国内小説 - 講談社作品一覧

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  • 〈物語〉シリーズ ファイナルシーズン全6冊合本版【イラストギャラリー付き】
    5.0
    1巻9,570円 (税込)
    西尾維新の大人気青春怪異譚〈物語〉シリーズが合本版になって登場! VOFAN氏によるイラストギャラリーも特別収録! 【収録作品】 『憑物語』 “頼むからひと思いに──人思いにやってくれ” 少しずつ、だがしかし確実に「これまで目を瞑ってきたこと」を精算させられていく阿良々木暦。 大学受験も差し迫った2月、ついに彼の身に起こった“見過ごすことのできない”変化とは……。 〈物語〉は終わりへ向けて、憑かれたように走りはじめる──。 『暦物語』 美しき吸血鬼と出逢った春夜から、怪異に曳かれ続けた阿良々木暦。立ち止まれぬまま十二カ月はめぐり、〈物語〉はついに運命の朝を迎える。 『終物語 上』 “お前は何も知らないのよ―阿良々木。自分が何で出来ているかを知らないの” 真っ暗な瞳の高校生・忍野扇。彼女が微笑みながら解き明かす、阿良々木暦の始点とは……? 『終物語 中』 “神原駿河は、私の姉の娘だよ―眠らせておくには惜しい才能さ” 何でも知ってるおねーさん・臥煙伊豆湖。彼女が阿良々木暦に課す、終幕へ向かうための試練とは……? 『終物語 下』 “それがきみの―青春の終わりだ” 大学受験当日の朝、北白蛇神社へ向かった阿良々木暦。彼を待ち受けていたのは、予期せぬ笑顔と最終決戦の号砲だった―。 『続・終物語』 “私、とっても幸せなのに――こんなの、全部嘘だって思ってる” 直江津高校卒業式の翌朝。妹達の力を借りずに目覚め、“何者でもなくなった”阿良々木暦が向かい合う、新しい世界とは……? 彼ら彼女らの物語の――続き。
  • 〈物語〉シリーズ セカンドシーズン全6冊合本版【イラストギャラリー付き】
    -
    1巻8,580円 (税込)
    西尾維新の大人気青春怪異譚〈物語〉シリーズが合本版になって登場! VOFAN氏によるイラストギャラリーも特別収録! 【収録作品】 『猫物語 白』 “何でもは知らないけれど、阿良々木くんのことは知っていた。” 完全無欠の委員長、羽川翼は2学期の初日、1頭の虎に睨まれた――。それは空しい独白で、届く宛のない告白……<物語>は、予測不能の新章に突入する! 『傾物語』 “変わらないものなどないというのなら――運命にも変わってもらうとしよう” 迷子の小学生・八九寺真宵(はちくじまよい)。阿良々木暦が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとは――!? 〈物語〉史上最強の2人組が“運命”という名の戦場に挑む! 『花物語』 “薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ” 阿良々木暦(あららぎこよみ)の卒業後、高校三年生に進級した神原駿河(かんばるするが)。直江津(なおえつ)高校にひとり残された彼女の耳に届いたのは、“願いを必ず叶えてくれる『悪魔様』”の噂だった……。 <物語>は、少しずつ深みへと堕ちていく――。 『囮物語』 “――嘘つき。神様の癖に” かつて蛇に巻き憑かれた少女・千石撫子(せんごくなでこ)。阿良々木暦(あららぎこよみ)に想いを寄せつづける彼女の前に現れた、真っ白な“使者”の正体とは……? <物語>は最終章へと、うねり、絡まり、進化する――。 『鬼物語』 “誤解を解く努力をしないというのは、嘘をついているのと同じなんだよ” 阿良々木暦(あららぎこよみ)の影に棲む吸血鬼・忍野忍(おしのしのぶ)。彼女の記憶から呼び覚まされた、“怪異を超越する脅威”とは……!? 美しき鬼の一人語りは、時空を超えて今を呑みこむ――!! 『恋物語』 “片思いをずっと続けられたら──それは両想いよりも幸せだと思わない?” 阿良々木暦(あららぎこよみ)を守るため、神様と命の取引をした少女・戦場ヶ原ひたぎ。 約束の“命日”が迫る冬休み 彼女が選んだのは、真っ黒で、最悪の手段だった……。 <物語>はその重圧に軋み、捩れ、悲鳴を上げる──。
  • 〈物語〉シリーズ ファーストシーズン全7冊合本版【イラストギャラリー付き】
    5.0
    1巻8,426円 (税込)
