歴史・時代作品一覧

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  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    4.3
    永遠のヒーロー「鬼平」再来! 人気作家7名が、伝説の男に新たなる命を吹き込みます。 池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。 オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まりました。 「鬼平」誕生50周年を迎えた2017年。この記念すべき年に、7人の作家が「鬼平」へ新たな命を吹き込みます。 逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版。 門井慶喜が木村忠吾の食欲の夏を描けば、土橋章宏は平蔵と料理人の味対決、梶よう子は史実の長谷川平蔵に迫ります。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 各作品に池波正太郎のカット画を使用した、豪華な競作短編集をお楽しみください。
  • 京の恋だより 眠り医者ぐっすり庵
    5.0
    江戸で 旅の宿で 京で 眠りのお悩み、     解決します! 眠り猫も大忙し!?  お茶修業で出会った若き医者との恋の行方は…? 京都からきた老僧・長海和尚の眠りの悩みを解決した〈ぐっすり庵〉の松次郎と藍。実家の茶問屋・千寿園の跡継ぎ娘として、京のお茶のもてなしの心を修業するよう勧められた藍は、長海とともに京へ向かう。旅先での騒動も経てたどりついたのは宇治・萬福寺。若き医者・幸四郎の手伝いをすることになるが、そこにも眠れぬ悩みを持つ人々が……。 目次 第一章 長生き自慢  ぐっすり庵覚え帖 その壱 睡眠には、体力が必要? 第二章 京への道行き  ぐっすり庵覚え帖 その弐 旅先でも、ぐっすり眠ろう! 第三章 養生ぎらい  ぐっすり庵覚え帖 その参 健康のお供に。スマートウォッチを活用しよう! 第四章 隠居の亭主  ぐっすり庵覚え帖 その肆 一番人気は、夫婦別ベッド?
  • 剣客同心 上
    3.0
    南町奉行所の隠密同心長月藤之助の息子・隼人は、日々剣術道場で汗を流す十七歳の若者。無口ながらも実直で、剣も手練れの父を見て育った隼人は、藤之助のような同心になりたいと感じていた。だがその矢先、藤之助は、事件の探索中に謎の刺客に襲われ、帰らぬ人となってしまう。父が追っていた事件は、なんだったのか。父の仇を討つため、隼人は事件を追うことを決意するが――。傑作時代長篇、待望の文庫化(全二巻)(解説・細谷正充)
  • 徳川の夫人たち 上 新装版
    3.5
    徳川三代将軍・家光が生涯で唯一愛した側室・お万の方の一生を描く、著者晩年の代表作。徳川三代将軍家光が見初めた女性は、公卿・六条家の出身で格式ある尼寺の院主となる17歳の娘だった。無理やりに還俗させられ“お万の方”と名を与えられた彼女は、春日局をはじめとする大奥の女人たちからの嫉妬を受けながらも、たおやかに「女の園」を生き抜いていく。

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  • 長兵衛天眼帳
    3.8
    日本橋の村田屋は創業百二十周年の老舗眼鏡屋。そのあるじの長兵衛は、すぐれた知恵と家宝の天眼鏡で謎を見通すと評判だった。 ある日、目明かしの新蔵が長兵衛に助けを求めてくる。住吉町の裏店で起こった人殺しの本当の下手人を挙げるのに長兵衛の力を借りたいという。 浜町の目明かし・巳之吉が、殺人が起こった長屋の者たちの手を検分して、手が汚れていたというだけでそこに住まう十七の娘おさちに縄を掛けたという。 ろくな調べもせずに罪なき娘を引き立てたことに怒りを覚えた長兵衛は、広い人脈と持ち前の人柄を発揮して事件を解決に導く。 長兵衛の評判がますます高まる中、今度は木場の檜問屋・福島屋矢三郎の遺言状の真贋鑑定を依頼される。 息子の豊太郎に遺されたものの他に、矢三郎の弟・新次郎の許にも遺言状があるのだという。 長兵衛は天眼鏡で真贋を明かすが、福島屋を自分のものにしたい新次郎の企みによって、事態は思わぬ方向へ動き……!?
  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一
    4.0
    盟友・橘逸勢らと共に、遣唐使として長安に入った若き僧・空海。密教の真髄を「盗みにきた」と豪語する空海は、ありあまる才で多くの人を魅了していく。一方長安では、奇怪な事件が続いていた。役人・劉の屋敷に猫の化け物が取り憑き、皇帝の死を予言したという。噂を聞いた空海と逸勢は、劉家を訪れ妖猫と対峙することに。その時から2人は、唐王朝を揺るがす大事件にかかわることになる──! 中国伝奇小説の傑作ここに開幕。
  • 敗走記
    3.9
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦争を生き抜いた著者がつづる生と死の物語 戦記ドキュメンタリー完全復刻! 昭和19年、南太平洋ニューブリテン島中部、部隊は壊滅的打撃を受けたものの、ひとり生き延び、仲間の鈴木と合流することに成功する。そして断崖を通り抜け道なき道を進み、敗走を続けた。敵に追われ、飢えや渇き、暑さに苦しみながらも九死に一生を得た著者が綴る、生と死の物語。戦記漫画の傑作を6編収録。
  • 昭和の名将と愚将
    3.9
    恩賜の軍刀を与えられた秀才組に名将はいなかった 責任感、リーダーシップ、戦略の有無、知性、人望……昭和の代表的軍人22人を俎上に載せて、敗軍の将たちの人物にあえて評価を下す。 第一章 栗林忠道 第二章 石原莞爾と永田鉄山 第三章 米内光政と山口多聞 第四章 山下奉文と武藤章 第五章 伊藤整一と小沢治三郎 第六章 宮沢繁三郎と小野寺信 第七章 今村均と山本五十六 第八章 服部卓四郎と辻政信 第九章 牟多口廉也と瀬島龍三 第十章 石川信吾と岡敬純 第十一章 特攻隊の責任者 大西瀧治郎・冨永恭次・菅原道大 *電子書籍版では掲載されていない写真があります。
  • 深尾くれない
    4.3
    深尾角馬は藩の剣法指南役も務め、藩主の覚えもめでたい。しかし姦通した新妻、後妻をも無残に斬り捨てた角馬の狂気に、周囲は恐れる。やがて一人娘の不始末を知り……。武骨にしか生きられなかった剣客の壮絶な最期までを描いた長編小説。
  • 竜馬がゆく(一)
    4.3
    総発行部数2500万部超! 坂本竜馬の奇蹟の生涯を壮大なスケールで描く、司馬文学の金字塔、遂に電子化! 土佐の郷士の次男坊に生まれながら、ついには維新回天の立役者となった坂本竜馬の奇蹟の生涯を、激動期に生きた多数の青春群像とともに壮大なスケールで描きあげる。司馬遼太郎の永遠のベストセラーが半世紀の時を経て、電子版で新たによみがえる! 第1巻/生まれ落ちたときから背中一面に旋毛がはえていたため、豪気な父は、“千里の駿馬”になるかもしれないと、竜馬と名付けた。が、十二になっても寝小便する。近所の子から「坂本の寝小便ったれ」「坂本の泣き虫」 とからかわれ泣かされて帰ってくる。字を満足に覚えられず、寺子屋の師匠に見捨てられる。そんな竜馬は、十四歳の時に小栗流の道場に通いはじめてから、にわかに顔つきまで変わっていった。竜馬は強い――。幼年時代から、江戸での剣術修業、奥手だった青年時代、人斬り以蔵、桂小五郎との出会いなどを描くシリーズ第1作
  • 新装版 大坂侍
    4.0
    儲からないことするヤツはアホや! 明けても暮れても金、金の大坂では武士道も額面通りには通らない。義のために突き進もうと、鳥居又七は江戸の彰義隊に参加したが……。幕末大坂の武士と町人の気風を語る表題作の他、いずれも、上方の心意気を軽妙な筆致で描き、意外な結末が魅力の好短編5本を収録。
  • 隠密 味見方同心(一) くじらの姿焼き騒動
    3.8
    南町奉行所きっての腕利きと噂される臨時回り同心・月浦波之進に特命が下った。「江戸の食いもの屋の動向を探れ」と。調べに必要な飲み食いの掛かりは、すべて請求できるという。十手を羽織の下に隠し、隠密捜査を始める波之進。―その折、金貸しが殺された。生前にその男が告げたある料理。波之進は、その料理を手がかりに、下手人を捜す。謎をはらんだ珍妙な食物が次々登場。軽妙洒脱、仰天推理の傑作時代小説開幕!
