解決策を探る日本政府。激怒した中国は、海軍を日本へと進める――。一触即発の現地では、西方普連に移動となった司馬、そして土門を隊長とする新体制《サイレント・コア》部隊が動き出すが……。
  • 洒落本大成〈第1巻〉
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    1~30巻7,155~8,575円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 両巴巵言/史林残花/南花余芳/両都妓品(西都妓品・両巴巵言)/両都妓品(西都妓品・史林残花)/吉原源氏六十帖評判/傾城つれつれ草/平安花柳録/●(山へんに壽)陽英華/会海通窟/白増譜言経/百花評林/瓢金窟/華里通商考/華里通商考(異本)/阿房枕言葉/泉台冶情/烟花漫筆/跖婦伝/猪の文章/当世花街談義
  • 南海蒼空戦記(全6巻合本)
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    〈ありえたかもしれないもう一つの世界大戦――人気シリーズ一気読み!〉 欧州で始まった第二次大戦より4年。中立を保つ日本はドイツから流出したクルト・タンク、エルンスト・ハインケルらの頭脳を得て、軍用機の開発に注力していた。さらに、広島を襲った地震により海軍が建造中だった「大和」の廃艦が決定。連合艦隊はこれを機に航空主兵に舵を切ることに。一方、陸軍は、大戦の混乱に乗じて蘭印の保護国化に成功した。日本の領土的野心を懸念する米軍の挑発行為が激化し、南洋の緊張が高まる中、遂にB25の奇襲で開戦の火蓋が切られる。日本軍は零戦を中心とした戦闘機でこれを迎え撃つ!
  • 源氏物語大成〈第1冊〉 校異篇 [1]
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    1~13巻6,407~7,262円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 桐壷―葵
  • 皇国の守護者(全) 1~9+外伝集
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    ※中公文庫『皇国の守護者1~9』(本篇および外伝、随想)と『CN25』所収の短篇を合本。既刊電子版と内容に変更はありません。※ 帝国軍怒濤の侵攻に、殿軍を率いる皇国陸軍中尉・新城直衛は奇策を以て対抗。一度ならず敵を撃退し、凱旋を果たす。だが皇都には怨嗟と陰謀が蠢き、そして厳冬を衝く帝国の苛烈な反攻が! 血塗られた英雄の伝説を描く戦記巨篇!! 本篇9巻と外伝9篇、随想1篇を集大成した完全版。 〈収録作品〉 『皇国の守護者1 反逆の戦場』 『皇国の守護者2 勝利なき名誉』 『皇国の守護者3 灰になっても』 『皇国の守護者4 壙穴の城塞』 『皇国の守護者5 英雄たるの代価』 『皇国の守護者6 逆賊死すべし』 『皇国の守護者7 愛国者どもの宴』 『皇国の守護者8 楽園の凶器』 『皇国の守護者9 皇旗はためくもとで』 「猫たちの戦野」 「観光資源」 「職業倫理」 「新城支隊」 「島嶼防衛」 「お祖母ちゃんは歴史家じゃない」 「新城直衛最初の戦闘」 「我らに天佑なし」 「猫のいない海」 筆者贅言「はじめにみえたもの」
  • レイテ戦記(全四巻合本)
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    1巻5,280円 (税込)
    中公文庫『レイテ戦記』全四巻を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません。 太平洋戦争最悪の戦場・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使し、鎮魂の祈りを込め描く戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に、講演「『レイテ戦記』の意図」、インタビュー「『レイテ戦記』を語る」、大西巨人との対談「戦争・文学・人間」、エッセイ「『レイテ戦記』を直す」を付す。 一 第十六師団 昭和十九年四月五日 二 ゲリラ 三 マッカーサー 四 海軍 五 陸軍 六 上陸 七 第三十五軍 八 抵抗 九 海戦 十 神風 十一 カリガラまで 十二 第一師団 十三 リモン峠 十四 軍旗 十五 第二十六師団 十六 多号作戦 十七 脊梁山脈 十八 死の谷 十九 和号作戦 二十一 ブラウエンの戦い 二十二 オルモック湾の戦い 二十三 オルモックの戦い 二十四 壊滅 二十五 第六十八旅団 二十六 転進 二十七 敗軍 二十八 地号作戦 二十九 カンギポット 昭和二十年一月二十一日―四月十九日 三十 エピローグ  連載後記  あとがき  改訂版あとがき  補遺  講演「『レイテ戦記』の意図」  インタビュー「『レイテ戦記』を語る」(聞き手・古屋健三)  対談「戦争・文学・人間」(大西巨人・大岡昇平)  エッセイ『レイテ戦記』を直す 付録  太平洋戦争年表  レイテ島作戦陸軍部隊編成表  書誌
  • 定本西鶴全集〈第1巻〉
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    1~15巻5,280円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 西鶴研究の最高権威による研鑽の成果。全14巻(15冊)。 (収録作品) 好色一代男/好色二代男
  • 谷崎潤一郎全集〈第1巻〉
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    1~30巻5,126~6,942円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 文豪谷崎潤一郎の小説、随筆と書簡多数を収録した愛蔵版全30巻。 (収録作品) 誕生/象/The Affair of Two Watches/刺青/麒麟/信西/彷徨/少年/幇間/●(「風」の右側に「犬」を三つ重ねた文字)風(へうふう〔ひょうふう〕)/秘密/悪魔/あくび/朱雀日記/羹/続悪魔
  • 皇国の守護者1~9合本
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    ※中公文庫『皇国の守護者』1巻から9巻の本篇のみを合本(外伝等は含みません)。既刊電子版と内容に変更はありません。※ 帝国軍怒濤の侵攻に、殿軍を率いる皇国陸軍中尉・新城直衛は奇策を以て対抗。一度ならず敵を撃退し、凱旋を果たす。だが皇都には怨嗟と陰謀が蠢き、そして厳冬を衝く帝国の苛烈な反攻が! 血塗られた英雄の伝説を描く戦記巨篇!! 〈収録作品〉 皇国の守護者1 反逆の戦場 皇国の守護者2 勝利なき名誉 皇国の守護者3 灰になっても 皇国の守護者4 壙穴の城塞 皇国の守護者5 英雄たるの代価 皇国の守護者6 逆賊死すべし 皇国の守護者7 愛国者どもの宴 皇国の守護者8 楽園の凶器 皇国の守護者9 皇旗はためくもとで
  • レッドサンブラッククロス全短篇
    5.0
    ※この電子書籍は合本版にも収録されます※ 超々弩級〈ヒンデンブルグ〉と超々々弩級〈播磨〉が激突!――戦艦が主導する最後の海戦を描く「戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期」をはじめ、「標的は〈大和〉」など全27篇を集大成。著者インタビューを併録。 ミリタリー、サスペンス、エスピオナージ、風刺、ホラー、ユーモア……佐藤大輔ワールドの多彩な魅力を堪能せよ! 目次より 戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期/勇者の如く倒れよ/予備士官/塹壕にて/新戦艦建造に関する往復書簡/少し遠い場所/九九九艦隊計画概論/ある中尉の戦死/戦艦/標的は〈大和〉/飛鳥の征けぬ空はなし/交戦規則/海底戦隊〈隼〉/七二七高地の争奪/市民討論/法務大佐かく語りき/フリードリヒ大王最後の勝利/主力戦闘戦車論・断章/喪失第一号/宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ/ルール・ブリタニア/最後の一人まで/夜桜は散った/乗艦命令/オデュッセウスの霊廟/看過せず/ペリカンはいつも血を流す//(インタビュー)佐藤大輔、仮想戦記を語る/解説 高梨俊一
  • 新編・石光真清の手記(四作合本)
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    中公文庫『新編・石光真清の手記』全四巻を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません。 明治元年に生まれ、日清・日露戦争に従軍し、満洲やシベリアで諜報活動に従事した陸軍将校の手記四部作。新発見史料と共に新たな装いで復活。 (一) 西南戦争・日清戦争 故郷熊本で西南戦争に遭遇した後、陸軍士官学校に入り、日清戦争に従軍するまでを綴る。未公開だった手記『思い出の記(抄)』及び小説『木苺の花』を併せて収録する。 (二) 義和団事件 明治三十二年、諜報活動に従事すべく、ロシアの進出著しい満洲に入った石光陸軍大尉。そこは、中国人、ロシア人、韓国人、コサック、そして日本人など多彩な民族の坩堝であり、日本人娼婦を妻とする中国人馬賊が疾駆する大地だった。未公開手記『得体の知らぬ日本人』『因果物語ほか』等を収録。 (三) 日露戦争/長編小説・曹長の妻 日露開戦。陸軍少佐となった石光は第二軍司令部付副官として出征する。終戦後も大陸への夢醒めず、幾度かの事業失敗を経て、ついに海賊稼業へ。やがて明治という時代は終焉を迎える……。 新編刊行に際し、未公開の手記『思い出の記 放浪生活時代』、短編小説『惨劇の夜の思い出』や秘蔵写真多数、そして電子版のみ、著者唯一の長編小説『曹長の妻』を収録。 (四) ロシア革命 世田谷で三等郵便局長を務めていた石光元陸軍少佐は「大地の夢」さめがたく、再び大陸に赴き満蒙貿易公司を設立する。そしてロシア革命が勃発、密命を受けた石光はアムールへと赴く。一方日本軍は革命に干渉し、シベリアに出兵する。時代を裏側からささえていた一軍人の手記、完結。
  • 北条早雲(全5巻合本)
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    〈人気沸騰シリーズを一気読み!〉 極悪人となる星の下に生まれ、 名君を目指した男の型破りな生涯 後に「北条早雲」と呼ばれることになる戦国武将・伊勢宗瑞。 父の任地・備中荏原郷で過ごした幼少期から、 都で室町幕府の役人となり、 駿河でのある役目に乗り出すまで―― 稀代の悪人に成り上がった男は、 いかにして自らの信念を貫いたのか。 一代にして伊豆・相模を領する大名にのし上がった風雲児の、 知られざる物語が幕を開ける!
