小説・文芸 - 角川文庫作品一覧

  • 亜愛一郎の狼狽
    4.0
    人けのない宮前空港で、折からの驟雨にずぶ濡れになって、約二時間も佇んでいる中年男がいた。宮前署の羽田刑事だ。彼はまもなく到着予定の旅客機を待っていた。この機の離陸直前、何者かが爆破を予告したのだ。ふと目を転じた羽田は、写真機のそばを動き回る三人の男に気がついた。中でも、長身の美青年の奇妙な動きが……。隙のない服装と端麗な顔立ち、だが、その挙動は常におどおどして落ち着きがない。ユニークな名探偵亜愛一郎が次々と難事件に挑戦する傑作事件簿!
  • 亜愛一郎の逃亡
    5.0
    フツ国国王、トレミー大博士の病状が回復。世界中の人々が愁眉を開いたというニュースの後、テレビは北海道・東北地方を襲った地震をマグニチュード7と告げた。突然の地震と大雪で、北国のホテルニューグランド宮後は一人の客もいなかった。追い打ちをかけるように殺人事件が発生、直後に犯人とおぼしき男が二人飛び込んできたが、追いつめた時、人魂が二つ飛んで二人はかき消えてしまった。亜愛一郎最後の事件簿、そして逃亡。
  • 亜愛一郎の転倒
    4.0
    集中豪雨がもたらした土砂崩れで、列車は駅と駅のド真中で完全にストップ。乗客たちは復旧を待つことにしたが、先を急ぐ三人の男たちは徒歩での山越えを決意した。またたく間に道に迷い途方にくれる一行。その時、幸いにも遠くに人家の灯がポツンと見えた。一夜の宿を借りたのはよかったが、これが災難の始まり。前の晩、たしかにあった家が、翌朝には跡形もなく消え失せていた。この地方の伝説通りの怪事件が勃発した! 名探偵亜愛一郎が活躍する傑作事件簿第二弾!
  • あゝ、荒野
    3.7
    1960年代の新宿――。吃音と赤面対人恐怖症に悩む“バリカン”こと建二と、少年院に入り早すぎた人生の挫折を味わった新次は、それぞれの思いを胸に、裏通りのさびれたボクシング・ジムで運命の出会いを果たす。もがきながらもボクサーとしての道を進んでいく2人と、彼らを取り巻くわけありな人々の人間模様。寺山修司唯一の、珠玉の長編小説。
  • ああ勝負師
    5.0
    ギャンブルの奥は深くて暗い。小市民的生活を嫌い、ギャンブルに憑かれ、のめりこんでいく男達の姿は哀しい中にも、ある種の感動を誘う。牌に命を張り、勝負に火花をちらす苛烈な雀ゴロ。賭博場に暗躍するコーチ屋、ノミ屋。裏芸を駆使する花札のイカサマ師。サイコロ三つが運命を握るチンチロリン。ギャンブルと浅からぬ縁ができてから三十余年。食うか食われるかの苛烈な勝負の世界を渡り歩き、賭博に命を賭ける人間達の浮沈と興亡を身近に見てきた著者が描く勝負師列伝!
  • あゝ野麦峠 ある製糸工女哀史
    4.0
    過酷な労働に耐え、明治の富国強兵政策を底辺で支えた無数の少女達。その女工哀史の真実とは。四〇〇名に及ぶ元工女を訪ね、歴史の闇に沈んでいた近代日本の民衆史を照らし出す、ノンフィクションの金字塔。
  • ああ息子
    4.3
    耳を疑うような爆笑エピソードの数々。でもみんな、本当にあった息子の話、なんです――!! 息子の「あちゃちゃ」なエピソードに共感の声続々! 育児中のママ必携の愛溢れるコミックエッセイの傑作。
  • ああ娘
    4.0
    ほっこりすること、愛らしいこと、そして、息子とは違う「女」としての生態が赤裸々に――!娘をもつ親ならきっとみんな”あるある!”と頷いてしまうこと間違いなしの、笑いと涙の育児コミックエッセイ!
  • 愛がなんだ
    4.3
    「私はただ、ずっと彼のそばにはりついていたいのだ」――OLのテルコはマモちゃんに出会って恋に落ちた。彼から電話があれば仕事中でも携帯で長話、食事に誘われればさっさと退社。すべてがマモちゃん最優先で、会社もクビになる寸前。だが、彼はテルコのことが好きじゃないのだ。テルコの片思いは更にエスカレートしていき……。直木賞作家が濃密な筆致で綴る、〈全力疾走〉片思い小説!
  • 愛こそすべて、と愚か者は言った
    3.8
    始まりは深夜の電話だった――。七年前に別れた久瀬の息子の慶太が誘拐された。犯人から身代金の運搬係に指定されたのは探偵の久瀬だった。現場に向かった久瀬は犯人側のトラブルに乗じて慶太を助けることに成功するが、事件の解決を待たずに別れた妻・恭子が失踪してしまう。久瀬は恭子の行方と事件の真相を追いながら、再会を果たした慶太との共同生活を始めるが…。『償いの椅子』の著者の恐るべきデビュー作!!
