少年・青年マンガ - エンペラーズコミックス - ホラー作品一覧

  • 小山田いく まんが昔ばなし傑作集
    続巻入荷
    5.0
    日本の各地に古くから伝わる昔話。 それらはあるものは面白おかしく、あるものは教訓的な内容をもって今の世に至るまで長く語り継がれて来た。 しかし、これらの昔話のルーツをたどってゆくと、その先に見えてくるのは実は人間の情念に彩られた生々しく、そして禍々しい物語なのかもしれない。 鶴の舞う村である日突然老夫婦の前に現れた美しい女性…「鶴の恩返し」、藪の中で旅の夫婦に起きた惨事が意外な者の口から語られてゆく「藪の中」、若返りの水を探して一人で山に入った妻を探しに行った夫が見た物は…?「若返りの水」など5作品を収録。 「すくらっぷ・ブック」などで若者のみずみずしい青春を、また「風の宿」などで情緒あふれる大人の物語を綴って来た小山田いくが心機一転、新しい切り口で描いてゆく新シリーズ第1巻!
  • 低俗霊狩り 其の一
    完結
    5.0
    鬼才・奥瀬サキのオカルト・ホラー・コメディ『低俗霊狩り』第1巻。 後に『低俗霊DAYDREAM』『低俗霊MONOPHOBIA』(ともに角川書店刊)等のスピンオフ作品、続編である『流香魔魅の杞憂』へと繋がる同シリーズの原点! 動物霊や雑霊などの低級霊を専門に調伏する低級霊ハンター・流香魔魅は、なぜか一部から低俗霊ハンターと呼ばれていた。 とある高校を除霊の依頼で訪れた魔魅。 熱血教師・田中源一郎に案内された先では、超常のつむじ風による連続スカートめくりが勃発していた!? 流香魔魅初登場の「低俗霊狩り」を始め、「乳鬼」、「神勾し」、「幽霊階段」、「降霊」、「時の狭間」の初期作品を完全再製版して収録!!
  • フォーナが走る 1巻
    完結
    -
    東京都内の冥王高校に通う1年生の小此木春日と2年生の川瀬は、ある日学内にある地下室で不思議な少年と出会う。 「フォーナ」と名乗るその少年は生物資源局の一員として都内に生息する生物の変異体を追っていたところを空洞に住む変異体のコウモリに襲われ、地下室に転がり込んで来たのだった。 それはこれから続く変異体との戦いの序章に過ぎなかったのである。 フォーナを助けた事で事件に巻き込まれて行く春日と川瀬。 コウモリの大量死に事件の匂いを嗅ぎ付け、フォーナを執拗に追い始めるTV番組制作会社「ナン・ロラン」の日月由清(たちもりゆきよ)。 そしてフォーナをサポートする生物資源局の上司、田所分室長と「N」こと能瀬調査部次長。 人々を巻き込みながら、いま、異変は彼等の足下で静かに進んで行く…。 「ウッド・ノート」で鳥たちの生態を生き生きと描いた小山田いくが動物の生態系の破壊に鋭い警鐘を鳴らすサスペンスストーリー第1巻! 小山田いく先生の当時の単行本コメント 『ある、ひとつの地域には、さまざまな種類の動物、植物が住んでいます。これを動物相(フォーナ)、植物相(フローラ)と呼びます。今、そのバランスが確実にくずれはじめています。あなたのまわりでも、ちょっと注意すれば、それが見えるのです。生態系がくずれきらないように、願いをこめて、この作品を描きます。』
  • 魑魅 上巻
    完結
    -
    河童、猫又、人魚など、世の中には昔から正体のわからない生き物が語り継がれて来た。 そしてそれらは今も存在する…。 私立十種高校には部員がたった二人しかいない生物部があり、その部室の地下には数多くの正体不明の標本が安置されていた…。 ある日、この生物部の二人、東森 覚(ひがしもり さとる)と専女 摩未 (とうめ まみ)のもとに2年生の白河啓子(しらかわ けいこ)が猫の死体を抱いて現れた。 目の前で車に轢かれて死んだその猫をせめて綺麗な姿で葬りたい、という彼女の願いを受け遺体の修復を引き受けた東森は、その修復の際に地下にあった猫又の手と言われる標本を欠損部の修復に使用した。 そして…翌日に彼女は姿を消し、彼女の周りの生徒が次々に事故に遭い始める。 果たしてこれは猫又の呪いなのか?! その他、東森が部室に保管してある河童のミイラを返せと必死の形相で部室を訪れた女。その女と河童のミイラの意外な正体は…「河童の巻」、人の怨念が腫瘍になって現れると言われる人面疽。その標本が生物部室から盗まれた。その盗難直前に生物部室を訪れていた少女は夜道でその標本を顔に投げつけられ、やがて少女の顔には不気味な腫れ物が…「人面瘡の巻」、生物部室に置かれた哺乳類の内蔵の標本とその中から出てきた人の目玉。調査の先に見えてきたのは人と動物の絆の物語だった…「名のない内蔵の巻」など。 古くから言い伝えられる正体不明の動物たち。それらの物語を通じて小山田いくが人の心の機微を描く、感動ホラーコミックの決定版!
