国内小説 - 学術研究出版作品一覧

  • 愛と絆のミステリー 戯曲3
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    1巻550円 (税込)
    台詞と独白、ト書きから構成される愛と絆をテーマに書き下ろされた戯曲仕立ての珠玉のミステリー短編7編。
  • 愛と絆のミステリー 戯曲2
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    1巻550円 (税込)
    作詞家 売野雅勇氏が主宰するインターネットドラマサイト「Radiogenic」にて人気を博し、CD化された新感覚ドラマ「RADON~les deux hommes~」を含む、いずれも愛と絆をテーマに書き下ろされた戯曲仕立ての珠玉のミステリー短編9編。
  • 愛の重さ
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    1巻524円 (税込)
    障害を持つ男と女の出会いと別れ、そして愛の再生の物語。
  • あすに乾杯
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    1巻220円 (税込)
    いじめ問題から日常生活が激変した2つの家族を通じて、それぞれの立場から主張を展開し、教育の闇の部分を浮き彫りにした物語。
  • OUR KING LEAR
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    1巻1,100円 (税込)
    This novel is to express“What is the important heart that is included in an abstract word,love ?”and “Which route of journey should we humans take to reach to the true happy world where there will be no bullying, no conflicts and no wars?”. The heroine Michiko and the hero Shouichi grow up their young age at a country town Tanushimaru,Kyushu,Japan. They learn what is the true love through playing the drama “King Lear”, played in the graduation memorial show at elementary school and have some faint feelings of their first love. After graduation from the elementary school, Michiko thinks about what is essentials of the true love and speaks it out at an English speech contest of junior high school. She expresses her thought,“True love is the heart to sincerely wish other people's happiness and to conquer her own egoism in order to bring the true happy world.” She is awarded the best prize of the contest. Shouichi is moved very much by her thought and swears to keep it in his deepest mind. Michiko and Shouichi respectively go through their stormy lives. Finally, they get together and married. They live happy life with prayer for bringing a peaceful and happy world with no bullying, no conflicts and no wars forever.
  • いつか、上高地でフルートを
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    1巻550円 (税込)
    諒太は鎌倉駅近くのケーキ店で、フルートを持った若い女性を見かけた。入院中の祖母がフルートを聞きたいと言っていたことを思い出した諒太は、思わず女性に声をかけ、今度一時帰宅する祖母にフルートの演奏を聞かせてもらえないかと頼む。 あまりにも唐突な申し出に女性は戸惑うが、諒太の不器用そうだが誠実なしぐさに接し、また自分のことを本当に心配してくれた祖母のことを思い出し、諒太の申し出を受けることにする。 女性の名前は「あずみ」、山を愛した父がつけてくれた名前だった。 山が好きで何度も上高地に通っていた諒太は、そんなあずみとの出会いに心を動かされるが、あずみ自身は「自分は歩くのが苦手・・・」と言う。思い悩むことの多かった諒太にとっては、明るい笑顔とあたたかい声で自分に話しかけてくれるあずみと過ごす時間は、かけがえのないものだった。 しかしあることをきっかけに、あずみはもうこれ以上諒太と一緒にいることはできないと決心する。 鎌倉由比ガ浜に寄せる波の音とどこまでも続く海と空、上高地から見上げる穂高の峰々と清冽な梓川の流れ。自分らしく生きることに思い悩む二人が、自然の大きさに思いを寄せながら、ささやかな出会いをはぐくんでいく。 表題作のほかに、「はり絵がつなぐ恋」「天神様の約束」の2編を収録。
  • 栄光のかけら<増訂版>
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    1巻495円 (税込)
    ある作家の晩年を通して、主人公が成長していく姿を描く。 大学生の江藤和也(えとうかずや)は、ある時品のよい老人と出会う。その背中に自分と同じ何かを感じ、次第に深みに嵌っていく。実はその老人西村学堂(にしむらがくどう)は…。 また故郷の家族にも変化が。兄の結婚や恋人との出会い。そして突然訪れる友人の死…。 やがて学堂にも最後の時が。和也の思いとは…。
  • エクステイティヴ-メディテイティヴに彼女はレインボー ひとつのバスタードポップ
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ちょっと不思議なタイトル、でも実はシンプル。エロティックなのにどこかスピリチュアルでレインボーのような女の子達とのエロスと音楽とア-トが縺れ合った10のストーリーの断片ノート。メインの内容は〈1. レッド〉ジャニス・ジョプリンになりたいブラックレザーの女 、〈2. オレンジ〉浪花のジュリア・ロバーツ似の女〈3. グリーン〉エド・シーランの熱狂ファンの女 、〈4. ブルー〉キース・ジャレットのケルン・コンサートをベッドでかけるフレンチ・カナディアンの女、〈5. インディゴブルー〉巨大JBLスピーカーとモンペスタイル・ジーンズとキュートなおかっぱヘアスタイルが似合うシュールなジャズ・スウィンガーの女、〈6. YMOの東風Tong poo& デヴィッド・ボウイ・チャイナガールカラー〉ピャオラン・チーラな美しいチャイナガール、〈7. カンディンスキーのアブストラクト・カラフルカラー〉元ルフトハンザ・スチュワーデスのミュンヘンの色彩が似合うバイエルン・キュート美女、〈8. ローリングストーンズ・カラー〉ストーンズのSHE'S A RAINBOWが似合うのにオーガズムを知らなかったヒップ・クラフトアーティストの女、〈9. ディープスロートカラー〉昼間は清楚で慎ましく夜はエロティックな天使に変身するフェルメール好きのアメリカ人画家の女、〈10. コムデ・ギャルソン・ブラックの似合うシンセサイザーミュージックが好きなフレンチの女〉。他に濱口竜介監督から影響を受けて書かれたエッセイ「偶然と想像」や、デヴィッド・ボウイと谷村新司さんが愛した京都正伝寺の禅庭にまつわるハイブリッド考察ノートなど、21世紀のネガティヴイメージで溢れた世界から離れ、ポジティブな快楽とスピリチャルなヴァーチャル・リアルを超えた宇宙的オーガズムに繋がっていく。
  • ETERNAL LAND Kojiki LAND OF LIFE
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    1巻1,600円 (税込)
    Izanaki and Izanami are the significant deities that give birth to all living things in this world, including humans, lands, and even natural objects and phenomena. Despite their creations, tragedy strikes down on the goddess, Izanami, when a deity of fire kills her. Izanaki’s grief leads him to the Land of the Dead to revive her but arrives too late. Their fate seems to separate the Land of Life and the Land of the Dead. And Izanaki who returns from the Land of the Dead purified himself and begets the Three Precious Children, the Sun Goddess Amaterasu, the deity of water Susanoo, and the deity of the Moon Tsukuyomi. Amaterasu, the ancestor of the imperial family, rules the world of Heaven and nurtures all living things on the earth, and Susanoo nurtures all living things by providing water from the underground and also absorbing all our impurities, agonies, sins, carrying them underground.
