小説・文芸 - 角川書店単行本作品一覧
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3.5金出づる国、燦という大国が支配する世界。貧しい土地で育ち、産んだばかりの子を奪われた環璃(ワリ)は、ひとり輿に乗せられ運ばれていた。「皇后星」に選ばれた環璃は、次の燦帝候補である四人の藩王のもとを巡って閨をともにすることになる。その道中で山賊に襲われたところを助けたのは、触れた男を一瞬で塵にする不思議な力を持った女性・チユギだった。その力に憧れながらも、帝までたどり着いて成し遂げるべきことを決意した環璃。運命に抗い、死と隣り合わせの旅を生き抜こうとするが――。彼女がたどり着いた、女が産み、男が支配する世界を変える「忘れられた物語」とは?
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4.0「あたしのシットはあたしが決める」 ベビーシッター、場の夜間作業員にホステス、社食のまかない、HIV病棟のボランティア等。「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々の「他者のケアをする仕事」を軸に描く、著者初の自伝的小説にして労働文学の新境地。 「自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ」 シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。店員、作業員、配達員にケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。 他者のケアを担う者ほど低く扱われる現代社会。自分自身が人間として低い者になっていく感覚があると、人は自分が愛せなくなってしまう。人はパンだけで生きるものではない。だが、薔薇よりもパンで生きている。 数多のシット・ジョブを経験してきた著者が、ソウルを時に燃やし、時に傷つけ、時に再生させた「私労働」の日々、魂の階級闘争を圧巻の筆力で綴った連作短編集。 ■声を出さずに泣く階級の子どもがいる。 ■水商売では年齢と美醜で判断されて、失礼な言葉や態度を許容することでお金を貰う。失礼を売り、失礼を買う。失礼は金になるのだ。 ■何かを感じたり、ムカついたりする主体性のある存在として認識しない者は、相手の賃金だけでなく、人間としての主体性さえ搾取している。 ■革命とは転覆ではなく、これまでとは逆方向に回転させることなのかもしれない。 【目次】 第一話 一九八五年の夏、あたしたちはハタチだった 第二話 ぼったくられブルース 第三話 売って、洗って、回す 第四話 スタッフ・ルーム 第五話 ソウルによくない仕事 第六話 パンとケアと薔薇 あとがき ※本書は「小説 野性時代」2021年4月号、22年1月・5月・9月号、23年1月・5月号に掲載された作品を書籍化したものです
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3.2婚約破棄。勤務先の倒産。そして母からの「あんたみたいに、取り柄がないのにわがままな娘は、男の人で人生が決まるの」という言葉に、趣味で続けてきたフラメンコを取り柄にしようと渡西することを思い立った莉子。 両親に逆らい始めたマドリードでの生活は、自由そのもののように思えたが、日本人コミュニティの狭さや言語と文化の壁、そして日本に置いてきたはずのしがらみが莉子を悩ませる。 そんなスペインの暮らしの中で、フラメンコの開祖と言われる日本人女性と出会い、彼女のフラメンコへの思い、そして踊り手にかける掛け声「アグア」(水=必要不可欠な物)の意味を知った莉子は、自分にとっての「アグア」は何なのかを考え始める。
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4.0どいつもこいつもワルばかり! 生き物たちのおどろくべき生態!! 【天才的な自然のしくみがこの1冊で丸わかり!】 まじめな魚をだまくらかして子育てをおしつけるナマズや、かわいいテントウムシを黒魔術でゾンビ兵士にかえてしまう寄生バチなど、自然界には天才的なワルばかり! マンガと解説で生き物たちのおどろくべき生態を紹介! 寄生する天才(ワル) テントウハラボソコマユバチ 大草原の天才(ワル) プレーリードッグ ドレイ狩りの天才(ワル) サムライアリ 変身する天才(ワル) サンショウウオ ペンギンを狩る天才(ワル) ヒョウアザラシ 母を食う天才(ワル) ムレイワガネグモ ヒトデ狩りの天才(ワル) フリソデエビ 子育てサギの天才(ワル) カッコウナマズ などなど… ワルでないと自然界は生きぬけない! ワルとは天才なのだ! ぼくらのすむ地球は、天才生物がひしめく奇跡の星なのである。
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4.0嫁さんは、死んでもまだこの世にうろついているんだよ―― 大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻・倭子の死を受け入れられずにいた。 未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。 巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。 倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。 エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、 倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。 壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。 家に、死んだはずの妻がいる。 この世に留めるのは、未練か、呪いか。 選考委員満場一致、大絶賛! 第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!
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-ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)の世界設定に基づく、世界2千万部超の大ベストセラー・本格ファンタジー小説シリーズの初期12作品を美しく読みやすい日本語でお届け! 残忍にして邪悪な、闇に墜ちたエルフ「ダークエルフ(ドロウ/D&Dのルールブック内では「ドラウ」と表記)」。その一員として生まれたがために世界中で忌み嫌われてしまう、心優しい二刀流剣士ドリッズトの苦悩と活躍を描く、剣と魔法の冒険活劇ファンタジー『ダークエルフ物語』の、2024年4月時点で邦訳されている全12作品を、各表紙もそのままに1つの合本にした全巻セット! この『ダークエルフ物語』は、米国では『ドラゴンランス』と双璧をなす、大人気シリーズである。『ドラゴンランス』同様、RPGの元祖にして、世界一膨大かつ緻密な資料群を擁する最強の会話型RPG「D&D」の世界観をベースにしているため、リアリティと深みのあるファンタジー世界を堪能できるのが人気の秘密。PCゲーム「バルダーズゲート」「アイスウィンド・デイル」などとも世界観を共有しており、その痛快かつスピーディーに展開する「剣と魔法」のアクションの世界は、ゲームファンも大注目の作品である。 ※『ダークエルフ物語4』~『同6』に関しては、羽田紗久椰氏による新訳を採用しています。旧・富士見書房版や旧・アスキー版の訳文(いずれも風見潤氏が翻訳したもの)は一切含まれていませんのでご注意ください。 ★★2024年発行となる本書の内容・訳文は、全く新しい訳文を採用している『ダークエルフ物語4』~『同6』を除き、2019年~2023年に弊社から電子配信をしておりました同名作品とすべて同一です。重複してご購入されませんよう、ご購入に際してはご注意くださいますようお願いします★★
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-年間150試合を解説するMLBジャーナリスト・AKI猪瀬が圧倒的知識と情報量で 「メジャーリーグ×本塁打王」の価値を解き明かす! 日本人、アジア人で初めてMLBでホームラン王を獲得した大谷翔平。偉大なる快挙に世界中が沸いた。 ロサンゼルス・ドジャースに移籍し、打者専任が決まっている2024年シーズンに2年連続戴冠の期待が高まる。 野球の花形であり、ファンをもっとも魅了するホームラン。日本屈指のMLBジャーナリストがその魅力を紐解く。 大谷翔平が2023年に放った全44本はもちろん、歴代名選手も本塁打も徹底解説。 永久保存版の「ホームラン大全」 【目次】 はじめに 日本人初のMLBホームラン王 第1章 2023年シーズン 大谷翔平ホームラン解説 1~22号 第2章 2023年シーズン 大谷翔平ホームラン解説 23~44号 第3章 ホームランの歴史と価値 第4章 ホームランで魅了した男たち 第5章 ホームランに憑りつかれた男たち 第6章 ホームランと年俸の関係性 おわりに 大谷翔平「MLB第2章」の幕開け