  • 凶鳥〈フッケバイン〉/黙示の島
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    渾身の二大パニック・ホラー巨篇、待望の復刊。 「凶鳥〈フッケバイン〉」 一九四五年、敗色濃厚なドイツ第三帝国。総統の元に、謎の飛行物体が墜落したとの報が。それこそヒトラーが恐れ、求めた〝宇宙機〟凶鳥〈フッケバイン〉であった。だが、回収を命じられたドイツ陸軍降下猟兵部隊の前に、異形の群れが立ちはだかる! 「黙示の島」 日本政府は高齢化問題を一挙に打開すべくロングライフ計画に着手。洋上の孤島・鼎島の島民に対し医療措置として皮膚下にバイオチップを埋め込む実験を開始する。しかし、大型台風が島を襲った後、島民がフナムシに食い殺される事件が発生した。ありえない状況の死体に底知れぬ不安を抱く島民たちだったが、やがて自らが異常な活力と暴力性を発揮し始め……。 さらに、歴史シミュレーション短篇「如水上洛」、自衛隊ルポ「二隻の護衛艦」、大藪春彦追悼エッセイ「伊達邦彦は一人きり」を増補し、小泉悠氏による特別寄稿「我が佐藤大輔史」を収録。 【収録一覧】 『凶鳥〈フッケバイン〉』 『黙示の島』 短篇「如水上洛」 ルポ「二隻の護衛艦」 エッセイ「伊達邦彦は一人きり」 特別寄稿「我が佐藤大輔史」小泉悠
  • 掟

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    エスピオナージからミステリ、ミリタリー、ポリティカルフィクションまで、著者の現代小説を集成した合本愛蔵版。長篇三作と、短篇「幻虎の吠える丘」を収録。 一等陸佐のもとに届いた、かつての上官である退役陸将補の訃報。彼はその死に、存在を秘匿された対敵諜報部門の関与を疑うが……。(『東京の優しい掟』) ゲーム・ディベロッパーの僕は、勤めているゲームソフト会社の社長から、独立を目論む者を突き止めて欲しいと頼まれる。何かが会社に起きている。裏切り者は誰なのか? ゲーム業界の中で新たな〝ゲーム〟が始まった。(『虚栄の掟 ゲーム・デザイナー』) 内憂外患に煩悶する青年将校が、母国再生のために叛乱を決意。果たして首都占領は成功するのか?(『平壌クーデター作戦』)
  • 文城 夢幻の町
    5.0
    1巻4,400円 (税込)
    生まれたばかりの娘を置いて、妻はどこへ消えたのか――。世界が新作を待ち望む作家、余華の8年ぶりの長編。 20世紀初頭の清末民初、匪賊が跋扈し自然災害が襲う混迷の時代、林祥福は、兄とともに南方の町「文城(ウェンチョン)」からやって来た女・小美を妻にする。束の間の幸せが訪れたが、小美は生まれたばかりの娘を置いて姿をくらましてしまう。林祥福は娘を連れて妻の故郷を探す旅に出るが……。人災と天災、過酷な運命に翻弄され、それでも強く生きていく人々を描く大河巨編。 中国で100万部突破! 余華が20年あまりの歳月をかけて書き上げた、世界的ベストセラー『活きる』の前史。 「この儚くも強靭な人生を見よ! 作家として嫉妬し、いち読者として感嘆し、中国にルーツを持つ者としての誇らしさが止まらない。」東山彰良氏推薦
  • 信長伝
    5.0
    「聞けや、者! 前右大臣ここにあり!」 本能寺の変から生還し、関ヶ原合戦で柴田勝家を下し、天下獲りを目前にする信長。だが、密かに伊達政宗、上杉景勝と手を組み力を蓄えた家康が、ついに叛旗を翻す! 異貌の戦国史長篇(未完)、待望の合本版。 短篇時代小説「葉桜」を収録。 【目次より】 信長伝 Ⅰ 本能寺炎上  緒言  転換点  序 本能寺炎上  一 その日まで  二 猟狗たち  三 第一次関ヶ原合戦録 Ⅱ 天下普請  一 築城  二 大海の彼方で  三 叛逆  四 要塞 Ⅲ 家康謀反  一 城塞  二 到着  三 衝突 葉  桜
  • 侵攻作戦パシフィック・ストーム
    4.8
    南北戦争によってアメリカは、東海岸から西海岸までを支配する合衆国USAと、メキシコ湾岸の南部連合CSAの二国に分裂。日英同盟が結びつきを強める一方、USAはドイツと接近するが、アラスカ原油もテキサス原油も失ったUSAは深刻な資源不足に直面する。この国難に、USA大統領ジョセフ・ケネディは外部に敵を求め、日本本土への奇襲作戦〈パシフィック・ストーム〉を発動! 太平洋の覇権をかけた日米激突の行方は!? 著者最後の長篇架空戦記、本篇三巻(未完)と外伝を合本した愛蔵版。超大型陸上攻撃機〈大山〉カラー口絵を再録し、著者直筆のラフスケッチと作画メモを収録する。 目次より Ⅰ 対立要因  プロローグ 戦略哨戒任務  1 二つの家  2 原色の敵 Ⅱ 想定状況  3 会話と喧噪の日々  4 ゲーム・プレイヤーズ  5 発動 Ⅲ 可能行動  6 奇襲効果  7 アイランド・キャンペーン  8 ブルー・クリスマス 外伝  チンパンジーがシェークスピアをタイプする日  真田中佐は戦争を愛する  黄色い悪魔  かくも素晴らしき場所  そして我らが女神は死にゆく  連れ帰っておくれ、故郷へ 創作メモ――〈大山〉
  • 奇貨居くべし(合本)
    5.0
    幼い頃から孤独感にさいなまれてきた少年、呂不韋。商人である父の言いつけで従者とともに旅に出たことから彼の運命は大きく変転する。藺相如との出会い、和氏の璧事件……。合従連衡がほどけては結び直される激動の時代、孟嘗君、孟子ら英傑の薫陶を受け呂不韋は理想の王朝を目指し、商人から政治の世界に身を投じるが……。一商人から大国・秦の宰相にまでのぼりつめた呂不韋の生涯を描く歴史大作。
  • 狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅
    4.5
    佐藤泰志は村上春樹と同世代の作家。芥川賞に5度ノミネートされながら受賞できず、1990年に41歳で自死。しかし、2000年代後半になって再評価が進み、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』『きみの鳥はうたえる』『草の響き』などが次々に文庫化され、また映画化されている。 高校生作家として脚光を浴びながら、その作家生活が挫折に満ちたものになったのはなぜか。そして、30年の時を経て、その文学が読者の心を摑むのはなぜか。近親者はもとより、小学校のクラスメイトから大学時代の同人誌仲間、泰志が一方的に思いを寄せた後の直木賞作家・藤堂志津子、ライバルの作家たち、文芸誌編集者らまで、あらゆる関係者に直接話を聞き、文学に希望があふれていた時代の光と影を再構築する。
  • レッドサンブラッククロスI
    5.0
    1~3巻4,180~4,620円 (税込)
    ※この電子書籍は合本版にも収録されます※ 第二次世界大戦で勝利したドイツ第三帝国は、カナダで抗戦を続ける英国を追い北米に侵攻。欧州を制圧した強大な軍事力による電撃攻勢と、史上初の反応弾攻撃で合衆国を崩壊させた。ここに、日英同盟対ドイツの第三次世界大戦が勃発! 著者最大のシリーズを合本する愛蔵版。第一巻には本篇1「合衆国侵攻作戦」、本篇2「迫撃の鉄十字」、本篇3「反撃の旭日旗」を収録。
  • 完本 私の昭和史 二・二六事件異聞
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    二・二六事件を頂点とする「昭和維新運動」の推進力であった「青年将校グループ」とは、どのような人たちだったのか。彼らはなぜ二・二六事件を起こさねばならなかったのか――。グループの中心人物であった著者が、自身の体験したことを客観的に綴る本書は、貴重な昭和史第一級史料であるとともに、三島由紀夫に「見事な洗煉された文章」として激賞されたことでも知られる。長年読み継がれてきた名著に、拾遺八篇と同時代書評を増補した決定版。〈解説〉筒井清忠 「私の人生の本」といえば、この本をあげなければなるまい――三島由紀夫 昭和維新運動の全体像を構築するためにも、私に非常に多くのことを教えてくれる――橋川文三 【目 次】 まえがき   Ⅰ 残  生/大岸頼好との出合い   Ⅱ 天剣党以来/十月事件の体験/出征から凱旋まで/十一月二十日事件(その一)/十一月二十日事件(その二)/十一月二十日事件(その三)/相沢事件の前後(その一)/相沢事件の前後(その二)/相沢事件の前後(その三)/相沢事件の前後(その四)/蹶起の前後(その一)/蹶起の前後(その二)/青雲の涯   Ⅲ 大岸頼好の死  拾 遺 赤化将校事件/青森連隊の呼応計画/刑場の写真/夏草の蒸すころ/続・夏草の蒸すころ/素描・竹橋事件/有馬頼義の『二・二六暗殺の目撃者』について/映画「脱出」について  付録……同時代書評(*は電子には未収録) 利用とあこがれ……三島由紀夫(*) 人生の本―末松太平著「私の昭和史」……三島由紀夫(*) 末松太平著『私の昭和史』について……橋川文三 〈解説〉筒井清忠 索 引
  • 星三百六十五夜 春・夏/秋・冬
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    1巻3,960円 (税込)
