ビジネス・実用 - ちくま新書作品一覧

  • 日本経済のウソ
    3.7
    「日本は国家破綻する」「デフレ不況は量的緩和では回復しない」「増税しても景気は良くなる」などなど、日本経済はウソだらけ! 不況から立ち直れない理由は、日本独自のおかしな定説にこそある。大恐慌からリーマン・ショック、そしてギリシャ破綻まで、世界の常識に照らしながら、日本経済のウソと真実を克明に解き明かす。
  • 日本経済を学ぶ
    4.3
    日本経済は、この先、安定的な成長路線に復帰できるのだろうか。不良債権処理、累増する国債、少子・高齢化と年金といった問題が山積している現在こそ、戦後の高度成長期から平成の「失われた10年」までを丹念に振り返る必要がある。「日本的経営」の行方、コーポレート・ガバナンス、規制改革や構造改革などの課題を、さまざまな観点からダイナミックに捉える、最良の日本経済入門。
  • 日本建築入門 ──近代と伝統
    3.3
    近代の日本建築には、「日本という国への意識」が脈々と流れている。つまり、日本の建築を見れば、「日本的なるものとは何か」というアイデンティティの問いに対峙することにもなる。オリンピック競技場、万博パヴィリオン、国会議事堂、皇居など、海外からの注目も集める国家規模のプロジェクトが計画されるたび、伊勢神宮、桂離宮などの伝統建築が再検討され、議論が重ねられてきた。本書では、建築史・建築批評の第一人者が日本のシンボリックな有名建築をとりあげ、それらの議論を詳細に追う。日本のナショナリズムとモダニズムの相克がいま蘇る!
  • 日本語全史
    4.0
    日本語の全史を一冊でたどる初めての新書。日本語の変遷を古代(前期・後期)/中世(前期・後期)/近世/近代という時代ごとに、総説・文字・音韻・語彙・文法の五つに分けて整理していく。日本語は世界の言語の中でも比較的、古代からの変遷が少ない。であればこそ、現代語との関わりのなかで、日本語史を記述していくことが可能となるのだ。日本語の変遷の全体像がわかるだけでなく、現代の一部の慣用表現や方言などに残る過去の日本語の痕跡をたどっていく謎解きとしても楽しめる一冊。
  • 日本語の起源 ――ヤマトコトバをめぐる語源学
    -
    日本語の起源は古代中国語にあった。古代中国語音と古代日本語(ヤマトコトバ)の音の対応を、百話にまとめた実例で検証。弥生時代以来の「伝統的造語法」、そして新たに登場した「新型造語法」を考察し、さらに『古事記』の天地初発の話から欠史八代の記事までに現れる神名や地名の語源を探る。これにより日本語の古層は中国語と共通のものだったことが見えてくる。ユーラシア全体の言語への広い視野と、細かい語彙の変遷を跡づける深い知識によって裏打ちされた新説提唱の試み。
  • 日本語の哲学へ
    3.9
    「日本語の哲学」を目指すとは、いったいどんなことなのか。―少なくともそれは、古代ギリシャに始まった西洋の哲学をただ日本語で受容する、ということではないはずである。かつて和辻哲郎が挑んだその課題は、いま、もっとも挑戦しがいのあるテーマとして研究者を待ちかまえている。ここに展開するのは、パルメニデス、デカルト、ハイデッガーといった哲学者たちと、「日本語」をもって切りむすぶ、知的バトルの数々である。これまでに類を見ない知的冒険の姿がここにある。
  • 日本語を叱る!
    3.0
    近年の「カタカナ言葉」や、「一語文」「タメ口」に代表される若者言葉、それに携帯電話やメールなど情報環境が激変したことによって日本語に大きな混乱が生まれている。「甘やかされた日本語」の現状を丁寧に分析し、「雑種言語」としての日本語の歴史を再検討しながら、新たな可能性を探る。
  • 日本思想史の名著30
    5.0
    千数百年におよぶ日本思想史上には、画期となる名著が多数生まれてきた。あるときは神話や物語、説話の形をとり、またあるときは歴史書・史論、社会・政治評論、そして近現代にはアカデミズムの産物として現れてきた研究書や「日本国憲法」などの法文││それらの名著群を博捜するなかから三十点を選りすぐり読み解くことで、「人間とは何か」「人間社会とは何か」という普遍的な問いに応える各時代の思考様式を明らかにする。遠い過去の思考に、現代を考えるヒントをさぐる。
  • 日本思想全史
    3.6
    この国の人々は選択的に外の思想を受け入れつつ、あるべき人間とは何かという問いを立ててきた。ではその根底にあるものは何だろうか。思想史を俯瞰してそれを探るには、日本の内と外の両側から眺める視点が必要である。そしてそのような内と外の意識こそ、古代からこの国で綿々と受け継がれてきたものだ。神話時代から現在までの各時代の思想に、外部的視点からの解釈を押し通すのではなく、内在的視点をもって丹念に光を当てる。一人の思想家による、初めての本格通史。
  • 日本書道史新論 ――書の多様性と深みを探る
    -
    日本書史の碩学が、近年の新たな研究成果に基づき、日本の書がもつ多様性と深みを新視点から明らかにする。わが国の書の原点を稲荷山古墳鉄剣象嵌銘や聖徳太子「法華義疏」に見、近年中国で見つかった吉備真備の李訓墓誌銘などを例に挙げつつ、その発展史を辿る。さらに三筆・三跡と呼ばれる平安期の能書家、儒者、西行・寂厳から良寛に至る僧侶、頼山陽ら文人の書から、中国基軸の漢字文化史とも異なる、自由で伸びやかな日本独自の文字文化の歩みとしての書道史を描きなおす。
  • 日本震災史 ──復旧から復興への歩み
    3.0
    度重なる震災は、日本社会をどのようにつくり替えてきたのだろうか。災害の歴史から、救済と支援、復旧・復興の技術的進展に焦点を当て、古代・中世から近代までの象徴的な事例を取り上げて具体的に分析。社会が持つ災害への対応力の歴史的変遷をたどる。東日本大震災の衝撃から立ち直りかけようとする現在の被災地の現実を見据えつつ、災害の社会史研究に長く従事してきた著者ならではの視点から、歴史災害の復旧・復興の歩みと、時代を超えて人々が抱えてきた問題を読み解く。
  • 日本人が知らない戦争の話 ――アジアが語る戦場の記憶
    4.0
    アジア・太平洋戦争において、後景に退きがちな大陸や東南アジアでの戦闘。激戦や苛酷な統治が繰り広げられたその場所で暮らす人びとは、当時をどう語り継いでいるのか。そもそも私たちは、かつて日本軍がしたことをどれだけ知っているだろうか。シンガポールにおける大検証と粛清、「戦場にかける橋」で出会った元英兵捕虜、バターン死の行進、帰国できなかった中国残留孤児……。長年アジアに残る戦争の記憶に耳を傾けてきた地理学者が、日本人がけっして忘れてはいけないことを明らかにする。
