歴史・時代小説 - 祥伝社作品一覧

  • 介錯人・野晒唐十郎【合冊版/全16巻】
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    抜きつけの一閃を逆袈裟に斬りあげ、首筋を絶つ。 そこから血の噴出する音が荒野で啾々と霊鬼の哭くように響く――小宮山流居合の必殺剣「鬼哭の剣」。 狩谷唐十郎はその奥義を会得するも、道場主であった父が素性も知れぬ剣客に惨殺されたことで流儀の名は地に落ちた。 それから十年。藩邸や旗本からの依頼で行き倒れや処刑された罪人の屍をもって銘刀の切れ味を試す「御試御用」を生業としながら、唐十郎は切腹の介錯人としても名を馳せるようになっていた。 しかし、時に介錯した者の縁者から恨みを買い、さらには一門の争いや藩内の騒動に巻き込まれることに……。 孤高の介錯人の戦いを描いた圧巻の剣豪小説、全16巻を収録した合冊版。 【収録作品】 鬼哭の剣 介錯人・野晒唐十郎〈一〉 妖し陽炎の剣 介錯人・野晒唐十郎〈二〉 妖鬼 飛蝶の剣 介錯人・野晒唐十郎〈三〉 雷神の剣 介錯人・野晒唐十郎〈五〉 双蛇の剣 介錯人・野晒唐十郎〈四〉 悲恋斬り 介錯人・野晒唐十郎〈六〉 飛龍の剣 介錯人・野晒唐十郎〈七〉 妖剣 おぼろ返し 介錯人・野晒唐十郎〈八〉 鬼哭 霞飛燕 介錯人・野晒唐十郎〈九〉 怨刀 鬼切丸 介錯人・野晒唐十郎〈十〉 悲の剣 介錯人・野晒唐十郎〈十一〉 死化粧 介錯人・野晒唐十郎〈十二〉 必殺剣虎伏 介錯人・野晒唐十郎〈十三〉 眠り首 介錯人・野晒唐十郎〈十四〉 双鬼 介錯人・野晒唐十郎〈十五〉 京洛斬鬼 介錯人・野晒唐十郎〈番外編〉
  • 闇の用心棒【合冊版/全14巻】
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    この世に生かしておけねえやつなら、地獄の閻魔に頼め―― 深川は要橋端にぽつんとある一膳めし屋「極楽屋」。主の島蔵は裏の長屋に無宿人や入墨者など世間では受け入れられない者たちをただ同然で住まわせ、仕事を世話していた。 そのため、土地の者からは「地獄屋」、裏の長屋は「地獄宿」と呼ばれ、恐れられている。 さらに、島蔵のもう一つの顔は、金ずくで殺しを請け負う殺し屋の元締めだった。 安田平兵衛はそんな闇の世界で「人斬り平兵衛」の二つ名を持つ凄腕の殺し人だったが、ここ十年は老齢を理由に本所相生町の長屋で刀の研ぎ師をしながら娘のまゆみと静かな生活を送っていた。 しかし、夜鷹殺しを皮切りに地獄屋でも手練れの者が斃され、島蔵は平兵衛を闇の世界へと呼び戻す……。 全身に走る震えを抑え、再び剣を取る凄腕の老剣士を描く、冷酷にして情感溢れる異色の剣豪小説! シリーズ全14巻をまとめた合冊版。 【収録作品】 『闇の用心棒』 『地獄宿』 『剣鬼無情』 『剣狼』 『巨魁』 『鬼、群れる』 『狼の掟』 『地獄の沙汰』 『血闘ヶ辻』 『酔剣』 『右京烈剣』 『悪鬼襲来』 『風雷』 『殺鬼狩り』
  • 深川鞘番所【合冊版/全13巻】
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    鉄心夢想流秘剣「霞十文字」見参! 無法地帯と呼ばれた深川を舞台に、大滝錬蔵率いる鞘番所の面々が縦横無尽に活躍する! 人気シリーズ「深川鞘番所」「新・深川鞘番所」シリーズ全13巻の合冊版。
  • 風の市兵衛【合冊版第一期/1-20巻】
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    1~2巻7,480~13,200円 (税込)
    庶民文化が爛熟していた文政期の江戸。そこに、算盤(そろばん)の腕を買われ、武家や商家を渡り歩く雇われ武士がいた。その名は唐木市兵衛、人呼んで“算盤侍”。 筆頭目付の家に生まれながら、家を出て上方に上り、さまざまな商売を体験した市兵衛は、同時に秘術「風の剣」を操る剣の達人でもあった。 家計を預かる雇われ先の主家をめぐって次々に起こる難事件・怪事件、市兵衛は明晰な頭脳と秘剣で颯爽と立ち向かうが……。 時代小説界に新風を吹き込んだ異色ヒーローの誕生、著者・辻堂魁最大のヒットシリーズとなった「風の市兵衛」1巻から20巻をまとめた豪華合冊版! 読み始めたら止まらない! 【収録作品】 『風の市兵衛』 『雷神 風の市兵衛』 『帰り船 風の市兵衛』 『月夜行 風の市兵衛』 『天空の鷹 風の市兵衛』 『風立ちぬ 風の市兵衛』(上)(下) 『五分の魂 風の市兵衛』 『風塵 風の市兵衛』(上)(下) 『春雷抄 風の市兵衛』 『乱雲の城 風の市兵衛』 『遠雷 風の市兵衛』 『科野秘帖 風の市兵衛』 『夕影 風の市兵衛』 『秋しぐれ 風の市兵衛』 『うつけ者の値打ち 風の市兵衛』 『待つ春や 風の市兵衛』 『遠き潮騒 風の市兵衛』 『架け橋 風の市兵衛』
  • 風烈廻り与力・青柳剣一郎【合冊版/第一期】
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    南町奉行所の風烈廻り与力・青柳剣一郎は、風烈廻りとして、火事を防ぎ市中の様子に目を配る傍ら、年番方与力の宇野清左衛門に才を買われ、ときに難事件の探索も任されていた。 私欲のために弱者を陥れる者、やむにやまれぬ事情から悪事に手を染める者……。青柳剣一郎は、その眼力と信念で、上辺や身分に惑わされることなく、事件の裏を見抜き、悪を暴いてゆく! 時代小説の旗手・小杉健治屈指の傑作シリーズ「風烈廻り与力・青柳剣一郎」の1巻から10巻までを収録した合冊版。 【収録作品】 『札差殺し』 『火盗殺し』 『八丁堀殺し』 『刺客殺し』 『七福神殺し』 『夜烏殺し』 『女形殺し』 『目付殺し』 『闇太夫』 『待伏せ』
  • 北町奉行所捕物控【合冊版/全8巻】
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    無辜の町人を手にかける凶悪な賊を、北町奉行所臨時廻り同心・鷲津軍兵衛が追い詰める! 悪に立ち向かう八丁堀同心の心意気が胸に響く傑作捕物帖、全8巻を収録した合冊版。
  • 羽州ぼろ鳶組 【合冊版第一期/1-7巻】
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    かつて、江戸随一と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾。別名、「火喰鳥」――。 しかし、五年前の火事が原因で、今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。 そんな源吾が、出羽新庄藩からの誘いで"ぼろ鳶"と揶揄される、寄せ集めの火消集団を率いることになり・・・・・・ 時代小説の新鋭が諦めない者たちの再生と再起を描く、炎より熱く胸を焦がす大人気シリーズ。 一巻『火喰鳥』から七巻『狐花火』までを収録した合冊版第一期。
  • 軍鶏侍【合冊版/全7巻】
    4.0
    闘鶏の美しさに見入られ、そこから必殺剣を編み出した隠居剣士・岩倉。その腕を見込んだ筆頭家老の呼出しに応じたがために、藩の政争に巻き込まれてしまう。必殺剣を巡る暗闘の結末は意外にも……。 流麗な筆致で武士の哀切を描く、静謐にして彩り豊かなる時代小説。番外編「遊び奉行」含むシリーズ7作の合冊版! 【収録作品】 『軍鶏侍』 『獺祭 軍鶏侍』 『飛翔 軍鶏侍』 『水を出る 軍鶏侍』 『ふたたびの園瀬 軍鶏侍』 『危機 軍鶏侍』 『遊び奉行 軍鶏侍外伝』
  • 完本 妖星伝【合冊版/全3巻】
    -
    神道とともに発生し、超常能力をもって歴史の闇で暗躍してきた異端の集団・鬼道衆。彼らの出没する処、必ず戦乱と流血、姦と淫が交錯する。八代将軍・吉宗が退いた今、鬼道衆の跳梁が再び開始された!人類の破壊と再生を壮大なスケールで描く大河伝奇巨編、全3作が合冊版で登場!
