小説・文芸 - 中央公論新社作品一覧

  • 高速戦艦「赤城」1 帝国包囲陣
    続巻入荷
    5.0
    「戦艦などは、遠からず無用の長物になるはずだ」 昭和一六年。満州国を巡る日米間交渉は、互いの主張が平行線をたどったまま打ち切られる。 米国はダニエルズ・プランのもと、四〇センチ砲装備の戦艦一〇隻、巡洋戦艦六隻をハワイとフィリピンに配備。アジア艦隊を増強して軍事的圧力をかけ続けた結果、西太平洋の緊張は極限に達していた。 この強大な国力に比するべくもなく、日本は戦艦の建造を断念する。海軍の主力を空母と航空機とすることで活路を見出そうとするが、航空機で戦艦に勝てるものなのかは確証が得られていなかった。 日米戦争が勃発すれば、敵の大艦隊が一気に日本本土へ迫り来るであろう。 連合艦隊は、この事態を食い止めることができるのか!?
  • 悩める時の百冊百話 人生を救うあのセリフ、この思索
    5.0
    『嫌われる勇気』の著者は、就職難、介護、離別などさまざまな苦難を乗り越えてきた。氏を支え、救った古今東西の本と珠玉の言葉を一挙に紹介。マルクス・アウレリウス、三木清、アドラーなどNHK「100分de名著」で著者が解説した哲人のほか、伊坂幸太郎の小説や韓国文学、絵本『にじいろのさかな』、大島弓子のマンガなどバラエティ豊かで意外な選書。いずれにも通底するメッセージ=「生きる勇気」をすべての「青年」と「元・青年」に贈る。 •はじめに――生きる意味を求めて •第一章 人とのつながり •第二章 与えるということ •第三章 誰でも愛せる •第四章 ゆっくり遊んで生きる •第五章 人生は合理的でない •第六章 人生を自分で選ぶ •第七章 人生は苦である •第八章 死を忘れるな •第九章 いのちの満ちた世界で生きる •第十章 世界を変える 第十一章 人生をどう生きるか
  • もぐら 0 影野竜司
    5.0
    「冥途の土産に遺しておくか。俺たちの歴史を。なあ、竜司」楢山は、紗由美と節子、そして警察学校に通う安里真昌を前に、自身の過去を語り始めた。高校時代のある事件をきっかけに、警察学校に入学した楢山は、入学初日に二人の男と出会う。彼らの名は、影野竜司と宇田桐善康――。 影野竜司はいかにして「もぐら」になったか。戦友の楢山や宿敵・宇田桐と出会う警察学校時代を描く、大人気シリーズのエピソード0!
  • ふたごパンダのおくりもの
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 <あげるよろこび もらうしあわせ> ゆらん ゆらん。 ふたごパンダがしあわせもとめて行ったのは? 子どもから大人までプレゼントにも最適な1冊。 【大好評癒やし絵本シリーズ第3弾】
  • 卍(まんじ)他二篇
    5.0
    光子という美の奴隷となり、まんじ巴のように絡みあいながら破滅に向かう者たちを描いた心理的マゾヒズム小説の傑作。他に短篇「蘿洞(らどう)先生」「続蘿洞先生」を収めた。中村明日美子による美麗なカバー画・口絵、挿画十五葉は本文庫版のための描き下ろし。〈解説〉千葉俊二〈註解〉明里千章 附・大正末期から昭和初期の大阪市街地図と蘆屋周辺地図
  • はるさんと1000本のさくら
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【書店員が選ぶ絵本新人賞2023大賞作品】 はるさんは、村で一番若いおばあさん。山あいの谷の小さな村にはもう、十人のおばあさんしか住んでいません。「わたしたちに何ができる?」おばあさんたちは話し合って、みんなで千本の桜を植えることにします。 限りある命と、繋がれる想い。過疎の村が時を経て生まれ変わるまでを、大きな視点で優しく描いた物語。
  • 発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年
    5.0
    人の気持ちがわからない。人間に関心がない。コミュニケーションがとれない。勇太くんは、会話によって他人と信頼関係を築くことができない。それは母親に対しても 同じだ。でも母にとっては、明るく跳びはねている勇太くんこそが生きる希望だ。 幼児教育のプロとして活躍する母が世間一般の「理想の子育て」から自由になっていく軌跡を描いた渾身のルポルタージュ。子育てにおける「普通」という呪縛を問う。
  • 散華 紫式部の生涯 (合本)
    5.0
    1巻2,970円 (税込)
    藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。 姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。 永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。
  • 厚生労働省の大罪 コロナ政策を迷走させた医系技官の罪と罰
    5.0
    総理が命じても必死でPCR検査を抑制。執拗に感染者のプライベートを詮索。世界の潮流に背を向け、エアロゾル感染は認めない……。いまとなっては、非科学的としか思えないあの不可解な政策の数々はなんだったのか。だいたい、あの莫大なコロナ関連予算はどこに消えたのか。新型コロナは、日本の厚生行政とムラ社会である医療界が抱えてきた様々な問題を炙り出した。医療界きってのご意見番が、日本の厚生行政に直言する!
  • パラドックス戦争 上 デフコン3
    完結
    5.0
    埼玉と神奈川で、連続無差別通り魔事件が発生。それぞれの犯人は逮捕直後に急死したが、身に着けていたデバイスにより遠隔操作を受けていた痕跡が見つかった。 その頃、米中ソでは、政府高官や軍のトップに対し核攻撃を匂わせる脅迫状が届いていた。受信経路とその内容からAIの暴走が疑われ、デフコン3が発令。世界に緊張が走った。 そして21世紀末の火星――。ロゼッタ渓谷の底で発見されたのは、溶岩チューブを利用した正体不明の遺跡だった。入念な準備の末、内部調査で見つかったのは……。 謎が謎を呼ぶ怒濤のSF開幕!
  • 迷い猫あずかってます
    5.0
    ある日作家の自宅に迷い込んできたオスのトラ猫。ほどなく、作家と画家の姉が住むその家で飼われることになった。トラーと名づけられたその猫の自由かつ奔放な振る舞いと、それに振り回される二人の人間。猫愛の深みにもだえる日々を綴った、究極の猫エッセイ。トラーの死とその喪失を綴った3篇を増補した決定版。 〈解説〉桜井美穂子 【以下、本文より】 トラーの好物は平貝、タコ、赤貝、アオヤギと小岩井ヨーグルト・グルメファン(四〇〇g入り三八〇円)と焼いりこ(小魚を特殊製法で薄くパリパリに圧縮引きのばした、人間用のおつまみ。ちいさいのりの丸缶くらいの大きさで八八〇円)で、クール宅急便で取り寄せる魚では、メバル、カレイ、キス、ウマヅラハギ、アジが好きだけれど、なんといっても夢中になるのは甘エビで、これは伊勢エビなど無視するほどの大好物で十二匹はペロリとたいらげてしまう。猫などにこんな贅沢をさせていいのだろうか、と反省もするけれど、道で顔をあわせると、ン、グググ、と走り寄ってきて頬をこすりつける姿を見ていると、ヨシヨシ、冬には羽ぶとんを買ってやるからね、トラーちゃんは鳥を捕らえるの好きだから、などと、わけのわからない論理で甘やかすことに決めてしまう。