  • 黄金郷の河
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    1巻550円 (税込)
    詩誌「コールサック」に連載された「前略、お前たちよ。生きろ」、文芸誌「覇気」連載の「エレクトアリス」ほか、10年にわたり創作された珠玉の24篇からなる短編集。電子書籍化でリイシュー。
  • 小川未明&今西薫童話集
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    1巻330円 (税込)
    未明は、早稲田大学の前身校である東京専門学校に入学し、そこで坪内逍遥に英文学の指導を受けました。未明の名前は逍遥につけてもらったもので、「いまだ暁前であるが、いずれは太陽の光のように燦然と輝く未来がある」という希望に満ちた名前です。未明は島村抱月にも指導を受けていました。未明の作品の劇的な展開には抱月の影響があるものと考えられます。さらに、小泉八雲が逝く直前の春学期に、未明は早稲田大学で八雲の最初で最後の英文学の講義を受け、八雲から感銘を受け、卒業論文では八雲を論じています。「日本のアンデルセン」とも「日本童話文学の父」とも呼ばれている未明の作品にある「優しさ」は、八雲の人となりから滲み出る「心優しさ」を受け継いでいるものです。 未明の本名は健作といいます。今西薫の『健作フュージョン物語7』 の主人公は未明である健作少年という設定になっています。未明が書いた『小さい針の音』、『村の兄弟』、『眠い町』、『赤いろうそくと人魚』、『あらしの前の木と鳥の会話』、『港に着いた黒んぼ』、『負傷した線路と月』の文体には、未明独特の語り口調があります。未明の作品にある「優しさ」はこの文体と不可分です。彼が子供に教えたい「人としてあるべき姿」を、今西薫が受け継ぎ、七つ束ねて結ぶ中で彼なりの童話を創作しました。 この本は小川未明の作品が現代のより多くの人々に読まれることを願って、今西薫が未明の数多くの作品群からその珠玉と目される作品を選び、それらに新たな味わいをつけて、現代風の童話にして、ひとつの作品にしたものです。 第一部の未明の作品群に触れて、未明ワールドに浸ってから第二部の『健作フュージョン物語7』をお読みください。
  • 沖縄最大のタブー琉神「尚円」
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    1巻990円 (税込)
    空から歴史を感じる パイロット山下智之の新刊 島、海、黄色い石、交易、海賊、大和…… 地政学的視点をベースに、沖縄(琉球)史の核心を衝いた傑作。 現在と15世紀を往来する巧みな叙述で、琉神「尚円」を蘇らせる。 (大阪観光大学 学長 赤木攻 推薦) 島を追い出された少年が400年の琉球第二尚氏の王朝を築く、実話の歴史物語。 なぜ、秀吉をしのぐ成り上がり皇帝になれたのか? なぜ、家康をしのぐ400年の王朝が作れたのか? 琉球の王が、京都室町幕府の将軍に会っていた!! 謎の多い、応仁の乱の背景に琉球王国があった!! 400年琉球王国の成立に手を貸した交易勢力とは??? どうして琉球王朝は応仁の乱から明治維新まで長きにわたり国を治められたのか? 謎に包まれた 実在の人物「尚円王」のタブーに迫る!!
