PHP新書 - 世界史作品一覧

  • アトランティス・ミステリー プラトンは何を伝えたかったのか
    3.7
    現代から約一万二千年前、大西洋上にアトランティスという繁栄する島があった。だが次第に堕落し、神罰によって一昼夜にして海中に没してしまった――。プラトンが「全面的に真実の話」として書き遺した、アトランティス伝説である。地質学者やアマチュア研究者、はては霊能力者にいたるまで、数多の男たちがこの伝説の虜となり、様々な説を発表してきた。「アトランティスは実在した。いま大西洋に沈んでいる」「いや、クレタ島のことだ」「アイルランドだ」「南極だ」……。だが、どの説も決定的な証拠に欠け、いまだ定説はない。しかし、ヨーロッパ人が持つ先入観とは無縁であり、さらにプラトンの真意を見抜く歴史学者の眼を持つ著者が本書で展開する論説は、まさに「コロンブスの卵」と唸るに足る説得力を持つ。西洋古代史最大の謎を解き明かす、新鋭歴史家のデビュー傑作。 読者は、ページをめくるのがやめられなくなるはずだ。
  • エピソードで読む西洋哲学史
    4.0
    ヘーゲルやマルクスは私生児の存在を暴かれ、ルソーは五人の子捨てを告発された。ウィトゲンシュタインは同性愛が執拗に調査され、サルトルの不倫遍歴は、愛人ボーヴォワールに暴露される。また、ニーチェは発狂してから死ぬまでの十年間、ほとんど廃人であったという。さらに、カント、スピノザ、ホッブス、ヒューム、ハイデガー、フロイトなど、思想史を彩るスーパースターたちの私生活をのぞき見れば、意外な素顔が隠されていた!?彼らは、不条理な世界と人生をどのように理解し、渡り歩いたのか。生い立ち、学歴、異性関係、挫折体験、死に際などの逸話を拾い集め、その思想のルーツを探る。好奇心、やじうま根性なくして哲学は語れない!終章では、現代アメリカを代表する哲学者・リチャード・ローティ、ノーム・チョムスキー、ジョン・ロールズなども取り上げている。近代から現代に至るまで、約四百年の潮流が手に取るようにわかる、おもしろ哲学入門。

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  • エボラvs人類 終わりなき戦い なぜ二十一世紀には感染症が大流行するのか
    3.0
    2014年、突然起こったエボラ出血熱の大流行に、恐怖を感じなかった人はいないのではないか。リベリアなどアフリカ諸国で猛威を振るったエボラウイルスは、スペイン、アメリカへと先進国にも飛び火し、全世界の人々を混乱に陥れた。しかし、アフリカの一風土病にすぎなかったエボラウイルスが、なぜ海を越えるまでになったのか。そもそもエボラ出血熱とはどのような病気なのか。いま知っておくべきそうした知識が世に問われないことに、著者は不安といらだちを感じたという。エボラだけではない。デング熱から強毒型インフルエンザまで、私たちが生きる21世紀はこれまでには考えられなかったスピードで、感染症が世界に広まる特殊な時代なのだ。その理由を知るためには、私たちは感染症の歴史を学ばなければならない。そうした「感染症の世紀」に人類はどう向かい合うべきなのか。今後もとめどなく起こるだろう新しい感染症を過剰に恐れず、しかし無防備になることもなく、自分で自分の身を護る方法を4パターンのシミュレーションを通じて、本書では明らかにする。いま私たちがエボラ出血熱について、そして感染症について、絶対に知っておくべき知識を凝縮した一書が緊急発刊。