  • 俳句とあそぶ法
    5.0
    俳句は遊びだ! 人生の杖となる遊びだ!――俳人・夏井いつき推薦!! 「ちょっと俳句をかじっただけの素人」と自称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想という「わな」に気づき、それを誘発する「俳句そのものに内在する何か」に迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、専門俳人たちの常識も容赦なく断罪。一方、作り手となった初心者に対しては、「俳句は遊びである。遊びだからこそ厳格なルールに従うべきである」と掲げ、世にはびこるセオリーを覆し、皮肉やユーモアを交えて江國流俳句の楽しみ方を実践的に説いてゆく。  曰く――、 『俳句は自然を詠むもの、俳句は写生だ』  藤・牡丹・菖蒲・芍薬のどれが先に咲きますか? これ分からない植物音痴の人は多い。俳句は自然を詠むもの。写生こそ俳句とは言うが、自然が詠み難ければ人事句から始めると入り易い。例えば雛祭、白酒、受験、卒業……。 『5・7・5がルール』  字余り、字足らずの破調は原則として避けるべし。破調はホントにやむを得ない時に限る。破調にも限界がある。「分け入れば水音(山頭火)」「咳をしても一人(放哉)」こんなのは俳句じゃない。 『ふりがなは、極力さける』  ルビは必要最小限度にとどめるべきである。ルビなしでは正しく読んでもらえない字句で、漢字を用いない限り意味が汲み取れなかったり、誤解を招いたりする場合だけ、よんどころなくルビを付ける。娘(こ)、亡父(ちち)、女(ひと)などは、絶対に使わないこと。 『自分なりの句風の確立』  名句を、世間の評価にとらわれずに、好きな句、嫌いな句に分ける作業をする。そのうちに、自分の句風の確立に役立つ。  昭和の俳句ブームを牽引した画期的な俳句指南の書、待望の復刊!
  • 人生は、日々の当たり前の積み重ね
    5.0
    夫の三浦朱門が亡くなって2年が経つ。知り合いには「私は同じ家で、同じように暮らしております」といつも笑って答えている。見た目の生活は全く変わらないが、夫の死後飼い始めた2匹のネコだけが、家族の数を埋める大きな変化である――老後の日常と気構えを綴るエッセイ集。 ●母も夫も亡くなった今、私は監督される人もいないから、思うままに暮らすことにした。生まれてこの方味わったことにない自由の境地である。猫を抱いたまま、「二人」で眠ってしまうこともある。 ●与えねばならない仕事があるということは幸せなことだ。それがないと「自分がしてもらう」だけの立場になり、運動能力、配慮、身の処し方、すべてが衰えてくるだろう。 ●人間は与えられているものの価値は、すぐに忘れるか、評価しない。しかし「ないものを数えるより、あるものを数えたほうがいい」という幸福の極意は忘れないようにするべきだ。そして更にあるものを増やしていけば、日本人は幸福な国民になれるはずなのである。 ●死期だけは、人間の分際で介入してはいけない。治癒するために一応努力してみて、その結果はもはや「人間業」ではないのである。だから人間は、その個人として最も適切な年齢に死ぬようになっている。その自然な運命を乱すのが、事故と戦争だから、この二つの社会現象だけは起こさないように、社会は努力すべきなのである。 ●私が常に人生で「最悪」を想定して生きるようになったのは、自分を守るためだったのだと思う。現実が想定していたより幾分でもマシであれば、絶望せずにすむからだ。それに、しょせん人生なんてその程度のものだと、私は思ったのだ。完全なんてありえない。何かがいつも欠けている。どれかを諦め続ける。それが私の人生だろうと、考えるようになった。
  • 太陽の男 石原慎太郎伝
    5.0
    『太陽の季節』で日本中を熱狂させた「無意識過剰」「価値紊乱者」の石原慎太郎は、社会に何を警告したのか。三島由紀夫を動揺させ、多大な影響を与えた慎太郎。交錯、衝突し、天皇制と国家観をめぐって離反した2人の天才を考察することで、慎太郎がその作品群に込めた真意に迫った。東京都知事と副知事として、作家同士が都庁舎で折々語りあった猪瀬直樹が見た慎太郎の素顔とは……。『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』に続く作家評伝を、一周忌に満を持して上梓する著者渾身の書き下ろし。 プロローグ―ー「君が代」と「日の本」             第1章 敗戦の子             第2章 ヨットと貧困           第3章 公認会計士の挫折と裕次郎の放蕩            第4章 運をつかむ                       第5章 スター誕生                       第6章 ライバル三島由紀夫         第7章 拳闘とボディビル   第8章 『亀裂』と『鏡子の家』                 第9章 「あれをした青年」                    第10章 挑戦と突破                 第11章 石原「亡国」と三島「憂国」    第12章 「嫌悪」と「海」                     第13章 天皇と核弾頭        エピローグ――価値紊乱は永遠なり
  • 文城 夢幻の町
    5.0
    1巻4,400円 (税込)
    生まれたばかりの娘を置いて、妻はどこへ消えたのか――。世界が新作を待ち望む作家、余華の8年ぶりの長編。 20世紀初頭の清末民初、匪賊が跋扈し自然災害が襲う混迷の時代、林祥福は、兄とともに南方の町「文城(ウェンチョン)」からやって来た女・小美を妻にする。束の間の幸せが訪れたが、小美は生まれたばかりの娘を置いて姿をくらましてしまう。林祥福は娘を連れて妻の故郷を探す旅に出るが……。人災と天災、過酷な運命に翻弄され、それでも強く生きていく人々を描く大河巨編。 中国で100万部突破! 余華が20年あまりの歳月をかけて書き上げた、世界的ベストセラー『活きる』の前史。 「この儚くも強靭な人生を見よ! 作家として嫉妬し、いち読者として感嘆し、中国にルーツを持つ者としての誇らしさが止まらない。」東山彰良氏推薦
  • 司馬遷
    5.0
    1巻1,100円 (税込)
    司馬遷は生き恥さらした男である――。宮刑に処せられ、絶望の中で「歴史を書くこと」に向き合った司馬遷。「史記」の構造を読み解きながら、個人と個人のつながりに着目して歴史を読み解いた司馬遷の思想を明らかにする。武田泰淳の第一著作にして代表作を、初版以来、長らく収録されてこなかった「結語」も含め、オリジナルに近い形で刊行する。〈解説〉中野重治・竹内好
  • 君が殺された街
    5.0
    1巻880円 (税込)
    1994年、一人の男が沖縄・万座毛から墜死した。遺骨を引き取った22歳の美しい娘も行方不明に。素人探偵(アマチュア・オプ)の私は、事件を追ううちに11年前の海難事故に辿り着く――。基地の街・沖縄を舞台に麻薬取引、臓器移植を巡る事件が絡み合い、めまぐるしいスピードで展開する極上のミステリー。