  • 日本人とイギリス ――「問いかけ」の軌跡
    3.0
    日本と同様の小さな島国であるイギリスが、なぜ世界の覇者になり得たのか。その秘密を探りだし学びさえすれば、いつか日本も追いつくことができる―。幕末以来、イギリスは学ぶべき模範、追いつくべき標的であり続けた。その間、日本人はイギリスに、何をどのように問いかけてきたのだろうか。ウィリアム・アダムズの漂着から400年、なかでも幕末開国期から明治期を中心に、文化接触の問題に焦点を合わせて、日英交流の歴史をたどる。
  • 日本人と遠近法
    4.0
    日本の浮世絵はなぜ遠近法をもたなかったのか。浮世絵に限らず、日本の美術は中国やヨーロッパの影響によるものを除き、独自の遠近法をもたなかった。しかし、写実の範囲を超えた造型方法である「視点の移動」が見られる。そこには日本人の伝統的なものの見方が反映されているのではないだろうか。遠近法を突破口に、浮世絵、歌舞伎、宗教から浮き彫りにされる個と全体との関係を論じた日本文化論。
  • 日本人と資本主義の精神
    4.0
    1980年代に、世界中から礼賛された日本型資本主義だったが、バブル崩壊、さらにその後の20年以上に及ぶ停滞を見るにつけ、すでに終焉を迎えたと言わざるを得ない。大蔵官僚、財務省高官として、日本経済の中心で働き続けてきた著者が、日本人の精神の根幹から、日本型資本主義の誕生、歩み、衰退の流れを様々な資料をもとに丹念に読み解いていく。その上で「日本型資本主義」とは何だったのか、その再構築には何が必要かを分析する意欲作。
  • 日本人なら知っておきたい 四季の植物
    3.0
    日本には四季の美しさがある。それを豊かに彩る植物がある。わが国では古くから植物に関心が寄せられ、暮らしと結びついてきた。日本人と花とのつき合いも深くて長く、すでに万葉人が野から庭に移し愉しむ。ふだん何気なく見ている景観や、ありきたりと思っている行事の習俗など、その主役が植物であることは、少なくない。本書では、豊富なカラー写真を交えながら、環境と伝統のなかで培われた植物に対する日本人の感受性と文化をみつめなおす。
  • 日本人なら知っておきたい日本の伝統文化
    4.5
    現代の私たちは日本の伝統文化をあまりにも知らない。それは明治時代に西洋の知識や技術を取り入れるためにつくられた学校教育や近代の学問が、日本の文学や歴史を私たちの心から切り離して論じてきたからだ。伝統的な日本人の心のあり方や死生観はどのようなものだったのか。いま私たちが伝統的と思っているものの多くが、いかにして明治に入ってからつくりだされてきたのか。民俗学や宗教学、倫理学等の観点から近代以降に日本人が見誤り、見失ってきたものを掘り起こす。
  • 日本人の神はどこにいるか
    4.0
    文明の衝突が叫ばれる今、宗教はふたたび世界の歴史を動かしつつある。排他的な一神教と寛容な多神教という常識は果たして正しいのか。イスラームやキリスト教、仏教など世界宗教の実態を探りながら、すべての神を取りこんで、矛盾なく共存させてしまう特異な日本人の神を問いなおし、普遍的な神の学をめざす。
  • 日本人の9割が知らない英語の常識181
    3.8
    「たぶん」の意味で“maybe”を使うと誤解される? 「フレッシュサンド」「ペットボトル」は英語じゃない? 日本語を直訳して変な表現をしていたり、あまり使われない古臭い表現を多用していたり、全然通じないカタカナ語を使っていたり、日本人の英語は勘違いだらけ! 長年日本人の英語に接してきた著者が、日本では意外と知られていない英語の常識を伝授します。ベストセラー『日本人の9割が間違える英語表現100』シリーズ待望の第2弾。
  • 日本人の9割がじつは知らない英単語100
    -
    知ってるつもりの英単語でも、ネイティブが多用しながら日本人にはあまり知られていない「使える」意味、用法がある。本書は、高校英語までにおよそ出あう単語の中から、意外な・面白い意味を持つ100の英単語を集めた単語解説集です。これらを知っていれば、英語文献や英語記事、英語の動画などもすらすら理解できるはず! あなたはいくつ知っているか?!
  • 日本人の9割が間違える英語表現100
    3.8
    See you again.は、永遠の別れのときだけに使う? 「ドンマイ」「ハイテンション」「ファイト!」は全然通じない? 教科書に載っていても実は通じない英語、何気なく使っている和製英語など、日本人が身につけている英語には勘違いがたくさん! 長年日本人の英語に接してきた著者だからこそわかる、日本人が間違えやすいポイントと、その正しい言い方を伝授。これを読めば、しっかり伝わる英語表現が身につきます!
  • 日本人の身体
    4.0
    「膝」と言えば、ピンポイントの膝頭ではなく太ももの前側全体を指し、「肩」と言えば、肩峰のみならず、首肩まわりの「界隈」を指す……おおざっぱであり曖昧であり、細かいことは気にしなかったはずの日本人の身体観。ところが、現代の身体に関する志向性はこれに逆行している。人間同士の境界も環境との境界も曖昧であったがゆえに、他人や自然と共鳴できていた日本人の身体観を、古今東西の文献や文学、また能の詞章を検証しつつ振り返ることで、「カラダ」と「ココロ」に分裂し、内向きになっている現代の身体観を、打開する端緒としたい。
  • 日本人の神道 ――神・祭祀・神社の謎を解く
    3.3
    古代から現代にいたるまで私たちの暮らしに深くかかわっている「神道」。だが私たち日本人は、「神道」という宗教の本質を本当に理解しているだろうか? 本書では、開祖もいなければ、教義もない、そして救済もない「ない宗教」としての神道の本質を見定め、その展開を追う。日本人が神道とどのように関わってきたかを明らかにすることは、私たち日本人の基本的な世界観や人生観を考えることにつながっていく。
  • 日本人のためのイスラエル入門
    4.0
    近年、スタートアップ企業の急増等により世界から熱い視線を浴びるイスラエルは、建国後わずか七〇年で最先端技術大国の地位を確立した。古代から続くユダヤの伝統を大切にしながら、なぜ彼らはイノベーションを起こし続けられるのか? 高出生率、家族中心の伝統、常識を打破する反骨心、市民社会と軍隊の関係、徹底した安全保障意識と自存自衛の精神……。少子化や経済・社会の不安に喘ぐ日本の未来を考えるヒントとして、現役外交官がイスラエルを縦横無尽に語り尽くす!