  • 利休にたずねよ
    4.1
    女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭に昇り詰めていく。刀の抜き身のごとき鋭さを持つ利休は、秀吉の参謀としても、その力を如何なく発揮し、秀吉の天下取りを後押し。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、理不尽な罪状を突きつけられて切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。また、利休の「茶の道」を異界へと導いた、若き日の恋とは…。「侘び茶」を完成させ、「茶聖」と崇められている千利休。その伝説のベールを、思いがけない手法で剥がしていく長編歴史小説。第140回直木賞受賞作。

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  • 絡繰り心中<新装版>
    4.3
    直木賞作家の珠玉にして衝撃のデビュー作!  旗本の息子だが、ゆえあって家を出て町に暮らし、歌舞伎・森田座の笛方見習いをしている遠山金四郎は、朝帰りの日本堤田んぼで、女の骸を見つけた。  花魁の雛菊が斬り殺されていたのだ。  昨夜、狂歌師にして、戯作者でもある大田南畝の御伴で吉原遊廓で戯れた折、金四郎の隣に座っていた稲本屋の女だ。  胸の靄が晴れぬ中、興行の手伝いに戻る金四郎だったが、急に遠国に派遣されていたはずの父・景晋に呼び出され、素行を糺される。  景晋と旧知の間柄で、金四郎を心配して顔を見せた南畝の咄嗟の機転で難を逃れるも、なぜか雛菊の下手人探しをする羽目に――。  雛菊に妙な縁がある、森田座の役者絵を手掛ける浮世絵師・歌川国貞とともに、事の真相を探り始める金四郎。  調べるうちに、雛菊は座敷に出るたびに相手の男へ心中を持ちかけていたことが知れる。  一体何が雛菊を死へ向かわせたのか?  心中を望む事情を解き明かしたはいいが、重荷を背負った金四郎は……。  直木賞作家の珠玉にして、衝撃のデビュー作。
  • 敗者烈伝<文庫版>
    4.0
    信長も光秀も皆敗者だ―― “敗れた英雄”に学べ! 歴史に学び、現代を勝ち抜くヒントがこの一冊に!! 河合敦さん絶賛!(『早わかり日本史』著者) 本能寺で織田信長を討った明智光秀は、なぜ数日で勝者から敗者へ転落したのか―― 歴史小説界の旗手・伊東潤が、古代から戦国、幕末・明治まで、 日本史上に燦然と輝きを放ち、敗れ去った英雄たち25人の「敗因」に焦点を当て、 真の人物像、歴史の真相に迫る歴史エッセイ。 源頼朝、徳川家康ら、最後まで勝ち抜いた歴史の勝者を語る「勝者烈伝」併録。 【本書で取り上げた人物】 蘇我入鹿――頂点から一気に没落した国際派 平 将門――調子に乗りすぎた野心家 藤原頼長――厳格に過ぎた摂関政治の護持者 平 清盛――事を急ぎすぎてすべてを失った独裁者 源 義経――己の力量を過信した天才武将 高 師直――建武の新政をぶち壊した婆娑羅者 足利直義――愚兄への甘えから墓穴を掘った賢弟 足利義政――戦国時代を招いた無気力将軍 太田道灌――己の手腕を頼みにしすぎた大軍略家 今川義元――一瞬の油断が命取りになった海道一の弓取り 武田勝頼――人間洞察力に欠けた最強の侍大将 織田信長――己を克服できなかった史上最強の英傑 明智光秀――白と黒の二面性を併せ持った謀反人 北条氏政――慎重さが足枷となった名家の四代目 豊臣秀次――独裁者に操られた悲劇の後継者 石田三成――有能でありながらも狭量な困った人 豊臣秀頼――時代の波に押し流された賢き人 天草四郎――勝算なき戦いに駆り出された美少年 徳川慶喜――思いつきで動き回って自滅した小才子 松平容保――将軍に利用されて捨てられたお殿様 大鳥圭介――最後まであきらめない理系指揮官 榎本武揚――薩長政府に徹底抗戦した気骨の人 江藤新平――正義を貫きすぎた硬骨漢 西郷隆盛――肥大化した人望にのみ込まれた人格者 桐野利秋――西郷への敬愛に殉じた最後の志士 コラム「勝者烈伝」 源頼朝――恐妻家の墓穴 足利尊氏――気分屋天下を取る 徳川家康――敵を知り、己を知れば―― 大久保利通――そして誰もいなくなった
  • むすび橋 結実の産婆みならい帖
    3.3
    幕末の八丁堀界隈で、産婆を志し奮闘する結実の物語。出産で亡くなる母子が今よりもずっと多かった時代、お産はまさに命がけ。命が生まれる現場で葛藤しながら、成長していくひとりの女性の姿を描く感動作。書き下ろし時代小説。
  • 激突!日米太平洋海戦1942(1)二つの国連――連盟 vs 連合の対決
    -
    1937(昭12)年、国際連盟を脱退した日本は、イギリス、フランスなどと組んで国際連合を創設した。ここに世界は、アメリカを中心とする連盟と、日英仏を中核とする連合の対決の構図となってしまった。それから5年後、アメリカは世界の盟主として、発展を続けるドイツに侵攻し、占領、支配するなど横暴を極めた。そして遂に日本が信託統治する内南洋の島々を手離すように要求し、艦隊を派遣してきたのである。1942(昭17)年、緒戦はアメリカ太平洋艦隊の全力出撃に、戦力を小出しにした日本軍の完敗だった。これに懲りた日本は、連合艦隊の総力をあげて出撃した。しかし、最前線で連合艦隊を待ち受けていたのは、空母グラーフ・ツェッペリンや戦艦ティルピッツを中心とするドイツ海軍だった。果たして日本に勝機はあるのか?国際政治と軍事力、ふたつの要素を取り込んだ戦記シミュレーション。新機軸満載の迫力、戦闘シーンは読者の度肝を抜く。
  • 新・時空戦艦『大和』〈1〉米・呉軍港大奇襲
    -
    2002(平成14)年4月―。構造改革を唱える小泉健太郎総理が靖国神社で突如、行方不明になった!?極秘に捜索が進められるが、一人息子、小泉夏彦のもとに2020年の日本から来たという理化学研究所員・寺崎保が訪れる。彼が言うには小泉総理は1941年12月にタイムスリップしてしまったのだという…。1941年12月4日。真珠湾奇襲を画策する連合艦隊司令長官・山本五十六は、季節外れの台風のため足止めを余儀なくされていた。憲兵隊の用意してくれた車で旗艦『長門』に向かう山本を、アメリカ領事館の刺客が襲う。長官の運命は!?一方、在フィリピンの極東軍司令官マッカーサーは、ルーズベルト大統領に日本本土の奇襲を提案する。将軍たちは反対したが、ルーズベルトは、日本海軍の脅威を重大視して呉軍港の奇襲を許可する。お互いに奇襲を狙う日米は、どちらが先手をとるのか!?ロマンの復活を目ざす草薙圭一郎が活写する、胸躍らされる超弩級スペクタクル架空戦記シリーズ第三弾、いよいよ開始。
  • 新・平家物語
    -
    平家物語を題材にした吉川英治畢生の大作『新・平家物語』に、史実や紀行、創作秘話を綴った『随筆 新平家』を加えて読みやすく編集。全16巻セットで合本した電子書籍完全版です。 【目次】 新・平家物語  “はしがき”に代えて  ちげぐさの巻  九重の巻  ほげんの巻  六波羅行幸の巻  常磐木の巻  石船の巻  みちのくの巻  火乃国の巻  御産の巻  りんねの巻  断橋の巻  かまくら殿の巻  三界の巻  くりからの巻  一門都落ちの巻  京乃木曾殿の巻  ひよどり越えの巻  千手の巻  やしまの巻  浮巣の巻  壇ノ浦の巻  悲弟の巻  静の巻  吉野雛の巻  完結のことば 随筆 新平家  はしがき  新平家落穂集―筆間茶話―  新平家雑感  新・平家今昔紀行
  • 虹に立つ侍(上)
    -
    飄然と江戸の宵を歩いていた笹井又四郎は、尼崎十万石のお家騒動にまきこまれる。藩主・松平伊勢守が引退し、跡目は嫡子・寿五郎が、将軍家の喜久姫と縁組して継ぐことになっていた。が、家老・岩崎の一党は妾腹の松之丞を推して策動、寿五郎を監禁した。喜久姫との婚約の日は迫っている……。「謎の侍」笹井又四郎は立った。機略に富み剣は無双、彼が女元締め・お香と「のぞき屋」源太を手下に、先ず打った奇手。それは単身、喜久姫を説得して婚儀を延ばすことであった。次に彼は如何にして、寿五郎を厳戒の中から救出するのか。素浪人を装う又四郎とは、そも何者なのか!? <上下巻>
  • 女刺客人~尼僧お庭番~
    -
    将軍吉宗の御落胤、と名乗り出た天一坊は、ニセ者として処刑された。だが、それは替え玉であった!? 腕利きの女忍者・鈴鹿は、密かに生母の故郷へ落ちのびる真の天一坊に同行する。一方、天下の乱れを案じ、天一坊を亡き者にしようとする公儀や尾張・紀州の刺客が、執拗に行く手を阻む。妖艶な女刺客やくノ一の対決を描く、官能時代傑作第三弾!