  • 信長伝
    5.0
    「聞けや、者! 前右大臣ここにあり!」 本能寺の変から生還し、関ヶ原合戦で柴田勝家を下し、天下獲りを目前にする信長。だが、密かに伊達政宗、上杉景勝と手を組み力を蓄えた家康が、ついに叛旗を翻す! 異貌の戦国史長篇(未完)、待望の合本版。 短篇時代小説「葉桜」を収録。 【目次より】 信長伝 Ⅰ 本能寺炎上  緒言  転換点  序 本能寺炎上  一 その日まで  二 猟狗たち  三 第一次関ヶ原合戦録 Ⅱ 天下普請  一 築城  二 大海の彼方で  三 叛逆  四 要塞 Ⅲ 家康謀反  一 城塞  二 到着  三 衝突 葉  桜
  • 鍵盤の天皇 井口基成とその血族
    5.0
    帝王カラヤン、獅子王バックハウス……。そして日本には、「天皇」と呼ばれる音楽家がいた。井口基成。16歳でピアノを始めるという晩学ながら、東京音楽学校(現・藝大)を首席卒業、パリに留学し、帰国後は男性ピアニストの先駆者、母校の教授として第一線で活躍。戦後は、斎藤秀雄、吉田秀和らと「子供のための音楽教室」を立ち上げ、桐朋学園大学へと発展させる。さらに楽譜校訂者として、古今のピアノ曲を網羅する『世界音楽全集』全49巻を編纂した。長く演奏と教育を両立させ、同じくピアニストの妻秋子、妹愛子と併せ、門弟は3000人を数え、内外のコンクールを席捲する一流演奏家を輩出。ピアノ界のみならず音楽界に、今に至る多大な影響力を及ぼした。いっぽうで、酒と美食に明け暮れ、スキャンダラスな私生活、体罰も厭わぬ指導など、負の側面も併せ持つ。取材は20年におよび、すでに故人となった関係者からも貴重な証言が語られている。この巨人の全貌にはじめて辿り得た渾身の評伝ノンフィクション。
  • 鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパ-ティーへようこそ
    5.0
    蓮實重彦、大岡昇平、西江雅之、篠山紀信ら9人のゲストを迎えて、70年代後半から80年代前半に収録された若き日のおはなし。野球のこと、時間のこと、言葉のこと、写真のこと、そして映画のことなどを忌憚なく語り合う、知的興奮に満ちた鼎談集。鼎談のお相手との思い出を語り合う「目白姉妹の語り下ろし対談」も収録!
  • 河津・天城連続殺人事件
    5.0
    二ヶ月前に死んだはずの美女が、河津七滝に現れたその日、男の射殺体が発見された――伊豆で、黒部で、東京で、十津川警部が見た殺意の正体とは!
  • 十津川警部「吉備 古代の呪い」
    5.0
    岡山県総社市に住む郷土史家・吉野文彦が東京のホテルで服毒死した。日本古代史研究会に招待されての上京であったが、会の代表者・佐伯は吉野と面識はなく、招待状も出していないという。吉野は〈桃太郎・温羅(うら)伝説〉を題材にした小説「吉備 古代の呪い」を発表し、好評を博していたが……。古代ロマンが生んだ殺人事件の真相に十津川が挑む!
  • 天草四郎の犯罪
    5.0
    二人組の強盗犯の前に一人の男が現れ、杖一本で犯人を打ち伏せてしまう。天草四郎(てんぐさしろう)と名乗った男は、一月後にも四人組の宝石強盗を杖一本で撃退! この武勇伝により、彼は一躍国民的英雄となった。さらに凶悪犯退治は続き人気は沸騰するが、一切自分の身許を語らない天草四郎に、十津川の友人の新聞記者が疑惑の目を向ける。「正義の味方」の目的は? その正体に十津川が迫る!
  • 十津川警部 時効なき殺人
    5.0
    六十歳――還暦という人生の節目を迎えた会社社長が、五千万円の小切手を持って失踪。十日後には、大学の同窓生がホテルの一室で絞殺された。ふたつの事件を結ぶ鍵は、三十五年前の北海道・洞爺湖にあるらしい。謎を追って十津川警部は当時の同窓生達を徹底的に追いつめていく。果たして失踪の裏に隠された、驚くべき真実とは何か!?
  • 合本版 悪党の裔(上・下) 新装版
    5.0
    播磨の悪党の首魁には大きすぎる夢だった。おのが手で天下を決したい――楠木正成と出会った日から、大望が胸に宿った。軍資金を蓄え兵を鍛えて時を待ち、遂に兵を挙げた。目指すは京。倒幕を掲げた播磨の義軍は一路六波羅へと攻め上る。寡兵を率いて敗北を知らず、建武騒乱の行方を決した赤松円心則村を中心に描く、漢たちの軌跡。 第一章 遠い時 第二章 意 地 第三章 妖霊星 第四章 決 起 第五章 原野の風 第六章 遠き六波羅 第七章 白き旗のもと 第八章 征夷大将軍 第九章 砕けし時 第十章 旗なき者 第十一章 野の花  解説 亀田俊和
  • 落花
    5.0
    平安時代中期。天皇の従兄である仁和寺僧・寛朝は、己の楽音を究めるため、幻の師を追って京から東国へ下った。そこで荒ぶる地の化身のようなもののふに助けられる。のちの謀反人・平将門だった――。豪放磊落でまっすぐな将門は、次第に叛乱の将に祭り上げられていく。戦場に響く喊声、弓矢のうなり……武士の世の胎動を描く傑作長篇。〈解説〉新井弘順
  • 科学者の創造性 雑誌『自然』より
    5.0
    一冊の本との出会いによって物理学を志した学生時代の回想から、講演「素粒子論はいずこへ」「科学の進歩と国際協力」、ノーベル賞授賞式への旅を綴った「旅のノートから」まで。科学雑誌『自然』に一九四七年から七五年にかけて発表したエッセイと講演を集成。文庫オリジナル。 〈巻末対談〉水上勉×湯川秀樹「京都と日本を語る」 (目次より) Ⅰ 思い出すこと/学術の交流/旅のノートから/若い人々へ/仁科芳雄先生の思い出/科学の進歩と国際協力/研究者としての人間/二つの道を一つに/科学者の創造性/物理学者群像/日本の科学の一〇〇年 Ⅱ 素粒子論の現状と将来(湯川記念館開館記念講演)/素粒子論はいずこへ/理論物理学の伝統について/将来計画の意義/物理学の老化と若返り/素粒子論の現状と将来(素粒子論三〇年)ベータ崩壊の古代史 〈巻末対談〉京都と日本を語る 水上勉×湯川秀樹
  • 子供の領分
    5.0
    大人と子供の領域を往還する少年。そのどこか醒めた目は何を見つめるのか。教科書で読み継がれた「童謡」、父とその連れの美女に伴われ伊豆大島へ赴く「夏の休暇」、二人の少年の間の危うい均衡を描く表題作など、思春期の波立つ心と体を澄んだ筆致でとらえた十篇。新たに随筆「子供の時間」他一篇を付す。〈巻末エッセイ〉安岡章太郎・吉行和子 【目次】 夏の休暇/暗い半分/梅雨の頃/斜面の少年/悪い夏/崖下の家/童謡/子供の領分/窓の中/春の声 〈随筆〉子供の時間/私と教科書
  • 作家と家元
    5.0