  • 愛してる
    4.2
    1巻484円 (税込)
    いつだって吐瀉物の臭いのする店“ファッサード”に夜毎集まる仲間たち。いい奴に、とんでもない奴。ただ、彼らは皆、酔うことにも、愛することにも、いつだって熱かった。夜の喧噪と真昼の沈黙をとどめた作品集。
  • 愛してると言わせて
    -
    元祖ミーハー。どんな大変な仕事もやりくりして、大相撲へ、憧れのあの人へまっしぐら。うっとりひたる間もなく、芸能界には、びっくりするような恋のうわさが流れて……。《地味で淋しい暮らし》のなかで出会う人、事件、たくさんの驚き。超多忙脚本家の毎日は、いつもキラキラ光ってる! その秘密は、愛されるだけじゃなくて、「愛してる」と言うこと。つらい恋も、一人きりのクリスマス・イヴも、これで新しく輝き出す。泣いて笑える、内館式とびきり元気エッセイ。
  • 哀愁時代
    値引きあり
    4.2
    ある冬の夜、24歳の雨宮純江は同じ会社の中年男性に処女を捧げた。そして、彼女は別れた妻へ電話することを約束させて、地下鉄に消えた――。でも、何故? 純江はかつて楽しい大学生活を過ごしていた。友人の恋の橋渡しに手を尽くし、紹介された会社社長の御曹司とのデート……。だが父親の秘密をきっかけに、彼女の運命は暗転していく。若き女性にふと訪れた、悲しい恋の軌跡を描くラブ・サスペンス。
  • 哀愁的東京
    3.8
    1巻682円 (税込)
    フリーライターの仕事で進藤が出会った、破滅を目前にした起業家、人気のピークを過ぎたアイドル歌手、生の実感をなくしたエリート社員……。東京を舞台に「今日」の哀しさから始まる「明日」の光を描く連作長編。
  • 愛情生活
    3.7
    「物思いに沈んでいる表情が良い、といってくれた。私はその言葉にびっくりして、じっと彼を見詰めていたような気がする」誰よりもセンチメンタルでドラマチックな二人の、愛の日々の軌跡。解説・江國香織
  • 愛情物語
    値引きあり
    4.8
    赤ん坊の時捨てられ、気立てのいい仲道治子に育てられた美帆は、すくすく成長した。いま、16歳になった美帆は、鳴りやまぬ拍手の中にいた。カーテン・コールが何度もくり返された。天才バレリーナとしての輝かしい未来をつかんだのだ。このすばらしい青春をくれた“あの人”は、いま何処に。美帆の小さな冒険と大きな愛の旅が始まった――。人気最高潮の赤川次郎が放つ、青春ラブ・サスペンス。
  • 愛人の掟 1
    5.0
    タブーやルールが多いといわれる不倫の恋。この『愛人の掟』は“我慢すること”に疲れたあなたの、つらい恋の痛みをやわらげるためにあります。彼との限られた時間を素晴らしいものにするために、あなたの心の傷を少しでも癒すために……。不倫の恋だけでなく、どんな恋愛においても、自分の思いどおりの恋をするための“掟”が詰まったエッセイ集。
  • 愛すべき女たち
    4.0
    35歳の本郷薫。会社でも重要なポストを与えられ、充実した日々を送っているが、結婚とは程追い生活を送っている。しかし、スポーツクラブで価値観が違う二人の女性と出会って……珠玉のラブストーリー。
  • 哀切の小海線
    3.0
    東京の府中刑務所から、一週間後に刑期満了で出所する筈だった受刑者が脱走。十津川警部は、男が逮捕されるにいたった7年前の事件を調べ直してみると、原発用地買収問題にぶちあたり……。
  • 会いたい
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 恋をした一瞬の気持ちを北川悦吏子が言葉に、“言葉”の気持ちをMAYAMAXXが”絵”に瞬間保存した「恋」の詩集。賞味期限はあなた自身の恋する気持ちです。 ※単行本『やさしいあなた』『すぐ泣く君』(二〇〇三年七月、小学館刊)に加筆、訂正を加え文庫化したものが底本になります。
  • 相田みつを ザ・ベスト いちずに一本道 いちずに一ッ事
    5.0
    日本刺繍の職人の家に三男として生まれた光男。戦争で亡くなった2人の兄、実直な父、兄たちのことをいつも思っていた母。やんちゃな三男坊は人生の真理を綴る書家になった――生涯がわかる決定版
  • 愛と殺意の津軽三味線
    3.0
    東京都内で4件の連続殺人事件が発生。頭部を鈍器で割られたり、背中をナイフでめった刺しにされたりと陰惨な殺害方法であった。そして犯行時の現場からは、いずれも津軽三味線の調べが聞こえていたという。十津川警部は犯人の強い意志と主張を感じるが、被害者に共通点が見出せず捜査は難航する。十津川は唯一の手掛かり──「三味線の謎」を解くため、青森に向かう。津軽の地で十津川を待つ、驚愕の事実とは?
  • アイとサムの街
    3.3
    アイとミイは荻寺町に住む双子の姉妹。自作の自転車で、真夜中の散歩に乗り出した二人は、怪しい光を見る。そこで彼女たちは、近くのマンションに住む少年オサム(サム)と出会い…!?
  • 愛と髑髏と
    4.3
    檻の中に監禁された美青年と犬の関係を鮮烈に描く「悦楽園」、無垢な少女の残酷さを抉り出す「人それぞれ噴火獣」、不可解な殺人に手を染めた女の姿が哀切な「舟唄」ほか、妖しく美しい輝きを秘めた短編集。
  • 愛と復讐の桃源郷
    -
    自殺の名所、青木ヶ原樹海。富士五湖のひとつ、西湖のほとりの旅館に遺書を残して男が消えた。それから一年、殺人事件が相次いで発生する。二転三転する十津川警部たちの推理の先には、驚くべき真相が!
  • 愛にこんがらがって
    3.6
    ミュージシャンの乾は、ライブが終わった後、突然、180cmはある長身の女に「御主人様」になって欲しい、と懇願される。ファンのひとりと思った乾は、打ち上げに彼女を誘い、酔った勢いで、激しい一夜を過ごす。そこから、乾と彼女の「御主人様」と「奴隷」の関係が始まる。SMという性的な従属関係の中、愛と欲望の深みにはまり、終には悲劇的な結末を迎える男女を鮮烈に描いた、初の長編小説。 ※本書は、平成十二年十一月ぶんか社より刊行された単行本『SLAVE OF LOVE』を改題し、文庫化したものが底本です。
  • 愛について 人間に関する12章
    4.3
    愛とセックスの幸福とはなにか。自己愛から物への愛、倒錯の愛、仕事への愛、小さき生活への愛、究極の性愛の形まで愛のスタイルを照射した、私たちの愛のバイブル。 ※本書は、小社刊の単行本『愛に関する十二章』(平成十四年十二月刊)を書名変更して文庫化したものが底本です。
  • 愛の国
    3.5
    1巻1,012円 (税込)
    満開の桜の下の墓地で行き倒れたひとりの天使――。昏い時代の波に抗い鮮烈な愛の記憶を胸に、王寺ミチルは聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す。愛と憎しみを孕む魂の長い旅路を描く恋愛小説の金字塔!