  • 国定忠治
    -
    土地の親分を斬って旅に出た国定忠治が関八州を股にかけ、なじみの深い府中宿にさしかかると、恩義ある万太郎親分が殺されて一家は離散、いとしいお光は行方不明と聞かされた。たちまち若い仁侠の血は恋と意地に燃えたぎる。市井無頼の徒のいだく悲しい英雄主義、厳しく美しい義理人情……。昭和七―八年、東京日日新聞連載。股旅ものの第一人者として作者の盛名をはせた傑作。
  • 黒幕
    3.8
    徳川家康のめぐらす謀りごとを実現すべく働き抜いた山口新五郎は、江戸開府後、六十歳を過ぎて初めて女体に接した。そして二度も十代の嫁を娶ることになる、この男の生涯を描いた「黒幕」。夫の仇と襲った相手が従容として、己れの左腕を斬り落とさせる姿に心を打たれ、その男の妻となる戦国の女を描いた「猛婦」。他に「勘兵衛奉公記」「槍の大蔵」など、初収録4編を含む11編を収録。

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  • 柴錬捕物帖 岡っ引どぶ 巻一
    -
    1~3巻330~660円 (税込)
    柴錬痛快捕物帖登場! 岡っ引「どぶ」は、《まずい面である。極端に目が小さい。鼻孔がひらいているし、口も大きかった。頤(おとがい)が張り出していて、ちょうど将棋の駒のかたちをしている。よれよれの唐桟留(とうざんどめ)は、冬でも夏でも、これ一枚の着たきり雀の無精さで、入る金は、ことごとく酒と女に費されてしまっているあんばい》…こんな「どぶ」が、奇怪な事件を見事に解決していく。

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  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
    3.9
    江戸に拡がる暖かい煮炊きの煙。人はね、当たり前のことがおもしろくないんだよ。裏返しや逆さまが好きなのさ――のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ。夫との心のすれ違いに悩むのぶを、いつも扶(たす)けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅・忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。 ◎「読み進むほどにページを繰るのが早くならずにはいられない小説がある。この小説もそうだった」<塩田丸男「解説」より>
  • 尼僧お庭番
    -
    紀州藩の内紛により、若君国松は行方不明。生家の不祥事に心を痛める将軍吉宗。腕利きの忍者・鈴鹿尼は、若君探索の旅へ。くノ一の妖艶な色香を駆使して阿波の国に潜入した彼女は、そこで若君と同じく紀州家の血をひく、少年天一丸に出会った。果たして彼の正体は? のちに、将軍吉宗の座を揺るがした、“天一坊事件”にまつわる秘話。妖美な女忍者を描く痛快巨編(シリーズ第2弾)。
  • 白山 夜叉の肌
    -
    八代将軍吉宗の時代、花の吉原を血に染めた花魁殺しをきっかけに、御三家の尾州宗春が謀反? 不穏な噂が流れ、全国の遊里に“白山秘密曼陀羅護符”が大量に出廻って人心を惑わす。お庭番・鈴鹿尼は、弟子の浅尾と加賀国へ潜入。だが、領主・前田家をも揺るがす複雑なお家騒動の渦中で、思わぬ危地に……。秘術の限りを尽くす、くノ一との死闘。
  • 読売屋 天一郎
    4.0
    築地の読売《末成り屋》。その主、水月天一郎の元へ勘定吟味役と水油仲買商人が癒着しているとの情報が入った。探索を始めた天一郎はすぐに何者かに襲われる。そして、新たに入った情報を追う天一郎の前に現れた侍たちの影。正義のため瓦版に命をかける天一郎の剣が煌めく。迫力の剣戟に胸躍る展開、心を打つ物語――。大人気の著者が放つ渾身の新シリーズ第一弾。
  • 江戸群盗伝
    -
    あがきのとりようとてない階級制度という檻の中で、一切の希望を放棄してしまった美貌の剣士・梅津長門、島破りの巾着切り三日月小僧、博徒の喜三郎、ヒョットコ三次らの御一党に、美女・雪姫や鉄火の遊女を色あざやかに配し、対する敵役には、奇怪な剣豪あり、密輸で富む幕府の重臣ありで、場面の変転も、もののみごとに、恋と欲と意地とに燃え狂う大江戸を痛快に活写した傑作。
  • 悪手斬り 居眠り同心影御用16
    -
    例繰方(れいくりかた)幹部から影御用。 凄腕与力が下した吟味に疑惑、再調査せよ! 同心の死に事件性はなし? 吟味方切れ者与力の沙汰に居眠り同心が斬り込む! 伝馬町の牢の盗賊は本物? 岡っ引京次、捨て身の潜入! 北町奉行所の元筆頭同心で今は居眠り番と揶揄される蔵間源之助の許に、例繰方与力の桃井陣十郎が訪れた。配下の同心が大川で溺死したが、その死に事件性はなしと断じた吟味方凄腕与力の判断に疑念があるといい、内密に調査してほしいというのだ。一方、伝馬町の牢屋敷にいる盗賊「風の清次郎」が本物か否かを調べるべく、岡っ引京次は罪人に化けて牢に潜入したが……。
  • 嵐の予兆 居眠り同心影御用12
    3.0
    箱根の牢にいる盗賊が江戸で連続殺人事件? 同心父子に迫る危機! 居眠り同心の息子源太郎は大盗賊「極楽坊主の妙蓮」を護送する大任で雪の箱根へ。 父の源之助には妙蓮絡みで奇妙な影御用が舞い込んだ。 居眠り同心と揶揄される蔵間源之助の息子源太郎は北町奉行所の見習い同心。箱根の関所で捕縛された大盗賊・極楽坊主の妙蓮を江戸まで護送する大役を果たすべく、西に向かった。一方、元筆頭同心で凄腕の父源之助の許に、妙蓮絡みの奇妙な影御用が舞い込んだ。箱根の牢にいるはずの妙蓮から命を狙われている亭主を守ってほしいという女房からの依頼だった……。
  • 逢魔の天狗 居眠り同心影御用28
    3.0
    陸奥国白河藩十一万石の元老中松平定信から影御用。藩金横領の殺人侍を捜せ! 薬研堀で評判の名医が上司斬殺の脱藩侍!? 記憶喪失者の真実は? 元筆頭同心で今は居眠り番、思いもよらぬ真犯人を暴く。 謎解きの鍵は? ひょんなことで閑職に飛ばされた凄腕の元北町奉行所筆頭同心「居眠り番」蔵間源之助に極秘の影御用が舞い込んだ。陸奥国白河藩十一万石の元老中松平定信からである。勘定方の林崎宗次という侍が上司の大谷幸之介から藩の公金横領のことで叱責され、逆上して大谷を斬殺、刑場への途路、逃亡して江戸へ出奔。ついては、この林崎を捜し出してほしいというのである。
  • うぽっぽ同心終活指南(一)
    4.0
    臨時廻り同心の長尾勘兵衛は、還暦の今も江戸市中を歩きまわっていた。同年配の同心たちはほとんど隠居したが“うぽっぽ”は変わらない。勘兵衛は、十数年前に島送りとなった男の帰りを娘に伝えるか逡巡していた。そのとき偶さか居合わせた若い侍から身の潔白を訴えられて……。傑作捕物帳シリーズ新章、待望の書き下ろし。〈解説〉細谷正充
  • 炎剣が奔る 居眠り同心影御用23
    3.0
    第6回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞受賞 真夏の夜の奇妙な捕物。賭場が忽然と消えた! 更に謎の毒殺事件も…。 五千石の大身旗本屋敷での怪談噺の会で居眠り源之助が目撃した幇間怪死事件! 盗人朝霧一味の一万両は? 源之助一家三人同心が挑む。 本所の妙法寺を五十人の捕方が囲んだ。寺社奉行からの応援要請で南町奉行所、火盗改も加わり踏み込んだ。ところが……。あるはずの賭場が消えた。寺の隣には、大番頭であった五千石の大身旗本・上柳右兵衛督安信の隠居屋敷があった。屋敷では病身の隠居のため、怪談噺の会が開かれているという。北町奉行所の元筆頭同心で今は居眠り番の蔵間源之助は、その会に招かれ…。
  • おひで―慶次郎縁側日記―
    4.0
    深傷を負って慶次郎のもとに引き取られた娘・おひで。惚れた男にも捨てられてやけっぱちになっていたおひでも、優しくいたわってくれる下働きの佐七には心を開くようになるが、そのとき再び凶刃が振り下ろされた……。行き場のない人間のせつない思いを、温かく受け止める慶次郎、そして晃之助や玄庵たち。お馴染みの山口屋の寮を舞台に展開する人情捕物帖。大人気シリーズ第三弾。
  • 恩讐の香炉 居眠り同心 影御用30
    3.0
    シリーズ開始から丸9年――最終回、第30弾 元老中松平定信が白昼、居眠り同心の目の前で「貴船党」に拉致された。 家宝「鳳凰の香炉」と交換に定信の身を返すとの文が。 大納言三条錦卿が三十年前、老中定信に受けた遺恨を晴らすためだというが……。 北町奉行所の元筆頭同心で今は“居眠り番”の蔵間源之助は、元老中で隠居の白河楽翁と鉄砲洲の鰻屋で食事をした直後、店の前で何者かに襲われ昏倒。その隙に楽翁は貴船党を名乗る一団に拉致され、身代金として松平家の家宝「鳳凰の香炉」を要求された。翌早朝、奥女中が貴船党の指定場所に香炉を運び、楽翁は……。家宝の香炉はいつの間にか贋物にすり替えられていた。
  • 虚構斬り 居眠り同心影御用21
    3.0
    偽同心が押し込み強盗。探索の居眠り源之助に将軍御曹子から影御用。 続く奉行所醜聞騒動の陰に三千石名門旗本家への将軍庶子養子入りの噂! 元筆頭同心で今は居眠り番、蔵間源之助が真相に迫る! 南町奉行所の同心を騙る侍一味による押し込み事件が江戸を騒がせている。北町の元筆頭同心で今は居眠り番に左遷された蔵間源之助に、奉行を通して、将軍御曹子から『影御用』が舞い込んだ。偽同心事件はじめ奉行所の権威を揺るがす醜聞騒動を追うなかで、三千石名門旗本家への将軍庶子養子入りの噂が浮かんだ。源之助は将軍御曹子を連れて町廻りに出かけたが……。
  • 再会―慶次郎縁側日記―
    3.3
    誰にでも、忘れられぬ人がいる。思い出し、心乱れることがある――。十数年ぶりで、昔の女に出会った岡っ引の辰吉。「亭主と別れたい。でなけりゃ死んでしまいたい」。すがる女に、つい手を貸したのが運のツキ。“再会”の甘い感傷は一転、とんだ事件に巻き込まれ……。女の亭主と岡っ引に追われる辰吉の窮地を救うは、むろん我らが慶次郎。円熟の筆致が冴える人気シリーズ第二弾!