    浮き立つような春の夜空に輝く幾千の星。 夏の夜空に数多の伝説が浮かび上がる。 虫の音を聞きながらほの青く光る秋空を眺め、 息づまるように美しい冬の星空に出会う。 星を愛し続けた詩人から、星を愛するすべての人へ、 ”星の抱影“が古今東西の詩文をまじえて綴る星日誌。 〈春・夏〉と〈秋・冬〉の巻を1冊にまとめて、365日の内容を収録。 巻末付録:国立天文台副台長・渡部潤一教授解説 〈春と夏の星空案内〉 〈秋と冬の星空案内〉
  • 八百万の神に問う (全四巻合本)
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    C★NOVELS版『八百万の神に問う』全四巻を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません。 神々によって開かれた「楽土」。飢えも痛みもなく、怒りや悲しみもない。争いの存在しない地では、「音導師」と呼ばれる者たちが問題を解決している。伝説の音導師と呼ばれるイーオンと、ともに暮らす少年・シンは……
  • ゆめはるか吉屋信子(上中下合本) 秋灯机の上の幾山河
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    1巻3,850円 (税込)
    歴史に戦争に女同士の恋愛に……大好きな作家の人生を辿るおせいさんのまなざしが熱く、やさしい。 ――柚木麻子(上巻帯より) 男性中心の文壇に挑み続けた二人の女性作家。信子と聖子の「出会い」から生まれた奇跡のような評伝。 ――斎藤美奈子(中巻帯より) 大正、昭和と絶大な人気をほこった小説家・吉屋信子を敬愛してやまない著者が、その真の姿を描き尽くす。 栃木女子高校時代から頭角を現した吉屋信子は、竹久夢二の誘いで上京し、生きる道を模索する。『花物語』の連載から、やがて本格的な長編小説の執筆、そして流行作家へ。長谷川時雨、林芙美子、宇野千代ら作家や、生涯のパートナー門馬千代など、同時代に生きた女性達の姿も活き活きと描かれる。 吉屋信子の本格評伝にして、近代女性文壇史。さらには作家・田辺聖子が、男性中心の文壇で軽視されがちだった信子の作品に光を当てるフェミニズム文学批評の書。 〈解説〉上野千鶴子
  • オスカー・ワイルド書簡集 新編 獄中記 悲哀の道化師の物語
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    没後120年。スキャンダルを経てなおキザを貫いた世紀末の鬼才、その大きすぎた代償とは――。  近年刊行された『オスカー・ワイルド全書簡』をもとに、ワイルドが投獄されるきっかけとなった事件の発端から、同性愛裁判、獄中の真実、そして出獄後の放浪、死までを、訳者の詳細な解説と註とともに、一篇の小説のように再構成する。  恋人との愛憎・確執、事件の顛末などが明らかになることにより、独自の芸術論、迫真のキリスト論と人間的な弱さが一体となった「悲哀の道化師」ワイルドのほんとうの姿が浮かび上がる。 目次より 前説――ワイルドの前半生と     事件に至るまでのあらまし 第一章  三度の裁判 第二章  深き淵より 第三章  新たな牢獄 終章 ワイルドの亡霊
  • 新燕石十種〈第1巻〉
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    1~8巻3,524~4,400円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 飛鳥川/続飛鳥川/親子草他
  • 悪魔の細菌 超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い
    4.5
    か弱い細菌ごときの策略に引っかかるなんて、思ってもみなかった。 私は大陸を股にかけて殺人ウイルスを追跡し、AIDSに対する戦争を仕掛けてきた。ある時は戦いの最前線に立ち、ある時は世界規模での政策立案に携わる人々と議論のテーブルを囲みながら。そう、ウイルスは恐るべき存在だった。では、細菌は? 大した敵ではない。少なくとも、この細菌は恐れるに値しない相手のはずだった。 私は感染症を専門とする疫学者だ。アメリカの大きな大学で国際保健研究所の所長も務めている。他の誰でもなく私こそ、この細菌から自分の夫を守ることができてしかるべきだった。最後にこの細菌を見たのは、大学院に入る前の学部生時代のことだ。私たち学生は、研究室での初歩的な実験で、この細菌を気軽に扱っていた。いつの日か、この細菌の変異体がお前たちを死の淵に追いやり、お前はそのうち、殺し屋ウイルスの大群を注射して夫を救おうとする……。当時、誰かにそう言われていたら、私は相手の頭がおかしくなったのかと思っただろう。だが今、私たちはまさにその言葉通りの状況を迎えていた。 ――本書より
  • キュリー夫人と娘たち 二十世紀を切り開いた母娘
    3.5
    目 次 第1章 意志の力――ポーランドからフランスへ 第2章 科学と愛――希望と試練 第3章 第一次世界大戦――前線のマリーとイレーヌ 第4章 アメリカ――夢想を超えた啓示 第5章 ある女性科学者の輝きと黄昏 第6章 キュリー家の姉妹――暗闇から日の当たる方へ 第7章 第二次大戦の混乱の中で生き別れたイレーヌとエーヴ 第8章 冷戦下の軋轢で引き裂かれた家族 第9章 エーヴ・キュリー――亡くなった人たちへの誠実な行動  謝辞  訳者あとがき  原注  主要参考文献
  • 求道の越境者・河口慧海 チベット潜入ルートを探る三十年の旅
    NEW
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    電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 鎖国時代のチベットに日本人として初めて潜入した僧・河口慧海。謎に満ちたその経路をついに解明する! 30年以上にわたり現地を旅し、土地の人々交流し、調査を重ねてきた第一人者が、その集大成として書き下ろしたノンフィクション。
  • 仙人の桃
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    1巻3,300円 (税込)
    中国四千年の 余白を楽しむ 大人のマンガ 奇妙でおかしな中国怪異譚を描いた、南伸坊の中国マンガ全作品。新作描き下ろし作品、インタビュー「私のマンガ」も収録。 ・『仙人の壺』『李白の月』より全作品 ・新規描き下ろし作品 ・インタビュー「私のマンガ」 ・解説 北村薫 夏目房之介 「一本の線、あるいは余白が、何と雄弁なことか」北村薫 「戦後日本マンガにおいて稀有な、大人のための達人的趣味漫画」夏目房之介
  • 「スカイ・クロラ」シリーズ 全6巻合本版
    -
    1巻3,300円 (税込)
    ※中公文庫「新装版 スカイ・クロラ」シリーズ全六巻を合本。既刊電子版と内容に変更はありません。※ 最終作まで思いどおりに展開できた作品で、これ以上のものを書くのは、今後は難しいかもしれません。 ――森博嗣(巻末インタビューより) 大人になれない僕たちは、戦闘機に乗り戦うことしかできないのだ――永遠の生命を持つ子供たち「キルドレ」が戦争を請負う社会。指令を受け空へ出勤し、夜は同僚たちと歓楽街へ出かける。そんな彼らにとって生死とは、そして自我とは。戦闘機を駆る子供と地上で暮らす大人たちの物語。著者最高傑作シリーズ! 収録作品 ナ・バ・テア None But Air  〈解説〉吉本ばなな ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven  〈解説〉室屋義秀 フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life  〈解説〉荻原規子 クレィドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky  〈解説〉押井守 スカイ・クロラ The Sky Crawlers  〈解説〉鶴田謙二 スカイ・イクリプス Sky Eclipse(短編集)  ジャイロスコープ Gyroscope  ナイン・ライブス Nine Lives  ワニング・ムーン Waning Moon  スピッツ・ファイア Spit Fire  ハート・ドレイン Heart Drain  アース・ボーン Earth Born  ドール・グローリィ Doll of Glory  スカイ・アッシュ Ash on the Sky  〈解説〉杉江松恋 巻末インタビュー(聞き手:清涼院流水) 『ナ・バ・テア』について 『ダウン・ツ・ヘヴン』について 『フラッタ・リンツ・ライフ』について 『クレィドゥ・ザ・スカイ』について 『スカイ・クロラ』について 『スカイ・イクリプス』について
  • 鍵盤の天皇 井口基成とその血族
    5.0
