雑学・エンタメ - 筑摩書房作品一覧

  • SF少女マンガ全史 ――昭和黄金期を中心に
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    1960年代から少女マンガの時代が始まり、70年代半ばになると優れたSF作品が続出、SF少女マンガ黄金期が到来する。岡田史子、竹宮恵子、萩尾望都、山岸凉子、山田ミネコらが頭角を現し、SF的想像力で少女マンガを大きく変えていった。そこにはどんな創作上の冒険があったのか。70年代半ば~80年代の黄金期を中心に、ファンタジー的作品も含め、揺籃期から現在までのSF少女マンガの歴史を、SF評論の第一人者が語りつくす。読み継がれるべき、おすすめ作品ガイドとしても必読の書。 【目次】はじめに――SF少女マンガ黄金期伝説/第1章 SF少女マンガ概史――分かりやすさと独自な表現のはざまで/1 マンガ表現はどうやって生まれたか/2 少女マンガの揺籃期/3 少女にSFは分からない?/4 SFブームと少女マンガ/5 女性SFは何を描くのか/第2章 挑発する女性状理知結晶体/1 山岸凉子――抑圧と理知の先にあるもの/2 倉多江美――シュールで乾いた宇宙/3 佐藤史生――科学と神秘の背反する魅力/4 水樹和佳――王道SFロマンを求めて/5 「見えない壁」と「見える壁」を超えて/第3章 思考するファンタジー/1 少女マンガSFの詩人・山田ミネコ/2 大島弓子――少女の心象はハラハラと舞い散る/3 共同制作と見せ場主義のエンタメSF・竹宮恵子/4 少女感覚とSFファンタジー/第4章 時を超える普遍を見つめて――萩尾望都の世界/1 SFは自由への目醒めをもたらす/2 萩尾SFの絵画論的・音楽論的宇宙観/3 多様な異世界生命体と性別の揺らぎ/4 危機から目を逸らさず、希望を捨てず/第5章 孤高不滅のマイナーポエットたち/1 岡田史子――その花がどこから来たのか私たちはまだ知らない/2 内田善美――圧倒的画力が創り出すファンタジー世界/3 高野文子――絶対危険神業/あとがき/主要参考文献
  • 所有と分配の人類学 ――エチオピア農村社会から私的所有を問う
    NEW
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    これは「わたしのもの」ではなかったのだろうか。調査地でのある出来事から、私的所有の感覚がゆらぐ経験をした著者は、所有への違和感を抱きつつエチオピアの農村へ向かう。畑を耕す牛、畑になる穀物、台所道具、生活する人々など、ミクロなものに目を向けて調査していくなかで見えてきたものとは? 作物は頻繁に分配され、持てる人から貧しい人に与えられる。土地を所有することと利用することの関係。国家による「土地」のコントロール。様々な角度から私的所有をめぐる謎を掘り下げていく。気鋭の文化人類学者による鮮烈なデビュー作。
  • 監督 小津安二郎〔増補決定版〕
    4.5
    「残された作品の画面に何が具体的に見えるか、そしてそのイメージが、見るもののフィルム的感性をどのように刺激するかを論じてみたい。つまり、現実のフィルム体験として生きうる限りの小津安二郎の作品について語ってみたいと思う」(本書序章より)。人々がとらわれている小津的なるものの神話から瞳を解き放ち、その映画の魅力の真の動因に迫る画期的著作。本文庫は、小津の生誕百年(2003年)を機に旧版へ三章を増補した決定版である。名キャメラマン厚田雄春と『美人哀愁』の主演女優井上雪子へのインタヴューほかを併録。
  • 神田神保町書肆街考
    4.0
    世界に冠たる古書店街「神田神保町」はいかにして出来上がったか。幕末から現代にまで至る一世紀半余、そこに蝟集した書店、出版社、取次、大学、語学学校、専門学校、予備校、映画館etc.の栄枯盛衰をさまざまな記憶と記録を召喚して描き出し、日本近代を育んだ“特異点”の全貌を明らかにした大著が、未来の“本の街”への扉を開く「文庫版あとがき」を増補して遂に文庫化!
  • ゴシックハート
    4.2
    「ゴシック」とは何か? それは生き方である。自己の必然に基づいた命懸けの好みである。そして永遠のレジスタンスである。強者が富み続け、優位者が一方的に決めた規範に支配される現実の不条理を憎み抵抗するとき、その扉は開く。小説、漫画、映画、アニメ、絵画、人形、信仰、哲学、歴史―現代日本的ゴシック文化論を切り拓いた一冊に、新章&書き下ろしあとがきを加えた増補新版。
  • クマにあったらどうするか  ──アイヌ民族最後の狩人 姉崎等
    4.3
    クマと遭遇したとき、人間は生き延びるために何をすればいいのか。死んだふり、木に登る、リュックを置いて逃げるといった、巷に流れる俗説は有効なのか? 「クマは師匠」と言うアイヌ民族最後の狩人が、アイヌの知恵と自身の経験から導き出した、超実践的クマ対処法を伝授。クマの本当の姿を知ることで、人間とクマの目指すべき共存の形が見えてくる。
  • 京都食堂探究
    NEW
    3.5
    きつねうどん、しっぽく、けいらん、のっぺい、ちゃんぽん、衣笠丼、木の葉丼、カレー丼……京都の食堂は歴史の中で、「麺類・丼物」を中心にして独自の発展を遂げてきた。うどんも丼物も中華もある京都食堂の魅力とは? 食いしん坊の地理学者たちが店に足を運び、味わい、観察し、文献を渉猟して、謎多き京都食堂文化に迫る。待望の研究書が、文庫書き下ろしで、ついに登場。
  • 貧乏人の逆襲!【増補版】 ――タダで生きる方法
    3.8
    大変だ大変だ! 「3人デモ」から、2万人規模の「原発やめろデモ!!!!!」まで呼びかける「素人の乱」のアジテーター・松本哉の代表作がついに文庫化。最終章と年譜を増補。「家賃をタダに」「俺のチャリを返せ」デモ等の独自のデモや、「こたつ闘争」「路上鍋」等大学内や路上でできる作戦も満載。第1章では、安い衣食住の方法を伝授。金がなくても自由勝手に生きられる。
  • アイドルになりたい!