  • 愛の名言集 あなたへの囁き
    5.0
    著者のデビュー作「氷点」を始めとする数十点の作品から、心にひびく名言名セリフを収録した、ことば集です。三浦文学の本質であるそれらは、人間への深い洞察と共感にあふれ、説得力をもって読む者を強く魅きつけます。信仰や結婚という喜びや、闘病という苦難を経験してゆく中で養われた著者の、生きることへの信念は、私達に確かな指針と大きな勇気を与えてくれる。
  • アイの物語
    4.6
    数百年後の未来、機械に支配された地上で出会ったひとりの青年と美しきアンドロイド。機械を憎む青年に、アンドロイドは、かつてヒトが書いた物語を読んで聞かせるのだった――機械とヒトの千夜一夜物語。
  • 藍の夜明け
    3.3
    16歳になった翌朝、爾はひどい悪夢から目を覚ます。その手の平には寝る前にはなかった浅い傷と、指には長い髪の毛が絡みついていた。前夜、近所で起きた女性の通り魔殺人の報道を知り不安に駆られる爾。異変は次々起き、三度目の朝。爾は自分が脱いだTシャツから血の匂いをかぎ取る。そして少女の他殺体発見のニュースが! その少女は、看護師を務める爾の母の患者だった。犯人が自分かもしれない。爾は親友の達樹にも話せず悩んでいた。ある日、学校で見知らぬ少年と遭遇する。達樹からは自分たちの幼なじみの白兎だと言われるが、爾には全く見覚えがなく……。大人のサスペンス・ミステリ、第3弾!
  • 愛の予感
    3.0
    1巻462円 (税込)
    伊豆の海で休暇を過ごした夏、ケイは婚約者の友人・亮と恋におちた。ひとつの恋の始まりは、もうひとつの恋の終りだった。建築家の亮は結婚という形式を拒否する男だった。一緒に暮らし始めた彼に、突如、転勤問題がおこった時、ケイは愛か仕事か、の選択を迫られた。いつか、くるかもしれない別れの時のこと、そして、それ以上に男との意識のギャップに揺れながら、ケイは――。それぞれの愛と別れのなかで、ケイを明らかな主張をもった女にそめあげていく。愛の連作長篇。
  • 愛は勝つ、もんか
    4.3
    ♪兎おいしい彼の山♪と、子供のころからよだれを流して思い込んでいた、あのカオルコ・ヒメノが、“音頭の中の音頭は『オバQ音頭』だぜ”と謳い上げ、“子供は不純で狡賢く、少女とは人生でもっともうぬぼれたあぶらっこいスケベ期”だと真実を淡々と語り、“売春を国営化して福祉費にまわすべきである”と断言する、核弾頭的恋愛論&ゴージャスエッセイ。
  • アイランド
    5.0
    1巻550円 (税込)
    星良雅也のオフデイの顔は、ミュージカル作家。今、ヨロン島を舞台に〈羽衣伝説〉を現代流にアレンジしたミュージカル『アイランド』のストーリーと詩を執筆中。彼の作った悲劇のシーンは、エージェント・廻陽子の娘、晶世が子どもの時から繰り返しみる夢だった。創作と現実が次々と不思議に重なっていく……。2003年、美しいリゾートの島ヨロン島を舞台に、愛の記憶だけを手がかりに再会する恋人たちを描く、壮大なスケールのラブ・ロマン。
  • 愛を乞うひと
    3.7
    複雑な家庭事情により、孤児院に預けられていた照恵は、十歳の時、再び母に引き取られた。だが、いたいけな少女にとってそれはあまりにも苛酷な日々の始まりだった。情容赦のない母の仕打ち。何度も殺されかけた八年間。それでもひたすら母に愛を欲した。だが、祈りは届かなかった……。母への限りない憎しみと愛への渇望。その狭間で何年も彷徨い続けた照恵はいま、親子の絆をさがす旅へと向かう。各界から絶賛を浴びた生命を余すところなく描ききる感動の長編小説。
  • 愛をする人
    4.0
    悠子が一希に出逢ったのは十五歳。彼は家庭教師の大学生。まだ、恋の意味もわからない春の日の出来事だった。八年後、再会した二人――年月は少女を女にかえていた。そして、彼には婚約者の優子がいた……。二人のユウコの間で揺れる一希。一人のユウコは恋人、もう一人のユウコは愛人という道を選んだ……。恋人のいる人を好きになる――それは罪なことなのでしょうか。決して結ばれることのない愛、切ない愛を綴った恋愛物語〈ラヴ・ストーリー〉。
  • 喘ぎ泣く死美人
    3.8
    昭和3年、町はずれに住んでいた60歳過ぎの女性・片岡直が殺された。行きずりの強盗が犯人だろうと思われたが、事件の真相は直の恐ろしい過去に隠されていた――。そのほか当時の交友関係をベースにした「艶書御要心」「素敵なステッキの話」、外国を舞台とした「夜読むべからず」「喘ぎ泣く死美人」、また新たに単行本未収録作品「燈台岩の死体」「甲蟲の指輪」を加えた全18作品を掲載。
  • 青嵐
    4.0
    侠客・清水次郎長一家に2人の「松吉」がいた。一の子分、「森の石松」こと三州の松吉は美男で博打も喧嘩も強い兄貴分、いっぽう並外れた巨体で「豚松」と呼ばれた三保の松吉は女も博打も苦手な愛嬌者。好対照ながら同じように親と別れ、一家に身を寄せた2人は互いに認め合う。幕末の苛酷な運命が、2人と一家を待ち受けていた──。初夏、青葉のころに吹く「青嵐」のように、東海道を駆け抜けた最後の侠客を描く、傑作時代長編!
  • 青い宇宙の冒険
    4.0
    夜の11時になると、まもるの家の下から怪しい震動音が聞こえてくる――。調査に乗り出したまもるは、古文書などから、この地域には何百年も前から60年ごとに不思議な現象がおきていたことを知る。怪現象の中心地に調査にむかうまもるたちの前に、古い子守歌どおりのねじれた松葉や強い磁性をおびたくぎがあらわれ、謎はますます深まっていく。冒険、友情、そしてほのかな恋を、宇宙と人類という壮大なスケールの中で描く、小学生でも楽しめるSFエンターテインメント大作。小松左京がモリミノル名義で出版した漫画『ぼくらの地球』のワンシーンを引用した詳細解説つき。
  • 青い外套を着た女
    3.0
    フランスから帰朝した無名の画家は、ポケットに入っていた奇妙な紙切れに気がついた。そこには「日比谷公園の入口で青い外套を着た女に会いたまえ」と書いてある。彼は、面白半分に日比谷公園へ行った。入口近くに真青なレインコートを着た美しい女が立っている。彼は、女に話しかけた瞬間から、とんでもない事件に巻き込まれてしまった……。表題作のほか、白い恋人/クリスマスの酒場/木乃伊の花嫁/花嫁富籤/仮面舞踏会/佝僂の樹/飾窓の中の姫君/覗機械倫敦綺譚を収録 カバーイラスト/杉本一文
  • 青い城
    4.5
    内気で陰気な独身女性・ヴァランシー。心臓の持病で余命1年と診断された日から、後悔しない毎日を送ろうと決意するが……周到な伏線と辛口のユーモアに彩られ、夢見る愛の魔法に包まれた究極のロマンス!