    帝王カラヤン、獅子王バックハウス……。そして日本には、「天皇」と呼ばれる音楽家がいた。井口基成。16歳でピアノを始めるという晩学ながら、東京音楽学校(現・藝大)を首席卒業、パリに留学し、帰国後は男性ピアニストの先駆者、母校の教授として第一線で活躍。戦後は、斎藤秀雄、吉田秀和らと「子供のための音楽教室」を立ち上げ、桐朋学園大学へと発展させる。さらに楽譜校訂者として、古今のピアノ曲を網羅する『世界音楽全集』全49巻を編纂した。長く演奏と教育を両立させ、同じくピアニストの妻秋子、妹愛子と併せ、門弟は3000人を数え、内外のコンクールを席捲する一流演奏家を輩出。ピアノ界のみならず音楽界に、今に至る多大な影響力を及ぼした。いっぽうで、酒と美食に明け暮れ、スキャンダラスな私生活、体罰も厭わぬ指導など、負の側面も併せ持つ。取材は20年におよび、すでに故人となった関係者からも貴重な証言が語られている。この巨人の全貌にはじめて辿り得た渾身の評伝ノンフィクション。
  • ファウスト 悲劇(第1部・第2部 合本)
    -
    不朽の大作を、読売文学賞を受賞した翻訳史上画期的な名訳で贈る。第一部第二部の合本版。 (第一部) あらゆる知的探究も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔メフィストフェレスと魂をかけた契約を結ぶ。巨匠ゲーテが言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った大作。訳者による解説「一つの読み方」を付す。 〈巻末エッセイ〉河盛好蔵・福田宏年 (第二部) 無垢な少女グレートヒェンを悲運のどん底に落とし心身ともに疲れきったファウストは、しかし「最高の生き方をめざして絶えず努力をつづけよう」と決意する。第一部の執筆後、二十年以上の休止を挟み、死の前年に完成に至った壮大な戯曲の第二部。 〈巻末エッセイ〉中村光夫
  • 百鬼園戦後日記(全三巻合本)
    -
    『東京焼盡』の翌日、昭和二十年八月二十二日から二十四年十二月三十一日までを収録。掘立て小屋の暮しを飄然と綴る。〈巻末エッセイ〉谷中安規、高原四郎、平山三郎、中村武志。〈解説〉佐伯泰英。
  • 征途 愛蔵版
    4.6
    ※収録作品(単行本に収録したインタビューや文庫解説等は含みません) レイテ海戦の大戦果はソ連軍の北海道侵攻を招き、日本は南北分断国家となった……。激動の時代を戦艦〈大和〉そして超大型護衛艦〈やまと〉として戦った一隻の艦と、歴史に翻弄されながらも未来へと歩み続ける軍人一族・藤堂家を軸に、日本の戦争と戦後を描く戦記巨篇。 急逝した著者の初期代表作三巻を合本、初期短篇「晴れた日はイーグルにのって」を併録。 ※収録作品(単行本に収録したインタビューや文庫解説等は含みません) 征途  I 衰亡の国  II アイアン・フィスト作戦  III ヴィクトリー・ロード 晴れた日はイーグルにのって
  • 久米正雄伝 微苦笑の人
    3.0
    1巻3,190円 (税込)
    文壇の紳士録に必ず載るような存在でありながら、今日ほとんどかえりみられることがなくなった作家、久米正雄。なぜそうなったのか。その人生と作品分析をとおし、明治大正昭和の、日本における純文学と大衆文学、私小説と通俗小説の成立と相克を描く。
  • 都筑道夫の小説指南 増補完全版
    -
    1巻3,080円 (税込)
    エンタテインメントの先駆者が伝える、本当に面白い小説の書き方と読み方とは? ミステリイ、SF、怪談、ショート・ショート、時代伝奇……様々なジャンルの実作者・実験者として活躍し続けた著者ならではの、「これから書きたい人」へのアドバイスを網羅。定評ある名著に初書籍化となるエッセイ・対談を大幅増補した決定版。これぞまさに「エンタテインメントの書き方」という名のエンタテインメント! 没後二十年記念刊行。(解説・佐々木敦) 【目次】 1 エンタテインメント小説の書き方を伝授しよう ※ 2 都筑道夫の小説指南 3 わが小説術 ※ 4 対話篇  ほんとうに怖い話が好きだ!(対談/高橋克彦)  現代ミステリーの問題点(対談/佐野洋)※  都筑道夫に教えてもらったこと(対談/鏡明)※  ポオさん、お顔を見せて見せてください!(架空対談/エドガー・アラン・ポオ) (※は書籍[ほぼ]初収録)
  • 里見とん伝 「馬鹿正直」の人生
    -
    1巻3,080円 (税込)
    嘘いつわりが嫌いで、文士仲間から重症の正直病患者といわれ、世渡りが下手だった里見とん。明治・大正・昭和の文学界を悠然と歩み去った大作家初の本格的評伝。作品総覧、人物索引付。 よく、漱石や志賀直哉について、作品以前に人格を褒め称える人がいる。しかし私は、とんこそ、人格において褒め称えられる人だと思うに至った。何人もの女を愛したなどということは、とんの人格にとっての枝葉末節である。馬鹿正直というのが、とんの最も尊い人格である。とんの素行、書いたもの、いずれをとっても、徒党を組んだり、仲間のために嘘をついて作を褒めたり、卑怯な論陣を張ったりしたことはない。(本書「トンよ、トン――あとがき」より)
  • 続燕石十種〈第1巻〉
    -
    1~3巻3,075~3,193円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 画証録/式亭雑記/釣客伝/過眼録他
  • 神を統べる者(合本)
    -
    崇仏派の蘇我馬子と排仏派の物部守屋が対立する、六世紀の倭国。天才と噂される少年・厩戸御子は仏典を読み漁っていた。仏教導入の切り札として、馬子から期待されていたのだ。ある日、守屋の邸を訪れた御子は、彼が所蔵する膨大な数の経典を披露される。排仏派の守屋が一体なぜ!? 一方、時の帝は厩戸の異能を危険視し、ある決断を下した――。遥か、インドのナーランダー僧院へ旅立った厩戸一行の立ちはだかるのは!?
  • 散華 紫式部の生涯 (合本)
    5.0
    1巻2,970円 (税込)
    藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。 姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。 永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。
  • 笑いの日本史
    -
    1巻2,860円 (税込)
    目 次  第一章    神楽 神も笑い人も笑う     第二章    言の葉  言霊の幸はふ国     第三章    物語 異界からの来訪者     第四章    仮名 日本語の成立     第五章    国風 日本人の美意識     第六章    今様 「日本第一の大天狗」の秘密    第七章    誑惑 だましだまされる     第八章    戯画 宗教画として見る     第九章    凡俗 「達人」と「くらき人」      第十章    御伽噺  浦島説話の変遷     第十一章   禅画 瓢箪ナマズの禅問答     第十二章   同朋衆   笑いを生む社交の場     第十三章   頓智 風狂と栄衒の大喧嘩     第十四章   狂言 救済劇として観る     第十五章   俳諧 連歌から生まれる笑いの文藝   第十六章   寓話 動物に仮託した人間の性(さが)     第十七章   笑話 笑いで教化する     第十八章   浮世 虚の笑いと実の笑い     第十九章   軽口 落語家の三人の祖     第二十章   気質 「気質(かたぎ)」と「気質(きしつ)     第二十一章  遊里 誰もが知りたい「手練手管」  第二十二章  非常 中国笑話の流行     第二十三章  川柳 笑いのシステム化     第二十四章  遊戯 パロディとしての狂詩・狂歌   第二十五章  諷刺 自嘲の笑いが諷するもの     第二十六章  俳画 画俳両道の人     第二十七章  論争 尊大のおや玉vs浮浪士(のらもの)     第二十八章  半可通  色男、金あり、力なし     第二十九章  化物 虚を虚として楽しむ     第三十章   捷才 笑いのない笑い     第三十一章  滑稽 卑俗コンビの人気     第三十二章  漫画 「笑門来福」の教え     第三十三章  日本の笑い
  • 戦争論(上・下)合本
    -
    プロイセンの名参謀としてナポレオンを撃破した比類なき戦略家クラウゼヴィッツ。その思想の精華たる本書は、戦略・組織論の永遠のバイブルである。 【目次】 第一部 戦争の性質について 第二部 戦争の理論について 第三部 戦略一般について 第四部 戦闘 第五部 戦闘力 第六部 防禦 第七部 攻撃(草案) 第八部 作戦計画(草案) 訳者あとがき 訳注 年表 訳者解説(清水多吉) 解説(是本信義)
  • ホワイト・ティース(上下合本)