    西尾維新の大人気青春怪異譚〈物語〉シリーズが合本版になって登場! VOFAN氏によるイラストギャラリーも特別収録! 【収録作品】 『化物語 上』 阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった――!? 『化物語 中』 吸血鬼体質となった高校生・阿良々木暦。彼が出逢う、猿に願った少女と蛇に巻き憑かれた少女とは……? 『化物語 下』 三つ編み眼鏡の委員長・羽川翼。阿良々木暦の恩人である彼女が魅せられた怪異とは……? 『傷物語』 全てはここから始まる! 『化物語』前日譚! 全ての始まりは終業式の夜。阿良々木暦と、美しき吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハードアンダーブレードの出逢いから――。 『偽物語 上』 阿良々木暦の青春は、常に怪異と共にある!? 夏休みに入った阿良々木暦は突然、戦場ヶ原ひたぎによって監禁されてしまい……?暦の二人の妹・ファイヤーシスターズも登場! 『偽物語 下』 「こんな偽物だらけの世界は滅んじゃっていいと思うんだよね、お兄ちゃん」。阿良々木暦の妹・月火が実行する、燃え盛るような正義とは!? 『猫物語 黒』 完全無欠の委員長、羽川翼。阿良々木暦の命の恩人である彼女はゴールデンウィーク初日、一匹の猫に、魅せられた――。それは、誰かに禁じられた遊び……人が獣に至る物語。 封印された“悪夢の九日間”は、今その姿をあらわにする!
  • 【イラストギャラリー付き】戯言シリーズ 全9冊合本版
    値引きあり
    -
    エンターテインメントを一新した傑作「戯言シリーズ」が、初の電子合本版になって登場! イラストレーター・竹による、文庫版カバーイラスト計10点を掲載したイラストギャラリーを特別収録! 【収録作品】 クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い   クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄 ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 ネコソギラジカル(上) 十三階段 ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs.橙なる種 ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い
  • 〈物語〉シリーズ オフシーズン全4冊合本版【イラストギャラリー付き】
    5.0
    1巻5,390円 (税込)
    西尾維新の大人気青春怪異譚〈物語〉シリーズが合本版になって登場! VOFAN氏によるイラストギャラリーも特別収録! 【収録作品】 『愚物語』 “それじゃあ、僕の勝利を祈っていて。この世界と、きみが愛する人達のために” 阿良々木暦を監視する式神童女・斧乃木余接。 死体の付喪神である彼女が挑む、命がけの死闘とは!? 〈物語〉は育ち、走り続けて燃え盛る! 『業物語』 “キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードってえ名前は 俺様が考えてやった。” 六百年ほど前、今はもう滅びた国に『うつくし姫』と呼ばれる女の子がいました。その美しさに誰もが命をささげ、彼女が歩く道は死体の山となりました……。 『撫物語』 かつて神様だった少女・千石撫子。夢を追い、現実に追いつめられる彼女は、式神童女・斧乃木余接の力を借りて、分身をつくることに成功する。 『結物語』 怪異譚となる前の“風説”を取り締まる、直江津署風説課で働きはじめた警察官・阿良々木暦。町を離れた、ひたぎと翼。23歳になった3人が選ぶ道と、暦が最後に伝える想いとは…?永遠に、この恋心はほどけない。
  • 【イラストギャラリー付き】美少年探偵団 全11冊合本版
    値引きあり
    5.0
    2021年4月10日TVアニメスタート!  西尾維新の人気青春ミステリーシリーズ『美少年探偵団』が初の電子合本版になって登場! イラストレーター・キナコによるカバーイラストとプロモーション用イラストの、 計15点を掲載したイラストギャラリーを特別収録! 【収録作品】 美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星 ぺてん師と空気男と美少年 屋根裏の美少年 押絵と旅する美少年 パノラマ島美談 D坂の美少年 美少年椅子 緑衣の美少年 美少年М 美少年蜥蜴【光編】 美少年蜥蜴【影編】
