海外小説 - ジェームズ・ロリンズ - 竹書房文庫作品一覧

  • 星なき王冠(クラウン)【上下合本版】
    -
    灼熱の世界と氷の世界―― 人が住めるのはその2つの世界の境界線のみ。 破滅の迫る中、世界を救うための危険な旅が始まる――。 構想十年――〈シグマフォース〉のジェームズ・ロリンズによる大型ファンタジー・シリーズ、遂に日本上陸! 自転が止まった惑星〈アース〉――片側は灼熱の世界、もう片側は暗闇に閉ざされた氷の世界。 生命を維持できる環境はその2つの世界の境界線――星を帯状に取り巻く「クラウン(王冠)」と呼ばれる細長い地域のみ。 そんなクラウンに暮らす盲目の少女が、月が落下して世界が滅ぶ夢を見る。 しかし、戦争の足音が忍び寄りつつある世界では、誰も破滅の前兆の話など聞きたいとは思わない。 彼女の予言が現実のものになるのか――より重要なのは、どうすれば破滅を阻止できるのか…… それを突き止めるのは彼女とその仲間たちの手に委ねられる。 ◉著者――ジェームズ・ロリンズからのメッセージ 「構想に10年、執筆に数年、そして読者の皆さんに長らく辛抱していただいた末に、本書をようやく出版できた。 この壮大な物語を誇りに思うとともに、それが皆さんの手元に届くと考えると胸が高鳴る。 このシリーズの誕生に関して、科学スリラーの作者がどんな経緯で叙事詩的なファンタジーの執筆に手を出したのかを説明しておこう。 この物語は私のルーツへの回帰に当たる。 創作活動を始めてまだ間もない頃、私はジェームズ・ロリンズとしてスリラーを書く一方で、ジェームズ・クレメンスの名前でファンタジー作品も書いていた。 『星なき王冠』はこの2つの人格を融合させたもので、ジャンルにまたがる「科学ファンタジー」とでも呼ぶべき作品だ。 さあ、『星なき王冠』にようこそ。私と一緒に皆さんも新しい世界への第一歩を踏み出してくれることを願う。」 〈あらすじ〉 自転が止まった惑星〈アース〉では、常に太陽の光を浴びる灼熱の世界と永遠の夜が続く氷の世界に二分され、人間はアースを環状に取り巻くその狭間の「クラウン」という地域で暮らしている。ハレンディ王国のブレイク修道院学校で学ぶ盲目の少女ニックスは、ある事件をきっかけに目が見えるようになり、同時に不思議な力を手にする。その力が彼女に見せたのは「ムーンフォール」――月の落下によるアースの破滅という未来。隣国との戦争を控えた王国では、ニックスの予言を巡って国王や側近の思惑がうごめき、軍を派遣して彼女を宮殿に連れてくることに決まる。そんなある日、ニックスは修道院学校に迫る危機を予知する。自らの新たな能力に戸惑いつつ、ニックスは学校と町を脅威から救おうと試みる。
  • シグマフォース外伝 タッカー&ケイン1 黙示録の種子【上下合本版】
    -
    “人”と“犬”の種を超えた深い絆で結ばれた元米軍大尉と軍用犬 ――タッカー&ケイン。 彼らは並外れた“共感能力”で助け合い、“仕事に挑む”。 〈シグマフォース〉の秘密兵器=タッカー&ケインの〈Σスピンオフシリーズ〉、遂に始動! 世界各地を放浪しながら〈仕事〉の時に備えるタッカー&ケイン。 ロシアでのある仕事を終えたところに、 〈シグマフォース〉のペインター司令官より“仕事”の依頼が――。 一人の製薬王の亡命の手伝い……だがそれは、人類の存亡を賭けた冒険の始まりだった!
  • シグマフォース外伝 タッカー&ケイン2 チューリングの遺産 上
    3.8
    〈シグマフォース〉外伝シリーズ最新刊 Σの秘密兵器=タッカー&ケインが世界を救う! コンピュータの父が現代の戦争を変える── “人”と“犬”の種を超えた深い絆で結ばれた 元米軍大尉と軍用犬が電子の脅威に挑む! 戦友で恋人だった女性から連絡を受け、 急ぎ駆けつけたタッカー&ケイン。 しかし、彼らを待ち受けていたのは、 次世代型戦闘用ドローンの襲撃だった……。 〈あらすじ〉元陸軍レンジャー部隊所属のタッカー・ウェインと、軍用犬のケイン――強い絆で結ばれた一人と一頭は、かつての戦友ジェーン・サバテロから依頼を受ける。彼女の話によると、共通の知人サンディ・コンロンが行方不明になっており、ジェーン自身も命を狙われているという。調査のため、タッカーはサンディがあるプロジェクトに取り組んでいたアラバマ州のレッドストーン兵器廠を訪れる。現地でサンディの自宅を捜索し、同じくかつての戦友フランク・バレンジャーから話を聞いたタッカーとケインだが、次世代の戦闘用ドローンの襲撃を受ける。サンディはこのキラードローンの人工知能の開発に携わっていたが、用済みとなって殺されたらしい。その裏にはアメリカを代表するメディア王が関与していた。 ◆歴史的事実に関して アラン・チューリング[Alan Mathieson Turing, 1912年6月23日~1954年6月7日] イギリスの数学者・暗号学者で、第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号の解読に携わった。彼による暗号「エニグマ」の解読が、第二次世界大戦での連合軍の勝利に大きく貢献し、戦争の終結を早めたと言われている。チューリングはエニグマの解読のために「ボンブ」という電動式の装置を開発するなど、コンピューターの父とも呼ばれる人物だが、暗号解読は軍事機密に関わることだったため、その業績が広く知られることはなかった。そればかりか、後に同性愛者であることが発覚し、当時のイギリスでは同性愛が違法だったことから「著しい猥褻行為」で有罪判決を受けてしまう。投獄は免れたものの化学的な去勢を受け、その二年後に自殺するという悲劇的な最期を遂げている。彼の功績が認められるようになったのは死後のことで、イギリス政府が公式に謝罪したのは自殺から五十年以上が経過した二〇〇九年のことであった。