    売れっ子の矜持と迷いが交差する吉行淳之介との対話。兄貴と慕った色川武大との至福に満ちたスリリングな芸談。盟友・石原慎太郎との思い出語りに、ふとこぼれる弱音まで。三十代から晩年まで、人生を駆け抜けた天才落語家が言葉を尽くして語り合った六人の作家たちとの対談、エッセイを収録する。文庫オリジナル。 目次 吉行淳之介 対談 落語見る馬鹿聞かぬ馬鹿 対談 大きくなったらリッパな人になります 色川武大 対談 一芸に賭ける芸人たち 対談 まず自分が一人抜きん出ることだよ 立川談志さん  阿佐田哲也 『怪しい交遊録』解説  立川談志 『色川武大 阿佐田哲也全集14』解題  立川談志 色川武大  立川談志 結城昌治 結城昌治との想い出  立川談志 景山民夫 噺家は世上のアラで飯を喰い  景山民夫 景山民夫  立川談志 伊集院静 対談 小説家はアブナい 対談 カネが仇の世の中、か!? 石原慎太郎 対談 歳月を経て猶も定めず 対談「平和の毒」にやられたまんま……このままじゃ死んでも死にきれねえ 対談 自殺を考えたこともある……死を追うな、生き抜いて人生を全うしろ さらば立川談志、心の友よ いつかまた、どこかで会えるんだろう  石原慎太郎 立川談志 略年譜 巻末インタビュー 父・立川談志と作家たち 没後十年に寄せて  松岡慎太郎
  • 愛なき世界(上下合本)
    5.0
    恋のライバルが、人類だとは限らない。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋の教授、サボテン好きの後輩男子たちと研究に没頭する本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか――藤丸青年の求愛行動から真理の探究まで、すべての事件は研究室で起きている。世界の隅っこが輝きだす植物学会賞特別賞受賞作。〈付録〉「藤丸くんに伝われ 植物学入門(上・下)」〈解説〉伊与原新
  • 宮脇俊三の紀行文学を読む
    5.0
    内田百閒、阿川弘之につらなる鉄道紀行の第一人者・宮脇俊三の世界が今よみがえる! 宮脇の深い教養に裏打ちされた、「写真のいらない」紀行文学。国鉄がJRとなり、寝台特急がほとんど廃止され、北海道や九州からローカル線がほぼ消えるなど、宮脇が書いた鉄道風景はずいぶん変わってしまった。その点からも、懐かしさとともに、発見の多い内容となるだろう。今はなき鉄路の地図、多数収載。 第1章 『時刻表2万キロ』――国内紀行① 第2章 『最長片道切符の旅』――国内紀行② 第3章 『終着駅へ行ってきます』――国内紀行③ 第4章 『時刻表おくのほそ道』――国内紀行④ 第5章 『失われた鉄道を求めて』――国内紀行⑤ 第6章 『台湾鉄路千公里』――海外紀行① 第7章 『インド鉄道紀行』――海外紀行② 第8章 『殺意の風景』――小説 第9章 『古代史紀行』『平安・鎌倉史紀行』『室町・戦国史紀行』    ――歴史① 第10章 『時刻表昭和史』――歴史② 宮脇俊三(1926~2003年) デビュー作『時刻表2万キロ』で第5回日本ノンフィクション賞受賞。短篇集『殺意の風景』は泉鏡花賞を受賞し、直木賞候補にも挙げられた。1999年には菊池寛賞受賞。
  • 本牧亭の灯は消えず 席亭・石井英子一代記
    5.0
    日本最後の講談定席として惜しまれつつ平成二年に休場した東京・上野の本牧亭。その席亭を務めた著者が四十二年間の軌跡を振り返る。家族ぐるみで交流した芸人達の素顔、伝統話芸を守らんと試行錯誤を重ねた日々。江戸っ子の爽やかな人柄がにじむ「おかみさん」奮闘記。 目 次 序 章 雪の夜の楽屋 第1章 生い立ち 第2章 娘時代の私 第3章 戦中から戦後にかけて 第4章 本牧亭再興 第5章 寄席の経営 第6章 父のこと 第7章 『巷談本牧亭』のこと 第8章 中国旅行 第9章 鉄筋ビルの寄席に 第10章 休席の顚末 第11章 講談の灯は消さない 第12章 人との縁 終 章 幸せな星の下に あとがき 文庫版あとがきにかえて  清水孝子 年 表 本書に登場する主な講釈師たち 〈対談〉本牧亭がつないだ講談の昔と今  宝井琴調×神田伯山 〈解説〉客と演者とおかみさん――本牧亭をめぐる人間模様  長井好弘 人物索引
  • 二魂一体の友
    5.0
    僕等はツバぜり合ひの刀の下で、永久に黙笑し合つてる仇敵である――北原白秋主宰の雑誌への投稿で知り合い、近代詩を牽引する良きライバルとなった二人。交流を描いたエッセイから互いの詩集に寄せた序文までを集成する。それぞれが語る生涯にわたった友情。 文庫オリジナル 巻末対談 萩原葉子×室生朝子 目次から Ⅰ さびしき友・室生犀星(萩原朔太郎) 室生犀星の印象/さびしき友/田端に居た頃 /移住日記/室生犀星君の心境的推移に就て/室生犀星に与う/室生犀星君の飛躍/室生犀星に就いて/室生犀星君の人物について/室生犀星の小曲詩/詩壇に出た頃/所得人/犀星氏の詩/小説家の俳句/孝子実伝/別れ/室生犀星に Ⅱ 砂丘を登る人・萩原朔太郎(室生犀星) 赤倉温泉/萩原と私/芥川龍之介と萩原朔太郎/萩原朔太郎論のその断片/萩原朔太郎/萩原朔太郎を哭す/『卓上噴水』の頃/萩原葉子 著『父・萩原朔太郎』あとがき/詩人・萩原朔太郎/萩原に與へたる詩/供物 Ⅲ詩集に寄せて 室生犀星『叙情小曲集』序(萩原朔太郎)/健康の都市 詩集『月に吠える』(室生犀星跋)/愛の詩集の終りに(萩原朔太郎)/室生犀星『新らしい詩とその作り方』序に代えて(萩原朔太郎)/珍らしいものをかくしている人への序文(萩原朔太郎『純情小曲集』序 室生犀星)/『室生犀星詩選』推薦文(萩原朔太郎)/『青き魚を釣る人』序(萩原朔太郎)/『青き魚を釣る人』小言(室生犀星)/室生犀星詩集の編選について(萩原朔太郎)/野性の叫び(『室生犀星全集』萩原朔太郎推薦文) Ⅳ詩への告別 詩よきみとお別れする/詩に告別した室生犀星君へ/悲しき決闘/詩への告別に就て萩原君に答う/犀星氏の詩 巻末附録 萩原葉子/室生朝子対談「わたしの朔太郎、わたしの犀星」
  • 小さい 犬の生活〈大全〉
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幸せな〈家庭犬生活〉のための必読書!  人間との暮らしを快適にする 小さな犬による「犬たちのための絵本」 人気シリーズ全作を1冊で楽しめる完全版 〈鼻を黒くして待っていてくださったみなさま この本をどんどん役立てていただければ幸いです〉 本書の内容(もくじより) 「犬の生活」(犬の食生活、犬の鼻道楽、犬の旅、人間の習性…) 「犬の学問」(文学、数学、服飾、地理…充実の犬生への手引き) 「犬の日常」(人間の姉との出会いに始まるほのぼのエピソード満載) 「人の生活」(私たち犬との違いを研究し共存のための道を探る)
  • 透明標本 吉村昭自選初期短篇集II
    5.0
    1巻924円 (税込)
    『戦艦武蔵』以前の吉村文学の中核をなす自選短篇集(全二巻)。第Ⅱ巻には、集団自殺へと傾斜する少年たちを描く太宰治賞受賞作「星への旅」のほか、死と隣接する独特の世界を垣間見せる表題作など、一九六一年から六六年までの七編を収める。 〈解説〉荒川洋治 【収録作品】 墓地の賑い/透明標本/電気機関車/背中の鉄道/煉瓦塀/キトク /星への旅
  • 神を統べる者(一) 厩戸御子倭国追放篇
    5.0
    1~3巻990~1,056円 (税込)
    崇仏派の蘇我馬子と排仏派の物部守屋が対立する、六世紀の倭国。天才と噂される少年・厩戸御子は仏典を読み漁っていた。仏教導入の切り札として、馬子から期待されていたのだ。ある日、守屋の邸を訪れた御子は、彼が所蔵する膨大な数の経典を披露される。排仏派の守屋が一体なぜ!? 一方、時の帝は厩戸の異能を危険視し、ある決断を下した――。