  • 日本人のための英語学習法 ──シンプルで効果的な70のコツ
    4.3
    文法、会話、単語、音読、シャドウイング、多読、精聴……日本語と全然違う英語を勉強するのに、日本人はどう学習したらよいのか? そもそも、どうして英語の力が伸びないのか? 上達しない人の学習法には、いったい何が足りないのか? 三〇年以上にわたって英語を教えてきた人気講師が、その経験から、着実に上達する方法や、つまずきやすいポイントを解説する。やみくもに学ぶのはもう終わり。この本で最適な方法を見つけ、自分ならではの英語を手に入れよう。
  • 日本人はなぜ「頼む」のか ──結びあいの日本史
    -
    平安時代には父親などの「経済的庇護者」、中世には「主従制の主人」との関わりで使われた「頼む」という言葉。また、頼み頼まれる社会関係は近世に「義理」概念を生む基盤となるなど、日本史のなかで意味を変化させてきた。その変化は人と人の結びつきの変化を表している。『万葉集』『源氏物語』から「一揆契約書」「頼み証文」まで、様々な史料に現れる「頼む」の変遷を丹念に読み込み、日本人の社会的結合を描く、まったく新しい社会心性史の試み。
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    4.1
    いまや日本人は自分たちを「無宗教」と規定して、なんら怪しむことがない。しかし、本当に無宗教なのだろうか? 日本人には神仏とともに生きた長い伝統がある。それなのになぜ「無宗教」を標榜し、特定宗派を怖れるのか? 「……私は、宗教とは、人間がその有限性に目覚めたときに活動を開始する、人間にとって最も基本的な営みだと理解している……」。著者は民族の心性の歴史にその由来を尋ね、また近代化の過程にその理由を探る。そして、現代の日本人に改めて宗教の意味を問いかける。
  • 日本でいちばん社員のやる気が上がる会社 ──家族も喜ぶ福利厚生100
    4.0
    全国の企業1000社にどんな福利厚生をしているかアンケートをし、社員とその家族を幸せにしている100の事例を紹介する。それは業績にも確実に効果を及ぼしているという分析もあわせて明らかにする。第3子誕生時に100万円支給する。最もながめのいいところに社員のカフェがある。社員が株のほとんどを持っている。等々それぞれどのように導入し、効果はどうかなどを紹介する。中小企業が工夫をしたユニークな事例ばかりで、参考にしやすいはずだ。
  • 日本と中国経済 ──相互交流と衝突の100年
    4.0
    日中関係に付きまとうもどかしさ。それは、「経済関係が良好でも、どこかで「政治」が邪魔をする」一方、「政治的な関係が悪化しても、「経済」のつながりはなくならない」ところにある。この構図は最近になってはじまったわけではなく、近代以降の両国の交渉において何度となく繰り返されてきたのである。日本(人)は中国(人)をどのように理解し、付き合ってきたのか。経済関係を軸に政治・社会状況の考察を織り交ぜながら、一筋縄ではいかない両国関係の本質を解き明かす。
  • 日本の安全保障
    -
    専守防衛に徹し、軍事大国とはならず、非核三原則を堅持する──。戦後一貫して平和国家の道を歩んできた日本。しかし、近年、安倍政権が掲げる「国際協調主義」によって、日本の安全保障が転機を迎えている。本書では、「積極的平和主義」とは何か、安全保障環境がどのように変化したのか、自国の安全をいかに確保すべきか、これらの点を現実的に考え、日本が選ぶべき道を提案する。
  • 日本の隠遁者たち
    3.0
    ひとは、生まれてから死ぬまで他人とのかかわりにおいて生きている。しかしそれが時にはわずらわしくもあり、また時には人恋しくもなる。並はずれた才能を持ちながら世を疎み、心の葛藤を自然を愛でることと孤独に耐えることで癒しながら生きた中世以来の隠遁者たち、西行法師、鴨長明、吉田兼好、松尾芭蕉、種田山頭火、尾崎放哉らの研ぎ澄まされた感性の表現から、われわれ現代人は何を感じとり、受け継ぐことができるのか。日本人の心の系譜を読み解く力作。
  • 日本農業の真実
    3.8
    日本の農業は正念場を迎えている。高齢化、減反問題、農産物貿易の自由化など、難問が山積している。本書では、日本農業の強さと弱さの両面を直視し、国民に支えられる農業と農村のビジョンを提案する。農地制度や農協問題など、農業発展のブレーキと指摘されている論点にも言及しながら、近未来の日本農業を描き出す。
  • 日本の教育はダメじゃない ――国際比較データで問いなおす
    4.4
    昨今、メディアや識者からは、日本の教育に否定的な意見ばかりが目立つ。その結果として、教育現場の実態とはかけ離れた教育政策にすがりついてしまう。しかし巷間言われるように、日本の教育は本当にダメなのだろうか? 国際比較データを駆使して新しい姿を描き出す。思い込みを解きほぐし、不安や疑問に答え、未来に向けて提言をする。専門分野も国籍も異なる気鋭の研究者2名が、教育をめぐる議論に新しい視点を提供する。
  • 日本の国境問題 ──尖閣・竹島・北方領土
    4.0
    尖閣・竹島・北方領土。領土は魔物である。目を覚ますと、ナショナリズムが燃え上がる。経済的不利益に、自国の歴史を冒涜されたという思いも重なり、一触即発の事態に発展しやすい。戦争はほぼすべて領土問題に端を発する―。日本の安全保障を研究・分析した外交と国防の大家が平和国家・日本の国益に適った戦略を明かす。
  • 日本の深層文化
    -
    日本の深層文化を探ること―それは、かつての日本人たちの豊穣な意味の世界を生きなおすことだ。「稲作文化」の常識に反して、かつて穀物の一方の雄であった粟の意義。田とは異なる豊かさを提供してくれた各地の「野」。食用だけでなく道具や衣類そして儀式の象徴となる鹿。さらには「大きな魚」としてのクジラ…。思い込みを排すれば、史料と遺跡はこんなにも新しい姿を見せてくれる。
  • 日本の樹木
    -
    深山幽谷で、里川の畔で、あるいは暮らしの傍らで、しずかに佇む日本の樹木。用材として、薪炭として、日本人の暮らしを支えてきました。戦後、生活の在りようが変わり、その存在が希薄になりつつあります。本書では、あらためて木の美しさと不思議さを再発見してもらうために、生物学から生態学までをふまえ、ヒノキ、ブナ、ケヤキなど代表的な26種について進化の秘密を紹介します。自然環境のなかで成長した本来の樹形を写したカラー写真をとおして、緑樹の影のしたたかな生き残り戦略について楽しく学びます。
  • 日本の人類学
    4.0
    遺伝子研究を導入して人類の進化をたどってきた東大の人類学と、独自の霊長類研究を展開してきた京大の霊長類学。日本の人類学は、彼らの切磋琢磨によって世界をリードしてきた。東大分子人類学の泰斗である尾本恵市と、京大霊長類学を代表する研究者である山極寿一が、人類学のこれまでの歩みと未来を語り尽くす。人類はどこからやってきたのか。ヒトはなぜユニークなのか。ユニークさゆえに生じる人間社会の問題とはなにか。新しい人類学を求める視点から鋭く論じる。
  • 日本の大課題 子どもの貧困 ――社会的養護の現場から考える
    3.8
    社会が大きく変化するなかで、「家庭」で育つことができない子ども増えている。貧困、虐待、DVなどの理由により、家庭から隔てられた子どもは、健康や学力の面で不利を強いられる。その数およそ7万人。経済格差が極まりつつあるいま、世代間連鎖を断つために「社会的養護」の必要性が高まっている。「子どもの貧困」を象徴する児童養護施設の現場から、問題の実態をレポートし、その課題と展望を明快にえがく。
  • 日本の中絶
    4.0
