シャルル=ルイ・フィリップ作品一覧

  • 小さな町で
    4.0
    フィリップは早すぎる死の一年あまり前から、パリの大新聞ル・マタン紙に短い物語を書いた。依頼したのはのちに劇作家になるジロドゥーである。「わずかな枚数のうちに人生の断面が、いやときには一つの人生がみごとに描き出されている。…貧困、不幸な恋、病気、老年、死――こうした暗い題材を扱いながらも、フィリップはどこかにとぼけたようなおかしみ、人生そのものの諧謔をしのびこませるのを忘れない。そのエスプリというか奇妙なやさしさ、人生を低い視点から、狭く限って、鋭く眺める、そこが日本人の感受性、美意識に合ったのではないか。」(訳者)小さな町セリイを舞台にした短編集28篇の全訳に『朝のコント』からの5篇を付した改訳決定版。

    試し読み

    フォロー
  • ビュビュ・ド・モンパルナス
    -
    貧しい庶民の生活を瑞々しい感覚で描いたフィリップの代表作。この作品は、パリの裏街で春をひさぐ薄幸の少女ベルトと彼女のヒモで「モンパルナスのビュビュ」と仇名される若者の物語だ。そこに展開されるのは汚辱に満ちた暮らしだが、貧しく虐げられた者たちに注がれる作者の眼は、愛と優しさに満ちている。この作品は二十世紀の「神曲」とも評される。フィリップの初期作品「やさしいマドレーヌ」を併載する。

最近チェックした本