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    ロンドン下町出身の優柔不断な中年男・アーチーと、バングラデシュ出身の誇り高きムスリム・サマード。第二次大戦で親友になったふたりは、ロンドンで新たな人生を模索する。 成長したアーチーの娘・アイリーとサマードの双子の息子・ミラトとマジドは、遺伝子工学者のチャルフェン一家と関わり、生命倫理にふれる研究をめぐる問題の渦中へ……。 移民家族が直面する悲喜劇を知的でユーモラスに描く、ジャマイカ系イギリス人作家の衝撃作。カリブ海やインド亜大陸からヨーロッパにわたる壮大な家族の物語を背景に、歴史、信条、遺伝子などさまざまな差異を抱えて混沌の街ロンドンで生きる人々を描く。分断と混沌の深まる時代に希望の光を放つ、21世紀の必読書 ブレイディみかこさん推薦! 「この本、いちおう社会派で、すでに古典と呼ばれているんです。 こんなにヤバくて笑えてぶっ飛んでるのに。 繚乱と咲く、移民たちのサーガ! ストリートの歴史はなんと猥雑でカオスなことか。 多文化共生の諸問題をごった煮にしておおらかに笑い飛ばす、才気煥発な本である。」 西加奈子さん推薦! 「これはすべての呪われた、そして祝福された人間の物語だ。 きっと100年後も、200年後も読み継がれるだろう。 人間がどうしようもなく、抗い難く、救い難く、人間でしかないことを、こんなに面白おかしく、鮮やかに、完璧に書かれた小説がこの世界に存在することに感謝したい。 20年前に誕生したこの傑作を、これから初めて読むことが出来る人に嫉妬する。そう思っていたけれど、何度目だって衝撃は変わらなかった。いや、増した。著者が描いたこの世界に、私たちは近づけているのだろうか。」
  • 赤星鉄馬 消えた富豪
    4.5
    武器商人として活躍した父から受け継いだ莫大な資産を惜しみなくつぎこみ、日本初の学術財団「啓明会」を設立し、柳田国男ら錚々たる学者の研究を支援。アメリカからブラックバスを移入し釣りの世界で名を馳せ、弟たちと日本のゴルフ草創期を牽引。樺山愛輔や吉田茂をはじめとする華麗なる人脈を持ちながら、ほとんど何も残さずに世を去った実業家、赤星鉄馬。評伝に書かれることを注意深く避けたかのようにさえ見える、その謎に満ちた一生を追った本格ノンフィクション。
  • 第一次世界大戦の終焉 ルーデンドルフ攻勢の栄光と破綻 1918年 春
    3.0
    大戦末期、連合軍はいかにして勝利への道筋を固めたのか―― 史実を克明にたどることで、 戦場の悲惨な現実、 軍人、政治家、司令官の実像が甦る。 凡百の戦記を凌駕する無類の歴史読み物。 〈詳細攻勢図収録〉
  • マルヌの会戦 第一次世界大戦の序曲 1914年 秋
    4.0
    政治家と軍人の軋轢、第一線の兵士の辛苦、失策、偶然、そして英雄的行為……。錯綜する戦況を俯瞰し、臨場感たっぷりに人間模様をも再現。大戦の帰趨を決した「奇跡」の舞台裏を活写する、稀有の戦記発掘。〈主要線戦闘地図収録〉
  • バルザック(上下合本)
    -
    『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』ほか全九一篇、登場人物二〇〇〇人による壮大な「人間喜劇」を構想したバルザック(一七九九―一八五〇)。富と名声を求めて旺盛な創作活動に邁進し、天才と俗物の間を生きた。その彼を終生敬してやまなかった伝記作家が、五一年の生涯を情熱的に描いた遺作にして最高傑作。〈解説〉宮下志朗 目次 第一篇 青春と初舞台    第一章 少年期の悲劇    第二章 運命への早まった問いかけ    第三章 オラース・ド・サン・トーバン小説工場    第四章 ベルニー夫人    第五章 商業的幕間狂言    第六章 バルザックとナポレオン   第二篇 仕事部屋のバルザック    第七章 三十男    第八章 書斎のうちとそと    第九章 カストリー侯爵夫人    第十章 バルザック自己の秘密を発見す   第三篇 小説を地で行く    第十一章 未知の女    第十二章 ジュネーヴ    第十三章 ウィーンの別れ  第四篇 小説家バルザックの栄光と悲惨  第十四章 破局の年一八三六年  第十五章 イタリア旅行  第十六章 転機の年  第十七章 サルデーニャの銀山  第十八章 芝居の投機 第五篇 『人間喜劇』の作者  第十九章 ハンスカ夫人征服の戦い  第二十章 『人間喜劇』  第二十一章 最初の挫折  第二十二章 蒐集家バルザック 第六篇 事の成就と終り  第二十三章 最後の傑作  第二十四章 ウクライナのバルザック  第二十五章 結婚と帰国  第二十六章 おわり
  • 英国スパイ物語
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    英国の情報組織の生成発展のドラマを描きながら、能力と魅力あふれるスパイ、二重スパイたちの活動を二度の世界大戦とロシア革命期を中心に活写。暗号解読のスリリングな事情にも筆を及ばせた決定版。
  • 合本 武揚伝 決定版(上中下)
    -
    本書は21世紀に入って刊行された最も優れた歴史小説であり、一人の作家が生涯に一度書けるかどうかというほどの名作である。 ――縄田一男(日本経済新聞書評より) その個人史を書くことが、彼なり彼女なりの属する共同体の歴史を書くこととほぼ重なる、という人物がいる。榎本武揚も間違いなくそのひとりであった。自分はその武揚について、これだけ存分に書かせてもらえたのだ。小説家としてなんと幸福なことかと、いま感じている。 ――単行本『決定版 武揚伝』あとがきより 黒船来航に揺れる幕末。海軍伝習所を経てオランダに留学した榎本武揚は、幕臣としての務めを全うせんとするが、ついに幕府が崩壊。徳川艦隊を率いて蝦夷地へ向かった武揚は、箱館を攻略し自治州を樹立する。だが、新政府軍が海峡を突破。五稜郭に拠り奮戦するも、土方歳三は倒れ、武揚は……。 “時代の先覚者”の半生を描く畢生の歴史巨篇、改稿決定版! 全三巻(上中下)を合本。
  • 中国の古代文学(一・二) 一 神話から楚辞へ/二 史記から陶淵明へ
    -
    1巻2,566円 (税込)
    (一)神話から楚辞へ 中国文学の原点である『詩経』と『楚辞』の成立、発想、表現を、『記紀万葉』と対比し考察する。古代共同体的な生活が破壊され封建制が根付いたとき、人々はそれぞれの運命におそれを抱き、そこに古代歌謡が生まれた。斬新で美しい論の展開、すべてを網羅した知識、知的興奮が味わえる白川静の世界。 (二)史記から陶淵明へ 古い国家の羈絆から解き放たれ、自らの運命に生きはじめた孤独な生活者たち。彼ら「士人」は体制への埋没を拒否し、自然の情感に沿って天の道に合しようとした。「天道是なるか非なるか」と厳しく問うことによる文学精神の成立から、現実を避けて桃源郷を求める創作詩にまでいたる、文化の道筋を探る。 (全二巻)
  • 猛き朝日
    4.1
    「彼の一生は失敗の一生也。彼の歴史は蹉跌の歴史也。彼の一代は薄幸の一代也。然れども彼の生涯は男らしき生涯也。」――芥川龍之介 平安末期。十二歳の少年・駒王丸は、信濃国木曽の武士・中原兼遠の養子として、自然の中でのびのびと育つ。兼遠の息子たちとも実の兄弟のように仲良く過ごすが、彼は父と母の名も自分が何者なのかも、いまだ知らずにいた。 ある日、駒王丸はささいなきっかけから、同じく信濃の武士の子・根井六郎と喧嘩になる。だが、同等の家格であるにもかかわらず、六郎と根井家当主が後日謝罪に訪れる。二人は畏れ多そうに深々と頭を下げて言う。 「駒王丸殿はいずれ、信濃を束ねる御大将となられる御方。我ら信濃武士は、ゆくゆくは駒王丸殿の旗の下に集わねばならぬ」 初めて知る実父の存在、自らの壮絶な生い立ち。駒王丸、のちの木曽義仲の波乱の生涯が始まろうとしていた。 類い希なる戦の腕で平家を追い落とし、男女貴賤分け隔てない登用で、頼朝・義経より早く時代を切り拓いた武士。 彼が幕府を開いていれば、殺戮の歴史はなかったかもしれない。 日本史上最も熱き敗者、「朝日将軍」木曽義仲の鮮烈なる三十一年。
  • どくろ杯/ねむれ巴里/西ひがし(合本)
    -
    「とうとう来てしまったのね」「賽は振られたのさ」行き詰まった二人の関係を清算するため、詩人と妻は希望も計画もないまま日本を出た。上海、マレー半島、インドネシア、パリ――四年に及ぶ放浪の旅を綴った自伝三部作を合本。 『どくろ杯』 詩集『こがね蟲』で詩壇に登場した詩人はその輝きを残し、夫人と中国に渡る。長い放浪の旅が始まった。 『ねむれ巴里』 深い傷心を抱きつつ三千代夫人と日本を脱出した詩人はヨーロッパをあてどなく流浪する。自伝第二部 『西ひがし』 三千代夫人はひとりベルギーに残った。暗い時代を予感しながら、詩人は暑熱と喧噪の東南アジアにさまよう。
  • 松本清張の昭和史
    4.0
    社会派推理の開拓のみならず、小説、ノンフィクション、古代史、現代史など、領域を自在に超えた執筆活動を展開し、「国民作家」の名をほしいままにした松本清張。その膨大な仕事のなかでも、自らの同時代史に取り組んだ『昭和史発掘』『日本の黒い霧』は重要な柱といえる。清張は、軍部をはじめとする国家権力、二・二六事件で蹶起した将校たちにどのような眼差しをむけていたか。占領期に起きた不可解な事件をいかに捉えていたか。没後30年を経て、清張史観はいかに評価されるべきか。松本清張から「時代の記録者」としてバトンを託された著者が清張史観の核心を平易な文体で伝える。阿刀田高、加藤陽子各氏との対話を収録。
  • 地球行商人 味の素グリーンベレー
    4.3
    米陸軍特殊部隊と同じ異名をとるチームは、いかにして世界の食品市場を攻略してきたのか。立ちはだかる、国家の動乱と異文化の壁!