    昨今、中絶をめぐる議論が続いている。経口中絶薬の承認から配偶者同意要件まで、具体的にこの問題をどうとらえればいいのか。かつて戦後日本は「中絶天国」と呼ばれた。その後、世界が中絶の権利を人権として認める流れにあるなか、日本では女性差別的イデオロギーが社会に影を落としている。中絶問題の研究家が、歴史的経緯をひもとき、今後の展望を示す。
  • 日本のナショナリズム
    3.0
    近代日本のナショナリズムはどこで道を誤ったのか。戦前日本のナショナリズムが迷走し、暴走した原因を追究する論考。現代の東アジアにおけるナショナリズムが惹き起こしてきた領土や歴史認識をめぐる各国間の軋轢を再考察し、東アジア共同体構想を含め、ナショナリズムを超えた東アジアの未来像を展望する。
  • 日本の農村 ――農村社会学に見る東西南北
    3.0
    近代化によって日本の農村生活は大きく変わった。農村社会が瓦解すれば日本社会そのものが瓦解するとの危機感を抱いた農村社会学者は、20世紀初めからその移り変わりを長く記録してきた。本書はその記録を読み解くことで、日本の各地域の農村のあり方、農村における「家」と「村」の歴史を再構成する。「同族団」と「自然村」のあり方、農村のタイプによる地域差など、ともすれば現在の我々が忘れ去ってしまいそうな農家・農村の姿を見いだしていく。日本農村社会学の総括。
  • 日本のビールは世界一うまい! ――酒場で語れる麦酒の話
    3.5
    西のアサヒ、東のサッポロと言われた理由とは。キリンはなぜ独立を保てたのか。サントリーはどのようにビール市場に参入したのか。バブル期にドライはなぜ売れたのか。20世紀末の日本を席巻した「ドライ戦争」とは、どのようなものだったのか。そもそもラガーとエールの違いとは。麦芽の割合で何が変わる? 世界一うまいと絶賛される日本のビール。商品開発、市場開拓、価格など、熾烈な競争の背後にある発展史を一望して見えてきた秘訣とは。
  • 日本の物流問題 ――流通の危機と進化を読みとく
    -
    生産と消費の間にあって、企業努力と労働者の犠牲の上に成り立っていた「安くて早くて確実な、安心の物流」は終わりつつある。3K職種といわれる業界で始まった働き方改革「物流の2024年問題」は、低賃金を残業でまかなってきたドライバーや人手不足に悩む企業など流通業界ばかりか消費者にも衝撃をもたらした。しかしAIによる効率化、危険な作業やきつい重労働を軽減するロボット化なども飛躍的に進歩している。戦後の発展史からボトルネックの正体、そしてこれから起こるブレークスルーまで、物流の来し方行く末を見通す一冊。
  • 日本の「ミドルパワー」外交 ――戦後日本の選択と構想
    4.1
    戦後の日本外交は、憲法九条を維持したまま日米安保条約を結ぶという吉田茂の「中庸」の選択によって規定されてきた。しかしこの外交路線は左右両政治勢力から攻撃され、「平和国家日本」と「大国日本」という国家像の分裂をもたらし、時にそれが日本外交の足枷となってきた。本書は吉田路線の上を歩んできた戦後日本外交の主体性を「ミドルパワー外交」の視座から掘りおこす。ミドルパワー外交とは、大国との全面的対立を放棄しつつ、紛争防止や多国間協力などに力点をおく外交である。国際政治および戦後日本外交への深い洞察によって導き出された、等身大の日本外交を考えるための必読書。
  • 日本の民俗宗教
    3.0
    「日本独自の文化・伝統」はどのようにして生まれたのか。天皇のもと稲作中心に営まれた古代日本社会に、中国大陸から仏教が伝来して以降、さまざまな文化との交流、混淆、対立が繰り返される。大嘗祭、祇園祭り、盆踊り、元寇、ねぶた祭り、南蛮貿易、寺請制度、かくれキリシタン。古代から現代まで、数々の外来の文化の影響を受けて変容し形成された日本の民俗宗教を、歴史上の政治状況、制度の変遷とともに多角的に読み解く。
  • 日本半導体 復権への道
    4.3
    米中間の半導体摩擦が起き、現在も需給が逼迫するなど、世界で半導体の重要性が格段に高まっている。半導体をめぐる国際競争の現状はどうなっているのか。日本の半導体に未来はあるのか。日本半導体産業のパイオニアである著者が、かつて世界を制した日本の家電産業を支えていた半導体の急速な発展の歴史と、日本の半導体産業の盛衰をたどり、現在の日本の持つ強みと弱みを分析。我が国の命運を握る半導体産業の復活の道筋を明快に提示し、官民連携での開発体制を提唱する。
  • 日本美術の核心 ――周辺文化が生んだオリジナリティ
    4.3
    西欧や中国の美術はいわゆるファインアート、権力者による威圧的な造形を主流としているが、日本美術は違う。例えば鳥獣戯画や伊藤若冲の作品のように、遊び心にあふれ見る者を楽しませる造形によって鮮烈に彩られ、「真実」よりも「美しさ」を追求し発展してきた。「わび」「素朴さ」「デザイン性」「文字との融合」「多様性の競演」……世界に類のないそのオリジナリティを、本書では縦横無尽に読み解いていく。世界の周辺文化のトップランナーとしての日本美術の唯一無二性を解析する一冊。
  • 日本文化の論点
    3.5
    情報化の進行は、二〇世紀的な旧来の文化論を過去のものにした――。本書は情報化と日本的想像力の生む「新たな人間像」を紐解きながら、日本の今とこれからを描きだす。私たちは今、何を欲望し、何に魅せられ、何を想像/創造しているのか。私たちの文化と社会はこれからどこへ向かうのか。ポップカルチャーの分析から、人間と情報、人間と記号、そして人間と社会との新しい関係を説く、渾身の現代文化論。
  • 日本文法体系
    3.0
    日本語文法を理解するには、日本語の起源から問いなおさねばならない。日本語の発展史に即した文法理論が必要であり、西洋語の文法を日本語に当てはめた現在の学校文法に代えて、新たな文法体系を打ち立てねばならないのだ。現在を示す「あり」(r)、過去の「き」(k)、推量の「む」(m)、形容の「あし」(s)の組み合わせで成り立つ時の助動辞をはじめ、日本語の隠れた構造を明らかにし、豊富な古文の実例をもとに、日本語文法の本質に迫る。まったく新しい理論体系。
  • 日本水商売協会 ──コロナ禍の「夜の街」を支えて
    4.0
    2020年4月9日。日本水商売協会代表理事の甲賀香織は、銀座や歌舞伎町のクラブ経営者らと共に、自民党本部を訪れた。新型コロナウイルス感染症対策として行われる様々な助成から、接待飲食業──水商売を除外する方針に抗議するためだ。「水商売が一般企業と同様に、ビジネスとして認められるようにしたい」「働く女性たちが色眼鏡で見られないようにしたい」こんな思いで設立された日本水商売協会が、思わぬ形で注目された瞬間だった。コロナ禍で明らかになった差別から、成長産業としての魅力まで、知られざる水商売の世界を描く。
  • 日本を救う未来の農業 ──イスラエルに学ぶICT農法
    4.0
    日本の農業には、今大きな危機が迫っている。一般に農業問題というと、低い自給率、農家の減少、農家の高齢化、担い手不足、耕作放棄地の増大、農地の減少などが思い浮かぶが、実はこれらは大きな問題ではない。最大の問題は「国際競争力のなさ」だ。日本にとっていちばん参考になるのは今や農業大国となったイスラエル。センサーやIoT、衛星画像、クラウドシステムを使った最先端技術を駆使したイスラエルの農法を学べば、日本の農業問題はほとんど解決できる。
  • 入試改革はなぜ狂って見えるか
    3.9
    強引に推進された大学入学共通テストは受験生やその家族をさんざん振り回したあげく、制度の欠陥や無理のあるスケジュールに批判が集中、想定した形での導入は断念された。大学受験はいわば理想の教育の体現である。けれど教育の理想像は人それぞれ。このため原理主義的に先鋭化しがちで、思想的な対立が起こりやすい。さらに今回は入試問題の現状を把握していない論者による、高校生や大学生に対する事実誤認に基づいた荒唐無稽な主張も少なくなかった。大学入試改革議論の混乱に惑わされないための視点を考える。