  • シグマフォース外伝 タッカー&ケイン2 チューリングの遺産【上下合本版】
    -
    〈シグマフォース〉外伝シリーズ最新刊 Σの秘密兵器=タッカー&ケインが世界を救う! コンピュータの父が現代の戦争を変える── “人”と“犬”の種を超えた深い絆で結ばれた 元米軍大尉と軍用犬が電子の脅威に挑む! 戦友で恋人だった女性から連絡を受け、 急ぎ駆けつけたタッカー&ケイン。 しかし、彼らを待ち受けていたのは、 次世代型戦闘用ドローンの襲撃だった……。
  • シグマフォース外伝 タッカー&ケイン 黙示録の種子 上
    4.4
    “人”と“犬”の種を超えた深い絆で結ばれた元米軍大尉と軍用犬 ――タッカー&ケイン。 彼らは並外れた“共感能力”で助け合い、“仕事に挑む”。 〈シグマフォース〉の秘密兵器=タッカー&ケインの〈Σスピンオフシリーズ〉、遂に始動! 世界各地を放浪しながら〈仕事〉の時に備えるタッカー&ケイン。 ロシアでのある仕事を終えたところに、 〈シグマフォース〉のペインター司令官より“仕事”の依頼が――。 一人の製薬王の亡命の手伝い……だがそれは、人類の存亡を賭けた冒険の始まりだった! ◎『マギの聖骨』から始まる、ベストセラー・シリーズ〈シグマフォース〉のジェームズ・ロリンズ最新作! ◎種を超えた深い絆で結ばれた人間と犬のコンビ、タッカー&ケイン。彼らは、その並外れた共感能力を駆使して様々な事件に挑んでいく。 ◎〈シグマフォース〉シリーズ『ギルドの系譜』で初登場した、タッカー&ケイン。シリーズでも人気上昇中のキャラクターのスピンオフ・シリーズ。 〈あらすじ〉元アメリカ陸軍レンジャー部隊隊員のタッカー・ウェインと、相棒の軍用犬ケインは、ロシアのウラジオストクに滞在中、シグマフォースのペインター・クロウ司令官から連絡を受ける。ペインターの要請は、ロシア製薬業界の大物アブラム・ブコロフの出国を手引きすること。だが、簡単に思えたこの依頼のせいで、タッカーとケインはシベリアからヴォルガ川までロシアを横断する間、執拗に敵から追われることになる。ブコロフ、その娘のアーニャ、研究助手のウトキンとともに逃避行を続けるタッカーとケインは、「アルザマス16の将軍たち」が差し向けた追っ手だけでなく、仲間内の裏切り者の影も警戒しなければならなかった。敵が躍起になって手に入れようとするブコロフの大発見とは、いったい何なのか?
  • 〈シグマフォース〉シグマフォースVSギルド 革命編
    -
    世界で、日本でベストセラー。 歴史の謎に科学で挑む、米国国防省内の機密組織〈シグマフォース〉。 ヒットシリーズをまとめて読める超合本版・第2弾。 シグマフォースVS秘密組織ギルドとの戦いも佳境に。 遂に明かされる組織の正体とは…… シリーズを繋ぐブリッジ・ストリーの短編も収録。 シグマフォースVSギルド 革命編 [収録作品] ■シリーズNo.4 ロマの血脈 世界を震撼させる恐怖の「ウラヌス計画」と「サターン計画」、 人類救済の鍵を握る〈デルポイの巫女たちの末裔〉、 そして舞台は、世界の要人達が集まる石棺化の式典の迫るチェルノブイリ原発へ――。〈シグマフォース〉チームを襲う最大の危機とは!? ■シリーズNo.5 ケルトの封印 癒しか、呪いか? その封印が解かれし時――人類は未来への扉を開くのか? それとも破滅へ一歩を踏み出すのか? 人類の運命がかかった「ドゥームズデイ・ブックの鍵」 その鍵を求めて、シグマとギルドが対決する最終決戦の地は、 世界有数の厳重な警備を誇る場所だった……。 ■シリーズNo.5.5 セイチャンの首輪 シリーズとシリーズを繋ぐブリッジ・ストーリー。 第2弾は、敵か味方か謎の女、セイチャンが主人公。 「ジェファーソンの密約」前日譚。 ■シリーズNo.6 ジェファーソンの密約 光と闇の米建国史――。 アメリカ建国の父が先住民と交わした密約、 建国の歴史の裏に隠された大いなる謎…… それらが解き明かされる時、アメリカ建国の大いなる秘密と謎の組織〈ギルド〉の役割があきらかになる! ■シリーズNo.6.5 タッカーの相棒 シリーズとシリーズを繋ぐブリッジ・ストーリー。 第3弾は、『ギルドの系譜』で初登場の、元陸軍レンジャー部隊のタッカー・ウェイン大尉と軍用犬のケインが主人公。 ■シリーズNo.7 ギルドの系譜 ギルド、エシェロン、星の一族様々な名で呼ばれ、遥か昔から世界を司る謎の“組織”。最大の秘密とされている〈真の血筋〉に、ついに辿り着く〈シグマフォース〉とグレイソン・ピアース。 ついに明かされる秘密組織〈ギルド〉の黒幕は果たして誰か? [著者プロフィール] ジェームズ・ロリンズ James Rollins 1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。以後、『ナチの亡霊』『イヴの迷宮』などを経て、2019年1月にアメリカで刊行予定の最新作“Crucible”に至るまで、シリーズは十三作(『ウバールの悪魔』も含めると十四作)を数える。歴史的事実に基づきながら、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。「シグマフォース・シリーズ」から派生した元兵士のタッカーと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)も、『黙示録の種子』、『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。