  • 回遊魚
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    1巻704円 (税込)
    作品は四編だけ。短編・「回遊魚」は言わば習作、右手一本で書いたような、未熟なところや欠陥が様々あるのは作者自身よく承知しているのですが、佳作と評価をしてくれる方もおられるので、あえて公刊する次第であります。 二作目の「誘蛾灯」は千九百枚の長編小説で、私の全精力をつぎ込んだ作品。完成度は高いと自負しています。年齢のせい(比較的若いころ)で、かなり悲劇的な色調の濃いものです。 三作目「梶井途子の手記」は、亡き妻の手記を元にした、セミ・ドキュメンタリー風の中編。途子の残した挿話は、暗い苦痛に満ちたものですが、その周囲に行き交う多くの人間像は、ドーミエのカリカチュールのように滑稽にも思われます。 最後の超大作「黒百合の香り」は四百字詰、四千枚近い作品ですが、物語としては、これが一番面白くて量質ともに代表作なのですが、残念ながら完成度が低く、間違った記述や、辻褄の合わない個所が少なからずあります。残された余命でどれだけのことが出来るか、心もとない次第です。 一つだけ私の作品の取り柄といえば、創作に当って、作品の質そのものが目的になっていて、報酬や賞などはもちろん、タブー、自己規制、忖度、右顧左眄などには一切左右されず、隠された真実の追及と、文学としての面白さのみを唯一の追及目標として書かれてある、ということでしょうか。
  • 限りない権力の犠牲者たち
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    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 その日も、ナタリアにとっては、いつもと同じ朝のはずだった。しかし、目覚めたのは全く見知らぬ部屋だった。私は記憶を失ってしまったのか……いや、違う。何かがおかしい。傲慢な人間たちの歪んだ欲望と権力が交差する狭間で、ナタリアの「自分自身」を取り戻すための戦いが始まる。サスペンスタッチで綴る緊迫の物語。
  • 壁の穴
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    19世紀中葉のロンドン、イースト・エンド。主人公のスティーヴンは8歳の男の子。父は1年のほとんどを船に乗っているため母と二人暮らし。その母が二人目の赤ん坊の出産で他界。一人取り残された少年は、居酒屋『壁の穴』亭を経営する祖父ナサニエル・ケンプに引き取られ、そこで父の帰りを待つことになった。  川岸に奇妙な具合に建てられた居酒屋だった。木造の、羽目板を張った建物で、上方の部分が下部より大きく、危険なほど不均衡に見えた。「その側面、ほとんど下方といってもいいところに、狭い通路が通っており・・・その先は『壁の穴』船着き場になっていた」。 祖父は海辺の荒くれ者たちを相手にこの居酒屋を仕切っていた。大柄で力が強く、決断力もあった。少年にとっては優しく頼もしい「ナット爺ちゃん」だった。近くにはロンドン・ドックや犯罪の巣窟ブルー・ゲートがあり、裏路地からは突然の叫び声や耳障りな歌声が聞こえ、突発的に言い争いや喧嘩、乱闘が繰り返し発生した。  ある日、『壁の穴』亭の裏で一人の男が刺殺され、スティーヴンは多額の紙幣入りの札入れを拾った。これをきっかけに、少年と祖父は、薄汚い悪事、陰謀、復讐、犯罪の真っ只中に巻き込まれていく。  少年と祖父以外にも、多彩な人物が登場する。少年の母の葬儀に現れる何とも滑稽な伯父や伯母たち、非業の最期を遂げる悪党ダン・オーグル、そのダンを慕う情婦のマスキー・マグ、単眼の白目をぎょろぎょろさせながら歩き回るバイオリン弾きのブラインド・ジョージ、居酒屋の常連客で芸術家気取りのミスター・クリップス、最後までキャプテン・ナットに恨みを抱き続けるミセス・グライムズ、自分の船を沈めて保険金を奪おうとする船主のミスター・ヴァイニーなど、癖の強い人物たちが物語を展開する。そして、大団円。
  • 君色小説
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 青春小説5話 「青 佐藤葵の話」「赤 岡田啓介の話」「紫 桜井陽花の話」「緑 月城若菜の話」「橙 野中楓の話」「藍 田中悠也の話」「黄 井上杏の話」「虹 春、桜井陽花と野中楓の話、そして未来へ」。 書籍PR: 小説を書く人がいて、それを読む人がいる。当然作者の思いも沢山こもった作品です。ですが読者の皆様がそれをどう読んでどう感じようが、全てが正解です。 作者としては、皆様の心に少しばかり温かさを与えられたら、と思っています。
  • クロスプレイ -甲子園に届かなかった球児達の青春-
    5.0
    1巻220円 (税込)
    夏の高校野球静岡県大会決勝戦。元気な一年生捕手南雲晴太(せいた)の活躍でノーシードから勝ち上がった静岡城東高校、通称静東(せいとう)高校は、晴太の痛恨のミスによりあと一歩の所で光洋学園に敗退。甲子園行きを逃してしまう。その時のショックで野球部を辞め、だらけた毎日を送っていた晴太は、光洋学園選手の甲子園でのインタビューをテレビでみてリベンジしたい気持ちを抑えられず野球部に復帰。監督やキャプテンの指導の下、真面目に練習に励むようになる。 半年後。静東野球部に新監督の若林が着任。さらに、女の子みたいな容姿の二年生投手、名波ひかりも編入。しかしひかりはチームメートに心を開かず、トラブルを引き起こす。 光洋学園との練習試合では強力なライバルが出現。終盤登板したひかりが打ち込まれ逆転負け。野球エリート校である京徳(けいとく)学園との練習試合では、静東のエース桜田が好投するが、二番手で登板したひかり――京徳の監督に恨みを抱いている――が自分勝手な投球を繰り返し、めった打ちにされ試合は惨敗。試合後、若林がひかりに投手失格を言い渡す。これを機会にチームメートに心を開き始めたひかりは、弱点を克服しようとチームメートのアドバイスを受け入れ鍛錬に励むようになる。 そして夏の予選。静東は初戦を苦戦しながらも勝利。第四回戦の城誠西(じょうせい)戦では相手選手のラフプレイで晴太が負傷退場しながらも、ひかりが踏ん張り辛勝。準々決勝で宿敵・光洋学園との対戦に臨む。
  • Good Bye My…
    -
