小説・文芸 - 書苑新社作品一覧

  • フェアリーたちはいかに生まれ愛されたか イギリス妖精信仰――その誕生から「夏の夜の夢」へ
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    人々の生活とともにあって、豊かに息づいていた、超自然的な生きものたち―― フェアリー、エルフ、ゴブリン、ドワーフらのイメージは、どう形成され、愛されてきたか。 イギリスが育んできた、妖精信仰と文学的空想を解き明かす。 妖精文化を深く知るための基本書! 翻訳は、英文学者・比較文学者で、妖精学の第一人者、井村君江です。 ===== 妖精を無視して、果たしてシェイクスピアが正しく理解できるだろうか、 チョーサーの『カンタベリー物語』は十分に語れまいし、 マーローやミドルトン、ベン・ジョンソンらの理解も半端になろう。 本書は、イギリスに古代から存在したと想像されていた さまざまな種類の妖精を、その発生から17世紀まで、 主として「チュートン神話のエルフ」「ケルト伝説のフェアリー」 「アーサー王伝説のフェ」の三点に集約しつつ、 その変遷を辿ったものだ。 イギリス人の心の奥底の根深いところに、 妖精たちはさまざまな姿をとって連綿として生きているのである。 ===== 井村君江の評論「英国妖精流離譚」も収録
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー
    4.0
    「夢みる力」を復活させんと、想像力の可能性に挑んだ13編の書下し作品を、ぜひお楽しみあれ! ●巻頭言より 去る三月に本書と同じ「操觚の会」同志諸氏の協力で伝奇時代小説のアンソロジー「伝奇無双」(戯作舎)を電子書籍で上梓したが、その僅か一ケ月後にさらなる伝奇時代小説のアンソロジー「妖ファンタスティカ」をこうして紙媒体で刊行できるのは、伝奇ルネサンスを提唱した者として望外の歓びである。支持して下さった皆様にお礼申し上げる。 伝奇ルネサンスなる言葉に初めて接した方も多いと思うので、まず伝奇ルネサンスとは何かを手短に説明しよう。 伝奇ルネサンスとは一言で言えば作家の想像力を無限大にまで広げんとする企みである。 かつて國枝史郎・角田喜久雄・吉川英治らの働きで伝奇小説は時代小説の代名詞にまでなった。 (中略) しかし万人がメディアとなり、読書が娯楽の王座を退いた現在、伝奇は過去のコンテンツと化したかにも見える。夢想も荒唐無稽も破天荒も過去の概念と成り果てたかのようだ。いつの間にか作家も読者も「夢見る力」を信じなくなり、想像力の可能性を語ることを躊躇うようになってしまったのだろうか。 否。「夢見る力」は失われたのではない。そこにあるものが見えていないだけなのだ。 伝奇ルネサンスとは「夢見る力」を復活させるための試みである。それは崇拝する者を失って深い眠りに就いた物語の神々を復活させんとする十九世紀の魔術結社「黄金の夜明け」団の儀式にも似ている。 その意味で伝奇ルネサンスを「魔術」と呼んでもいいだろう。奇しくも本アンソロジーの参加作家は十三名。中世ヨーロッパで魔女集会に集った者たちの数である。 されば宣言しよう。 ここに伝奇は甦り「夢見る力」はこれより大なる復活を遂げん、と。
  • 恐怖の美学 なぜ人はゾクゾクしたいのか
    3.0
    なぜ怖いと思いながら、それに惹かれてしまうのか。 美術からオカルトまで、さまざまなジャンルを渉猟しながらその本質に迫る。 妖怪、UFO、心霊写真、美術、漫画、小説、映画… 多様な書物、文化を縦横に読み解いた“恐怖のワンダーランド”! 「恐怖は、人間らしい魅力に満ち溢れ、私たちの生に未来を与える感覚だ」 「私たちは恐怖をわざわざ味わうために、さまざまなメディアを渉猟する。 おそらくそれは、恐怖が意外な豊かさを秘めていることを、私たちが無意識のうちに知っているからだ」 === 〈恐怖〉の行きつく、弥終(いやはて)は……!? 博捜、博捜、ああ今日も、博捜あるのみ! ――東 雅夫 === 《一》世界妖怪図鑑 《二》矢追純一のUFO史観 《三》パラフィクションとしての『地獄変』 《四》七〇年代カタストロフィ文化 《五》心霊写真の父、中岡俊哉 《六》恐怖の美術館     ムンクの描いた吸血鬼     ダ・ヴィンチにおける愛と死     フュースリ、エロスの悪魔     ゴヤに魔術の自由を見る     幻視者、ウィリアム・ブレイク     ルドンの顕微鏡的世界     ゲオルギオスの龍退治 《七》ポップ異端文書としての『百億』 《八》『イグアナの娘』とマゾ的支配 《九》寺山修司とエヴァンゲリオン 《十》消えていく道化 《十一》恐怖の法則 《十二》恐怖の記号論 《十三》恐怖の起源