  • もののけトゥモロウ
    完結
    -
    ある日、新婚の雲上忠夫(くもがみ ただお)と愛子(あいこ)の元に突然落ちてきた「もののけ」の二人、紫電(しでん)と美風(みふう)。 それから12 年、紫電と美風の二人は 忠夫と愛子の子どもとして普通の学校生活を送っていた…はずだったのだが? 時は折しも学校、役所など、あちこちでコンピューター導入が始まった時代。 そんな中、ひょんな事から自我と知識欲を持ったコンピューターが現れた! そのコンピューターは二人のクラスメイト、北原知子(きたはら ともこ)と有坂修(ありさか おさむ)をも巻き込み解析不能である、もののけの二人をこの世から抹殺しようとする! そこに妖怪ハンターの熊野堂権蔵(くまのどう ごんぞう)やら人間界に暮らす他のもののけ、 木霊の児玉藍葉(こだま あいは)に妖チョウの四月一日菜乃(つぼみ なの)までが現れて再び落ち着かない毎日が始まり…息もつかせぬバトルの中に涙のスパイスを加え、小山田いくが遊び心満載で描いたドタバタ妖怪コメディーの決定版! 巻末に読み切り「ボッシュの地平線」も併せて収録! 小山田いく先生の当時の単行本コメント 『妖怪(もののけ)には、さまざまな名前がついてます。これらは、大昔からあった名ではなく、ほとんどは江戸時代にできたものだそうです。なぜなんでしょう? これほど多彩な妖怪を作ったのは、実は江戸時代の遊び心なのです。人間が本当に自然を恐れていた頃は、妖怪は『鬼』や『天狗』だけで十分だったのですから。だから僕もこの作品を自分の遊び心で描いてみました。』
  • 五百羅漢
    完結
    -
    2006年5月に「五百羅漢」のタイトルで発表されていた小山田いく短編集を今回は3冊に分けて配信。 第1巻は表題作品「五百羅漢」の他短編4作品を収録しました。 「五百羅漢」…雑誌「野仏」の専属ライターとして石仏を取材して歩く数巳(かずみ)と恋人の美津子(みつこ)は2人で美津子の実家を訪れる。 それは村にある五百羅漢を訪れるためだったが、村ではこの場所は立ち入り禁止という暗黙の了解があった。 五百羅漢を訪れてからいつもと違う暗い雰囲気を漂わす美津子と数巳を見て亡き従弟、純生(すみお)の名前を呼ぶ美津子の兄に違和感を覚える数巳。 やがて数巳は美津子に隠された秘密を知る事となるが、その時彼を不可解な現象が襲う…。 その他、訪れる人もいない山荘を守り続ける老人とそこを訪れた一人の女性。老人はやがて女性に山を愛し、山を描き続けた一人の男について語り始める…「山荘夜話」、薄幸の少女、災子は交通事故で命を落とすがひょんな事から妖怪「猫又」になり?!の「災子 猫又ね!」」、とある中学校の庭にある卒業記念の桜とそれを守り続ける教師、朝森(あさもり)。植物を愛する少女、春水(はるみ)は朝森との触れ合いを通してその桜に寄せた人々の想いを知る…「記念樹」、あとわずかで定年を迎える刑事、岩佐の元に配属されてきた新人刑事、栗林奈美。彼女は岩佐が心残りという事件を再捜査するよう、彼に力をかすが、その裏には彼女の隠された秘密があった…「風舞人」。 今回の配信にあたり、特別に録り下ろした『すくらっぷ・ブック』の登場人物・桜井光代のモデル・光代さんのインタビューを掲載しています。
  • 紅い十字路
    完結
    -