  • 信長の軍師【合冊版/全4巻】
    -
    戦国乱世で覇を競い合っていた武将大名たち、その陰にはそれぞれ彼らを導き、支えていた「軍師」たる禅僧の一群が存在した。 その中の一人、沢彦宗恩(たくげん・そうおん)――臨済宗妙心寺派の高僧であったこの人物こそ、稀代の天才・織田信長を指導し、天下人への階梯を駆け上がらせた軍師であった。 軍師と言っても単なる戦時参謀ではない、政治、宗教、歴史から軍学、武術まで、戦乱の世を君主として生き抜くためのあらゆる知恵――行動哲学を授けた正に師であった。 まだ幼少であった信長に接するや否や、「これぞ乱世を薙ぎ払う逸材」と確信した沢彦宗恩は、以後四十数年信長を支え、「天下布武(てんかふぶ)」の思想を授けるが、図らずもその突然の死を見届けることになる。いや、この信長の悲劇――戦国最大の謎に誰よりも深くかかわったのが沢彦であったのだ……。 瞠目の新説で歴史ファン、信長ファン、小説ファンの度肝を抜いた空前の巨編、文庫4巻1800ページを一挙に電子化した興奮必至の合冊版登場! 【収録作品】 『信長の軍師 巻の一 立志編』 『信長の軍師 巻の二 風雲編』 『信長の軍師 巻の三 怒濤編』 『信長の軍師 巻の四 大悟編』
  • 風魔【合冊版/全4巻】
    -
    南蛮人と見紛う異相、生まれながらの巨躯と膂力。箱根山塊に「風神の子」ありと恐れられた英傑がいた――。 時は戦国。関東の雄・北条氏一門は、関白豊臣秀吉率いる桁外れの軍勢を小田原城で迎え討たんとしていた。北条百年を影で支える風魔一党の束ねである小太郎は、主君を救う奇策を講じるが……。 時代小説の第一人者が描く、戦国の猛将たちに恐れられた、伝説の忍びの生涯! 感動時代巨編『風魔』上・中・下巻に『風魔外伝』を加えた合冊版。
  • 戻り舟同心【合冊版/全4巻】
    -
    多忙を極める南町奉行所は、増え続ける未解決事件に対処するため、元定町廻りの二ツ森伝次郎に再出仕を要請した。 御年六十八、隠居暮らしは御免と市中の揉め事に首を突っ込む毎日を送っていた伝次郎、早速、往年の腕利き連中を集める。 一癖も二癖もある伝次郎たちについた仇名が“戻り舟”。 体は動かねえ、口も悪い。だが、熱い気持ちは錆びついてねえ! 悪い奴らは許さねえ! 時代小説の名手が描く腕利き爺の事件帖、1~4巻を収録した合冊版。
  • 高積見廻り同心御用控【合冊版/全3巻】
    -
    南町奉行所の高積(たかづみ)見廻り同心・滝村与兵衛、通称“滝与の旦那”。 普段は、荷の積み降ろしに違反や乱雑な振る舞いがないか、人出が多いところで荷を広げ、通行の邪魔をしていないか取り締まるのがお役目だが、お店や町屋の様子に詳しいことから年番方与力に見込まれ、市中を騒がす事件の探索を命じられるようになるが……。 名手が描く人情時代小説、全3巻を収録した合冊版。
  • また、桜の国で
    4.4
    一九三八年十月一日、外務書記生棚倉慎はワルシャワの在ポーランド日本大使館に着任した。ロシア人の父を持つ彼には、ロシア革命の被害者で、シベリアで保護され来日したポーランド人孤児の一人カミルとの思い出があった。先の大戦から僅か二十年、世界が平和を渇望する中、ヒトラー率いるナチス・ドイツは周辺国への野心を露わにし始め、緊張が高まっていた。慎は祖国に帰った孤児たちが作った極東青年会と協力し戦争回避に向け奔走、やがてアメリカ人記者レイと知り合う。だが、遂にドイツがポーランドに侵攻、戦争が勃発すると、慎は「一人の人間として」生きる決意を固めてゆく。“世界を覆うまやかしに惑わされることなく、常に真実と共にあれ”との言葉を胸に。
  • 月のうらがわ
    4.2
    深川の新兵衛長屋に住む十三歳のお綾。三年前に母を亡くしたが、大工の父直次郎、弟正太と慎ましく暮らしていた。 ある日、父の朋輩重蔵の店賃滞納で揉めている中、隣に坂崎清之介という写本を生業とする侍が越してきた。 本好きのお綾は、部屋の片づけを束脩代わりに坂崎に手習いを見てもらうことに。そこで書きかけの本 『つきのうらがわ』を見つける。 子が亡き母の住む月へ辿りつこうとする物語だった。 「続きを考えさせてくれませんか」とお綾は頼みこみ、正太と重蔵の子おはると一緒に考え始める。 次第に子どもたちは優しい坂崎を慕うようになる。だが、坂崎には人を殺して生国を追われたという噂があった――。
  • 博覧男爵
    3.8
    日本に始めて博物館を創り、 知の文明開化を成し遂げた挑戦者! 幕末の巴里(パリ)万博で欧米文化の底力を痛感し、 武力に頼らないに日本の未来を開拓する男がいた! 日(ひ)の本(もと)にも博物館や動物園のような知の蓄積を揃えたい! 黒船の圧力おびただしい幕末。信州飯田で生まれ育った田中芳男は、巴里(パリ)で 行なわれる万国博覧会に幕府の一員として参加する機会を得た。その衝撃は 大きく、諸外国に比して近代文化での著しい遅れを痛感する。 軍事や産業を中心に明治維新が進む中、日の本が真の文明国になるためには、 フランス随一の植物園ジャルダン・デ・プラントのような知の蓄積を創りたい。 「己れに与えられた場で、為すべきことをまっとうする」ことを信条とする芳男は、 同じ志を持つ町田久成や大久保利通らと挑戦し続け、現代の東京国立博物館や 国立科学博物館、恩賜上野動物園等の礎を築いていく……。
  • 信長の秘宝レッドクロス
    4.0
    忽然と消え去った信長の財宝は何処に。 秀吉、家康、そしてイエズス会を巻き込む大捜索が始まった! 戦国時代の常識を覆した名著『信長の軍師』の著者が放つ、織田宗家の栄枯盛衰。 この十字架を決して世に出してはならぬ―― 天正4年(1576)、イエズス会の司祭オルガンティノは京の南蛮寺建立の礼として、黄金に12個の大きな紅玉(ルビ―)を施した十字架と地球儀を織田信長に献上した。 その頃、信長は安土城築城に際し、安土山の未来永劫の鎮護を願い、伝統の巨石を発見して山の何処かに埋める。 6年後、本能寺で信長は横死、遺産金は黄金7万枚しかなかった。 岐阜城から信長と斎藤道三の遺産が忽然と消えていたのだ。豊臣秀吉も徳川家康も必死に探すが見つからない。 やがて、織田宗家の命運は、織田と武田という戦国一の血統を継ぐ三法師こと織田秀信に託されることになる。 そんな折、なぜか信長の財宝と紅玉の十字架の関係が秘かに噂されーー。
  • 深川駕籠 クリ粥
    4.3
    作者イチ押しの痛快シリーズ、最新刊! くじけるな。やり直しができるのが、ひとの生涯。 長屋の桶職人の最期の願いを叶えるため、時季外れのクリを手に入れろ! 深川一の疾風駕籠の二人が希望を信じて、 江戸の町を奔る、奔る! 鉄蔵という男は、まこと桜だった。 あんたや番頭のような口先だけで世渡りする手合いが、近頃は大路の真ん中を大きな顔で跋扈している。 鉄蔵も新太郎も尚平も、大口とは縁がない男だ。口数は少ないが、引き受けたことは命がけでこなして生きている。 大きな男は深川の誇りだが、それは身体を張ってひとのために尽くせる男のことだ。 見てくれだけの男はこの土地には無用だ……。(本文より抜粋)
  • 蹴れ、彦五郎
    3.9
    直木賞作家・今村翔吾の凄みあふれる驚愕の初期短編集 今川義元の嫡男今川彦五郎氏真はなぜ名家を没落させたのか― 蹴鞠と歌を何より好んだ戦国武将が天下人に見せた正しき矜持とは? 桶狭間での父義元の急死を受け、彦五郎氏真は駿河今川氏の当主となった。 だが、落日はすぐそこに――家臣だった松平元康(徳川家康)は離反、甲斐武田からも圧迫され、正室である相模北条氏の娘・早川殿とともに転々と落ちゆく日々。 そんな中にも救いはあった。氏真は近江の寺で出会った童子たちの師となり、ある希望を抱く。 しかし無常にも、天下を掌中に納めつつあった織田信長は、氏真と心通わせた子らを叛乱の縁者として殺してしまう。 蹴鞠の名手であり、歌をこよなく愛した男が見せた最後の心意地とは……(「蹴れ、彦五郎」) 表題作のほか、感動の七編を収録。
  • 信長、鉄砲で君臨する
    3.6
    『家康、江戸を建てる』の著者が、織田信長と西洋文明の対峙を描いた歴史時代小説誕生! それは、ひとも討てるのか!? 種子島に伝わった二梃の銃が、日本の未来を震撼させる。 武士からは蔑まれながらも、着実に戦果をあげていくヨーロッパの武器は、 乱世の覇者に何を考えさせ、いかに行動させたのか!?
