クイーンズセレクション - 癒し系作品一覧

  • 県立御陀仏高校 1
    完結
    5.0
    1984年に時代を先駆したギャグ作品『黒のもんもん組』の連載終結後、猫十字社氏は舞台を『プチフラワー』(小学館)に移して、この作品の連載を開始しました。 『プチフラワー』は、竹宮惠子氏の「風と木の詩」、萩尾望都氏の「メッシュ」などをはじめとして、のちに長く語り継がれる作品を掲載し続けた、少女漫画の最先端の雑誌でした。 この最先端の舞台で、猫十字社氏のギャグ作品はさらに豊かな広がりを見せます。 この作品は、前作「黒のもんもん組」の延長線上に位置づけられており、また、確かにその過剰なまでのエネルギーの迸りは、前作に連なるものが感じられます。 しかし、キャラクターと作者の距離感が微妙に変化しています。 「黒のもんもん組」に登場するキャラクターは身近な人物を作者の圧倒的な才能で容赦なく(否定的な意味ではありません)デフォルメして動かしているのですが、本作に登場する人物は、キャラクター設定に一定度の設計意図が感じられます。 キャラクターを勢いで動かすのではなく、作品世界の構築を前提として、キャラクターを位置づける意図が感じられます。 そのため、本作は「黒のもんもん組」に比べ、ある意味で分かりやすく、より一般的な広がりを持った作品に仕上がっています。 本作は、この意味で少女画ギャグ作品の優れた代表として位置づけられているのです。
  • ふわふわ三昧
    完結
    5.0
    猫十字社氏のメルヘン作品の多くは、動物たちが主人公になっています。 「こっち」と「あっち」を結ぶ、純粋で特別な、きらめくような世界(=猫十字社氏のメルヘン世界)を描いていくためには、リアルな人間という姿からイノセンスな部分を抽出した、さまざまな動物たちの姿を借りなければならないからなのかもしれません。 『ふわふわ三昧』は、動物たちを主人公にした作品でまとめた珠玉の作品集です。 うさぎ、子猫の主人公を軸に、魚、亀、熊、駄犬といった動物たちに加え、時にはさまざまな植物たちもが、風変わりで魅力的なキャラクターとして登場してきます。 作品内容もバラエティに富んでいます。 少女が、目くるめくまでに大きな自然とともに一人立ちしていく姿を、かわいらしいウサギに仮託して描かれた『野うさぎ通信』(巻末に収録いたしましたが、この作品に対して、詩人の谷川俊太郎氏が素晴らしい文章を寄せていただいています)。 同じくウサギですが、こちらは森で一人暮らしをする「うさぎ」が、日々出会う楽しいいろいろな動物たちと生活していくシーンを鮮やかに切り取った「ウサギ物語」。 そして美しいメタファーがぎっしりちりばめられた、宝石箱のような「星の子猫たち」……と、さまざまなテーマが長編、短編といったいろいろな形式で展開されています。 万華鏡のように多彩なきらめきを放つ猫十字社氏の動物たちをお楽しみください。
  • 小さなお茶会 完全版 第1集
    完結
    4.7
    本書の中にも使われていますが、「時が満ちる」という言葉があります。 「ぷりん」と「もっぷ」という猫の夫婦が紡ぎ出し、多くの人々の心を豊かに満たした不朽のメルヘン『小さなお茶会』は、いろいろな意味で「時が満ちる」ことで結晶した作品です。 少女マンガが、少女をきらびやかに飾るための作品から、少女の、さらには人間の心の揺らぎに沿った作品へと深化していったとき、『小さなお茶会』は誕生しました。 当時、『ぷりん』と「もっぷ」の夫婦が繰り広げる、繊細で、豊かで、優しく、温かく、そして不思議な世界に多くの人が魅了され、癒されました。 また華麗に描きあげられた私たちの宇宙の不思議に慄かされ、驚かされました。 