    私、間柴祥子。 お父さんが買った一戸建て、今までのマンションと違ってとても快適…一つの事を除いては…。 何故だか頻繁に事故の起きる窓の下の十字路。 ある夜中、祥子はそこにこの世の者とは思えない不気味な人影を見る。 恐ろしくなった祥子は親友の蘭とそのボーイフレンドの陣に一緒に十字路を見張るように頼むが、その晩、祥子の家を訪れた二人はそこにいた何かに怯えて走り去ってしまう。 そして翌日、蘭の死の知らせが…。 蘭の死後、部屋に閉じ籠っていた陣は、やがて祥子の前に姿を表し、その晩彼等が視たものとその十字路にまつわる恐ろしい話について語り始める…。 その他、たまたま立ち寄った電気屋で買ったビデオテープ、しかし、そのテープは人々の夢を録画できる不思議なテープだった…の「夢が知っている」、自分の寿命を知ってしまった少女が家を抜け出て向かった先は…の「あたしが死ぬ朝」、 不幸な死を迎えた少女が蝶となって人々に災いを運んで行く「凍蝶」など。 みずみずしい青春群像、そして心暖まる人間ドラマを描き続けた小山田いくが新境地に挑んだホラーシリーズ第2弾! 小山田いく先生の当時の単行本コメント 『映画などを観ていると、「あれ、この場面、前に夢で見たことがある。」なんてことが時々あります。それを逆にした話が「夢が知っている」ですが、夢にはホラーの要素が山ほど詰まっている気がします。またいずれ、怖い夢の話など、描いてみたいと思います。』
  • あの悪魔
    完結
    -
    交通事故を目撃してから連日悪夢にうなされるようになった「つぐみ」は心配する親友の朝子に8年前に起きたある事件の事を話し出した。 8年前のある日、近くに住んでいた占い師のお兄さんとよく遊んでもらっていたつぐみは、いつも遊んでいた近所の野良犬が殺されていたのを見つける。 一緒にいたその占い師は犬を埋めて供養した後、つぐみの手についた血を洗うため河原に連れて行くが、突如、悪魔に変身し、つぐみに襲いかかり、つぐみはその悪魔を傘で刺したと言うのだ。 そして、その悪魔が…夢に出る様になったのだと。 だが、不思議と近所の人や昔のクラスメイトはそんな事件は知らないと言う。 朝子は調査を行い、8年前、占い師の男性がつぐみに刺され、いまだに病院で意識不明でいる事を突き止めたのであった! 表題作のほか、大晦日に一人で田舎のおじいさん、おばあさんに会いに来た女性の恐怖とその思いがけない結末「大年の客」、ハイキングの途中で怪我をした女の子二人組が見た不思議な花園「幽かな花」、雨の午後、教室で怪談話を始めた女の子たちの前に現れて話をしてくれた先生…だが、その先生が実は!?の「妖雨つづり」、など。 みずみずしい青春群像、そして心暖まる人間ドラマを描き続けた「小山田いく」が新境地に挑んだ珠玉ホラーシリーズの決定版! 小山田いく先生の当時の単行本コメント 『「あの悪魔」を描くために、久しぶりにタロットカードを並べてみました。そして、いくつかの事を占ってみたのですが…今になってみると、当たった事はひとつもありませんでした。もともと霊には鈍感な僕ですが、占いのほうの素質も皆無のようです。』
  • 空っぽの命
    完結
    -