  • ディア・アンビバレンス ~口髭と〈魔女〉と吊られた遺体
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    イングランドの片隅に佇む、静かで長閑な田舎町。 警察の仕事といえばもっぱら逃げた羊を探すこと。 だがそんな町で、事件は起こった。 被害者はエリザベス・コール、17歳、女性。 全身の毛が剃られ、内臓がすべて取り去られた彼女の死体は、 町のシンボルとも言える楡の木の下、朝露に濡れて逆さに吊られていた。 魔女狩り。魔法の杖。牛乳配達車。ナッツとコーヒー。 繰り返される噂。消えない罪。 ロンドンから左遷されてきた刑事エミリーと、 地元の小さな口髭の紳士ポコの、謎解きが始まる―― === 「レッドシーズプロファイル」「D4」「The MISSING」「The Good Life」《北米で最も影響力のある50人のクリエイター》に選ばれた世界的ゲームディレクターSWERYによる初の本格ミステリ!
  • 《ドラキュラ紀元一九一八》鮮血の撃墜王
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    実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語、第2弾! ドイツ軍最高司令官ドラキュラの指揮の下、血の色の翼が戦場の夜空を切り裂く! 秘録・欧州ヴァンパイア大戦。 ~~~~~~~ イギリスを逃れ、ドイツ軍最高司令官となったドラキュラ。 その策謀を暴くため若き英諜報部員は空から敵地に迫る。 迎え討つはレッド・バロンこと、 撃墜王フォン・リヒトホーフェン男爵! 一方、エドガー・ポオも撃墜王の拠点、マランボワ城を訪れる。 祖国アメリカを捨てた彼は、なぜ独軍要人に呼び出されたのか。 そして、空の戦士たちが集う城で起きていることは――? 本編に初訳となる章「間奏曲」を追加し、以下の作品・資料を収録した完全版!(※印は本邦初訳)  「ヴァンパイア・ロマンス~ドラキュラ紀元一九二三」(書下ろし中編小説)※  「レッド・スカイ」(映画アウトライン)※  「著者による付記」※  訳者による詳細な「登場人物事典」(改訂版) 電子版は、本文と登場人物事典との間をジャンプして参照することができます。
  • 《ドラキュラ紀元一九五九》ドラキュラのチャチャチャ
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    実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語、第3弾! ドラキュラの結婚式がおこなわれるローマに飛んだジャーナリスト、ケイトが遭遇したのは、長生者(エルダー)ばかりを狙う謎の“深紅の処刑人”! ~~~~~~~ 1959年、ローマ。 ドラキュラは、モルダヴィア公女アーサ・ヴァイダと結婚しようとしていた。 ジャーナリストのケイトは、死期を待つボウルガードと、彼を世話する美少女ヴァンパイア、ジュヌヴィエーヴを訪ねてローマに飛ぶ。 そこには英国のスパイ、ボンド中佐も。 その華やかな映画の都ローマに、ヴァンパイアの長生者(エルダー)を狙う謎の“深紅の処刑人”が出現し、町を恐怖に陥れる。 その目的とは、果たして――? 本邦初訳の中編「アクエリアス──ドラキュラ紀元一九六八」、「著者による付記」も収録。 電子版は、本文と登場人物事典との間をジャンプして参照することができます。
  • ドラキュラ紀元一八八八
