開高健ノンフィクション賞作品一覧

  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日
    4.2
    【第7回開高健ノンフィクション賞受賞作】広大なユーラシア大陸を横断し、イスラム圏の国々を越えてアフリカ大陸へ――。絵葉書を売るカンボジアの少女に凜とした生きる意志を感じ、排他的な印象を抱いていたイランで受けた細やかな配慮に戸惑い、ザンビアでは貧富についての議論を交わす。周囲の声に惑わされず、自らの素直な感覚を頼りに47カ国を旅した著者が綴った684日間。
  • 空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む
    4.2
    チベットの奥地、ツアンポー川流域に「空白の五マイル」と呼ばれる秘境があった。そこに眠るのは、これまで数々の冒険家たちのチャレンジを跳ね返し続けてきた伝説の谷、ツアンポー峡谷。人跡未踏といわれる峡谷の初踏査へと旅立った著者が、命の危険も顧みずに挑んだ単独行の果てに目にした光景とは─。開高健ノンフィクション賞をはじめ、多くの賞を受賞した、若き冒険作家の野心作。
  • エンジェルフライト 国際霊柩送還士
    4.4
    【第10回開高健ノンフィクション賞受賞作】異境の地で亡くなった人は一体どうなるのか――。国境を越えて遺体を故国へ送り届ける仕事が存在する。どんな姿でもいいから一目だけでも最後に会いたいと願う遺族に寄り添い、一刻も早く綺麗な遺体を送り届けたいと奔走する“国際霊柩送還士”。彼らを追い、愛する人を亡くすことの悲しみや、死のあり方を真正面から見つめる異色の感動作。(解説・石井光太)
  • 日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」
    4.1
    【開高健ノンフィクション賞受賞作】常夏の国フィリピンで、困窮生活を送る何百人もの日本人男性がいる。フィリピンクラブで知り合った女性を追いかけてきた男、偽装結婚のカモにされた男……所持金ゼロ、住む家もない彼ら「困窮邦人」に手を差し伸べるのは、フィリピンの貧しい人々だった。男たちのすさまじい生き様を通して現代日本の問題点をあぶり出す、渾身のルポルタージュ。第9回開高健ノンフィクション賞受賞作。
  • 聖なるズー
    4.4
    犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。大型犬を「僕の妻だよ」と紹介する男性。七匹のねずみと「群れ」となって生活する男性。馬に恋する男性。彼らはときに動物とセックスし、深い愛情を持って生活する。過去に十年間にわたってパートナーから身体的、肉体的DVを受け続けた経験を持つ著者は、愛と性を捉えなおしたいという強い動機から、大学院で動物性愛を研究対象に選び、さらにズーたちと寝食をともにしながら、人間にとって愛とは何か、暴力とは何か考察を重ね、人間の深淵に迫る。性にタブーはあるのか? 第17回開高健ノンフィクション賞受賞作。
  • 五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後
    4.5
    【第13回開高健ノンフィクション賞受賞作】日中戦争の最中、満州国に設置された最高学府・建国大学。「五族協和」を実践すべく、日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシアから集められた若者たちは6年間、寝食を共にしながら国家運営の基礎を学んだ。そして敗戦。祖国へと散った彼らは帝国主義の協力者として弾圧を受けながらも、国境を越えて友情を育み続けた。スーパーエリートたちの知られざる戦後。
  • マラス 暴力に支配される少年たち
    3.5
    中米にはびこる凶悪なギャング団「マラス」。主力メンバーは、全身にタトゥーを入れ、殺人や恐喝、麻薬取引などの犯罪に手を染めている。しかし、そこに関わる者の多くが、実はごく普通の青年だ。悪行の数々は、極貧のもと、親に守られず居場所を失い、追い詰められるなかでみつけた“生きる術”にすぎない。残虐性ばかりが強調されてきた彼らの真の姿に迫る第14回開高健ノンフィクション賞受賞作。
  • 黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い
    4.3
    落選また落選! 供託金没収! それでもくじけずに再挑戦! 選挙の魔力に取り憑かれた泡沫候補(=無頼系独立候補)たちの「独自の戦い」を追い続けた20年間の記録。第一章では今、日本で最も有名な「無頼系独立候補」、スマイル党総裁・マック赤坂への10年に及ぶ密着取材報告。第二章では公職選挙法の問題、大手メディアの姿勢など、“平等”な選挙が行なわれない理由と、それに対して著者が実践したアイデアを。第三章では2016年東京都知事選挙における「主要3候補以外の18候補」の戦いをレポート。第15回開高健ノンフィクション賞受賞作。
  • ウーマン アローン
    3.3
    【第2回開高健ノンフィクション賞受賞作】女ひとり、ユーコン川にカヌーを浮かべる。100年前を生きた「男」に恋をしてしまったのだ。漠としていても、心の芯がうずく「夢」探し。アラスカの大自然は、夢追い人にかけがえのない贈り物を用意してくれた。――伝説の日本人の足跡を訪ねるため、初めてのカヌーを繰ってアラスカ・ユーコン川下りに挑んだ著者。様々な表情を見せる自然、人々との交流。それは楽しい学びの時でもあった。電子版では口絵写真50点余をすべて大サイズで収録。写真集並みの迫力とボリューム!
