小説 - 猫小説作品一覧

  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
    4.3
    〈ヒューゴー賞・ローカス賞受賞〉タイムトラベルで21世紀と19世紀を往復する史学生の男女の冒険を軽妙洒脱に描く話題作  人類はついに過去への時間旅行を実現した。その技術を利用し、オックスフォード大学は、第二次大戦中、空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂復元計画に協力している。史学部の大学院生ネッドは、大聖堂にあったはずの ""主教の鳥株"" を探せと計画の責任者レイディ・シュラプネルに命じられた。だが、21世紀と20世紀を何度も往復して疲労困憊、とうとう過労で倒れてしまった!? SFと本格ミステリを絶妙に融合させた話題作
  • 猫島ハウスの騒動
    3.5
    葉崎(はざき)半島の先、30人ほどの人間と100匹以上の猫がのんきに暮らす通称・猫島。その海岸で、ナイフが突き刺さった猫のはく製が見つかる。さらに、マリンバイクで海を暴走する男が、崖から降ってきた男と衝突して死ぬという奇妙な事件が! 二つの出来事には繋(つな)がりが? 猫アレルギーの警部補、お気楽な派出所警官、ポリス猫DCらがくんずほぐれつ辿り着いた真相とは?
  • 世界から猫が消えたなら
    3.8
    1巻682円 (税込)
    僕は生きるために、 消すことを決めた。 今日もし突然、 チョコレートが消えたなら 電話が消えたなら 映画が消えたなら 時計が消えたなら 猫が消えたら そして 僕が消えたなら 世界はどう変化し、人は何を得て、何を失うのか 30歳郵便配達員。余命あとわずか。 陽気な悪魔が僕の周りにあるものと引き換えに1日の命を与える。 僕と猫と陽気な悪魔の摩訶不思議な7日間がはじまった――― 消してみることで、価値が生まれる。 失うことで、大切さが分かる。 感動的、人生哲学エンタテインメント。 プリント版にはない、特別付録「SPECIAL PHOTOBOOK」付き。
  • 猫が見ていた
    3.4
    猫好きで鳴る人気作家7人が集結。 猫の小説7編を収録する文庫オリジナルのアンソロジー登場! 巻末には「猫小説オールタイム・ベスト」紹介も。 【収録作品】 「マロンの話」湊かなえ 「エア・キャット」有栖川有栖 「泣く猫」柚月裕子 「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」北村薫 「凶暴な気分」井上荒野 「黒い白猫」東山彰良 「三べんまわってニャンと鳴く」加納朋子 「猫と本を巡る旅 オールタイム猫小説傑作選」澤田瞳子
  • キャットフード
    3.6
    極上のキャットフードを作りたい――化けネコ・プルートは人肉ミンチの生産に乗り出した。コテージに見せかけた人間カンヅメ工場に誘(おび)き寄せられた四人の若者。が、その中に人間に化けた黒ネコ・ウィリーが混ざっていた。化けネコどうしの殺傷はご法度。一体どいつがネコなんだ!? 食われたくないなら、頭を絞れ!(講談社文庫)
  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷
    4.0
    1~2巻671~748円 (税込)
    ある日、若き研究者・和野和弥が帰宅すると、妻が猫になっていた。じつは和弥は、古き時代から続く蘆野原(あしのはら)一族の長(おさ)筋の生まれで、人に災厄をもたらすモノを、祓うことが出来る力を持つ。しかし一族の出でない妻が、なぜ猫などに? これは、何かが起きる前触れなのか? 同じ里の出で、事の見立てをする幼なじみの美津野泉水らとともに、和也は変わりゆく時代に起きるさまざまな禍(わざわい)に立ち向かっていく。
  • アルバムをひらく猫
    3.6
    高校卒業から20年。記念の同期会が近づき、ハリーたちは準備に奔走中。そんなある日、同期生たちに謎めいた手紙が届く。そこには「あなたは決して老いない」というメッセージのみが。単なるいたずらだと一笑に付すハリーだったが、賢いトラ猫のミセス・マーフィは不吉な予感を覚える。はたせるかな、在学中に人気者だった男が射殺される事件が起き、同期会には暗雲が……人間たちにはまかせられない! 動物探偵団始動!
  • 完全犯罪に猫は何匹必要か?
    3.5
    「招き寿司チェーン社長・豪徳寺豊蔵(ごうとくじとよぞう)が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫(うかいもりお)に愛猫の捜索を依頼した。その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。なぜか現場には巨大招き猫がおかれていて!? そこでは10年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた! 事件の鍵を握るのは“猫”? 本格推理とユーモアの妙味が、新しいミステリーの世界に、読者(あなた)を招く!