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    実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語、開幕! 吸血鬼ドラキュラ、大英帝国に君臨す! ヴィクトリア女王と結婚し、大英帝国を手中に収めたドラキュラ。 だが、人間とヴァンパイアが共存する社会は、わずか3年ののち、 ヴァンパイアの女だけを狙う切り裂き魔〈銀ナイフ〉の凶行に揺らぎだした。 政府の秘密機関〈闇内閣〉の命を受けた諜報員ボウルガードは、 500歳の美少女ジュヌヴィエーヴとともに切り裂き魔を追う―― 本編に加え、世界観を追補する短編「死者ははやく駆ける」や「もうひとつの結末」等、初訳資料も完全収録した完全版! 電子版は、本文と登場人物事典との間をジャンプして参照することができます。
  • 《ドラキュラ紀元》われはドラキュラ――ジョニー・アルカード〈上〉
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    実在・架空の人物・事件が入り乱れて展開する、壮大な物語! 《ドラキュラ紀元》シリーズ完全版第4弾、 本邦初訳の中短編集が上下巻で登場! 時は70年代、 コッポラがマーロン・ブランドを迎えて、 ブラム・ストーカーの“歴史改変”小説 『吸血鬼ドラキュラ』を映画化しようとしていた―― ドラキュラにより転化した少年、ジョニーが コッポラやウォーホルらと繰り広げる、めくるめく物語! ====== 貢ぎ物として送り出され、 ドラキュラにより転化された少年、イオン。 コッポラの映画『ドラキュラ』のルーマニア撮影現場において 彼はケイトに、ジョンと名を変えてアメリカ人となる野心を語る。 「アメリカは若い国で、生命にあふれてるじゃないか。血だって新しいし。 あそこに行けば、なんだって自分の選んだものになれるんだ。 ヴァンパイアが生きていける国ってアメリカだけだろ」 ドラキュラが実在し支配力をふるった世界において “歴史改変”映画『ドラキュラ』制作の行方は? そしてその渦中でジョニーは何を企むのか――? 電子版は、本文と登場人物事典との間をジャンプして参照することができます。
  • 百鬼夢幻 ~河鍋暁斎 妖怪日誌【電子書籍版限定・書き下ろし短編付】
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    “江戸が、おれの世界が またひとつ 行っちまう!” 異能の絵師・河鍋暁斎と妖怪たちとの奇妙な交流と冒険を描いた、幻想時代小説! 江戸末期から明治にかけて活躍した天才絵師、河鍋暁斎。 こと妖怪画で名を馳せた彼は、実はその妖怪たちが見えていた? 絵の中から蝶を舞わせ、河童と酒を飲み、天井画のために龍を写生し、弟子コンデルとともに旅先で狐火の行方を追う――。 幕末から文明開化へ、江戸の大変動を背景にした異能の絵師の冒険!
  • 幽霊海賊
    4.0
    航海のあいだ、絶え間なくつきまとう幻の船影。 夜の甲板で乗員を襲う見えない怪異。 船員としての豊富な経験を元に、底知れぬ海の恐怖を描く、ホジスン本領発揮の怪奇小説。 本邦初訳! 「異次元を覗く家」「〈グレン・キャリグ号〉のボート」とともに《ボーダーランド三部作》と呼ばれる幻の傑作。
  • 妖精の到来 ~コティングリー村の事件
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    妖精は実在する?! 20世紀初頭、ふたりの少女が写した“妖精写真”。 世界中を騒がせた事件の記録! ~~~~~ 1917年、イギリスのコティングリー村に住む2人の少女が、 妖精と遊ぶ様子を写真におさめた。 その写真は〈シャーロック・ホームズ〉で知られていた コナン・ドイルの手に渡り、 強く関心を持った彼は、雑誌に記事 「妖精の写真が撮れた!──人類史上に新時代を画す一大事件」 を発表。 雑誌は3日間で売り切れ、賛否両論が世界中に広がった。 いわゆる「コティングリー妖精事件」である。 本書は、写真が大衆に普及する前に起きた“事件”を、 その発端から証拠や証言、反響などをまとめ、 妖精の実在の真偽を世に問いかけた、 貴重なドキュメントだ。 日本における妖精学の第一人者・井村君江による解説も収録。

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