  • 〈シグマフォース〉シグマフォースVSギルド 野望編
    -
    世界で、日本でベストセラー。 歴史の謎に科学で挑む、米国国防省内の機密組織〈シグマフォース〉。 ヒットシリーズをまとめて読める超合本版・第1弾。 シリーズを繋ぐブリッジ・ストリーの短編も収録。 GREEN BERET〈グリーンベレー〉、DELTA FORCE〈デルタフォース〉、NAVY SEALs〈ネイビーシールズ〉……米国が世界に誇る最強の特殊部隊。 だが、これらを超える最強の秘密特殊部隊があった――その名は、SIGMA FORCE〈シグマフォース〉。 彼らは、殺す訓練を受けた科学者。ジェームズ・ボンドより切れ者で、危険度は2倍。 シグマフォースVSギルド 野望編 [収録作品] ■シリーズNo.0 ウバールの悪魔 神の怒りで砂にまみれて消えた都市〈ウバール〉 そこに眠るは、世界を崩壊させる大いなる力…… 〈シグマフォース〉シリーズの原点! ■シリーズNo.1 マギの整骨 それは“生命の根源”を解き明かす唯一の鍵 科学とオカルトの境界線が破壊された時、 人知の及ばぬ未知の絶対領域が姿を現す! ■シリーズNo.2 ナチの亡霊 ナチの残党が研究を続ける〈釣鐘〉とは何か? ダーウィンの聖書に記された〈鍵〉とは? 来るべき人類の進化に向けて、闇の勢力が動き出す! ■シリーズNo.2.5 コワルスキの恋 シリーズとシリーズを繋ぐブリッジ・ストーリー。 『ユダの覚醒』で本格登場のジョー・コワルスキが主人公。 ■シリーズNo.3 ユダの覚醒 それは人間を変貌させる力を秘めた裏切りの〈菌(ウィルス)〉 マルコ・ポーロが死ぬまで語らなかった謎……。 〈ユダの菌株〉というウィルスが起こす奇病……。 一見、関わりのないふたつの謎が明らかになる時、 人類の内側に秘められた大いなる謎が正体を現す…… [著者プロフィール] ジェームズ・ロリンズ James Rollins 1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。以後、『ナチの亡霊』『イヴの迷宮』などを経て、2019年1月にアメリカで刊行予定の最新作“Crucible”に至るまで、シリーズは十三作(『ウバールの悪魔』も含めると十四作)を数える。歴史的事実に基づきながら、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。「シグマフォース・シリーズ」から派生した元兵士のタッカーと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)も、『黙示録の種子』、『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。
  • シグマフォース シリーズ⑮ ウイルスの暗躍 上
    4.0
    生命を進化させた〝謎のウイルス〟が いま――人類に終末をもたらす…… ベストセラー・シリーズ最新作! この本はパンデミック小説ではない。だが、それよりもはるかに恐ろしい。 なぜか? その理由は、私が科学者たちから聞いたある警告にある。 〝ウイルスは、自然界に存在するものも、我々の体内に存在するものも、どちらも我々を変化させ、進化させてきたが、それを終えたわけではない。今も、その作業を続けている〟 ――ジェームズ・ロリンズ ◉科学的事実から──人類の進化の歴史と密接に絡み合うウイルスについて 本書はウイルスの不思議な生態について――特に感染を引き起こすこの微小な構造体が、目には見えない広大なネットワークで地球上のあらゆる生命体を結びつけていることについて、深く掘り下げている。私がこの物語を書こうと思い立ったのは、「コロナウイルス」が現在の我々の時代精神の一部になるよりも、COVID-19が世界的なパンデミックとして拡散するよりも、ずっと前のことだった。感染症が世界を席巻している中で、この小説を完成させるべきなのだろうかと自問した。現実の世界がどんなフィクションの作品よりもはるかに恐ろしい(そして悲痛な)状況にある中で、致死性のウイルスについての物語を執筆するのは不遜の極みなのではないか、そう感じたのだ。しかも、この時期にそのような題材に取り組み、世界中が苦しみにあえいでいる中で疫病についてのフィクションをエンターテインメントの材料にしようとするのは、無神経なのではないかとも思った。読者の皆さんは本書を手にしているので、私の熟考がどのような結論に至ったのかはおわかりだろう。なぜこのような判断を下したのか? まず、私は以前の小説(『ダーウィンの警告』『モーセの災い』)でもパンデミックの脅威を扱った。本書の狙いは過去の作品と同じではない。この物語の着想は疫病そのものを扱おうというのではなく、その起源を――ウイルスの奇妙な生態をより深く見ていこうというものだった。それは読者にとって関心の高い題材なのではないかと思った――今だからこそ、取り組むべき重要なテーマと言えるかもしれない。 〈上巻・あらすじ〉 アフリカのコンゴ民主共和国のジャングルで奇病が発生、患者は無気力で無反応になる一方、感染した動物は攻撃的になり、人間を襲うという。調査のためアフリカに飛んだグレイ・ピアース隊長率いるシグマフォースの隊員たちは、謎の感染症の調査と、患者が発生した国連の支援キャンプから拉致された医師の捜索に当たる。だが、同じ一味と思われるグループに仲間を奪われてしまう。グレイはタッカー・ウェイン大尉と軍用犬ケインに医師たちの捜索を任せ、自分たちは感染症の原因となるウイルスの発生源とその治療法を探す。鍵を握るのはキリスト教の宣教師だったウィリアム・シェパード牧師と、伝説の「骨の王国」……しかし、この感染症を権力の拡大に利用しようと画策する人物がいた。
