小説 - 創元推理文庫作品一覧
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5.0新町長シーリア就任のせいで、シンフルの町はいまだ落ち着かない。長年、行方不明だったシーリアの怪しい夫も現われ、不穏さは増すばかり。そんななか、ハリケーンが襲来、困難な状況をあまたくぐり抜けてきたフォーチュンも、自然災害にはお手上げだ。なんとかやり過ごしてほっとしたのもつかの間、嵐はとんでもない置き土産を残していっていた……。今度は、偽札に殺人?! フォーチュンに公私ともども最大級の危機が迫る! 型破りすぎな老婦人ふたりの助けを借りて、フォーチュンは町と自分の窮地を救えるか? 好評〈ワニ町〉シリーズ第7弾!/解説=柿沼瑛子
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4.21955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけて転落したのか、あるいは……。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。燃やされた肖像画、屋敷への空巣、謎の訪問者、そして第二の無惨な死。病を得て、余命幾許もない名探偵アティカス・ピュントの推理は――。現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!
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4.3
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3.9マイスター・ホラを名乗る者の声に導かれ、2018年から1960年にタイムトラベルした加茂。瀕死の妻を救うためには、彼女の祖先である竜泉家の人々が殺害され、さらにその後土砂崩れにより一族のほとんどが亡くなった『死野の惨劇』の真相を解明し、阻止しなくてはならないのだという。惨劇が幕を開けた竜泉家の別荘で加茂に立ちはだかるのは、飾られていた絵画『キマイラ』に見立てたかのような不可能殺人の数々だった。果たして彼は、竜泉家の一族を呪いから解き放つことができるのか。今最も注目される本格ミステリの書き手が放つ、鮮烈なデビュー作! 第29回鮎川哲也賞受賞作。/解説=辻真先
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3.8
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4.5第二次大戦下のロンドン。テムズ川で、鍵のかかったカメオ付きのブレスレットをつけた女性の遺体が発見された。金庫破りのエリーは、軍情報部のラムゼイ少佐の依頼でその鍵を解錠する。カメオから見つかったものと女性が毒殺されていたことから、彼女はスパイ活動にかかわっていたと判明。エリーは少佐に協力し、殺人事件の謎と、死んだ女性の背後にいると思しきドイツのスパイを探りだすことに。手がかりは、女性が隠し持っていた宝石と、小さな時計の巻き鍵だけ――。凄腕の金庫破りと堅物の青年少佐、正反対のふたりを描く人気シリーズ第2弾!/解説=大矢博子
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-一一八三年、源氏の木曾義仲軍が平家を破って都入りした。しかし、平清盛の異母弟・平頼盛は都落ちした一門と決別し、都に留まっていた。そんな頼盛は、彼を知恵者と聞いた義仲に「首がない五つの屍から恩人の屍を特定してほしい」と依頼され……。第15回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛」ほか全5編。清盛が都に放った童子は、なぜ惨殺されたのか? 遠く離れた場所にいたはずの大姫が、父・源頼朝の話の内容を言い当てられた秘密とは? 平清盛や源頼朝などの権力者たちと対峙しながら、推理力を武器に生き抜いた頼盛の生涯を描く連作集。/【目次】禿髪(かぶろ)殺し/葵前(あおいのまえ)哀れ/屍実盛(かばねさねもり)/弔千手(とむらいせんじゅ)/六代(ろくだい)秘話/あとがき/参考文献/解説=細谷正充
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3.9
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4.2ヘレナ・フレミングは憂鬱だった。家族で引っ越してきたシェトランド本島の家の納屋で、まえの持ち主が首吊り自殺を遂げて以来、何者かが敷地に侵入し、謎めいた紙片をあちこちに残していくのだ。たまりかねてジミー・ペレス警部を訪れ相談をした翌日、同じ納屋で今度は女性の首吊り死体が発見される。彼女は島の旧家モンクリーフ一家の子守りだった。ふたつの死に関連はあるのか? ペレスは上司のウィローや部下のサンディとともに捜査に当たる……CWA最優秀長編賞受賞作『大鴉の啼く冬』から始まったペレス警部シリーズ、感慨無量の最終巻。/解説=古山祐樹
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4.2高校生のピップは、友人のコナーから失踪した兄の行方を探してくれと依頼される。兄のジェイミーは、2週間ほど前から様子がおかしかったらしい。コナーの希望で、ピップはポッドキャストで調査の進捗を配信し、リスナーから手がかりを集めていく。関係者へのインタビューやSNSなども丹念に調べることで、少しずつ明らかになっていく、失踪までのジェイミーの行動。ピップの類い稀な推理が、事件の恐るべき真相を暴きだす。年末ミステリランキング第1位『自由研究には向かない殺人』続編。この衝摯の結末を、どうか見逃さないでください!/解説=阿津川辰海
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4.0栗栖川亜理はここ最近、不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。ある日、ハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見た後、亜理が大学に行くと、玉子という綽名の博士研究員が校舎の屋上から転落して死亡していた。グリフォンが生牡蠣を喉に詰まらせて窒息死した夢の後には、牡蠣を食べた教授が急死する。夢の世界の死と現実の死は繁がっているらしい。不思議の国で事件を調べる三月兎と帽子屋によって容疑者に名指しされたアリス。亜理は同じ夢を見ているとわかった同学年の井森とともに冤罪を晴らすため真犯人捜しに奔走するが……邪悪なメルヘンが彩る驚愕の本格ミステリ。/解説=澤村伊智
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3.8ミステリが大好き、クリスティが大好きなアリシアとリネットの姉妹が出した読書会──ブッククラブのメンバー募集の告知に応えてきたのは、古着ショップの女性オーナー、毒薬ミステリ好きの医師、平凡な主婦、図書館員の女性に博物館勤務のゲイの男性といった面々。はじまりは順調だったが、二回目の読書会で早くもトラブルが。主婦のバーバラが会場に現われなかったのだ。どうやら前日から家にも帰っていないらしく、事件に巻きこまれたのかもしれない。アリシアはブッククラブのメンバーの協力のもと、彼女をさがし始めるが……。〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉シリーズ開幕。
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3.9「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店、パティスリー・コギ・アネックス・ルリコに行って新作マカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか。それ以前に、四種の中で増えたマカロンはどれか。「ぼくが思うに、これは観察力が鍵になる」小鳩君は早速思考を巡らし始める……。心穏やかで無害で易きに流れる、誰にも迷惑をかけない小市民になるべく互恵関係を結んだあのふたりが帰ってきました! お待ちかねシリーズ十一年ぶりの新刊、四編収録の作品集登場。/【収録作】「巴里マカロンの謎」/「紐育チーズケーキの謎」/「伯林あげぱんの謎」/「花府シュークリームの謎」
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3.8第二次世界大戦下のロンドン。錠前師のおじを手伝うエリーは、生活のために裏の仕事として金庫破りをしている。だがある日、その現場を陸軍のラムゼイ少佐に押さえられてしまう。少佐は諜報作戦上の重要な文書を回収し別のものと入れ替えるため、投獄されたくなければ、ある屋敷の金庫を解錠しろと命令する。エリーが少佐と屋敷に侵入すると、金庫のそばには他殺体があり、文書が消えていた。エリーは少佐に協力して、殺人を犯し文書を持ち去った容疑者を探ることに。凄腕の女性金庫破りと堅物の青年将校、正反対のふたりの波瀾万丈な活躍譚!/解説=上條ひろみ