  • 雇足軽 八州御用
    3.3
    己が命、武士の矜持のみに賭す―― 大ヒット「風の市兵衛」の著者の新たなる代表作! 日当わずか八十文。関八州取締出役の艱難辛苦の旅の一年を、郷愁豊かに描く。 越後宇潟藩の竹本長吉は上役の罪に連座し失職、故郷に妻子を残して江戸に仕事を求めてきた。 様々な職の中、請人宿で選んだのは《雇足軽》だった。関八州取締出役の蕪木鉄之助の元、数名で一年をかけて関東の農村を巡回し治安を維持する、勘定所の臨時雇いである。 日当わずか八十文。二八蕎麦が十六文、鰻飯なら二百文が相場だった。討捨ても御免だが、刀を抜くことは珍しい。多くは無宿の改め、博奕や喧嘩、風俗の取り締まり、農間渡世の実情調査や指導などの地道なものだった。 巡る季節のなか、土地土地で老若男女の心の裡に触れる長吉は、妻子を想い己が運命と葛藤する。 そんな時、残忍非道な押し込み強盗一味の捕縛を命じられ―― ときに鬼神と化し、ときに仏の慈悲を施す八州廻りを、郷愁豊かに描く!
  • 絵師金蔵 赤色浄土
    3.0
    「血の色は厄払いじゃ。万民の不安を払い落とすのじゃ」幕末の土佐に生まれ「絵金」と呼ばれた男、艶やかな色彩で見る者を虜にした異才、激動の生涯。――幕末の動乱は土佐国も大きなうねりで呑み込んだ。様々な思想と身分の差から生じる軋轢は、人々の命を奪っていった。金蔵はそんな時代に貧しい髪結いの家に生まれた。類まれなる絵の才能を認められ、江戸で狩野派に学び「林洞意美高」の名を授かり凱旋。国元絵師となる。しかし、時代は金蔵を翻弄する。人々に「絵金」と親しまれながらも、冤罪による投獄、弟子の武市半平太の切腹、そして、土佐を襲う大地震……。金蔵は絵師として人々の幸せをいかに描くかに懊悩する。やがて、絵金が辿り着いた平和を願う究極の表現とは――。作家生活20周年記念作品
  • とりどりみどり
    3.6
    万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。 時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。 万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。 かしましい三人の姉――お瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。 遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかいつもその先々で事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。 ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだった――。
  • ちとせ
    4.6
    【第3回京都文学賞〈中高生部門〉最優秀賞受賞作】 京の街は、夢の見方を教えてくれる―― 明治五年、博覧会の開催に沸く京。故郷丹後で天然痘にかかり失明の不安を抱えた少女ちとせは、鴨川でひとり三味線を弾いていた。 素朴な調べに声をかけてきた俥屋の跡取り藤之助に誘われ、見知らぬ街をめぐるちとせ。閉じてゆく視界の中で懸命に焼き付ける、折々の風景、都の人々。 一心に弾く三味の音は、やがて新たな光となり……。 揺れ動く少女の葛藤と成長を、17歳の新星がみずみずしく繊細な筆致で描く。
  • 吉原と外
    4.0
    「あんたがお照で、あたしが美晴。何ともお似合いの二人じゃないか。」 元花魁と女中が二人暮らし。出るのは鬼か……。 気っ風と純情――江戸の女を描き尽くす著者新境地! お照は義父の卯平に命じられて、亀井町の妾宅で働いている。主人は卯平の奉公先である室町の呉服屋、砧屋喜三郎だ。 喜三郎は手代上がりの婿養子で、妻のお涼に頭が上がらない。そのため、吉原の花魁だった美晴を囲っていることは秘密である。通い番頭の卯平は喜三郎の兄貴分で、自分を引き上げてくれた弟分を守るべく、義理の娘に美晴の世話をさせることにしたのだ。 卯平は「美晴が男を連れ込んだら、すぐに教えろ」とも、お照に命じていた。 それぞれが手前勝手な思惑を抱える中、美晴とお照の付き合いは思いがけず深まっていく……。
  • やっと訪れた春に
    3.9
    男は、生きるのがどこまでも下手だ。 二人の藩主を擁する橋倉藩。 割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。 名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。 橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。 だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。 加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。
  • 戦をせんとや生まれけむ
    3.7
    鎌倉源平大河ロマン! 13人衆一の洞察力に優れた武士梶原景時が見つめた、峻烈の人頼朝×戦の申し子義経 乱世の光と影、そして生と死。なぜ兄は弟を拒絶したのか? 武者たちの世が拓かれた時― 天は晴れ、潮の匂いが濃かった。しかし濃密な潮風をもってしても拭い消せぬ異臭が、浜に置かれた黒漆の櫃からは溢れ漂っていた。 義経の首級は美酒に浸され、櫃に封じこめられているのだった。(ぶざまではないか。みじめではないか)景時の胸にこみあげるものは、不思議な怒りであった。 (あれほどの天賦の才を……)景時は、くやしかった。なぜ、九郎義経は、死ななければならなかったのか。[本文より] これまで義経を讒言した悪役とされてきた景時に光を当て、頼朝と義経の新たな姿を描く歴史小説、ここに誕生。
  • 家康、江戸を建てる
    4.1
    天正十八年、家康は関白・秀吉から関東二百四十万石への国替えを要求された。そこは、水びたしの低湿地が多い広大な土地。家臣団の猛反対をよそに「関東には、のぞみがある」と受け入れた家康。貧村・江戸を本拠と定め、街づくりに着手。利根川東遷、神田上水、江戸城築城……日本史上最大、驚天動地のプロジェクトが始まった! ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!
  • 花の生涯【合冊版/全2巻】
    -
    三十五万石彦根藩主の子ではあるが、十四番目の末子だった井伊直弼。「政治嫌い」で、気楽な学問三昧の暮らしを望んでいた直弼だったが、一代の才子・長野主膳との親交を通して、時代を見る眼は磨いていた。 しかし、絶世の美女たか女との出会い、そして思いがけず井伊家を継ぎ、幕府の要職に就くや、直弼の運命は急転していく…。 幕末、大老として開国を推進し、ついには桜田門外で惨殺された直弼と、腹臣長野主膳、たか女の波瀾の生涯を華やかな筆致で描き出した不朽の名作、上・下巻の合冊版!
  • 近衛文麿と日米開戦――内閣書記長官が残した『敗戦日本の内側』
    4.3
    昭和史の貴重な記録を読み解く。日本が太平洋戦争に突入していく重要な時期に国政を担った、第二次・第三次近衛文麿内閣。その内閣書記官長を務めた富田健治によって、戦後に書かれたのが『敗戦日本の内側――近衛公の思い出』である。そこには、近衛らが緊迫する国内外の情勢にいかに対応したかが、当事者しか知りえない舞台裏と共に、息づかいまで感じられる筆致で綴られている。解説は、昭和史研究の第一人者である川田稔名古屋大学名誉教授。会話などからも歴史的価値を見出し、読み解いていく。はたして、日米開戦は不可避だったのか、それとも――。
  • 完本 妖星伝(1)鬼道の巻・外道の巻
    4.3
    1~3巻1,210~1,485円 (税込)
    神道とともに発生し、超常能力をもって歴史の闇で暗躍してきた異端の集団・鬼道衆。彼らの出没する処、必ず戦乱と流血、姦と淫が交錯する。八代将軍・吉宗が退いた今、鬼道衆の跳梁が再び開始された!人類の破壊と再生を壮大なスケールで描く大河伝奇巨編!

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  • 還らぬ鴉
    -
    「くやしいといって死んだと伝えてくれ」行き倒れの老人から呪いの遺言を託された三次郎。与力の子息ながら今は流浪の身に成り果てた三次郎は、やがて敵討ちとお家騒動に巻き込まれていく!