  • 大江健三郎全小説 第13巻
    -
    いったんは「神」と信者をコケにした棄教者のリーダーが戻ってきた。脇腹に「聖痕」を刻んで……。 いったい教会は再建されうるのか? そして神なしの祈りはありえるのか? 「世紀末の闇の深さ、希求する若い魂の激しさ。それをリアルに、明快に書くことをねがった。ひとり少年時に聞いた『神』の声を追いもとめる若者も、死の前に生きなおすことを企てる初老の男も、自分だと思う」(著者)。
  • 大江健三郎全小説 第12巻
    -
    お祖母ちゃん(オーバー)の魂を受け継ぎ「救い主」となったギー兄さんは当初人々から偽物と見なされる。次第に賛同者をふやし、現代人の魂の救済を模索してゆく模様を、独特の性遍歴を経たサッチャンが記録してゆく。教会分裂の危機の中で襲撃され障害者となるギー兄さん。最後の決断と死、未来への大いなる励ましとは何か?
  • 大江健三郎全小説 第11巻
    -
    「自分のなかに『祈り』と呼ぶほかないものが動くのを感じてきた。生涯ただ一度書きえる、それを語りかける手紙。その下書きのように、この小説を書いた。故郷の森に住んで、都会の「僕」の師匠(パトロン)でありつづける友。かれは事故のようにおそう生の悲惨を引き受けて、荒あらしい死を遂げる。かれは新生のため、また自分のもう一つの生のために、大きい懐かしさの場所をつくらねばならない(著者・『懐かしい年への手紙』)
  • 大江健三郎全小説 第10巻
    -
    人類は荒廃した地球から百万人を新しい惑星に送り出したが、10年後その大船団が戻ってくるという(『治療塔』。宇宙移民に失敗した朔ちゃんと残留者リッチャンに驚くべき知性を示す子供が生まれるが、地球の荒廃がさらに進んだため、謎の治癒力を持つとされる「治療塔」探索のため再び宇宙に旅立つ(『治療塔惑星』)。さらに著者初のファンタジー・ノベル『二百年の子供』を収録。時空を超えたSF的空想力!
  • 大江健三郎全小説 第9巻
    4.0
    危機にある男を励ます女―『「雨の木(レイン・ツリー)を聴く女たち』。大きな悲哀を負った女性の再生―『人生の親戚』。障害を持った兄との生活を通して家族・社会・時代、人間の未来を考える妹―『静かな生活』。美しい国際派女優をめぐる過去の事件と新たなもくろみ―『臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ』。女性的なるものの力に宿る希望と再生を主題にした4つの傑作長編小説。
  • 大江健三郎全小説 第8巻
    -
    「古代から現代にいたる神話と歴史を、ひとつの夢の環にとじこめるように描く。場所は大きい森のなかの村だが、そこは国家でもあり、それを超えて小宇宙でもある。創造者であり破壊者である巨人が、あらゆる局面に立ちあっている。語り手がそれを妹に書く手紙の、語りの情熱のみをリアリティーの保障とする。僕はそういう方法的な意図からはじめたが、しかしもっと懐かしい小説になったと思う(著者・『同時代ゲーム』)
  • 大江健三郎全小説 第15巻
    -
    「おそらく最後の小説を、私は円熟した老作家としてではなく、フクシマと原発事故のカタストロフィーに追い詰められる思いで書き続けた。しかし70歳で書いた若い人たちに希望を語る詩を新しく引用してしめくくったとも、死んだ友人たちに伝えたい」(著者・『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』)。国家の巨大暴力に対抗するため、個の単位の暴力装置を作る老人を描く『さようなら、私の本よ!』
  • 大江健三郎全小説 第14巻
    -
    個性の塊のような親友に導かれての『日常生活の冒険』。自らの意志でむこう側へ行ってしまった友―義兄の映画監督との関係を描き、著者に「私の一生の中で、最も大切な三作のひとつであると思います」と言わしめた『取り替え子(チェンジリング)』。滑稽かつ悲惨な老年の冒険をつうじて、死んだ母親と去った友人の「真実」を探す『憂い顔の童子』。魂に真の和解はあるのか?