    1巻440円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ピアニストをめざす、高校生の村上琴は、原因不明の症状で左手が利かなくなり、夢をあきらめかける。そんな折、旅先で出会った二人の人物が彼女の人生を変えることになる。三人は自らに吹き付ける向かい風に立ち向かうべく、ある演劇作品の上演を目指し、劇団を立ち上げる。集まった仲間たちも各々に問題を抱えていた。幾たびかの試練を乗り越え、周囲の人々の協力も得て、ついに彼らの芝居の幕が上がった…。残酷な運命に立ち向かい、自らの人生を取り戻そうとする人々の勇気と友情。再生の物語。
  • 恋のおばんざい -天下国家への手紙- The story of love in small dishes cafe: Letter to the nation-state
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    1巻880円 (税込)
    本書は『国家の存続 人生方程式』の姉妹作である。 〔本文より〕 「何年か前、私の田舎に橋だらけ、道だらけ、という具合に立派な橋や道を作りまくって。各家の前まで。そして、たまにしか利用しない山道まで舗装をした。更には、米の減反を進める中、農地の改良までして、立派なインフラを整え、あげくの果て、過疎化や耕作放棄地となるのですが、これを日本中に作って大きな借金の一つにもなっています。このようなことは予想できたはずなのに、政治家は票獲得のため、行政担当者は怠慢と言うしかありません。馬鹿を通り越しています。地方の住民は自分たちが税をあまり納めていないのに、便利さを自治体へ要求する。今でも言えることですが、国中そのような考えの人が多い。自ら行動するのでなく、してもらえる、してほしいと思っている。何か改造するとなると、総論賛成でも、自分に関係した不利益なことになると反対になる」 (中略) 校門を入ると和子は幸成の腕に抱きつくようにして歩きだした。 「少し離れてよ。あなたは綺麗だし、私にくっついていたら、それに、この派手なペアのリュックのアップリケは目に付きすぎる」 「うちはかまわないえ」 「私は学校を首になるよ」 「丁度良いんじゃない。うちのお養子はんになれば」 「しかし、性急な話だね」 「うちも、お父はんも幸成はんを気に入っているし」 「でも、すぐには決められないよ」 「うちのこと嫌い?」 「好きだよ」 「うち、デパートでお会いした時、一目惚れしたんえ」 「和子さんにはかなわないな。あなたにかかったら私もたじたじだな」 「そうよ。もう覚悟しなさい」 「養子になっても、これじゃお尻に敷かれっぱなしになるね」 「座り心地の良い座布団になっておくれやす」 「ああ、熱が出てきた」 「ふふふふ、ああ可笑しい」 和子は楽しくてたまらないのである。
  • 国家の存続 ─人生方程式─
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    1巻990円 (税込)
    志摩と大阪を舞台にした物語だが、国家自滅の危機に直面して、人口問題、経済、日銀の政策にも鋭く踏み込んでいる。一方、地震対応の建築技術、水害、津波用建築物とともに町の在り方、国家の在り方についても提言している。本書は『恋のおばんざい ─天下国家への手紙─』の姉妹作である。 現在の市場原理主義マーケットは、個人投資家の短期売買、空売りファンド、ヘッジファンド、証券会社の自己売買等強制的空売りで、経済をデフレへ、そして、一方の投機筋は出来高が少なく、仕掛けやすい日本の市場で、自己の利益のために、株をしていない人まで道連れに、個人や国の資産まで低下させ、好き放題にしている。
  • 極秘指令
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    1巻1,237円 (税込)
    台湾に生まれ、日本人と結婚し、那覇に住んでいた主人公莉莉。しかし、夫は生活費を渡さず、天邪鬼の習性を持ち、妻に対する精神的な虐待……。夫婦は一度離婚し、長男が不登校の問題で、再婚復縁したものの再び離婚した。問題は、強権者の誰かが家庭裁判所の権限を越え、トリックを掛け、養育費という債務名義を奪い取った。莉莉は裁判所に訴えるが、何故か公安警察に付きまとわれる。特定秘密保護法が成立した後、共謀罪もやがて強行採決される四面楚歌の状況に陥り、身の危険を感じた莉莉は、ミステリー小説の形で事の経緯を書き記し、そのデータを保存したUSBメモリを親しい刑事に託すことになる――
  • 後藤明生を読む
    NEW
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    1巻2,860円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2009年から活動してきた「後藤明生を読む会」の会員による作品集。 安亜沙(あん・あさ)1996年生まれ。美術家。個展にアンバー・ランド(Gallery PARC・京都/2019年)、ネオ人類研究(Oギャラリーeyes・大阪/2023年)など。 乾口達司(いぬいぐち・たつじ)1971年生まれ。会社員。著書に『花田清輝論』(柳原出版/2003年)、後藤明生著/乾口達司編『日本近代文学との戦い』(柳原出版/2004年)など。 甲木文武(かつき・ふみたけ)1977年生まれ。会社員。 金窪幸久(かねくぼ・ゆきひさ)1957年生まれ。元会社員。2021年永眠。 来多邨平(きたむら・たいら)1950年生まれ。元出版社勤務。 後藤忠彦(ごとう・ただひこ)1933年生まれ。後藤規矩次・美知恵の三男として、旧朝鮮・永興で生まれる。2020年永眠。 後藤明生(ごとう・めいせい)1932年生まれ。小説家。後藤規矩次・美知恵の次男として、旧朝鮮・永興で生まれる。1999年永眠。代表作に『挾み撃ち』(河出書房新社/1973年)、『吉野大夫』(平凡社/1981年)、『壁の中』(中央公論社/1986年)など。 小林幹也(こばやし・みきや)1970年生まれ。教員・歌人・近畿大学文芸学部非常勤講師。歌集に『裸子植物』(砂子屋書房/2001年)、評論集『短歌定型との戦い』(短歌研究社/2011年)など。 竹永知弘(たけなが・ともひろ)1991年生まれ。日本現代文学研究、ライター。おもな研究対象は「内向の世代」。 名嘉真春紀(なかま・はるき)1986年生まれ。出版社勤務。 松井博之(まつい・ひろゆき)1966年生まれ。2003年、「<一>と<二>をめぐる思考―文学・明治四十年前後」で第三五回新潮新人賞評論部門を受賞。2012年永眠。著書に『<一>と<二>をめぐる思考―文学・明治四十年前後』(文芸社/2014年)。 松崎元子(まつざき・もとこ)1966年生まれ。アーリーバード・ブックス代表。後藤明生著作権継承者。 安田誠(やすだ・まこと)1970年生まれ。会社員。