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  • それからの四十七士
    3.5
    実に怪しからぬ元禄の御代。命運を握るは死をも厭わぬ男の中の漢たち。“火の子”と恐れられた新井白石と、“眠牛”と謗られた大石内蔵助。大人気シリーズ「取次屋栄三」著者の真骨頂!――六代将軍の有力候補である徳川綱豊は、吉良家との刃傷沙汰に対する赤穂藩への厳罰に関心を示した。そして、筆頭家老の大石内蔵助に魅かれる。元禄の御世に憤慨する侍講の新井白石とともに、仁の心を持つ武士を求めていたのである。二人は紀伊國屋文左衛門らを巻き込み浅野家再興に尽力する。しかし、運命は綱吉と柳沢吉保の陰謀から、討ち入りへと転がり落ち……。
  • 戦火のオートクチュール
    4.3
    江戸川乱歩賞作家の渾身作! 圧倒的リアルで描く、極上の歴史ミステリー! 祖母の形見は血塗られたシャネルスーツ ココ・シャネル、エヴァ・ブラウン、アドルフ・ヒトラー、そしてひとりの日本人女性―― 占領下のパリに秘された謀略とは? 祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。 遺品の謎を解くため、フリーライターの結城真理は疎遠だった母とフランスに赴く。祖母は第二次世界大戦中、外務省一等書記官の娘としてナチ占領下のパリにいた。その足跡を辿ると、驚愕の事実が。歴史上のある人物を巡る謀略が浮かび上がったのだ。 約80年の時を経て、祖母が胸に秘めていた秘密が明らかに! 【『マドモアゼル』(島村匠名義)改題作品】
  • 不死鬼 源平妖乱
    -
    『魔界転生』『妖星伝』『帝都物語』、時代伝奇の興奮、再び! その鬼はあるいは人間の本性なのか!――平清盛が栄華を極める平安末期の京に異変が起きていた。飢餓に喘ぐ民を顧みない公家の中に、血を吸う鬼“殺生鬼”が潜み始めたのだ。古の約定を知る者たちは秘かに密殺集団“影御先”を結成し鬼を狩るが、殱滅には程遠かった。一方、打倒平家を胸に秘める源義経は、最愛の女性の仇を討つため影御先に加わる。だが鬼は人心を自在に操り新たな罠を仕掛けてきた!
  • かまさん――榎本武揚と箱館共和国
    4.5
    榎本釜次郎武揚。日本最大最強の軍艦「開陽」を擁して箱館戦争を起こした男。旗本出身ではあるが、海軍伝習所に学び、三年半ものオランダ留学を経験した男。科学者であり、技術者であり、万国公法に通じた法学者―幕末から維新を駆け抜けた、「武士の鑑」か「武士の風上にも置けぬ」裏切り者か。真にあるべき「新しい日本」を唯一捕りに行った、不屈の挑戦の物語!
  • 連鶴
    4.0
    一枚の紙から折る繋がったままの千羽鶴“連鶴”。桑名藩に伝わるそれは家族の深い絆を意味していた。大政奉還に始まる動乱期を、親藩桑名藩士として生き抜く速見丈太郎は、商家の婿養子になり「藩を捨ててくれ」と言い残して失踪した弟栄之助を思い、連鶴を折る。信じる道は違えども、我らは兄と弟だと―幕末の激動が二人に見せた明日とは!? 感涙の歴史時代小説。
  • 大江戸墨亭さくら寄席
    -
    両国橋の袂で駆け出しの噺家小太郎は唖然とした。胸に響く声と話芸で聴衆を沸かせていたのは、幼馴染の代助だったのだ。三年ぶりの再会に、代助は妹のお淳が重い病で二十両必要だと漏らす。破天荒で人を屁とも思わぬ十六歳だが、妹にだけは滅法優しい。二人は診療代を稼ごうとするも四苦八苦、小太郎は師匠で江戸随一の噺家仙遊亭さん馬を担ぎ出そうとするが……。感涙必至の青春時代小説
  • 覇剣  武蔵と柳生兵庫助
    -
    いかに人を斬るかという“殺人剣”の道を究めようとしていた武蔵。人を活かす“活人剣”こそ新陰流の神髄だと知る柳生兵庫助。ともに剣聖と仰がれた対極の二人が、ついに相まみれる。時代に遅れて来た武蔵が覇を唱えた柳生新陰流に挑む!希代の剣客の激闘をかつてない視点から描いた新・剣豪小説!
  • 国士無双
    3.0
    「彼がいなければ天下は取れなかった」と漢の高祖・劉邦に言わしめた天才武将・韓信。著名な故事ともなった「股潜り」の屈辱に耐えて身を起こし、韓信はいかにして兵法の常識を破る「背水の陣」をなし得たのか? 項羽を追いつめた豪雄の波瀾万丈!

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  • 鈴河岸物語
    -
    江戸下町・鈴河岸の一丁長屋で暮らす鈴づくり職人・剣次郎には、自慢の宝があった。代々伝わる“長十手”、どんな刀より硬く立派な代物だ。そんな剣次郎のもとにある日、町方与力から辻斬りの刀を折れとの密命が届いた…!

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  • うつろ屋軍師
    4.7
    織田信長の重臣だった丹羽長秀の死後、丹羽家に対する豊臣秀吉の仕打ちは苛烈を極めた。一二三万石から四万石への大減封、家臣団難散の中で命じられた、北条攻めの小田原出兵。窮地に陥った城好きの若殿長重と、空論(うつろ)屋と呆れられた新米家老の江口正吉は、命を賭して御家再興に挑む――。秀吉を畏怖させ大谷吉継ら大名を驚嘆させたうつろ屋の、起死回生の策とは!
  • 新選組(上)
    4.0
    二階の志士たちが総立ちになる気配がした。近藤につづいて永倉、沖田らが階段を駆け上がった。新選組五人対二十人、その名を世に轟かせた池田屋騒動の始まりであった。江戸・試衛館に集った名もなき男たちが、幕末の動乱に自ら飛び込み最強の刺客集団が誕生する。近藤勇、土方歳三らの少年時代から血塗られた絶頂期を描く森村版「人間」新選組である。《全二巻》

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  • われ清盛にあらず 源平天涯抄
    3.0
    清盛には風変わりな弟がいた―― 壇ノ浦の後も生き延びたその数奇な生涯とは。 木曾義仲により、京を追われ西へと落ちた平家一門。その冬、清盛の弟・頼盛の姿は鎌倉にあった。 一時は兄を継ぐ棟梁と期待された弟が、なぜ一門を離れたのか。頼盛と、兄が流罪とした宿敵・源頼朝を結ぶものとは?  急変期における英雄の生き様と、無常を記す幻想の歴史小説。 祇王と仏、二人の白拍子の奇縁を描く書下ろし短編「ほとけも昔は鬼なりき」収録。
  • にゃん! 鈴江三万石江戸屋敷見聞帳
    3.6
    町娘のお糸が仕えることになったのは、鈴江三万石の奥方様。 その正体は……なんと猫? 人情、猫情てんこ盛りの抱腹絶倒、時代小説! 幼い頃から妖かしが見えてしまうお糸は、鈴江三万石の江戸屋敷に奉公に出ることになった。正室の珠子に仕えるものの、お糸の目に映る珠子は……なんと猫? 聞けば、城主長義に一目惚れし、人間に変化して嫁いできたという。しかし鈴江には権謀術数が飛び交い、長義にも命の危機が! 愛する人を守ろうとする珠子の姿に心打たれ、お糸もともに立ち上がるが……。 【『にゃん! 鈴江藩江戸屋敷見聞帳』改題作品】
  • 忘れえぬ 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    NEW
    -
    大切な人を奪われた恨みと悲しみ。 残された者たちは―― 剣一郎は新たな犠牲を食い止められるか?  遣り手だが傲岸不遜。出世のために人に取り入るのがうまい狡猾な男。 旗本の坪井貞道はとかく悪い噂が多かった。 今も小間物屋の美しい内儀に言い寄り、何か画策しているようだ。青柳剣一郎はそんな坪井の動きに不審を抱き、身辺を探り始める。ところが老中から横槍が入る。 坪井とは一体何者なのか? そんな折、剣一郎は15年前のある夫婦殺しの話を耳にし……。
  • 取次屋栄三<新装版>
    5.0
    仲間想いで褒め上手 人の絆を守り抜く秋月栄三郎は好い男! 泣いて笑える、これぞ時代小説の真骨頂! 剣術好きが高じて剣客になった野鍛冶の倅・秋月栄三郎。普段は小さな道場で手習い師匠と素人相手の剣術指南の日々だった。 だが、権威と保身に振り回される武士の姿に辟易した栄三郎は、武士と町人のいざこざを知恵と腕力で取り持つ“取次屋”を始める。 早速、幼馴染の窮地を知るや、大名家の絡んだ悪企みに巻き込まれ――痛快かつ滋味溢れる傑作時代小説シリーズ。
  • 妖刀 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    心を惑わすのは、呪いか、欲望か。 かつて腕を競った友の息子の無念を思い剣一郎は辻斬りの正体を暴こうとするが――。 大ロングセラーシリーズ最新刊! どの巻から読んでも楽しめる!! 腕の立つ武士ばかりを狙う辻斬りが江戸の夜を震撼させていた。亡骸の状況から、得物は妖刀と恐れられる雲切丸だと青柳剣一郎は考える。 その刀はある旗本から盗まれた物で、密かに探索を命じられていたのだ。妖刀に魅入られた者の正体とは? やがて見廻りの目をすり抜け、かつての道場仲間の息子が辻斬りの刃にかかる。 剣一郎は悲しみとともに、現場に違和感を覚え──。
  • わかれ道 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    5.0
    忘れるために生きてきた―― 下級武士から次席家老へ。その優れた才覚ゆえに、 人生を狂わされた男の過去を知った剣一郎は……。 どの巻からも楽しめる!大ロングセラーシリーズ第64弾。 浜尾藩飯田家の次席家老風見貞之介は、藩主の乱心に翻弄されていた。嫡男がいるにも拘わらず、突如側室の幼子に家督を譲ると言い出したのだ。 このままでは藩を二分する事態に。貞之介は懸命に説得するが、藩主は聞く耳を持たない。挙句の果てに嫡男派と思しき刺客に襲われる。 見廻り中の青柳剣一郎に助けられた貞之介は、その人柄を信頼し、己の心情を吐露し始め……。
  • 心変わり 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    「あと一度という気持ちが命取りになりましょう」 剣一郎を嘲笑うかのように押込み強盗の一味と思しき男が殺される。 裏切りか、それとも―― 盗賊の末路は!?  火付盗賊改を翻弄するかのような押込みがこの二年間、続いていた。決して人は殺めず、狐の神楽面をかぶっているという。 盗んだ金はしめて七千両余。業を煮やした老中が、青柳剣一郎に密かに探索を命じる。すると剣一郎は火盗改の動きに不審を抱く。盗賊に手の内が洩れているのでは? やがて一味とおぼしき男に目を付けた矢先、刺殺体となって川に浮かんだ!