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3.9『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。傑作『メインテーマは殺人』『その裁きは死』に並ぶ、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!/解説=若林踏
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-「……被告は良心の呵責もなく、情け容赦なく、いともたやすく人の命を奪った……」ビル・ホルトは冷酷な殺人犯として投獄された。不倫相手の女性を殺害し、さらにその二週間後、事件の手がかりをつかんだと思しき私立探偵をも、計画的に殺害したとして。状況証拠は完璧としか言いようがなかったが、彼は無実だった。十六年後、仮釈放を認められたホルトは、復讐を誓い、真犯人を捜し始める。自分を陥れたのは誰だったのか? 次々に浮かび上がる疑惑と目眩く推理。そして、最終章で明かされる驚愕の真相! 現代本格ミステリの旗手、衝撃の出世作。/解説=法月綸太郎
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3.9「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは探偵ダニエル・ホーソーンにこう告げた。翌週、ロンドンの劇場でわたしの戯曲『マインドゲーム』の公演が始まる。初日の夜、劇評家の酷評を目にして落胆するわたし。翌朝、その劇評家の死体が発見された。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!/解説=三橋曉
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4.0超凄腕CIA秘密工作員のわたしは、潜入任務でちょっぴり派手に暴れたせいで、狙われる身となり一時潜伏を命じられる。ルイジアナの田舎町シンフルで、“元ミスコン女王の司書で趣味は編みもの”という、自分とは正反対の女性になりすましつつ静かに暮らすつもりが、到着するなり保安官助手に目をつけられ、住む家の裏の川で人骨を発見してしまう。そのうえ町を仕切る老婦人たちに焚きつけられ、ともに人骨事件の真相を追うことに……。人口三百に満たない町でいったい何が起きている? アメリカ本国で大人気、型破りなミステリ・シリーズ第一弾。
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4.3平穏な家庭に育ち、26年間大きな恐怖に襲われたことがなかった会社員・友安小輪の生活は、ある日を境に一変した。恋人と同棲するアパートに突然謎の老人が現われ、執拗ないやがらせを始めたのだ。恋人は不自然に萎縮し、交番の警官はまともに取り合おうとしない。一方、都内に住む若夫婦が老人に襲撃され、夫は過剰殺傷の末に死亡、妻が攫われるという事件が起きる。幼い頃に姉を殺害されたことがきっかけで刑事になった“事件マニア”の佐坂湘は、くせ者ながら優秀な警視庁捜査一課の捜査官・北野谷輝巳と組み、妻の行方を追うが……。老人による不可解な犯罪、その先に待つ衝撃の結末とは。戦慄のサイコサスペンス。/解説=古山裕樹
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3.8
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4.0夏休みの最中の8月4日、向坂香織たち風ヶ丘高校新聞部の面々は、取材で横浜市内の穴場スポットである、丸美水族館に繰り出した。館内を館長の案内で取材していると、B棟の巨大水槽の前で驚愕のシーンを目撃。な、なんとサメが飼育員と思われる男性に食らいついている! 駆けつけた警察が関係者に事情聴取していくと、容疑者は11人にもおよぶことに。しかも、それぞれに強固なアリバイが……。袴田刑事は、しかたなく妹の柚乃へと連絡を取った。あのアニメオタクの駄目人間・裏染天馬を呼び出してもらうために。“若き平成のエラリー・クイーン”が、今度はアリバイ崩しに挑戦。/解説=飯城勇三
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3.8「ちょっと待ってほしいのだが」私はトムという名の猫に話しかけた。猫に喋りかけていること自体、眩暈を覚える思いだったが致し方ない。前には猫がおり、自分は身動きが取れず、しかもその猫が私に理解できる言葉を発しているのは事実なのだ。目を覚ましたら見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」――伊坂幸太郎、十冊目の書き下ろし長編は、世界の秘密についてのおはなし。野心的傑作。/解説=松浦正人
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4.3大学入学直前のピップに、ストーカーの仕業と思われる不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話や匿名のメールが届き、首を切られたハトが家の敷地で見つかったり、私道にチョークで頭のない棒人間を描かれたり。調べた結果、6年前の連続殺人との類似点に気づく。犯人は逮捕され服役中だが、ピップのストーカーの行為は、この連続殺人の被害者に起きたこととよく似ていた。ピップは自分を守るため調査に乗りだす。――この真実を、誰が予想できただろう? 『自由研究には向かない殺人』から始まった、ミステリ史上最も衝撃的な三部作完結!/解説=吉野仁
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4.2その日、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子を含む九人が、人里離れた班目機関の元研究施設“魔眼の匣”を訪れた。その主であり、予言者として恐れられている老女は、来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。施設と外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ちた後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。残り48時間、二人の予言に支配された匣のなかで、葉村と比留子は生き残って謎を解き明かせるか?! ミステリ界を席捲した『屍人荘の殺人』シリーズ第2弾。/解説=大山誠一郎
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4.3ワイオミング州猟区管理官の職を辞したジョー・ピケットは、ルーロン知事の意向で現場に復帰していたが、新たな任務を与えられる。巨大製薬会社の跡取りスコギンズが失踪し、FBIは、州の辺境に住む富豪テンプルトンが前々から暗殺業を営んでおり、スコギンズを標的にしたのではと疑っていた。さらにスコギンズ失踪の前後、ジョーの友人のネイトらしき男が近くで目撃されていた。ジョーは知事の指令でFBIに協力し、テンプルトンの本拠地へ情報収集に赴くが……。ジョーがネイトと敵対!? 全米ベストセラーの冒険サスペンス・シリーズ!/解説=三橋曉
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4.4ワイオミング州の猟区管理官ジョー・ピケットの知人で、工務店経営者ブッチの所有地から、2人の男の射殺体が発見された。殺害されたのは合衆国環境保護局の特別捜査官で、ブッチは同局から不可解かつ冷酷な仕打ちを受けていた。逃亡した容疑者ブッチと最後に会っていたジョーは、彼の捜索作戦に巻きこまれ……。大自然を舞台に展開される予測不可能な追跡劇の行方と、事件に隠された巧妙な陰謀とは。手に汗握り、一気読み間違いなしの大迫力冒険サスペンス! 全米ベストセラー作家が贈る大人気〈猟区管理官ジョー・ピケット〉シリーズ新作登場。
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3.628歳のポールの特徴は“平凡すぎる”顔だ。わけあって無職のまま、ボランティアで病院を訪れて、彼を自分の息子や甥と思いこんだ老人たちを癒す日々を送っている。ある日、末期ガンの老人を見舞うと、錯乱した彼に誰かと間違われてナイフで肩を刺されてしまう。老人は亡くなり、警察は恐ろしい事実に気がついた。彼は悪名高いギャングで、有名な誘拐事件の関係者だったのだ。警察に衝撃が走る一方、ポールは爆弾で命を狙われ、さらに……。身を守るには逃げながら誘拐事件の真相を探るしかない!? 巧みな構成が光るノンストップ・ミステリ!