  • 七福神斬り 居眠り同心影御用13
    3.0
    元普請奉行が殺害され亡骸には奇妙な細工! 七福神巡り殺人が続く。 向島七福神巡りの名所で連続する不思議な殺人事件。元筆頭同心の父源之助と新任同心の息子源太郎は、事件の裏に潜む巨悪に挑む。 弥生一日、江戸庶民が向島七福神巡りで最初に訪れる「三囲稲荷」で侍が殺された。しかも、咽喉を抉られた亡骸には奇妙な細工が……。侍は元普請奉行で千五百石の直参旗本であった。さらに他の七福神巡りの名所でも……。謎を解くべく北町奉行所の元筆頭同心で今は「居眠り番」の蔵間源之助と定町廻り同心に昇進した息子の源太郎による「親子御用」が始まった。
  • 十万石を蹴る 居眠り同心影御用18
    -
    やくざが大名になる!? 世継ぎ騒動に揺れる美濃恵那藩から影御用。 十二歳で大名家を出された若君が十一年ぶりに帰った。長男が急逝したためである。 若君は果たして本物なのか。居眠り同心、捨て身の探索。 徳川譜代の名門、美濃恵那藩十万石の江戸藩邸から公用方の大浦喜八郎が、北町奉行所から帰途の蔵間源之助に、越中橋の袂で声をかけた。くれぐれも口外無用にと、内密の影御用を依頼してきたのである。元凄腕の筆頭同心で今は居眠り番と揶揄される源之助に、十二歳で大名家を出て十一年ぶりに帰ってきた藩主次男の真贋を探索してほしいというのである。
  • 正邪の武士道 居眠り同心 影御用29
    3.0
    不可解な辻斬りが続発。背中から斬りつけ、銭六文だけを残す……。 六文は三途の川の渡し賃。単なる洒落ではあるまい。 四万五千石の大名の後継ぎに絡む「影御用」を受けて、元筆頭同心の源之助は……。 不可解な辻斬りが続発。侍ばかりが背中から斬りつけられ、遺体には銭六文だけが残されていた。北町奉行所の元筆頭同心で今は閑職“居眠り番”の蔵間源之助に駿河三島藩四万五千石の藩主後継から、奇妙な影御用が舞い込んだ。側室にと見初めた町娘の素性調査。あまりに単純な御用に思えたが、折りからの辻斬り事件との絡みで、意外な展開が待ちかまえていた。
  • 峠―慶次郎縁側日記―
    3.7
    山深い碓氷峠で、思いがけず人を殺めた薬売りの若者。江戸に逃れ、別の人間になり変わって生きようとするが、過去を嗅ぎつけた者たちに狙われ、底知れぬ運命の変転に呑み込まれることに。一瞬の過ちで人生の「峠」を踏み外し、幸せから遠ざけられて捩れてゆく人間たちに、慶次郎の慈悲の心は届くのか――。晃之助、玄庵、佐七ら、お馴染みの面々の活躍も冴える、好評シリーズ第四弾。
  • 春風の軍師 居眠り同心影御用22
    3.0
    今孔明と噂の若き軍師、榛名一揆三千を率いて三万の討伐軍を翻弄! 元老中松平定信から直々に居眠り番源之助に影御用。軍師を注意深く見守れ! 一揆は終わったのではない。無用の血がまだまだ流れる。 北町奉行所の元筆頭同心で今は「居眠り番」の蔵間源之助は、数人の侍に襲われている男を助けた。男は、上州榛名で起きた三千人の一揆を指揮し四ヵ月にわたって三万の討伐軍を翻弄、和議に導いた若き軍師として、今江戸で話題の人であった。数日後、元老中で今は隠居の身の白河楽翁松平定信から直々に、影御用を賜った。話題の軍師を注意深く見守れというのである。
  • 蜩―慶次郎縁側日記―
    3.5
    「あの吉次親分が、所帯をお持ちなすった」驚いたのは慶次郎だけではない。小柄で貧相、意地の悪さは江戸で一、二の岡っ引・吉次に惚れるとは、どんな女だい? 一方に出現したのは“吉次の義弟”を名乗る不審な男。こいつはどうやら裏がありそうだ…。慶次郎、辰吉、晃之助らお馴染みの面々を巻き込んだひと夏の騒動を描いた「蜩」ほか全十二篇。江戸情緒溢れる好評シリーズ第五弾。
  • 風神狩り 居眠り同心 影御用11
    3.0
    居眠り源之助第11弾! 居眠り同心の息子を火盗改が「殺し」で捕縛。濡れ衣の陰に風神の牙。 北町奉行所の元筆頭同心で今は「居眠り番」の蔵間源之助の許に、火盗改から出頭されたしとの報が届いた。一人息子で同心見習いの源太郎が夜鷹殺しの現場で火盗改に捕縛されたというのである。源太郎は濡れ衣だと言い張る。折しも街道筋を荒らし回る盗賊「風神の喜代四郎」一味が跋扈していた。源太郎と秋に祝言を挙げる美津の兄、南町の凄腕同心矢作兵庫助と源之助は……。
  • 双面の旗本 居眠り同心影御用27
    3.5
    探索の徒目付が恐れる仏の如き五千石旗本の想像を絶する素顔とは。 ある日突然まるで別人に! 大身の旗本に何が起きた? 目付から源之助に影御用。夜鷹八人を連続して斬殺の「目潰し魔」との関わりは? 北町奉行所からの帰途、元筆頭同心で今は「居眠り番」の蔵間源之助は、徒目付大峰九郎兵衛から声をかけられ、近くの縄暖簾に招かれた。大峰は相方の坂東与三と二人で五千石旗本河合右京介の身辺を目付の命で探索していたが、坂東は報告書を提出した直後、切腹して果てたという。河合に追い詰められたようで、源之助に探索してほしいと影御用を依頼。その大峰もまた……。
  • 幻の赦免船 居眠り同心影御用26
    3.0
    八丈島からの赦免船が江戸湊に入ってきた時、『幻』の幕が上がった! 流人の濡れ衣を晴らせ──。 南町奉行の内与力と、十万石大名の抱え力士から、居眠り番源之助に影御用! 思いもよらぬ深い闇を暴け。 八丈島で一緒だった瓢吉って男の濡れ衣を晴らしてやってほしい──。この正月に赦免船で十年ぶりに江戸に帰った元関脇の寅吉が、居眠り番・蔵間源之助に頼み込んだ。深川の小間物問屋豊洲屋出入りの飾り職人・瓢吉は五十両を盗んだ咎で八丈に流されたが、無実を訴えつづけていたという。また、北町奉行の内与力からも、同様の依頼が舞い込んで……。
  • 無法許さじ 居眠り同心影御用17
    3.0
    火盗改の頭から直々に密偵連続殺害の謎解きを頼まれ死地に挑む! 元筆頭同心で今は居眠り番、蔵間源之助の目が覚めた。法で裁けぬ禁断の「往生堀」に巣食う悪党どもを許すな。「血飛沫の寛次」の謎とは? 北町奉行所の凄腕筆頭同心・蔵間源之助は故あって「居眠り番」と揶揄される閑職に左遷された。同心の矜持を保つべく始めた「影御用」だが、町中の打物屋に雨宿りした折、火盗改の頭から内密の探索を依頼された。八日間に三人もの火盗改密偵が謎の死を遂げたが、その真相を探ってほしいというのである。そして……。「往生堀」という無法地帯が浮かんできた。