  • おぅねぇすてぃ〈新装版〉
    -
    もう二度と傷つけたくも後悔もしたくない。己の心に正直に誠実に――激動の明治初期の荒波に翻弄された若い男女の激しくも切ない恋……著者初の明治ロマンス! 文明開化に沸く明治五年。突然の再会が若い男女の運命を変えた。 英語通詞を目標に函館の商社で働く雨竜千吉。横浜で米国人妻となっていたお順。幼馴染みの二人が、しまいこんでいた気持ちを開くのに時間はいらなかった。しかし、密会はあえなく露見した。やがて、お順は離婚を懇願するが、すれ違いながらも千吉に真実の恋を貫く妻に、夫はある条件を付けた――
  • 罪滅ぼし 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    5.0
    人助けか、死に場所を求めていたのか―― 付け火で燃え盛る家に飛び込んだ男が、命と引き換えに守りたかったものとは? 剣一郎、己の無力さに懊悩する! 女の絶叫が昼間の露月町に響き渡った。燃え盛る家に赤子が取り残されていたのだ。青柳剣一郎が駆けつけると、火中へ飛び込む男が。鋳掛屋の長次だ。 その勇気に感心した剣一郎は、出火の原因とともに長次の素性を調べると、過去にも子どもの命を救っていたことがわかる。 なぜ危険を顧みず行動できたのか? さらに付け火と判明し、剣一郎はある推測に苦悶する!
  • ほら吹き茂平〈新装版〉
    5.0
    いつも一緒に泣いたり笑ったり。それが夫婦っていうもんだ。 懸命に真っ当に生きる家族が明日の夢を紡ぐ、滋味溢れる時代小説。―― 「沢庵は頭から尻尾まででどこが一番うまいと思う」 茂平は大工の元棟梁。いつの頃からか深川では“ほら吹き茂平”と渾名されるようになった。別に人を騙すつもりはない。悲しいことも苦しいことも、ほらに紛らせば落ち込まないことを、懸命に働くうちに身につけたのだ。今日も一向に嫁ぐ気のない我儘娘と相談に来た母親に語り出すと……。笑いと涙の人情小説集。
  • 十日えびす〈新装版〉
    4.5
    感涙必至―― ひとりは辛いけど私には分かり合える家族がいる。 泣いて笑ってささやかな明日の希望を願う 母と義娘の人情時代小説。 ――紆余曲折の末、幼馴染みの錺職人の後添えになった八重。やっとつかんだ幸せも束の間、夫が急逝し義理の子たちに家を追い出されてしまう。唯一、仲の良い義娘のおみちと小間物屋を始めるが、一難去ってまた一難、引っ越し先には岡っ引きも手を焼く猛女お熊がいたからたまらない。しかも、継子が無心に現れ……。ささやかな幸福を求めて泣き笑う人情時代小説の決定版。
  • 桜の下で 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    もう俺の手は汚れちまったんだ。 一生逃げるか、別人として生きていくか―― 江戸を追われた男のある目的の前に立ちはだかる邪魔者とは?  青柳剣一郎は、剣術の師・真下治五郎から元足袋屋の主人・幸助の力になってほしいと内密に頼まれる。治五郎の眼には深い事情を抱えているように映ったのだ。 早速剣一郎が調べると、主人は数年前に店を畳んで行方知れずになっていた。さらに、人相も異なる。 そんな折、不審な遊び人風の男が幸助の元に現れ……。 治五郎が会っている幸助は何者か? 意外な因縁が浮上する!
  • 遊び奉行―軍鶏侍外伝
    -
    「遊び奉行」とは、禄高の割に月に一日の勤めでよいことから裁許奉行に付けられた別称である。藩主の長男ながら側室の子ゆえに、家老家に婿入りした九頭目一亀は、武士には禁じられている園瀬の盆踊りを踊った罪で、その暇な奉行に降格させられた。愚兄と誹られた振る舞いだったが、その陰には乱れた藩政を糺すための遠大な策略が!清冽で痛快な傑作時代小説、大好評「軍鶏侍」シリーズの番外編!
  • 野望(上) 
    4.0
    「本邦初の軍師役をおかれませい。天下を制するには、まず信濃を併呑することでござる」――後の信玄となる甲斐の若き国主・武田晴信に仕官を求めた異相の男・勘助は、傲岸にも自身をそう売り込んだ。単なる国主に過ぎぬ晴信に天下獲りへの野望が芽生え、神算鬼謀にして稀代の名軍師・山本勘助が誕生した瞬間であった。歴戦の古強者たちの意見はすべて過去の経験から割り出されており、新しい考え方を認めようとしない! 世代交代、情報操作、買収、合併……現代ビジネスマンの心に刺さる、まさに命懸けの戦国時代を活写。真田一族も活躍! 『言霊(ことだま)』『逆説の日本史』の著者が描く、傑作歴史巨編!
  • 濡れ衣――詩魂の剣士・生田嵐峯
    -
    ナポレオン騎兵の洋剣を打刀拵(うちがたなこしらえ)した直刀をたばさむ異端の剣士、見参!18年ぶりに江戸の土を踏んだ浪人・生田嵐峯。かつて気鋭の漢詩人として活躍しながら、姦通の濡れ衣を着せられ出奔し、流浪の旅を続けていたのだ。過去の真相を探り始めるうちに、謎の刺客が来襲、背後に秋田藩の御家騒動をめぐる陰謀が浮上してきた……。
  • 虚空伝説・餓鬼草子の剣
    -
    関八州に狼煙が上がり、祠に一枚の絵が打ちつけられた!現世の生き地獄を描いた「餓鬼草子」――この絵が刺客・矢月繋とのかけ橋である。将軍家治を巡る機密保持のため一族を抹殺され、いかなる殺しも請け負う鬼神と化した矢月の復讐行が始まる!