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  • 黒猫ルーイ、名探偵になる
    3.5
    あらゆる裏路地に通じ 夜の街を忍び歩く緑目の黒猫探偵、現る。 愛され続けるロングセラーシリーズ 猫コージーの代表格が、ついに邦訳! いかがわしい裏路地すらも、勝手知った自分の庭。 ラスベガスの裏社会ではちょっとした顔の黒猫ミッドナイト・ルーイは、 ひょんなことからブックフェアの会場で出版社社長の他殺体を嗅ぎつけた。 同じく死体につまずいて第一発見者となったのは、美人広報のテンプル・バー。 身体は小さいが頑張り屋の彼女を相棒(飼い主)に、黒猫探偵ルーイが犯人に迫る! 猫と本が事件の鍵を握る、コージーミステリ、シリーズ、第1弾。
  • くろねこルーシー 上
    4.0
    黒猫が鴨志田陽の前を横切った。 「今ので753回目……黒猫が横切ると不吉なことが起こる。そんな迷信信じたくないが、こうも多いと気にならないほうがおかしい……」 リストラから心機一転、浄水器のセールスを始めた陽だったが、全く売れずに、肩を落として歩いていると、目の前をまた違う黒猫が横切る。仕事もままならず、半同棲中の彼女から妊娠を告げられるも結婚に踏み切れない陽。 そんな中、父の七回忌がやってきた。陽の父はかつて「黒猫占い師」として話題になり、家族よりも黒猫とばかり過ごしていた。陽は、父も黒猫も大嫌いだった。七回忌を済ませ、実家の父の書斎でうたたねしていると二匹の黒い子猫が現われた。その二匹は、かつて父が飼っていた黒猫のルーとシーに似ていた……。 その二匹が、陽の人生に転機を与えることを、その時の陽はまだ知る由もなかった……。
  • 旅猫リポート
    4.6
    1巻1,257円 (税込)
    子供の頃から引越しを繰り返してきたサトルは、相棒猫ナナを連れて、懐かしい人々を訪ねる旅に出る。家業を継いだものの妻が家出中の幼馴染、今や立派な農業家となった中学時代の親友、高校・大学の同級生同士で結婚してペンションを営む友人カップル……行く先々で思い出を語る時間は、サトルとナナを迎える人々の胸の内にもささやかだが大切な変化を芽吹かせてゆく。旅の果てに1人と1匹が見る風景とは。現代最強のストーリーテラーが贈る、光あふれる傑作長篇!※本作品は文藝春秋、講談社で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。
  • 連れ猫
    3.9
    1巻1,320円 (税込)
    ソリチュード(いい孤独)とロンリネス(悪い孤独)。貰われる先々で二匹は、寂しさで破裂しそうなヒトという生き物を見つめる。恋人に暴力をふるうDV男、好きでもない男と契約結婚する女……。孤独の深淵に落ちないために自分を偽って生きる人もいれば、ひとりですっくと立って生きられる人もいる――二つの「孤独」から生きる真理を問いかける、長編小説。
  • 長靴をはいた猫
    3.7
    「赤頭巾ちゃん」にしても「眠れる森の美女」にしても、本来は血なまぐさくセクシャルで残酷な民話だった。ペローの童話はその味わいを充分に残しながら、一方では皮肉な人間観察や教訓をおりこみ、童話文学の先駆的作品となった。この残酷で異様なメルヘンの世界を、澁澤龍彦は流麗な訳文で、いきいきと甦らせた。大人も子供もともに楽しめる決定版童話集!