  • レッドサンブラッククロス全短篇
    5.0
    ※この電子書籍は合本版にも収録されます※ 超々弩級〈ヒンデンブルグ〉と超々々弩級〈播磨〉が激突!――戦艦が主導する最後の海戦を描く「戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期」をはじめ、「標的は〈大和〉」など全27篇を集大成。著者インタビューを併録。 ミリタリー、サスペンス、エスピオナージ、風刺、ホラー、ユーモア……佐藤大輔ワールドの多彩な魅力を堪能せよ! 目次より 戦艦〈ヒンデンブルグ〉の最期/勇者の如く倒れよ/予備士官/塹壕にて/新戦艦建造に関する往復書簡/少し遠い場所/九九九艦隊計画概論/ある中尉の戦死/戦艦/標的は〈大和〉/飛鳥の征けぬ空はなし/交戦規則/海底戦隊〈隼〉/七二七高地の争奪/市民討論/法務大佐かく語りき/フリードリヒ大王最後の勝利/主力戦闘戦車論・断章/喪失第一号/宇宙英雄ヴァルター・ケーニヒ/ルール・ブリタニア/最後の一人まで/夜桜は散った/乗艦命令/オデュッセウスの霊廟/看過せず/ペリカンはいつも血を流す//(インタビュー)佐藤大輔、仮想戦記を語る/解説 高梨俊一
  • 奇貨居くべし(合本)
    5.0
    幼い頃から孤独感にさいなまれてきた少年、呂不韋。商人である父の言いつけで従者とともに旅に出たことから彼の運命は大きく変転する。藺相如との出会い、和氏の璧事件……。合従連衡がほどけては結び直される激動の時代、孟嘗君、孟子ら英傑の薫陶を受け呂不韋は理想の王朝を目指し、商人から政治の世界に身を投じるが……。一商人から大国・秦の宰相にまでのぼりつめた呂不韋の生涯を描く歴史大作。
  • 初女お母さんの愛の贈りもの おむすびに祈りをこめて
    5.0
    人のこころを解きほぐし、生きる力を与えるおいしい食事を、そっと差し出したい――。 そう願った佐藤初女さんが主宰した青森・岩木山麓の「森のイスキア」には、悩みや迷いを抱えた人が数多く訪れ、心のこもった手料理を一緒に食べて、生きる力を取り戻していった。 「初女さんのようなおむすびをつくりたい」という多くの人々に請われて各地で講演やおむすび講習会を開き、食の大切さを伝えていた初女さんが、料理のし方や心遣いを丁寧にわかりやすく語り尽くしたエッセイ。 食材を「いのち」ととらえ、いのちがささやく物語に耳を澄ませた著者ならではの“発見”が詰まった一冊。 おむすび、かぼちゃの煮物、ほうれん草のおひたし、ポテトサラダ、煮豆、りんごのコンポートなど、料理の作り方も多数紹介。 〈解説〉若松英輔 〈目次〉 1章 おむすびに心を尽くして/2章 いのちをいただく料理/3章 お母さんの手が伝えるもの/4章 病む人の心に寄り添うとき/5章 料理をすることが祈ること
  • 晩夏 少年短篇集
    5.0
    1巻946円 (税込)
    「敵はおみかん食べている」 男と女が二人だけで山の中で蜜柑を食べている以上、きっと何事か始まるに違いないと思った――。(「白い街道」より) 若い男女を「敵」と見なして偵察するたわいない遊び、美しい少女への憧れ、そして覚えず垣間見た大人の世界……。誰もが通り過ぎるが、二度と帰れない〝あの日々〟の揺らぐ心を鋭敏な感性でとらえた、叙情あふれる十五篇。表題作ほか「少年」「帽子」「赤い実」など教科書名短篇を含む、文庫オリジナル・アンソロジー。〈巻末エッセイ〉辻 邦生・椎名 誠 【目次】 少年/蜜柑畑/滝へ降りる道/晩夏/投網/帰郷/黙契/白い街道/颱風見舞/ざくろの花/ハムちゃんの正月/馬とばし/帽子/魔法壜 〈巻末付録〉赤い実/少年に与える言葉(随筆)
  • レッドサンブラッククロスI
    5.0
    1~3巻4,180~4,620円 (税込)
    ※この電子書籍は合本版にも収録されます※ 第二次世界大戦で勝利したドイツ第三帝国は、カナダで抗戦を続ける英国を追い北米に侵攻。欧州を制圧した強大な軍事力による電撃攻勢と、史上初の反応弾攻撃で合衆国を崩壊させた。ここに、日英同盟対ドイツの第三次世界大戦が勃発! 著者最大のシリーズを合本する愛蔵版。第一巻には本篇1「合衆国侵攻作戦」、本篇2「迫撃の鉄十字」、本篇3「反撃の旭日旗」を収録。
  • 発達障害 最初の一歩 お友だちとのかかわり方、言葉の引き出し方、「療育」の受け方、接し方
    5.0
    ★「うちの子、発達障害かも?」  と不安になったら読んでください。 ▼「ABA」(応用行動分析)で、「できないこと」を乗り越えましょう ▼コミュニケーションが取れるよう親子でトレーニングをしてみましょう。 ▼駄々をこねるときには…… ▼スケジュールを絵や記号にしてみましょう ▼「療育」の受け方とは 小児科クリニックのカルテから。 「うちの子、発達障害かも」と思い詰めて、診療所を訪れる親御さんが増えています。でも発達障害の診断ってとても難しいんです。本書は、発達障害の疑いがあるお子さんとどう向き合えばいいのか――と悩む、お父さん、お母さんの「はじめの一歩」を支えたくて書きました。焦らないでください。人間の成長ってゆっくりです。
  • 道元の和歌 春は花 夏ほととぎす
    5.0
    曹洞宗の開祖道元は、すぐれた歌人でもあった。良寛や川端康成が愛誦した「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり」も道元の作である。新古今集の歌人・慈円を大叔父に持ち、後鳥羽宮内卿らと親交を結んだ道元にとって、歌を詠むことは自らの人生に欠かせない営為であった。いまに伝わる四九首を、その生涯や思想をたどりながら解説し、鑑賞する。一見平易な歌の中に込められた道元の深遠な思いが浮かび上がる。
  • オルタナ日本 上 地球滅亡の危機
    完結
    5.0
    一九八六年、中曽根内閣は懸案の自主憲法制定を成し遂げた。自衛隊は改称され国軍へ昇格。また日銀は絶妙の金融政策でバブル経済を軟着陸させ、日本は好景気のまま発展した。だが今、その社会は危機に瀕している。「シンク」という謎の穴がすべてを飲み込み、同時に感染症も流行。政府が隠蔽する世界の崩壊を阻止する鍵を握るのは、一人の日本人学者だった。彼を探し保護せよとの命を受けた土門康平陸軍中将は、この任務を遂行し、日本を、この世界を救 うことはできるのか――? 大石英司が描く世界滅亡の書。
  • 蒼洋の城塞1 ドゥリットル邀撃
    完結
    5.0
    日本本土空襲サル! これは訓練ではない、実戦だ。 房総沖にて演習中の呂号第四四潜水艦が、空母「ホーネット」率いる米国の艦隊を発見! 日本本土の奇襲を狙う「ドゥリットル空襲」の迎撃に成功し、敵艦隊に大打撃を与えた。意気上がる日本軍は、ポート・モレスビー攻略を主眼とするMO作戦の完遂を目指し、空母「瑞鶴」「翔鶴」、戦艦「陸奥」「伊勢」らを中核とする艦隊を派遣。珊瑚海にて、雪辱に燃える米軍と激突する――。 鉄壁の護りで敵国を迎え撃つ新シリーズ、開幕!
  • 血