  • シグマフォース シリーズ⑮ ウイルスの暗躍 合本版
    -
    生命を進化させた〝謎のウイルス〟が いま――人類に終末をもたらす…… ベストセラー・シリーズ最新作! この本はパンデミック小説ではない。だが、それよりもはるかに恐ろしい。 なぜか? その理由は、私が科学者たちから聞いたある警告にある。 〝ウイルスは、自然界に存在するものも、我々の体内に存在するものも、どちらも我々を変化させ、進化させてきたが、それを終えたわけではない。今も、その作業を続けている〟 ――ジェームズ・ロリンズ ◉科学的事実から──人類の進化の歴史と密接に絡み合うウイルスについて 本書はウイルスの不思議な生態について――特に感染を引き起こすこの微小な構造体が、目には見えない広大なネットワークで地球上のあらゆる生命体を結びつけていることについて、深く掘り下げている。私がこの物語を書こうと思い立ったのは、「コロナウイルス」が現在の我々の時代精神の一部になるよりも、COVID-19が世界的なパンデミックとして拡散するよりも、ずっと前のことだった。感染症が世界を席巻している中で、この小説を完成させるべきなのだろうかと自問した。現実の世界がどんなフィクションの作品よりもはるかに恐ろしい(そして悲痛な)状況にある中で、致死性のウイルスについての物語を執筆するのは不遜の極みなのではないか、そう感じたのだ。しかも、この時期にそのような題材に取り組み、世界中が苦しみにあえいでいる中で疫病についてのフィクションをエンターテインメントの材料にしようとするのは、無神経なのではないかとも思った。読者の皆さんは本書を手にしているので、私の熟考がどのような結論に至ったのかはおわかりだろう。なぜこのような判断を下したのか? まず、私は以前の小説(『ダーウィンの警告』『モーセの災い』)でもパンデミックの脅威を扱った。本書の狙いは過去の作品と同じではない。この物語の着想は疫病そのものを扱おうというのではなく、その起源を――ウイルスの奇妙な生態をより深く見ていこうというものだった。それは読者にとって関心の高い題材なのではないかと思った――今だからこそ、取り組むべき重要なテーマと言えるかもしれない。 〈上巻・あらすじ〉 アフリカのコンゴ民主共和国のジャングルで奇病が発生、患者は無気力で無反応になる一方、感染した動物は攻撃的になり、人間を襲うという。調査のためアフリカに飛んだグレイ・ピアース隊長率いるシグマフォースの隊員たちは、謎の感染症の調査と、患者が発生した国連の支援キャンプから拉致された医師の捜索に当たる。だが、同じ一味と思われるグループに仲間を奪われてしまう。グレイはタッカー・ウェイン大尉と軍用犬ケインに医師たちの捜索を任せ、自分たちは感染症の原因となるウイルスの発生源とその治療法を探す。鍵を握るのはキリスト教の宣教師だったウィリアム・シェパード牧師と、伝説の「骨の王国」……しかし、この感染症を権力の拡大に利用しようと画策する人物がいた。
  • シグマフォースシリーズ13 AIの魔女 上
    4.0
    人工超知能(Aartificial Super Intelligence )が、人類を滅ぼす。 その時が迫っている―― 世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部突破 ベストセラー・シリーズ最新作! 人類に福音をもたらすために開発された超AI〈イヴ〉。 それが、魔女狩りの時代から生き残る組織によって盗まれた。 目的は、大規模なサイバー攻撃―― AIが救済を求めたのは〈シグマフォース〉。 チームはただちに作戦行動に移るが、メンバーが何者かに誘拐される事態が発生していた…… 「この小説には呪いが埋め込まれている」 本書を読むだけで、身の破滅を招くかもしれない。 読み続ける場合には自己責任でお願いしたい。 ――ジェームズ・ロリンズ 〈あらすじ〉 クリスマス・イヴ、シグマフォースのグレイ・ピアース隊長の自宅から、恋人で妊娠八カ月のセイチャンと、同僚のモンク・コッカリスの二人の娘が拉致され、モンクの妻のキャット・ブライアントが意識不明で発見された。 事件は数日前にポルトガルで発生したアメリカ大使たちの殺害と関連があり、その裏には最新のAI(人工知能)の研究が絡んでいるらしい。 プログラマーのマラ・シルビエラは謎の男たちに追われ、自らが開発したAI「イヴ」を奪われてしまう。ペインター・クロウ司令官の指示で調査のためヨーロッパに飛んだグレイたちは、魔女狩りの時代から生き残る組織「クルシブル」による大規模なサイバー攻撃計画を知る。 そのターゲットはパリ、企みを阻止するための時間はわずかしかなかった。 ◆科学的事実から──人工知能(AI)の創造が引き起こす人類の終わり 人類の終わりという危険な脅威が間近に迫っていて、それは我々の存命中にも起きる可能性がある。 物理学者だったスティーヴン・ホーキング博士は、この来たるべき脅威を「文明が誕生して以降で最悪の出来事」と記した。 その出来事とは、本当の意味で人間に似た世界初の人工知能(AI)の創造だ。 そのような瞬間の訪れは、すでに世界の権力者たちをおののかせている。 二〇一八年二月、世界政府サミットにおいて、AIの運命について議論するために非公開の極秘会合が開かれた。 