  • 葵の月
    3.5
    西丸書院番組頭を務める立原家の娘、志津乃には、決して忘れることのできない男がいた。かつての許婚の坂木蒼馬は、西丸書院番士であったが、徳川家治の嗣子、家基の死を切っ掛けに突如出奔したのだ。彼を忘れられずにいる志津乃に対し、蒼馬の友人だった男は、蒼馬が家基の暗殺を疑われていることを告げるのだった――。蒼馬が出奔した真相を知るため、志津乃は彼を捜す決意をする。意外な真相が胸を打つ、傑作時代小説。
  • 青い花は未来で眠る
    2.3
    私が生きていることに、意味はあるのかな。かつて自分をかばって姉を失った高校2年生の優香は、乗り込んだ修学旅行の飛行機でハイジャック事件に遭遇する。飛行機は不時着するが、生き残った乗客はわずかに5人。テロ事件の犯人は、見慣れない青い花を身につけた4人の美青年だった。謎を秘めたまま迫りくる彼らと対峙して、生きることに無気力だった優香は変わりはじめる――。少女が未来を切り拓く、鮮烈なSFサスペンス。 ※本書は二〇一四年十月に小社から刊行された単行本『11月のジュリエット』を、加筆・修正のうえ改題し、文庫化したものが底本です。
  • 蒼い瞳とニュアージュ 完全版
    3.7
    新宿で発生したキャバクラ火災事件の関係者の前に現れたのは、ブランドバッグを肩にかけ、お姉系のファッションに身を包んだ少女のような印象の美形の女性。彼女はくだけた口調でこう言った。わたしねー、一ノ瀬恵梨香、臨床心理士――。光と影をあわせ持つ異色の新ヒロインが、日本列島を震撼させる爆弾テロを阻止するために、残されたわずかな手がかりから謎を解き明かす! 知的興奮を誘うエンターテインメント!
  • 蒼き太陽の詩1 アルヤ王国宮廷物語
    4.0
    砂漠の楽園アルヤ王国が襲撃され、帝国の属州となってから三年。戦乱を生き延びたのは第二王子フェイフューのみと思われたが、消息不明だった双子の兄ソウェイルが戻ってくる。神と崇められた初代国王と同じ蒼い髪を持つ、『蒼き太陽』の帰還に湧く宮廷だったが、帝国の総督は王子二人に残酷な条件を突きつける。殺し合い、生き残った方が王だ――。兄弟を生贄に王となるのはどちらか……? 「カクヨム」で書籍化希望の声多数! 波乱万丈の宮廷物語、開幕!
  • 青くて痛くて脆い
    4.0
    人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学一年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。――それから三年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。
  • 青くて痛くて脆い【無料試し読み特別版】
    無料あり
    3.7
    【無料大増量試し読み版!】 映画「青くて痛くて脆い」2020年8月28日公開!! 人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学一年の春、僕は秋好寿乃に出会った。周囲から浮いていて、けれど誰よりもまっすぐだった彼女。その理想と情熱にふれて、僕たちは二人で秘密結社「モアイ」をつくった。――それから三年、あのとき将来の夢を語り合った秋好はもういない。そして、僕の心には彼女がついた嘘がトゲのように刺さっていた。傷つくことの痛みと青春の残酷さを描ききった住野よるの代表作。

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  • 蒼ざめた告発
    2.0
    パーティの終わった夜、ただ一度、衝動的に夫の友人に身をまかせてしまった人妻、厚子。堅物の夫は疑いもしないように思えた。だが、その一年後、彼女の周囲につぎつぎと起きる殺人事件……。満たされぬ孤独な日々を送る厚子の心のなかに、夫への疑惑が次第に大きくふくれあがってきた――。揺れ動く女性の心理を、さまざまな愛のかたちで描いた傑作ミステリー集。
  • 青の炎
    4.3
    櫛森秀一は湘南の高校に通う17歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との3人暮らし。その平和な家庭に、母が10年前に別れた男、曾根が現れた。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとする。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意した。自らの手で曾根を葬り去ることを……。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。
  • 青の魔性
    5.0
    ひっそりと咲く高山植物のように気高く拒絶的な美貌を持つ少女・恭子。彼女を担任してから、私は完全にその魅力に取り憑かれてしまった……。陰気で孤高なところがある恭子は、派手好きなクラスの女生徒たちの反感を買い、たびたび悲惨な私刑(リンチ)を受けた。その恭子がある日、「先生、今度の遠足に行かないで!」と、私に執拗に懇願した。不審に思いながらも、結局遠足に付き添った私は、そこで恐ろしい事件に遭遇し……!?