    3.3
    アイドルになるために必要なものって、何だろう? アイドルとしてブレークするには、どうすればいい? 仕事の中身から、これからのアイドルまで、大切なことがぎっしり詰まった、初のアイドル入門本。
  • アイヌ歳時記 ──二風谷のくらしと心
    4.0
    アイヌ文化とはなにか、彼らはどのようなくらしを営み、どんな世界観をもっていたのか。本書では、史上初のアイヌ出身国会議員であり、その文化の保存・継承に長年尽力してきた著者が、みずからが生まれ育った二風谷(にぶたに)の四季の生活を振りかえりながら、その模様をやさしく紹介していく。食文化、住まい、儀礼、神話・伝承、習俗、自然観や死生観……。それらの記述を通して浮かび上がってくるのは、自然と調和し共に生きようとするアイヌの心である。いまなお日本人に広く知られているとはいえない先住民族アイヌの世界。その全貌を知るための基本書となる一冊。
  • アイヌと縄文 ――もうひとつの日本の歴史
    4.4
    アイヌこそが縄文人の正統な末裔であることが、最近のさまざまな研究や調査で明らかになっている。平地人となることを拒否し、北海道という山中にとどまって縄文の習俗を最後まで守り通したアイヌの人びと。その文化を見ていけば、日本列島人の原郷の思想が明らかになるにちがいない。交易、祭祀、葬制、遺跡とその遺物、言語などの多方面にわたる最新のアイヌ研究を総合し、弥生文化を選択した現代日本人にとって、ありえたかもしれないもうひとつの歴史を叙述する野心的試み。
  • アイヌの世界に生きる
    5.0
    「トキさん」は1906年、十勝の入植者の子どもとして生まれ、口減らしのため、生後すぐにアイヌの家族へ養女として引き取られた。和人として生まれたが、アイヌの娘として育った彼女が、大切に覚えてきたアイヌの言葉、暮らし。明治末から大正・昭和の戦前戦後を、鋭い感覚と強い自立心でアイヌの人々と共に生き抜いてきた女性の人生を描く優れた聞き書き。
  • 「悪所」の民俗誌 ――色町・芝居町のトポロジー
    -
    「“悪”という言葉の裏側には、だれきった日常性を破壊するデモーニッシュな力が潜んでいた」(「あとがき」より)。都市の盛り場は、遊女や役者など賤視された「制外者」たちの呪力が宿る場所だった。なぜ、ひとは「悪所」に惹かれるのか。芸能を業とする人びとは、どのように暮らし、どんな芸を生み出したのか。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をさぐる。
  • アダルト系
    3.5
    死体清掃や盗聴、身元調査にブラックジャーナリズム、さらにはパンチラ、AV、風俗、ノーパン喫茶、女装にデブ専・フケ専、刺青、浣腸などなど……。オトナじゃないとわからない世界にハマる、いまいちオトナになりきれない人々の知られざるディープな生態を徹底的にリポートする。
  • アニメ文化外交
    3.6
    世界はこんなに日本が好きだ! ミャンマー、サウジアラビア、イタリア、スペイン…。日本のアニメは、想像を超えて世界に広がっている。本書では、日本のアニメが世界でどう愛され、憧れの的になっているかを、現地の声で再現。このアニメ文化を外交ツールとして積極的に活用する意義を論じ、そのための戦略をも提示する。
  • アメリカの社会変革 ──人種・移民・ジェンダー・LGBT
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    2009年、オバマが「チェンジ」を合言葉に登場。医療保険、同性婚支持、移民政策において、平等化への歴史に新たな一ページを刻んだ。八年後、トランプも「チェンジ」を訴えて登板した。「チェンジ」の価値化こそは、アメリカ文化の柱だ。しかし、どのような「チェンジ」か。本書は、アメリカの社会変革の原動力として、人種、移民、女性、LGBTの平等化運動を取り上げ、政治、経済、社会、文化の歴史的変化を見る。そして、トランプ政権による揺り戻しと、反動への抵抗勢力の激突を描き出す。
  • 荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門
    3.0
    漫画史に傑出する長編作品『ジョジョの奇妙な冒険』。抒情的かつ異風的であるこの芸術作品を、四半世紀にわたって描きつづける創造力の源泉はどこにあるのか? 技法を精緻に分析し、作品を漫画の歴史のなかに位置づけ、理論にもとづいて荒木飛呂彦の作風と物語の独創性を読み解く。ファン待望の漫画評論!
  • イソップ寓話の世界
    -
    イソップの動物寓話は、子ども向けの人生訓話としてなじみ深いものである。けれども、ほぼ同時代のソクラテスやアリストパネス、ヘロドトスなどによってすでに真剣な考察の対象とされたように、そこには読み手の立場によって多様な解釈を許容する、奥行きをもった世界が展開されている。では、イソップとは誰なのか。それはいかなる経緯によって成立し、流布されていったのだろうか。先行文明としてのメソポタミアやエジプトをも視野に入れながら、イソップ寓話をとりまく謎に迫る。
  • いやげ物
    3.9
    水に濡れると裸が現れる湯呑み。着ると恥ずかしい地名入りTシャツ。ヤシの実や貝殻でできたかわいいけど変てこな人形。なぜかナマハゲや西郷どんの形をした栓抜きや灰皿。そして、ハワイと日本のみやげ物対決! エロ度、トホホ度でどちらが勝つのか? みやげ物界のアウトサイダー堂々400点以上を大公開! オール天然色。抱腹絶倒。
  • インディアンとカジノ ──アメリカの光と影
    4.4
    20世紀後半以降、保留地内に建設したカジノによって、インディアンは莫大な収益をあげている。2016年にはラスベガスのカジノ収入を抜き、カジノ産業は実質的にインディアン社会の経済的・社会的・文化的自治の基盤となった。なぜインディアンがカジノを経営するようになったのか? アメリカとの関係からインディアンの歴史を跡づけ、「インディアン・カジノ時代」という新しい時代が到来していることを明らかにする。
  • インド文化入門
    3.6
    遠くインダス文明にまでさかのぼり、異文化が交錯する要衝の地として繁栄してきたインド。そのため現在も多様な民族、言語、宗教が混在する。また古来よりカースト制が敷かれてきたことから、社会階層も多様に存在している。しかし、どの地方、どの民族のカレーを食べてもカレーとしてのカテゴリーに収まっているように、インド文化圏は多様な中にも統一性が保たれている。それはいったいなぜなのだろうか? 映画、新聞広告、絵画、物語、遺跡、陶磁器、食べものといった身近なテーマを切り口に、インドの文化と歴史を丸ごと理解する、世界的権威によるまたとない入門書。
  • イーハトーブ乱入記 ――僕の宮沢賢治体験
    4.0
    宮澤賢治はほんとうに猫が大嫌いだったのだろうか? 銀河鉄道の車窓風景になぜ星がでてこないのだろう? いったい天気輪ってどんな形をしているんだ? 誰もが魅惑にとりつかれる謎だらけのイートハーブ世界。登場人物を猫のキャラクターで描いたコミック版『銀河鉄道の夜』の作家がはじめて書き下ろした賢治体験記。
  • ウィトゲンシュタイン入門
    3.7
    世紀末のウィーンに生まれ、20世紀初頭のケンブリッジを舞台に活躍した天才科学者ウィトゲンシュタイン。裕福なユダヤ系鉄鋼財閥の家庭に育ちながら、数奇な一生と特異な行動や風貌によって、その思想の全貌は今日なお神秘的な色彩を帯びる。彼が生涯を賭けて問いつづけた「語りえないもの」とは何か? 初期の写像理論から中期の文法理論、後期の言語ゲーム理論へと展開する独特のアイディアにみちた思想の核心にわけ入り、読者とともに考える、清新な魅力にあふれた入門書!
