哲学・宗教・心理 - 菊地章太 - 筑摩書房 - ちくま新書作品一覧

  • エクスタシーの神学 ――キリスト教神秘主義の扉をひらく
    3.0
    キリスト教には合理主義と神秘主義の二つの極がある。二千年におよぶキリスト教の歴史は、さながら理性と感性のはざまを揺れ動く振り子のようであった。この構図は近代以降も変わらない。宗教改革以後、むしろ振り子の振幅はますます大きくなった。イエズス会による布教活動、神秘主義の興隆、悪魔憑き、魔女狩りなど、熱狂的な信仰が西欧近代の宗教的エネルギーを吸収した。本書では、キリスト教における神秘主義の思想を、「エクスタシー」という視点から読み解いていく。ギリシア時代に水源をもち、ヨーロッパ思想の伏流水であるカトリック神秘神学を俯瞰し、キリスト教の本質に肉薄する危険な書。
  • 葬儀と日本人 ──位牌の比較宗教史
    3.5
    無宗教といわれることの多い日本人。だが、葬儀を行ない、時をさだめて墓参し、礼をつくして先祖を祀るのは、私たちの多くが霊魂の存在を漠然とでも感じているからだろう。葬儀のかたちは古代中国の先祖祭祀に由来する。紀元前二世紀、葬式の原型が儒教によってつくられた。以来二千数百年、儒教・道教・仏教が複雑に絡まりあい、各宗教が「先祖を祀る」という感情に回収されていく。本書では、葬儀と位牌の歴史をたどることによって、民族の死生観を考えてゆく。
  • ユダヤ教 キリスト教 イスラーム ――一神教の連環を解く
    3.4
    ユダヤ教もキリスト教もイスラームも「たったひとりの神」を持つ宗教である。もとをたどれば同じひとりの神だった。それが「それぞれの神」になったとき、地球の表面が変わった。宗教史のうえでは突発的・変則的であった一神教が、なぜ諸宗教をしのぐまでに発展し、世界の底流となりえたのか――。出発点であるユダヤ教と、そこから枝分かれしたキリスト教とイスラームを視野に入れ、より大きな広がりのなかで一神教の特質を把握する。「聖戦」「不寛容」「平等」「福祉」「契約」などの題材にふれながら、歴史に決定的な影響を与えた三宗教の連環を解き、一神教の光と闇にせまる比較宗教学の入門書。

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