瞳孔開きっぱなしノベルズ『ピアスノベルズ』電子版！ 腕利きの美容師として若いながらも独立を志していた三海出帆（みつみ・いずほ）。全てはうまくいくはずだった。だが、付き合っていた女の裏切りで仕事も地位も金もみな失ってしまう。ヤケになり泥酔して路上に身を投げ出した三海を拾ったのは、中学時代の同級生、囲双葉（かこい・ふたば）だった。 かつて三海は人肌恋しさ――それは人恋しさに他ならなかったが――ゆえに男も女も相手にする軽い性格だった。関わった相手のなかでの変わり種が、さして親しくもないのに終わった後、ずっと抱き締めてくれた囲だったのだ。無愛想で何を考えているのかわからない彼に再会した時、思い出したのは、卒業文集で囲が『コンクリートになりたい』と綴っていた一件。十年ぶりにその彼の真意を思い知らされることになった三海だが……。 表題作に続編『ヒビ割れの向こう側』を加え、さらに短編『眠れる花』を収録。狂おしく切なくそして美しい傑作ロマンス集登場！

瞳孔開きっぱなしノベルズ『ピアスノベルズ』電子版！ お前にとってただ一人の恋人になりたかった。――お前は『一番好き』では満足できなかったのだ、『ただ一人好き』でなければ。 ……それがわかったのはずっと後だった。大学時代、一度きりのマジな恋をみずからの不品行ゆえに失った南宗佑（みなみ・そうすけ）は、今は不特定多数の女とつきあう生活を送っていた。トラブルなく上手に遊びをこなす日々だったが、思わぬところで過去のツケを払わされるような出来事が持ち上がる。十歳離れた可愛い妹が、なんと宗佑よりも年上の恋人の子を妊娠したために結婚することになったのだ。しぶしぶ向かった両家の顔合わせの席で、新郎の弟として紹介された青年は、宗佑がもっとも会いたくない人物――かつて苦い別れを経験した相手、萩原光紀（はぎわら・みつき）だった。突然の再会に心を乱され、想いは再び燃え上がるが……。 表題作の番外編ほか全４作収録、いずれも切ない大人のロマンスを描いた傑作短編集!!