メグレ警視シリーズ作品一覧

  • 黄色い犬
    1.0
    ブルターニュの小さな港町コンカルノー。午後十一時に近い。酒類販売を手がけるモスタガン氏は千鳥足でホテルのカフェから出てくる。折からの強い風のなか、なんとかして葉巻をつけようとするがマッチが無駄になるばかり。ようやくマッチに火をつける。瞬間、氏の身体はあとじさりしてよろめき、歩道の溝に倒れ込んだ。腹部を撃たれていたのだ。そしてどこからともなく現れた大きな黄色い犬が氏の身体を嗅ぎまわっていた。メグレもの初期の傑作。

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  • 港の酒場で
    -
    メグレのもとに、教師をしている旧友から一通の手紙が届く。教え子の電信技手が港町フェカンで起こったトロール船の船長殺害の容疑者として逮捕されたという。旧友の依頼で事件の解明に乗り出したメグレは、船員たちの複雑な心理状態から事件の謎をひもといていく…

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  • サンフォリアン寺院の首吊り人
    -
    メグレ警視シリーズ。ベルギーに出張中のメグレはぶらりと入ったブリュッセルのカフェで、いかにも失業中という男が3万フランもの大金をポケットから取り出し、くすんだ紙に包むのを見る。男はそれをパリ宛てに書籍小包で送った。メグレは気まぐれ心も動き、男が買ったのと同じ旅行かばんを買って、跡を追う。そして、すきをみてかばんを取り替える。だが、かばんがなくなったと知った男は、やにわにピストルを取り出してホテルの部屋で自殺した! 男のかばんには、一着の古着がはいっていただけだった。

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  • 男の首
    -
    その男は二人の女性を殺害した容疑で死刑を宣告され、刑務所に収容された。状況証拠は圧倒的に不利だったが、メグレの勘では「白」だった。やがて死刑囚のもとに脱獄を手引きする手紙が届けられる。男は疑いつつも誘いに乗る。メグレは司法当局を説き、みずからの名誉と職とを賭けて、「泳がせてみる」という大ばくちを打ったのだ。だが、まったく凡庸としかみえなかった男は、まんまとその裏をかいて行方をくらました。しかも、翌日の新聞には、「警察と司法とがぐるになって仕組んだ芝居だった」という暴露記事まで掲載された。メグレはあせった。もち時間は少なかった……

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  • メグレと善良な人たち
    -
    セーヌ左岸、カルチエ・ラタンに近い閑静な住宅街で老人が殺された。すでに事業を退き、一人娘も嫁いで、夫人とともに悠々自適の生活を送っていたこの老人一家のどこに、殺人事件に巻き込まれるような影の部分があったのか? 現場の状況は犯人が被害者とかなり親しい間柄にあることを示していたが、被害者はもちろん、周囲の人物もすべて「善良な」人々ばかりで、メグレには犯人像は浮かんでこなかった。

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  • 重罪裁判所のメグレ
    -
    額縁作り職人ガストン・ムーランの伯母が殺され、貯めこんでいた小金が奪われた。密告する者があり、ムーランに不利な証拠も出て、彼は逮捕され、犯行否認のまま起訴された。ムーランに白の心証をいだいたメグレはその後も捜査をつづけ、律義なムーランとはあまりにも対照的な妻ジネットに疑いを持った。法廷でジネットの素行が明るみに出されて、裁判の成行きは一転し、ムーランは無実の評決を得る……

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  • メグレと賭博師の死
    -
    深夜、パルドン医師を訪れ、名も告げずに立ち去った男女(女は軽傷ながら背中にピストルの弾を受けていた)は、オルリー空港からアムステルダム行きの飛行機に乗ったことがわかった。翌朝、職業的賭博師ナウールの射殺死体が自宅で発見された。家にあった写真から、昨夜の女はナウールの妻エフェリーナと判明した。
  • メグレ激怒する
    -
    田舎の別荘で引退暮らしを楽しんでいたメグレは、孫娘の不慮の死に疑念をいだいたアモレル老婦人に調査をたのまれる。大富豪のアモレル家を訪れたメグレは、そこで意外な人物に出会う。老婦人の娘むことして紹介された人物は、メグレの中学時代の同級生、しがない税務署員の息子のマリクだった! マリクは一家の内情をメグレに知られることを異常なまでに恐れていた…

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  • メグレと生死不明の男
    -
    プロ中のプロ、アメリカの殺し屋を向こうにまわして闘いをいどむメグレ! その捜査はメグレの長い警察官暮らしのなかでも、もっとも難しいものだった。メグレもふくめて警視庁所属のエリートたちを嫌う第二街警察署所属の「無愛想な刑事」ロニョンが活躍する長編でもある。