  • 三十六プラス一 よき出会い
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    1巻1,430円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新米教師の清美誠司は、杉原高校に赴任、早々にクラス担任を任される。しかし、そのクラスは訳ありで他の教師達が担任になることを敬遠していた。しかし、誠司は生徒と接していくうち、前評判とは異なり、皆、純粋な若者達であることを理解していく。そんななか彼のクラスで喫煙問題が起き、処分が下される。しかし、それをきっかけとしてクラス全員で卒業を迎えようと一体感が高まっていく。そして迎えた卒業認定会議、合格点に達しない生徒が出てしまう。それは、日頃から規則に縛られ、マニュアル通りにしか生徒を指導できない教師や、このクラスに先入観を持つ教師の、いわば偏見から生まれたもので、正当な判断とは言いがたいものだった。誠司は、そんな偏見に対抗し猛烈に抗議する。一人の生徒をも見放さず、古い教育体制と闘っていくのだが……。新米教師と生徒達の想いが交錯し織りなす感動必至の長編小説。
  • 幸香る日々に… 教師冥利の日々に感謝して
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    1巻550円 (税込)
    「懸命に努力する姿」「涙を堪えて必死で頑張った結果の最高の笑顔」高校教員として私は数々の心動かされる出来事に出会うことができました。その教育現場の輝きの瞬間を第1章、第2章では書き留めています。 第3章、第4章では、仕事と家庭を両立するなかで、教師として、母として、妻として、更に、いち社会人として、さまざまな場面で出会った感動や思いを綴っています。 第5章、第6章では、ライフワークとして取り組んできました読書指導のなかで出会った、多くの感動を得た本について、皆さんに手渡していきたいという思いを込めて紹介しました。 第7章では、わたしが担当させていただいた部活動と生徒さんとの絆への思いを綴りました。 第8章は、幸せ香る日々を与えてくださった皆様の言葉を収めさせていただきました。 私のようなごく普通の教師であった私でさえ、本当に幸せな教員生活が全うできました。私が長年の経験から綴らせていただきましたことを通して、懸命に生きている、生徒(子どもたち)や教師たちの姿を知っていただきたいと願っています。
  • 枝垂れ桜と瑠璃の空
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    1巻550円 (税込)
    江戸時代も中ごろを過ぎたころ、相模の国のとある宿場町。 指物師の信吉は、よく晴れた春の日の早朝、得意先に向かうため街道の道を足早に歩いていた。信吉は街道のわきにある小さな薬師堂の前でじっと手を合わせる若い娘を見かけ、ふと足を留めた。娘は薬師堂で手を合わせた後、お堂のわきでそっとお堂を守るように枝を広げた枝垂れ桜に向かって手を合わせ、それから青い空を見上げじっと手を合わせた。 娘は人の気配を感じたのか、信吉のほうをちらっと見て恥ずかしそうに立ち去って行った。お薬師様、枝垂桜、瑠璃の空・・・、三度も手を合わせて祈っていた娘の姿は、信吉の心をとらえて離さなかった。 娘の名前は「ゆい」。ゆいは、町に目の見えない女の子がいて、寺子屋にもいかれずずっと家に閉じこもっているという話を聞き、自分がその女の子と一緒に遊びましょうかと申し出る。ゆいは、目の見えない子でも音や触った感じで楽しく遊べるものをいろいろ工夫していく。 その中で木片を組み合わせていろいろな形を作る遊びができないかと思い、指物師に相談することになった。 大きなお店のおじょうさんの相談ということで、煩わしいことに関わりたくないと思いまったく乗り気でなかった信吉は、そのおじょうさんがあの薬師堂で見かけた娘だったことに驚く。二人は目の見えない子でも楽しく遊べるものを作っていく中でお互いの心を通わせていくのだが・・・、体の弱かったゆいに残された時間はもうわずかだった。
  • 小説 北の街で吹雪の一夜、私に吹きよせる夜の雪は
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    1巻660円 (税込)
    舞台は港を擁する北の街。厳冬。その街で、感染症が疑われる病気、そして病院で使われていた廃棄予定の医療機器の盗難が前後して発生する。新聞記者が、その事件を地元新聞に短い記事で報道する。 小説の中心に据えられているのは街の高台にあるホテルの宴会場であり、そこではこの二つの事件の他、進行中の高血圧大規模臨床試験も医師たちの間で話題になっている。 20の場面から構成されている小説の各場面は、「話者/書き手」をめぐる部分(語っている私/書いている私)と、「出来事」(語られている内容/書かれている内容)をめぐる部分に二分割されている。20の場面の「出来事」の時間的な前後関係は必ずしも定かではない。視線を追うことで描写される場面は分裂し、その細部は増殖し、変奏される。小説は断えず言い直され、書き直される。
  • 小説 ルカの介護日記
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    1巻550円 (税込)
    「愛の重さ」「和佐富士は見た 松下幸之助の伝説的原点」に次ぐ第三作、「ルカの介護日記」である。 ファッションモデルになっていく過程で、母が痴呆症になり、友達トシ子の強烈な生き様を見た時、人間として、新たな人間性に目覚め、ひとり暮しであった母を支えていく決意する物語である。 もし、このような言い方を許してもらえるならば、人間の感情を刺激する精神文学と言いたい。 小説というもの、本来、自由創作である。 現代文学で何か、欠けているものがあるとすれば、そこを私は埋めていきたい。