  • 青ひげと鬼
    -
    その男は「青ひげ」と呼ばれた。過去6人の妻たちは、みな死んでいた。「妻殺し」の容疑で警察に調べられたこともあるが、犯罪の痕跡は発見できなかった。しかし、全員が同じ状況で、同じ症状で亡くなっていた。みな妊娠中毒症を起こしていたのだ――。その男がホテルのバーで知り合った7人目の女は「あなたの子を産むわ」と言い放つと「青ひげ」の7人目の妻となった。おれの子を孕むと死ぬ、という男の忠告もなんのその、しばらくして女は妊娠した。女は次第に生活の主導権をにぎり、ある種の危険な兆候をみせはじめた……。種の保存の本能の、新しい形が戦慄を呼ぶ表題作の他、全8編をおさめたSF短編集。書き下ろし解説を収録。
  • 青森わが愛
    -
    警視庁捜査一課の日下は、刑事であることを明かさずに書道教室に通っていた。しかし十津川警部から電話が入ったことにより、職業がばれてしまう。すると、過剰な反応を先生が示して……表題作ほか4編収録。
  • 青山娼館
    値引きあり
    3.6
    「恋は御法度よ」会員制娼館のマダム塔子は言った。娘と親友を亡くす不幸のどん底から、高級娼婦という仕事に行き着いた奈月(32)。青山に佇むその旧い館には、白檀の香りと真に拮抗する男女の関係があった。身体をぶつけ合い、生の実感を取り戻す奈月は、やがてマダム塔子の過去を知ることになる――。怒りと悲しみに満ちた人生が交錯し、身体から再生していく日日を描いた全く新しい衝撃作。
  • 青を抱く
    3.9
    静かな海辺の街で暮らす和佐泉は、日課の海岸散歩中に出会った男の風貌に思わず息を飲む。海難事故に遭い、2年間目を覚まさない弟の靖野にそっくりだったからだ。長期休暇でしばらく滞在していると言うその男、宗清の人懐っこさや率直な好意に反発しながらも惹かれていく泉。しかし、泉には宗清の想いを受け入れられないある理由があった……。心が浄化される感動系BL。書き下ろし「Dear my her」を含む短篇3本も収録。
  • 紅い糸のその先で、
    4.0
    1巻704円 (税込)
    この運命を結んで欲しい。この苦しみを解いて欲しい。 縁もゆかりも関係ない、君と一緒にこの先の人生を紡げるのなら、 いつかそれが運命だったと言える日まで共にいよう――。 子供の頃から「運命の糸」が見えていた主人公・つむぎは両親の不仲は糸が繋がっていないせいだと思っていた。 生きている全ての人間には小指に運命の赤い糸が結ばれていて、誰かと必ず結ばれているというのが彼女の見ている世界だった。 なので、自分が付き合うのであれば必ず赤い糸が繋がっている相手がいいと思っていた。 高校生になったつむぎは入学式でとある男子生徒とぶつかる。 気怠そうな雰囲気で目の下に隈を作っていた彼は驚いた表情を浮かべるも緩く口角を上げて去っていった。 偶然、その男子生徒と委員会が一緒になった。名前は解人。 委員会の仕事を通して解人と仲良くなっていくつむぎだったが、ある日衝撃の告白を受ける――。 『僕と彼女の365日』の著者が紡ぐ、運命の物語。
  • 赤い雲伝説殺人事件
    3.5
    美保子の〈赤い雲〉の絵を買おうとした老人が殺され、絵が消えた! 莫大な利権をめぐって、平家落人の島で起こる連続殺人。絵に秘められた謎とは一体……? 名探偵浅見の名推理が冴える!
  • 赤い帆船
    3.0
    8月4日、内田洋一を乗せた「マーベリックI世号」は、11ヶ月間にわたる単独無寄港世界一周を終え、油壺に凱旋した。一人の無名の青年は、一躍、現代の英雄になった。一方、高校からの同級生、村上邦夫は、同じヨットマンとして、内田に先を越された嫉妬と羨望に苛まれていた。だがそれ以上に彼を打ちのめしたのは、恋人亜矢子が内田と結婚したことだった。それから2ヶ月後、内田が殺された。だが、真犯人と目された男は、時間と距離の鉄壁のアリバイに守られていた――。
  • 赤い渓谷 顔のない刑事・追跡行
    4.5
    警視庁捜査一課第二係は継続捜査係である。迷宮入り事件を粘り強く捜査する特捜刑事・香月功は、休暇で登った奥秩父・甲武信岳で、男女の死体を発見した。当初は豪雨下の遭難死と思われたが、香月は不審を抱き、単独捜査を開始した。やがて、死体発見現場を捜索中、精巧なニセ札を発見。香月は容疑者を捜し戦中にドイツから持ち込まれたザンメル印刷機を追うが…。警察小説の金字塔「顔のない刑事」シリーズ第3弾!
  • 赤いこうもり傘
    4.5
    T学園のヴァイオリニスト島中瞳は、好奇心が強く愛らしい18歳のお転婆娘。エリザベス女王来日記念演奏会のため、練習、練習の毎日だ。一方、共演する世界的楽団BBCの名器が12台も何者かに盗まれ、その身代金(?)が1億円! 通称“伯爵”と呼ばれる殺人のプロ。ハンサムな謎の外人ジェイムス。正体不明の青年裕二。そして瞳。おかしな人物と好奇心の強い女の子がくり広げる青春ユーモア・サスペンス。
  • 放火
    3.2
    風俗店と消費者金融が入居する東京・池袋の雑居ビルで火災が発生。19名の死傷者を出す大惨事となった。ほどなく捜査本部が設けられたが、警視庁捜査一課火災犯捜査一係の黒田警部補は、その場の雰囲気にきな臭さを覚えた。本庁の四課が会議を仕切っているのだ。このヤマはマル暴がらみなのか。上層部の真意を測りかねる黒田は、命じられるまま被害者の風俗嬢たちの周辺を洗うが……。圧巻の結末に至る第一級の警察小説。
  • 紅い白描
    値引きあり
    4.0
    美大を卒業したばかりの葉子は、憧れの葛山デザイン研究所に入所する。尊敬する鬼才、葛山の下で精一杯、勉強したかったからだ。が、不可解な葛山の言動から、彼の作品のオリジナリティに疑惑をもつ。真実を知りたいという熱い思いにかられ、葛山の周辺を次々に追及する葉子の前にあらわになった意外な真相とは――。常に斬新でなければならない一流デザイナーの苦悩を、華やかな業界を背景に描いた傑作サスペンスロマン!