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  • メグレの退職旅行
    -
    メグレにも退官のときはある。2日後の退官をひかえて、ひとり身辺整理にあたる。電話が鳴る、自動的に受話器に手がのびる、ホテルで男が殺されたという、出かけずばなるまい(ホテル「北極星」)。メグレの定年前後を扱った他の2編「マドモワゼル・ベルトとその恋人」「メグレの退職旅行」のほか、「月曜日の男」「ピガール通り」「バイユーの老婦人」をふくむ6編からなる短編集。

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  • メグレと優雅な泥棒
    -
    冬の凍てつくようなブローニュの森で、頭部を鈍器で何回か殴られて死んだ男の惨殺死体がみつかった。メグレは男に見覚えがあった。はたして、男はキュアンデという名の「優雅な」泥棒であった。検事と判事はこの事件をやくざ同士の喧嘩とみなして重きをおかず、おりから多発していた一連のピストル強盗事件の捜査に全力を傾注するようメグレに言い渡す。だがメグレは不思議な親近感さえおぼえたこの怪盗の過去を洗っていく。

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  • メグレと消えた死体
    5.0
    かつてメグレが逮捕したことのある売春婦エルネスティーヌがどんな風の吹きまわしかパリ警視庁を訪れて、メグレに面会を求めた。金庫破りで名を知られた彼女の亭主アルフレッドがパリ郊外のある屋敷に忍び込んだところ、そこで女の死体を見つけたので、何もとらずに逃げ出したというのである。しかも嫌疑を恐れたのかアルフレッドは姿をくらます。メグレはその家を訪れたが、死体は消えていた。しかも、屋敷の持ち主の歯科医とその母親は泥棒に入られたことも完全に否定した…

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  • メグレと政府高官
    -
    高地に建設された子供のためのサナトリウムが洪水に見舞われ、128人が犠牲に。この大惨事を予測し、警告を発していた学者、故カラム教授のレポートが盗まれていた。政府高官の首がかかった難事件に極秘調査を命じられたメグレは……

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  • メグレ警視のクリスマス
    -
    ミステリであれ、純文学であれ、外国の作家たちは一生涯に一度はクリスマス・ストーリーを書く。エラリイ・クイーンによれば、クリスマス・ストーリーにはいくつかの約束事がある。「子供を登場させる」ことと、「奇蹟がなければならない」ことだ。『メグレ警視のクリスマス』にも子供が登場し、小さな奇蹟も起こる。『メグレのパイプ』では、メグレ夫人が十年前の誕生日祝いに贈ってくれたメグレのもっとも好きなパイプが盗まれる。毎日、メグレはオフィスのなかをさがす。帰宅しても、不機嫌で、ほとんど口をきかない。メグレがそのパイプを見つけるのは、捜査中の事件の犯人を逮捕したときであった。シムノン自身がもっとも愛している中編。

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  • メグレの打明け話
    -
    製薬会社の経営者アドリアン・ジョセの妻が深夜、自宅で刺殺された。遊び好きの妻には多くの男友達が、夫には愛人アネットがいた。容疑者ジョセは本当に殺(や)ったのだろうか?
  • モンマルトルのメグレ
    -
    モンマルトルの怪しげなキャバレー《ピクラッツ》の踊り子アルレットは酔っぱらった勢いで警察に出頭し、殺しが行われるかもしれないとほのめかした。酔いが醒めるとそれを否定したが……ほどなく彼女は自室で絞殺死体となって発見され、予言のように口にした「伯爵夫人殺し」も現実となった。彼女が同時に口にした「オスカル」という人物は何者なのか? パリの場末のモンマルトルを舞台にタフなメグレは奔走する。メグレもの屈指の名編。

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  • メグレと若い女の死
    -
    午前3時すぎのヴァンティミル広場は静かな小島のようだった。死体は湿った歩道に頬をつけて横たわっていた。片方の足には靴がなかった。身につけたイヴニング・ドレスは傷んでおり、肌寒い3月というのにコートは着ていなかった。メグレはなぜか、これが複雑な事件になるような気がした。

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  • 怪盗レトン
    3.0
    シムノンのメグレ・シリーズ第1作!「狡猾《こうかつ》かつ危険きわまりない人物、国籍不明、おそらくはリトアニアかエストニアの生まれ、英仏独露の四か国語を流暢に話し、詐欺をもっぱらとする国際犯罪団の首領」と目される怪盗レトン。その到着をパリの北駅に待ち受けるメグレ。だが、それらしい男が下車すると同時に、まったく瓜二つとしか言いようのない男の死体が、列車の洗面所に発見される。パリとノルマンジーのフェカンをむすぶ謎はなにか? 雨にけぶる巷に、霧深い地方の港町に、パイプをくわえてのっそりとたたずむメグレ、「犯罪心理の洞察者」「人生の捜査官」メグレの全貌はこの一作でわかる。