  • 入門 近代仏教思想
    4.0
    近代思想としての仏教は、西洋哲学との出会いの中から生まれた。仏教を哲学的な宗教として捉え直した井上円了や清沢満之の思想は、日本の独創的哲学の原点となり、やがて明治後期には青年たちの人生の指針たり得るような、教養としての仏教思想が一大ブームを迎える。『歎異抄』を典拠とした近角常観や暁烏敏、倉田百三らの仏教思想は、大正教養主義のうねりを経て、やがて昭和の戦火の中に突入していく──仏教が近現代人の思想に及ぼした、深く広い影響を解明する野心作。
  • 入門 朱子学と陽明学
    3.3
    『論語』のおもしろさがわからないという人は、その解釈の魅力を知らないからである。孔子・孟子の古典から知的営為を積み重ねてきた儒学。その中から宋代に新しい学問として現れ、儒教的な「宇宙認識」を哲学化した朱子学。そしてそれを継承しつつ克服しようとした陽明学。これらの世界観はいかなるものだったのか。東アジアの思想空間を今も規定するその自己・社会・宇宙のとらえ方を、心・性・理・気・鬼神などのタームを通して平易に解説。その魅惑に満ちた世界へと読者を誘う。
  • 入門 犯罪心理学
    4.3
    近年、犯罪心理学は目覚ましい発展を遂げた。無批判に信奉されてきた精神分析的をはじめ実証性を欠いた方法が淘汰され、過去の犯罪心理学と訣別した。科学的な方法論を適用し、ビッグデータにもとづくメタ分析を行い、認知行動療法等の知見を援用することによって、犯罪の防止や抑制に大きな効果を発揮する。本書は、これまで日本にはほとんど紹介されてこなかった「新しい犯罪心理学」の到達点を総覧する。東京拘置所や国連薬物犯罪事務所などで様々な犯罪者と濃密に関わった経験ももつ著者が、殺人、窃盗、薬物犯罪、性犯罪などが生じるメカニズムを解説し、犯罪者のこころの深奥にせまる。
  • 入門ユダヤ思想
    -
    ディアスポラ以降、世界中に散り散りとなり、それでもなお一つの「民族」という名のもとに存続しつづけてきたユダヤ。彼らは、現実の地上において安定した土地を見いだすことはできず、また自分の内面においてもアイデンティティを見いだすことはできない宿命にあった。そのため、彼らは歴史の中で、混乱と分裂と抗争の種となり、社会の不安や憎悪を掻き立ててもきた。そうした中で、ユダヤはどのように、自分たちを世界内に位置づけようとしてきたのか? 本書では、そうしたユダヤ思想を知ることのできる主要な書物を追いながら、その核心へ踏み込んでいく。
  • 入門 老荘思想
    3.6
    2009年1月、ほぼ完本の『老子』竹簡群が、北京大学に運び込まれた。これは、墳墓から盗掘され香港の骨董店を経由して海外に流出するところを、大学関係者が買い取り、寄贈したものである。諸子百家の中にあっても、儒家等とは大きく異なる主張を唱えたとされる道家であるが、その評価は果たして正しいのだろうか? 新資料を踏まえて、『老子』『荘子』の言葉をじっくり読み解くことで、その謎に包まれた思想がいま解き明かされる。さらに、後年の中国思想家や仏教への影響、江戸期の日本やその他ヨーロッパ諸国での受容にも目をむける。
  • ニュースの数字をどう読むか ――統計にだまされないための22章
    4.7
    ニュースにはたくさんの数字が出てくる。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界を席巻してからは、なおさらだ。感染者数、陽性者数、再生産数、陽性率……。しかしその数字は、ニュースに出てくる時点で選択されており、記事のストーリーに沿うかたちで提示されている。因果関係は本当にあるのか。その数字は本当に「大きい」のか。増えた、減ったの判断の基準は本当に正しいのか。じつは数字によるミスリードにはパターンがあり、それを知っていれば大きな間違いは避けられる。具体的な例を使い、ユーモラスな語り口でその方法を伝授する。
  • 人間のトリセツ ──人工知能への手紙
    3.9
    人工知能がどう進もうとも、人類の存在価値は揺るがない。黎明期から37年にわたり研究開発に携わってきた著者が今こそ断言する、AIと人間の臨界。「人工知能に何をさせないか」――将来読書をするであろうAIに向けて綴られたこの手紙は、AIとの共存が大前提の未来を生きる私たちへの、AIのトリセツ・自身の脳のトリセツの最終回答でもある。
  • 人間の未来 ――ヘーゲル哲学と現代資本主義
    4.2
    資本主義は今、格差を拡大しつつ地球を消費し尽くそうとしている。その制御がかなわなければ、私たちが近代以降なんとか確保しようとしてきた「人間的自由」は、息の根を止められかねない。近代哲学、とりわけヘーゲルは「自由の相互承認」という重要概念を示し、この問題を考える上でも欠かせない。こうした観点から、誤解にさらされてきた近代社会の本質を明らかにし、巨大な矛盾を生む現代資本主義をどう修正すべきか、その原理を探る迫真の思考。
  • 人間はなぜ非人間的になれるのか
    3.3
    「人間」とは、自由で平等な近代社会を作るための発明品だった。そして、それは理性的で主体性をもつ個人のはずだった。ところが、巨大化し機械化する都市の孤独のなかで、この人間たちは気づかされる。「理性と主体性のある「私」なんて嘘だったんだ!」このときから「人間」は「非人間的」な存在へと急速に劇的に変貌していった。「自由な個人」から「全体主義的な群衆」へ、「理性的な主体」から「無意識に操られる客体」へ。何がどうして起こったのか。壮大なスケールで描きだす「非人間」化の歴史。
  • 人間は脳で食べている
    3.5
    どうせ食事をするならばおいしいものが食べたい。しかし、どういうものが「おいしい」のだろう?栄養があるもの?食べなれているもの?あるいは高価なもの?「おいしさ」というのは、実は生理的、あるいは文化的な数々のファクターが組み合わさったきわめて複雑な現象なのである。本書では、多様なレベルの考察を通して、その正体を追求し、その中でも、現代人にとって、もっとも重要な「情報のおいしさ」の構造とその行き過ぎを考える。
  • 認知症 そのままでいい
    5.0
    日本の人口の4人に1人が高齢者となった現在、高齢者の5人に1人(85歳以上ならほぼ2人に1人)は認知症という状況である。認知症は老いた人の脳に起こる「自然な現象」であり、受容し悲観しないことが、介護する人・される人双方にとって幸せにあるためのスタート地点である。本書では、治らなくていい、と心から思えるように気持ちや見方を切り替え、認知症の人を助け、いたわり、共にできることを、認知症を専門とする精神科医の立場から考える一冊である。
  • 認知症パンデミック
    3.0
    コロナ禍による「ステイホーム」が認知症パンデミックを引き起こしている。コロナと、それに伴う過剰な反応による「自発的ロックダウン」が認知症を引き起こしているのだ。対策としては生活習慣の改善を図り、また早期発見を進めるしかない。薬の服用と運動習慣改善の併用を提案するとともに、認知症の本質に迫り、脳の理想的なあり方を考える。早期発見のためのAIによる顔写真・脳のスキャン画像による画像診断などの最新研究も紹介。認知症の蔓延を克服する道を提示する。
  • ニーチェ入門
    4.1
    ルサンチマンの泥沼の中で「神」や「超越的真理」へと逃避するのか、あるいは「永遠回帰」という「神聖な虚言」に賭け、自らの生を大いに肯定するのか? 二十世紀思想最大の震源地であり、今日もなお、あらゆる思想シーンに絶大な影響力を誇るニーチェの核心を果敢につかみ、さらに未来へと開かれた可能性を大胆に提示する、危険なほどの刺激的な入門書。