    高校2年生のみどりは兄夫婦と同居していた。 それは両親の転勤の多さのせいで、兄夫婦のせいではない。 しかし…みどりは仲睦まじい彼らの様子に疎外感を感じており、更に彼らに子供が出来た事がわかってからというもの帰りの遅い日が続いていたのだった。 そんなある夜、みどりの元に人体模型の部品が送られて来た。 はじめは気味が悪いと、困惑したみどりだったが、いつしか取り憑かれたように組み立てるようになり、作業が進むにつれて彼女の周りに不可解な事が起こり始めるのであった…! その他、「宝石箱」、「夏の終わり」、「十年地獄」、「幻の舞う道」、「落ち葉の下」などを収録。みずみずしい青春群像、心暖まる人間ドラマを描き続けた小山田いくが新境地に挑んだ珠玉ホラーシリーズの決定版! 小山田いく先生の当時の単行本コメント 『子どものころ、人体のプラモデルを買ってもらい、少し怖くてドキドキしながら作ったことがあります。「空っぽの命」は、その時を思い出しながら描いたのですが…。そういえば、あのプラモデルも…いつの間にかどこかへ消えてしまいましたっけ。』
  • エステル あふれてくねるもの
    完結
    -
    本書は宮西の代表作である。 収録作品は全て80年代に描かれたもので、刊行時は宮西の最も新しい作品群として話題になった。 宮西が20歳~30歳に掛けた十年間に描かれている。 タイトル-Esther-の元になったと思われる『エステルの化粧』を中心にペン画、鉛筆画のイラストを配している。 作品はどれもイラストの範疇を遥かに超えた芸術作品と言えるものばかりだ。 二色カラーページが32枚というのも嬉しい! 特に興味深いのは、英訳作品『MIDSUMMER NIGHT'S DREAM』である。 80年中期にはアメコミに対抗して日本のマンガをアメリカに輸出しようという流れが出て来た。 そこで大友克洋、 平田弘士といった面々を集めて-オムニバス・アンソロジー-を一冊アメリカ発売した訳である。 そこに宮西も含まれていたというところに往時のマンガ界に於ける彼の立ち位置を窺い知る事ができる。 蛇足ではあるが、今でこそマンガは日本のお家芸のように言われいるが、しかし80年代ではまだまだアメリカがコミックのうえでも名実共にNo.1だったというのがなんとも皮肉で面白い。 収録作品:うつくしきかしら/レボリューション/バラティユリ/.....IF I DIE, I DIE/因果/Platonics/エステルの化粧 1/エステルの化粧 2/エステルの化粧 3/MIDSUMMER NIGHT'S DREAM/台風小僧/菓子屋のたくらみ 1/菓子屋のたくらみ 2/LITTLE YELLOW サンボ/月光和音
  • くすのき亭の日々
    完結
    -
    一昨年母親が急逝してから父と一緒に大衆食堂「くすのき亭」を切り盛りする楠了子(くすのき りょうこ)。 以前は色々夢もあったような気もするが、今は淡々と店の仕事をこなす毎日…そんな毎日の筈なのだが、彼女の周りにはいつも不思議な出来事がついて回るのだった。 ある日、閉店直後に電話が鳴り、了子が受けるとそれはラーメンの注文だった。 自分で調理し出前に行った了子だったが、電話をしてきた女性はこの世の者では無かった。 そしてその日から了子の元には閉店後のラーメンの注文が入るようになる。 了子は何者かに憑かれたように夜の出前を繰り返すが…。 その他、表題作品「くすのき亭の日々」の他、とあるレストランのオーナーが突然家に友人の娘を住まわせたことからそのオーナーと息子の間に起きる出来事を描いた「すぺしゃる料理人」、昔一緒に遊んだ男の子の面影を追って信州、小諸を訪れた女性の一日をほのぼのと綴る「約束」を掲載。 小山田いくが大衆食堂「くすのき亭」の日常にからめて、人間の機微を丁寧に描く珠玉のホラーストーリーの決定版!