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4.4ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットの盟友ネイトのもとへ、連邦政府の秘密組織の男たちが人質を取って現れた。彼らは政府に追われているネイトの容疑を抹消することと引き換えに、ある任務を依頼した。州南部の砂漠地帯で大規模テロを計画している可能性がある、駐米サウジアラビア大使の息子の動静を探れ、と。ネイトは引き受けざるを得なかったが、この件には何か裏がありそうで……。一方のジョーも、ネイトが失踪したという情報を受けて、砂漠地帯へと向かう。不毛の荒地を舞台に、大迫力のアクションが繰り広げられる冒険サスペンス!/解説=堂場瞬一
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4.1風ヶ丘高校の旧体育館で、放送部部長の少年が何者かに刺殺された。放課直後で激しい雨が降り、現場は密室状態だった!?早めに授業が終わり現場体育館にいた唯一の人物、女子卓球部の部長の犯行だと、警察は決めてかかるが……。死体発見現場にいあわせた卓球部員・柚乃は、嫌疑をかけられた部長のために、学内随一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。内緒で校内に暮らしているという、アニメオタクの駄目人間に――。しかしなぜ彼は校内に住んでいるのだろう?“平成のエラリー・クイーン”が単行本版より大幅改稿で読者に挑戦!第22回鮎川哲也賞受賞作。/解説=辻 真先
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-被害者は、2月5日、火曜日の午後4時5分に空から降ってきた。喉には無惨な切り傷。落下してきたと思われたその男のフラット5階、バルコニーのある部屋は無人で、しかも玄関ドアは内側から釘と板で封じられていた。この不可解な密室殺人に臨むのは、サセックス警察のテス・フォックス警部補。彼女はしかし、被害者の名を知って愕然とする。その男は15年前、妹セアラを救うために罪を犯したあの夜の関係者だった。詐欺師として自分と正反対の世界で生きる異母妹を救うために……。意外な展開を見せる事件に姉妹が挑む、新シリーズ開幕!
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4.5猟区管理官ジョー・ピケットの養女エイプリルが、意識不明の状態で発見された。頭を殴られ、道端に置き去りにされていたのだ。エイプリルはロデオ・カウボーイのダラスと駆け落ちしていたが、彼はかつて少女に暴行した疑惑があり、ジョーは交際に反対していた。だがダラスの両親から、彼は大怪我をして実家に戻っており、無関係だと言われてしまう。ジョーはダラスを疑いながらも、犯人を探しだそうとするが。一方、FBIから釈放された盟友ネイトにも危機が迫っていた。悪辣な人間と大自然の脅威に挑む猟区管理官を描いた、大人気シリーズ最新作!
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4.1【ミステリランキング驚異の4冠! シリーズ累計50万部!!】《映画原作 2019年12月13日(金)全国東宝系にて公開 監督:木村ひさし 脚本:蒔田光治 出演:神木隆之介 浜辺美波 中村倫也ほか》神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通う探偵少女、剣崎比留子とともに曰くつきの映画研究部の夏合宿に参加することに。合宿初日の夜、彼らは想像だにしなかった事態に遭遇し、宿泊先の紫湛荘に立て籠りを余儀なくされる。全員が死ぬか生きるかの極限状況のもと、映研の一人が密室で惨殺死体となって発見されるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。――たった一時間半で世界は一変した。究極の絶望の淵で、探偵たちは生き残り謎を解き明かせるのか?! 予測不可能な奇想と破格の謎解きが見事に融合する、第27回鮎川哲也賞受賞作。/解説=有栖川有栖
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4.1
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3.8あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。姉のコンスタンスといっしょに、他の家族が皆殺しにされたこの屋敷で、ずっと暮らしている……。惨劇の起きた資産家一族の生き残り。村人から忌み嫌われ、外界との交流も最低限に止める彼女たちは、独自のルールを定めて静かな生活を送っていた。しかし従兄チャールズの来訪をきっかけに、美しく病んだ箱庭世界は大きな変化をむかえる。“魔女”と称された異色作家が、超自然的要素を排し、無垢な少女の視点から人間心理に潜む悪意が引き起こす恐怖を描く代表作。/解説=桜庭一樹
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3.8“これから起こる殺人”を通報してきた男に翻弄され、不可能犯罪の謎に挑む刑事を描いた「死の警告」。『シカゴ・ブルース』で忘れがたい印象を残した青年探偵エドとアムおじが活躍する「女が男を殺すとき」「消えた役者」。検死局で起きた不可解な死体損壊事件「球形の食屍鬼(グール)」。稼ぎの10パーセントと引き換えに、ある男に自分のマネジメントを任せた俳優志望の青年の数奇な物語「死の10パーセント」など、本邦初訳3作を含む全13編。謎解きミステリ、〈奇妙な味〉等、『短編ミステリの二百年』の編者が選りすぐった多彩な名作短編のフルコース!/【目次】序文――フレッド・ブラウンを思い起こして=ウィリアム・F・ノーラン/5セントのお月さま/へま/女が男を殺すとき/消えた役者/どうしてなんだベニー、いったいどうして/球形の食屍鬼(グール)/フルートと短機関銃のための組曲/死の警告/愛しのラム/殺しのプレミアショー/殺意のジャズソング/死の10パーセント/最終列車/編者解説=小森収
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3.5世の中には、夜になっても鍵をかけない家があるのを知ってる?──シカゴの高校に通う黒人の少女ボーは、卒業を機にこの街を出ると決めていた。絵の才能を活かし、盗みも撃ち合いもないどこか遠くへ行くのだ。そんな十六歳の冬、姉のカティアが不法侵入の疑いで警官に射殺された。外の安全な世界に憧れ、ボーに語り聞かせてきた姉が、犯罪に手を染めるはずがない。ボーは姉の無実を証明するため、現場から消えた姉の恋人を自ら探しはじめる。少女のひたむきな調査行と姉妹の絆が胸を打つ、アメリカ探偵作家クラブ賞最終候補作!/解説=吉野仁