    5.0
    死んだほうがいい人って、こんなにいるんだよ。 15年を経て漆黒の闇から這い出る赤い悪魔……。 高校1年生の少女の行く先々で起こる不審死と殺人事件!! 新堂冬樹の真骨頂! 長編ハード・サスペンス 15歳の女子高生・本庄沙耶の父は自己中心で小狡く、母はまるで父の奴隷だ。その両親が突然家に侵入してきた男に刃物で惨殺された。さらに、一人になった沙耶が身を寄せた親戚――10年前に幼い弟を不注意で溺死させた祖父母、沙耶をレイプしようとした従兄、それを見て見ぬふりする叔父も次々と死亡する。ネット上では沙耶を励ますスレッドも立つが次第に「疫病神」「死神」と揶揄する声も囁かれる。不可解な死の連鎖の中心に身を置く沙耶。果たして彼女は〈悲劇の天使〉か〈美しき死神〉か? それとも……。わたしは、この体に流れる血を赦さない。
  • 新版 戦時下の経済学者 経済学と総力戦
    5.0
    1巻1,540円 (税込)
    二つの世界大戦は社会のすべてを動員する総力戦であり、そこで重要だったのが経済だった。本書では総力戦下の経済学者たちの言説がどんな役割を果たしたか、戦後にどう影響したかを追う。英米独日の経済抗戦力を経済学者はどのように判断したのか。経済学はイデオロギー対立のなかにどのように巻き込まれたのか。マルクス経済学、さらには西洋思想への対抗手段とされた日本経済学とは。第32回石橋湛山賞受賞作に最新の研究成果を加筆。 目次 まえがき 第一章 河上肇――戦時下の経済思想の「先駆け」 第二章 陸海軍と経済学者 第三章 経済新体制をめぐって 第四章 思想戦のなかの経済学 第五章 「近代経済学」とは何だったのか あとがき 新版のあとがき 人名索引
  • 百鬼園戦後日記I
    5.0
    『東京焼盡』の翌日、昭和二十年八月二十二日から二十一年十二月三十一日までを収録。掘立て小屋の暮しを飄然と綴る。〈巻末エッセイ〉谷中安規(全三巻)
  • 書かなければよかったのに日記
    5.0
    ボクは住所も職業もさすらいなのである――。一九六〇年代初め、各地を転々としながら書き継がれた『言わなければよかったのに日記』の姉妹編(『流浪の手記』改題)。旅先での市井の人びととの出会いや先輩作家のことなど、飄々とした独特の味わいとユーモアがにじむエッセイ集。単行本未収録作品を増補。
  • ゆうゆうヨシ子さん ローボ百歳の日々
    5.0
    老父ノブちゃんと老母ヨシ子さんと暮らし始めたのは二人が70代に入ってから。両親の敷地内に家を建てゆるやかに始まった同居は、やがてノブちゃんの死によって、母を見守る日々となる。母の同窓会、句作生活、おいしいもの、朝寝のたのしみ、オレオレ詐欺、そして母との「二人句会」。俳句を通して会話する百歳の母との日々をユーモアを交えつつ綴るエッセイ集。
  • 一路(上下合本)
    5.0
    失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
  • 草原の風(上中下合本)
    5.0
    高祖・劉邦の子孫でありながら、鮮明な未来を描くことの出来ぬまま、田を耕す日々を送っていた劉秀。しかし、王莽の圧政に耐えかねて、兄と共に挙兵する。天下に乱立する英傑と鮮やかな戦いを重ね、劉秀はとうとう天子として立つが……。合本で名作一気読み!
  • 「のと恋路号」殺意の旅
    5.0
    婚約者の中原が自宅マンションから飛び降り自殺した。傷心の井岡あや子は、中原が死の直前に乗車した「のと恋路号」に乗り、恋路駅のノートに中原が書いた文章を見つける。そこには「なぜ、今になって、私の前に、現れたのだ! K・Tよ」と書かれていた。K・Tとは誰なのか? しかし、数時間後にその頁は何者かに破り取られてしまう。さらにあや子を尾行していた刑事が消息を絶ち、中原が泊まった旅館の従業員が絞殺される。そして十津川の捜査には上からの圧力が……。初期の十津川警部名推理が新装・改版で登場!
  • 回顧録(上)
    5.0
    1~2巻1,100~1,320円 (税込)
    維新の功臣大久保利通を父に生まれた伸顕は、少年時アメリカに学び、長じてヨーロッパに使し、のち大臣、重臣として近代日本そのものの生涯を送った。政治・外交の表裏にわたる貴重な証言。上巻は幼年時代よりイタリア駐在、ウィーン勤務まで。
  • 臨終、ここだけの話 現場で見つめた、患者と家族の事情
    5.0
    死んでもマグロ寿司が食べたかった患者。赤ちゃんの世話を焼く不思議な男性。自分の寿命は占えなかった占い師の患者。臨終の瞬間にまつわる、涙あり笑いありの不思議な話が満載。医師歴五十余年の臨終医が、長年看取りの現場で見つめ続けた患者と家族の事情。ほんとうに幸せの臨終とは何かを一緒に考えることができる、話題作待望の文庫化登場!
  • 随想録
    5.0
    日本財政の神様がその晩年に語った、自由主義者として生きた生涯の軌跡。未曾有の金融恐慌を乗り切った財政政策や、政党政治家として接した原敬、山本権兵衛、牧野伸顕、田中義一らの横顔。そして自身の宗教観や家庭観、教育論など幅広く、深い知見に満ちた思索。〈解説〉井上寿一
  • 第三次世界大戦1 太平洋発火
    5.0
    ロサンゼルスで、ある事件が白昼に起こる。祖国で巨額の横領を働いた男に、中国特殊部隊“ドラゴン・スカル”が接触したのだ。彼らは米国へ逃げた人物の奪還を任務としていたが、この時に出た予想外の犠牲者が、ホワイトハウスに激震を与える。IT長者で、大統領の最大支援者の妻子が巻き添えになってしまったからだ。謝罪を求める米国に対し、中国も「人民の金を不正に使い込んだ男を、米国は情報提供と引き替えにずっと匿っていた」と不快感を示す。そしてこの小さな事件が、後に日本を、世界をも巻き込む大戦のはじまりとなっていった。「第三次世界大戦」シリーズ、堂々スタート!
  • 南沙艦隊殲滅(上)
    5.0
    中国軍が南沙に建設した滑走路が一晩で消滅した。怒る中国はフィリピン軍、その背後に米軍の関与を疑うが、偶然見つかった当時の映像には驚くべきものが映し出されていた。それは、滑走路を攻撃するある戦艦の姿――しかも日本人なら誰もが知る、だが絶対に《存在しない》戦艦だ。調査を命じられた特殊部隊《サイレント・コア》が見たものは?
  • 恋衣 とはずがたり
    5.0
    鎌倉末期、後深草院の宮廷を舞台に、愛欲と乱倫、嫉妬の渦に翻弄される女官・二条。幼くして生き別れとなった娘・露子が、二条の遺した日記を繙きながら、晩年は尼となり自らの脚で諸国を遍歴するまで、美しく、気高く、そして奔放に生きた実母の人生を辿る。史上最も赤裸々な女流古典「とはずがたり」が700年の時を超え、大胆によみがえる。
  • 地球連邦の興亡1 オリオンに我らの旗を
    5.0
    1~4巻682~902円 (税込)
    ★※ご注意ください※ 書き下ろし短篇は収録されておりません。本篇のみの電子書籍です。★  人類の存亡を懸けた第一次オリオン大戦は終結した。地球連邦に束の間の平和が訪れるも、戦後処理への不満は各地で増大。内乱の危機が忍び寄るなか、日系惑星出身の二人の男が植民惑星に赴くが……。  二十二世紀末、銀河へと版図を広げた人類の苦闘を描くSF巨篇、第一弾!
  • 落語が死んだ日
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 江戸時代から今日に至るまで庶民を笑わせてきた「落語」。この愉快な伝統話芸にも、戦争によって暗い影が差し、いくつかの噺ができない時代があった。“禁演落語”の歴史をひもとく。
  • 特殊作戦群、追跡す!(上) 『ピノキオ急襲 上』改題
    5.0
    ★『ピノキオ急襲 上』を改題。 元新聞記者の鉄道事故、世界中で次々に姿を消す化学者、襲われる自衛隊基地。無関係に見えた物事が、佐渡島で起きた警察官惨殺事件によって結びついた! 陸自の第一空挺団もかなわない謎の敵に対し、陸自特殊部隊《サイレント・コア》が緊急召集され、敵殲滅に取りかかる。しかし、高い戦闘力を誇る彼らも思わず戦慄する敵が現れて……。
  • 肉弾 旅順実戦記
    5.0
    日露戦争の激戦から瀕死の重傷を負いながら生還した一将兵による実戦記。戦場の有様と兵士たちの心情を描いた本作品は世界的に評価され、各国で翻訳された。だが、ここから生まれた「肉弾」という造語はやがて精神主義の標語として悲惨な戦争に迎えられていく。稀代の問題作を、百余年を経て新字新仮名にて初文庫化、初電子書籍化した。 〈解説〉長山靖生
  • 雪あかり日記/せせらぎ日記
    5.0
    一九三八年、日本大使館の改築のためベルリンに赴任した著者。改築資材を求め奔走し、歴史的建築物を訪ね歩く日々だが、戦火は否応なく迫っていた。建設総監シュペールとの面会、ベルリン芸術週間――歴史の転換点に立ち会ったモダニズム建築の巨匠、若き日の記録。 〈解説〉堀江敏幸
  • 一老政治家の回想
    5.0
    新聞『日本』の記者として活躍、犬養毅の知遇を得て政界入り、大正デモクラシー真っ只中にあって犬養を支え、政党政治確立に尽力する。やがて二大政党制の欠陥が露わとなるなか犬養は兇弾に倒れ、政党政治は終焉を迎える……。議会政治の裏側を知り尽くした傲骨の政治家の証言。 〈解説〉筒井清忠
  • 極上の流転 堀文子への旅
    5.0
    九十七歳を超えてなお新作を発表し続ける日本画家・堀文子。画壇におさまらない自在な画風、「群れない、慣れない、頼らない」をモットーとする生き方をたどり、繊細さと大胆さ、緻密さと雄大さという二律背反をはらむ躍動的魅力の根源に迫る、渾身の評伝。
  • 沖田総司 新選組孤高の剣士
    5.0
    新選組一番組頭沖田総司。天才剣士と謳われながら、労咳のため若くして独り江戸でこの世を去った。道場では短気で荒っぽかった少年時代。子供好きで明るい面を見せた壬生村の頃。近藤の養女の求愛を固辞する一方、内妻の死を悼み涙した女性との関わり。そして新選組で最も武闘派だった“刺客”。知られざるその実像に迫る書き下ろし。
  • 彷徨える英霊たち 戦争の怪異譚
    5.0
    戦場で命を落とした者たちはなぜ、霊魂となってもなお祖国へと帰ろうとするのか。ガダルカナル、ニューギニア、フィリピン、硫黄島、朝鮮半島、そして沖縄。さまざまな場所で、戦死者たちを、その家族たちを長年にわたり取材してきた著者が〈怪異譚〉を通して綴る鎮魂の記。
  • C★NOVELS Mini 赤の予兆 クリムゾン・ヴァンパイア外伝
    5.0
    母と死に別れた橘香がたどり着いたのは、幼い日々を過ごした仲塚原市。街で絶大な力を持つ仲塚原家の別邸でメイドとして勤めはじめるが、そんな彼女に与えられたもう一つの仕事は、非凡な美しさを誇る屋敷の主・アレクの花嫁だった。新しい生活に気持ちがついていかない橘香は、ある日屋敷に忍び込んだ少年と出会う。彼は「お化け退治に来た」というのだが……。橘香の日常を描くスペシャル短篇登場。 「読売プレミアム」連載(2014.11.1~2014.1.31)
  • 恋愛書簡術 古今東西の文豪に学ぶテクニック講座
    5.0
    1巻1,012円 (税込)
    愚直な想いか? したたかな罠か? それとも粋な駆け引きか? 人妻の虜となったバルザック、美しき野獣に溺れたコクトー、そして谷崎、百けんらが、略奪愛、ダブル不倫、官能の倒錯愛など恋の渦中で巧みに駆使したレトリックを分析、世界を震撼させた大恋愛と名作誕生の背景を探る。芸術の女神、男装の麗人、運命の女など続々登場。
  • 水の文化史
    5.0
    淀川、利根川、木曽川、筑後川の四大河川を中心に、日本人がいかに水と緊密に関わりながら国土と文化を築き上げてきたかを、ロマンあふれる筆致で描く。水問題、環境問題を取り上げ、社会に警鐘を鳴らした先駆的な名著として知られ、農林漁業の役割を見直し、日本人のアイデンティティを考えるための必読書でもある。姉妹編に『水の旅』がある。
  • C★NOVELS Mini 燼灰を薙ぐおろか者 災獣たちの楽土番外篇
    5.0
    国の守護獣たる「災獣」に喧嘩を売ることが、薙古が選択した国の立て直し策だった。しかもそれを見せ物にするって……? シリーズ第2巻・薙古国後日談『躍進 C★NOVELS大賞作家アンソロジー』(2012年11月25日刊行)所収

