エッセイ - 太田和彦作品一覧
-
3.3
-
3.770すぎたら愉しくなった 「老後」を受け入れて初めて、大切なものが見えてくる。 粋と喜びに彩られた“オオタ式”享楽人生論 「ながく生きてきて、ものごとが見えてきた。社会的地位が高い・低いなどという価値観はとうに消えた。そういうことにこだわる人はつまらん人だとわかってきた。立身出世をはたした、経済的に成功した、それがどうした。頭がいいとか、リーダーシップがあるとかも、どうでもよいことになった。人生の価値観が変わったのだ。」(本文より) 【目次】 まえがき 1 酒場で飲む 2 酒を味わう 3 旅に出る 4 古い映画を見る 5 一人を愉しむ 6 私の東京物語 あとがき
-
-
-
3.5
-
3.0お燗酒のようにじんわり温かい気持ちに。 太田和彦はふとつけたテレビや雑誌の中で実に心地よく居酒屋にいざなってくれる、そればかりか、一度この人と飲みたいなぁと思わせる魅力がある。今回はその大田和彦をもっともっと好きになる彼の本音やルーツまでがわかる一冊である。 気になる居酒屋を取材して、紹介するまでの裏話もまるで、一緒に行っているかのような優しげな描写である。 なかでも、椎名誠氏から依頼を受けて「本の雑誌」に掲載された、 『居酒屋「べからず」集』『居酒屋評論家の本音』『最後の晩餐の前日のメニュー』などは、まさにフアンが大喜び間違いなしであろう。 かと思えば、故郷への想い、街歩き、旅のこと、父のこと、祖父のことなど太田和彦その人そのものをたっぷりと味わっていただける構成になっている。 まるで御燗した日本酒がじわーっと身体に染み渡っていくような温かい気持ちになる叙情あふれるエッセイ集である。
-
3.0
-
-《80歳への積極宣言》 明るい色の服を着る。 いい音楽や芝居をめでる。 ひとりで小さな旅に出る。 ——かけがえのない「ひとり時間」を縦横無尽に楽しむ方法 残りわずかな人生を消化試合にしてしまっては面白くない。 生きる実感も持ちたい。日常を離れて冒険したい。 幸いまだ元気な身ならできそうだ。 大好きな〈焼油揚〉で一杯やりながら。 ——「おわりに」より 《居酒屋作家の楽しい老年案内》 -------------------------------------- 豆腐は食べ物の大発明と思う。大豆を茹でて絞り、にがりを打って固まった、ゆるやかにして純白、自在にどんな形にもなる清浄無垢な姿は、もともとを想像できず、料理の脇役、ときに主役として、懐の深さをみせる。 融通無碍、毎日でも飽きない、栄養もある。村にも町にも豆腐だけをつくって売る専門店があり、自転車でラッパを吹いて売りに来る日常に欠かせないものとなった。人も年齢を重ねたら、このように在りたい。 その豆腐を油で揚げた油揚は、姿も食感も味も一変。新たに生まれた独自の個性は、煮てよし、焼いてよし、包んでよし。稲荷神社に供えられて手を合わされ、トンビにさらわれる品にまでなった。これは豆腐の劇的進化、いや昇華だ。 人生にも進化や昇華はあるだろうか。経験が昇華して新たな境地に至るのなら、長く生きる価値がある。そうなれるか。そうありたいか。 ——「はじめに」より -------------------------------------- 【目次】 はじめに Ⅰ……いまの自分を楽しもう Ⅱ……続けたら見えてきた Ⅲ……生きる実感を求めて旅へ おわりに——私の徒然草 -------------------------------------- 【おすすめ】 ■<a href=https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=991" target="_blank">太田和彦『70歳、これからは湯豆腐』</a> 高望みどころか望みなし。もうひとりでいい。 夜一杯飲めればじゅうぶん。これは楽だ。——本文より 居酒屋作家のうたかたエッセイ。豊かな「ひとり時間」の過ごし方。 ■<a href=https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=873" target="_blank">太田和彦『酒と人生の一人作法』</a> 70すぎたら愉しくなった!「老後」を受け入れて初めて、大切なものが見えてくる。 粋と喜びに彩られた“オオタ式”享楽人生論。
-
4.3
-
3.5
-
4.3