出席者はIBM、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンからの代表のほか、ヨーロッパ各国、ロシア、シンガポール、オーストラリア、アラブ諸国の政府高官たち。 我々の存在そのものが危険にさらされているということで見解の一致を見たが、何よりも恐ろしいのは、規制や国際的な合意をもってしても自意識を持つAIに向けた進歩はもはや避けがたく、止めることができないと出席者たちが結論づけた点だ。 どのような対抗策を講じたところで「逃げ道があり」、過去の歴史が証明しているように、いかなる禁止令を出したとしても、世界の片隅でひっそりと活動している秘密の企業や組織が簡単にかいくぐってしまうだろうと見なされた。 著者について ジェームズ・ロリンズ James Rollins 1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。 以後、『ナチの亡霊』『スミソニアンの王冠』などを経て、2020年3月にアメリカで刊行された ●The Last Odyssey●〈*イタリック〉に至るまで、シリーズは十四作(『ウバールの悪魔』も含めると十五作)を数える。 歴史的事実に基づきつつ、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。 「シグマフォース・シリーズ」から派生した、元兵士のタッカー・ウェインと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)は、『黙示録の種子』『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。
  • シグマフォースシリーズ13 AIの魔女【上下合本版】
    -
    人工超知能(Aartificial Super Intelligence )が、人類を滅ぼす。 その時が迫っている―― 世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部突破 ベストセラー・シリーズ最新作! 人類に福音をもたらすために開発された超AI〈イヴ〉。 それが、魔女狩りの時代から生き残る組織によって盗まれた。 目的は、大規模なサイバー攻撃―― AIが救済を求めたのは〈シグマフォース〉。 チームはただちに作戦行動に移るが、メンバーが何者かに誘拐される事態が発生していた…… 「この小説には呪いが埋め込まれている」 本書を読むだけで、身の破滅を招くかもしれない。 読み続ける場合には自己責任でお願いしたい。 ――ジェームズ・ロリンズ 〈あらすじ〉 クリスマス・イヴ、シグマフォースのグレイ・ピアース隊長の自宅から、恋人で妊娠八カ月のセイチャンと、同僚のモンク・コッカリスの二人の娘が拉致され、モンクの妻のキャット・ブライアントが意識不明で発見された。 事件は数日前にポルトガルで発生したアメリカ大使たちの殺害と関連があり、その裏には最新のAI(人工知能)の研究が絡んでいるらしい。 プログラマーのマラ・シルビエラは謎の男たちに追われ、自らが開発したAI「イヴ」を奪われてしまう。ペインター・クロウ司令官の指示で調査のためヨーロッパに飛んだグレイたちは、魔女狩りの時代から生き残る組織「クルシブル」による大規模なサイバー攻撃計画を知る。 そのターゲットはパリ、企みを阻止するための時間はわずかしかなかった。 ◆科学的事実から──人工知能(AI)の創造が引き起こす人類の終わり 人類の終わりという危険な脅威が間近に迫っていて、それは我々の存命中にも起きる可能性がある。 物理学者だったスティーヴン・ホーキング博士は、この来たるべき脅威を「文明が誕生して以降で最悪の出来事」と記した。 その出来事とは、本当の意味で人間に似た世界初の人工知能(AI)の創造だ。 そのような瞬間の訪れは、すでに世界の権力者たちをおののかせている。 二〇一八年二月、世界政府サミットにおいて、AIの運命について議論するために非公開の極秘会合が開かれた。 出席者はIBM、マイクロソフト、フェイスブック、アマゾンからの代表のほか、ヨーロッパ各国、ロシア、シンガポール、オーストラリア、アラブ諸国の政府高官たち。 我々の存在そのものが危険にさらされているということで見解の一致を見たが、何よりも恐ろしいのは、規制や国際的な合意をもってしても自意識を持つAIに向けた進歩はもはや避けがたく、止めることができないと出席者たちが結論づけた点だ。 どのような対抗策を講じたところで「逃げ道があり」、過去の歴史が証明しているように、いかなる禁止令を出したとしても、世界の片隅でひっそりと活動している秘密の企業や組織が簡単にかいくぐってしまうだろうと見なされた。 著者について ジェームズ・ロリンズ James Rollins 1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。 以後、『ナチの亡霊』『スミソニアンの王冠』などを経て、2020年3月にアメリカで刊行された ●The Last Odyssey●〈*イタリック〉に至るまで、シリーズは十四作(『ウバールの悪魔』も含めると十五作)を数える。 歴史的事実に基づきつつ、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。 「シグマフォース・シリーズ」から派生した、元兵士のタッカー・ウェインと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)は、『黙示録の種子』『チューリングの遺産』の二作が刊行されている.