  • 名門斬り 居眠り同心影御用14
    3.5
    将軍の側近くに仕える書院番組頭から影御用。 事態は思わぬ展開へ! 身を持ち崩した名門旗本の御曹司を連れ戻す単純な依頼に、一筋縄ではいかぬ深い陰謀が秘められていた。 同心父子にも危険が迫る! 居眠り源之助シリーズ、第14弾 北町奉行所の凄腕筆頭同心・蔵馬源之助は故あって「居眠り番」と揶揄される閑職に左遷された。同心の矜持を保つべく始めた「影御用」だが、今回は将軍の側近くに仕える書院番組頭で大身の名門旗本から直々に極秘の御用を依頼された。身を持ち崩した息子を連れ戻してほしいという。一見単純な依頼だったが、事態は思わぬ展開を見せ、殺人事件も……。
  • 野望の埋火(下) 居眠り同心 影御用25
    3.0
    一橋治済の天雲閣から謎の連続身投げ事件! 一日一善が悪を呼ぶ? 元筆頭同心の居眠り番に、蝦夷をめぐる抜け荷探索の影御用が舞い込んだ! 背後に今も松平定信を怨む治済、田沼意次四男の影! 玄蕃。父の仇、松平定信に煮え湯を飲ませ、屈辱にまみれさせ死に追いやれ──。将軍家斉の実父=一橋大納言治済は、先代将軍家治の世に権勢を誇った老中田沼意次の四男、田沼玄蕃頭意正に命じた。北町奉行所の元筆頭同心で今は居眠り番の蔵間源之助に新たな影御用が舞い込んだ。蝦夷を巡る抜け荷の探索であった。どうやら治済と田沼が絡んでいるらしい。
  • 野望の埋火(上) 居眠り同心 影御用24
    3.5
    八十歳超の剣客が連日、謎と戦慄の道場破り! 将軍の父の野望が蠢く。 将軍家斉の父=一橋大納言治済の大いなる企てを探れ。 元老中首座の松平定信から居眠り番源之助に影御用! 超法規『天罰組』の黒幕は? 八十歳を超える老剣客が連日、謎と恐怖の道場破り。老人の正体は?その目的は?その現場を北町奉行所筆頭同心で今は居眠り番の蔵間源之助も目撃。源之助の許に元老中首座の松平定信が訪れ、将軍家斉の実父=一橋大納言治済がなにやら蠢いている大いなる企てを探ってほしいと影御用。江戸の町は、法度を無視した『天罰組』が我がもの顔で動き回る。
  • 闇の狐狩り 居眠り同心 影御用15
    4.0
    奉行から極秘の下命! 将軍の鷹場で連続する猟奇殺人探索の影御用。 北町奉行所の元筆頭同心で居眠り番の蔵間源之助に覆面で斬りつけた侍が翌朝、寺社奉行の用人と称して秘密の御用を依頼してきた。 北町奉行所の元筆頭同心で今は居眠り番と揶揄される蔵間源之助は碁を打った帰り道、夜五つを回った頃、八丁堀の屋敷近くで、四人の黒覆面の侍たちに斬りかかられた。だが、腕は不確かなようで、数合ののち、四人は姿を消した。しかし、その翌朝、なんと四人のうちの首領格の男が源之助の仕事場を訪れ、寺社奉行の用人と名乗ったのである。そして秘密の御用を頼んできた。
  • 闇への誘い 居眠り同心影御用19
    3.0
    法で裁けぬ悪を誅して首を晒す「闇奉行」に、いま江戸中が大喝采! 人々の熱狂の陰で進行する闇の力による恐るべき企み。 寺社奉行から特命影御用! 折しも最愛の妻が襲われ居眠り同心に闇からの誘い。 闇奉行の真の目的は? 「この世には、罪を犯しながらも裁きを免れて、大手を振って生きておる連中がおる。そうした悪党に天罰を下すのだ」闇奉行と名乗る者の手で、罪を免れた悪党たちの打ち首が辻々に晒されつづける。北町奉行所の元筆頭同心・蔵間源之助は、今は居眠り番と揶揄される閑職だが、闇奉行を喝采する江戸中の熱狂に、恐るべき危うさを感知しはじめていた……。シリーズ第19弾
  • 流麗の刺客 居眠り同心影御用20
    3.5
    江戸の誰もが騙された一膳飯屋の人質事件! 底に潜む冷徹な企み。 元筆頭同心で今は居眠り番、蔵間源之助が浪人の籠もる飯屋で目撃した意外な光景。 謎が謎を呼ぶ不可解な事件。謎解きの鍵は少年の証言! 北町奉行所の元筆頭同心で今は閑職の居眠り番に左遷された蔵間源之助は、浪人が人質をとって立て籠もっている一膳飯屋「亀屋」に急いだ。浪人は、医者のもとに逃げた妻を連れて来ぬと人質の命はないという。その妻と共に駆け付けた源之助が亀屋で見たのは、己の同心の勘を打ち破る、想像を絶する光景だった。江戸中が騙された、謎が謎を呼ぶ事件とは?
  • かんじき飛脚(新潮文庫)
    3.8
    江戸老中松平定信から、内室同伴という前例のない宴に招かれた加賀藩主前田治脩。それは治脩の内室が病床にあることを知った定信が、藩を意のままにしようと企てた陰謀だった。窮地に陥ったお国の命運を救うため、選ばれたのは16人の飛脚。彼らの任務は、病の特効薬「密丸」を運ぶこと。行く手には、大雪、荒海、刺客が立ち塞がる――戦う男たちの心意気に圧倒される、骨太の傑作時代長編!(解説・児玉清)
  • 信長の原理 上
    4.2
    「垣根涼介の時代小説こそ  真に『独創的』という言葉がふさわしい。」 ――恩田陸氏 何故おれは、裏切られ続けて死にゆくのか――。 斯界の絶賛を受けた歴史長編、ついに文庫化! 織田信長は、幼少時から孤独と、満たされぬ怒りを抱えていた。 家督を継ぎ、戦に明け暮れていた信長はある日、奇妙な法則に気づく。 どんなに鍛え上げた兵団でも、働きが鈍る者が必ず出る。その比率は、幼い頃に見た蟻と同じだ。人間も、蟻と同じなのか……と。 信長は周囲の愚かさに苛立ちながらも、軍事・経済の両面で戦国の常識を次々と打破。怒濤の血戦を制してゆく。 不変の“法則”と史実が融合した革新的エンタテインメント!
  • うめ婆行状記
    4.2
    北町奉行所同心の夫を亡くした商家出のうめは、独り暮らしを楽しもうとしていた矢先、甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ、ひと肌脱ぐことを決意するが……。笑って泣いて──人生の哀歓、夫婦の情愛、家族の絆を描いた宇江佐文学の最高傑作!
