幻冬舎 - 幻冬舎新書 - 社会学作品一覧

  • 日本の難点
    4.0
    現代とは「社会の底が抜けた時代」である。相対主義の時代が終わり、すべての境界線があやふやで恣意的な時代となっている。そのデタラメさを自覚した上で、なぜ社会と現実へコミットメント(深い関わり)していかなければならないのか。本書は、最先端の人文知の成果を総動員して、生きていくのに必要な「評価の物差し」を指し示すべく、「現状→背景→処方箋」の3段ステップで完全解説した「宮台版・日本の論点」である。
  • 陰謀論とは何か 権力者共同謀議のすべて
    3.7
    「陰謀論」は日本では「一般的によく知られた事件や歴史の背後に別の策略があったとする、信憑性に乏しい説」とされる。だが元のconspiracy theoryを正しく訳せば「権力者共同謀議理論」。1963年のケネディ大統領暗殺をきっかけに、米国の民主政治が特殊な権力者たちに操られているのではないかという疑念と怒りから広まった理論である――。陰謀論者の烙印を押された著者が、陰謀論の誕生と歴史、フリーメイソンに始まる代表的陰謀論の真偽を解き明かす。日本一わかりやすい全貌究明本。
  • SとM
    3.9
    娼婦に肛門性交を強いて国を追い出された作家マルキ・ド・サド、被虐趣味に溢れた小説を書き一躍有名になったザッヘル・マゾッホ。彼らの嗜好を基に命名された「サディスム」「マゾヒスム」が浸透したのは十九世紀だが、そもそも精神的・肉体的な苦痛を介して人が神に近づくキリスト教に、SM文化の源流はあったのだ。鞭とイエスはどんな関係があるのか? そして、SMが輸入されることもなく日本で独自の発展を遂げたのはなぜか? 縦横無尽に欲望を比較する画期的な文明論。
  • 死にたくないが、生きたくもない。
    4.0
    人生、終盤にさしかかれば、心身にガタがくるのは自然の定め。しかし、いまや六十になっても、なかなか「老人」とは認めてもらえず、やれ「生涯現役」だ、「アンチエイジング」だと、世間は喧しい。もう一花咲かせる気力や体力はもちろんないが、残り時間は、なるべく不幸せでなく埋めていきたい――そんなささやかな願いはどうしたらかなえられるのか? 自らの老いの真情を吐露しつつ問う、枯れるように死んでいくための哲学。
  • ジャーナリズム崩壊
    3.8
    日本の新聞・テレビ記者たちが世界中で笑われている。その象徴が日本にしかない「記者クラブ」制度だ。メモを互いに見せ合い同じカンニング記事を書く「メモ合わせ」、担当政治家が出世すれば自分も出世する歪んだ構造、権力におもねり掴んだ事実を報道しない体質。もはや新聞・テレビは権力をチェックする立場と国民に知らせる義務を放棄したも同然である。恐いもの知らずのジャーナリストがエリート意識にこりかたまった大マスコミの真実を明かす、亡国のメディア論。
  • 自由と民主主義をもうやめる
    3.7
    アメリカの金融破綻は、自由と民主主義の名の下に個人の飽くなき欲望を肯定し、グローバル化を強引に主導してきたアメリカ的価値の破綻でもあった。それに追随し、経済だけでなく政治、人心のあらゆる局面で崩壊の危機に瀕する日本。もはやアメリカとの決別なくして再生はありえない。今こそ、「私」ではなく「義」を、「覇権」ではなく「和」を是とする日本的価値を、精神の核に据え直すときなのだ。今日の危機に早くから警告を発してきた思想家があらためて問う「保守」という生き方。
  • 都立中高一貫校10校の真実 白鴎/両国/小石川/桜修館/武蔵/立川国際/富士/大泉/南多摩/三鷹/区立九段
    3.3
    2005年から始まった都立中高一貫校が人気の的だ。全10校の平均受験倍率は約7倍。そのメリットは、6年間の中で先取り学習が可能なため、後期課程を大学受験の準備に充てられること。しかも同じ中高一貫でも私立は最低500万円もの学費がかかるのに、都立は授業料もすべてタダ。私立と都立の“いいとこ取り”をしたのが、都立の一貫校なのだ。しかし高倍率にもかかわらず、入学時に「学力試験」がないという矛盾もある。実はこのシステムは「ゆとり教育」の副産物なのだ。本当に都立の中高一貫校は「お得」なのか。現場の歴史教師だった著者が、徹底検証する。
  • 人はなぜ怒るのか
    4.1
    ぞんざいに扱われた、周囲の評価が自分が思うより低い、いわれない罵声を浴びた……そういった時、人は怒る。つまり怒りは自分が抱く期待と起きた事象のズレで生じる。その怒りの感情の裏には、実は失望や寂しさ、不安、恥など別の感情が潜んでいる。怒りは他人や環境のせいで生まれるわけではなく、原因は常に自分の中にあり、意識さえ変えればコントロールできるのだ。怒りの仕組み、抑え方、適切な表現方法を心理カウンセラーが徹底指南。
  • 貧困ビジネス
    3.5
    底なしの不況に落ち込んだ今、急増する貧困層を食い物にして儲けるビジネスが跋扈している。「敷金・礼金なし」で貧困層を誘い込み、ほんの数日の家賃滞納で法外な違約金を請求する「ゼロゼロ物件」。多重債務者にニセの養子縁組をさせてさらに借金を重ねさせる「リセット屋」等々。なけなしの金をむしりとり、貧困層をさらなる困窮へと陥れる「貧困ビジネス」は、もはやモラルをかなぐり捨てた、日本経済の末期的症状の象徴だ。気鋭のエコノミストがその実態を生々しくレポート。
  • マンガの論点 21世紀日本の深層を読む
    4.2
    10年前すでに戦争とテロと格差社会を描いていたマンガは、つねに世相の3歩先を映し出す予言の書である。そしてその後、何を予言し的中させてきたか。マンガを論じるとは、まさにこれを読み解くことでもある。『デスノート』『ソラニン』『すーちゃん』『へうげもの』『闇金ウシジマくん』『20世紀少年』『この世界の片隅に』『JIN-仁-』『PLUTO』『鋼の錬金術師』etc.からフランスのマンガBD(ベーデー)まで、この10年間の数百冊を取り上げ、読み方のヒントを明示し、現代日本そのものを読み解く。
  • 靖国神社
    3.5
    戦後、解体された軍部の手を離れ、国家の管理から民間の一宗教法人としての道を歩んだ靖国神社。国内でさまざまな議論を沸騰させ、また国家間の対立まで生む、このかなり特殊な、心ざわつかせる神社は、そもそも日本人にとってどんな存在なのか。また議論の中心となる、いわゆるA級戦犯ほか祭神を「合祀する」とはどういうことか。さらに天皇はなぜ参拝できなくなったのか--。さまざまに変遷した一四五年の歴史をたどった上で靖国問題を整理し、そのこれからを見据えた画期的な書。
  • 量刑相場 法の番人たちの暗黙ルール
    3.3
    量刑とは、裁判官が当事者らの言い分や証拠を、刑法の定める範囲内で酌量し判決を下すことである。その判断は各裁判官に委ねられているものの、先例判例主義が重視されるため、「一人殺しは無期」「三人殺しは死刑」といった刑罰の“相場”が自ずと形作られてきた。例えばゴルフ場からロストボールを“大量”に持ち帰れば懲役10カ月、“衝動的”な放火で“一人”焼死させたら懲役10年など、微罪から重罪まで、法の番人たちが共有する刑罰の約束事が全て明らかに!

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