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  • 御隠居忍法9 刺客百鬼
    5.0
    狸斎の娘・奈々江の舅であり狸斎の親友でもあった新野耕民が急死。耕民は笹野藩の後嗣をめぐる争いに巻き込まれ、黒手組によって暗殺されたのだった。狸斎は耕民の遺志を継ぎ、君主の幼い落胤と守り役の娘を江戸へ送る役目を引き受けるが、道中、神出鬼没の刺客が襲いかかる! シリーズ第九弾。

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  • 白き帽子の放浪者
    5.0
    紛争続く大陸各地で噂される《白き帽子の放浪者》。どこからともなく現れ、問題を解決して去るという。折しも、ダグラント王国では、大公が蜂起、内戦が勃発し、国民たちは《放浪者》の救済を待望するように。そんなある日、辺境の村娘エファが出会ったみすぼらしい男は、逃走中の国王デュアン四世だと名乗るが……。C★NOVELS大賞特別賞受賞の英雄譚シリーズ堂々完結!

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  • C★NOVELS Mini - お師匠さんが来た! - 天使たちの課外活動外伝
    5.0
    新たにルウたちの友人となったトゥルークの僧侶ライジャ。宗教的理由からかなり見た目に派手なライジャだが、その彼すらかすんでしまう《ど迫力キャラ》お師匠さんがルウに会いにサフノスク大学にやって来た! 『天使たちの課外活動2』(2012年03月25日刊行)所収 yorimoba掲載(2011.08.25~2011.12.24)

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  • 英雄《竜殺し》の誕生
    5.0
    戦乱の続くフォトキア大陸南部小国家群で、無敵と恐れられる傭兵団「緋の風塵」。黒狼の二つ名を持つ部隊長アルズレッドは、いずれ伝説の竜をも殺す世界最強の男となると豪語している。戦場で拾った孤児と暮らす彼は、まず《傭兵王》ドヴォルグを倒し、その座を奪おうと秘かに狙い、剣の腕を磨いていた。だが、運命はその前に非情に立ちはだかるのだった――!!第9回C★NOVELS大賞特別賞受賞後第一作。

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  • 桜花の記憶 河野裕子エッセイ・コレクション
    5.0
    病んでいても健やかな歌を作りたい-死の十日前に綴られ、死後発表された「実作教室」、そして歌を詠む人へのメッセージを収録。若き日から死の直前までの心に沁み入る七三の掌篇。
  • 詩歌の森へ 日本詩へのいざない
    5.0
    一篇の詩が、苦境から脱出するきっかけになったり、人情の奥行きをかいま見せたりすることは、誰しも経験するだろう。そんな、心に働きかけてくる詩を知れば知るほど、人生は豊かになる。本書は、記紀万葉のいにしえから近現代までの、日本語ならではの美しい言葉の数々を紹介するエッセイである。古今東西の文学・藝術に精通した著者が、みずからの体験を回想しつつ、四季折々の詩歌味読のコツを伝授する。
  • 明治東京畸人傳
    5.0
    谷中・根津・千駄木。かつてこのまちを闊歩した二十五人の物語。お雇い外国人教師ベルツ、本妻と愛人を行き来したサトウハチロー、怪談と幽霊画の三遊亭円朝、昭和恐慌で没落したヂエモンとその一族……。地域雑誌を編集するなかで出会った、不思議な魅力あふれる人物たち。その路上の肖像を掘り起こす。

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  • 松平定信 政治改革に挑んだ老中
    5.0
    貨幣経済を刺激した田沼時代は商業の活性化に貢献したが、農村、都市双方に疲弊を招き、しかも浅間山爆発や大洪水という自然の脅威によりその政策は破綻、各地で百姓一揆や打ちこわしが続出、ついには定信の登場となる。彼は内外に危機を抱える幕府の立直しに腐心、直面する課題を慎重に処理して「名君」を称されたが、気紛れな世間に、いつしか保守政治家の烙印を押されて挫折し権力の場を去る。バブル崩壊の今、定信は甦るか?
  • 十津川警部影を追う
    5.0
    捜査が難航している殺人事件の犯人を教えたり、ある人物の殺害を予言し的中させる手紙が何通も警視庁へ届いた。差出人はいずれも〈シャドーX〉。正体を探り始める十津川班に〈シャドーX〉は宣戦布告し、翌日には亀井が乗ったエレベーターが爆破された。激怒する十津川も過激な報復にでる。そして恐るべき「平成維新計画」の全貌が露わになる!?