  • きしむ政治と科学 コロナ禍、尾身茂氏との対話
    4.0
    福島第一原発事故、さかのぼれば薬害エイズ、水俣病……。専門家による政府への科学的助言はいつも空回りした。このコロナ禍でもまた、政治と科学(専門家)は幾度も衝突した。専門家はその責任感から、自らの役割を越えて「前のめり」に提言したこともあった。 専門家たちは何を考え、新型コロナに向き合ったのか。政治と科学の間には、どのようなせめぎ合いがあったのか。そして、コロナの教訓を新たな感染症の脅威にどう生かすのか……。 尾身茂・新型コロナウイルス感染症対策分科会長への計12回、24時間以上にわたるインタビューを通じ、政治と科学のあるべき関係を模索する。
  • 南洋のエレアル
    3.5
    太平洋戦争さなかの昭和17年。日本統治下のパラオ・コロール島。小学校教員である宮口恒昭の長男・智也はある事件をきっかけに、パラオ人少年のシゲルと親友となった。だが、父の転勤で智也も隣島へ転校することに。二年が過ぎ偶然再会したふたりは喜び合うが、戦争の冷たく暗い影は、この長閑な南の島々にも迫っていた――。時は流れ、昭和63年末。パラオ共和国独立準備で訪日したシゲルは、天皇の容体悪化が報じられる中、戦後すぐ消息が途絶えた宮口家の人々を捜しはじめるのだが……。日本人とパラオ人の歴史と心の交流、戦争の悲惨さ、そして日本人の未来(エレアル)を問う、感動長篇。
  • 天安門ファイル 極秘記録から読み解く日本外交の「失敗」
    3.0
    1989年6月4日―。強権独裁「習近平中国」のルーツはここにある。日本の外交官たちはその日、「人民の流血」をいとわない中国共産党の本質を見抜くべきだった。「今孤立させると排外的になる。いずれ民主化する」。計3・6兆円の援助を注ぎ込んだ日本政府は皮肉にも中国を排外的な「モンスター」に変えてしまった。 建国以来最大の危機だった天安門事件を通じて「強国」となった中国。その背景には、中国共産党と裏で手を握る米国、実利優先の欧州、常に米中の「呪縛」から逃れられない日本の存在があった。ウクライナ戦争・台湾有事で中国はどう動くか。その答えは、33年前の極秘記録にある。日本はどうすべきか。歴史の教訓を読み解く。 日中国交正常化50年の節目に一石を投じる渾身のドキュメント。
  • 鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパ-ティーへようこそ
    5.0
    蓮實重彦、大岡昇平、西江雅之、篠山紀信ら9人のゲストを迎えて、70年代後半から80年代前半に収録された若き日のおはなし。野球のこと、時間のこと、言葉のこと、写真のこと、そして映画のことなどを忌憚なく語り合う、知的興奮に満ちた鼎談集。鼎談のお相手との思い出を語り合う「目白姉妹の語り下ろし対談」も収録!
  • ロシアトヨタ戦記
    -
    それは「奥田プロジェクト」と呼ばれた――トヨタが世界企業へと勇躍した時代、ロシア進出はいかに行われたか。エコノミストからロシア現地法人の社長へと転身した著者は粗野で不条理な社会と戦いながら、その大きな可能性を追いかける。しかし、ヨーロッパ有数の規模に成長した市場は、リーマンショックによって一気に崩壊するのだった……。一企業の変革の原動力と変革を担った人々の姿、そしてグローバル経済の本質を描ききる。 目次より プロローグ 第一章 ロシア進出 第二章 未成熟社会 第三章 一燈を提げていく 第四章 シベリア鉄道紀行譚 第五章 リーマンショック、その後 エピローグ
  • 宮脇俊三の紀行文学を読む
    5.0
    内田百閒、阿川弘之につらなる鉄道紀行の第一人者・宮脇俊三の世界が今よみがえる! 宮脇の深い教養に裏打ちされた、「写真のいらない」紀行文学。国鉄がJRとなり、寝台特急がほとんど廃止され、北海道や九州からローカル線がほぼ消えるなど、宮脇が書いた鉄道風景はずいぶん変わってしまった。その点からも、懐かしさとともに、発見の多い内容となるだろう。今はなき鉄路の地図、多数収載。 第1章 『時刻表2万キロ』――国内紀行① 第2章 『最長片道切符の旅』――国内紀行② 第3章 『終着駅へ行ってきます』――国内紀行③ 第4章 『時刻表おくのほそ道』――国内紀行④ 第5章 『失われた鉄道を求めて』――国内紀行⑤ 第6章 『台湾鉄路千公里』――海外紀行① 第7章 『インド鉄道紀行』――海外紀行② 第8章 『殺意の風景』――小説 第9章 『古代史紀行』『平安・鎌倉史紀行』『室町・戦国史紀行』    ――歴史① 第10章 『時刻表昭和史』――歴史② 宮脇俊三(1926~2003年) デビュー作『時刻表2万キロ』で第5回日本ノンフィクション賞受賞。短篇集『殺意の風景』は泉鏡花賞を受賞し、直木賞候補にも挙げられた。1999年には菊池寛賞受賞。
  • 銀座で逢ったひと
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    関容子氏が、銀座で逢ったひととの思い出を綴る、PR誌「銀座百点」人気連載エッセイの書籍化。特別な街への憧れが募る1冊。 登場する人物 吉行淳之介/丸谷才一/堀口大學/戸坂康二/ドナルド・キーン/梅原猛/池内紀/色川武大/小松左京/井上ひさし/石垣りん/早坂暁/十七代目中村勘三郎/初代中村獅童/六代目中村歌右衛門/十二代目市川團十郎/四代目中村雀右衛門/二代目尾上松緑/十八代目中村勘三郎/沢村貞子/岸田今日子/加藤治子/池内淳子/太地喜和子/岡田嘉子/長岡輝子/平幹二朗/池部良/小沢栄太郎/小沢昭一/北村和夫/加藤武/桂米朝/古今亭志ん朝/安野光雅/岩城宏之/五十嵐喜芳/兄、眞之助
  • 父 岸田劉生 愛蔵版
    -
    この本を読まずに劉生の事を知ろうとする人は、劉生の画業を麗子像をぬかして話そうとする人に似ている――(武者小路実篤「序」より) 〈麗子像〉を通じて誰もが知る愛娘が、父・劉生の日記や手紙を引きつつ、その幼年時代から死までを綴った手記。新たな表現を求めて苦悩し、角力を愛し、時に癇癪を起こす――画家・劉生、そして人間・劉生を知るうえで欠かせない一冊。カラー口絵8P、著者が劉生の死後を綴った単行本初収録の随筆4篇、麗子の娘である画家・岸田夏子による解説を増補した新版。図版多数収載。【岸田劉生生誕130年記念企画】 【目次より】 序(武者小路実篤)  ○ 幼年時代から結婚まで 代々木時代 鵠沼時代 京都時代 鎌倉時代 満州へ  ○ 解 説(谷川徹三) 〈巻末付録〉岸田麗子随筆選 父の遺してくれたもの ある女の講演草稿 あれから三十年 母のこと ――劉生を夫に選んだひと  ○ 岸田麗子 ――「麗子像」の先へ(岸田夏子)
  • 作家たちの愚かしくも愛すべき中国 なぜ、彼らは世界に発信するのか?
    4.0
    創作の自由を失い、流浪の旅をへて亡命した高行健は、中国語作家として初めてノーベル賞を受賞した。余華および閻連科は、その著作の過激さから発禁処分を受けるも、内外でノーベル賞の有力候補と言われている。本書は、三人の作家たちの講演、日本の著名作家との対談、オリジナル・インタビューをとおして、世界的に高く評価されている中国文学の魅力と、中国の激動の現代史をリアルに伝える。高行健×大江健三郎、ノーベル賞作家対談を収録。
  • 定年物語
    -
    1巻2,310円 (税込)
    正彦さんが定年を迎え、さてこれからは、一緒に旅行を……と期待していた二人。しかし、折しも世の中はコロナで自粛中。そんな中で、新たなフェーズに入った二人の生活は? 俳句、骨董と、趣味の道をきわめる正彦さんと、二次元コードに苦しめられたり、日々のちょっとした生活の変化を楽しんだりする陽子さんの日常を綴る、シリーズ最新作。
  • 空の王
    3.0
    1巻2,310円 (税込)
    昭和11年夏、満洲国・奉天の街。新聞社の飛行士・鷲尾順之介は、殺人事件に端を発した銃撃戦に遭遇し、謎めいた美貌の歌手・宋麗淋を偶然助けた。それは運命の出会いだった。一方、関東軍参謀本部の梶清剛大尉は、同志とともに「ある計画」を遂行していた。そして、彼らの運命の糸は複雑に絡み始める――。ライバル社の行方不明機を発見した順之介は、突如現れた梶から銃を突きつけられる。内蒙古で「荷物」を引き取り、空輸しろと命令されるのだが……。否応なく操縦桿を握り、空へ上がった彼を待つ運命とは? そして、次々と明らかになる、驚愕の真実とは!? 壮大なスケールで描く冒険エンタテイメント!!
  • 合本版 パラドックス戦争 上・下
    -
    埼玉と神奈川で、連続無差別通り魔事件が発生。それぞれの犯人は逮捕直後に急死したが、身に着けていたデバイスにより遠隔操作を受けていた痕跡が見つかった。 その頃、米中ソでは、政府高官や軍のトップに対し核攻撃を匂わせる脅迫状が届いていた。受信経路とその内容からAIの暴走が疑われ、デフコン3が発令。世界に緊張が走った。 そして21世紀末の火星――。ロゼッタ渓谷の底で発見されたのは、溶岩チューブを利用した正体不明の遺跡だった。入念な準備の末、内部調査で見つかったのは……。 謎が謎を呼ぶ怒濤のSF開幕!