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3.7ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父ローレントに、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たちが顔を揃える中、殺人劇の幕が上がる。いま最も注目を集める俊英が渾身の力で放ち絶賛を浴びた、魔術と剣と謎解きの巨編。第64回日本推理作家協会賞受賞ほか、各種年末ミステリ・ランキングで上位を総なめにした、俊英渾身の本格推理巨編。
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3.9かつてはナチの残党を、現在は独裁者や犯罪者を標的としてきた暗殺組織〈美術館〉。社会に害を為す人物の抹殺に40年を捧げてきた60歳のビリーたち女性暗殺者4人は、引退の日を迎えた。それを記念するカリブ海クルーズに出かけたが、彼女たちを殺すため、組織から刺客が送り込まれたと判明する。生き延びるには、知恵と暗殺術を駆使して組織に反撃するしかない。もはや若くはない肉体と輝かしくもほろ苦い思い出を抱え、ビリーたちは殺すか殺されるかの危険な作戦を練りはじめる──。MWA賞候補作の著者が贈る、極上のエンターテインメント!/解説=村上貴史
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4.2高名な博物学者のサンダリーによる大発見、翼のある人類の化石。だがそれが捏造だとの噂が流れ、サンダリー一家は世間の目を逃れるように島へ移住する。だが噂は島にも追いかけてきた。そんななかサンダリーが謎の死を遂げ、父の死因に疑問を抱いた娘のフェイスは密かに調べ始める。父が遺した奇妙な手記、嘘を養分に育ち真実を見せる実をつけるという不思議な木、フェイスは真相に辿り着くことができるのか。19世紀イギリスを舞台に、時代の枷に反発し真実を追い求める少女を生き生きと描いた、コスタ賞大賞・児童書部門賞ダブル受賞の傑作。
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4.0
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3.7人間の裡に潜む不気味なものを抉り出し、独特の乾いた筆致で書き続けたシャーリイ・ジャクスンは、強烈な悪意がもたらす恐怖から奇妙なユーモアまで幅広い味わいの短編を手がけたことでも知られている。死後に発見された未出版作品と単行本未収録作を集成した作品集Just an Ordinary Dayより、現実と妄想のはざまで何ものかに追われ続ける女の不安と焦燥を描く「逢瀬」、魔術を扱った中世風暗黒ゴシック譚「城の主」、両親を失なった少女の奇妙な振るまいに困惑する主婦が語る「『はい』と一言」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編を付す。本邦初訳作多数。/収録作=「序文 思い出せること」「スミス夫人の蜜月(バージョン1)」「スミス夫人の蜜月(バージョン2)――新妻殺害のミステリー」「よき妻」「ネズミ」「逢瀬」「お決まりの話題」「なんでもない日にピーナツを持って」「悪の可能性」「行方不明の少女」「偉大な声も静まりぬ」「夏の日の午後」「おつらいときには」「アンダースン夫人」「城の主」「店からのサービス」「貧しいおばあさん」「メルヴィル夫人の買い物」「レディとの旅」「『はい』と一言」「家」「喫煙室」「インディアンはテントで暮らす」「うちのおばあちゃんと猫たち」「男の子たちのパーティ」「不良少年」「車のせいかも」「S・B・フェアチャイルドの思い出」「カブスカウトのデンで一人きり」「エピローグ 名声」
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4.1独立記念日を迎えたシンフルの町。だがアイダ・ベルとガーティの宿敵シーリアが新町長の座につくなり、保安官を解任する暴挙に出たとあっては、フォーチュン含めた三人は祝賀ムードではいられない。そんなとき、湿地で爆発が発生。密造酒の製造所での事故かと思いきや、現場の建物で作られていたのは覚醒剤だと判明する。爆発の巻き添えで友人が負傷してしまい怒りに燃えるアイダ・ベルたちと手に手を取って、フォーチュンは悪党探しにまっしぐら……CIAスパイ&おばあちゃんズの活躍はますますヒートアップ! 〈ワニ町〉シリーズ第6弾!/解説=池澤春菜
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3.9
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3.8ふたりの探偵の目前にいて、しかも彼らの目に留まらなかった姿なき殺人者とは? 首輪に「われこそは殺されし男の犬なり」というメモが挟まれていた、毛むくじゃらの犬の秘密とは? 身代金誘拐事件に巻き込まれた保険外交員の運命は? 札束をたっぷり蓄えた老人の家に猛犬がいるのを知った悪党の計画とは? 奇抜な発想と意外な結末が光る短編10作と、殺人で終身刑になった男の無実を証明すべく奮闘する刑事を描いた名作中編「踊るサンドイッチ」を収録。『真っ白な嘘』に続く短編ミステリの魅力あふれる傑作集。『復讐の女神』改題新訳版。/【収録作】毛むくじゃらの犬/生命保険と火災保険/ティーカップ騒動/よい勲爵士(グッド・ナイト)によい夜(グッド・ナイト)を/猛犬に注意/さまよえる少年/姿なき殺人者/サタン一・五世/象と道化師/不吉なことは何も/踊るサンドイッチ/解説=村上貴史
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3.6雪嵐の日、ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年ほど前、もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な殺人が登場する犯罪小説8作を選んで、ブログにリストを掲載していた。ミルン『赤い館の秘密』、クリスティ『ABC殺人事件』、ハイスミス『見知らぬ乗客』、アイルズ『殺意』……。捜査官によると、そのリストの“完璧な殺人”の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従って殺しているのか? 著者のミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作長編!/解説=千街晶之