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  • ねこタクシー [上]
    4.1
    1~2巻712円 (税込)
    間瀬垣勤は、日本一人付き合いが苦手なタクシー運転手。 前職は中学教師。生徒とのコミュニケーション不全に耐えきれずに辞めた。同僚だった英語教師の真亜子と娘の瑠璃の3人暮らし。稼ぎも悪く、娘にもバカにされ、妻にも期待されていない。家で間瀬垣の居場所は年々無くなっていた。間瀬垣が仕事中にいつも時間を潰す小さな公園があった。今時見ない土管型の遊具のみが真ん中に置かれた、一日中日の当たらない空間。そこで間瀬垣は、運命的な出逢いをする。土管の中からじっと見つめる、何ともふてぶてしい目。でっぷり太ったおっさんのような猫。首輪には「御子神」と書かれていた。間瀬垣はそれから毎日その公園で御子神さんと会っているうちに、その何ともいえない風貌に心を奪われてしまう。そして、御子神さんと一緒にタクシー営業を始めることを思いつく……
  • 猫と庄造と二人のをんな
    4.3
    猫に嫉妬する妻と元妻、そして女より猫がかわいくてたまらない男が繰り広げる軽妙な心理コメディの傑作。安井曾太郎の挿画収載。同時併録は美女とペルシャ猫への愛を高らかにうたう未完の小品「ドリス」。

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  • ネコナデ[小説版]
    4.8
    「私が会社を辞めることになったのは二週間前に“ねこ”と出会ったことが原因だった。私はいつものように出勤し、いつものように仕事をする。人事部の部長である私に課せられた任務は“リストラ”を遂行すること。私の名前は『鬼塚汰朗』。ある会社の人事部長である―」一流企業の人事部長・鬼塚汰朗。職場にあっても家庭にあっても自分自身を厳しく律し、社員はおろか家族にさえ甘えを許さない。人生にやすらぎなど必要ないと考えていた。ある晩、鬼塚は立ち寄った公園で、捨てられた子ねこを見つける。ウルウルとしたその瞳。見つめ合う二人。気がつくと、鬼塚は子ねこを抱いて、自宅前に立ち尽くしていた…。癒しとは何か、生きるとは何か―がんばっている人すべてに贈る、笑いと感動の子ねこと中年の物語。
  • 猫鳴り
    3.8
    1巻550円 (税込)
    流産した哀しみの中にいる夫婦が捨て猫を飼い始める。モンと名付けられた猫は、夫婦や思春期の闇にあがく少年の心に、不思議な存在感で寄り添ってゆく。20年の歳月が過ぎ、モンは最期の日々を迎えていた。濃密な文章力で、生きるものすべての心の内奥を描き出した傑作。

