ブックガイド - 中公新書作品一覧

  • 犬と人のいる文学誌
    4.3
    犬は、人類ともっともつきあいの長い動物である。番犬や狩猟犬としてだけでなく、パートナーとしていまや人の生活に欠かせない存在である。人は犬とめぐりあい、一緒に走り、共に暮らす。しかし犬は人よりもはやく老い、先に死んでいく…。人はなぜこれほどにも犬に愛着を抱くのだろうか。本書は人と犬のさまざまな関わり合いを、夏目漱石や向田邦子、江國香織などの文学作品を通して味わうものである。
  • 小説読解入門 『ミドルマーチ』教養講義
    4.5
    読書に正解はないかもしれないが、小説世界を味わうコツは存在する。本書は、19世紀英国の地方都市を舞台としたジョージ・エリオットの傑作長編『ミドルマーチ』を実例に、「小説技法篇」で作家の用いるテクニックを解説。続く「小説読解篇」では、歴史や宗教、科学、芸術などの〈教養〉を深める11の着眼点で、小説の愉しみ方を伝授する。知性と感性を研ぎ澄まし、文学の奥深くに潜むものを読み取るために。
  • プルーストからコレットへ いかにして風俗小説を読むか
    3.0
    世紀末から一九二〇年代、パリの文壇にあった二人の作家は、政治思想や倫理道徳の価値基準とは無縁の世界を生き、書き綴った。それが過ぎ去った時代の証言としてたえず読み返されるのはなぜか。小説だけがすくいとることのできる時代精神のありよう、すなわち「風俗」があざやかに映し出されているからである。本書は「風俗を反映しつつそれ自体が風俗的存在でもある文学」という観点から作品を読み、時代の中に位置づける試みである。
  • 万葉集講義 最古の歌集の素顔
    4.2
    奈良時代の後期に成立し、短歌・長歌など四五一六首を収める『万葉集』。歴代天皇や皇族、宮廷貴族、律令官僚がおもな作者だ。他方で防人、東国の農民、遊女といった庶民の歌も含む。幅広い階層が詠んだ、きわめて日本的な「国民文学」のイメージで語られるが、それははたして妥当か。古代日本が範を仰いだ中国の詩文の色濃い影響をどう見るべきか。代表的な歌々を紹介・解説しつつ、現存最古の歌集の実像を明らかにする。

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