  • 大江健三郎全小説 第6巻
    -
    いましめくくりの時のはじめに、八つの短篇を書いて、そこに映る自分を見る。切実な時代の影に、個の生の苦渋のあとは見まがいがたいが、ユーモアの微光もまんべんなくある。思いがけないのは、女性的なものの力の色濃さだった。遠い幼年時の自分と、それほど遠くないはずの死、また「再生」を思う自分を結んでいる。知的な経験と、森のなかの谷間の神話を、懐かしく媒介しているのも女性的なものだ(著者・『いかに木を殺すか』)
  • 大江健三郎全小説 第4巻
    5.0
    「今度の中篇集で、癌か狂気してか死の床にある男が、子供のころ父親と加わった、天皇の名のもとの反乱を再現しようとする。また、月への打ち上げを恐怖して、宇宙船基地を逃げた男が、現人神(アラヒトガミ)に救われることを夢みる・・・・・これらの、自由をおしつぶされる悲鳴と救済をもとめる叫び声を、時にはユーモラスにあげている男たちが、僕にとっての「同時代」なのです(著者・『みずから我が涙をぬぐいたまう日』)
  • 大江健三郎全小説 第2巻
    5.0
    「リアリスチクに現代日本の青年をえがきだすこと、それを、現実から疎外された青年をえがくべく試みるということとして、この作品のテーマの位置においたことを、私は決してまちがっていたとは思いません。しかし、達成された作品がはたして日本の現代の青年をリアリスチクにえがきだしているかの批判は、それも否定的な批判は、この作品の上梓にあたって再び激しくおこなわれるだろうと思います」(著者・『孤独な青年の休暇』)
  • 大江健三郎全小説 第5巻
    -
    障害者の息子との共生を描く作品群。「ぼくはすでに自分の言葉の世界にすみこんでいる様ざまな主題に、あらためて最も基本的なヤスリをかけようとした。すなわち、個人的な日常生活の癌のように芽ばえた異常を核にして、そのまわりに、欺瞞と正統、逃亡することと残りつづけること、みずからの死と他者の死、人間的な性と反・人間的な性というような命題を結晶させ、再検討することを願ったのである」(著者・『個人的な体験』)
  • 大江健三郎全小説 第1巻
    4.5
    1958年、大学在学中の当時史上最年少23歳で芥川賞を受賞した「飼育」をはじめ、「奇妙な仕事」「死者の奢り」「他人の足」などデビュー前後の鮮烈な初期短篇の数々を収録、ほかに最初期長編として名高い『芽むしり仔撃ち』、『われらの時代』を含む。小説家としての第一歩をしるす記念碑的な作品群。大江文学はここから始まった!
  • 警視庁犯罪被害者支援課 シーズン1 全9冊合本版
    値引きあり
    -
    私は今、刑事ではない。被害者の心に寄り添い、傷が癒えるのを助ける。正解も終わりもない仕事。だが、私だからこそしなければならない仕事――。月曜日の朝、通学児童の列に暴走車が突っこんだ。死傷者多数、残された家族たち。犯人確保もつかのま、事件は思いもかけない様相を見せ始める。(『壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課』) 事件は、犯人逮捕だけでは終わらない。 被害者支援――残された者、その後を生きる者たちの心を描く、圧倒的な人間ドラマ。 大人気文庫書下ろしシリーズ、シリーズ1 全9冊合本版 『壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課』『邪心 警視庁犯罪被害者支援課2』『二度泣いた少女 警視庁犯罪被害者支援課3』『身代わりの空(上)(下) 警視庁犯罪被害者支援課4』『影の守護者 警視庁犯罪被害者支援課5』『不信の鎖 警視庁犯罪被害者支援課6』『空白の家族 警視庁犯罪被害者支援課7』『チェンジ 警視庁犯罪被害者支援課8』 ※8タイトル、全9冊を1冊にまとめた合本版です。
  • 本居宣長『古事記伝』を読む 全4冊合本版
    値引きあり
    -
    本居宣長の歴史的な名著『古事記伝』。「古事記」を古典として再評価し、一字一句、詳細に読み解いた大著だが、そのあまりの大著ゆえに、これを読み通せる人は、ほとんど皆無である。本書は、現代の「古事記」研究の第一人者である著者が、『古事記伝』全44巻を、細部にわたり、懇切丁寧に解説した、画期的な労作。便利な合本版でどうぞ。
  • 超合本 源氏物語 巻一~十
    値引きあり
    -
    誰もが憧れる源氏物語の世界を、気品あふれる現代語に訳した「瀬戸内源氏」。文学史に残る不朽の名訳で読む華麗なる王朝絵巻。巻一では、光源氏の誕生から、夕顔とのはかない逢瀬、若紫との出会いまでを収録。すべての恋する人に贈る最高のラブストーリー。全10巻をまとめた究極の合本版!