  • シグマフォース シリーズ⑭ タルタロスの目覚め 上
    3.8
    もしタルタロスを目覚めさせたのならば、 それは最後の目覚めとなり、 次の眠りは永遠のものになるであろう…… ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』は空想の産物なのか? それとも真実なのか? 世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部突破 ベストセラー・シリーズ最新作! ■歴史的事実から──ホメロスによる二大叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』 ホメロスが実在の人物なのかは疑問がある一方で、物語そのものは実際に起きた大きな戦争を記述したらしいという説は、今では受け入れられている。事実、二作の叙事詩は古代ギリシアの「暗黒時代」として知られ、ギリシアのミケーネ、アナトリアのヒッタイト、そしてエジプトという三つの青銅器文明が崩壊した激動の時代に光を当てている。なぜ、どのようにして、文明の崩壊が起きたのか? 最近の発見から、地中海一帯が立て続けに複数の争いに見舞われたことが明らかになった。戦いが広範囲に及んだことから、一部の歴史家はそれが初めての世界規模での大きな戦争に当たると主張、「第零次世界大戦」とまで呼んでいる。この暗黒時代の争いの多くは謎に包まれたままだが、今では考古学者の間から、この戦いに第四の文明が関与していたとの見解も示されている。その文明はほかの三つの文明を駆逐した後、歴史の流れの中に消えてしまったという。それが本当ならば、その失われた人々は何者なのか? ホメロスの物語はその文明の起源と行方について、手がかりを提供してくれるのか? ――神々や怪物たちの登場する物語のすべてがフィクションだとは限らない……。 タルタロス―― それはギリシア版の地獄であり、 苦痛と苦難の奈落。 そこはハデスの一角で、オリュンポスの十二神に先立つ巨神族の、 タイタンが封じ込められていた場所。 それらはすさまじい力を持つ神々で、炎と破壊の化身……。
  • シグマフォース シリーズ⑭ タルタロスの目覚め【上下合本版】
    5.0
    もしタルタロスを目覚めさせたのならば、 それは最後の目覚めとなり、 次の眠りは永遠のものになるであろう…… ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』は空想の産物なのか? それとも真実なのか? 世界35カ国で翻訳、全世界累計2,000万部突破 ベストセラー・シリーズ最新作! ■歴史的事実から──ホメロスによる二大叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』 ホメロスが実在の人物なのかは疑問がある一方で、物語そのものは実際に起きた大きな戦争を記述したらしいという説は、今では受け入れられている。事実、二作の叙事詩は古代ギリシアの「暗黒時代」として知られ、ギリシアのミケーネ、アナトリアのヒッタイト、そしてエジプトという三つの青銅器文明が崩壊した激動の時代に光を当てている。なぜ、どのようにして、文明の崩壊が起きたのか? 最近の発見から、地中海一帯が立て続けに複数の争いに見舞われたことが明らかになった。戦いが広範囲に及んだことから、一部の歴史家はそれが初めての世界規模での大きな戦争に当たると主張、「第零次世界大戦」とまで呼んでいる。この暗黒時代の争いの多くは謎に包まれたままだが、今では考古学者の間から、この戦いに第四の文明が関与していたとの見解も示されている。その文明はほかの三つの文明を駆逐した後、歴史の流れの中に消えてしまったという。それが本当ならば、その失われた人々は何者なのか? ホメロスの物語はその文明の起源と行方について、手がかりを提供してくれるのか? ――神々や怪物たちの登場する物語のすべてがフィクションだとは限らない……。 タルタロス―― それはギリシア版の地獄であり、 苦痛と苦難の奈落。 そこはハデスの一角で、オリュンポスの十二神に先立つ巨神族の、 タイタンが封じ込められていた場所。 それらはすさまじい力を持つ神々で、炎と破壊の化身……。
  • 〈シグマフォース〉地球新世紀編
    -
    世界で、日本でベストセラー。 歴史の謎に科学で挑む、米国国防省内の機密組織〈シグマフォース〉。 ヒットシリーズをまとめて読める超合本版・第3弾。 ギルドとの長い闘いを終えた〈シグマフォース〉に最大の悲劇と危機が訪れる! シリーズを繋ぐブリッジ・ストリーの短編、外伝シリーズも収録。 新世紀編 [収録作品] ■シリーズNo.8 チンギスの陵墓 謎の組織〈ギルド〉との長い闘いを終えた〈シグマフォース〉。 だが、休む間もなく新たな脅威に直面する。 彗星の尾に接近した軍事衛星が地球に墜落するが、その衛星から送られてきた最後の画像には、廃墟と化したアメリカ東海岸の“未来”が映っていたのだ……。 ■外伝タッカー&ケイン シリーズNo.1 黙示録の種子 “人”と“犬”の種を超えた深い絆で結ばれた元米軍大尉と軍用犬――タッカー&ケイン。 彼らは、世界各地を放浪しながら〈仕事〉の時に備えていた。 ロシアでのある仕事を終えたところに、 〈シグマフォース〉のペインター司令官より“仕事”の依頼が――。 一人の製薬王の亡命の手伝い……だがそれは、人類の存亡を賭けた冒険の始まりだった! ■シリーズNo.9 ダーウィンの警告 我々は、ここに来るべきではなかった……──チャールズ・ダーウィン 南極大陸から〈第六の絶滅〉が、今、始まる…… ダーウィンが進化論の発表を遅らせてまで、夢中になった発見とは何か? ■シリーズNo.9.5 ミッドナイト・ウォッチ シリーズとシリーズを繋ぐブリッジ・ストーリー。 第4弾は、〈シグマフォース〉のコンピュータにハッカーが侵入。コワルスキと新メンバーがその危機に立ち向かう。 ■シリーズNo.10 イヴの迷宮 〈聖なる母の遺骨〉が示す、人類の叡智の根源とその未来── なぜ人類の知能は急速に発達したのか? 〈シグマフォース〉VS 中国軍科学技術集団が激突! 人類の未来の鍵を手にするのはどちらだ!? [著者プロフィール] ジェームズ・ロリンズ James Rollins 1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。以後、『ナチの亡霊』『イヴの迷宮』などを経て、2019年1月にアメリカで刊行予定の最新作“Crucible”に至るまで、シリーズは十三作(『ウバールの悪魔』も含めると十四作)を数える。歴史的事実に基づきながら、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。「シグマフォース・シリーズ」から派生した元兵士のタッカーと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)も、『黙示録の種子』、『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。