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  • メグレたてつく
    -
    深夜メグレの自宅に若い娘から電話が。地方からパリに出てきて、当てにしていた友人とはぐれ、お金もなく、困り果てているという。メグレはホテルを紹介してやる。ところが翌朝、彼は警視総監から、若い娘を誘惑して酒を飲ませ、ホテルに連れこんだと叱責を受ける。何者かがメグレの失脚をねらってしくんだ罠だった。メグレは背後で糸をひいている人物を探ろうするが……

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  • メグレとベンチの男
    -
    繁華街に近い袋小路のような路地で中年の男が背後からナイフで刺されて死んでいた。残っていた財布から身元はすぐに割れた。近郊の町からパリに通う倉庫係だった。だが死体置き場まで確認にやってきた妻は、遺体のつけている「茶色い靴も赤いネクタイも」覚えがなかった。男は勤め先がとっくに倒産したのに、妻には何も言わず、以前と同じようにして毎日パリへ通勤していたのだ。しかも、男が昼日中、所在なげにベンチに腰掛けていた姿も目撃されていた。いったいこの男は何をして暮らしていたのか。

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  • メグレの途中下車
    -
    メグレはボルドーで開かれた国際警察会議に出席した。帰りがてら、彼はむかしナントの大学で医学の勉強をしていたときに同じ下宿にいて仲良くなったシャボを訪ねてみようという気になった。シャボはヴァンデ県の小さな町フォントネイで判事をしていた。町はつい最近起きた二件の殺人事件で不安に包まれていた。旧家のあるじの義兄が殺され、ついで一人暮らしのばあさんが殺されたのだ。それは単にそれだけのことでメグレには何の関係もなかった。だが彼が町に着くとすぐに第三の殺人が発生した…メグレは否応なく小さな地方の町の特異な事件に巻き込まれていく。

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  • メグレ夫人の恋人
    -
    メグレ物のなかでも、ずばぬけておもしろい中長編集『メグレ、最新の事件簿』から秀作9編を選んでおくる。「メグレ夫人の恋人」では、メグレ夫人が事件の発覚を予測し、いざ事件が起こると家庭から飛び出してメグレ顔負けの名探偵ぶりを発揮する。「殺し屋スタン」は数あるメグレ物中編のなかでも、おもしろさが光る作品。

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  • メグレと深夜の十字路
    -
    保険代理人ミショネの自宅車庫から自慢の新車が消え、かわりに隣人アナセンのおんぼろ車が放置されていた。アナセンの車庫で発見された新車の運転席には、至近距離から胸を撃たれた宝石商ゴードバーグの死体があった。パリ近郊の《三寡婦(かふ)の十字路》を舞台に、重厚で、異様な雰囲気と、強烈なサスペンスが盛り上がるメグレもの初期の傑作。

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  • メグレと老外交官の死
    -
    七十八歳の元外交官サン=ティレール伯爵が自宅書斎で数発の銃弾を浴びて即死した。至近距離からの一発が脳頭蓋を吹っ飛ばす致命傷であった。外交上の政治的事件か、恋愛問題か、遺産相続問題か? ミステリーのタブーに挑戦したシムノンの力作は意外な結末をとげる。

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  • メグレ氏ニューヨークへ行く
    -
    ロワール河畔の別荘で、夫人とともに定年退職後の静かな生活を送っていたメグレ。そこへ突然、アメリカの大富豪の息子が訪れ、極秘の調査を依頼した。この青年の懇願で、ニューヨークへ旅立ったメグレは……

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  • メグレと宝石泥棒
    -
    宝石泥棒の陰の黒幕とメグレが目星をつけていたマニュエルが自室で銃殺された。車椅子のマニュエルは、若い情婦アリーヌを使って組織を操っていた。密室殺人と連続宝石泥棒の謎に挑むメグレ……

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  • メグレと首なし死体
    -
    サン・マルタン運河からあがった男のばらばら死体。首だけが発見できない死体の身元確認に奔走するメグレの前に、パリの片隅でひっそりと暮らす居酒屋夫婦の意外な過去が浮かびあがる。メグレもののなかでも一、二を争う傑作!

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  • メグレと口の固い証人たち
    -
    ガール河岸の今は傾きかけている老舗(しにせ)のビスケット会社。その当主が深夜、自室で胸を撃たれて死んだ。荒れすさんだ広壮な屋敷・事務所に細々と暮らす一族は、だれひとり、銃声を聞かなかったという。メグレは執拗にそのことにこだわった。

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  • メグレと殺人者たち
    -
    ひっきりなしに電話でメグレに救助と保護を求めた正体不明の男は、コンコルド広場で無惨な他殺体で発見された。死者の妻の名はニーヌ、胃の中には鱈(たら)料理……数少ない手がかりを懸命に追うメグレ。トーマ・ナルスジャックがメグレシリーズの最高作と激賞した傑作。

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