  • 誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち
    4.2
    心の傷と闘う子どもたちの現実と、再生への希望。“お化けの声”が聞こえてくる美由。「カーテンのお部屋」に何時間も引きこもる雅人。家族を知らず、周囲はすべて敵だった拓海。どんなに傷ついても、実母のもとに帰りたいと願う明日香。「子どもを殺してしまうかもしれない」と虐待の連鎖に苦しむ沙織。そして、彼らに寄り添い、再生へと導く医師や里親たち。家族とは何か!? 生きるとは何か!? 人間の可能性を見つめた感動の記録。
  • 黙殺 報じられない“無頼系独立候補"たちの戦い
    4.3
    落選また落選! 供託金没収! それでもくじけずに再挑戦! 選挙の魔力に取り憑かれた泡沫候補(=無頼系独立候補)たちの「独自の戦い」を追い続けた20年間の記録。2017年 第15回 開高健ノンフィクション賞受賞作。【目次】第一章 今、日本で最も有名な「無頼系独立候補」、スマイル党総裁・マック赤坂への10年に及ぶ密着取材報告。/第二章 公職選挙法の問題、大手メディアの姿勢など、“平等”な選挙が行なわれない理由と、それに対して著者が実践したアイデアとは。/第三章 2016年東京都知事選挙における「主要3候補以外の18候補」の戦いをレポート。
  • 新版 絵はがきにされた少年
    4.0
    内戦中のスーダンで撮影した「ハゲワシと少女」でピュリッツァー賞を受賞、その直後に自殺したカメラマン。ルワンダ大虐殺を生き延びた老人の孤独。アパルトヘイトの終わりを告げる暴動。紛争の資金源となるダイヤモンド取引の闇商人……。 新聞社の特派員として取材をつづける中で、著者は先入観をくずされ、アフリカに生きる人々、賢者たちに魅せられていく。 アフリカ―遠い地平の人々が語る11の物語。第三回開高健ノンフィクション賞受賞作品
  • ジャスミンの残り香 ――「アラブの春」が変えたもの
    3.3
    アラブの春は、宗教勢力の反動を呼び、中東は未曾有の混乱に陥った。“あの「革命」は徒労だったのか?” ムバラク政権崩壊から三年。人気の絶えた広場に再び降り立ち、革命の意味を模索しながら無残な失敗とも思える出来事について考察する。著者の堪能なアラビア語は、人々の本音を次々と引き出す。ジャスミン革命と紫陽花革命の比較等、3.11後の日本を考える上で示唆的な内容も含む。第12回開高健ノンフィクション賞受賞作。
  • デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場
    4.0
    【第18回(2020年)開高健ノンフィクション賞受賞作!】両手の指9本を失いながら〈七大陸最高峰単独無酸素〉登頂を目指した登山家・栗城史多(くりきのぶかず)氏。エベレスト登頂をインターネットで生中継することを掲げ、SNS時代の寵児と称賛を受けた。しかし、8度目の挑戦となった2018年5月21日、滑落死。35歳だった。彼はなぜ凍傷で指を失ったあともエベレストに挑み続けたのか? 最後の挑戦に、登れるはずのない最難関のルートを選んだ理由は何だったのか? 滑落死は本当に事故だったのか? そして、彼は何者だったのか。謎多き人気クライマーの心の内を、綿密な取材で解き明かす。 ≪選考委員、大絶賛≫ 私たちの社会が抱える深い闇に迫ろうとする著者の試みは、高く評価されるべきだ。――姜尚中氏(政治学者) 栗城氏の姿は、社会的承認によってしか生を実感できない現代社会の人間の象徴に見える。――田中優子氏(法政大学総長) 人一人の抱える心の闇や孤独。ノンフィクションであるとともに、文学でもある。――藤沢周氏(作家) 「デス・ゾーン」の所在を探り当てた著者。その仄暗い場所への旅は、読者をぐいぐいと引きつける。――茂木健一郎氏(脳科学者) ならば、栗城をトリックスターとして造形した主犯は誰か。河野自身だ。――森 達也氏(映画監督・作家) (選評より・五十音順)