  • 映画とは何か ──フランス映画思想史
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    映画は人間の認識に何をもたらしたのか。映画とともに誕生した思考とは何であるのか。こうした問題を、ほかのどの国にもまして考察しつづけ、思想的系譜として育んできたのがフランスにほかならない。本書では、ジャン・パンルヴェからジル・ドゥルーズまでを貫くその歴史を、“自動性”の概念を軸に再構成し、映画の力による世界への信と希望の可能性を考える。
  • 映像のポエジア ──刻印された時間
    5.0
    「それ独自の事実のフォルムと表示のなかに刻み込まれた時間――ここにこそ、私にとって芸術としての映画の第一の理念がある」。その理念が有機的統一をもって結晶する“イメージ”。『惑星ソラリス』『鏡』『サクリファイス』など、生み出された作品は、タルコフスキーの生きた世界の複雑で矛盾に満ちた感情を呼び起こす。俳優や脚本のあり方をはじめとする映画の方法は、現代において涸渇した人間存在の源泉を甦らさんとする意図とともに追求された。戦争と革命の時代である20世紀に、精神的義務への自覚を持ち続けた映画作家の思考の軌跡。
  • 越境する出雲学 ――浮かび上がるもうひとつの日本
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    現在は島根県東部の一地方である「出雲」の名を冠した地名や神社が、列島各地に存在するのはなぜなのか。出雲の謎とは、この国の成り立ちにかかわる問いである。各地に広がる出雲信仰の足跡や伝承、郷土史を丹念に播き、見えづらくなった古来の地域と地域とのつながりを再構成。一つの中心から勢力を拡大していく従来の国家像や近代的な中央集権国家の観念にとらわれない、もうひとつの日本の成り立ちを鮮やかに描き出す。
  • 江戸衣装図絵 奥方と町娘たち
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    徳川260年の間、江戸の女たちは装うために、チャレンジを続けた。江戸初期の武家婦人の晴れ着は重厚で豪華な衣装。一方、庶民は自分で手作りという時代。やがて、江戸中期になると色彩豊かで優美な世界が町方の富裕層のなかから生まれ出る。そして江戸後期は、「粋」で個性的な時代へと変化する。江戸の女たちの着物、髪形、化粧などを紹介する、服飾カラー大全。見て楽しい、読んで役に立つ。
  • 江戸衣装図絵 武士と町人
    4.0
    江戸の男たちの衣装は職業別の仕事服であった。そんな世の中で、男たちは、ときに歌舞伎の影響をうけながら、洒落を楽しみ、粋な装いを競い合った。武士から町人まで、その衣装、髪形、履物、旅姿などを紹介する。時代小説、歌舞伎、時代劇を楽しむために、デザインや創作の参考に、プロも一般読者も楽しめる、江戸の男たちの服飾カラー大全でもあり、職業案内でもある。
  • 江戸 食の歳時記
    3.0
    和食の原型は江戸時代に形作られた。そう聞くと江戸の料理は素朴なものだったと思われるかもしれないが、さにあらず。魚は天然、野菜は有機、その上調理方法にも技巧が凝らされており、江戸の食文化はとても豊かだった。例えば刺身一つとってみても今はたいてい醤油を添えるが、江戸時代は魚の種類ごとに煎り酒や生姜酢などの各種調味料を使い分けていた。薬味もわさびだけでなく、からし、おろし大根、蓼など多様だ。本書ではそんな豊かな江戸の料理と食材を季節ごとに紹介し、各種行事食の由来も解き明かす。第一人者による人気連載を初書籍化。江戸時代の図版も約150点収録。
  • 艶笑小咄傑作選 ──定本艶笑落語
    4.0
    古くは“バレばなし”とよばれてきた“艶笑落語”。いいかえれば、セクシー落語、ピンク落語、ポルノ落語でもある。品よく形容するならば、好色落語、お色気落語、風流落語ということになる。本書は、江戸時代から今日まで、“お座敷ばなし”として、ひそかに語りつがれて来た何百という艶笑小咄の中から精選し、バラエティ豊かに編んだ正統な小咄傑作集。
  • 大江戸歌舞伎はこんなもの
    3.5
    著者が30年間惚れ続けている大江戸歌舞伎。誰も見たことのない100年以上前の歌舞伎とはどんなものだったのか? 歌舞伎の定式、専門用語とは? “時代”と“世話”とは? 顔見世狂言とは? などなど、江戸の歌舞伎の構造を徹底解説。人気狂言『兵根元曽我』はなぜ何ヶ月も何ヶ月もロングランしたのか?? 粋でイナセでスタイリッシュな江戸歌舞伎の世界へようこそ。
  • 大相撲40年史 ――私のテレビ桟敷
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    北の湖・輪島ら四横綱時代から千代の富士時代、貴乃花・曙・武蔵丸の時代、さらに八百長疑惑騒動を経て、朝青龍や白鵬らモンゴル出身力士たちが角界を席巻する現在まで――四十年間の相撲界を著者自身の個人的体験を織り込んだクロニクル形式で振り返る。テレビに映し出された土俵のみならず、八百長事件など土俵外の騒動までを、著者一流の大相撲と世相への知見を盛り込んで解説。折々の幕内力士番付や部屋系統図・年寄名跡一覧などの付録も充実した、相撲ファン必携の一冊。
  • 沖縄の食文化
    4.3
    沖縄学の権威による沖縄食文化史入門。著者は『おもろそうし』などの古典文学をもとに琉球文化の源流を探る研究に取り組んできたが、最後の著書となった本書では、食を素材に、沖縄の歴史が描き出される。ヤマトとは異なる食材・料理・飲食風習を対外関係史から説明し、沖縄料理の中にある東南アジア文化、中国文化の影響を解説。そして、食の思い出とわかちがたく結びつけられた戦前・戦中の記憶をつづる。取り上げられるのはラフテーやゴーヤチャンプルーなどよく知られた料理から、今では幻となった伝統菓子にいたるまで幅広い。食が語る沖縄の歴史。
  • 小田急百貨店の展覧会 ――新宿西口の戦後50年
    4.0
    あの日、新宿駅西口には「夢」があった――新宿発展への期待は、「西」にあった。まだ見ぬ副都心への玄関口として西口広場が完成した頃、百貨店もまた、人々の好奇心と期待に応えようとしていた。世界の秘宝、幻想絵画、刺青、プロレス、狂言師――小田急で繰り広げられた夢の展覧会から戦後日本を振り返る。
  • 小津安二郎と七人の監督