  • 木曽義仲 「朝日将軍」と称えられた源氏の豪将
    4.0
    源氏の貴種に生まれながら、わずか2歳で父を討たれ、母に抱えられて木曽の地に逃れてきた駒王丸。土地の実力者・中原兼遠の屋敷にかくまわれ、その子どもたちと兄弟同然に育った駒王丸だったが、自らの五体を流れる源氏の血を知り、平家全盛の世に何をなすべきかに目覚めていく。やがて義仲と名乗り、凛々しい青年武将となった彼のもとに、平家追討の令旨が下る。二十七歳の旗挙げである。その勇と武略で、横田河原の戦い、倶利伽羅峠の戦いを経て、わずか三年で平家を京から追い落とした義仲。だが上洛からわずか半年後、悲劇の運命が彼を待ち受けていた――。時代に風穴を開け、颯爽たる勇姿を歴史に刻んで散った稀代の英傑を活写する力作小説。樋口兼光、今井兼平、巴御前といった脇役たちの活躍も印象的な、魅力ある物語に仕上がっている。
  • 忍びの国
    3.8
    時は戦国。忍びの無門は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。女房のお国に稼ぎのなさを咎められ、百文の褒美目当てに他家の伊賀者を殺める。このとき、伊賀攻略を狙う織田信雄軍と百地三太夫率いる伊賀忍び軍団との、壮絶な戦の火蓋が切って落とされた──。破天荒な人物、スリリングな謀略、迫力の戦闘。「天正伊賀の乱」を背景に、全く新しい歴史小説の到来を宣言した圧倒的快作。
  • 信長嫌い(新潮文庫)
    4.0
    織田信長さえ、いなければ――。天下を獲れたはずの男・今川義元。戦に賭けた男・真柄直隆。逃げ続けた男・六角承禎。将軍殺しの悪名と生きた男・三好義継。戦より茶を愛した男・佐久間信栄。老躯をおして仇を狙う伊賀上忍の男・百地丹波。祖父の影を追い続けた男・織田秀信。乱世の主役、信長に翻弄された時代の“脇役”たちもまた、己が人生を必死にもがき生き抜いた。敗者たちの戦国列伝。(解説・清水克行)
  • 武者とゆく(一)
    4.3
    剣術指南役を解かれ、手習い所を開いた桜井俊吾。大火で妻子を失い、今は拾った子犬とつましい暮らしを送っていた。だが男にさらわれる寸前、川に飛び込んだ女を助けたことで生活は一変。執拗な男は、周囲の人間の命を容赦なく奪いながら2人の身近に迫ってくる。時代小説に新しい風が吹く!
  • 三国志名臣列伝 後漢篇
    4.5
    後漢という時代は、ひとの美質のなかで、「孝心(親孝行)」を至上とした。 能力よりも徳を重視し、頭脳よりも心を尊重する国家がつくられた。 184年に始まった「黄巾の乱」により、王朝の礎が揺らぐ中、 後漢の理想を体現する名臣たちが輩出する。 大将軍の何進、 劉備の師である盧植、 曹操を支えた荀彧など7人を描く、宮城谷昌光の「三国志」シリーズ。 解説・湯川豊 目次 何進(かしん) 朱儁(しゅしゅん) 王允(おういん) 慮植(ろしょく) 孔融(こうゆう) 皇甫嵩(こうほすう) 荀彧(じゅんいく) ※この電子書籍は2018年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 諏訪はぐれ旅―大江戸無双七人衆―
    -
    土井利勝の讒言により父家康の怒りを買い、諏訪に流された松平忠輝。奸計を隠蔽するため、利勝は忠輝を亡きものにしようと、柳生十兵衛を刺客として諏訪に送る。一方、幕府転覆を企む海賊一味も、忠輝の附家老だった大久保長安の隠し金を狙い、諏訪へ。はたして難敵相手に、天海の命を受けた大道寺菊千代率いる大江戸七人衆は、忠輝の身を守ることができるのか?
  • 辻番奮闘記 危急
    3.5
    将軍家光は、長引く島原の乱鎮圧のため、老中松平伊豆守に討伐の命を下す。不穏な気配は江戸にも漂い、辻斬りが横行。藩内に和蘭陀商館を持つ平戸藩江戸家老は、幕府の疑念を逸らすため、斎弦ノ丞らを辻番に任命し、江戸の治安を護る忠誠心を見せようとする。だが、弦ノ丞は任務初日に剣戟に遭遇し、政争に巻き込まれていく…。藩の窮地を救うため奮闘する辻番達の活躍!
  • 元禄一刀流 〈新装版〉 池波正太郎初文庫化作品集
    3.5
    浅野内匠頭の家来、堀部安兵衛と奥田孫太夫に吉良上野介の中小姓である清水一学。同じ一刀流の堀内道場に通いながら、敵味方にわかれざるをえなかった彼らを師の視点から描いた「元禄一刀流」や、新陰流の開祖、上泉伊勢守の戦国武将としての姿を描いた「上泉伊勢守」など、文庫に収録されていなかった作品7編を収録したオリジナル文庫。
  • えにし屋春秋
    4.0
    浅草の油屋・利根屋の娘お玉に、本所髄一の大店の主人との縁談が持ち上がった。しかし見合いの前日、お玉は置手紙を残して姿を消した。利根屋の体面と命運のかかった縁談である。身代わりとなったおまいは、当日、〈えにし屋〉を名乗る謎めいた女の元で、美しく着飾らせてもらい見合いの席に臨む。しかしその後もお玉の行方は一向に掴めないままで……。浮世には結びたい縁もあれば切りたい縁もある。縁を商いとする者と頼る者の光と影に、心揺さぶられる長篇時代ミステリー、シリーズ第一作。
  • 不疑 葉室麟短編傑作選
    3.5
    中国の漢の時代、長安の知事と警察長官を兼ねる「京兆尹」という役職があった。謀反を未然に防いだ功によって抜擢された「不疑」は、厳格でありつつも慈悲を忘れず、辣腕と名高い。ある日、天子にしか許されない黄色の隊列を率いた謎の男が宮廷を訪れた。男が反乱によって殺されたはずの皇太子を名乗ったことで、宮廷は混乱の渦に巻き込まれる。書籍化初の中編「不疑」をはじめ、葉室麟が遺した渾身の作品、全6編を収録。
  • かわたれどき
    3.8
    ベストセラー「まんまこと」シリーズ第7弾! 町名主のお気楽跡取り息子・麻之助が、幼なじみの色男・清十郎と堅物の同心・吉五郎とともに、さまざまな謎と揉め事の解決に挑みます。 「きみならずして」「まちがい探し」「麻之助が捕まった」「はたらきもの」「娘四人」「かわたれどき」の6篇を収録。 清十郎に子が生まれ、縁戚のおこ乃の縁談がまとまるなど、麻之助の周りで祝い事が続くものの、自分自身には揉め事ばかり。 特に親しい料理屋の娘・お雪には何かと振り回される日々だ。 ある時、野分けと呼ばれる大嵐が起こり、お雪が洪水に流される。 間一髪助かるが、何やら一大事が……!? 解説は「まんまこと」シリーズの装画を手掛けるイラストレーターの南伸坊さんです。 ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 殉国 陸軍二等兵比嘉真一
    4.6
    14歳の少年は、何を見たのか。 少年の体験を通して、すさまじい沖縄戦の実相をつぶさに描いた長篇小説。 「郷土を渡すな。全員死ぬのだ」 太平洋戦争末期、沖縄戦の直前、中学生にガリ版ずりの招集令状が出された。小柄な14歳の比嘉真一は、だぶだぶの軍服の袖口を折って、ズボンの裾にゲートルを巻き付け、陸軍二等兵として絶望的な祖国の防衛線に参加する。 実在の人物の体験を、ことこまかに聞きとり、特異な事実をそっくりそのまま写し取った外面的リアリズムが、読む者の胸を強く打つ。 1991年に刊行された文庫本の新装版。元本は、累計102000部のロングセラー。 解説・森史朗 ※この電子書籍は、1911年11月に文春文庫より刊行された文庫の新装版を底本としています。単行本は1982年6月に筑摩書房より「陸軍二等兵 比嘉真一」として刊行されました。
  • 風の陣【立志篇】
    4.2
    八世紀中頃の黄金発見に端を発する奥州動乱と、中央政界の血腥い権力抗争を描く大河ロマン。本篇は全三部構成の第一部であり、奈良朝を震撼させた「橘奈良麻呂の乱」を中心に描く。蝦夷の若者・丸子嶋足は、黄金を土産に帰京する陸奥守・百済敬福の従者となり、平城京に上る。朝廷の野心から陸奥国を守るための上京であり、敬福の後押しもあって兵衛府に仕えることになった。やがて、八年の歳月が過ぎ、番長に出世していた嶋足のもとに、同じ蝦夷の若者・物部天鈴が現れる。天鈴は嶋足を衛士府の少尉・坂上苅田麻呂(田村麻呂の父)と引き合わせ、苅田麻呂に採り立てられるよう仕向けた。一方、中央政界は、橘諸兄の死後、その子・奈良麻呂と藤原仲麻呂との対立が激化。奈良麻呂派による仲麻呂打倒の策謀が進行する中、嶋足はそれを未然に防ぐべく、渦中に身を投じていくのであった……。奥州動乱前夜の若き蝦夷たちの躍動と葛藤を、壮大なスケールで描く。
  • ひとめぼれ
    3.7
    累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。 札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。 いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。 解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 入り婿侍商い帖(一)
    3.7
    旗本家次男の角次郎は米屋の主人に見込まれて婿に入った。婿に入ると聞いていた話と大違い、店は借金だらけで妻は自分と口をきかない。角次郎は店を立て直すべく奮闘するが……。妻と心を通わせ商家を再興する物語。
  • 耳袋秘帖 日本橋時の鐘殺人事件
    4.0
    日本橋本石町にある旅籠「長崎屋」で、腹を竹槍で無残に抉られた酉右衛門の死体が見つかった。隣りには、江戸の市中に時刻を知らせる「時の鐘」があり、その鐘撞き堂で、鐘を撞いていた撞き師の孫六が死んだ酉右衛門を恨んでいたと分かり……。南町奉行根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第13弾。文春文庫オリジナルの書き下ろし時代小説。
  • 安倍晴明あやかし鬼譚
    4.0
    稀代の宮廷陰陽師・安倍晴明も齢八十四。あるとき自分が「光の君」と呼ばれる人物になっている夢を見た。その夢を見るたびに晴明は、奇怪なことに現実世界でどんどん若返ってゆくのだ。巷では大内裏北面の「不開の門」が開き死人が続出。中宮彰子のまわりでも後宮の女たちの帝の寵愛をめぐる諍いが巻き起こる。まさに紫式部が執筆中の「源氏物語」と奇妙な符合を示しながら……。(『源氏夢幻抄 安倍晴明伝』改題)
  • ぶっとび同心と大怪盗 奥方はねずみ小僧
    -
    北町奉行所同心の猫宮冬馬は、他人の気持ちや場の雰囲気を読まぬ言動で、ついまわりから浮いてしまう変わり者。 そのぶん世間の常識にとらわれず、妙なところで観察が鋭い、ある面では町方同心にぴったりな男であった。 そんな冬馬には、誰もが羨む恋女房・小春がいた。大恋愛のすえに結ばれたふたりは、意地悪な姑・夏絵の嫌味にも負けず、日々を仲睦まじく暮らしていた。 だがこの小春、じつは江戸市中を騒がすねずみ小僧の三代目……家伝の秘術を身につけた、大怪盗だったのである! 果たして、追う者と追われる者、猫とねずみのおしどり夫婦の運命や、いかに!? 大人気作家が描く純愛捕物帳の新シリーズ、ここに開幕!