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4.0長閑な夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で一発の銃声が轟いた。死んだのは、オーストラリアから15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄ロバート。死体を発見したのは館の管理を任されているマークの従弟ケイリーと、館に滞在中の友人を訪ねてきた青年ギリンガムだった。発見時の状況から一緒にいたはずのマークに疑いがかかるが、肝心のマークの行方は杳として知れない。興味を惹かれたギリンガムは、友人ベヴァリーをワトスン役に、事件を調べ始める。『クマのプーさん』で有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説、新訳決定版。/解説=加納朋子
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3.7
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4.11944年6月、ノルマンディー降下作戦が僕らの初陣だった。特技兵(コック)でも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ。新兵ティムは、冷静沈着なリーダーのエドら同年代の兵士たちとともに過酷なヨーロッパ戦線を戦い抜く中、たびたび戦場や基地で奇妙な事件に遭遇する。忽然と消え失せた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件、塹壕戦の最中に聞こえる謎の怪音――常に死と隣あわせの状況で、若き兵士たちは気晴らしのため謎解きに興じるが。戦場の「日常の謎」を連作形式で描き、読書人の絶賛を浴びた著者初の長編ミステリ。【目次】プロローグ/第一章 ノルマンディー降下作戦/第二章 軍隊は胃袋で行進する/第三章 ミソサザイと鷲/第四章 幽霊たち/第五章 戦いの終わり/エピローグ/主要参考文献ほか/解説=杉江松恋
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3.9
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4.32001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃発する。太刀洗はジャーナリストとして早速取材を開始したが、そんな彼女を嘲笑うかのように、彼女の前にはひとつの死体が転がり……。「この男は、わたしのために殺されたのか? あるいは――」疑問と苦悩の果てに太刀洗が辿り着いた痛切な真実とは? 『さよなら妖精』の出来事から十年の時を経て、太刀洗万智は異邦でふたたび、自らの人生を左右する大事件に遭遇する。/解説=末國善己
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4.3死神から与えられた余命十五秒をどう使えば、「私」は自分を撃った犯人を告発し、かつ反撃できるのか? 被害者と犯人の一風変わった攻防を描く、第12回ミステリーズ!新人賞佳作「十五秒」。犯人当てドラマの最終回、エンディング間際で登場人物が前触れもなく急死した。テレビの前を離れていた十五秒間に、一体何が起こったのか? 過去のエピソードを手掛かりに当ててみろと、姉から挑まれた弟の推理を描く「このあと衝撃の結末が」。トリッキーな状況設定で起きる四つの事件の真相を、あなたは見破れるか? 衝撃のデビュー作品集。/【目次】十五秒/このあと衝撃の結末が/不眠症/首が取れても死なない僕らの首無殺人事件/あとがき/解説=千街晶之
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3.8『体育館の殺人』の衝撃のデビューから10年。“平成のエラリー・クイーン”と称された青崎有吾は、短編の書き手としても高い評価を獲得し、作品の幅を広げ続けている。JR福知山線脱線事故を題材にした人間ドラマ「加速してゆく」、全面ガラス張りの屋敷で起きた不可能殺人の顚末「噤ヶ森の硝子屋敷」、観測不能な最強の姉妹を追う女たちの旅路「恋澤姉妹」、奇妙な刑務所に囚われた男たちの知力を尽くした挑戦を描く力作書き下ろし「11文字の檻」に、人気コミックのトリビュート作やショートショートまで、10年の昇華である全8編を収録。/【目次】まえがき/加速してゆく/噤ヶ森の硝子屋敷/前髪は空を向いている/your name/飽くまで/クレープまでは終わらせない/恋澤姉妹/11文字の檻/著者による各話解説
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3.8
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4.2パスタを一本つまみ上げ、噛んでみる。まだ少し早い。水洗いしてボウルに入れておいたレタスに手を伸ばそうとしたとき、金属音と、それに続いて重いものが屋根を転がり落ちていく音が聞こえた。誠が屋根から落ちたのだ。もう少し待ってくれてもいいじゃないの、パスタが無駄になっちゃうわ。いつも間が悪いんだから――夫の“事故死”をめぐり、一見おっとりした妻の中本さゆりと福家警部補が熾烈な心理戦を繰り広げる「上品な魔女」ほか三編を収録。類稀な洞察力を駆使して容疑者たちと対峙する警察官名探偵の活躍を描き、現代の倒叙ミステリを代表するシリーズに成長した〈福家警部補の事件簿〉第五集。/【目次】是枝哲の敗北/上品な魔女/安息の場所/東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き/解説=小出和代
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4.0ボーディはミズーリ州の田舎町で暮らす15歳の少年。父を亡くし母親と淋しい日々を送っている。高校に馴染めず、友達は一人もいない。静かすぎるその町で、最近大事件が起きた。町最大の企業〈ライク工業〉に勤める黒人女性が、不審な失踪を遂げたのだ。そんなとき、ボーディが慕う隣人ホークを保安官が訪ねてくる。女性は実はホークの知人で、ふたりのあいだには噂があったという。思いがけない事件が、ボーディの日常に不穏な影を落とす―。現実に悩みつつ、少年は鮮やかに成長する。『償いの雪が降る』の著者が贈る、心震える青春ミステリ!/解説=古山裕樹
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3.5巨大なアルファベットのオブジェが散在する屋敷『アルファベット荘』。岩手県の美術商が所有するその屋敷には、オブジェの他に『創生の箱』と呼ばれる関わったものは死に至るという箱もあった。雪が舞う12月のある日、そこで開かれるパーティに10人の個性的な面々が集う。しかし主催者は現れず、不穏な空気が漂う中、夜が明けると『創生の箱』に詰められた死体が現れて――。売れない役者、変人にして小劇団の看板女優、そして何も持たない探偵が、奇妙な屋敷の幻想的な事件を解き明かす! 当代きってのトリックメーカー・北山猛邦の、長らく入手困難だった初期長編が待望の復刊!