    3.0
    若くして映画の道に入り、撮影助手を経て助監督となり、24歳で監督となった小津安二郎。移動撮影やオーヴァーラップやパンをせず、ローアングルから撮ったショットを積み重ねる静的映像をどのようにして確立していったのか。憧れのルビッチ、同時代に影響し合った溝口健二や五所平之助、清水宏、成瀬巳喜男、木下惠介、加藤泰ら7人の監督との関わりを軸に小津安二郎の映画作りの極意を描きだす。
  • 男は女のどこを見るべきか
    4.0
    男と女の思考のしかたは、どう違うのか? 当たり前だが、共通していることのほうが多い。だが、死ぬの生きるのという極限状態になったとき、それぞれの本質的な違いが出る。著者がこれまで十年以上にわたり行なってきた、「育て直し」の活動を通して見えてきた事実を開示していく。そして、男女の思考方法の決定的な違いを解明し、女性との良好な接し方を伝授する。男性読者必読の最新論考。
  • 大人の敬語コミュニケーション
    3.5
    敬語は必要だ。その場に相応しい敬語が自然に使えれば、ビジネスでもプライベートでも、より望ましいコミュニケーションができるに違いない。でも敬語は難しい。「尊敬語」か「謙譲語」か混乱する。間違いに目クジラを立てる人も多い。どうしたら、より洗練された敬語を使えるようになるのだろう…。本書では、敬語をコミュニケーション全体のなかで捉え、相手を尊重しながら自分自身を表現する手段として体系的に整理、具体的なシーンを想定しながら「敬語コミュニケーション」能力を磨く。
  • 大人への条件
    3.0
    子どもから大人への境目が曖昧ないま、「大人になる」とはどういうことなのか。人はどのように成長の自覚を自らのうちに刻んでいくのか。子どもが成長していくなかでの親との関係、思春期の性の目覚めや自立の問題などを、文学的素材や社会的テーマを通して考え、現代社会において大人になるということにどんな意味が潜んでいるのかを浮かび上がらせる。自分はなにものかを問い、大人になりきれない思いを片隅に抱くすべての人におくる、新・成長論。
  • 鬼と日本人の歴史
    3.4
    絵本などで親しまれながらも恐怖の対象でもある「鬼」。「鬼」は古代では畏怖の対象だったが、時が経つにつれ、都合の悪いものを表すような存在となっていった。その歴史をひもとけば、日本人の心の有様もみえてくる。
  • 女は男のどこを見ているか
    3.7
    「男」と「女」のすれ違いは、日常のさまざまな場面で見受けられる。女の行動の謎は、男にとっては悩みのタネの一つでもある。では、男から見た男像と女から見た男像のズレの最大の原因は何か? 本書は、この男女の認識のズレを解明し、そのうえで、男が、智恵と勇気と愛と感謝の気持ちをあわせ持った「いい男」に成長するための「英雄体験」について解説する。すべての男性に必読の一冊。
  • 帰ってきたもてない男 ──女性嫌悪を超えて
    3.5
    ついに、あの男が帰ってきた! 一度は結婚し、裏切り者呼ばわりもされたが、今また、独り身になり、より弱気になって帰ってきた。二十一世紀を数年経過した現在における「もてない男」、とくに今度は「男のセカンドヴァージン」「三十代美人どもの高飛車ぶり」などの観点から、恋愛、結婚、負け犬、出会い系サイト、女性嫌悪、等々の男女関連諸問題を斬ってゆく。痛快無比な真剣勝負。
  • 輝け!キネマ ──巨匠と名優はかくして燃えた
    3.0
    日本映画の黄金期を支えた、巨匠と名優たち。小津安二郎と原節子、溝口健二と田中絹代、木下惠介と高峰秀子、黒澤明と三船敏郎。ゴールデンコンビによる数々の名作。その誕生の裏に隠された壮絶な人間ドラマとは? NHK第2「カルチャーラジオ」で好評を得た「日本映画の黄金期を支えた監督とスターたち」を大幅に改稿した、文庫オリジナル。
  • 貸本屋とマンガの棚
    3.0
    60数年前、人々は貸本屋から本を借りて読むことが、ささやかな娯楽だった。とくに貸本マンガと呼ばれる作品群は、子どもや若い労働者たちの心をつかんだ。そのなかには若き日の白土三平、つげ義春、さいとう・たかを等の作品があった。戦後社会のあだ花のように咲いた貸本文化の全貌に迫る!『貸本マンガと戦後の風景』を改題・文庫化。
  • カスハガの世界
    4.1
    ぶわっはっは! 見れば見るほどおかしい。でも貰っても、ちと困る、カスのような絵ハガキが「カスハガ」だ。観光地で絵ハガキセットを買うと、10枚のうち1枚はまったく作者の意図が掴めない絵ハガキがある。本書では、有無を言わせぬその魅力を抱腹絶倒のマンガで伝える。文庫版スペシャルとして著者の選ぶ「カスハガ・ベスト10」付き。
  • 河童の日本史
    3.0
    水辺に出没する日本の妖怪・河童。本書は、民間伝承や文献に出現するこの空想生物を、時代ごと地域ごとに精査。そこから、近世の潅漑用水発達と鎖国にともない内陸の河沼へ目が向けられたこと、ワニやスッポンなど水棲生物を祖型としつつ、水死者・被差別民・処刑キリシタン等のイメージが多元的に重なって河童となったことが浮かびあがる。民俗学と科学史を横断した異色の生物学者による実証分析的空想生物学の著作。その底流には、日本人の生命観へのアプローチが満ち満ちている。
  • カニバリズム論
    3.6
    カニバリズム(人肉嗜食)は人類の根源的タブーのように思われながら、実のところその痕跡は古来より無数に残されてきた。著者の専門は中国でありながら、古今東西の記録・小説を博捜し、ときに舌鋒鋭く、ときに諧謔と皮肉をもってカニバリズムを縦横無尽に論じる。人間の薄っぺらな皮膚を両手で思い切りめくり上げ、曝し、目を背けたくなるようなものを直視することで、「近代合理主義精神」なるものの虚構を暴き、「良識」を高らかに嗤いとばす。人肉嗜食、纏足、宦官……。血の滴るテーマで人間の真実に迫る異色の作品。
  • 歌舞伎一年生 ──チケットの買い方から観劇心得まで
    3.3
    歌舞伎を見るのに知識は必要ありません。見れば、難解ではなく、かっこよくて美しいと分かるはず! 贔屓の役者やお気に入りの演目を見つけるまでのドキュメンタリー的入門書。
  • 貨幣の条件 ──タカラガイの文明史
    -