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  • 人生を二度生きる――小説 榎本武揚
    4.5
    幕臣でありながら五稜郭落城後、請われるまま明治新政府に奉職し、世に「裏切り者」と嘲られた榎本武揚。なぜ榎本は、残された命をかつての仇敵に捧げ、新政府の礎作りに邁進したのか? 動乱の時代、二つの政府に仕えた男の信念と活躍を描く歴史長編。

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  • 新装版 花の生涯(上)
    3.9
    三十五万石彦根藩主の子ではあるが、十四番目の末子だった井伊直弼。「政治嫌い」で、気楽な学問三昧の暮らしを望んでいた直弼だったが、一代の才子・長野主膳との親交を通して、時代を見る眼は磨いていた。しかし、絶世の美女たか女との出会い、そして思いがけず井伊家を継ぎ、幕府の要職に就くや、直弼の運命は急転していく…。安政の大獄を引き起こし、桜田門外の変で惨殺された井伊直弼、波瀾の四十六年間を、見事な筆致で描ききった不朽の名作、ついに電子化!
  • おぼろ菓子 深川夫婦捕物帖
    -
    料理の謎なら私にまかせて―― 花魁殺しを疑われた友を助けるべく、料理屋女将と岡っ引きの夫婦が奔走する! 彩り豊かな食と切れ味抜群の推理を楽しめる、絶品捕物帖! 深川蛤町で飯屋〈川野〉を営むお純と一帯を駆け回る岡っ引きの弥助。 この夫婦、誰もが羨むほど仲が良い。 美味い夕餉を摂りながら、睦まじく日々の事を語り合う。この日は弥助の縄張で起きた凄惨な花魁殺しの話だ。現場に遺された血文字「月千」と菓子と思しき薄茶色の塊。 奉行所の誰もが真意を掴めぬ中、お純は食の知識と味覚からある仮説を唱え、事件は思わぬ展開に!
  • 花鳥茶屋せせらぎ
    4.0
    高く、遠く羽ばたけ、見果てぬ明日へ―― 初恋、友情、夢、仕事……幼馴染みの少年少女たちの巣立ちを描く、瑞々しく豊潤な傑作時代小説! 上野不忍池の「花鳥茶屋せせらぎ」は、珍しい鳥や植物を愛でる行楽の苑。いかがわしさとは縁遠く、女子供にも人気だ。 幼い頃、手習い師匠が語る鳥の話を、仲間と共に夢中で聞き入った勝次は、「せせらぎ」で鳥かご職人の修業中だ。 ある日、黒目の双眸が白肌に映える女から注文を受けた勝次は心を奪われ――
  • お江戸新宿復活控
    -
    問題だらけの内藤新宿を甦らせるため 信用のない名主 口の悪い商人 戦国武将末裔の厄介もの 三人が手を結び、宿駅開設者の遺志を継ぐ! 享保の廃宿から五十四年。ついに内藤新宿に再開の日が訪れる。初代が拓いた宿場の復活を待ち望んだ名主高松喜六は感無量だった。 だが宿場の分限者も一枚岩でなく、運営に必要な役銭の不足や人馬から勝手に銭を徴収する者など、目の前には難問が山積だった。 そんななか喜六は一人の武士に宿場の治安を託す。男は腕利きを集め……。 宿場再興に命を懸ける男たちの物語。
  • 天を灼く
    完結
    3.3
    元服を目前に控えた伊吹藤士郎は、天羽藩上士の嫡男として何不自由ない生活を送っていた。 だが突然、父の斗十郎が、豪商と癒着した咎で捕縛されてしまう。無実を信じながら母や姉と共に不安な日々を過ごす中、ついに斗十郎に切腹の沙汰が。 一目会うべく牢屋敷に忍び込んだ藤士郎に、斗十郎は介錯を命じるが……。 ひたむきな生を描く青春時代小説シリーズ、第一弾!
  • 武者始め
    4.0
    一日に十六粒を食する梅干し好き。新九郎は義兄今川義忠討死直後の混乱の中、幼い嫡男龍王丸と実姉北川殿を亡き者にせんとする刺客の目を欺き、知謀を以て家督争いを無血裏に解決。のちに、北条早雲となる。(「烏梅新九郎」)ほか、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・真田幸村・武田信玄・上杉謙信、歴史に名を馳せる戦国七武将の“初陣”を鮮やかに描いた傑作短編集!
  • 信長の軍師 巻の一 立志編
    4.0
    美濃の僧・沢彦宗恩(たくげん・そうおん)は那古野城の平手政秀の招きで尾張を訪ねた。政秀は織田弾正忠家三代に仕える家老で、当主信秀の子・吉法師(きちほうし)の傅役(もりやく)でもある。吉法師は神童との誉れもあったが癇癖が強すぎたため、沢彦に師を懇願したのだ。彼の聡明さに触れた沢彦は「乱世を薙ぎ払う逸材」と直感、依頼を受ける。だが、沢彦は臨済宗妙心寺派の最高位をつとめた美濃の宝である。乱世の最中、様々な嫌疑をかけられ苦闘する……。陰のヒーローに着目し、驚異の新説で歴史ファン、信長ファンの度肝を抜いた超巨編、全4巻の第1弾!
  • 秋霜
    4.1
    一揆から三年、豊後羽根藩の欅屋敷で孤児を見守り平穏に暮らす楓の許を、謎の男・草薙小平太が訪れる。彼には楓の元夫で、大功を挙げた後、藩主・三浦兼清の旧悪を難じ上意討ちに遭った前家老・多聞隼人と因縁があった。だが、楓と出会った刹那、小平太の中に一つの想いが芽生える。やがて兼清の罪を断じ羽根藩の改易を目論む幕府の巡見使来羽の時が迫る中、旧悪を知る楓たちには藩の魔の手が……。人を想う心を謳い上げる、感涙の羽根藩シリーズ第四弾!
  • 最低の軍師
    4.1
    永禄八年、上杉輝虎(謙信)が義を掲げ、下総国臼井城に侵攻を開始した。総勢一万五千といわれる上杉軍に対し、臼井の兵は二千ほど。後ろ盾となる北条家からの援軍は、わずか二百五十余であった。抗戦か降伏か、紛糾する城内をまとめるため、北条の武将松田孫太郎は道端の易者を軍師に仕立てた。白井浄三である。ところが、浄三は想像を絶する奇策を次々と画策し…。 歴史小説界に超彗星現る!
  • ひたむきに 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    「天命に従い、生きていくのみ」 訳あって浪人の身となった男に殺しの疑いが。 逆境のなか、己を律して生きるその姿が人生を諦めていた元手代の男の心を動かす! 浪人の高野俊太郎に、地回りの男殺しの疑いがかけられた。困窮しながらも清廉潔白さを失わない俊太郎の姿に、青柳剣一郎は目を惹き付けられる。 同じ頃、小普請組支配波多野善行から依頼が。元配下が殺され、下手人と思しき朋輩だった男を捜してほしいという。 男の名は高山俊二郎。俊太郎との関わりは? 剣一郎が探索に乗り出すや、またひとり元配下が襲われる!