  • ジュネーヴのエトランゼ
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    1巻1,320円 (税込)
    藤城貢は全日本航空㈱のジュネーヴ営業所の所長である。同社は半官半民のナショナル・フラッグ・キャリアーで、戦後、日本の経済発展とともに成長し世界ナンバーワンの航空会社に成長していた・・・。著者のキャリアと重なる主人公・藤城貢のビジネスマンとしての姿を描く小説。
  • 青春の結鐘―平安の姫/冷やし襟巻き
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    1巻1,100円 (税込)
    【青春の結館】 男女の自由な付き合い、その時期はあまりにもの短い。大抵は男の収入問題で、純粋で楽 しい青春の幕引きの時期が嫌でもやってくる。この物語は京都祇園祭から始まり、主人公 一郎はこの祇園祭の日会った老人から京文化、茶席での作法、趣向などの教養を教わる。 ある日の茶席で、突然指名された一郎が和歌の力を発揮する。その席に居た令嬢も歌で思いを返す。そして令嬢と心が通じ合い、付き合うようになる。一郎にはこのようなハイク ラスの家柄の令嬢との付き合いには辛い過去がある。また同じ結果になるのではないかと 悩む。物語全体に平安の世界を漂わせ、現在と平安を区別できにくいシーンも入れた。一 郎自身平安の世は好きな世界なのだ。物語の最後に平安の世の山荘で一郎と姫の生活も入 れ、身分、家柄なども普通では叶えられないことを青春のおとぎ話のように締めくくった。 作者は平安時代の恋物語を書いて見たがったが、当時の世の中の生活知識が足りないため、 現代の中に混同してみた。 【冷やし襟巻き】 故郷や何処の町をとっても変わり果て、通信手段も変わり過ぎました。便利になったもの の、果たして本当に文化は進歩したのだろうか、そして町に出ても食堂や本屋などもなく なったのは寂しい。故郷もバスはなくなったし、近くで買い物ができた万屋もなくなり、 全国的に地方は人口も減り、日本は衰退の道を歩んでいます。 作者は昭和40年~暫くの間を思い出し、思い出綴りの気持ちで執筆しましたが、かなり 経験した真実を書いたつもりです。振り返ってみて、当時も貧しかったが、楽しい会社生 活だったと思います。又人々は科学から目を背け、働かなくなった。この世の中の変わり ようについては【後書き】に力を入れ、日本の将来に付いて危惧している心を書きました。
  • 血いちご摘んで
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    1巻110円 (税込)
    著者のこれまでの多彩な作品をつめ込んだ作品集である。「苺の烙印」と「知らない木の実」は詩。歌詞と短歌、俳句もある。 「白髪雪」は孤独な老女の物語。「犬と彼」は白い子犬をめぐる物語。「放生会」は傷つきやすい少女の物語。 「架空の女」は登場人物のジェンダーがめまぐるしく変わる物語。「TEFF」はゲイの青年をめぐる物語。 「セキセイインコのための結婚相談所」は複数のセキセイインコの恋物語。「海鳴御前」は江戸時代のある城の奥方をめぐる物語。 「玉椿阿蘭陀夢」は江戸時代の渡来外国人をめぐる物語。
  • 二重奏 -いつか行く道- Life of love: Realize thinking
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    1巻1,430円 (税込)
    スキー場の山荘はオイルショックのため未完成で、内外装はおろか床は土のまま木くずが散乱している。そんな中で男女は出会い、二人は楽しみを見つけ、正月休みを過ごす。男は大阪、女は名古屋。付き合ううち恋人の親が経営する会社や家が窮地に陥り、男は全てを捨て名古屋に駆けつける。命を賭け、恋人のため会社の再生に尽くす。会社再生後、恋人の兄に会社を託して一人会社を去り自分の道へ進んでいくが、無理を重ねた男は病に倒れ、人生は思わぬ展開へ…。 〔本文より〕 姫が勘助を困らせることをしても、無理を言っても、温かく見守って、報われるあてのない愛をますます募らせてゆく…。 「女性の美しさは、時には男の魂を変えてしまう悩力を持っているんやな…“のう”は悩む方の…勘助のあのような愛し方も何だか切なく…ロマンが溢れていて…由布姫の美しさとともに印象に残っているのです。ま、これらの内容は、僕の欲求的想像も手伝って、作品よりドラマチックに記憶している感も強いですが…」 「でも、あなたも由布姫さまに恋しているみたい…私、何だか嫉妬している気分」 (中略) 「写真を撮る人は今のうちに撮っておいて下さい。明日は早立ちします。槍や穂高も朝は日陰になってシルエットだけになりますから…それから、山の名称は左から、西鎌尾根、槍ヶ岳、中岳、南岳、大キレット、北穂高岳、唐沢岳、奧穂高岳、西穂高岳…」 指を差しながら美紀は細かく説明してから、付け加えた。 「ここからは見えませんが、槍ヶ岳の北側には急峻な北鎌尾根、東側には東鎌尾根が有ります…上高地は西穂高岳の山向こうの丁度この方向です」 この時、太陽はほぼ南南西にあって、突き上がった槍の穂先や連山の稜線から続いている数々の尾根、谷、沢のヒダは、色々な陰影を作り、見事な立体感を醸し出しながら急峻な深い谷へ落ち込んでいる。しかし穂高連峰と鏡平の間には標高約二四四〇 メートルの奧丸山や中崎尾根があるので谷底までは見えない。 幸いにも空は青く、稜線との対比も美しい。この連山の稜線や山肌は、大小の岩がむき出しで、大きな起伏が多い。丸みの少ない鋭い岩肌は北アルプスの特徴で、険しい雄姿を誇示し、とりわけ大キレットや北穂高岳はより急峻に見える。ともかく雄大である。
  • 爆破
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    1巻330円 (税込)
    横須賀七恵 29才。いつもの様に目覚めると2080年という文字が飛びこんで来た。(今は2015年のはずよ!) 七恵と親切な男性川嶋との出会いから物語りははじまる。 2080年は、食糧難で爆破が当り前の様に起っていた。 七恵は2015年へ無事に戻ることが出来るだろうか? 七恵と妹のめぐみの運命は?