    ヒトを翻弄する貨幣。あるモノが貨幣たりうる条件とは何か。それを考察するのに恰好の対象がある。タカラガイだ。呪物・護府・威信財・装身具や遊具と用途を変える貝は、なぜ貨幣にもなり得たのか。新石器時代から現代までの「時間」。大興安嶺の山麓からアフリカ大陸まで環のように経巡ってきた「空間」。史料の渉猟と雲南やチベットなどの踏査をもとに、時と場の両面から貨幣成立の謎や貝を取り巻くヒトと社会の諸相に迫る。
  • 上方らくごの舞台裏
    -
    筆者が上方落語の魅力に溺れた1970年代、その中心は俗に「四天王」と呼ばれる六代目笑福亭松鶴、桂米朝、三代目桂春團治、桂小文枝(後の五代目文枝)の四人の師匠連であった。最後のお一人となった春團治師も2016年1月9日に85歳で亡くなり、ひとつの時代が終わった感がある。本書では38の演題を厳選、懐かしい師匠たちの舞台裏噺から芸の魅力、人の魅力、お囃子さんまで、40年の思い出を語り尽くす。番外として、タモリが吉原で発見し、鶴瓶が演じ、歌舞伎になった新作落語『山名屋浦里』の裏話をお楽しみください。
  • カルロス・カスタネダ
    3.5
    「呪術師ドン・ファン・シリーズ」の著者、カルロス・カスタネダはその実在すらが疑われ、著作の内容も常に毀誉褒貶にまみれていた。カスタネダとは一体何者だったのか? 著述の内容をつぶさに検証し、仮面の下に潜む素顔とその思想を白日のもとに曝す。カスタネダ神話を脱構築し、新たな相貌の獲得を目論む挑発的な試み。
  • 関西フォークがやって来た! ――五つの赤い風船の時代
    3.7
    1960年代、商業主義的だったフォーク・ソングに強烈なNOを突きつけ、社会の理不尽に抗う歌を発表した「関西フォーク」。シーンを牽引した「五つの赤い風船」のリーダー・西岡たかしへのインタビューをもとに、関西フォークの歴史をたどる。高田渡、ザ・フォーク・クルセダーズ、吉田拓郎などとの接点を視野にいれ、大阪・京都で“1968年”に奇跡的な輝きを放ったアングラ・フォークの魅力を語る。
  • 消えた赤線放浪記 ──その色町の今は……
    3.5
    戦後間もない昭和21年に定められ、かつて日本のいたるところにあった「赤線」は昭和33年に廃止された。ところが地域によっては様々な風俗産業の業態に姿を変えながら、現在に至るまで賑わいを続けている。全国各地の元赤線地帯を訪ね、風俗産業の栄枯盛衰と、そこで働く女性たちの声を書きとめることで「赤線後の色町」を浮かび上がらせた貴重な記録。新取材の書き下ろしと未発表写真多数収録。
  • 危険な文章講座
    3.8
    文章の『バランス』なんて考えるな、『ゆがみ』を大切にすることからこそ理想的な自己表現は生まれる!「言葉にできないほどの感情」を的確に表現するにはどうしたらいいのか?今までの文章術の枠組みを超えたユニークな視点と新感覚の語り口で繰り広げられる、ラディカルな自己表現法の数々。情報が氾濫するなかで「自分の頭で考え、表現する力」を見失いがちな現代人たちに贈る、前代未聞・抱腹絶倒の文章講座。
  • 喫茶店の時代 あのとき こんな店があった
    4.0
    人々はなぜ喫茶店に引き寄せられたのか。その独自の空間に流れる時間は、作家・芸術家たちにとっての文学や美術の誕生の場となった。コーヒーや茶の歴史にはじまり、明治、大正、昭和の喫茶店の変遷を追う。いまやチェーン展開のカフェに押され、絶滅危惧種化しつつある喫茶店の魅力に迫る異色の文化史。単行本を大幅改稿文庫化。図版多数収録。
  • 教養としてのゲーム史
    3.6
    「名作」「傑作」とされるゲームはいったいどこがスゴかったのか。新しいゲームジャンルはどのように誕生するのか。──それは、ゲームの歴史を「アイディアの進化史」としてとらえることで見えてくる。『インベーダー』『ゼビウス』『スーパーマリオ』『ドラクエ』『ときメモ』『ラブプラス』……数々の歴史的作品は、「創造性」「大衆性」「技術とアイディアの関係」などについて、大きなヒントを与えてくれる。ゲームを「学ぶ」時代の幕明けだ。
  • 教養としての能楽史
    3.0
    能は退屈どころか、本当はとてつもなく面白い。700年におよぶ日本の伝統文化の蓄積があるからだ。太閤・秀吉や五代将軍綱吉は相当な能狂いだった、桃山時代までの能は今のおよそ2倍の速度で演じられていた、世阿弥の晩年はよくわからず、その著書『風姿花伝』は明治末年まで一般にはその存在すら知られていなかった――等々、能の歴史を楽しく学びつつ、日本の伝統芸能の本質も理解できる。日本人なら教養として知っておきたい、確かな史料に基づいた能楽史の入門書決定版。
  • 教養の書
    4.5
    全国のごく少数の幸福な読者のみなさん、ついに書いてしまいました。教養とは何か。なぜ大切か。教養への道をどう歩めばいいのか。おまけにお勉強の実践スキルまで。すべて詰まった「知の教典」誕生です。
  • 首狩の宗教民族学
    -
    かつて多くの民族に首狩りの文化が存在した。「首狩」とそれに関連する「首取」、「頭蓋崇拝」、「頭皮剥ぎ」、「人身供犠」のなぜ?首狩の精神的背景と意味を、フィールドワークと膨大な文献から解き明かす、世界初の研究書。
  • グロテスクな教養
    3.8
    大正教養主義から、八〇年代のニューアカ、そして、現在の「教養崩壊」まで、生産・批判・消費され続ける教養言説の底に潜む悲喜劇的な欲望を、さまざまな側面から映しだす。知的マゾヒズムを刺激しつつ、一風変わった教養主義の復権を目指す、ちょっと意地悪で少しさわやかな教養論。
  • ケガレの民俗誌 ――差別の文化的要因
    4.5
    被差別部落の白山信仰、血穢の性差別、非常民の世界、民俗概念としてのケガレ。これまで日本民俗学が避けてきた問題、ケガレと差別の底に潜むものは何か。ハレ・ケ・ケガレの民間信仰の意識構造のなかで、ケガレが不浄なるものへと変化する過程を究明し、経血にまつわる女性差別の要因である血穢の虚構をあばく。また、死穢というもっとも大きな不浄観はどのような時空間で発生するのかなど、その基底にある民俗儀礼の奥底を明らかにする。ケガレとはたんなる汚穢ではなく、ハレを喚起する力なのだ。日本民俗の深層に根付いている不浄なる観念と差別の問題を考察した先駆的名著。
  • ケルト 再生の思想 ──ハロウィンからの生命循環
    3.8