  • 約束の月(下) 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    「桔梗の花が咲くころ、必ず迎えにくる」 女との仕合わせをとれば父を裏切ることに―― 運命に悩む若者を救うため剣一郎が立ち上がる! 水沼家の世継ぎと知らされた清太郎は、お絹に桔梗が咲くころ迎えにくるとだけ告げ、陸奥国へ発った。 藩主である父を前に戸惑う清太郎。だが、それも束の間、刺客の刃が迫り、さらに偽のご落胤だとして評定所に訴えられてしまう。 一方、南町奉行から経緯を知らされた青柳剣一郎は、真の裁きを懇願するが―― 運命に翻弄される若い男と女、父と子の絆を描く感動長編。
  • 擾乱、鎌倉の風(上) 黄昏の源氏
    5.0
    『信長の軍師』の著者の渾身作! 坂東武者にとって鎌倉殿とは何者だったのか 源頼朝による武家政権の確立は関東の御家人に何をもたらした? 源義仲が平氏を退け入京を果たした。だが、清和源氏の嫡流である源頼朝は関東で挙兵するも京を目指さなかった。朝廷の権謀術数を嫌い、北条氏ら坂東武者の頂点として鎌倉で武家政権の足場を固めていく頼朝。 さらに、平氏滅亡後、弟の義経討伐を名目に全国に守護、地頭を置くことに成功、朝廷に勝るとも劣らない力を得た。やがて、頼朝は政敵を次々に排し……。
  • 約束の月(上) 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    将軍家を巻き込むお家騒動に翻弄される若い男女が選んだ未来は? 「約束を守ることが、信頼につながるのだ」 悩める与力・剣一郎が江戸の人々の平安を守る、感動の上下巻! 陸奥国白根藩水沼家は世継ぎ騒動で揺れていた。嫡男は病死、藩主も病に倒れ、将軍家との養子縁組が浮上する。そんな中、落とし胤の存在が発覚したのだ。 その頃、青柳剣一郎は、小間物屋の手代清太郎をならず者から救う。店主の娘お絹に近づくなと脅されたという。お絹にはいくつもの縁談話があった。二人を見守る剣一郎だったが、清太郎は再び何者かに襲われ……。 どの巻からも楽しめる! 書下ろし時代小説の金字塔。
  • 神の子 花川戸町自身番日記
    3.0
    人の本心は誰にもわからない。だから思い遣る――。 浅草花川戸界隈には、《人情小路》と呼ばれる横町があった。戯作者を目指す可一はその辻の自身番の書役として、町内の出来事を日記に残していた。 そこに綴られていたのは、一善飯屋を営む男を衝き動かした慕情や、大好きな父親の窮地を救おうとする童女の奇跡、武士の義ゆえに添え遂げられない夫婦の絆だった……。 隅田川近くの《人情小路》で、手探りで明日を掴もうとする人々を描く、感涙必至の時代小説。
  • 一目惚れ 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    -
    金を盗んだら、心を奪われちまった? 勘定奉行の屋敷で女に惚れた盗人の運命は…… 剣一郎は男の一途な想いをいかに裁くか! 「あの人を守りてえ」武家ばかり狙う盗人の亀二は、忍び込んだ勘定奉行藤森兼安の屋敷で百合のように可憐な女に魂を奪われた。 女を忘れられない亀二は盗人から足を洗う決意をする。同じ頃、藤森の火盗改頭時代の配下が相次いで殺された。十年前、共に凶賊一味を捕縛した者達だ。 探索を始めた青柳剣一郎は屋敷の傍に出没する亀二を訝しむ。直後、その女が襲われ……。
  • つごもり淡雪そば 冬花の出前草紙
    3.0
    心あたたまる江戸人情料理帖、開幕 母一人、子一人。かじかむ心をほっこり包む、美人女将のおもてなし! 「この子を預かっていただきたいのです」 冬の夜、日本橋本船町の料理屋〈梅乃〉に女が現われて告げた。連れていたのは僅か二歳の男の子。 三年後、齢二十六の女将冬花は、引き取った子の鮎太を自らの手で育て、平穏に暮らしていた。 ところが、冬花が出前を届けたその日に弁当を食べた役者が舞台上で血を吐いて倒れたことから、毒を盛った疑いが〈梅乃〉にかけられ……。
  • 隠し絵 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    宝の在り処か、殺人予告か、それとも――? 見知らぬ男に託された錦絵の謎。そこに描かれた十二支の正体とは? 剣一郎の推理が冴えわたる! 「馬と猪に目を向けるように」青柳剣一郎は、見知らぬ男から錦絵を託された。そこには黄金の茶釜を囲む羽織姿の竜、頬被りをした猿など十二支の動物が描かれていた。 直後、なぜか男は姿を晦ましてしまう。同じ頃、二人の町人が同様の手口で殺された。剣一郎が彼らの名に馬と猪の字があるのに気づくと―― 男は何者か? 絵に隠された真意とは? 謎に迫る中、新たな殺しが!
  • 恩がえし 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.0
    15年前、そして今―― 忠犬シロが起こす奇跡。 救われた命と借りた六十両の恩を返すつもりが…… 一家を見守る老犬が、悪を嗅ぎとる! 「15年前、一家心中を止めてくれた恩人を助けたいんです」――青柳剣一郎は、建具職人の茂助に懇願され、ある男を調べていた。 男は当時、犬の狆を売る商いをしていたが、今は廃業し見る影もない。さらに半年前、そこで働いていた番頭が謎の死を遂げていた。 探索を進めると、廃業の裏に数々の疑惑が浮上する。恩人は嵌められたのか―― そんな中、茂助の周辺にあやしい侍が現れ……。
  • 鼠子待の恋 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    破滅に向かうとわかっていたのに…… 迷宮入り事件に男女のもつれが楔を打つ! 風烈廻り与力の青柳剣一郎は、迷宮入りした事件の探索を任される。 十年前に今戸で起きた男女の殺しだ。死んだ女の元許婚は消え、唯一の容疑者は江戸から姿を晦ましたあと殺されてしまう。有力な手がかりもなく捜査が行き詰まるなか、新たな殺しが。 調べを進めると、意外な男女のもつれが事件を紐解く鍵に――犯人が命をかけてまで守りたかったものとは?
  • 寝ず身の子 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    旗本ばかりを狙う盗人・白ネズミが出没。 八つ目の宝を先に奪うのは誰か? 名前を捨てた男の真実に青柳剣一郎が迫る! 立て続けに同じ手口の殺しがあった。殺されたのは、十年前、盗品を扱った罪で潰された木綿問屋『大黒屋』の元番頭と、盗品と告発した女だった。 当時、身の潔白を訴えたものの、島流しにあった『大黒屋』には、七人の子供がいた。 復讐か? なぜ、今頃? 探索が行き詰まるなか、新たな殺しが!  風烈廻り与力の青柳剣一郎が人を信じる心で復讐の裏にある真相を暴く!
  • 生きてこそ 風烈廻り与力・青柳剣一郎 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    言葉を交わした者は絶命する… 人を死に誘う、老爺の正体は? みすぼらしい物乞い風体の年寄り、名は玉堂。彼と言葉を交わした者は、自ら死を選ぶ―― 世間が老爺を“死神”と畏れる中、風烈廻り与力・青柳剣一郎は、下駄屋夫婦殺しに遭遇。探索を進めるも、下手人の姿を目撃した指物師が不審な自死を遂げる。それもまた死神の仕業とされ騒ぎに。 剣一郎は、人心を惑わす噂を打ち消し、夫婦殺しの真の下手人を見つけられるか?
  • 白菊の声 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    「あっしは、殺ってねえ」無実を叫ぶ職人と、それを信じる許嫁。だが、処刑の時迫る!愛する男の濡れ衣を晴らしてほしい―風烈廻り与力青柳剣一郎は、おくみという町娘から急な嘆願を受ける。聞けば許嫁である指物師の与吉が道具商殺しの罪で捕縛されたという。無実を信じるおくみの切なる願いに同情し、剣一郎を探索を始める。しかし、次々と与吉に不利な証が出てきて、ついには裁きが下ってしまう。極刑のときが迫る中、剣一郎は正義を為せるか?
  • 悲恋歌 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    「鬼に喰われた」祝言の夜、花嫁が密室から忽然と姿を消した事件を、人々はそう噂した。部屋には、曰くある鬼の画が掛けられていたのだ。流言を危惧し、探索に乗り出した南町奉行所与力・青柳剣一郎だったが、密室の謎が立ち塞がる。そんな折、花嫁消失に加担したと思しき女の、喉を裂かれた亡骸が見つかり……。風烈廻り与力・青柳剣一郎シリーズ、威風堂々の第五十巻。
  • 母の祈り 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    「恋」を知った女は、慈母にも、鬼女にもなる! 連続盗賊殺しの裏に隠された驚愕の真相とは!?……五年前、奉行所は盗賊鈴鹿一味の塒(ねぐら)を急襲。頭目の伝蔵は自ら娘を斬り、火を放って死んだ。からくも逃げおおせた手下の扇蔵は一味を再興、江戸に戻ると、雪駄(せった)問屋から一千両を奪った。しかし次の狙いを定めた矢先、仲間の千吉が刺殺され、さらに次々と手下が何者かに命を奪われた。疑心暗鬼の扇蔵の前に立ったのは、風烈廻り与力・青柳剣一郎だった。巡り巡ってついに剣一郎が辿り着いた盗賊殺しの真相とは? 不動の人気を誇る長大シリーズ、迫力の第49弾!
  • 落陽(祥伝社文庫)
    3.9
    明治四十五明治天皇崩御――直後、渋沢栄一ら東京の政財界人は御霊を祀る神宮造営を計画、その動きは巨大なうねりになっていく。一方、帝国大学農科大学の本郷高徳らは、「風土の適さぬ東京に神宮林にふさわしい森を造るのは不可能」と反論、大激論に。東都タイムスの記者瀬尾亮一は、対立を追う同僚に助力するうち、取材にのめり込んでいく……。献木十万本、勤労奉仕のべ十一万人、完成は百五十年後という造営事業を成し得させた天皇と日本人の絆に迫る著者入魂作!年七月、天皇重体の情報を掴んだ東都タイムスの瀬尾亮一は、宮中の大事が初めて庶民の耳目に晒される状況に記者魂を揺さぶられる。快復を願う万余の人々が宮城前に額ずく中、天皇は崩御。直後、渋沢栄一ら東京の政財界人が「御霊を祀る神宮を帝都に創建すべし」と動き始める。一方、帝国大学農科大学講師の本郷高徳は、「風土の適さぬ地に、神宮林にふさわしい森厳崇高な森を造るのは不可能」と反論。しかし、曲折の末に造営が決定すると本郷は、取材をする亮一に“永遠に続く杜”造りへの覚悟を語った……。直木賞作家が、明治神宮創建に迫る書下ろし入魂作!