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3.5住宅地の高台に建つA女学院――クリイム色の壁に赤い屋根の建物があって、その下に小さな部屋が出来ていた。屋根裏と云った方がいいそこがニシ・アズマ女史のお気に入りの場所だった。ちっぽけな窓から遠くの海を眺め、時には絵を描いたりもしたが、じつは誰にも妨げられずに午睡ができるからだった。だが、好事魔多し。そんな彼女の愉しみを破るような事件が相次ぐ。そしてニシ先生が太い赤縁のロイド眼鏡を掛けると、名探偵に変身するのだ。飄飄とした筆致が光る短編の名手の連作推理。/【収録作】「指輪」/「眼鏡」/「黒いハンカチ」/「蛇」/「十二号」/「靴」/「スクェア・ダンス」/「赤い自転車」/「手袋」/「シルク・ハット」/「時計」/「犬」/あとがき/解説=新保博久
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4.0普段は頭の切れる理系の大学院生なのに、夢の中では不思議の国の間抜けな“蜥蜴のビル”になってしまう青年・井森は、ある日の夢の中で、なぜか砂漠を彷徨っていた。干からびる寸前の彼を救ったのは、案山子とブリキの樵とライオンを連れた、ドロシイと名乗る少女だった。オズの国に住む彼女たちは、不思議の国へ帰る方法を探すビルをひとまずエメラルドの都へと連れていくことにする。だが、オズの国の支配者・オズマの誕生パーティーで盛り上がる宮殿内で殺人事件が発生し、井森が暮らす現実世界でも相似形をなす死亡事故が起きる。狂気の王国で起きる死の連鎖の恐るべき真相とは?/解説=小出和代
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3.8奇妙な生き物やアリスという少女が暮らす不思議の国の夢ばかりみる大学院生の井森は、ある晩の夢の中で、不思議の国ではない緑豊かな山の中に辿り着く。そこには“お爺さん”なる男と、クララと名乗る車椅子の美少女がいた。翌朝井森は、大学校門の前で、夢で出会ったクララ──現実では「露天くらら」と名乗った彼女から、まるで夢の続きのように話しかけられる。彼女は何者かから脅迫を受けており、命の危機を感じていた。現実では頭が切れるが、夢の中ではビルという間抜けな蜥蜴になってしまう井森。二つの世界をまたぐ邪悪な犯罪計画から、クララとくららを守れるのか? 大人気『アリス殺し』の恐怖×驚愕ふたたび!/解説=千街晶之
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3.7月刊EYESの小高直海経由で、ある未解決事件を調べ始めた刑事事件専門のフリーライター・柚木草平。2年前、東南アジアからの留学生支援のボランティアをしていた女子高校生が殺害され、都内の神社で発見された事件だ。しかし、話を聞き始めた翌日に、ボランティア施設と同じビルにある雑貨店の店員が急死してしまう。事故か殺人か、2年前の事件との関連を疑う柚木だが……。当時から女子高校生殺害事件を追う所轄の女性刑事、ビルオーナーの母と娘など、調査で出会う女性は美女ばかり。二つの事件に隠された真実にたどりつけるのか――。“永遠の38歳”柚木草平の軽やかな推理。/解説=大矢博子
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3.6年もおしつまったある日、埼玉県岩槻市の川土手で、自動車教習所の配車係が死体で発見された。男には職場の同僚と悪質なギャンブルを行なっていた疑いが浮上する。そして年が改まったとたん、教習所の技能主任が密室状況下の建物の中で撲殺される。さらに指導員の男が自宅マンションの駐車場にカバーをかけて駐めてあった自分の車の中で殺されていた!! 自動車教習所に通う教習生と指導員――その絡み合いの中からあぶり出される複雑な人間関係。やがて捜査線上に浮かんだ容疑者には、二重三重の鉄壁なアリバイがあった……!? 『模倣の殺意』の著者・中町信が本格ミステリの王道〈密室+アリバイ破り〉に挑んだ傑作長編推理。
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3.6「美しく強かな継母が父を殺した」再婚してわずか一年半足らずで父が急死。遺産とビジネスを受け継ぎ生き生きと活躍する継母の姿に、女子高生の瑠璃はそう確信した。彼女は自らの死をもって継母の罪を告発しようと決意する。しかし自殺の名所として有名な山奥の森で首を吊ろうとしたところ、かつて同じ森で首吊り自殺したという“幽霊”と出会い、裕章と名乗る彼に継母の罪の証拠を一緒に探そうと提案される。瑠璃が決めた期限以内に見つからなければ、その時死ねばいいと。六日後──それが瑠璃の自殺予定日となった。継母の罪を暴き、父の無念を晴らせるのか?! すべての予想を裏切る、一気読み必至の傑作ミステリ!/解説=池上冬樹
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4.0夏祭りにやって来た、裏染天馬と柚乃たち風ヶ丘高校の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物してもお釣りに五十円玉が含まれるのはなぜ? 名作『競作 五十円玉二十枚の謎』をモチーフに挑んだ表題作ほか、“若き平成のエラリー・クイーン”が日常の謎に挑戦。学食のすぐ外に放置されていたどんぶりの謎を鮮やかに解く「もう一色選べる丼」、吹奏楽部内でのトラブルを描く「針宮理恵子のサードインパクト」、さらに天馬の妹・鏡華の華麗な謎解きを加えた全5編。『体育館の殺人』『水族館の殺人』に続くシリーズ第3弾は、痛快推理連作集。/解説=村上貴史
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3.3鎌倉在住の女性薬膳研究家・藤野真彩と知り合った柚木草平。10年前、高校二年生の時に失踪した同級生の目撃情報がこのところ増えているので調べてほしいと彼女はいう。早速、柚木は鎌倉に〈探す会〉事務局を訪ねるが、これといった話は聞けなかった。しかしその晩、事務局で詳細を尋ねた女性が何者かに殺害された――。急遽、殺人事件に調査を切り替えた柚木が見つけた真実とは? 娘の加奈子や、月刊EYESの小高直海らおなじみのキャラクターに加え、神奈川県警の女性刑事など今回も美女づくし。円熟の筆致で贈る〈柚木草平シリーズ〉最終巻。/解説=杉江松恋
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4.0スコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィルが休暇を取り、生家のあるヨークシャーに戻ってきたのは、父親でヨークシャー警察元警部・リチャードが何者かに自宅で惨殺されたためだった。伝説的な名警部だった彼は、刑務所送りにした人間も数知れず、彼らの復讐の手にかかったのだろうというのが地元警察の読みだった。すさまじい暴行を受け、殺されていた父。ケイトが愛し尊敬してやまなかった父は、なぜ殺されなければならなかったのか? ケイトにかかってきた父について話があるという謎の女性の電話……。ドイツ本国で160万部超の大ベストセラーとなった傑作ミステリ!