この時、『小さなお茶会』は少女マンガの到達点という、「時を満たした」作品として誕生し、少女マンガの枠を軽やかに超える普遍的な感動を与えてくれました。 そして今、再びこの作品の時が満ちてきました。 私たちはとても生きにくい時代にいます。 どこか窮屈で、孤独で、ともすれば自分自身の時を失いがちです。 そんな索漠とした思いを抱くとき、再びこの作品の輝きが、私たちにおりてきて、豊かに私たちを照らしなおしてくれます。 懐かしく、温かく、時にはぞっとするように……。 初めての方も、再読の方も、「ぷりんともっぷ」の世界の扉を開けれてください。不朽のメルヘンだけが持つ至高の世界が待っています。
  • 猫つぐら島 猫は悪友 犬は盟友篇 其の1
    完結
    4.0
    本書の著者・猫十字社氏は、デビュー以来爆発的な創造力で少女漫画に新しい世界を切り拓いてきました。 その作品はジャンルを縦横に横断し、多様で、すべてが今までにない圧倒的な輝きを放っていました。 猫十字社氏はこの間、全身体で創作に没頭し、もてるすべての力を絞り出し、命がけで作品を描いてきました。 できるだけ多くの読者に、美しい、悲しい、狂おしい、おかしい、そして輝かしい世界を届けたいと全力で疾走して22年……その結果……一時期、「壊れてしまった」のです。 しかし「破壊され焼き尽くされて、草一本残っていない廃墟、どん底のなかで…ボロボロになった身体(あとかき)」という絶望的状況から、猫十字社氏は静かに、確かに蘇生します。 その一つのきっかけとなったのが、本編に登場する愛犬「りる」との出会いです。 この作品は、愛犬とともに絶望の淵から静かに甦る日々が穏やかに綴られています。 セリフは一切の余分な修飾がそぎ落とされ、まっすぐに心に沁みとおってきます。 本書は日常的な「ペットとの付き合い方」という視点からも豊かな情報を提供してくれますが、その底流に流れているのは、「愛、信頼」という営為のかけがえのなさに対する、強く確かな、切実な思いにあります。 本編は、この思いの大切さを幅広くお届けしたいため、一般誌で『週刊spa!』(扶桑社)に掲載されました。
  • ねこ飼道 1
    -
    ふわふわの抱き心地に運命を感じて…。ひと目あったその日から、猫飼い人生が始まってしまった!表題の元となった『アラフォーからのねこ飼道』は、動物好きの著者「たちばな」と愛猫「もこ太」の日々を綴る実録4コマ猫まんがです。動物好きだけど猫を飼うのは初めて♪のたちばなは、念願の猫を飼うことにした。事前勉強もバッチリすませたある日、シェルターで出会った子猫に一目惚れ、その子を引き取ることに。「もこ太」と名づけた愛猫と猫あるあるを楽しんでいたけれど…ん? あれ、この子ちょっと身体がデカくない!?他にもショートストーリー5本を収録。 『ほかほかの絆』はペットショップとの契約トラブルと解決の物語。 『約束のゆくえ』はマンション住人同士のペットトラブルを描いた物語。 『地域猫さんいらっしゃい』地域猫にまつわる物語。 『わすれがたみ』は遺品整理の仕事する青年と故人が残した猫の物語。 『夏の夜 猫の勉強会』は動物愛護の学生団体の勉強会のレポート漫画。 猫と暮らすのに必要な情報を自然と手に入れられる4コマ漫画やショートストーリーが満載の『ねこ飼道』シリーズ第1巻。すべてはここから始まった!
  • 天照さんと一緒。
    完結
    -
    カワイイ女の子とカワイイおっぱいがだ~い好きな、太陽の女神・天照(アマテラス)さま。 顔は良いのに、なぜかフラれ続けること××回…。 フラれる度に岩にコモっては、みんなを困らせていた。 …そして、ようやく外に出てきたアマテラスに今度は天から敵が襲いかかる!! 仲良し女神たちが織り成す百合系?ドタバタラブコメディー。 ▼とある理由で、アマテラスさんが可愛い女のコに大変身!? 番外編も収録!