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  • 猫は忘れない
    3.5
    飲み仲間のミーナから、旅行中の飼い猫の世話を頼まれた〈俺〉は、餌をやりに訪れたマンションで、冷たくなった彼女の死体と遭遇するはめに……映画「探偵はBARにいる」が大ヒット!超人気、話題沸騰の〈ススキノ探偵〉シリーズ
  • ねこばん
    3.0
    家を顧みず仕事一筋40年。無趣味で頑固な男・根本勲、60歳。鉄道員として見事定年退職まで勤め上げた彼だったが、いまは毎日家で留守番している。妻は毎日何処かへ出かけ、彼に残されたのは冷蔵庫のボードに書かれたメモだけ。しかし、「ちぎり絵・朝・納豆・卵」など、単語の羅列でなんともそっけない。仕事をしていた時には時間に追われていたが、いまは時間を持てあます日々。そんな勲が留守番をする家の庭には、毎日違う猫がフラっとやってくるのだった。猫と触れ合ううちに、その男は、生まれて初めての「癒し」を味わうことになる…。猫は「人」になつかず、「家」になつく。これはそんな「猫になつかれた家」の物語です。
  • 猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち
    4.2
    お見合い30連敗。冴えない容貌。でも天才。婚活中の弁護士・百瀬太郎は猫いっぱいの事務所で人と猫の幸せを考えている。そこに舞い込むさらなる難題。「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい」。笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー、堂々誕生! 満場一致で第一位、TBS・講談社ドラマ原作大賞受賞作。(講談社文庫)
  • 猫弁と透明人間
    4.1
    お人好しの天才弁護士・百瀬太郎の事務所は、ペット訴訟で放り出された猫でいっぱい。ある日“透明人間”から「ぼくはタイハクオウムが心配で、昼も眠れません」というメールが届く。婚約者と猫たち、依頼人たちの笑顔を守るため百瀬は今日も走る。絶好調ハートフル・ミステリー、早くも第2弾文庫化! (講談社文庫)
  • 猫弁と指輪物語
    4.1
    完全室内飼育のセレブ猫が妊娠した!? 天才弁護士・百瀬太郎のもとに大女優から奇妙な依頼が持ち込まれた。一体いつのまに? お相手は誰? そして婚約者との旅行当日にかかってきた、盟友を訴えたいとの電話。一生懸命に生きる人たちが抱えた悩みと迷い。誰もが幸せになれる「癒されるミステリー」第3弾開幕!
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    4.3
    「大きくなること、それは悲劇である」――この警句を胸に11歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指す。その名もリトル・アリョーヒン。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、自分の姿を見せずに指す独自のスタイルから、いつしか“盤下の詩人”と呼ばれ奇跡のように美しい棋譜を生み出す。架空の友人インディラとミイラ、海底チェス倶楽部、白い鳩を肩に載せた少女、老婆令嬢……少年の数奇な運命を切なく描く。小川洋子の到達点を示す傑作。
  • 百年戦争(上)
    3.0
    1~2巻662~705円 (税込)
    ネコに変身してしまった小学生清くんが飛び込んだのは、銀座ネコVS.築地ネズミの大戦争の真只中だった。清くんは三毛のオスとしてネコ軍団を率いることとなり、同級生秋子くんも加わって大騒動。どうやらネズミ軍団の長も同級生の変身した姿らしい。彼らの変身劇には世界的陰謀が隠されていて事態は急変! (講談社文庫)
  • ブランケット・キャッツ
    3.8
    1巻610円 (税込)
    2泊3日、毛布付き。レンタル猫が我が家にやってきた。リストラされた父親が家族のために借りたロシアンブルー、子どものできない夫婦が迎えた三毛、いじめに直面した息子が選んだマンクス、老人ホームに入るおばあちゃんのために探したアメリカンショートヘア――。「明日」が揺らいだ人たちに、猫が贈った温もりと小さな光を描く7編。

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  • ペルシャ猫の謎
    3.5
    「買いなさい。損はさせないから」話題騒然の表題作。「ペルシャ猫の謎」。血塗られた舞台に愛と憎しみが交錯する「切り裂きジャックを待ちながら」、名バイプレーヤー・森下刑事が主役となって名推理を披露する「赤い帽子」など、粒よりの傑作集。〈国名シリーズ〉第5弾、火村・有栖川の名コンビはパワー全開!
  • 三毛猫ホームズの運動会
    5.0
    素晴らしい青空の下、今日は警視庁の運動会。おなじみ片山義太郎も晴美も、石津も三毛猫ホームズも、ルンルン気分で参加している。だが、そこへ凶悪犯の山口がまぎれこんだから、運動会は大混乱。山口は、妻を死なせた吉田警部に復讐するため脱走してきたのだ! われらがホームズ、ネコ奮迅の大活躍! 三毛猫シリーズ初の短編傑作集。

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  • 三毛猫ホームズの感傷旅行
    4.0
    「トイレに行ってくるから、あの女を見張っててくれ」警視庁の片山は、顔見知りの刑事に見張りの代役を頼まれた。女は、二十四、五歳でなかなかの美人。……と、女は動き出し、仕方なく片山は後を追って列車に乗った。ところが、なんとその列車には、晴美や石津、ホームズまでが乗っていて……。大ヒットシリーズ、絶好調の傑作集!

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  • 三毛猫ホームズの恐怖館
    3.7
    三毛猫ホームズが、ガス爆発で危機一髪! 現場には女子高校生の死体が。娘の飼っていた黒猫は何を見た? 一方、女性恐怖症の片山刑事にラブレターを送りつけた女子高生も、背中を何者かに刺される。高校の〈怪奇クラブ〉の活動を背景に繰り広げられる謎また謎。――なつかしの怪奇映画を愛する著者ならではの、長編推理傑作!