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4.1放課後の理科室で、5人の高校生がルール違反の罰として教師に作文を書かされていた。そのなかの1人、サイモンが突然苦しみだし、病院搬送後に死亡してしまう。死因はアレルギーのアナフィラキシーショックで、警察は事件性があると判断した。サイモンは生徒たちのゴシップを暴露するアプリを運営しており、現場にいた4人の生徒は全員が彼のアレルギーを知っていたうえ、さまざまな秘密を握られていたのだった。4人は一人称で、順繰りに事件について語っていく。いったい、誰が何を隠しているのか。巧みな構成が光る必読の謎解きミステリ!/解説=若林踏
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4.2男の子が住宅建設地で拾ったのは、人間の肋骨の一部だった。レイキャヴィク警察の捜査官エーレンデュルは、通報を受けて現場に駆けつける。だが、その骨はどう見ても最近埋められたものではなさそうだった。現場近くにはかつてサマーハウスがあり、付近には英米の軍のバラックもあったらしい。サマーハウス関係者のものか。それとも軍の関係か。付近の住人の証言に現れる緑のコートの女。封印されていた哀しい事件が長いときを経て明らかに。CWAゴールドダガー賞・ガラスの鍵賞をダブル受賞。世界中が戦慄し涙した、究極の北欧ミステリ登場。
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3.72014年カリフォルニアで解体予定の家の屋根裏から発見された貴重品箱。なかには三つのものが入っていた。1945年にウィリアム・ソーン名義で発表された低俗なパルプ・スリラー。編集者からの手紙。そして、第二次大戦中に軍が支給した便箋――ところどころ泥や血で汚れている――に書かれた、おなじ著者による未刊のハードボイルド。反日感情が高まる米国で、作家デビューを望んだ日系青年と、担当編集者のあいだに何が起きたのか? 書籍、手紙、原稿で構成される凝りに凝った物語。エドガー賞候補作。/解説=村上貴史
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3.5私は殿島直紀、弁護士である。今にして思えば、私の事務所の隣に住む綾子が姿を消したことが事件の発端だった。いっしょに暮らしていた孤児たち四人を残して消えた綾子。私が密かに思いを寄せていた彼女は、姿を消す前に米軍接収地でトラブルに巻き込まれていた――。同時期、米軍宛に蒼志馬博士を名乗る人物から脅迫状が届く。「粗暴な米軍は即刻去るべし。さもなくば私の開発した殺人兵器で死にゆく運命にある」と。綾子の失踪に蒼志馬博士なる人物は関係しているのか?キザで眉目秀麗な荒城、学ランの義手探偵・真野原の活躍を洒脱に描く、本格ミステリ連作集。シリーズ第三弾。
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3.020世紀初頭のバルセロナ。町では幼い子どもが何人も失踪し、子どもをさらって貪る化け物の仕業だという噂が立つ。そして今日また一人、新たな子どもが姿を消し、さらに頸動脈を噛みちぎられた男の死体まで発見された。血に飢えたその化け物の名は、エンリケタ・マルティ。人間の魂を刈り取る「私」という全知の存在が、失踪事件を追う刑事たちやエンリケタの手下、家族などさまざまな人物の視点で、「吸血鬼」と呼ばれた稀代の悪女の恐ろしさとおぞましさを語り尽くす。犯罪捜査官である著者が、犯罪者の実話に材を得て描いた戦慄の物語。
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3.6どうして私がこんな目に? めぐみはここ一週間、連続して危険な目に遭っていた。まずは監禁事件。帰宅の途中、突然黒ずくめの男が飛び出してきてマンションの物置に一晩閉じ込められた。次は薬品混入事件。ボディミストの試供品に見せかけた塩酸入り容器を渡され、火傷を負ってしまったのだ。犯人は、めぐみが三股をかけた上に貢がせている男性たちの誰かなのか。彼女自身の過去の罪を仄めかす手紙まで届き危機感を募らせためぐみは、パーティーで知り合った大学准教授とともに犯人を捜し始める。美しく強欲なめぐみを襲う犯人は?! 「悪女」による探偵劇の顛末を描く長編ミステリ。
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3.4ドイツ、2005年8月。警察署に復帰した刑事ピアを待ち受けていたのは、上級検事の自殺だった。時を同じくして、飛び降り自殺に偽装された女性の遺体が発見される。実際は動物の安楽死に使用される薬物による毒殺で、夫の獣医や彼の働く馬専門動物病院の共同経営者たちが疑われる。だが刑事オリヴァーが指揮を執る捜査班が探るうち、被害者へのとてつもない憎悪が明らかになり、さらに背後に隠されたいくつもの事件が繋がりはじめる。謎また謎の果てに捜査班がたどりつく真相とは。〈ドイツミステリの女王〉の人気に火をつけたシリーズ第1弾。
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3.6再読必至。誰にも真相は見抜けない!2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。現地の元少年兵3人が起訴されるが、ロイター通信社の記者コニーだけはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。2年後、バグダッドでマッケンジーに遭遇したコニーは、嗜虐趣味を持つ彼に拉致監禁されてしまう。3日後に解放されイギリスに戻った彼女は、マスコミを逃れて田舎町に隠れ住む。解放時にほぼ無傷だったうえに、あいまいな証言ばかりで監禁中の出来事を警察に話さないコニー。彼女はいったい何を隠しているのか? 圧巻の心理描写と謎解きの妙味を堪能できる英国ミステリの女王による渾身のサスペンス。/解説=松浦正人※紙書籍版とはカバー画像が異なります。
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4.4マイン川で少女の死体が発見された。司法解剖の結果、年齢は14歳から16歳、長期間にわたって虐待された痕があり、死因は溺死だと判明する。だが不可解なことに、少女は淡水ではなく塩素水で溺れていた。おぞましい犯罪に、刑事たちは必死の捜査をはじめるが、二週間たっても少女の身元が判明しない。さらに新たな殺人未遂事件が発生し、捜査は混迷を深めていく。少しずつ明らかになる、警察関係者の想像を絶する凶悪犯罪の全貌。刑事オリヴァーとピアにかつてない危機が迫る! 〈ドイツミステリの女王〉による大人気警察小説シリーズ第6弾。
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3.2桜が満開に咲き誇る4月。帰国子女の栄美にはその美しさを楽しむ余裕はない。何しろ今日、日本での高校生活の初日を迎えるのだ。「アメリカの話はなるべくしないように。日本人は、みんな一緒なのが好きなんだ」パパの忠告はしっかりと胸にしまってある。けれど予想に反して高校生活は心弾むものだった。ある日、栄美は気になる男の子と遊びに行く約束をしたのだが、なぜか二人は必ずすれ違ってしまい……。時は流れ、栄美は大学生となった。ある人との出会いをきっかけに、高校時代の大切な思い出と痛みの記憶はまったく別の形を見せてゆく――。「誰かのために」清廉な願いを名手が鮮やかに描く、忘れられない青春ミステリ。
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3.3冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われる。だが実際はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けて、ある特殊作戦に抜擢された。その作戦の目的とは、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な極秘任務に挑む女性たちを描く傑作長編!/解説=大矢博子