  • 台湾漫遊鉄道のふたり
    4.2
    1巻2,200円 (税込)
    炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。 結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。 ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。 「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。 そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」 古内一絵さん大満足 1938年、五月の台湾。 作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。 現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、 台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。 しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。 国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差――― あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。
  • 村田喜代子の 本よみ講座
    -
    1巻2,200円 (税込)
    小説からノンフィクションまで、自作も含め国内外のさまざまな作品を取りあげ、執筆のいきさつや作品の背景を考察することによって、読書の楽しみをもう一歩深める実践的な術を伝える。取りあげられた作品は、『ネバーホーム』『やんごとなき読者』『エリザベスの友達』『チェルノブイリ原発事故』『唱歌の社会史』『おーいでてこーい』『いつか深い穴に落ちるまで』『長崎の鐘』など多数。
  • 任務 松本清張未刊行短篇集
    3.7
    1巻2,200円 (税込)
    「屍体の重量がずしりと腕先にきたとき、はじめて私に任務らしい感情が充実しました」――。国民作家が終生描き続けた「組織・社会と個人との葛藤」をテーマに、これまで単著・全集未収録だった短篇小説を精選。自身の体験を反映した戦争小説から実在の事件をモデルにした小説まで、巨匠のエッセンスを凝縮した全十篇。 【目次】 任務(1955) 危険な広告(1954) 筆記原稿(1957) 鮎返り(1955) 女に憑かれた男(1956) 悲運の落手(1957) 秘壺(1960) 電筆(1961) 特派員(1979) 雑草の実(1976)  解説:権田萬治
  • 連鎖
    3.9
    1巻2,200円 (税込)
    食品会社の社長・篠原の遺体が高速道路の非常駐車帯で見つかった。手形が不渡りになり、自殺の恐れがあると、妻からの捜索願を受理していた大阪・京橋署の上坂と磯野は、自殺とみて捜査を始める。篠原をめぐる人間関係、巨額の保険金、そして手形の行方……絡まりもつれ合う糸をほぐすような調査から見えてくる真相、その連鎖から浮かび上がる複数の事件は。
  • 防衛大学校 知られざる学び舎の実像
    3.8
    8人1部屋の全寮制。朝6時にラッパで起床。髪型、恋愛、外出の規則。朝から夜までみっちりと詰まった「日課時限」と、陸海空1005時間の実践訓練……。世間一般には、大学といえばモラトリアムともいわれる緩んだ期間だが、国防のために寸暇を惜しんで学び続ける若者たちがいる。厳しい日々にもかかわらず、多くの卒業生は「生まれ変わっても防大に入りたい」と口をそろえる。 他者のために生きるプライドを秘めた人材を育成する学び舎の実像、そのすべてを前防衛大学校長が語りつくした。
  • 経済安全保障  異形の大国、中国を直視せよ
    4.0
    ★★中国との「見えない戦争」を制する 戦略と指針がここにある! 警察官僚として日本の技術を盗もうと暗躍するスパイと闘い続け、 前国家安全保障局長として経済安全保障の強化に心血を注いだ著者が、 軍備を拡張し、現状変更も辞さない中国の野望と戦略を分析。 「スパイ天国」とまで揶揄された無防備なこの国を守るための指針を提示し、 最新の経済安全保障事情を解き明かす。全篇、著者渾身の書き下ろし。 人工知能(AI)を搭載したドローンが襲い掛かってくる、人工衛星を攻撃されて陸海空のオペレーションが混乱する、遠隔から原発をメルトダウンさせる……。現代戦は、科学技術の戦いだ。令和の戦争の勝敗を決するのは、AI、量子技術、生物工学の力といっていい。軍民融合が当たり前の中国は、世界の最先端技術を吸い取り続けている。「見えない戦争」は始まっている。安全保障の危機が経済、科学の領域に拡大している。 目次 ■1章 日本を狙うスパイ ■2章 経済、科学の領域に拡大する安全保障の危機 ■3章 経済安全保障とは何か ■4章 米中激突の最前線 ■5章 米国、欧州の政策 ■6章 我が国の政策と経済安全保障推進法 ■7章 中国の歴史的戦略思考と米国の誤算 ■8章 習近平の「中華民族の偉大な復興」「中国の夢」
  • 幸村を討て
    4.3
    真田家と両軍の思惑が交錯する大坂の陣――男たちの陰影が鮮やかに浮かび上がるミステリアスな戦国万華鏡。 誰も知らない真田幸村 神秘のベールに包まれた武将の謎を、いま最も旬な作家が斬る! 亡き昌幸とその次男幸村――何年にもわたる真田父子の企みを読めず、翻弄される諸将。徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永、ついには昌幸の長男信之までもが、口々に叫んだ。「幸村を討て!」と……。戦国最後の戦いを通じて描く、親子、兄弟、そして「家」をめぐる、切なくも手に汗握る物語。
  • 父ガルシア=マルケスの思い出 さようなら、ガボとメルセデス
    4.0
    愛する人たちの死について書くというのは、書くということそのものと同じくらい古い行為のはずだが、いざそれをするほうに自分が傾くと、即座にことばに詰まってしまう。メモを取っておこうと自分が考えていることにぞっとなり、恥じ入りながらメモを取り、メモを修正している自分を見損なう。情動的にかき乱される原因は、父が有名な人だったことにある。書きとめておく必要をおぼえる背後には、この野卑な時代の中で自分自身の名声を高めたいという誘惑が潜んでいるかもしれない。もしかすると書きたいという呼び声に抗して、謙虚に黙っていたほうがいいのかもしれない。謙虚なふるまいというのは、実のところ、僕の一番好きな虚栄の形態なのだ。しかし、書くということに関してよくあるように、主題のほうが書き手を選んでくるという面もあり、抵抗しても無駄なのかもしれない。 ――本書より
  • 孤独のアンサンブル コロナ禍に「音楽の力」を信じる
    -
    コロナ禍により、クラシックの演奏家たちは活動を制限された。演奏会はすべて中止、アンサンブルの練習もできない。自宅の防音室にこもる日々、彼らは音楽、職業、生活について何を考えたのか。 ――オーケストラのトッププレイヤーたちが外出自粛の中、自宅でたった一人音楽を奏でていく番組を作る。本書はNHKプロデューサーのそんな思いから始まった2020年の半年間のドキュメントである。 「孤独のアンサンブル」から「孤独のアンサンブル ~希望編」、そして「明日へのアンサンブル」へ。プレイヤー一人一人の思いとあの「音」が甦る。 *「孤独のアンサンブル 三部作」ブルーレイディスク、キングレコードより同時発売
  • 1984年に生まれて
    4.1
    ヒューゴー賞受賞作「折りたたみ北京」の郝景芳が描く〈中国×1984年〉。 一九八四年、春。天津市の工場でエンジニアとして働く沈智は、半年後に第一子の誕生を控えていた。ある日、友人の王老西から起業の計画を持ちかけられ、一度は断るが、自分が間もなく三十歳になること、毎日同じことを繰り返す日々を過ごしていることにふと気がつき愕然とする―― 二〇〇六年、春。〈私〉は父・沈智の暮らすプラハに来ていた。大学卒業を控え、十年以上会っていなかった父に留学の相談をしに来たのであった。父は優しく背を押すが、結局〈私〉は覚悟を固められない。友人たちが目標に向かって邁進していくなか、〈私〉は留学申請に失敗、祖父のコネで地元の統計局に職を得る。ところが、毎日同じことを繰り返す日々を過ごすうち、鬱を発症してしまう…… 時代の大転換に翻弄され、ついには家族を置いて国を出る決断をした父・沈智。現代中国で自分の生き方を見失う〈私〉。選択しなかったもう一つの人生への憧憬。二つの時代の中国で、人生の分岐をさまよい続けた父娘の物語が描く円環の先に、衝撃の結末を迎える!
