エッセイ・紀行 - 玄侑宗久作品一覧

  • 祈りの作法
    4.0
    今ほど、人生の成熟が問われている時代はなかった――。震災・原発事故後の日本に蔓延する「正義」と「安全」への妄信を断ち切らねばならない。しかし、無力なる我々にできることは残っているのか? フクシマに暮らす僧侶兼作家がほとばしる思いで「祈り」を説き、「目に見えないもの」の価値を訴えた、警醒と智慧の書。

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  • 禅のいろは
    3.6
    「禅のいろは」というと禅の入門書のようだが、さにあらず。いや、ある意味では入門書と言えるかもしれない。「いろはカルタ」の諺に託して、禅僧にして作家である著者が、禅的な生き方・考え方へのヒントを綴った一冊なのである。「いろはにほへとちりぬるを」で始まり、「あさきゆめみしえひもせす」と終わる「いろは歌」は、同じかなを一度も使わずに、「夜叉説半偈」という「死」についての短いお経を味わい深く翻訳したものだ。江戸の庶民たちは、それに口承された諺を頭文字ごとに一つずつ当てはめることで、「いろはカルタ」を生み出した。「い:犬も歩けば棒に当たる」「ろ:論より証拠」……「京:京の夢大坂の夢」と並んだ四十八句から、フッと肩の力が抜け、ホッとこころ癒されるメッセージが聴こえてくる。仏教にも文学にも造詣が深い著者ならではの諺の“読み筋”が冴えわたっている。人生の様々な局面にあって、臨機応変に歩むための「こころの四十八手」!

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  • 禅のいろは(PHP文芸文庫)
    3.5
    「色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔ひもせず」と、仏教的死生観をいろは47文字に凝縮した「いろは歌」。平安の昔に作られ、日本人が愛唱してきたこの歌が、ポルトガル伝来の「カルタ」と結びつき、諺の頭文字を「いろは」順に並べた「いろはカルタ」になった。「犬も歩けば棒に当たる」「論より証拠」「花より団子」……。年輩の方なら馴染み深いこれらの諺には、たんなる教訓を超えた仏教的な思想が看取できる。本書は、禅僧にして芥川賞作家である著者が、軽妙にして滋味深い筆致で、「いろはカルタ」のことわざをもとに禅的な生き方・考え方を説いている。かわいい挿画とともに、心癒されて明日への元気が出てくるヒントが満載。福島県三春町在住の著者は、いま原発問題を中心に未曾有の大震災と向き合い、多くの情報を発信している。本書ではひととき重い気持ちを忘れ、禅の自在の境地に身をゆだねたい。

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  • 中途半端もありがたい
    3.5
    語るとは、聞くこと。だから心に響く。震災前5篇、震災後5篇を厳選。 【対談者】木田元/辰巳芳子/五木寛之/養老孟司/片田珠美/山田太一/中沢新一/佐藤優/日野原重明/山折哲雄。 いずれも斯界の第一人者。私としては講義を受ける気分だが、それでは対談にならないので半端な言葉を差し挟む。(中略)大震災の前後で自分がどう変わったのかは、読み返してもよくわからない。それは読者の判断に任せ、私としてはこの刺激的な人々の話がすべていつでも読み返せる形になったことを独り歓んでおこう。(まえがきより)

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  • むすんでひらいて 今、求められる仏教の智慧
    -
    「私たちの魂は死後も存在するのか」「人は生まれ変わるのか」ナビゲーターの素朴な問いに答える形で展開。「いろは歌」からわかる日本人の死生観や宇宙物理学に通ずる華厳の世界観など、仏教の深淵に迫る好エッセイ。

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