マーシャル、父の戦場 作品一覧

  • マーシャル、父の戦場 ある日本兵の日記をめぐる歴史実践
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    1巻1,980円 (税込)
    南洋の孤島で餓死した日本兵が死の前日まで綴っていた日記。〈想像力〉を駆使して戦地の死に迫る。 戦時中、南洋のマーシャル諸島では多くの日本兵が餓死した。 そのひとり、佐藤冨五郎が死ぬ直前まで綴った日記と遺書は、戦友の手を経て息子のもとへ渡り、73年の時を超えて解読されることになる。 そこには、住み慣れない島での生活、補給路が絶たれるなかでの懸命の自給自足、そして祖国で待つ家族への思いが描かれ、混乱と葛藤のなか、死へと向かう約2年間が精緻に記されていた。 〈70年以上前に・南洋で・餓死した〉日本人といまをつなぐ、〈想像力〉の歴史社会学。 【目次】 名もなき人びとへの想像力/大林宣彦 第1章 冨五郎をめぐる歴史 近代日本と南洋群島/波多野澄雄 第2章 南洋と日本をつなぐ—日記解読のはじまり 父の日記と父の島/佐藤勉 偶然の出逢いが日記をつなぐ/仁平義明 第3章 冨五郎日記に導かれて わたしの〈タリナイ〉/大川史織 第4章 ドキュメンタリー映画『タリナイ』誕生 あなたに関係のある島/藤岡みなみ ゴジラ少年の南洋へのまなざし/水本博之 第5章 兵士としての冨五郎の心理 従軍日記・遺書に見る日本兵の死生観/一ノ瀬俊也 第6章 冨五郎日記を体験する 日記全文翻刻 資料 第7章 古代史と現代史をつなぐ——日記解読のおわり 「佐藤冨五郎日記」を映し出す/三上喜孝 第8章 マーシャルをめぐる世界と私 誰が海を閉じたのか?/グレゴリー・ドボルザーク マーシャル諸島と核、環境/竹峰誠一郎 マーシャルへの片思い/末松洋介 マーシャルへの手紙/森山史子 マーシャル追想──米国大使との銀輪談議/安細和彦 第9章 歴史をつないでいく意志 日本と南洋/寺尾紗穂 映画的歴史実践/三上喜孝 【著者】 大川史織 1988年神奈川県生まれ。映画監督。慶應義塾大学法学部政治学科卒。マーシャル諸島共和国の日系企業で働きながら、人びとのオーラル・ヒストリーを映像で記録。マーシャル諸島で戦死(餓死)した父を持つ息子の慰霊の旅に同行したドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018年)で初監督。編著書に『マーシャル、父の戦場—ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林、2018年)。両作品で山本美香記念国際ジャーナリスト賞・奨励賞受賞。国立公文書館アジア歴史資料センター調査員(非常勤職員)。

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