  • セドナの幻日
    5.0
    「幻日」が見せる心の恐怖――ジェームズ・ロリンズ短編集 〈時間結晶〉が心の奥底の恐怖を呼び覚ますーー パワースポットで知られるセドナでタッカーとケインが見たものとは!? 表題の〈シグマフォース〉番外編「セドナの幻日」を含むアクション&ファンタジー4編を収録 全世界でベストセラーの〈シグマフォース〉シリーズの著者ジェームズ・ロリンズが贈る短編集。 シグマフォースの秘密兵器こと元軍人&軍用犬の〝タッカー&ケイン〟。アリゾナの砂漠で科学者の拉致事件に遭遇したコンビは、事件の裏側に謎の鉱石――〈時間結晶〉が存在していることを知る。心の奥底の恐怖を呼び覚ますとされる鉱石が、タッカーのトラウマ――ケインの弟犬アベルとの悲しい記憶をよみがえらせる……。表題作「セドナの幻日」をはじめ、全4作品を収録。ロリンズが親友でもある作家スティーヴ・ベリーと共著した「アマゾンの悪魔」では、シグマのリーダーであるグレイ・ピアースとベリー作品の主人公コットン・マローンが協力して事件解決にあたる姿を描く。そのほか、デビュー当時、別名義でファンタジー作品も書いていたロリンズが原点回帰した「LAの魔除け」や、高校生時代からファンだったというジョージ・R・R・マーティン(「ゲーム・オブ・スローンズ」)編集の〝兵士〟をテーマにしたアンソロジーに寄稿した「ブルータスの戦場」も。
  • 星なき王冠(クラウン) 上
    -
    灼熱の世界と氷の世界―― 人が住めるのはその2つの世界の境界線のみ。 破滅の迫る中、世界を救うための危険な旅が始まる――。 構想十年――〈シグマフォース〉のジェームズ・ロリンズによる大型ファンタジー・シリーズ、遂に日本上陸! 自転が止まった惑星〈アース〉――片側は灼熱の世界、もう片側は暗闇に閉ざされた氷の世界。 生命を維持できる環境はその2つの世界の境界線――星を帯状に取り巻く「クラウン(王冠)」と呼ばれる細長い地域のみ。 そんなクラウンに暮らす盲目の少女が、月が落下して世界が滅ぶ夢を見る。 しかし、戦争の足音が忍び寄りつつある世界では、誰も破滅の前兆の話など聞きたいとは思わない。 彼女の予言が現実のものになるのか――より重要なのは、どうすれば破滅を阻止できるのか…… それを突き止めるのは彼女とその仲間たちの手に委ねられる。 ◉著者――ジェームズ・ロリンズからのメッセージ 「構想に10年、執筆に数年、そして読者の皆さんに長らく辛抱していただいた末に、本書をようやく出版できた。 この壮大な物語を誇りに思うとともに、それが皆さんの手元に届くと考えると胸が高鳴る。 このシリーズの誕生に関して、科学スリラーの作者がどんな経緯で叙事詩的なファンタジーの執筆に手を出したのかを説明しておこう。 この物語は私のルーツへの回帰に当たる。 創作活動を始めてまだ間もない頃、私はジェームズ・ロリンズとしてスリラーを書く一方で、ジェームズ・クレメンスの名前でファンタジー作品も書いていた。 『星なき王冠』はこの2つの人格を融合させたもので、ジャンルにまたがる「科学ファンタジー」とでも呼ぶべき作品だ。 さあ、『星なき王冠』にようこそ。私と一緒に皆さんも新しい世界への第一歩を踏み出してくれることを願う。」 〈あらすじ〉 自転が止まった惑星〈アース〉では、常に太陽の光を浴びる灼熱の世界と永遠の夜が続く氷の世界に二分され、人間はアースを環状に取り巻くその狭間の「クラウン」という地域で暮らしている。ハレンディ王国のブレイク修道院学校で学ぶ盲目の少女ニックスは、ある事件をきっかけに目が見えるようになり、同時に不思議な力を手にする。その力が彼女に見せたのは「ムーンフォール」――月の落下によるアースの破滅という未来。隣国との戦争を控えた王国では、ニックスの予言を巡って国王や側近の思惑がうごめき、軍を派遣して彼女を宮殿に連れてくることに決まる。そんなある日、ニックスは修道院学校に迫る危機を予知する。自らの新たな能力に戸惑いつつ、ニックスは学校と町を脅威から救おうと試みる。
  • モーセの災い 上
    4.0
    歴史から学ばざる者は、それを繰り返す運命にある── 〈古細菌〉と謎のウィルスが 現代に〈十の災い〉を引き起こす── 〈シグマフォース〉が旧約聖書“出エジプト記”の謎を追う! 全世界で日本でベストセラー! シリーズ最新作! 十の災いが本当にエジプトに起きたのだとしたら、 それが再び、今度は世界規模で起きることがありうるだろうか? その質問に対する答えは、恐ろしいことに……「ありうる」だ。 ――ジェームズ・ロリンズ アフリカで発生した奇病と、 地球温暖化を食い止めるための夢のエネルギー網── 一見、無関係なような二つの要素が絡みながら、 舞台は、灼熱の砂漠やジャングル、そして極北の地へ! ★巻頭に『モーセの災い』前日譚にあたる、セイチャン&コワルスキ登場の短編『クラッシュ・アンド・バーン』を特別収録! 〈あらすじ〉二年前にアフリカの砂漠で行方不明になったハロルド・マッケイブ教授が半ばミイラ化した状態で発見され、その死体から謎の病気が広がる。シグマフォースのペインター・クロウ司令官は旧友のサフィア・アル=マーズから調査を依頼されるが、サフィアも何者かに拉致されてしまう。グレイ・ピアース、セイチャン、ジョー・コワルスキは、教授の娘のジェーン、教え子のデレク・ランキンとともにスーダンに赴き、旧約聖書の出エジプト記の「十の災い」を研究していた教授の資料から病気の原因と治療法の発見を試みる。サフィアの奪還を目指すペインターは、彼女が極北の地のオーロラ・ステーションにいることを突き止める。施設を運営するのは発明家ニコラ・ステラを崇拝する実業家サイモン・ハートネルだった。 ◆歴史的事実から──出エジプト記と十の災い モーセによってエジプト人にもたらされた十の災いを科学的に説明しようとの試みは、これまでにも数多く行なわれている。言うまでもなく、この問題に関する本書の記述のほとんどは推察と憶測によるものだが、科学的な検証にも基づいている。例えば、約三千五百年前に起きた地中海の火山テーラの噴火は、人類史上最大の規模であったと考えられている。