  • パチプロの向こう側
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    1巻1,320円 (税込)
    交通事故により甲子園の夢が途絶えた青年が、ひょんなきっかけからパチプロとしての人生を歩んで行く。だがそこには壮絶な苦難が待ち受けていた。 主人公はパチンコを取り巻く人間たちの愚かな欲を冷静な目で捉え、パチプロたちの裏側に潜んでいる真意を解きほどく。 実在した攻略法と人情話を絡めた心にしみる本格的長編。
  • 姫川の流るる村で
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    1巻990円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「裸足になりません? とっても冷たくて、いい気持ちよ」。姫川の河原で石拾いをしていた白いワンピースのあの人は、悪戯っぽい笑顔を浮かべた。これが幼子を連れた美しい人妻に惹かれた、私の切ない恋の始まりであった──大学院生で文学志望の私は、夏休みには小説の執筆等で白馬村の宿に滞在していた。宿で美しい人妻と出会って、年に一度この宿で再会する約束を交わす。恋情の募った3年目の夏、私が訪れる直前にあの人は何故か宿から消えて……。「学生村」が盛んだった昭和40年代、清流の流れる風光明媚な村を舞台に、互いに己を律しながら展開する香り高い愛の物語。
  • ふいの短編
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    1巻275円 (税込)
    満員電車で「手」を失った男、 お祭りの人ごみではぐれた幼い兄妹、 渋滞にはまった男の孤独、 がらくた収集家が本当に求めたもの、 「のびのび」育てられた子どもの将来、 独自のエクササイズに励む駅のホームの乗客、 夜、母校の校庭で繰り広げられる非暴力的決闘、 脱いだ靴下のように裏返ってしまった人、 オレは無実だと詰め寄られる警官、 助けてほしいのかほしくないのかわからない遭難者、 …など。 タイトルのない短編や象徴的エピソードを連ねた一冊です。
  • 星空
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    1巻1,100円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 高橋真一郎を中心に展開される家族三代の絆を描いた感動作。真一郎は両親の姿を見て家族の大切さを知り育った。長じて役所に勤め、同僚であった優子と結ばれ、一男一女を得た。しかし、長男の正樹は希望の職に就いたものの突然退職し、そのうえADHDが発症、引きこもり生活に陥ってしまう。その一方、真一郎は定年を機に新聞配達の職に就く。毎日、配達される新聞は社会との繋がりでもあると、その仕事のやりがいを正樹に伝えるが耳を貸さない。しかし、家族の努力により、彼は立ち直りの兆しを見せるが、そんな矢先に真一郎が亡くなってしまう。正樹の喪失感は強く、生前の父の存在の大きさに気づく。そして、真一郎が後半生をかけた新聞配達の仕事に就き、父の仕事をなぞることで、暗く長いトンネルから抜け出す。そして、かねてから強い関心を持っていた自然保護にも取り組むことを誓う。息子の立ち直りを確信した母は星空の彼方の亡き夫に呼びかける。
  • 僕たちのリア王 本当の愛、本当の幸せを求めて
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    1巻1,100円 (税込)
    「愛」という抽象的な言葉の中に秘められた大切な心とは何か? イジメや戦争の無い本当の幸せな世界に近付く為には人類はどのような旅路を辿れば良いのか? この命題を河童伝説が有る「楽しく生まれる町→田主丸町」に生まれ育った主人公、美智子と正一が小学校卒業記念公演で演じたリア王劇を通じて得た「愛」の心と共に体験した淡い初恋の情を心に秘めて運命に翻弄されつつ波瀾万丈の人生を送る中で得た「解」;大切なのは「相手の幸せを願う心」を見出して行く。二人は別々の道を歩むが再会し、懐かしいリア王劇の回想の中で幸せに結ばれる。二人はこの「大切な愛の心」が世界の貧富の格差やイジメそして戦争の無い世界を切り開いて行くだろう事を信じ、永遠の祈りを捧げる。
  • 路墾 ラオスから日本へ 東南アジアと日本を舞台に 道なき道を歩む物語
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    1巻880円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 フランス植民地下、インドシナ半島のラオスに暮らす家族。日本軍の侵攻とともに、メコン川を渡り逃れたタイで、一家の母親は病死、父親は失踪。残された子どもたちと祖父母は第二次世界大戦後に帰還するものの、母国は国家権力を巡る内戦状態に陥ってしまう。そんななか、学ぶ機会を得た三男の少年ウドムは日本政府の奨学金で日本に留学。やがて、生涯の伴侶となる女性と出会い、結婚。そして帰国、政府高官としての任務。しかし、母国は過酷な運命にさらされ、ベトナム戦争に巻き込まれ、荒廃、ついにはクーデターが発生し、亡国となって消えてしまう。難民となったウドムと家族、無国籍の子どもたち、日本に押し寄せるボートピープル……。二十世紀初頭からの怒濤の百年間、その動乱の歴史の狭間で翻弄されつづけたインドシナ半島。運命に操られながらも、ラオス人としての矜恃と希望を失うことなく、ひたすらに生きぬいた一人の男の波瀾の生涯を描いた物語。
  • 森田博のファンタジー小説集「幸作と幸子と閻魔大王」
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    1巻506円 (税込)
    宇宙の創世を描いたSFファンタジー小説「二人の酔っぱらい」「仙人候補生」と姉弟、「幸作と幸子と閻魔大王」など 色んなジャンルの楽しい小説集となっております。ちょうど上方落語の「高津の富」のような何度聞いても笑ってしまう作品群だと思います。
  • 約束の詩 -治まらぬ鼓動- Promised poetry: Never forgettable love
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    1巻1,430円 (税込)