  • 捻れ家 古道具屋 皆塵堂
    NEW
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    若い筆職人の念次郎が飲み仲間の取引先の若旦那松助と夜、迷い込んだ大きな料理屋。広い宴席には誰の姿もなく、二階にあがると、なぜか真っ昼間の明るさだった。いったい、ここはどこなのか? いつなのか? そして松助も「煙のように」姿を消した。外に出た念次郎はさんざんさまよったあげく、深川の皆塵堂の大家の清左衛門に救われる。 松助の祖父の亀松は、明和の大火のときに、目黒の料理屋で飲んでいて火事に巻き込まれた。その後金貸しとして儲けるが、十八年後に姿を消し、死体で発見された。松助の父の松蔵は、それから十八年後にやはり突然姿を消し、やはり死体で発見されている。松助は、祖父と父の死について、叔父の継右衛門からくわしくは聞かされていなかった。そして今年は、父の松蔵が死んで、十八年後にあたる。松助は大丈夫なのか? 清左衛門から曰くものを扱う古道具屋皆塵堂を教えてもらった念次郎は、皆塵堂を拠点に、姿を消した松助を探しはじめる。 幽霊の見える太一郎も、さすがに時空がねじれていると、気配が読めず、今回は役立ちそうにない。 料理屋、二階建ての長屋、湯屋、大店など建物にまつわる因縁のある屋敷で繰り広げられる幽霊譚。 大江戸版ホーンテッド・マンションに、皆塵堂の面々は、どう立ち向かうのか?
  • 秋山久蔵御用控 生き恥
    3.0
    金目当てと思われる辻強盗が出没。怪しいのは金遣いの荒い遊び人の大名の若様や旗本の部屋住みなど。久蔵は手下を使って真相に迫る。 好評シリーズ第23弾!
  • 秋山久蔵御用控 始末屋
    4.0
    因縁をつけてきた武士を尋常の立合いで斬った浪人。誰もがかばう中、“剃刀”久蔵だけが違和感を持った……。 好評シリーズ第25弾!
  • 秋山久蔵御用控 守り神
    3.0
    博奕打ちが殺された。直前に会っていた男は気の弱い若旦那ふうだったが…久蔵は手下たちとともに下手人を追う。 好評シリーズ第24弾!
  • 豊臣秀長
    4.1
    紀伊・大和中心に100万石もの大領を有し、大和大納言と称された豊臣秀吉の弟・秀長。乱世にあって秀吉の片腕として無私を貫き、文武両面で活躍し天下統一に貢献。秀吉に諫言できる唯一の人物として、豊臣政権の要とも評される男の生涯を描く。

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  • 耳袋秘帖 湯島金魚殺人事件
    4.2
    「金魚釣りに引っかかっちまったよ」。陰間(男娼)の集まる湯島で、謎の言葉を残して旗本の倅が死んだ。<くじら>という異名をもつ、巨漢のおかま、松平定信の特命を受けて風紀粛正に乗り出す目付、湯島の親分ぴんぞろの捨松らが入り乱れ、奇想天外なミステリが幕を開ける。根岸肥前守が難事件に挑む殺人事件シリーズ第15弾!
  • お江戸は爽快 右京之介助太刀始末
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    享和元年と元号が変わり、世の中は何となく浮かれた様子になりつつあった。そんな折、桜の散った江戸に、青羽二重の袖を翻した若侍が現れる。この謎の若侍、名前を問われて辺りを見回し、そこが浅草奥山だと知ると、奥山右京之介と名乗った。颯爽とした容姿に無垢な笑顔ながら、人を食ったような性格に、人々啞然。そんな右京之介は、ひょんなことから掏摸の弥太と、浪人矢島平四郎に出会い、思わぬ奇策を弄して江戸に蔓延る悪を断っていく助太刀稼業を始めるのだが……。累計25万部のベストセラー、痛快無比の傑作時代小説「右京之介」シリーズの原点がいよいよ登場!
  • 嗚呼 江戸城(上)
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    天下を握った徳川家康には金がなく、一大名になり下った豊臣秀頼には巨額の金銀があった。貧しい天下人家康は、富有な大名を滅ぼしてその財宝を奪うべく兵を起す。大坂の役とは、それだけのことであった……。しかし三代将軍家光はその大金の埋蔵場所を知らされていなかった。ドラマはそこから始まる。将軍家から大名、旗本、はたまた浪人、商人、いかがわしい町奴に吉原の遊女までが縺れ合い、江戸城の建設と莫大な太閤の遺金をめぐって展開される雄大な長篇の幕開け。
  • たそがれ清兵衛
    3.8
    下城の太鼓が鳴ると、いそいそと家路を急ぐ、人呼んで「たそがれ清兵衛」。領内を二分する抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮らしてはきたものの、お家の一大事とあっては、秘めた剣が黙っちゃいない。表題作のほか、「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり弥助」「日和見与次郎」等、その風体性格ゆえに、ふだんは侮られがちな侍たちの意外な活躍を描く、痛快で情味あふれる異色連作全八編。
  • 南町 番外同心1 名無しの手練
    3.0
    名奉行の根岸肥前守と出自不詳の拳法同心は江戸の悪を許さない! 旅の若き僧が大川端で倒れ、経文と拳法の他は記憶喪失。 それがなぜ名奉行の下に? 御三卿清水家に秘められた開かずの間の謎とは? 名奉行根岸肥前守の下、名無しの凄腕拳法番外同心誕生の発端は、御三卿清水徳川家の開かずの間から始まった。そこから聞こえる物の怪の経文を耳にした菊千代(将軍家斉の七男)は、物の怪退治の侍多数を拳のみで倒す手練の技に魅了され教えを乞うた。願いを知った松平定信は、『耳嚢』なる著作で物の怪にも詳しい名奉行の根岸に、その手練との仲介を頼むと約した。
  • 柳橋物語・むかしも今も
    4.2
    幼い一途さで答えてしまった「待っているわ」という一言によって、一生を左右され記憶喪失にまで追いやられてしまう“おせん”の悲しい生涯を描いた「柳橋物語」。愚直な男の、愚直を貫き通したがゆえにつかんだ幸福を描いた「むかしも今も」。いずれも、苛酷な運命と愛の悲劇に耐えて、人間の真実を貫き愛をまっとうした江戸庶民の恋と人情を描き、永遠の人間像をとらえた感動の2編。

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  • 秋山久蔵御用控 神隠し
    4.0
    “剃刀久蔵”と呼ばれ、悪人を震え上がらせる、南町奉行所吟味方与力秋山久蔵の活躍を描く。浅草広小路の呉服屋『近江屋』の17歳の娘おさよが隅田川の桜見物で行方知れずになった。かどわかしと思われた3日後、町駕籠で無事に帰ってきたおさよだが、その白い肌には…。卑劣な悪党に久蔵の心形刀流が炸裂する! シリーズ第1弾!