  • そんな夢をあともう少し――千住のおひろ花便り
    3.0
    千住の遊女おりんは、昨夜も茶を引いた。岡っ引きの幸助が捕物でしくじり、来なかったからだ。このままでは、おりんは他所へ売り飛ばされる。焦る遣り手のおひろに、やる気のないおりん。そこに現れたのは……(「女郎花」より)。深くて暗くて絶対に埋まらない男女の溝。おひろは、それを少しでも埋めようとする。飯盛旅籠を舞台に、人生の機微を描いた傑作時代小説。
  • 無明剣、走る
    4.0
    五代将軍綱吉の治世。江戸の幕閣の争いに巻き込まれ、江戸家老の謀略によってさらなる窮地に陥った阿波藩二十五万石。存亡の危機に立ち上がった若き剣客荒木田隼人、闇の棟梁・仏の源十郎らは、阿州剣山に眠る伝説の埋蔵金を死守するため一路徳島へ!国民的ミステリー作家が壮大なスケールで贈る、手に汗握るこれぞ時代小説の傑作!
  • 白鷹伝 戦国秘録
    4.0
    浅井家鷹匠・小林家次は小谷城落城の朝、伝説の白鷹「からくつわ」を目撃。捕虜となった家次に、敵将信長は「白鷹を捕らえてみせよ」と命じた。ここに、織田家鷹匠としての人生が幕を開けた…。天下一の鷹匠の生涯を描く時代大作!

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  • 初代北町奉行 米津勘兵衛〈一〉 弦月の帥
    続巻入荷
    3.7
    1~10巻770~1,056円 (税込)
    これぞ、令和版『鬼平犯科帳』!(文芸評論家 末國善己氏) 徳川幕府開府の翌年、三河以来の譜代の臣米津勘兵衛は、家康直々の命で初代北町奉行に任じられた。 戦国の殺気が未だ燻り豊臣恩顧の大名も多い。国情は不安定で、治安は最重要課題だった。 得意の槍と剣で悪を断ち、豊かな発想で奉行所の礎を築いていく勘兵衛。次第に悪党から恐れられるが、敵は城内にも―― 「信長の軍師」シリーズの著者が江戸創成期を守り抜いた男を描く、かつてない衝撃の捕物帳!
  • 私雨 峰蔵捕物歳時記
    3.0
    毎日おまんまが食べられれば、悩むことなんか何もないんだ― 御用聞きの峰蔵と癖者揃いの店子が、捨て子たちの成長を見守る。 江戸を正直に生きた多彩な住人が織りなすほろ苦く、心温まる人情長屋噺。 柳原の御用聞き峰蔵の計らいで、才槌長屋に六人目の捨て子が引き取られた。 長屋には妾斡旋の仲人、隠居の元幕臣、茶屋女など、世を厭う店子が暮らしていた。ある晩、住人で湯灌場買いの又八は、親しい寺男の暗い一面を目撃しやけ酒を呷る。帰途、若者に襲われ心身共にどん底に落とされるが、子供らの心優しい看病を受けた又八は……(「私雨」)。温かさ沁みる傑作!
  • 闇狩り人犯科帳
    -
    図体ばかり大きくて、ドジで間抜け、無精ったらしい男、源太。居酒屋の女将の情夫だが、岡っ引文次郎のお抱え下っ引として密かに情報収集を行なっている。しかし、彼にはさらに別の顔があった。闇の隠れる悪人を裁くという闇狩り人。人はそれを“音無し源”と呼んだ。

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  • 銀杏手ならい
    3.9
    手習所「銀杏堂」に集う筆子とともに成長していく、新米女師匠・萌の奮闘物語 子に恵まれず離縁され、実家の手習所「銀杏堂」を継ぐことになった二十四歳の萌。女先生と侮る悪童らに振り回されながら、忙しない日々を送っていた。ある朝、銀杏堂の門前に女の捨子を見つける。自身も血の繋がらぬ両親に愛情深く育てられた萌は、その子を「授かりもの」として育てることを決心するが…。真っ直ぐに子どもと向き合い成長する、時代人情小説の傑作。
  • 草笛物語
    4.3
    羽根藩江戸屋敷に暮らす少年赤座颯太は、両親が他界して帰国、伯父水上岳堂の親友で薬草園番人の、壇野庄三郎に託される。国許では、藩の家督を巡り、世子鍋千代を推す中老戸田順右衛門と、御一門の三浦左近を推す一派が対立。やがて藩主吉通となった鍋千代が国入りし、颯太は陰謀渦巻く城に出仕するが……。『蜩ノ記』の十六年後を描く羽根藩シリーズ第五弾!
  • 風魔外伝
    5.0
    「風神の子」と恐れられ、北条氏に仕える忍びの中でも、風魔の小太郎は、桁外れの巨躯と相まってその能力は抜きんでていた。その小太郎が武田を滅亡に追いやった織田信長より名指しで呼び出される。待ち構えた信長は、進上馬に乗り小太郎に銃口を向ける。そして、発射された銃弾の行方は――。猛将らと闘った希代の忍び『風魔』、その知られざる物語。戦国の世に恐れられた伝説の巨漢、ふたたび参上!
  • 春雷
    3.9
    鬼隼人、許すまじ――怨嗟渦巻く豊後・羽根藩。新参の多聞隼人が“覚悟”を秘し、藩主・三浦兼清を名君と成すため、苛烈な改革を断行していた。そんな中、一揆を招きかねない黒菱沼干拓の命を、家老就任を条件に隼人は受諾。大庄屋の〈人食い〉七右衛門、学者の〈大蛇〉臥雲を召集、難工事に着手する。だが城中では、反隼人派の策謀が蠢き始めていた……。著者畢生の羽根藩シリーズ第三弾!
  • 潮鳴り
    4.3
    生きることが、それがしの覚悟でござる――。俊英と謳われた豊後・羽根藩(うねはん)の伊吹櫂蔵(いぶきかいぞう)は、狷介さゆえに役目をしくじりお役御免、今や〈襤褸蔵〉(ぼろぞう)と呼ばれる無頼暮らし。ある日、家督を譲った弟が切腹。遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。前日、何事かを伝えにきた弟を無下に追い返していた櫂蔵は、死の際まで己を苛む。直後、なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がる決意を固める……。落ちた花を再び咲かすことはできるのか? 『蜩ノ記』(ひぐらしのき)の感動から二年。〈再起〉を描く、羽根藩シリーズ第2弾!
  • 示現流始末――請負い人阿郷十四郎
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    清の康熙帝の末裔にして浪々の身・阿郷十四郎のもとに、薩摩藩を揺るがす国禁の密書を取り戻せの依頼がきた。同じ頃、十四郎目掛けて中国独特の手裏剣・脱手ひょうが放たれた。同じく中国特有の武器・拐(杖)を操る刺客、さらに示現流の強豪が三すくみで十四郎を襲う!
  • 辻斬り始末――請負い人阿郷十四郎
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    倭寇伝来の剣法を操るよろず請負い人・阿郷十四郎のもとに、奇妙な依頼が舞い込んだ。盗まれた宝剣を女郎屋から奪還してきてほしいという。だが、その剣にはある秘密があった。幕府の中枢を脅かす辻斬り事件がその剣で行なわれていたというのだ。剣の湮滅をめぐり忍び寄る危機。影流に端を発する十四郎の剛剣が唸る!
  • しびとの剣 戦国魔侠編
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    鬼が棲むという陸奥・安達ケ原。「いつの日か倅・紫靡帝(しびと)が甦り、御家の再興を果たさん」戦いに敗れた冴月家当主・家虎は嫡男の骸を抱いて呪いの言葉を吐いた。それから百年、「一人で万騎を倒す」と謳われた美貌の紫靡帝が剛刀「羅刹」を手に復活、下剋上の世に踏み出す!

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  • 辻斬り秘帖
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    江戸市中では辻斬りが横行。浅草界隈では女が後ろから、麻布界隈では男は前から。離れた場所で同日同夜に起こる辻斬りに定廻り同心の佐久間兵衛は頭を抱えていた。そんな矢先、同僚が刺殺された。なんと局部を切り取られ、痴情のもつれによる女の仕業かと思われたが…。

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