エッセイ・紀行 - ハルノ宵子作品一覧

  • 隆明だもの
    3.3
    吉本家は、薄氷を踏む ような〝家族〞だった。 戦後思想界の巨人と呼ばれる、父・吉本隆明。 小説家の妹・吉本ばなな。 そして俳人であった母・吉本和子―― いったい4人はどんな家族だったのか。 長女・ハルノ宵子が、父とのエピソードを軸に、 家族のこと、父と関わりのあった人たちのことなどを思い出すかぎり綴る。 『吉本隆明全集』の月報で大好評の連載を、加筆・修正のうえ単行本化。 吉本ばななとの姉妹対談(語りおろし)なども収録する。
  • 開店休業
    4.0
    思い出の味は忘れがたく、あの日の団欒を呼び覚ます――。父母の故郷・天草の雑煮、今はなき三浦屋のレバカツ、母にねだった塩おにぎり、少年期の大好物焼き蓮根、自ら絶品と称した手製の豚ロース鍋……。食を通じて蘇る記憶はどれも鮮やかに「家族の日常」を浮かび上がらせる。あわせて長女・ハルノ宵子が、父・隆明の晩年の姿をユーモア溢れる筆致で瑞々しく綴る。胸と胃袋を打つ、珠玉の食エッセイ。
  • それでも猫はでかけていく
    4.0
    いつでも猫が自由に出入りできるよう開放され、家猫、外猫、通りがかりの猫など、常時十数匹が出入りする吉本家。思想家の父・隆明が溺愛したフランシス子、脊髄損傷の捨て猫シロミ、傍若無人のチンピラ猫トリオ……。吉本家に集う猫と人の、しなやかでしたたかな交流から見えてくる「生きる」の意味。ハードボイルドで笑って沁みる、猫エッセイ。
  • 猫だましい
    4.7
    糖尿病で視力を失いながらも死ぬまで思索を続けた、父・吉本隆明。ワガママ放題して〝セルフ尊厳死〟を遂げた、母。疾患を抱え週に3回通院する猫、シロミ。推定16歳で逝った半ノラ、ササミ。滂沱の涙で別れた内科医の理想型、O竹先生。自らの大腸がんなどの闘病の傍ら、たくさんのいのちを見守り見送る日々を綴る、明るく透徹な名エッセイ。
  • 猫屋台日乗
    -
    毎日1日分だけの買い物をし、ハッピーアワーで1杯飲んで帰る。 誰とも会わない、喋らない。そんな女将の胸の内。 コロナの3年間のお上の無能に怒り、吉本家の“独特な味“を懐かしみ、『猫屋台』で大盤振る舞い……。“人外魔境”より届いた、「真っ当な食、真っ当な命」をめぐるエッセイ。 味と思い出は、紐付けられる――。 完全予約制の、知る人ぞ知る『猫屋台』の女将・ハルノがその「日乗」を綴り始めたのはコロナが蔓延り始めた2020年の春。女将は怒っていた。緊急事態宣言、アルコール禁止、同調圧力、自粛警察……コロナが悪いんじゃない、お上が無能なんだ――と。怒りの傍ら綴るのは、吉本家の懐かしい味、父と深夜に食べた初めてのピザ、看板猫・シロミの死、自身の脱腸入院、吉本家の怒涛のお正月、コロナの渦中に独りで逝った古い知人……。美味しさとユーモアと、懐かしさ溢れる、食エッセイ。

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