  • 合歓リポート
    完結
    -
    小春日 合歓(こはるび ねむ)は14歳、小さい頃から身体が小さく、臆病な中学生。 両親は大気汚染、河川の汚染などの問題が「公害」と呼ばれた時代に育ったが、彼女にとってはそれは既に昔の事、いや、昔の事の筈だった。 小学5年生の時、合歓の友達、省二(しょうじ)が新しくできた道路の脇の池で酸を被ったような状態で亡くなっているのが発見された。 それから3年が経ち、合歓は今も現場に建つ地蔵に花を手向けるが、当時一緒にいた本田、千香の二人は目の前の事だけに夢中な毎日だ。 そんなある日、地蔵に花を供えに行った合歓は、地蔵の顔が醜く変わっていることに恐怖する。 同じ時、合歓の前を通り過ぎた女性があの時と同じように死んだ。 そして、あらためて現場を訪れた合歓、本田、千香の3人に恐怖が忍び寄る。 その他、海に遊びに来た合歓といとこの早苗が、そこで村の男たちの奇妙な行動を目撃して…「死水母」(しくらげ)、肝試しでとある博覧会の跡地に来た合歓たち。そこで彼女たちが見たのは幻か、恐るべき人類の未来か…「枯れた地平を見ぬように」、誤って学校の地下室に閉じ込められた合歓たちが見た遠い日の飢餓の記憶 「フォメ(飢餓)」 など。 現代の人類が抱える数々の問題を小山田いくがホラータッチで鋭く切り込む意欲作! 小山田いく先生の当時の単行本コメント 『あなたは何か怖いものがありますか? 幽霊…地震…暴力団…テスト…タレントAさんの顔……。何かあるでしょう? 恥ずかしいことじゃありません。怖いものを怖くなくすことで、街は進歩してきたんですから…。だから今、ほんの少し、自分のまわりを見て、怖いと思ってほしいんです。山ほどある怖いことに、気づいてほしいんです。』
  • ベストフレンド~午前0時に奪われた顔~
    完結
    -
    オフィスの花、英子と陰気でデブの美子は親友。周囲からも月とスッポンだと思われていた二人だが、心は繋がっていると美子は信じていた。しかしある日、美子は引き立て役として英子に利用されていたことを知ってしまう。そんな折、人生コンサルタントを名乗る岸和田という女から、英子のように美しくなる方法があると持ちかけられる。不審に思いながらも、女の誘いを受けてしまった美子。不思議な人形工房で、英子の毛髪を使った怪しい儀式が行われ……。午前零時、英子と美子の顔は入れ換わり、美子は憧れの美貌を手にする。だが、これが思いもよらぬ惨劇の始まりだった――!?
  • マイラ  蒼い蝙蝠の顛末記
    完結
    -
    最大の問題作! 商業誌仕事の傍らコツコツ描き続け完成まで十年を費やしたと言う。 たかだか32枚の作品であるがその描き込みは凄まじい! 技術も更にアップしている。点描はエロチックな夢の世界を脱却して在らぬ世界の生き物として"存在"している。 副題≪蒼い蝙蝠の顛末記≫とあるように化け物は恐れられる。 ダヴィンチ描くところのマドンナをモデルにした人物が素晴らしい。 彼は男でもなければ女でもない存在として獣欲的、快楽的、神秘的異教徒とさえ見える。 山の岩よりも年を経た存在で吸血鬼のように何度も墓に眠っては又、蒼い月の下に現れる蝙蝠なのである。 無~有~無、人は変遷を繰り返す。 故にどちらでも無いものは夢幻と成って彷徨う。 形は無いが存在し、現象として消え失せる…ここに浮かび上がるのが音楽である。 本書はCDブックとして出版され裏表紙は「Onna」(オンナ)となっている。Onnaとは宮西のバンド名である。Onnaは83年にEPをリリースし二年足らずで活動停止する。CDにはEPの二曲に未発表を加えた三曲が収録されている(電子書籍には音源未収録)。 テクニックの頂点を極めたかにみえた作者が次に送り出したのがこの『マイラ』だ。 恐るべき点と線は、命有るもののように増殖進化している。 ここに"美し過ぎる化物"は誕生した!