    近年、急速に広まったイヴェント「ハロウィン」。その起源は、ヨーロッパの古層、ケルト文明の祭「サウィン(万霊節)」にたどりつく。ケルト暦では、10月31日が一年の終わりで始まり。厳しい冬の訪れとともに、世界は闇に閉ざされ、死者がよみがえると信じられてきた……。四つの季節祭と神話伝説を手がかりに、ケルト文明の循環的な生命思想を解きあかす。古代・中世ヨーロッパの精霊を現代へよみがえらせる芸術人類学的な試み。
  • ケルトの世界 ──神話と歴史のあいだ
    3.0
    ギリシア・ローマやキリスト教と並ぶもう一つのヨーロッパの源流とされ、 日本でも根強い人気を誇るケルト文化。だが、 近年ではケルト神話やケルト音楽からイメージされるような島のケルトと歴史上のケルト人との連続性にはさまざまな異論があり、なかにはその実在を疑う「ケルト否定論」すら展開されている。では、古代ケルト人とは何者だったのか。 著名な神話を入り口に、それを考古学的・歴史学的知見と照らし合わせることで、古代ケルトの生活世界へと分け入る入門書。
  • ケルトの薄明
    3.8
    「人間が見たり聞いたりしたものは生命の糸である」(イエイツ) 自然界に満ち満ちた目に見えない生き物、この世ならぬものたちと丁寧につきあってきたアイルランドの人たち。詩人であり、劇作家・思想家であるイエイツは、自ら見たり聞いたりしてケルト民族に伝わる妖精や超自然的な生き物たちのフォークロアを採集した。そこには、無限なものへの憧れ、ケルトの哀しみにあふれ、不思議な輝きを放ち続ける。カットにケルト美術を用い、イギリス・アイルランドフォークロア研究者による的確な翻訳で、ケルト民族の情感を生き生きと伝える。
  • ケータイ小説は文学か
    3.5
    なぜケータイ小説はウケたのか? ケータイ小説を文学として認め、その構造を徹底的に分析する刺激的な試み。リアルとリアリティー、二項対立の構造、作られた「本当」の気持ち、ホモソーシャル、セックスは軽いか……。小説の「読み」「書き」に起こる異変を解き明かし、現代文学の新しい境地を見出す。
  • K-POP現代史 ──韓国大衆音楽の誕生からBTSまで
    4.0
    いま世界を席巻するK-POPは、いかにして生まれたのか? 植民地支配下における韓国大衆音楽の誕生から、隣国日本との歴史的葛藤、「韓国といえば演歌」の時代、社会に議論を巻き起こしたヒップホップ、民主化、経済危機、IT化、「戦後最悪の日韓関係」の中で花開いたK-POPブーム、そして力強いメッセージ性とアイドル性を兼ね備えたBTSの世界的成功まで、激動の100年の情勢を押さえつつ、今日に至るジャンルと国境を越えたダイナミックな発展を通史的に論じる。
  • 「月給100円サラリーマン」の時代 ──戦前日本の〈普通〉の生活
    -
    戦前社会が「ただまっ暗だったというのは間違いでなければうそである」(山本夏彦)。戦争が間近に迫っていても、庶民はその日その日をやりくりして生活する。サラリーマンの月給、家賃の相場、学歴と出世の関係、さらには女性の服装と社会的ステータスの関係まで──。豊富な資料と具体的なイメージを通して、戦前日本の「普通の人」の生活感覚を明らかにする。
  • ゲルマニア アグリコラ
    4.0
    力強く簡潔な文体と精彩あふれる描写で知られるタキトゥスの2つの小品を収める。『ゲルマニア』は、当時ローマ帝国に北方から脅威を与えていたゲルマニアの諸部族に関する民族誌。風土、習俗、制度などについての概説と各部族の記述からなる。野性に満ちて強力なゲルマニア人と、文明化し過ぎ頽廃・衰亡への道を歩むローマ人を対比し、警告を発する。『アグリコラ』はタキトゥスの岳父を描いた伝記。暴君のもとでの貴族の生き方を示すとともに、ブリタンニア(古代イギリス)の地理や民族を詳しく記す。
  • 現代オカルトの根源
    4.1
    ヨハネ黙示録やマヤ暦に基づく終末予言、テレパシーや空中浮揚といった超能力、UFOに乗った宇宙人の来訪、レムリアやアトランティスをめぐる超古代史、爬虫類人陰謀論―。多様な奇想によって社会を驚かせる、現代のオカルティズム。その背景には、新たな人種の創出を目指す「霊性進化論」という思想体系が潜んでいた。ロシアの霊媒ブラヴァツキー夫人に始まる神智学の潮流から、米英のニューエイジを経て、オウム真理教と「幸福の科学」まで、現代オカルトの諸相を通覧する。
  • 現地発 韓国映画・ドラマのなぜ?
    -
    映画・ドラマから知る、韓国の食や、フェミニズム等社会状況、そして現代史まで。韓国在住映画ライターが案内。作品の見方が変わる。
  • 公安警察の手口
    3.8
    監視社会化が進む日本。こうしたなかで、不当逮捕を繰り返し、統治機構の末端で暴力を行使しているのが公安警察である。いったいヴェールの向こう側では何が起きているのだろうか? かつて赤報隊事件で公安警察に濡れ衣を着せられた経験を持つ著者が、その捜査手法や権力構造を照射し、知られざる公安警察の"真実"を追究する。
  • 高校生からのゲーム理論
    3.5
    社会科学を塗り替えつつあるゲーム理論は、「人と人のつながりに根ざした理論」である。環境問題、三国志、恋愛、いじめなど、多様なテーマからその本質に迫る入門書。
  • 考古学はどんな学問か
    4.0
    考古学は物的証拠を手掛かりに、過去の人々の行為を再現する学問だ。したがって石器時代や縄文・弥生などの古い時代だけでなく、近現代までもが研究対象となる。もちろん物的証拠も幅広く、銃弾といったものさえ証拠になる。犯罪捜査さながらにスリリングな学問であり、時には一国の歴史を書き換えることすらある。アメリカで長く国民的英雄とあがめられていた将軍の遺跡が、実は先住民への暴力の跡だったことが分かった「リトルビッグホーン古戦場」などは代表的事例だ。歴史の生き証人を足元から掘り起こす考古学。その魅力を余すことなく伝える、読んで楽しい入門書!
  • 紅白歌合戦と日本人
    3.8
    今なお、四〇パーセント台の視聴率を誇る、紅白歌合戦。「紅白」の歩みは、私たち日本人の歩みでもあった。美空ひばり、坂本九、山口百恵、都はるみ、SMAP、美輪明宏……。大晦日の夜、時代を彩る歌手が一堂に会し、その年のヒット曲を、懐かしの歌を、心に残る名曲を歌い上げる。時代とともにそのあり方を変えながら、国民的テレビ番組であり続ける「紅白」に、私たち日本人は何を求めてきたのか。今日に至るまでの「紅白」の歴史をたどり直し、日本人の心の軌跡を描き出す渾身作!