  • 為吉 北町奉行所ものがたり
    4.2
    過ちを一度も犯さない人間はいない―― 与力、同心、岡っ引き、その家族…、奉行所を取り巻く人間模様。為吉は幼いころ呉服屋の跡取り息子だったが、両親を押し込み強盗に殺されていた。その後、北町奉行所付きの中間となっていたが、両親を殺した盗賊集団の首領が捕まったとの知らせが届く。その首領の発したひと言は為吉の心に大きな波紋を広げて……。名手が遺した感動長編。2015年に急逝した著者が遺した渾身作。執筆の経緯を綴った単行本未収録のエッセイを収録。
  • 平蔵の首
    3.2
    まったく新しい「鬼平」。ハードボイルド時代小説! 「平蔵の顔を見た者は、だれもいねぇのよ」。 盗賊・黒蝦蟇の麓蔵は復讐を遂げるため、いまは平蔵の手先となった女に案内を頼む(「平蔵の顔」)。 両国橋の界隈で、掏摸を働いていた姉弟に目をつけたところ、思わぬ大事件に巻き込まれる(「繭玉おりん」)。 火付盗賊改・長谷川平蔵のまったく新しい魅力を引き出した六編。 特別対談・佐々木譲 挿絵・中一弥 【目次】 「平蔵の顔」 「平蔵の首」 「お役者菊松」 「繭玉おりん」 「風雷小僧」 「野火止」
  • 大河の剣(一)
    完結
    3.0
    川越の寺尾村の名主の長男・山本大河は、村の者が呆れるほどのやんちゃ坊主ぶりを発揮していた。あまりの無法行為に手をやく父・甚三郎は、大河を勝光寺の和尚に預け、性根を叩き直すことを決めた。だが、大河の性根は直るどころか、やがて強い意志となって表れてきた。「剣で強くなりたい」との想いは、武者修行途中の剣士・高柳との出会いによって、大河の運命を大きく変えていく──。著者渾身の書き下ろし長篇時代小説。
  • 同時にわかる! 日本・中国・朝鮮の歴史
    5.0
    韓国や中国の歴史ドラマに出てくる「倭人」。一体何時代の、どこから来た人なのか疑問に思ったことはないだろうか? 本書は、そんな知っているようで知らない三国の歴史を同時並行で学ぼうというもの。漢の光武帝は奴国に金印を授けていない!! 日本に製鉄技術を伝えたまぼろしの国・伽耶の実態。なぜ大和朝廷は新羅VS百済の戦いに参加したのか? 「日本」をはじめて認めたのは則天武后? 渤海が日本と仲良くしたホントの理由。李氏朝鮮の王子が清の人質になったいきさつ……。歴史認識問題や領土問題など、何かとぶつかることの多い日本、中国、朝鮮半島。しかし、このような複雑な関係は今に始まったわけではない、二千年の間、互いにぶつかり、影響しあってきたのが東アジアなのだ。この一冊で、政治から文化、経済まで三国の意外な歴史がよくわかる!

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  • お吟さま
    3.5
    千利休の娘・お吟の胸には、堺の豪商・万代屋宗安に嫁いだ後も、初恋のキリシタン大名・高山右近の俤(おもかげ)がひそかに生きつづけていた。やがて離婚したお吟の美貌は、最高権力者・秀吉の関心をひき、その軋轢が、お吟と利休を苛酷な運命の袋小路に引きずりこむ……。戦国の世を生きた薄幸の美女を描き第36回直木賞を受けた名作に、平家滅亡に生涯を賭した僧の生きざまを綴る『弱法師』を加えた本格歴史小説集。
  • かげろうの恋~もんなか紋三捕物帳~
    3.0
    天麩羅屋を営む浪人・伊達宗之介は、一人娘・千春の小言に頭の上がらぬ日々を送る。ある雷雨の夜、二人が町医者の屋敷の前を通りかかると、蓑笠姿の男が表門から遁走。邸内で目にしたのは男と女の亡骸だった。探索に乗り出した岡っ引の紋三は無数の不審な点に気付き……(表題作)。粋な紋三親分と、しがない浪人・宗之介の人情裁きが冴え渡る書下ろしシリーズ!
  • 傷―慶次郎縁側日記―
    3.7
    空き巣稼業の伊太八は、「身内に迷惑を掛けない」というのがモットーだ。豊蔵から共謀を持ちかけられ、目的の瓦屋に忍び込んだはよかったが、何とそこは豊蔵の弟の家だった。自らの信条に反する仕事をさせられた挙げ句、あらぬ罪まで着せられてお尋ね者になってしまった伊太八──彼の運命やいかに? 元南町奉行所同心の隠居・森口慶次郎が人々の心を潤す、粋と人情のお江戸事件簿。
  • 生きて候 上
    3.9
    倉橋長五郎政重は、徳川家御先手組にあって、無敵の大業“鬼落とし”で知られた槍の名手。家康の名参謀・本多正信の次子にして槍奉行・倉橋長右衛門の養子だが、故あって秀忠公の近習を斬り捨て徳川家を出奔。意地と野心を胸に秘め、慶長の役に身を投じる。前田利家の密命を帯び朝鮮半島に渡った政重だが、そこは人心を捨てねば生き延びられない修羅場であった。
  • 久能山血煙り旅―大江戸無双七人衆―
    -
    駿河の国境の寒村から村人が全員消えた! 疫病か、それとも大久保長安の秘匿した財宝を狙うものの仕業なのか。徳川家康の遺骸を日光から駿河の久能山に運ぶ天海一行の護衛の途次、大道寺菊千代は大きな謎に直面する。そして、天海の命と久能山東照社に奉納される百万両を狙って襲い掛かる、忍び集団・風魔党の面々。菊千代率いる大江戸無双七人衆、最後の血戦。書下ろし時代小説。
  • 玄庵検死帖 皇女暗殺控
    -
    長崎で蘭医の勉強をしていた逆井玄庵。ところが皇女和宮降嫁の行列に主治医兼護衛役として任命され、京に呼び戻されてしまう。不服ながらも上意には逆らえず、宮に同行する玄庵だったが、その裏には恐ろしい陰謀が仕組まれていた! 窮地に立たされた玄庵は……!?

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  • 入り婿侍商い帖 関宿御用達(三)
    4.0
    家禄三百五十石の旗本家の次男だった角次郎は、米屋の大黒屋に婿入りした。関宿藩の御用達となり、新米番船で2番に入った大黒屋の商いは順調にみえた。ところが店舗拡大を考え始めた矢先、本所深川一帯で大火事が起こり、大黒屋の店舗も焼失してしまう。散りぢりになった家族や従業員は無事だった倉庫に再集結するが、義母・おトクは帰ってこない。取り乱す義父・善兵衛を気遣いつつ、角次郎は商い再開に向けて動き出すが……。
  • 新装版 お腹召しませ
    3.8
    えっ、その責任おれがとるの!? 仕事と、家庭と、世の中と――戦う男の本分とは。 司馬遼太郎賞・中央公論文芸賞受賞。 『一路』『流人道中記』の浅田次郎が贈る、笑って泣ける傑作時代小説。 婿養子が公金を持ち出し失踪。不祥事の責任を取りお家を守るため、妻子や部下に「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断とは……。武士の本義が薄れた幕末期。あふれ出す男の悩みを、侍たちはどう乗り越えたのか。表題作ほか全六篇に書き下ろしエッセイを特別収録。
  • 蒼天見ゆ
    3.8
    時代が変われば、生き方も変わるのだろうか――。 武士の世が終わりを告げたとき、“最後の武士”が下した決断とは。 一生を、命を、そして武士の矜持を懸けて挑んだ、日本史上最後の仇討ち! 日本中が開国と攘夷に揺れる時世。 西洋式兵術の導入を進めていた秋月藩執政・臼井亘理は、ある夜、尊攘派により妻もろとも斬殺された。 だが藩の裁きは臼井家に対し徹底して冷酷なものだった。 息子の六郎は復讐を固く誓うが、明治に入り発布された<仇討禁止令>により、武士の世では美風とされた仇討ちが禁じられてしまう。 生き方に迷い上京した六郎は、剣客・山岡鉄舟に弟子入りするが――。 時代にあらがい、信念を貫いた“最後の武士”の生き様が胸に迫る歴史長篇。 「青空を見よ。いかなる苦難があろうとも、いずれ、頭上には蒼天が広がる。そのことを忘れるな――」 ※本作品は 2017年12月20日まで販売しておりました単行本電子版『蒼天見ゆ』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。

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