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  • 現代語訳 西国立志編 スマイルズの『自助論』
    4.5
    鎖国のため、諸外国から100年以上遅れた状態から、わずか20年あまりで「列強」と呼ばれる世界の大国の一員にまでのしあがった明治維新期の日本。当時、あの福沢諭吉の『学問のすすめ』と肩を並べる大ベストセラーがあった。「天は自ら助くる者を助く」という言葉で有名な、中村正直による『西国立志編』(1871年)である。スマイルズの名著『自助論』を翻訳したこの本は、100万人以上が読んだといわれる。本書は、その全13編318項目をわかりやすい現代語訳にしたもの。日本という国が、世界中のどの国も真似できないような飛躍的な発展を、1度ならず2度までもおこなうことができた源泉がここにある。成功へのアドバイスが満載の1冊。

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  • 講談・英語の歴史
    3.7
    今や世界の国際語。その英語も元々はゲルマンの一方言に過ぎなかった。ブリテン島に進出した後も、方言が多く統一感に欠け、スペリングと発音はバラバラで、言語としての完成からはほど遠い状態。しかも歴史的には、ヴァイキングの襲撃、フランス語の公的使用など、常に外国語の脅威にさらされてきた。このように言語としても未完成で、英国内における地位も不安定な英語が、いかに成り上がっていったのか。古英語・中英語・近代英語とは何か。時代を経るにつれ、いかに簡略化し文法が確立されていったか。地名や人名の歴史、その言葉のできた時代背景まで理解できる語源の魅力とは? 印刷技術の発達と標準英語の普及との関わり……。最後に、国語教育のための英語教育のすすめ、文法とボキャブラリーの重要性を強調するなど、これからの語学教育のあり方にも一石を投じる。1500年に及ぶその波乱万丈の歴史を英国史と絡めて解説。英語通・歴史通になる一冊。

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  • 神道の常識がわかる小事典
    3.0
    日本の風土から生まれた固有の民族宗教・神道。私たちの日常に深く根を下ろしながら、その由来や作法を知らない人が多いのでは? 「二拝二拍手一拝」にはどんな意味があるのか。なぜ禊(みそぎ)や祓(はらえ)が大切なのか。天皇と稲作の関係とは……。神道の根本思想を説きながら、興味深い話はさらに広がる。「神道」という語は中国で造られた熟語であるという。割り箸のルーツは神道儀式にあった。神職のことを禰宜(ねぎ)と呼ぶのは神を「ねぎらう」から。神棚は、南向きないし、東向きの高いところに設けるのがよい、など日本人なら知っておきたい神道の基本知識を教えてくれる。さらに、『古事記』『日本書紀』をはじめ、国学の四大人(うし)といわれる荷田春満、賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤などの国学者についても紹介。また、伊勢神道、吉田神道、山王神道など、神道の様々な流派についても解説する。碩学が太古より伝わる神の道を解き明かしている。

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  • 世界名作の経済倫理学
    -
    本書では、西洋文学を中心とした名作33編の、作者・登場人物の思想と行動を経済倫理学というユニークな視点で分析。女性の結婚戦略、男性にとっての最善の死に方から、神の存在への対処の仕方まで、徹底したリアリズムにつらぬかれた教訓を導き出す。日頃文学とは無縁な人も存分に堪能できる、甘口のヒューマニズムに慣れきった頭への格好の刺激剤。

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  • 中東複合危機から第三次世界大戦へ イスラームの悲劇
    5.0
    2015年11月に起きた「イスラーム国(IS)」によるパリ大虐殺テロの直後、ローマ法王フランシスコは「これはまとまりを欠く第三次世界大戦の一部」だと表現した。その後も、同月のトルコ軍によるロシア軍機撃墜。2016年1月のイランとサウディアラビアの断交、「IS」による世界各地でのテロなど、危機が続いている。実際にいま、何が起きているのか。そして、これから何が起きるのか――。あまりにも錯綜した状況を、歴史や地政学をひもときながら読み解き、今後訪れる「日本人の想像を絶する危機」を洞察する。激動する世界を知るための必読の書。序章 イランとサウディアラビアとの対決――宗派戦争の恐怖/第1章 ポストモダン型戦争と中東複合危機――国家・内戦・難民/第2章 パリの大虐殺と「新しい東方問題」――戦争と市場の間/第3章 地政学とムハンマドのリアリティ――大文字と小文字のイスラーム/第4章 スンナ派とシーア派――分裂から抗争へ/第5章 慈悲深き宗教者、前向きの政治家――政事と軍事のバランス感覚/第6章 「イスラーム国」とは何か――シリア戦争と難民問題の深淵/第7章 新露土戦争の危険――二つの帝国/第8章 中東核拡散の誘惑――イランとトルコの競合/終章 第三次世界大戦への道――短期決戦か長期持久か/あとがきにかえて――中国と「イスラーム国」