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  • C★NOVELS Mini 市場にて バンダル・アード=ケナード番外篇
    5.0
    今は亡きセリンフィルドの国で、無心に遊ぶシャリースとダルウィン――貴重な子供時代のエピソードに加えて、シャリースの兄レンドルーも描かれた番外篇。『CN25』(2007年11月25日刊行)所収

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  • C★NOVELS Mini 夜半を過ぎて 煌夜祭前夜
    5.0
    十八諸島を巡り、物語を集め、他の土地へ伝える語り部たち。冬至の夜には彼らが集い、物語を紡ぐ〈煌夜祭〉が開かれる。ある年の冬至前夜、宿にあぶれたと酒場を訪れた語り部が一泊させてもらう替わりに女主人に語り出した物語は……第2回C★NOVELS大賞受賞作『煌夜祭』外伝。『CN25』(2007年11月25日刊行)所収

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  • 江戸悪党改め役 刺客請負人
    5.0
    幕府大老格・柳沢吉保が病葉刑部を亡き者にせんと送り込んだ刺客は、清国からやってきた異形の暗殺団・蛇囚だった。シリーズ第五弾

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  • 闇の陽炎衆 刺客請負人
    5.0
    雄藩のお家騒動に巻き込まれた清楚な菊姫を、刺客の嵐の中、ただ一人守り抜いた松葉刑部。再び謎の暗殺集団陽炎衆に襲われた菊姫を護るため、立ち上がる。決して結ばれぬ主従の愛を一剣に賭けて最凶の敵と向かい合う孤臣の戦いの行方は……。「刺客請負人」シリーズ第四弾!

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  • 烈日 上 ミッドウェー1942
    5.0
    真珠湾で討ち漏らした米機動部隊の殲滅を目論見、太平洋の要衝ミッドウェー基地への攻撃を敢行する日本軍。主力空母を擁し、無敵皇軍の進撃を阻むものなしと思われたが……。
  • 遊学I
    5.0
    古今東西より選ばれし知の巨人たち149人を評じた松岡遊学の原点。伝説の雑誌「遊」より生まれた渾身の著。I巻ではピタゴラスからエジソンまで。
  • 半島有事1 潜入コマンド蜂起
    5.0
    対馬への出兵で手薄になった韓国防衛の隙を衝き、主要都市に潜んでいた謎のコマンドが一斉に蜂起。新たなる敵を前に、激闘を繰り広げていた日韓が共闘――!? 人気シリーズ、新章開幕!

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  • 地震雑感/津浪と人間 寺田寅彦随筆選集
    5.0
    「天災は忘れた頃にやって来る」の名言で有名な寺田寅彦の、地震と津浪に関連する文章を集めた。地震国難の地にあって真の国防とは何かを訴える色あせぬ警告の書。寺田寅彦が漱石門下の友人小宮豊隆に送った「震災絵はがき」のカラー図版十葉を収める。〈解説・註解〉千葉俊二・細川光洋

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  • 追悼の達人
    5.0
    夭逝、自死、その他さまざまな死のかたちは、作家の「人生」というもう一つの作品を完結させる重要なファクターとなる。漱石、荷風、谷崎、三島由紀夫ら明治・大正・昭和の文人四十九人に寄せられた追悼を通して、彼らの生身の姿を照射し、近代文学史の新しい一面を拓く。

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  • 覇者の戦塵1939 殲滅 ノモンハン機動戦 上
    5.0
    満蒙国境に程近い北満州油田をめぐりノモンハンで対峙する日ソ両軍は、ついに宣戦布告なき武力衝突に突入した。BT戦車の厚い装甲の前に苦戦する関東軍に果たして逆転はあるのか?

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  • ニュース・エージェンシー 同盟通信社の興亡
    5.0
    瞬時に世界を駆け巡るニュース。その多くはロイター、APなど欧米の報道機関の発信による。情報が国際世論を左右する現状にあって、通信社の役割はきわめて重い。しかし今日の日本には強力な発信力をもつ国家代表通信社がない。同盟通信社は昭和一一年、「日本人自身による情報管理」を夢見て、「聯合」と「電通」の合併から生まれた。悲願達成を前に、宣伝機関へと変質していった歴史を丹念に追い、通信社の使命を問う。

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  • 臨安水滸伝
    5.0
    南宋の都・臨安で漕運を営む夏家に、高位の宦官から極秘の依頼が舞い込んだ。「謀殺された将軍・岳飛の隠し資産を探してほしい」。ちらつく宰相・秦檜の影。年若き夏家三きょうだいの冒険が始まった。

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  • 陸中海岸 殺意の旅
    5.0
    鑑定番組でニセモノと判明した雪舟の水墨画を、広田から高値で買い取る男が現れた。しかし翌日、男は死体で発見され、売ったはずの水墨画も消え、容疑が広田にかかる。次々と起こる誘拐、殺人。十津川警部は広田を追ううち、真犯人の見当をつけるが、狡猾な犯人に翻弄され、証拠を得ることができない。壮絶な頭脳戦の結果はいかに!?

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  • 夜行列車の女
    5.0
    寝台特急「サンライズエクスプレス」取材中のカメラマン木下は、乗り合わせたみゆきと名乗る美女と親しく言葉を交わす。翌朝、姿を見せない彼女をいぶかしみ、個室を訪ねた彼は別の女性の死体を発見してしまう――! 証拠不十分で保釈された木下は自らの潔白を証明しようと奔走するが、周囲で不審な死が相次ぐ。十津川と亀井は黒幕に迫るが!?

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  • 明治大正見聞史
    5.0
    ビスケットもまだ知らない山国から上京して、明治の新東京の風物と社会に驚き、やがて目の当たりにする大正の大震災……。明治大正の世相・風俗を深く見透した記者魂の面目躍如の名著。

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  • 北の秘密
    5.0
    六十歳――還暦という人生の節目を迎えた会社社長が、五千万円を持って失踪。10日後には、大学の同窓生がホテルの一室で絞殺された。ふたつの事件を結ぶ鍵は、35年前の北海道・洞爺湖に。

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  • 百魚歳時記
    5.0
    魚屋の店先や釣り天狗たちの話などで見聞する魚族の種類は真に多い。それら愛すべき魚どもの様々な個性と味覚を一三〇点の絵と共に綴った贈り物。

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  • 覇者の戦塵1937 黒竜江陸戦隊
    5.0
    第二次オホーツク海戦は、ソ連極東艦隊を撃滅した日本海軍の“戦術的圧勝”であったが、意外にも戦略目標を失う結果に終わってしまった。そして、北満州油田を支配下に置くことを目論むソ連は馬占山軍を支援、黒竜江で大規模な軍事行動を展開する……。

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  • 覇者の戦塵1933 謀略熱河戦線
    5.0
    武力により満州占領を果たしたが、国際的に孤立する日本。北満州油田の奪取を目論むソ連と馬占山軍を相手に、帝国海軍は決死の黒龍江奇襲上陸作戦を敢行する。書き下ろし短篇収録。

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