  • 故郷の風景 ――もの神・たま神と三つの時空
    -
    日本人なら誰もが、懐かしく、心地よく感じる原風景。そこには、自然や神仏と接する、三つの時間と空間がある。失われた近代日本の土俗の風物と暮らしを、美しい文章でたどり返し、体感する。
  • 黒人のアメリカ ――誕生の物語
    3.0
    「アメリカの黒人」はどのようにして誕生したのか?奴隷解放ののち、苦難の道を経て、彼らはアメリカに留まりアメリカ社会の一員たることを選択する。著者はその誕生の時の立ちもどり、黒人たちのさまざまな「物語」のなかに彼らの「共生」の夢を探っていく。しかし真の共生はいまだに実現していない。黒人文化などさまざまな異文化が対等につくりだす「多文化」のアメリカは可能なのだろうか?著者は歴史の声に耳を傾けながら、そう問いかける。
  • こころの人類学 ──人間性の起源を探る
    -
    「わかちあい」「おもいやり」「いつくしみ」。人類に普遍的に見出されるこころのはたらきはどこで生まれたのか。カナダ・インディアン、北海道のアイヌ、ロシアのコリヤーク、モンゴルの遊牧民、インドのラダック、そしてチベット。人間と動物が本来的に同一だとする初原的同一性の思考にこそ「こころの起源」がある。半世紀にわたる世界中でのフィールドワークから、様々な社会に共通して見られる人間の生態とこころの本質を解明する。
  • ことばは国家を超える ――日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義
    5.0
    英語を初めて学んだ時、文の構造の違いや動詞の活用などに戸惑われた方も多いだろう。しかし世界には、単語を入れ替えさえすれば文意が通じる言語が多数存在する。ウラル・アルタイ語族に属する朝鮮語、トルコ語、フィンランド語、ハンガリー語、モンゴル語などだ。これらの言語は、文の構造ばかりか表現方法、つまりものの感じ方までもが共通している。このことから、言語を軸に連帯をはかろうとする運動、ツラン主義が一九世紀にハンガリーで現れた。それは虐げられた民族からの異議申し立てであり、その水脈は今も生き続けている。
  • 子どもの文化人類学
    3.9
    極北の雪原に生きる狩猟民ヘヤー・インディアンたちは子育てを「あそび」として性別、血縁に関係なく楽しむ。ジャカルタの裏町に住むイスラム教徒は、子どもの喧嘩を「本人同士のビジネス」と言って止めない。本書は、環境や習慣が異なる社会における親子、子どものありかたをいきいきと描き出した文化人類学的エッセイである。どのような社会に生まれても子どもは幅広い可能性を内包しながら成長していくことが、みずからのフィールドワーク経験をもとにつづられる。鮮彩なエピソードの数々が胸を打つ名著。
  • 混浴と日本史
    3.0
    温泉列島・日本に花開いた混浴文化。常陸風土記にも記されるなど、長い歴史のなかで、庶民の日常生活の一風景となった。宗教や売春の場となったり、権力から弾圧されたり、多様な面を持つ。明治以後、西欧文明の波が押し寄せ、不道徳とされながらも消えずに残った混浴。太古から現代まで、混浴が照らす日本人の心性に迫る。図版多数収録。
  • ゴダール革命〔増補決定版〕
    -
    いつ炸裂するかわからない時限爆弾として映画があるとするならば、ジャン=リュック・ゴダールの作品はいかなる条件のもとにそうであるのか、あるいはそうでないのか。映画批評的/映画史的差異を捉えた者だけに現れる問題が存在する──。最初の長編『勝手にしやがれ』から遺作『イメージの本』まで、稀代の映画作家が置かれ続けた孤独。撮ることと観ることとのいまだ決着のつかない闘争の場に対峙してきた著者は、「映画はもはやゴダールなど必要としていない」と断じる勇気を持てと訴える。新たなる孤独の創造のために。ゴダールへのインタヴューなどを再録増補した決定版論集。
  • サカナと日本人
    -
    アジア大陸の縁辺に位置し、大きな暖流と寒流に取り巻かれた日本列島は、今日まで豊かな水産資源の恵みを私たちに与えつづけてきた。日本人はどのように魚と共存してきたのか。アユ漁とアワビ採取を中心に水産利用の祖型を探るとともに、ハマチとクルマエビを例にとり、戦後の産業化と国際化の歩みをたどる。稲作農耕システムを社会基盤に置きながらも複合的な文化形態を成熟させてきた日本民族の漁業文化に光をあてた異色の「サカナと日本人」論。
  • 死体は誰のものか ──比較文化史の視点から
    3.5
    死体を忌み嫌い、人の目に触れないようにする現代日本の文化は果たして普遍的なものなのだろうか。中国での死体を使った民衆の抵抗運動、白骨化できない死体「キョンシー」、チベットの「鳥葬」や悪魔祓い、ユダヤ・キリスト教の「復活」「最後の審判」、日本の古典落語に登場する死体、臓器移植をめぐる裁判。様々な時代、地域の例を取り上げ、私たちの死体観を相対化し、来るべき多死社会に向けて、死体といかに向き合うべきかを問い直す。
  • 死と復活 ──「狂気の母」の図像から読むキリスト教
    4.0
    イタリア・フィレンツェ郊外の小さな美術館で出会った一つの謎めいた板絵。それは死んだはずの赤ん坊をよみがえらせた聖人の奇跡を描いたものだった。この「嬰児復活の奇跡」と、その上位テーマたる「狂気の母」が、著者を思索の旅に招き入れる。聖餐・聖遺物といったキリスト教文化圏特有の信仰形態や、遡って古代エジプト、ギリシア、ケルト文化にも見られる「死と復活」の主題。これら多くの図像や史料を読み解きながら西洋精神の根幹を成す「死と復活」の思想の本質と、キリスト教の深層に肉薄する。
  • 春画のからくり
    3.9
    春画では、女性の裸体だけが描かれることはなく、男女の絡みが描かれる。男性のための女性ヌードではなく、男女が共にそそられ、時に笑いながら楽しむものだったと考えられる。また、性交場面を際立たせるために、顔と性器以外は、衣装で隠された。「隠す・見せる」「覗き」等の視点から、江戸のエロティシズムの仕掛けが明らかになる。図版豊富。
  • 小説のストラテジー
    4.3
    「あらゆる表現は鑑賞者に対する挑戦です。鑑賞者はその挑戦に応えなければならない」早稲田大学での講義に基づく小説論。小説における「目的」を達成するためにいかに効果的に「形」を組織し、作り上げるのか。そしていかにそれを読み解くのか。稀代の小説家が伝授する、読む/書くための戦略(ストラテジー)。
  • 初版 金枝篇 上
    3.7
    「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、今なお充分なアクチュアリティがあろう。ここには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。
  • 志ん生の忘れもの
    -
    親子三人競演の『びんぼう自慢』出版記念会、りん夫人の涙、洋服嫌い、最後の改名、志ん生のネタ帳……古今亭志ん生に信頼され、名著『びんぼう自慢』の聞き手&構成者として、長年、志ん生とその家族と交流を続けてきた著者が『びんぼう自慢』に収録しきれなかったエピソードや志ん生への愛情あふれる思い出をつづる。