  • ネットで勝つ情報リテラシー ──あの人はなぜ騙されないのか
    3.8
    拡散される「フェイクニュース」「ステマ」「粘着」「炎上」。ネットはウソと悪意に満ちあふれ、気軽な投稿がたちまち炎上する危険な空間……ではありません。ウソを見破り、悪意をかわし、あなたの声を正しく届けるための超簡単テクニックがここにある! 情報の「正体」から炎上の鎮火術、粘着の上手な撃退法まで、講演回数2000超の「ネットの達人」が送る、ネットで「勝つ」ための情報受信・発信マニュアル決定版。
  • 年金不安の正体
    4.1
    いわゆる「老後資金2000万円問題」や「マクロ経済スライド」とは何か。消費税と年金の関係は。賦課方式と積立方式はどこがどう違うのか。一部で期待されるベーシック・インカムの現実度は……。国民の不平不満につけこみ、世代間の違いを不公平だと騒ぎ立て、少子高齢化で年金制度が崩壊するなどと危機感を煽る。それらのほとんどは誤解や無理解から起こっているのだが、なかには明らかなフェイクも含まれている。不安を利益に変える政治家や評論家、メディアのウソを暴き、問題の本質を明らかにしよう。
  • 脳外科の話
    4.0
    混雑した電車にお客が乗ってくる。ところが、ある駅で大量のお客を一挙に乗せようとしたらどうなるだろう。おそらくパニック状態になるに違いない。…これがクモ膜下出血時の脳である。ベテラン脳外科医ならではのユニークなたとえ話を駆使して脳血管障害が起こるメカニズムや脳の基本的な働きを解説する。
  • 「脳」整理法
    3.6
    おびただしい量の情報やモノに囲まれ、脳が悲鳴をあげている。現代人がより賢明に清々しく生きるためには、脳をどのように使いこなせばよいだろうか? その鍵は、森羅万象とのかかわりのなかで直面する不確実な体験を整理し、新しい知恵を生み出す脳の働きにある。本書では最新の科学的知見をベースに「ひらめきを鍛える」「幸運をつかむ」「他人とうまくつき合う」「チャレンジする勇気をもつ」など切実な課題にも役立つ、脳の本質に即した〈生きるヒント〉をキッパリ教えます。
  • 脳の誕生 ──発生・発達・進化の謎を解く
    4.0
    私たちの脳は、たった1個の受精卵という細胞から、どのように出来上がったのだろう。本書は、四次元でダイナミックに生まれていく脳のドラマを解説する初の入門書である。神経組織やニューロンが作られ、脳の枠組みが出来上がる「発生」ステージ、ニューロンが突起を伸ばし繋ぎ合わされて大人の脳に成熟していく「発達」ステージ、地球史・生物史の視点からヒトの脳へ至る道筋をたどる「進化」ステージ――以上三部構成で、30週、20年、10億年の各スケールに立ち、脳という小宇宙が形作られる壮大なメカニズムを追う!
  • 脳は、なぜあなたをだますのか ──知覚心理学入門
    4.1
    どんなに報道されても「オレオレ詐欺」は後をたたず、 マインドコントロールが犯罪につながる事件が起こり、手品にも繰り返しだまされる。これらはすべて、あなたの脳があなた自身を裏切るからである。「ベクション」という視覚による錯覚現象を入口に、心理学者である著者が、この仕組みを楽しく解説する。知覚心理学、行動経済学、脳科学の最新研究もわかる。
  • 農本主義のすすめ
    3.5
    そもそも「農」とはなんだろうか。農業に関する議論はたくさんあるが、産業の視点から語ったものに過ぎず、農の本質が語られることは近年ほとんどなかった。しかし、大正から昭和初期に、資本主義と農の本質は相いれないとして、「農本主義」を表明し、人間と自然の関係を問いなおす動きが生まれた。残念ながら昭和前期にはファシズムの温床だと誤解されてしまった「農本主義」を、資本主義が行き詰まりを見せる現在、再評価し、天地ともに生きる新たな思想として案内する。
  • 敗戦の逆説 ――戦後日本はどうつくられたか
    -
    国境を越えた日米の改革派と保守派による熾烈な抗争の中で、戦後の日本はどうつくられたのか。隠された「戦後の原像」を検証し、改めて<戦後>後の日本を問う力作。
  • ハイデガー入門
    3.6
    二〇世紀哲学における最大の巨人と称されるハイデガー。半世紀以上にわたり、彼の思想はあらゆる知の領域に圧倒的な影響を及ぼしてきた。哲学史上最重要な作品の一つとして、大いなる成功と絶望的な無理解の断層に屹立する哲学書『存在と時間』。そこに隠された真の狙いとは何なのか? 本書は難解で知られるハイデガーの思考の核心を読み解き、プラトン、アリストテレス以降の西洋哲学が探求し続けた「存在の問い」に迫る。ハイデガー哲学の魅力の源泉を理解するための一冊。
  • 廃仏毀釈 ――寺院・仏像破壊の真実
    4.0
    明治政府の神道国教化により起こった廃仏毀釈。それは、日本で長らく共存していた神道と仏教を分離し、仏教を排斥する運動だった。この出来事は寺院や仏像の破壊など民衆の熱狂による蛮行というイメージが流布しているが、実際にはどんなものだったのか? 信仰の対象であったものを破壊するのに、人々にためらいはなかったのか? 神仏が共存していた時代から説き起こし、各地の記録から丁寧にこの出来事の実際を読みとく。
  • はじめて行く公営ギャンブル ――地方競馬、競輪、競艇、オートレース入門
    3.0
    インターネット時代、多チャンネル時代の現代は、自宅のテレビでも公営ギャンブルを観戦できるが、ぜひ競技場へ足を運んでいただきたい。たった100円から、感動と興奮の体験を得られるのだ。美しく疾走する姿、アスリートの卓越した技術、レース後の荒い息遣い、観客たちの歓声と怒号を感じるはず。昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打ちながら、ツキの波に思いを馳せると、次のレースの予想が、むくむくと湧き上がってくる。全国の公営競技場を、旅行の目的地のひとつにするもよし、推しの選手を応援するもよし。お小遣いが増えたなら、なおのことよし。大人の遊びの嗜み方を伝授します。インターネット時代、多チャンネル時代の現代は、自宅のテレビでも公営ギャンブルを観戦できるが、ぜひ競技場へ足を運んでいただきたい。たった100円から、感動と興奮の体験を得られるのだ。美しく疾走する姿、アスリートの卓越した技術、レース後の荒い息遣い、観客たちの歓声と怒号を感じるはず。昭和レトロな食堂でB級グルメに舌鼓を打ちながら、ツキの波に思いを馳せると、次のレースの予想が、むくむくと湧き上がってくる。全国の公営競技場を、旅行の目的地のひとつにするもよし、推しの選手を応援するもよし。お小遣いが増えたなら、なおのことよし。大人の遊びの嗜み方を伝授します。
  • はじめてのアメリカ音楽史
    4.0
    ブルーズ、ジャズ、ゴスペル、ソウル、カントリー、ロックンロール、ヒップホップ……アメリカの様々な音楽はいつどのように生まれたのか。どんな人たちにより演奏されてきたのか。200年以上の歴史を誇るアメリカ音楽について、その始まりから現在のアーティストまで、アメリカ南部からやってきた研究者とポップカルチャーに通じる評論家が徹底的に語りつくす。この一冊でアメリカン・ルーツ・ミュージックがバッチリわかる。全ジャンルのアルバム紹介つき。
  • 恥をかかないスピーチ力
    3.9
    新年度に自己紹介をしたり、結婚式やちょっとした集まりで人前で話したりする機会は意外と多い。そんな時に役立つ、スピーチやコメントのコツ、心構え。恥をかかないレベルから「なかなかうまいな」と思われるレベルまで、どうステップアップするか。「時間感覚」「身体感覚」の重要性、始まり方と終わり方、小ネタの集め方、シーン別のコツやNGポイントまで、人前で話す時にはこれさえあれば大丈夫!