  • 大江健三郎全小説 第7巻
    -
    日本近代の百年の心象風景を、故郷の土俗的背景と遡行する歴史的展望において捉え、戦後世代の切実な体験を文学的形象として結晶化した傑作(『万延元年のフットボール』)。「いまや『洪水』が目前にせまっているという声は、一般的となっている。その時、想像力的に同時代を生きなおす、ということは現実的にはいみがあるであろう」(著者・『洪水はわが魂に及び』)
  • 大江健三郎全小説 第3巻
    5.0
    1961年の雑誌発表以来、一度も書籍化されることのなかった「政治少年死す」を含む1964年までの初期短編群その3。 性、政治、青年の苦悩を真正面から赤裸々に描く。
  • 芭蕉
    -
    芭蕉は、俳諧の大成者であるとともに、日本美の極限を生きた。著者が心血をそそいだ、読売文学賞受賞作の『芭蕉』は、必読の座右の書として、不朽の光を放っている。そのほかに、著者の芭蕉に関する重要評論も収録した全集版。
  • 釈迢空 短歌 その器を充たすもの
    -
    釋迢空すなわち折口信夫は、著者の青年時代からの師であり、決定的な存在であった。その影響と、そこからの超脱が、著者の文学者としての歩みといえよう。本書収録の2著作『釋迢空』『短歌 その器を充たすもの』は、師と著者とのあいだに発せられた光芒である。
  • いのちとかたち 天際の借景
    -
    日本美の根源を求めて極めた、美論の成果。源氏物語や枕草子などの古典文学、肖像画・絵巻・茶・花などの伝統芸術、日本人の自然観・芸術観などについて、綜合的な思索を展開。古典、詩、文芸批評の果てに、著者が行きついたのは、日本美への源流であった。『いのちとかたち』は著者50年の文業の結論であり、日本文化研究の輝かしい達成であった。野間文芸賞受賞作品。
  • 森博嗣「日々」ブログ5冊合本
    値引きあり
    -
    1巻3,465円 (税込)
    小説家・森博嗣は日々何を思い、考えているのか? 2017年7月7日~2019年12月31日までの毎日の仕事、遊び、思考の詳細。 森博嗣堂浮遊書店ブログ「店主の雑駁」からの書籍化5作品が合本に。 ◆収録作品 『森籠もりの日々』 『森遊びの日々』 『森語りの日々』 『森心地の日々』 『森メトリィの日々』
  • 古今和歌集全評釈 (上)
    -
    1~3巻3,190~3,300円 (税込)
    冷泉家時雨亭文庫所蔵、嘉禄二年書写の藤原定家自筆本を底本とする、1998年講談社刊『古今和歌集全評釈』を文庫判で完全再現。仮名序、真名序、巻第一から第六まで(春、夏、秋、冬)を収録。また訳注者による古今和歌集総説を掲載。(全3巻)世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし――在原業平 久方の光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ――紀友則

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  • の、すべて
    -
    1巻3,135円 (税込)