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  • 日中関係史 「政冷経熱」の千五百年
    3.8
    日中の関係は、古来、ほぼ疎遠であった。経済的な交流は盛んでも、相互理解は進まなかった。現代の日中関係を形容する際に「政冷経熱(経済面では交流が盛んなのに、政治的関係は冷淡であること)」と表現されることがあるが、そもそも千五百年間、日中間はずっと政冷経熱であったともいえる。遣唐使とは、少なくとも中国の側からすれば「敗戦国」からの朝貢使節に過ぎず、この時代、日本は東アジアから隔絶していた。江戸時代になると、寺子屋で漢文を庶民に教えるなど「漢語化」の傾向がみられるものの、中国文化を全面的に信頼することはなかった。一方、近代中国が西洋文明を学ぶ際、原文ではなく「和製漢語」を通じてその概念を把握しようとした。ゆえに彼らは西洋文明の本質を理解しなかった。そもそも和製漢語を生んだ日本語と日本に対する理解も、表面的なものに過ぎなかった――。サントリー学芸賞受賞者が、最新の研究成果を踏まえて真摯に綴る一冊。

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  • はじめてのノモンハン事件
    4.0
    太平洋戦争が勃発する直前の1939年に起きた、満州国とモンゴルの国境紛争であるノモンハン事件――。戦闘の規模から言えば、事実上の“日ソ戦争”にもかかわらず、1万9千人もの戦死傷者を出した大苦戦の内実は国民に知らされることなく、あくまで“事件”として内密に処理され、闇に葬られた。なぜ日ソは満蒙の地で激突したのか? なぜ関東軍と参謀本部は決裂したのか? なぜ現場指揮官に苛酷な責任追及がされたのか?本書は、「最初の『日ソ大衝突』となった張鼓峰事件」「『国境線は自ら決めよ』――満州国とモンゴルの紛争」「モンゴル領内での死闘――ハルハ河を左岸へ渡河」「『劇的に勝つ』――ソ連軍、八月大攻勢への入念な準備」「玉砕か撤退か――ノモンハン戦の運命が決まる」「停戦とその後――世界は第二次大戦に突入した」など、今なお戦史のベールに包まれた“草原の死闘”の真相に迫る。この戦争を知らずして、昭和史は語れない。

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  • 龍の文明・太陽の文明
    3.3
    北方を起源とし、覇権主義的な性格を持っていた龍の文明。一方、南の長江流域で発祥し、再生と循環の世界観を基本とした太陽の文明。約七千年前、この全く性質の異なる二つの文明が中国大陸の北と南に存在した。その後、二つの文明は衝突し、結果、漢民族支配の龍型・中華文明が覇権を握ることになった。そして太陽の文明は滅び、一部は少数民族と日本民族へと受け継がれ生き残る。著者は、「環境考古学」という分野を日本で初めて確立した。現在手がけている「長江文明の探求」プロジェクトを通して、「長江文明の担い手は苗族をはじめとする少数民族だった」ことを発見。その成果を本書で発表している。内容、〇龍と王権〇南北構造のルーツ〇なぜ日本人は雲南省に共感するのか〇稲作漁撈文明の系譜――日本文明の源流を問う〇覇権主義から環境主義へ、など。南北文明の壮大な興亡の歴史を読み解きながら、日本と中国の古代史に貴重な1ページを加える一冊。

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