    〔本文より〕 初めて会って以来一途に思い続け、一時も由布子のことが心から離れなかった…。 〈男子みんなが憧れているあの高嶺の花の由布子が、あのお姫様が、何と、この自分を本当に思っていてくれている。ああ、こんな幸せ、本当にあるのだろうか? 夢ではないだろうか?〉 足が地から浮き上がり、のぼせ上がって有頂天に…。自分のために世界がある…。もう何も怖いものは無い。何でも出来るような不思議な力が湧いてくる。…美しいヒロインを恋人に持つ映画の主人公になったような気分でもある。 どんな言葉を使っても表現し尽くせない心情。決して大袈裟ではない。 こんな満ち足りた幸せが訪れ…高揚する気分になれることも人生にはあるものなのだ…しかも教室で…授業中に…こんな気持ちになれるなんて…学校へ行くのがこれほど楽しいとは…。 晶彦は生まれて初めて、天にも舞い上がるような幸せ感に包まれた。そして、いつまでもこんな気持ちでいられたら…と、祈る思いである。 (中略) 恋うひとに 思われている 幸夢心 (中略) 駅に近付いて、晶彦はハッと一人の女子学生の姿に心を奪われ、視線が彼女を追った。その姿はうららかな陽光を浴びて、人混みとともに駅の中へと消えて行った。晶彦は視線を逸らさず、ただその場に佇んでいた。 出張のことで頭がいっぱいで、一時潜んでいた由布子の存在が、ひょっこり晶彦の心に戻って来た。あの笑顔、明るい声、仕草、そして、教室での彼女など、数々のシーンが、次々と輝き始め、あの至福のステージが蘇ってきたのである。 「どうなさったのですか」 肩を叩く優しい女性の声が聞こえた。 「いえ、何も」 そう応えたものの、同じ所に佇んだまま思いの外、時間は経過していて、目は涙で潤んでいた。最高に幸せな思い出は、最高の辛さにも変わるのである。 いつしか新幹線の窓際のシートに座っていた。晶彦は顔を窓の方を向けている。涙が溢れ出て止まらない。晶彦はまだ、あの至福のステージの中にいた。由布子は咲き始めた花のように、瑞々しいまま微笑んでいる。しかし現実の晶彦の側に、彼女はいないのだ。 髪がたや 似た後ろ影 心を突き        なお治まらぬ 鼓動… と、まで詠んだ。しかし、後が定まらない。 悲しくて、切なくて、そして、儚く、空しい思いが入り乱れ、愛しさが止めどなく込み上げてきて、渦を巻いているのである。
  • 横浜カラス ―二つの自由について―
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    1巻1,320円 (税込)
    この書は2020年10月までに書かれ、大手出版社・新聞社・TV報道部に原稿を送付、反応を見ていましたがほぼ無反応でした。残念な事にCOVID-19に関しては予言した通りの結果に成りつつあります。業界に知人も伝手もなく原稿も本人に届いたか知る術もありません。そんな訳で今回はかなり遅れての出版に成ってしまいました。 これまで巷間で注目されて来たCVID-19の諸問題・疑問点を、メディアが発信した時系列で追っていただくと、本書が鳴らす警鐘の信憑性がご判断いただけるのではないだろうか…。 本書は、横浜・熱海近傍の現在の風景とショートストーリー(短編集) 新型コロナウイルス感染症とその対処法・予言 から構成されています。 旅行や何かのついでに、社会や自由について考えて頂ければとおもい発刊する事にしました。 また、本書は販売登録上、タイトルを省略して表記しており、正しくは下記のとおりです。 「横浜カラス―二つの自由について―  小論集― COVID-19対処法・予言を含む―  横浜カラス― カラス戦争― に寄せて  熱海― ショートストーリー―」
  • リイシリ
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    1巻440円 (税込)
    老境にさしかかった山口和彦は、道北の小都市で小学五年から中学二年まで暮らした少年時代の同窓会に初めて参加し、札幌で四十数年ぶりに初恋の佐川宏子と再会する。 同窓会の翌日から利尻島の利尻山に登り、かつて過ごした町を訪ねて、横浜に戻った和彦は、宏子にその旅の様子を手紙で送る。宏子と文通を続けるうちに、北の町で身近に起こった殺人事件や、小中学校での出来事、近況等を語り合うようになり、和彦は引っ越していった時の様子や、あふれる北海道の自然や風物詩、戦後の時代風景、学校時代の同級生のことなどを鮮明に思い出す。 二人は一年後開催される同窓会での再会を約束する。今は登山を楽しむ和彦は、宏子に南アルプス北岳のキタダケソウの写真を送ろうと白峰三山の縦走に向かうが・・・。 昭和や、道北、登山など数多くのエピソードが織り込まれ、人生の日暮れに向かう心境が語られる忘れがたい物語
  • ローマの恋の哀愁
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    1巻550円 (税込)
    イタリアに旅行した人も行きたいと思う人も必読の書である。 イタリアの旅行しながら恋愛について考える書でもある。 結婚とはそもそも理想があって、それを追求してゆくのか、それとも運命の出会いともいわれるように、偶然に出会ったときの“ときめき” “ひらめき”または“インスピレーション”か。 イタリアへの旅行中に二人が偶然に出会う。 日本に帰ってからも会うことを約束するが、一向に愛が深まってゆかない。むしろ離れてゆく。 女性にはある理想像があるのだ。それは実像か虚像かは最後まで分からない。 女性の実像がぼやけてきた時には、男の心は離れている。女性はそれを必死に引き戻そうとするが、あとのまつりである。 最後には「どんでん返し」が待っているが、それは読んでの楽しみ。 この最後の「どんでん返し」については脚色をしているけれど、著者が小学校の時に、田舎であった本当の話である。 インターネットでは相変わらず、理想と現実との狭間で男女の相剋が繰り返されている。 著者は愛などというものは初めからはない、育てていくものだと思うが、どうだろうか。 各読者に聞いてみたい。
  • 私の職業はサラリーマンやくざです。
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    ごくごく普通の電気工事士のサラリーマンが仕事で知り合ったやくざの親分に気に入られて可愛がられ、その男気に惚れて入門してしまったのです。しかし一家は企業化し真っ当な家業をし、なんと「サラリーマンやくざ」だったのです。 そんな稼業にまつわる出来事とその男のプライベートな出来事のフィクションとノンフィクションのお話です。 殆どが本当のお話です。 最後にやくざの宿命という結末で終わります。
  • 私のママはニューハーフ
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    1巻440円 (税込)
    情が深くて働き者の“母”リリアンはお店のNo.1。娘は愛する人が残してくれた宝物。あなたにも読んでほしい哀しくてもハッピーなお話です。
  • んなアホなー
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    1巻550円 (税込)
    きっとあなたも「子ども」に戻りたくなる。 大阪を舞台に小学生の仲良し四人組がさまざまな人との出逢いや別れ、出来事を通して成長していく愉快、痛快、元気一杯の物語

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