  • 働き方改革の世界史
    3.6
    経営者と従業員の利害は、どのように調整できるか。労働者の団結や労使協調、あるいは経営参加という現代の労使関係の理論はどのように生まれたか。英国のコレクティブ・バーゲニング、米国のジョブ・コントロール型労使関係やフランスの自主管理思想、ドイツ型パートナーシャフト、日本型雇用など、世界中で模索され、実践されてきた労使関係の理想と現実とは。労働イデオロギーの根源を探訪し、働くということを根本から考える一冊。
  • 働き方革命 ――あなたが今日から日本を変える方法
    4.2
    残業・休日出勤して、人生を会社に捧げる時代は過ぎ去った。長時間働いても、生産性が高くなければ意味がない。誰よりも「働きマン」だった著者がどのように変わったか、そして仕事と共に家庭や社会にも貢献する新しいタイプの日本人像を示す。衰えゆく日本を変えるには、何よりも私たちの「働き方」を変えることが、最も早道だ。なぜか? その答えは本書の中にある。
  • 働く女子のキャリア格差
    3.8
    今や過半数を超えた夫婦共働き世帯。育休後職場復帰して、いかに活躍できるか、活躍の環境をどう整えるかが個人と企業の双方に問われている。働く女性側には「時短トラップ」「マミートラック」「ぶら下がり化」など数々の両立の壁が、受け入れ企業側には「過剰な配慮」「理解のない上司」「権利主張女子」問題が……。本書では、職場の問題の根源を分析し、全体の生産性アップのための解決策を具体的に提案する――働きやすく、やりがい・キャリアも実現する真の働き方改革とは。育休取得者4000人が生まれ変わった思考転換メソッドを初公開!
  • 埴輪は語る
    4.0
    「王」の権力を見せつけるため造られた、古代の巨大建造物、古墳。そこに据えつけられた埴輪は、古墳を荘厳に見せる飾りであり、家形・動物形・人物形とバリエーションが増えることで多彩なシーンを再現するようになる。盛装した王を中心とした水の神をまつる祭祀のシーン、猪・鹿・鷹などの狩猟シーンなど。しかも複数のシーンは一本化され、立体絵巻のようにビジュアル化されている。治水や狩猟など王の業績をアピールして、治世の正当性を主張しているのだ。大量の埴輪生産を可能にした、工人組織の存在や社会的な“ゆとり”まで、埴輪が語る古墳時代の社会を読む。
  • 「母と子」という病
    4.4
    人間に大きな心理的影響を与える存在は、「母」である。人は、人生で一番大切な「安心」「甘え方」を母親に教えてもらうのだ。ここでは、母親を三つのタイプに分け、それぞれで子がどんな心の病になるのかを分析し、そして回復に至る道のりの違いを分析する。長年、診療現場で様々な「母子関係」を見てきた精神科医だからこそわかる、「母と子」という関係に潜む病と、その回復のヒントを示す。
  • 派閥
    -
    「三人寄れば派閥が出来る」といわれ、派閥はどこにでも見られる。派閥は日本に特有の現象ではないし、政治には派閥がつきものである。けれども派閥が政治用語としてだけでなく、日本社会を説明する言葉として広く流通するようになった背景には、やはり自民党の派閥抗争があった。派閥の日本的な特徴とは何か。それは日本人および日本社会のどのような特質を反映しているのか。私たちの中に理解と共感、そしていくらかの嫌悪といった複雑な感情をよびおこす派閥現象を、広角的に、また多面的に考察する。
  • 反〈絆〉論
    4.0
    東日本大震災後、絶対的価値となった〈絆〉という一文字。テレビは「優しさ」を声高に称揚するようになり、列島中がその大号令に流されて、権威を当然のものとして受け入れてしまったかに見える。だが、そこには暴力が潜んでいないだろうか。陰影のある、他の「繊細な精神」を圧殺する強制力がはたらいているのではないだろうか。哲学にしかできない領域から、〈絆〉からの自由、さらに〈絆〉への自由の、可能性を問いただす。
  • 阪神タイガース 1985-2003
    4.0
    バース・掛布・岡田・真弓で空前のブームを巻き起こし、日本一に輝いた1985年。だがその後の道は多難だった。「ダメ虎」の強烈な印象を残した1980年代末の暗黒期、終盤までヤクルトとの死闘を演じた1992年の一瞬の輝きを経て、再び長い90年代後半暗黒時代へ。そして野村監督時代という夜明け前を経て、突然やってきた2003年の星野阪神の栄光。とかく印象論で語られがちな人気チームの歴史を、記録と報道された事実をベースにして再構成する。ファン必携の「正史」。
  • 「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか
    3.7
    安保関連法を成立させ、原発再稼働を進める自公政権。十万人以上を官邸前へ国会へ集めても勝てなかったデモ。若者を巻き込んだ楽しくかっこいい社会運動を礼賛し歓迎したメディアと知識人たちは、論点を巧みにすり替えていなかったか。丸山眞男、柄谷行人、小熊英二、高橋源一郎、SEALDsらの言説から、リベラル勢力を劣化させる病巣を徹底摘出。これは勝ちたいリベラルのための真にラディカルな論争書だ。
  • 反戦と西洋美術
    4.0
    ロシアによるウクライナ侵攻を、報道やSNSで目の当たりにして、私たちはあらためて戦争とその表象の関係性という問題を突きつけられている。何が真実か、誰がどんな立場でどんな意図を持ち発信しているのか。勝者の側で描かれた「戦争画」の時代を経て、17世紀には現代の「反戦」意識に通じる美術の流れが登場する。その後急速に激甚化する戦争の時代を背景に醸成され、雄弁に、あるいは抑制気味にと、その倫理的・感性的・政治的な役割を巡り、揺れる「反戦」のイメージの変遷を捉えなおす。
  • ハンナ・アーレント ──屹立する思考の全貌
    3.6
    何ものにも依らないユニークな「手摺なき思考」が注目されたアーレント。本書は、全体主義が勃興して消えて行った激動の現代史を考察し続けた彼女の思索の最深部に迫る一書である。哲学、政治、思想という三つの補助線を駆使しながら主要な各作品を詳細に読みとき、時代を超えて屹立する思考の全貌を把握する。悪の問題、世界疎外、経験と思考、……人間の現実を徹底して追究した問題群を、いま改めて問いなおす。