  • リリカ 抒情
    完結
    5.0
    80年代には黙殺されたこの才能を今こそ正当に迎え入れたい/松浦理英子(帯原稿より)。 本書はペヨトル工房からの第二弾であるが-リリカ-から四年の月日がたっている。 しかし内容は逆に-リリカ-以前のものが収められている。 キャプションでもあるように-エステル-に至る道であり、宮西の"技術修練"を垣間見ることが出来る。 作品は79年ブロンズ社刊「ピッピュ」と81年久保書店刊「薔薇の小部屋に百合の寝台」から自選した物で、いずれも77年~79年にかけて青年雑誌各誌に発表された作品である。 なんと作者が18歳~20歳の間に描かれているというのだから驚いてしまう。 宮西の言葉づかいは独特である、ここでその謎に触れておかなければならない。 本書「Lyrica」の口絵にはタイトル下に≪抒情≫とある。 では、その意図するところは? 抒情とは感情に訴える感覚であり、生来人に備わったが予感する能力とも言える。 それは彼の追い求める感覚の総称であり作品はその予感の実体なのである。 自ら捕らえようとしたものの姿がこれらの作品である。と、言いたいのではないだろうか。 彼の文章は"詩"である。 そこに音楽をつけるように彼は絵を描いてゆく。 預言的感情に導かれ実体化した抒情…それが -Esther-における副題≪あふれてくねるもの≫なのではないか…では、あふれてくねるものとは何処へ?それは次回作で明らかとなるだろう。 収録作品:貧しきフリュート/嬲りのよる(ふたなりのよる)/鶏少年/花粉/エンゼルの丘/月の園/大きな黒い岩/メロンの岩/十七歳の妾/Chenges/Friend Angel No.5/僕のお尻にきみの勇気/肉体関係/充血果実/歓び、ふるえる・・・/夜のつまさき/鬼百合秘/五月物語
  • 臨死界より
    完結
    -
    風呂釜の爆発事故にあい、大火傷を負い病院に運び込まれた果菜(かな)。 彼女が目を覚ますと、そこにはおどろおどろしい世界「臨死界」が広がっていた。 生死の境を彷徨う彼女が体験した恐怖体験とは…! 表題作ほか、『魂七夕』、『送り火ゆれて』、『渡り鳥たち』、『雪降る夜に』を完全収録。みずみずしい青春群像、心暖まる人間ドラマを描き続けた小山田いくが新境地を切り開いた珠玉のホラーシリーズ決定版! 小山田いく先生の当時の単行本コメント 『10数匹、猫を飼っていると、中には人の声のような鳴き方をするやつがいて、夜一人で仕事をしていると大変不気味です。窓の外や天井裏から、「あなた」とか「まあるいお肉」とか、意味不明の声がするのはとても不気味です。はたして全部が猫の声なのか、疑問なのも怖いところです。』
  • 霊能バトル
    完結
    -
    芹多実男 (せり たみお) が小学生の頃に海で出会った少女。 二人はすぐに仲良くなり一緒に遊んだが、その時、突如浜を襲った地震と津波に遭遇し、名前も聞けないまま、離ればなれに…。 時が経ち、中学2年生になった多実男は、そんな事を思い出しながらその海水浴場のそばにいた。 親戚の五行家を久しぶりに訪れた多実男。 そこには多実男と同い年のいとこ、彩(さい)がいたが、いきなり目の前に出てきた彩の姿に多実男はビックリ! なんとも怪しい格好で多実男の前に現れた彩だが、なんと、実は彼女は今や近所でも評判の霊感少女だったのだ。 多実男をタミーと呼び、有無を言わさず除霊の助手として引っ張り出す彩。 散々な目に遭い、助手を断ろうとする多実男だったが、彩に海で出会った少女の事を言い当てられ、彼女を探し出してもらうため渋々助手を続けることになり…。 彷徨える画家の霊からテレビスタジオの地縛霊、はたまた友達の家に取り憑いたちょっとエッチな幽霊まで、彩とタミーのドタバタ除霊が始まった?! 彩とタミーの凸凹コンビが繰り広げる、ちょっとほのぼの、たまにエッチな霊能コメディー! 小山田いく先生の当時の単行本コメント 『昔、ある殿様が、悪さをした使用人を数人殺しました。すると夜毎その幽霊が出るので困った家来が殿様にそれを伝えると、殿様は「殺しただけでは飽き足らぬ連中だったが、極楽にも行けず迷っているとは、いい気味だ。」と言ったそうです。それ以来、幽霊は出なくなったとか…。あ~人間って怖い。』

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