  • シン・中国人 ──激変する社会と悩める若者たち
    4.3
    待ったなしの少子化、激変する結婚・住宅事情、未来を担う若者の奮闘と苦悩などニュースの裏側の中国の「ガチの素顔」をレポートする。画一化された競争人生を強いられメンタルが繊細化し焦慮する若者(「内巻」)、手塩にかけて育てた一人っ子に「優良」な結婚と孫の誕生を切に望む親世代。男女人口の崩れも影響し婿家族が嫁家族に渡す結納金が高騰、加えて、住宅私有化とともに不動産も高騰、そこに出現した「結婚道徳」……。圧縮された国際化と市場化の激流の中で、市井の人々、特に若者は何を思い、人生を歩むのか。
  • 新版 文科系必修研究生活術
    3.2
    「卒論を準備する時期になった」「(文科系の)研究者を目指したい」と思ったとき、何から手をつけたらよいのだろうか? 「学問研究は、しかるべき方法・手順を身につければ誰にでも可能」と主張する本書では、研究テーマの見つけ方や指導教員の選び方、読書術、論文執筆法、留学など、研究生活に必要な事柄を丁寧に解説する。
  • 神話でたどる日本の神々
    4.0
    神さまって何でしょう? 完全無欠で人間を超えた力を持つ特別な存在? 意外にも神々は神話の中で人間味あふれた姿で描かれています。日本人はどんな神々とつきあってきたのか見てみましょう。
  • ジッドの秘められた愛と性
    -
    20世紀前半の世界文学を代表する文豪アンドレ・ジッド。のちにノーベル賞を受賞する彼には、新しい文学的地平の開拓者としてはもちろんのこと、植民地解放、反ファシズム闘争、スターリン批判の先駆者としての三つの顔がある。だが、同時に性解放の先覚者であったことはあまりよく知られていない。社会の通念が勝手に決めた異性愛、同性愛という狭苦しい枠組をのりこえ、性の境界を侵犯するジッド。しかも、女性と美少年を愛しながら、同時にその両方を恐怖するという例はきわめて稀だ。文豪の知られざる愛と性の生涯を通して探究する摩訶不思議なセクシュアリティの人類学。
  • 事物はじまりの物語
    3.8
    「解剖」「スキー」「石鹸」「洋食」「アイスクリーム」「傘」「国旗」「幼稚園」「マッチ」「電話」「蚊帳・蚊取り線香」「胃カメラ」「万年筆」の十三編のはじまりの物語。そのひとつひとつに歴史があり、人の営みがある。江戸から明治にかけて、人々は苦労して新しいものを取り入れ、初めてのものを作りだした。三十年以上歴史小説を書きつづけてきた著者が豊富な史料を駆使して書いた新鮮な驚きが溢れる物語。
  • 女子・結婚・男選び ――あるいは〈選ばれ男子〉
    4.0
    女子最大の問題、それはもちろん“男選び”だ。打算で結婚するのは卑しい。でも最上の男を手に入れたい。男子に対する尊敬の念と幻滅。女を見る目がない男と、男を見る目がない女たち。ゲーテとマン、夏目漱石から水村美苗までを読み直し、悲喜劇を考察する。さあ、「女の子いかに生くべきか」。女子も男子も必読!
  • ジョークのたのしみ
    -
    「ウエイター、この皿はぬれたままだぞ」「それがスープでございます」――ジョークはたのしく、そしてむつかしい。たくさんのジョークを知り、そのTPOを知れば人生はきっと豊かなものになる。この本はアルファベット順にさまざまな形のジョークを数多く集めた、読んで楽しいジョークの百科である。
  • 人類と建築の歴史
    3.9
    建築とは何か、その歴史とはどのようなものだろうか? 母なる大地と父なる太陽への祈りによって誕生した〈建築〉。地母神が人をやさしく包む母のような内部を、太陽神が人の眼前にそびえる父のような外観をもたらした。以降、神々のおわす神殿、神社へと発展し、青銅器時代から二十世紀モダニズムへと駆け抜けていく。人々の共同意識が作り出し、さらに意識を組織化する力をもつ建築。様々な説により自由にかつダイナミックに展開する、全く新しい『初めての建築の本』。
  • すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった ──笑いと日本社会の現在地
    4.7
    1980年代初頭、多くの人が「漫才ブーム」に熱狂した。その影響のもと、私たちは何かあればボケようとし、それにツッコミを入れるようになった。笑いが、重要なコミュニケーション・ツールとなったのである。そこにおいてシンボル的な存在となったのが、タモリ、たけし、さんまの「お笑いビッグ3」だった。先鋭的な笑いを追求して90年代に台頭したダウンタウン、M―1グランプリから生まれた新潮流、そして2010年代に入って頭角を現した「お笑い第7世代」……。今なお中心的存在であり続ける「ビッグ3」を軸に、日本社会の「笑い」の変容と現在地を鋭く描き出す!
  • 世界の神々100
    -
    世界の神話には個性豊かな神々が登場し、残酷さ、暴力性、美醜、エロスなど我々の想像を軽々と超えていく。世界を統べる王者、戦闘を司る戦神、地上に豊穣をもたらす生産の神、ときに慈しみときに闘う女神たち、いたずらもののトリックスター神、技術や医術を操る神、死つまり冥界に君臨する死神。本書では、インド、ギリシア、北欧、ケルト、エジプト、日本、中国など各地の神話から100神を、神話学者の視点で解説する。天地創造、命の起源、農耕の誕生……原初の世界のエッセンスと面白さを縦横に味わう“神様ハンドブック”!
  • 世界マヌケ反乱の手引書 ──ふざけた場所の作り方
    3.0
    まずは、大バカな仲間の作り方、イカサマな金集め作戦など、マヌケ反乱の基本から始まる! そして、最高にマヌケな面白いやつと友達になったり、なんだか知らないけど生きていけたりする空間、金持ちや大企業によって作られた、働きまくって金を使いまくるような消費社会とは無縁な場所を作ろう!!
  • 装飾と犯罪 ──建築・文化論集
    3.0
    ハプスブルグ帝国の末期に生まれ育ちながら、近代建築の地平を切り拓いた先駆者ロース。その装飾を排した建築作品は、当時のウィーン社会において物議を醸すことになる。文筆活動においても舌鋒鋭くラディカルな文化社会批評を展開したが、本書はそのうち重要な論考を精選した一冊である。有名な「装飾は犯罪である」をはじめとした過激な発言に満ちている一方で、ギリシャ・ローマを範とするような古典主義的な思考も随所に覗く。幅広い交友関係を反映して、シェーンベルクやココシュカなども登場。急速な変化を遂げる激動の世紀末・20世紀初頭のウィーンを中心に、モダニズムの強い息吹に触れることができる。
  • 忖度しません 世の中ラボ3
    4.1
    あなたも、わたしも、この国の当事者。自分の言葉で、ちゃんと語るために。考えるためのヒントがいっぱい。激動の時代を、本を読んで考え続けた5年間、42の同時代批評。

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