  • 「反日」中国の文明史
    4.3
    中国は雄大なロマンの大陸か。巨大で底知れぬ混沌か。多くの国々に取り囲まれている中国は、周辺国に対して、必要以上に強硬になりがちである。日本の歴史は、ある意味でその姿をとらえようとして成功と失敗を繰り返してきたようなものだった。いま、超大国として台頭してきた中国は、自らの立場に沿って周辺国を変えようとしている。いったい現代中国は何者なのか。この「驕った大国」の本質を悠久の中国史に探り、問題のありかと日本の指針を示す。
  • 反福祉論 ――新時代のセーフティーネットを求めて
    4.0
    福祉は財政的に限界に達している。一方、さらなる拡充を望む声も根強い。ではどうすればよいのだろうか。不法占拠者や生活困窮者、災害被災者、ホームレスなど、福祉の制度から漏れてきた人びとが、公助に頼らず自助・共助によって展開する生き生きとした暮らしを検証。制度に代わるセーフティーネットの仕掛けを発達させてきた彼らの生き方に学び、「反福祉」の考え方を提唱する。制度にがんじがらめになっている福祉の現状に警鐘を鳴らし、誰もが生きやすい社会を構想する。
  • バイアスとは何か
    4.1
    物事を現実とは異なるゆがんだかたちで認識してしまう現象、バイアス。それはなぜ起こるのか、どうすれば避けられるのか。本書では、現実の認知、他者や自己の認知など日常のさまざまな場面で生じるバイアスを取り上げ、その仕組みを解明していく。探求の先に見えてくるのは、バイアスは単なる認識エラーではなく、人間が世界を意味づけ理解しようとする際に必然的に生じる副産物だということだ。致命的な影響を回避しつつ、それとうまく付き合う方法を紹介する画期的入門書。
  • バカのための読書術
    3.4
    学校は出たけれどもっと勉強したい人、抽象的な議論がどうも苦手だという人。そういう「バカ」たちのために、本書はひたすら「事実」に就くことを指針とし、インチキ現代思想やオカルト学問、一時の流行に惑わされず、本を読み勉強するための羅針盤となるべき一冊である。本邦初「読んではいけない」リスト付き。
  • 幕末史
    4.2
    日本が大きく揺らいだ激動の幕末。江戸の末期、国際社会へ漕ぎだしていった時代に、いったい何が起きたのか。吉田松陰、坂本龍馬、大久保利通といった若者たちは、どのような志を抱いて生きたのか。本書は、日本を立ち直らせるために「挙国一致」で立ち向かった人々の姿を、最新の史料からダイナミックに見通していく。黒船来航から明治国家の建設まで、日本が根底から生まれ変わる軌跡を、第一人者が一望に収める。
  • バーチャルリアリティ入門
    5.0
    いま・ここにいながらにして、遠く隔たった世界や歴史上の一空間、さらには無限の宇宙空間まで、あたかも現実にそこにいるような感覚で再現できる。まるでSFやゲームを髣髴とさせる、そんな臨場感をもったバーチャルリアリティの世界が実現しようとしている。どのようにして、人間のあらゆる感覚・認知メカニズムを解明し、現象をシミュレーションして、異空間にリアルに再現するのか。それによって、どんな新しい世界が広がるのか。この究極のテクノロジーのすべてを、第一人者がわかりやすく紹介する。
  • パパ1年目のお金の教科書
    3.1
    これからパパになる人に、これだけは知っておいてほしい「お金の貯め方・使い方」を一冊に凝縮。社会や時代がどんなに変わっても、家族には納得できる人生を歩んでもらいたい。そのために大切なのは、お金にしっかりと向き合い、自分たちの価値観に照らし合わせて、使い方を決めることです。本書では、その道筋を、読者といっしょに考えます。パパとして奮闘中の方にも、きっと役立つ見識が満載です。
  • パラサイト社会のゆくえ――データで読み解く日本の家族
    3.5
    親に基本的生活を依存する独身者を著者が「パラサイト・シングル」と呼び始めてから、7年。この間にパラサイトたちは密かに変容していた! かつての「自立できるのにリッチな生活をしたい」パラサイトから「自立したくても自立できない」貧乏パラサイトへ。この90年代後半のパラサイトたちの変容の背景には、日本社会の地殻変動がある。自殺者数の増加、離婚率の高まり、青少年犯罪の増加などさまざまなデータ・現象を手がかりに、日本の家族のゆくえを多面的に分析する。
  • パラサイト・シングルの時代
    3.5
    30歳を過ぎても親元に同居して、レジャーに旅行にブランドものに、リッチな生活を謳歌する気ままな独身男女――パラサイト・シングル。今の日本には、こんな連中が1000万人もいる! 一体なぜ、こうした層が現れ、増殖したのか? 自立と苦労を厭い、現状維持を望む彼らが担う日本社会の未来像とは? 精緻な社会調査と分析をもとに、いつのまにか一大勢力となったパラサイト・シングルの実態を探り、変わりゆく現代日本人の生活と、その未来を鋭く洞察する。
  • パリ ――都市の記憶を探る
    3.0
    華やかな表情の内側に無数の集合的な記憶を包みこんだ都市、パリ。著者は濃密な象徴性を帯びた都市の身体に直接触れ、その息づかいにひたすら耳を傾けながら、埋もれた記憶を丹念にひとつひとつ掘りおこしていく。そこに立ち現れるのは、重層化した歴史の深みから発するこの都市ならではの稀有な輝きにほかならない。パリの魅力の源泉に迫る一冊。
  • パンデミック監視社会
    3.0
    今回のパンデミックは、データ分析や機械学習が興隆する監視資本主義の時代に生じた、未曾有の事態である――。猛威をふるうウイルスに対処するため監視技術が広範に活用され、監視によるデータ収集や人々の行動追跡・制御は、ときに権威主義と共鳴しつつも、驚くほどスムーズに受け入れられていった。パンデミックは私たちの世界をどう変えたのか。「コロナ前」に戻ることは本当に可能なのか。監視研究の世界的権威が、新型コロナウイルスがもたらした真の脅威に迫る。

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