  • 黒のもんもん組 1
    完結
    -
    第一ページ目から突然に「しゃかしゃかしゃか」という擬音とともに、登場人物たちが意味なく駆け巡り(ゴキブリの走りをまねているそうです)、それを受けて「きりすとっ」という書き文字とともに人物が飛び上がります。 さらにはコマの枠線を交差しながら人物たちが舞い始める……この圧倒的な展開で『黒のもんもん組』が幕を開けます。 現代の私たちにとっても衝撃的な、このとてつもないセンスがなぜ生まれたのかを考えると、初出時の社会状況を参照したくなります。 かつて日本は社会全体で一つの大きな価値観を共有していました。 すべての人が等しく豊かになれる、という考え方で、背景には高度経済成長という日本社会の経済的発展がありました。 しかし、進歩という光は多くの陰を生み出しました。 様々な公害が発生するなど、この価値観はきしみ始めます。 そして、この画一的な価値観の呪縛から解き放たれながら新しい表現が登場し始めました。 少女漫画もこの時代に内容を深化させるとともに、多彩な表現が花開きます。 これを牽引したのは萩尾望都、竹宮惠子、山岸凉子、大島弓子といった作家たちですが、ショートストーリーでは猫十字社の存在が光ります。 本編が幕を上げる1978年は変化の時代の始まりにすぎません。 時代の流れは加速度を加え、猛烈な勢いで狂騒の度合いを強めていきます。 『黒のもんもん組』もこの時代の流れとともに爆発的なエネルギーを噴出していきます。
  • 妖交差点~料理屋おしのへようこそ~
    完結
    -
    大きな道路から少し離れた細い道を入って右側にある小さな小料理屋「おしの」。昼間はたくさんの人たちでにぎわうお店ですが、夜になると違う世界の住人たちがやってきます。ネコマタ、天狗、妖精、少女の霊・・・。ここに来れば誰もがほっこり。「ふつうのご飯とおかず」をメインディッシュに、様々な人々と不思議な「妖」たちが織りなすちょっと不思議でハートフルな二十の物語。
  • 華本さんちのご兄弟【完全版】
    完結
    -
    「小さなお茶会」、「黒のもんもん組」、「幻獣の國」など、メルヘン、ギャグ、ファンタジー……と、漫画の様々なジャンルに傑作を送り続けた猫十字社が、リアルな現実を舞台に描いた伝説の青春ラブストーリー。 華本さんご一家は、長野県松本市に住んでいる。 一家は男ばっかりの4人兄弟と、猫一匹の母子家庭。 長男は社会人の医者だが、次男の蝶太郎、3男の梅士、4男の桜彦はいずれも地元の国立医大の学生であり、すべて美形で、バイク乗りである。 猫の名前はミチゾー。 この猫もまたオスで、青春真っ盛り。 信州の美しい自然を背景に、学生生活真っただ中の3人と一匹の、かけがえのない、苦しいほどに甘美で切ない恋物語が綴られる。華やかな紅葉が織物のように山々を彩る秋の信州を舞台に、4男・桜彦の恋が描かれた「金の鯛やき 銀の蛸やき」。 みずみずしい新緑の季節に紡がれた2男・蝶太郎の恋を描く「な、泣きそベイビー」。 夏の松本を舞台に、猫のミチゾーが出会った新しい世界と恋を描いた「ミチゾー、その愛」。 降り積もる雪に夕暮れの賑わいが包みこまれた静かな街で奏でられる、3男・梅士の失われた恋を描く「ライト・マイ・ファイア」。 そして、女の子の視点から描いた美しい間奏曲のような「間物語」と「みゃんか」のシリーズ6作完全掲載。 傷つきやすく、壊れやすく、そしてひりひりするようなさまざまな恋。 かけがえない、青春の切実な時が、鮮やかに切り取られる。
  • キノコノホン
    完結
    -
    東京の大学に合格した舞竹マリ男は憧れの都会生活を始め、「東京で行きつけのバーを作る」という夢を実現しようとするが、下宿の場所はややビミョーに中途半端な江古田。 レトロな雰囲気がいいと、マリ男は一人納得しているが、しかし、何といってもここはいろいろとビミョーである。 日頃、「よさげな」バーを捜し歩いていた舞竹だが、ついにここぞと思う店を発見した。 その名前は『BARきのこさん』。勇気を出して店の扉を開け、まず目に飛び込んできたのは、すっっっっごい美脚。ドキマギする舞竹に「お一人サマかしら?」という声が…その声の先に現れたのは? どうしてもキノコ的なんだけど、やっぱり可愛かったり、奇怪だったり、不思議だったり、でも青春だったり……つまり、とても笑えてしまう奇妙な登場人物で綴られる傑作ショート連作「BARきのこさん」。 さらに、けなげで真面目で貧しい新入社員の英子さんが、みんないい人たちばかりの楽しい職場で、それとなく前向きに働くことになったが、課長さんとか上司が、やはりどことなくキノコ的な連載作品、『きのこ商事の人々』も同時掲載!! さらにさらに図に乗って、漫画家仲間の、ねむようこさんと合作したり、作品の中に出る特製カクテルを作ったり、キノコダンスを作って振付をしてしまったり……やりたい放題の爆発的な面白さ「てんこ盛り」の作品!!

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