森谷公俊作品一覧

  • 興亡の世界史 アレクサンドロスの征服と神話
    4.5
    ギリシア北方の山岳地帯で山羊の放牧を営んでいたマケドニア人が王国を建設したのが前7世紀半ば。前4世紀にギリシアを征服したフィリッポス2世の後を継いだアレクサンドロス大王は、前334年に東方遠征に出発し、ペルシア帝国を征服。たった10年で地中海からインダス川にいたる大帝国を築き上げた秘密と、ローマ帝国の皇帝崇拝など後の歴史に大王が与えた影響力を解明する。
  • アルシノエ二世 :ヘレニズム世界の王族女性と結婚
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    アルシノエ二世は、初期ヘレニズム時代における王族女性の苦難と栄光を一身に体現した人物である。アレクサンドロス大王の死後、後継将軍たちが互いに抗争しながら独自に王国を建設していった当時、王権は一夫多妻制をとりつつ明確な王位継承原則をもたなかったため、息子たちの間で継承をめぐって激烈な争いが起こった。アルシノエ二世は三度の結婚のうち二度でそうした争いの渦中に置かれ、息子を目の前で殺される。ようやく安定と栄光を手にすることになる三度目の結婚相手は、実の弟、プトレマイオス二世であった。両親を同じくする同士の結婚はギリシア世界ではタブーでありながら、二人はなぜこの特異な結婚にふみ切ったのか。著者は倫理的偏見を廃した上で、これをアルシノエ二世の生存戦略という観点から解明していく。 生前に神格化されたアルシノエの祭祀は、エジプトにおけるギリシア人とエジプト人の新しい絆となった。そしてアルシノエの地位と権力、その表象は、マケドニアおよびプトレマイオス王国の王族女性の歴史で大きな転換点となり、あのクレオパトラ七世にも影響を与えたのである。

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