  • 聖なるズー
    4.3
    衝撃の読書体験! SNS、ネットで話題沸騰!! 2019年 第17回 開高健ノンフィクション賞受賞作。「2020年Yahoo!ニュース 本屋大賞 ノンフィクション本大賞」「第19回 新潮ドキュメント賞」「第42回 講談社 本田靖春ノンフィクション賞」「第51回 大宅壮一ノンフィクション賞」各賞ノミネート! 犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。性暴力に苦しんだ経験を持つ著者は、彼らと寝食をともにしながら、人間にとって愛とは何か、暴力とは何か、考察を重ねる。そして、戸惑いつつ、希望のかけらを見出していく──。 【開高賞選考委員、驚愕!】 ・「秘境」ともいうべき動物との性愛を通じて、暴力なきコミュニケーションの可能性を追い求めようとする著者の真摯な熱情には脱帽せざるをえなかった。――姜尚中氏 ・この作品を読み始めたとき、私はまず「おぞましさ」で逃げ出したくなる思いだった。しかし読み進めるにしたがって、その反応こそがダイバーシティの対極にある「偏見、差別」であることに気づいた。――田中優子氏 ・ドイツの「ズー」=動物性愛者たちに出会い、驚き、惑いながらも、次第に癒やされていく過程を描いたノンフィクションは、衝撃でもあり、また禁忌を破壊するひとつの文学でもある。――藤沢周氏 ・人によっては「#Me Too」の「先」の世界の感性があると受け取るのではないか。この作品を世間がどのように受容するのか、楽しみである。――茂木健一郎氏 ・多くのファクトに翻弄された。こんな読書体験は久しぶりだ。――森達也氏 (選評より・五十音順)
  • 空をゆく巨人
    4.1
    第16回開高健ノンフィクション賞受賞作! 現代美術のスーパースター蔡國強と、いわきの“すごいおっちゃん”志賀忠重がアートで起こした奇跡! ふたりの30年に及ぶ類い稀なる友情と作品づくりを辿り、芸術が生み出した希望を描く感動作。 【目次】プロローグ/はじめに/第一章 生まれながらの商売人 いわき・一九五〇年/第二章 風水を信じる町に生まれて 泉州・一九五七年/第三章 空を飛んで、山小屋で暮らす サンフランシスコ・一九七六年/第四章 爆発する夢 泉州・一九七八年/第五章 ふたつの星が出会うとき 東京・一九八六年/第六章 時代の物語が始まった いわき・一九九三年/第七章 キノコ雲のある風景 ニューヨーク・一九九五年/第八章 最果ての地 レゾリュート・一九九七年/第九章 氷上の再会 レゾリュート・一九九七年/第十章 旅人たち いわき・二〇〇四年/第十一章 私は信じたい ニューヨーク・二〇〇八年/第十二章 怒りの桜 いわき・二〇一一年/第十三章 龍が駆ける美術館 いわき・二〇一二年/第十四章 夜桜 いわき・二〇一五年/第十五章 空をゆく巨人 いわき・二〇一六年/エピローグ いわきの庭 ニュージャージー・二〇一七年/主な参考文献/謝辞

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