  • シークレットサービス レーガン大統領の命を救った男
    3.5
    大統領や外国高官など要人警護にあたるシークレットサービス。 その内側を大統領警護隊長を務めた人物が包み隠さず語る。犠牲をいとわない誇り高き人々の緊張と情熱の日々。 警護にあたった人物――フセイン・ヨルダン国王、サンゴール・セネガル大統領、昭和天皇、アラファトPLO議長アグニュー副大統領、ハンフリー副大統領、カーター大統領、レーガン大統領。
  • 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三
    4.4
    Amazonでも、googleでもない。 2020年、東京オリンピック後の日本社会を構想するヒント 阪急電車、宝塚歌劇団、東宝株式会社など、明治から昭和にかけて手がけた事業は数知れず。大衆の生活をなにより重んじ、日本に真の「近代的市民」を創出することに命を捧げた天才実業家の偉大なる事業と戦略とは? 【小林一三(こばやしいちぞう)の手がけた事業】 阪急、宝塚、東宝、阪急百貨店、第一ホテル(後の第一ホテル東京)、阪急ブレーブス(後のオリックス・バファローズ)、昭和肥料(後の昭和電工)、日本軽金属、東京楽天地など。
  • 海軍戦略家 マハン
    -
    「海上権力史論」「海軍戦略」などの著作で近代列強に影響を与えた軍人・歴史家・戦略研究家でもあったマハンの思想と生涯。幕末日本の滞在時の書簡・日記や当時の新聞への寄稿、ドイツ皇帝ヴィルヘレム2世、セオドア・ルーズベルト、フランクリン・ルーズベルトなどとの交流歴から日本人移民排斥運動の中心の役割を担ったなど人間像を浮き彫りにする。図版や年表付 目次 第一章 おいたち  (一)ウエストポイントと父  (二)アナポリス入学と南北戦争 第二章 日本来航 第三章 中南米艦長時代 第四章 海軍大学校と海上権力史論  (一)海軍大学校とルース少将  (二)海上権力史論  (三)ルーズベルト一族と海上権力史論  (四)ドイツ皇帝ヴィルヘルム二世  (五)文筆活動の開始  (六)米近代海軍の父トレーシー海軍長官 第五章 ドイツ海軍とマハン  (一)ドイツ帝国の成立  (二)ドイツ大洋海軍の父ティルピッツ  (三)英独関係の緊張 第六章 シカゴ号艦長として渡英 第七章 退役と文筆活動 第八章 ハワイ併合、米西戦争、比島領有、ハーグ平和会議  (一)ハワイ領有問題  (二)米西戦争  (三)ハーグ平和会議  (四)比島領有  (五)ボーア戦争 第九章 マハン、ルーズベルト、ロッジのトリオ  (一)セオドア・ルーズベルト  (二)ヘンリー・C・ロッジ  (三)スペンサーの社会進化論 第十章 米国の海外政策  (一)門戸開放宣言  (二)ベネズエラ危機  (三)パナマ運河  (四)モンロー主義とドイツ海軍 第一一章 日本とマハン  (一)秋山真之とマハン  (二)海軍大学校のマハン招聘計画  (三)日英同盟と日露戦争  (四)日本人移民問題  (五)白色艦隊の日本巡航  (六)オレンジ計画 第一二章 近代海軍問題  (一)全巨砲艦論争  (二)海軍参謀本部設立問題 第一三章 晩年のマハン  (一)「海軍戦略」と自叙伝「帆船から蒸気船」出版  (二)第一次大戦と死去
  • 随筆百花苑〈第1巻〉
    -
    1~15巻2,200~5,275円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 伝記日記篇一 在臆話記(上)
  • アマゾニア
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    16世紀、太古からの伝説が未だ息づくアマゾン河流域――女人族の〈泉の部族〉は精霊の庇護の下、豊かに暮らしていた。大弓部隊隊長・赤弓は、家族を殺された怨みから宿敵〈オンサの部族〉を倒し、一族に平和をもたらす。その直後、大河を下り、飢えたスペイン人たちが現れた。赤弓は一行を撃退するが、傷を負って取り残された黒髭の男を見た 守護精霊〈森の娘〉は、なぜか掟を破り、彼を部族に迎え入れるよう命じる……。濃密な生命と精霊に満ちた密林に展開する魂の喪失と再生の物語。

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  • 燕石十種〈第1巻〉
    -
    1~6巻2,093~2,424円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 高尾考/遊女考/猿楽伝記/瀬田問答他
  • 未刊随筆百種〈第1巻〉
    -
    1~12巻2,093円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 岡場遊廓考 博奕仕方風聞書他
  • 波濤の檻 オッドアイ
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    事実無根のゴシップ記事によって活動停止を余儀なくされた特別強行捜査局。マスコミの追及を逃れるため、海上自衛隊の海賊対策派遣に参加を命じられた朝倉だが、派遣先のジブチで謎の部隊に拉致されてしまう。朝倉救助のために動き出す特捜局の面々、NCIS(海軍犯罪捜査局)、そして日本最強の傭兵代理店。特捜局は朝倉を奪還し、解体の危機を乗り越えられるのか――。
  • ヘルメス
    3.8
    2029年に起きた小惑星衝突の危機。すんでのところで衝突は免れたものの人々の恐怖は拭いきれず、シェルター用の実験地底都市が建造された。劣悪な環境下で暮らす実験期間は10年、被験者たちには終了時に巨額の報酬が約束されている。しかし実験終了目前、239人の被験者たちがなぜか地上に出たくないと抵抗し始めた――。『百年法』の著者が描く、緊迫のエンターテインメント長篇!
  • チャンバラ
    3.6
    有馬喜兵衛、吉岡一門、宍戸某、そして佐々木小次郎。さらには――。 最後の難敵との死闘を終えた宮本武蔵は吐き捨てた。今日まで剣に生きてきて、兵法というほどのものではないな。ただのチャンバラにすぎん……。 直木賞作家の手で鮮やかに蘇る、数多の強敵との名勝負! 「剣聖」とも称される二刀流の達人が、激闘の果てに辿り着いた境地とは?
  • 黄色い家
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。 60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。 長らく忘却していた20年前の記憶――黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。 まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな〝シノギ〞に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい……。 善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!
  • 琉球切手を旅する 米軍施政下沖縄の二十七年
    3.7
    私の目を引いたのは、沖縄から届く封筒に貼られた美しい切手でした。 「琉球郵便」の文字、額面はセントで表示されている切手の図柄は多彩でした。見たことのない南国の植物、鮮やかな色をした魚、紅びん型がた紋様、琉球舞踊、文化財や工芸品……。いつも異なる図柄の切手だったので、手紙が届くとまっさきに確かめるようになりました。いきいきと描かれている動植物はとてもきれいで、友だちに「沖縄のお魚は青いの」と言っても信じてもらえなかったのですが。琉球舞踊の切手には県人会で見た演目が描かれていてうれしくなりました。  ふだん目にする日本の切手とはまったく違うそれらの切手は「琉球切手」と呼ばれるもので、沖縄で作られているということでした。  米軍施政下に置かれたのち一九四八年七月から七二年四月まで、普通切手・記念切手・航空切手など二百五十九種(再刷含む)の琉球切手が発行されていたと知るのはのちのことです。(第1章より)  ……………………  琉球切手はいまも沖縄の家に多数残っているという話を耳にします。切手としては使えないけれど、手放したくないという人や、ブームのさなかに買い、売りそびれてしまったという人。どこかの家の古い箱に忘れられたまま、ひっそりと眠っている切手もあるでしょう。  そんな琉球切手は、こんなふうにつぶやいているのかもしれません。沖縄が米軍施政下だったころ、私たちは「言葉」を運んで、旅をしたのだよ、と。 「Final Issue」の切手が発行されてから五十年。けれどいまも沖縄には米軍基地が広がり、米軍統治時代の終止符が打たれたとはいえない状況です。そんな沖縄からの「言葉」は、本土に届いているのでしょうか。(第十章より)
  • 高く翔べ 快商・紀伊國屋文左衛門
    -
    農民から江戸随一の材木商へ成り上がり、江戸中の人々に愛されながらも一代にして店を閉じた天才の生涯とは? 時は元禄。文吉は、幼い頃に巨大な廻船に憧れたことをきっかけに、故郷の紀州で商人を志す。だが許嫁の死をきっかけに、彼は「ひとつの悔いも残さず生きる」ため、身を立てんと江戸を目指す――。蜜柑の商いで故郷を飢饉から救い、莫大な富を得ながらも、一代で店を閉じた謎多き人物、紀伊國屋文左衛門。天才商人の生き様に迫る痛快作。
  • 蚕の王
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    「冤罪なんて簡単に起きる」。この言葉の本当の意味を、あなたは知らない。 二俣事件、幸浦事件、小島事件、そして現在もなお審理が続く袴田事件――。 警察と司法が手を組んで行われた犯人捏造の実態とは? この国の闇に踏み込む、事実に基づく衝撃作。 昭和二十五年(1950年)一月。静岡県二俣町にて一家殺害事件が発生した。のちに死刑判決が覆った日本史上初の冤罪事件・二俣事件である。捜査を取り仕切ったのは、数々の事件を解決に導き「県警の至宝」と呼ばれた刑事・赤松完治。だが彼が行っていたのは、拷問による悪質な自白強要と、司法さえ手なずけた巧妙な犯人捏造であった――。 拷問捜査を告発した現場刑事、赤松の相棒であった元刑事、昭和史に残る名弁護士・清瀬一郎。正義を信じた者たちが繋いだ、無罪判決への軌跡。 そして事件を追い続けた著者だけが知りえた、「真犯人」の存在とは?
  • やさしい猫
    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    家族三人で暮らしたい、 ただそれだけの望みを叶えるのが こんなに難しいなんて シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。娘のマヤも面倒見のいいクマさんに懐いて、すったもんだはありつつも、穏やかな日々が続くはずだったのに……。 出会って、好きになって、ずっと一緒にいたいと願う。 そんな小さな幸せが突然奪われたのは、 クマさんがスリランカ出身の外国人だったから。 〈ハラハラしてます〉〈ラストがよかった〉〈知らないって恐ろしい〉 読売新聞連載中から反響続々 中島京子の長編小説最新刊
  • 探訪 名ノンフィクション
    4.0
    柳田邦男『空白の天気図』、立花隆『田中角栄研究』、沢木耕太郎『一瞬の夏』……。十八の名作はいかにして生まれたのか。「ノンフィクション冬の時代」の今こそ読んでおきたい作品を厳選。巻末に沢木耕太郎氏との対談「鋭角と鈍角――ノンフィクションの方法論について」を収録。 (本書で紹介する作品) 柳田邦男『空白の天気図』/本田靖春『不当逮捕』/澤地久枝『妻たちの二・二六事件』/鎌田慧『逃げる民』/ジョージ・オウエル『カタロニア讃歌』/立石泰則『覇者の誤算』/沢木耕太郎『一瞬の夏』/野村進『日本領サイパン島の一万日』/田崎史郎『梶山六 死に顔に笑みをたたえて』/小関智弘『春は鉄までが匂った』/佐野眞一『カリスマ』/デイヴィッド・ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』/柳原和子『百万回の永訣』/保阪正康『昭和陸軍の研究』/最相葉月『星新一』/大崎善生『聖の青春』/河原理子『フランクル『夜と霧』への旅』/立花隆『田中角栄研究』
  • 新・帝国主義の時代 右巻 日本の針路篇
    4.0
    国際社会は弱肉強食の「新・帝国主義」の時代に入った――。右巻では、大震災で弱体化した日本に中露韓など各国が牙をむく情勢下、日本人と日本国家が生き残るための戦略を示す。

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