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  • 三毛猫ホームズの恋占い
    3.6
    「あなたが、私の夫になる人です」警視庁の片山刑事は、駆け寄ってきた女子高生の言葉に絶句した。公園で殺人犯を張込み中、イチゴの絵のついた、可愛いハンカチを拾った直後のことだった。彼女は、占い師に「公園のベンチにハンカチを置いて、それを拾ってくれた人が、運命の人よ」と言われていたのだ! 表題作を始め、傑作六編を収録の超人気シリーズ!

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  • 三毛猫ホームズの推理
    4.0
    血を見ただけで卒倒する女性恐怖症の片山刑事が、あろうことか、女子大生殺害事件に取り組んで、女子大寮に張り込むハメとなった。第二の被害者・女子大教授が飼っていた三毛猫をひきとった片山は、このホームズが並みの猫ではないことに気がついた!――日本の小説界に旋風を巻き起こした人気シリーズの記念すべき第一作!

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  • 三毛猫ホームズのびっくり箱
    3.7
    「箱が人を殺したって?」大金持ちの桐永邸で真夜中に開かれた“未解決殺人二十周年記念パーティ”この奇妙なパーティに、片山義太郎、晴美、ホームズ、そして石津も招待され、二十年前の不可思議な事件に挑戦! 当時、密室で発見された死体の前には、空の箱があっただけというのだ……!? 超人気シリーズの傑作短編集!

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  • モノレールねこ
    3.8
    小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えてしまったが…。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現れる大切な人との絆を描いた8篇。
  • よるねこ
    3.3
    深夜の寄宿舎を徘徊し、出会った者の魂を奪うという巨大な青い猫の噂。どこにでもある「学校の怪談」のはずだったが、母は女学生時代にその猫を見たことがあるのだという…。平穏な日常に潜み、ふいにその姿をのぞかせる恐怖。その本質を描く、著者初のホラー短編集。一度読んだら一生夢に出てくる、そんな物語が詰まっています。本当の怖さを知りたい人だけ、読んでください。
  • 螺旋階段のアリス
    3.7
    脱サラして憧れの私立探偵になった中年・仁木順平。そこへ謎のロリータ美少女・安梨沙(ありさ)が押しかけ、助手として雇うことに。「亡夫が自宅に隠した貸金庫のカギを探して」「自分が浮気していないという調査を」「妻からお使いを頼まれる理由を知りたい」…二人への依頼は、そんな日常の珍事件ばかりだが、その裏には人間の業が深く関係する“真実”が! トランプの女王、チェシャ猫、白の騎士…『アリス』をモチーフに描くおとぎの国の連作ミステリ。
  • 吾輩は猫である
    4.1
    中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。

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  • 『吾輩は猫である』殺人事件
    4.0
    「吾輩は猫である。名前はまだ無い」この一行に、大きな謎が仕組まれていたとは―。上海の街に苦沙弥先生殺害の報せが走り、猫の「吾輩」はじめ、おなじみ寒月、東風、迷亭に三毛子、さらには英国猫のホームズやワトソン、シャム猫の伯爵など、集まった人が、猫が入り乱れ、壮大な野望と謀議が渦を巻く。卓抜な模写文体とロマンで、日本文学の運命を変えた最強のミステリー。

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  • 吾輩も猫である
    3.0
    吾輩も猫である。名前は小次郎という――夏目漱石の『吾輩は猫である』から百年、同書をこよなく愛する著者が、愛猫四匹と暮らす日常を主人公の小次郎の視点から描いた長篇小説。日常雑感のような体裁をとりながら、古今東西の名作についての考察や現代文明批評まで、その話題は幅広く、深い。主人である元新聞記者とはむろん著者がモデルだが、その知的生活の一端がうかがえる教養小説の趣もある。小次郎の名前は、主人の愛読書『宮本武蔵』の佐々木小次郎から命名されたもの。武蔵・伊織・大和ら他三匹の猫と暮らす小次郎は、主人やその家人、個性豊かな訪問客の面々の会話や特徴を、ウイットに富んだ眼で観察し、ユーモラスに語る。肩の凝らない読み物として、また猫好きの人には猫たちの愛らしい挙措とややシニカルな語り口が、楽しい作品に仕上がっている。かわいい猫の挿画との相性も絶妙。ふだん小説は読まないという人にも、ぜひおすすめしたい好著。

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