  • 赤い部屋異聞
    3.5
    日常に退屈した者が集い、世に秘められた珍奇な話や猟奇譚を披露する「赤い部屋」。新会員のT氏は、これまで九十九人の命を奪ったという恐るべき〈殺人遊戯〉について語りはじめる……。江戸川乱歩の名作短篇「赤い部屋」に捧げる表題作ほか、著者が敬愛する作品へのオマージュだけを集めた、ミステリファンにはたまらない全九篇。
  • 赤川次郎シネマセレクション 6冊合本版
    5.0
    赤川次郎の映画原作を6冊まとめて合本化! ≪収録作品≫『死者の学園祭』『探偵物語』『早春物語』『結婚案内ミステリー風』『晴れときどき殺人』『いつか誰かが殺される』 ※巻末の電子書籍特典エッセイ「僕の七つの扉」は、「小説野性時代」1993年6月号に掲載されているものを収録しています。
  • 赤くない糸で結ばれている
    4.4
    書店員さんに恋をした体育会系男子、会ったことのないラジオの投稿者が気になる秀才、突然連絡してきた高校時代の同級生に翻弄される女子大生、同性を崇める女子中学生――鮮やかで儚い恋模様を描いた短編集
  • 赤毛のアン
    4.4
    ふとした間違いで、カスバァト家に連れて来られた孤児のアンは、人蓼(にんじん)頭、緑色の眼、そばかすのある顔、そしてよくおしゃべりする口を持つ空想力のある少女だった。カナダの作家であるモンゴメリ女史は、自分の故郷を舞台に花開く少女時代の夢を素晴しい物語に収めた。次々に続くアンの物語は、読者のよい友達になるであろう。
  • 赤頭巾ちゃんの回り道
    値引きあり
    3.5
    尾田和成は二十年以上の刑事生活にピリオドを打ち、〈K探偵社〉に再就職することになった。そこでの初仕事は、小学生の塾への送り迎え――通称〈赤頭巾ちゃんサービズ〉。元刑事の尾田にとっては簡単な仕事のはずだったが、一瞬の隙をついて大富豪の一人娘・美音が誘拐されてしまう。しかも、美音の父親・高田には、十二年前の殺人容疑がかけられていて――。過去と現在の様々な事件と人間関係が交錯する、極上のサスペンスミステリー。
  • あかでみあ めらんこりあ
    3.0
    1巻396円 (税込)
    知性の光、感性のきらめき、清新なstyle。戦後の一時期を背景に、精緻に写し出される青春の憂愁と狂気……生きることに疲れた「憂鬱(あかでみあ)な大学生(めらんこりあ)」計介と、彼を「つめたい・澄んだ・くらい瞳」で見つめる若い女・道子を軸として展開されるこの小説は、自身学生だった開高健が20歳の年に書き上げた幻の〈処女長編〉である。事物や人物や情況がもつ複雑で微妙な感触と気配を、鮮明で魅力的な表現に結晶させる稀有の才能をすでに示した、みずみずしい記念碑的作品。
  • 赤×ピンク
    3.9
    東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールファイト、集う奇妙な客たち、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子たち。体の痛みを心の筋肉に変えて、どこよりも高く跳び、誰よりも速い拳を、何もかも粉砕する一撃を――紡徨のはて、都会の異空間に迷い込んだ3人の女性たち、そのサバイバルと成長と、恋を描いた、最も挑発的でロマンティックな青春小説。
  • 明るい節約生活入門
    4.0
    年収100万円でもリッチな生活を。明るい節約生活のコツを具体的に伝授したガイドブック登場!目からうろこの出る節約術を一挙公開いたします!
  • あかん男
    3.0
    35歳・独身の貞三は、奥ゆかしくやさしい「ニッポンの女」を追い求めて20回も見合いをしたが、いまだ結婚相手は見つからない。 そうこうするうち甥に先を越され、会社では女の子に見向きもされぬが、見果てぬ夢を追い続ける――。(「あかん男」) 夫が突然、隣りの奥さんと蒸発した。取り乱す隣の旦那を慰めるうちに、どうもこの旦那が、純情素朴で可愛らしい、ええ男のように思えてきた。(「へらへら」) 男と女の悲喜こもごもをあたたかなユーモアで包み込む7つの作品集。 田辺聖子2ヶ月連続復刊・第1弾。 解説・酒井順子
  • 秋田殺人事件
    3.7
    第三セクターの住宅建材偽装事件と使途不明金問題に揺れる秋田県に、光彦の兄・陽一郎の後輩、望月世津子が副知事として赴任することに。陽一郎の命で、光彦は世津子のボディガードとして秋田に向かうが……。
  • 秋月記
    3.9
    筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・宮崎織部への不満が高まっていた。間小四郎は、志を同じくする仲間の藩士たちとともに糾弾に立ち上がり、本藩・福岡藩の援助を得てその排除に成功する。藩政の刷新に情熱を傾けようとする小四郎だったが、家老失脚の背後には福岡藩の策謀があり、いつしか仲間との絆も揺らぎ始めて、小四郎はひとり、捨て石となる決意を固めるが──。絶賛を浴びた時代小説の傑作、待望の文庫化!
  • 秋に墓標を (上)
    3.3
    1~2巻638円 (税込)
    都会のしがらみから離れ、海辺の別荘地で愛犬と静かに暮らす松原龍。 だが、ひとりの女との出会いが、その生活を激変させた。 浜辺で出会ったその女・内村杏奈は、アメリカで急成長を遂げた日系企業ムーン・インダストリーの会長・秋月のもとから逃げてきたという。杏奈に対し、とうに捨て去ったはずの恋愛感情がわき上がるのを覚えた龍は、彼女をかくまうことに決めるのだが……。
  • 秋に墓標を 上下完全版【上下合本】
    4.3
    1巻1,210円 (税込)
    都会のしがらみから離れ、海辺の別荘地で愛犬と静かに暮らす松原龍。 だが、ひとりの女との出会いが、その生活を激変させた。 浜辺で出会ったその女・内村杏奈は、アメリカで急成長を遂げた日系企業ムーン・インダストリーの会長・秋月のもとから逃げてきたという。杏奈に対し、とうに捨て去ったはずの恋愛感情がわき上がるのを覚えた龍は、彼女をかくまうことに決めるのだが……。 名作長編を上下一気読み! ※本電子書籍は「秋に墓標を(上)」「秋に墓標を(下)」の2冊を合わせた合本版です。
  • 秋の日のヴィオロンのため息の
    3.0
    1巻462円 (税込)
    シャワーを浴びた後、純白のバスタオルで身体を包み、オーソバージュをすり込み、肌色のシルクの下着をまとう。そして、冷えたグラス一杯のシャブリとシガリロを一本。――自分を確実に幸せな気持ちにしてくれる小道具たちを配置して、阿里子は男に会いに行く仕度をする。経済的にも、美貌にも恵まれている三十八歳。しかし、人生の秋の日にさしかかっている、と気づいた時、阿里子は潔い決断をする……。シリアスな問題をしゃれた会話体で、華麗な空間の中に浮きぼりにした長篇小説。
  • 秋のわかれ
    5.0
    ラブレターにはろくな文例がない、と悦子は発見した。相思相愛の文例はあっても、片恋の苦しさをしみじみ訴えるというのは、ない。――スキデス。いろんなことがありました――これ以上、何も浮かんでこない。親友の信子とすごした、田舎での夏休みは、高校生になったばかりの二人にとって忘れられないものとなった。16歳のひと夏の思い出を、爽やかに描く表題作、他3篇を収録。
  • 秋葉原先留交番ゆうれい付き
    値引きあり
    3.8
    電気とオタクの街――秋葉原。その交番に勤める権田は、筋金入りのオタク警官。対してコンビを組む長身イケメン警官・向谷は頭はからっぽだが、類い稀なコミュニケーション能力の持ち主。ひいては美脚の「足だけの幽霊」を連れてきてしまった。2人は「足子」さんと呼び、彼女の死の理由を探し始める。フィギア盗難、抱きつき魔、迷子、メイド喫茶のいさかい……ご当地ならではの「謎」に凸凹警官が挑む、新境地人情ミステリ!