    その怪物が日本を変える。「スサノオ」と呼ばれたカリスマ政治家がテロに遭った。その伝記を制作する芸術家(アーティスト)は、一つの「恋愛」の行方を追って、黄泉の世界へ潜っていく――。〈異形の伝記〉が完成するとき、現代日本の運命が変わる!ポピュリズムの時代に新たな神話を降臨させる、怪物的長篇1001枚。 エックスデーからの30年、この国は何を失ったのか?バブル崩壊後に政界入りし、美貌と弁舌で支持を集めた二世政治家・大沢光延は、将来の首相と目されながらテロリストの兇刃にかかる。彼の生涯を伝説化しようとする芸術家・河原真古登が、出発点に見出したのは、一人の巫女との「運命の恋」だった--。 昭和の終焉からコロナ下の令和、幕末日本へ。芸術家からテロリスト、野生の巫女へ。スイングする「語り」が生み出す、予測不能の展開! アニメ版「平家物語」の原作者が、この時代〈の、すべて〉に挑む長篇絵巻。
  • 超合本 妖怪アパートの幽雅な日常
    値引きあり
    4.3
    共同浴場は地下洞窟にこんこんと湧く温泉、とてつもなく美味いご飯を作ってくれる手首だけの賄(まかな)い「るり子」さん――両親を亡くした稲葉夕士が、高校進学と同時に入居したのは、人間と妖怪が入り乱れる「妖怪アパート」だった! 見たことのない光景に度肝を抜かれながら、夕士は一歩一歩、大人になっていく。
  • 超合本 青春の門 第一部~第七部 【五木寛之ノベリスク】
    値引きあり
    -
    第一部 筑豊篇──筑豊の地で生まれた伊吹信介。幼い頃に死んだ父伊吹重蔵。女一人で家を守る母タエ。情に厚い竜五郎らに見守れ、精悍な青年に成長する。幼なじみの織江との愛と性。ふくらむ人生への希望。信介は東京に出ることを決意する。誰もが一度は通りすぎ、だた一度しか通ることが許されない、それが青春の門。世代を超えて共感を呼ぶ史上最大のビルドゥングスロマン第一部。──そして第七部 挑戦篇まで。
  • 英国メイドの世界 電子書籍版
    4.7
    1巻2,926円 (税込)
    鶴田謙二氏、推薦図書。 「これは本物のメイド大全です。 階級社会だった時代背景や彼女たちの仕事や生活が 余すことなく網羅されています。 知りたかった事も、知りたくなかった事も。 『ごっこ』はもう卒業でしょう」 本書を読むと分かる意外な事実……? ・メイドは転職を繰り返していた。 ・皿洗いしかさせてもらえないメイドがいた。 ・おしろいを髪に塗って仕事をする男性使用人がいた。 ハウスメイドから執事まで、 英国家事使用人の本当の姿を丁寧に追った、 一家に一冊のメイド事典。
  • 寂聴 源氏物語
    3.0
    1巻2,816円 (税込)
    読みやすく美しい瀬戸内寂聴の現代語訳で甦る、史上最高の恋愛小説。350万部のベストセラー、寂聴訳「源氏物語」が一冊で読める!全五十四帖から再編集した入門書にして決定版。解説(高木和子)、あらすじ、主要人物紹介、主要人物系図付き。 私が源氏物語の現代語訳を手がけたのは、日本が世界に誇る最高の文化遺産であるこの千年前の傑作小説を、すべての人々に読んでもらい、日本人として生れた心の誇りを取りもどしてほしいと願ったからであった。光源氏という絶世のハンサムで、あらゆる才能を生れながらに恵まれた主人公が、次々起すラブアフェアは、二十一世紀の現代でも決して旧(ふる)くはない。どれほど文明が進んでも、人間の心というものは、千年前も今も、根本に於てはほとんど変らないし、人を愛する喜びと悩みもまた、千年をへだてても一向に変っていないからである。 ――瀬戸内寂聴
  • 魔法を召し上がれ
    3.2
    1巻2,816円 (税込)
    港町のレストランで働く青年マジシャン・ヒカル。彼には忘れられない人がいた。高校時代、突然目の前から失われた少女。ある日、彼は若きロボットを託されて――?