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3.7金塊を祭る金延村に怪盗マゼランを名乗る人物から届いた『祭の夜 金塊を頂く』という予告状。実際は金色に塗っただけの石なのだが、それが知れると観光客が来なくなると危惧した村の有力者の娘は名探偵音野順と推理作家の白瀬白夜に監視を依頼する。しかし、警戒する二人の前で起こったのは密室殺人で……空飛ぶ舟や湖の巨大生物が目撃されるこの村で何が起こっているのか? 大胆なトリックと切実な動機が胸を打つ表題作のほか、事件の影響で祭が廃止された村で観光客の遺体が発見される「マッシー再び」など4編を収録。引きこもりがちな名探偵が活躍する人気シリーズ第3の事件簿。/【目次】人形の村/天の川の舟乗り/怪人対音野要/マッシー再び/解説=青柳碧人
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3.5マロリーが殺された? 部下の報告で検視局に駆けつけたライカーが見たのは、彼女の名前の入ったブレザーを着た別人の死体だった。身元を突き止めたマロリーとライカーは、被害者アマンダ・ボッシュの住居を調査する。くまなく掃除された部屋。消去された名簿ファイル。彼女自身のことを書いたと思われる小説原稿。そして猫――唯一の目撃者? マロリーは復元した名簿を手がかりに高級コンドミニアムに潜入し、容疑者たちに仮借ない捜査の手を伸ばす。上流階級の虚飾の下に澱む策謀と欲望。ひとりの女を死に追いこんだ「嘘つき」は誰なのか? 善悪の彼岸に立つ、非情にして無垢なヒロインの活躍を描く、シリーズ第2弾!/解説=川出正樹
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4.2大学を卒業し、AP通信社で記者として働くジョーは、ある日、田舎町で起きたジョー・タルバートという男の不審死を知らされる。プレスリリースには凶行の疑いがあると書かれていた。死んだ男は、ジョーが生まれてすぐに姿を消した、顔も知らない父親かもしれない。ジョーは事件に興味を抱き、その町へ向かう。判明したのは、男が実父である可能性が高く、多数の人々の恨みを買っていたことだった。ジョーは真相解明に挑むが……。家族の秘密に直面する青年を情感豊かに描く、心揺さぶるミステリ。バリー賞など三冠に輝いた『償いの雪が降る』続編。/解説=若林踏
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3.7大学卒業を数日後に控えたある日、ハリーは父親が事故死したという知らせを受ける。急ぎ実家に戻ると、傷心の美しい継母アリスが待っていた。葬儀の翌日、ハリーは刑事から意外な話を聞かされる。父親は海辺の遊歩道から転落して死亡したが、その前に何者かに殴られていたという。しかしアリスは父の死について話したがらず、ハリーは疑いを抱く。――これは悲劇か、巧妙に仕組まれた殺人か? 過去と現在を行き来する2部構成の物語は、ある場面で、予想をはるかに超えた展開に! 『そしてミランダを殺す』の著者が贈る、圧巻のサスペンス!/解説=吉野仁
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3.6本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。犯行状況を思い浮かべたり、作品に挿入されている図版に心躍らせたりする読者の方も多いはず。本書は、1892年~1998年に発表された国内外の名短編、名長編、中でも魅惑的な密室が登場する作品を有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストとともに贈るブックガイドである。発表順に“世界最初の長編密室ミステリ”といわれるイズレイル・ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』をはじめとした海外20作、横溝正史『本陣殺人事件』など国内20作、さらに有栖川作品から磯田がセレクトした『スウェーデン館の謎』を加えた全41作を紹介する。密室ファン必携の書。/【目次】/はじめに/新潮文庫版まえがき/ビッグ・ボウの殺人/十三号独房の問題/黄色い部屋の謎/急行列車内の謎/八点鐘/犬のお告げ/密室の行者/エンジェル家の殺人/三つの棺/帽子から飛び出した死/チベットから来た男/妖魔の森の家/北イタリア物語/51番目の密室/帝王死す/はだかの太陽/ジェミニー・クリケット事件/そして死の鐘が鳴る/投票ブースの謎/見えないグリーン/D坂の殺人事件/蜘蛛/完全犯罪/燈台鬼/本陣殺人事件/刺青殺人事件/高天原の犯罪/赤罠/赤い密室/名探偵が多すぎる/花の棺/ホロボの神/求婚の密室/天外消失事件/人形はテントで推理する/緑の扉は危険/哲学者の密室/ローウェル城の密室/すべてがFになる/人狼城の恐怖/スウェーデン館の謎/あとがきに代えて……=磯田和一/参考文献/創元推理文庫のためのはしがき/創元推理文庫版解説=松浦正人
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4.2海を望む街に建つ児童養護施設・七海学園に勤めて三年目となる保育士の北沢春菜は、毎日多忙な仕事に追われつつも、学園の日常に起きるささやかながら不可思議な事件の解明に励んでいた。そんな慌ただしくも幸せな日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる不慮の事故なのか? だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手がかりが隠されていた――鮎川哲也賞受賞作『七つの海を照らす星』に続く清新な本格ミステリ。/解説=千街晶之
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-緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。著者の生前、単行本に収録されなかった短編小説などを収めた作品集を、二分冊にしてお届けする。『絡繰篇』は、大胆不敵な盗賊・隼小僧の正体を追う「大奥の七不思議」ほか、江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズ、五節句の紋をあしらった着物にこめられた想いを読み解く「五節句」ほか、紋章上絵師たちのシリーズ、背中に見事な彫物を持つと評判の美女を巡る「荼吉尼天」といったノンシリーズなど17編。/【収録作】〈亜智一郎〉「大奥の七不思議」/「文銭の大蛇」/「妖刀時代」/「吉備津の釜」/「逆鉾の金兵衛」/「喧嘩飛脚」/「敷島の道」/〈幕間〉「兄貴の腕」/〈紋〉「五節句」/「三国一」/「匂い梅」/「逆祝い」/「隠し紋」/「丸に三つ扇」/「撥鏤」/〈幕間〉「母神像」/「荼吉尼天」/中入り 解説屋さん口お閉じ=新保博久
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4.0ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊にしてお届けする。『手妻篇』は、辛辣な料理評論家を巡る事件の謎を解く「カルダモンの匂い」ほか、ヨーガの達人にして謎の名探偵・ヨギ ガンジーが活躍するミステリシリーズ、酔象将棋の名人戦が行われた宿で殺人が起こる、書籍初収録「酔象秘曲」、マジシャン同士の心の機微を描く「ジャンピング ダイヤ」ほか、マジックショップ・機巧堂を舞台にした奇術もの、住人が次々と死んだマンションにて交霊会を行い、真実を暴く戯曲「交霊会の夜」など13編を収録。/【収録作】〈ヨギ ガンジー〉「カルダモンの匂い」/「未確認歩行原人」/「ヨギ ガンジー、最後の妖術」/〈幕間〉「酔象秘曲」/「月の絵」/「聖なる河」/「絶滅」/「流行」/〈奇術〉「魔法文字」/「ジャンピング ダイヤ」/「しくじりマジシャン」/「真似マジシャン」/〈戯曲〉「交霊会の夜」/舞台裏 泡坂さん幕を閉じ=新保博久/泡坂妻夫著作リスト=新保博久編