  • GEEKSTER 秋葉原署捜査一係 九重祐子
    3.8
    人気の食玩フィギュアをめぐって起きた殺人事件。被害者の話を聞いていた九重祐子巡査部長は、独自に捜査をはじめた。そんな中、「GEEKSTER」という、謎の人物の存在が浮かび上がってきて……。
  • 阿Q正伝
    3.3
    1巻704円 (税込)
    貧しい農民の家に生まれた一人の人間を通し、当時の中国社会を風刺的に描く。辛亥革命の失敗点を痛烈に暴き、民族的決意を促し、文学史にその名を刻んだ代表作。ほかに、デビュー作の「狂人日記」、日本留学の思い出を描いた「藤野先生」、「孔乙己」「小さな事件」「故郷」「家鴨の喜劇」「孤独者」「眉間尺」を収録。解説/佐高信 [もくじ] 狂人日記 孔乙己 小さな事件 故郷 阿Q正伝 家鴨の喜劇 孤独者 藤野先生 眉間尺 後 記 解 説 魯迅略年譜
  • あきんど 絹屋半兵衛
    5.0
    1巻1,298円 (税込)
    幕末の近江で古着を商う絹屋半兵衛は、妻留津とともに染付磁器に挑む。最初の窯での失敗、販売ルート開拓の困難など、様々な壁にぶつかりながら、何とか良質な「湖東焼」を作り出すことに成功するが……。
  • アクアマリンの神殿【電子特典付き】
    3.4
    長い“眠り”から目覚め、未来医学探究センターに独りきりで暮らす少年・佐々木アツシ。彼は正体を隠し騒がしい学園生活を送る一方、深夜には秘密の業務を行っていた。それは、センターで眠る“女神”を見守ること。だがやがて過酷な運命が次々とアツシを襲い、ある重大な決断を迫られる。懊悩の末、彼が選んだ“未来”とは――? 先端医療の歪みに挑む少年の成長を瑞々しく描き、生き方に迷うすべての人に勇気を与える、青春ミステリ長編! ★豪華電子版特典付き! 【電子書籍・共通あとがき】 【著作解説】電子版あとがき『アクアマリンの神殿』 付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【関連小文索引】
  • 亜空間要塞
    2.8
    あなたは、亜空間要塞という存在を信じられるだろうか。それは、侵略宇宙人が地球に据えつけた基地で、あなたのすぐそばに、あるかもしれない。――SF好きな四人組の前に、二十数年間も行方不明だった浄閑時公等が突然出現した。出現の謎の解明に向かった彼らに、突如、UFOの怪光線が襲いかかり、気がつくと“ジョーカンジー”と呼ばれる神がまつられた異次元空間に漂着していた……。鬼才、半村良があらゆるSF的世界の怪現象を雄大に描いた大冒険SF。 カバーイラスト/杉本一文
  • 亜空間要塞の逆襲
    -
    ある日、私、半村良の本を読んだという男が訪ねてきて驚くべき事を語った。それは、まったくの空想で私が考え出した世界『亜空間要塞』は実在し、彼自身も小説の登場人物として亜空間要塞に行ってきたという……。以来私は、なぜ『亜空間要塞』を書き上げたのかを知ろうとする宇宙人に追いまわされるはめになった。そして、とうとう私までが自分の作品の世界に足を踏み入れることになってしまったのだ! 奇想天外なSF世界を展開しながら作者自身の内面を語る『亜空間要塞』の続編。 カバーイラスト/杉本一文
  • 悪妻に捧げるレクイエム
    値引きあり
    4.5
    女房の殺し方教えます! 互いに甘い言葉を囁きあい、あんなに愛しあったこともあるのに、今では……。ひとつのペンネームで小説を共同執筆する4人の男たち。4人が選んだ新作のテーマが、よりによって「妻を殺す方法」。常日頃、女房に泣かされ、悩まされている4人の男たちは、アイデアを練るうちに夢と現実がごっちゃになり、事態は思わぬ方向へ進み始めた。赤川次郎が放つ、新感覚ミステリーの傑作。
  • 悪女の舞踏会
    3.0
    毒を持つ女性ほど妖しい魅力がある。彼女の周辺にはいつも男が群がっていた。柚木淑子はそんな女性だった。男に貢がせ、男を弄んだ彼女は、とうとう遺産50億の老資産家と結婚することに成功した。しかし、パーティーの夜、彼女の夫が毒殺された。犯人は招かれた客の中に……? 表題作他、女をテーマにしたオリジナルサスペンス推理傑作集。
  • 悪玉 熱海警官殺し
    -
    観光都市の熱海警察署の組織犯罪対策班の住田航は、県警本部から赴任してきた國貞に驚きを隠せなかった。本部の対暴力団のエキスパートがなぜ、自分の相勤者に。國貞に課せられたのは密命かスパイか。
  • 悪玉伝
    4.0
    大坂商人の吉兵衛は、風雅を愛する男伊達。兄の逝去により、将軍をも巻き込んだ相続争いに巻き込まれてしまう。吉兵衛は大坂商人の意地をかけ、江戸を相手に大勝負に挑む。第22回司馬遼太郎賞受賞作。
  • 悪徒
    4.3
    偽名を使い、多数の人を殺めてきた腕利きの榎波は、暴力団員が起こした動物惨殺事件を見逃すことが出来なかった。激情に駆られながらも、冷徹に暴力団員を射殺した榎波だったが、その完璧さが彼の運命を大きく狂わせていく。榎波の手口が他の伝説の暗殺者・花井と酷似していたことから、花井を追うことになった“影の弁護士”藤立。本来絡み合うはずのない二人が、再び出会うとき、未曾有の犯罪を巡る追跡劇がはじまる。 ※本書は二〇一二年十一月に小社から単行本で刊行された『ライフ・アンド・デス』を改題して文庫化したものが底本です。
  • 悪党
    4.1
    探偵事務所で働いている佐伯修一は、老夫婦から「息子を殺し、少年院を出て社会復帰した男を追跡調査してほしい」という依頼を受ける。依頼に後ろ向きだった佐伯だが、所長の木暮の命令で調査を開始する。実は佐伯も姉を殺された犯罪被害者遺族だった。その後、「犯罪加害者の追跡調査」を幾つも手がけることに。加害者と被害者遺族に対面する中で、佐伯は姉を殺した犯人を追うことを決意し……。衝撃と感動の社会派ミステリ。
  • 悪徳の栄え
    3.0
    悪徳と淫蕩を重ね、快楽をむさぼる若い女性ジュリエットの姿を通して、性本能に対する鋭い観察を試み、人間の奥深く隠されている暗い未知の部分と自由の問題を、徹底的に追求した。貴族の家柄にありながら、当時としては悪魔的所業ともいうべき奇行ゆえに、その生涯の三分の一以上を牢獄で過したサドの代表作。1797年作。
  • 悪の戴冠式
    -
    OLの会社員・細川澄枝は銀行からの帰りに、ボーナスをタクシーの中に置き忘れた。のちに、その現金が消失したタクシーの中から、運転手の死体が発見される。澄枝が責任を感じて自殺した2年後、東京で不審な交通事故が起こり、保険会社査定員の千野が調査を担当するが、事件は思わぬ展開を見せていく――。一見無関係な事件が一つに重なる時、姿を見せた事件の結末とは!? 本格推理の名作!