それだけの規模の噴火に伴う火山灰が引き起こした大気および気候の変動は、かなりの影響を及ぼしたと思われる。それによって赤道付近にもオーロラが発生したのだろうか? 二〇〇六年のアラスカの火山オーガスティンの噴火は、噴煙中に大規模な雷が発生したことから研究の対象になった。その威力はオーロラに影響を与えるほどであったと言われている。 著者について [著者プロフィール] ジェームズ・ロリンズ James Rollins 1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。以後、『ナチの亡霊』『イヴの迷宮』などを経て、2019年1月にアメリカで刊行予定の最新作“Crucible” に至るまで、シリーズは十三作(『ウバールの悪魔』も含めると十四作)を数える。歴史的事実に基づきながら、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。「シグマフォース・シリーズ」から派生した元兵士のタッカーと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)も、『黙示録の種子』、『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。 ジェームズ・ロリンズのオフィシャルサイト ■http://www.jamesrollins.com [翻訳者プロフィール] 桑田 健 Takeshi Kuwata 1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。主な訳書に『痛いほど君が好きなのに』(ヴィレッジブックス)、『すべてはゲームのために マイ・ストーリー』(ソニーマガジンズ)、『マギの聖骨』『イヴの迷宮』などの「シグマフォース・シリーズ」、『THE HUNTERS ルーマニアの財宝列車を奪還せよ』、『THE HUNTERS アレクサンダー大王の墓を発掘せよ』、『黙示録の種子』『チューリングの遺産』(以上、竹書房)、『オバマノミクス-「持てる者への優遇の経済」から「持たざる者への思いやりの経済」へ』(サンガ)、『地球 驚異の自然現象』(河出書房新社)がある。
  • モーセの災い 【上下合本版】
    3.0
    歴史から学ばざる者は、それを繰り返す運命にある── 〈古細菌〉と謎のウィルスが 現代に〈十の災い〉を引き起こす── 〈シグマフォース〉が旧約聖書“出エジプト記”の謎を追う! 全世界で日本でベストセラー! シリーズ最新作! 十の災いが本当にエジプトに起きたのだとしたら、 それが再び、今度は世界規模で起きることがありうるだろうか? その質問に対する答えは、恐ろしいことに……「ありうる」だ。 ――ジェームズ・ロリンズ アフリカで発生した奇病と、 地球温暖化を食い止めるための夢のエネルギー網── 一見、無関係なような二つの要素が絡みながら、 舞台は、灼熱の砂漠やジャングル、そして極北の地へ! ★巻頭に『モーセの災い』前日譚にあたる、セイチャン&コワルスキ登場の短編『クラッシュ・アンド・バーン』を特別収録! 〈あらすじ〉二年前にアフリカの砂漠で行方不明になったハロルド・マッケイブ教授が半ばミイラ化した状態で発見され、その死体から謎の病気が広がる。シグマフォースのペインター・クロウ司令官は旧友のサフィア・アル=マーズから調査を依頼されるが、サフィアも何者かに拉致されてしまう。グレイ・ピアース、セイチャン、ジョー・コワルスキは、教授の娘のジェーン、教え子のデレク・ランキンとともにスーダンに赴き、旧約聖書の出エジプト記の「十の災い」を研究していた教授の資料から病気の原因と治療法の発見を試みる。サフィアの奪還を目指すペインターは、彼女が極北の地のオーロラ・ステーションにいることを突き止める。施設を運営するのは発明家ニコラ・ステラを崇拝する実業家サイモン・ハートネルだった。 ◆歴史的事実から──出エジプト記と十の災い モーセによってエジプト人にもたらされた十の災いを科学的に説明しようとの試みは、これまでにも数多く行なわれている。言うまでもなく、この問題に関する本書の記述のほとんどは推察と憶測によるものだが、科学的な検証にも基づいている。例えば、約三千五百年前に起きた地中海の火山テーラの噴火は、人類史上最大の規模であったと考えられている。それだけの規模の噴火に伴う火山灰が引き起こした大気および気候の変動は、かなりの影響を及ぼしたと思われる。それによって赤道付近にもオーロラが発生したのだろうか? 二〇〇六年のアラスカの火山オーガスティンの噴火は、噴煙中に大規模な雷が発生したことから研究の対象になった。その威力はオーロラに影響を与えるほどであったと言われている。 著者について [著者プロフィール] ジェームズ・ロリンズ James Rollins 1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。以後、『ナチの亡霊』『イヴの迷宮』などを経て、2019年1月にアメリカで刊行予定の最新作“Crucible” に至るまで、シリーズは十三作(『ウバールの悪魔』も含めると十四作)を数える。歴史的事実に基づきながら、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている。「シグマフォース・シリーズ」から派生した元兵士のタッカーと軍用犬ケインを主人公とする「タッカー&ケイン・シリーズ」(グランド・ブラックウッドとの共著)も、『黙示録の種子』、『チューリングの遺産』の二作が刊行されている。 ジェームズ・ロリンズのオフィシャルサイト ■http://www.jamesrollins.com [翻訳者プロフィール] 桑田 健 Takeshi Kuwata 1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。主な訳書に『痛いほど君が好きなのに』(ヴィレッジブックス)、『すべてはゲームのために マイ・ストーリー』(ソニーマガジンズ)、『マギの聖骨』『イヴの迷宮』などの「シグマフォース・シリーズ」、『THE HUNTERS ルーマニアの財宝列車を奪還せよ』、『THE HUNTERS アレクサンダー大王の墓を発掘せよ』、『黙示録の種子』『チューリングの遺産』(以上、竹書房)、『オバマノミクス-「持てる者への優遇の経済」から「持たざる者への思いやりの経済」へ』(サンガ)、『地球 驚異の自然現象』(河出書房新社がある。

最近チェックした本