  • 悪の華
    4.0
    団地で主婦が殺された。あの「ノラ」がついに帰ってきたのだ。事件をきっかけに久しぶりに集まった昔の悪の仲間。今は会社社長、ピアニスト、主婦……として、それぞれ平和に暮らしている。この生活を守るためにはノラを殺さなければならない。だが、捜査の手は着実に身辺にのび、一人、また一人と仲間が死んでいく。悪だけが持つ美と友情を描く、サスペンス・ミステリーの傑作。
  • 悪の芽
    3.8
    大手銀行に勤める41歳の安達は、無差別大量殺傷事件のニュースに衝撃を受ける。40人近くを襲ってその場で焼身自殺した男が、小学校時代の同級生だったのだ。あの頃、俺はあいつに取り返しのつかない過ちを犯した。この事件は、俺の「罪」なのか――。懊悩する安達は、凶行の原点を求めて犯人の人生を辿っていく。彼の壮絶な怒りと絶望を知った安達が、最後に見た景色とは。誰の心にも兆す“悪”に鋭く切り込んだ、傑作長編ミステリ!
  • 悪魔とプリン嬢
    3.7
    「条件さえ整えば、地球上のすべての人間はよろこんで悪をなす」悪霊に取り憑かれた旅人が、山間の田舎町を訪れた。この恐るべき考えを試すために――。
  • 悪魔の家
    2.3
    武蔵野の面影をとどめた杉並木に生暖かい夜霧が立ちこめる人けのない道。帰途を急ぐ新日報社の花形記者三津木俊助は、背後に尾行者の気配を感じてふと立ちどまった。意外にもそれは若い女だった。夜道の一人歩きが怖くて、と女は詫びた。うち解けた二人が善福寺池のほとりへさしかかった時、突然女が悲鳴を上げた。「悪魔が!」と女が指さす杉木立の向こうには、グロテスクな顔がボーッと浮かび上がり、無気味な笑い声が聞こえて来た……。表題作ほか六篇を収録した傑作短編集。 カバーイラスト/杉本一文
  • 悪魔の関係
    2.5
    「駄目よ、駄目……」魔性の美青年・乙矢の執拗な愛撫に長い間の禁欲がようやくとけ、痺れるような甘美感が全身に湧き上がってきた香代。それは諏訪湖に浮かんだボートの上で夫が十六歳年下の女と服毒心中した数日後の通夜の晩のことだった。そして、乙矢は夫と心中した女の最愛の恋人なのだ……。だが、何度となく、乙矢に抱かれている香代の脳裏には“黒い疑惑”がだんだん芽生え始めていた――。魔性を秘めた男女の愛憎を描いた長編官能ミステリーの傑作。
  • 悪魔の降誕祭
    3.4
    大胆不敵! 金田一耕助の事務所で起こった殺人事件。被害者は、その日電話をしてきた依頼人だった。あまりのことにさすがの名探偵も唖然とするばかり。その時、12月20日であるべき日めくりのカレンダーが何者かにむしられ、12月25日になっているのに気がついた……。降誕祭パーティーの殺人を予告する悪魔のような犯人。屈辱的挑戦を受け、名探偵の激しい怒りが燃える。本格推理小説の最高傑作! ほか2編収録。 カバーイラスト/杉本一文
  • 悪魔の湖畔
    -
    東京のホテルに勤める美穂子は婚約者の出張について北海道へ婚前旅行に出かけた。ところが、婚約者の留守中にオコタンペ湖を訪れた彼女は樹海で襲われ犯されてしまう。現場にはT・Tと記された懐中電灯が残されていた。一方、美穂子が襲われた現場近くの支笏湖畔では一カ月前に彼女と瓜二つの女性が暴行未遂の状態で絞殺されていた。しかも婚前旅行の二日前、鹿児島の池田湖畔でも殺人が――。美穂子の強姦と二つの湖畔殺人には関連があるのか!?揺れ動く女心と情事の底に潜む陥穽とを描いた官能ミステリー。
  • 悪魔の処刑
    -
    奈緒美たちを襲い、蝕んだのは四人の野獣化した男たちだった。彼女が、恐怖の悪夢から醒めやらぬとき、更なる「脅迫者」が現れる。元刑事の赤坂勇一郎。妻と娘を凌辱され殺されたが、犯人は証拠不十分で無罪に。“悪魔”への復讐心が燃えさかるなか、犯人は惨殺された。そして、二つの事件は不思議な因果で結びつく……。男と女の愛憎を描く、大人気「悪魔シリーズ」傑作サスペンス。
  • 悪魔の辞典
    3.9
    この本に集められた警句を読めば、読者は思わずニンマリするに違いない。ポーの再来といわれ、芥川龍之介の「侏儒の言葉」にも大きな影響を与えた短編の名手ビアスが“インク代わりにニガヨモギの汁を使用した”といわれる皮肉な文章で、現代文明と人間性を鋭く風刺する。現代人必読の書。

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