  • Cocoon第一部全6冊合本版
    値引きあり
    -
    時は天明。江戸では、夜になると「鬼」と呼ばれる異形の怪物が出没するようになっていた。 強い恨みを抱いて死んだ人間の成れの果て、鬼。並の人間では歯が立たないほどの力を持ち、人々を襲う。 そんな江戸、吉原にある大見世の黒羽屋には、花魁として名を馳せる瑠璃という女性がいた。 ひとたび道に出れば、あらゆる人を虜にするほど美しい瑠璃。 しかし、瑠璃には鬼退治の闇組織「黒雲」の頭領という裏の顔があった。 四人の仲間とともに、瑠璃にしか抜けない刀「飛雷」で鬼を斬り倒し、密かに江戸の平和を守っているのだ。 だがある日、瑠璃の遊女仲間で唯一の理解者の津笠が失踪。 動揺を隠せない瑠璃に無慈悲な運命が襲いかかる。(『Cocoon 修羅の目覚め』) 激しい熱が迸る圧巻の滅鬼譚。 鬼斬り花魁・瑠璃、最注目のダークヒロイン誕生! 『Cocoon 修羅の目覚め』『Cocoon2 蠱惑の焔』『Cocoon3 幽世の祈り』『Cocoon4 宿縁の大樹』『Cocoon5 瑠璃の浄土』『連理の宝 Cocoon外伝』第一部全6冊合本
  • 時を壊した彼女 7月7日は7度ある
    3.3
    1巻2,717円 (税込)
    何度、何度、何度くり返しても彼の死だけが変わらない星夜の学校を襲った悲劇と、くり返す夏の日。命がけの青春を、私達は生きている。運命と戦う高校生達のタイムリープ×本格ミステリ☆☆☆7月7日。部活仲間5人のささやかな七夕祭りを、謎の爆発が襲った。その爆発は、部長を激しく吹き飛ばし殺害してしまう。原因は、未来からきた少女2人。彼女らはタイムマシンをハイジャックした挙げ句、爆発させてしまったのだ。部長の理不尽な死をなかったことにすべく、彼らは協力して過去を書き換えようとする。だが、時を繰り返すたび、なぜか犠牲者は増えていってしまい──遡れるのは計7回、無限に思える選択肢。繰り返す青春の1日は、命がけだ。
  • 竜の柩 全6冊合本版
    値引きあり
    4.8
    龍神伝説を追うために津軽、信濃、出雲と列島縦断して調査を進める九鬼虹人(くきこうじん)たちアクト・ナインのメンバー。『古事記』『日本書紀』や風土記に残る寓話や神話を読み解く九鬼は、独自の論理的考察で、仮説を実証し真実に辿り着く。龍=ロケット、神=エイリアン。高橋克彦の大作『竜の柩』全6冊を、ひとつにまとめてお届けします。
  • 漱石の世界
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 西田幾多郎とカール・バルに学んだ神学者・哲学者の著者が、文豪夏目漱石の世界に迫る。「則天去私」に至った明治の作家の心の内奥に迫る。 【目次より】 新版の序 序 第一章 倫敦の経験(「自己本意」の決意) 一 漱石の「自己」というもの 二 『私の個人主義』と謂わゆるエゴイズム ~ 九 彼の不安は何故消えたか 十 彼が倫敦で「新しく掴んだ」「自己本位」の真義 それと「東洋趣味」及び「生涯の事業」との関係 十一 「自己本位」の信念は何故『文学論』の著述を断念した後にもその力を保ち得たか 十二 『私の個人主義』に於ける漱石の体験分析の曖昧とその原因 第二章『文学論』と神経衰弱 一 帰る日まで 二 帰ってから 三 『文学論』の骨組 ~ 七 日露戦争 友人と門下生 表現の意欲 八 漱石は何故彼の『文学論』を「学理的閑文字」と呼んだか 漱石の神経衰弱及び創作の意欲そのものと、それについての漱石自身乃至諸家の批評との間の隔たり 第三章 作品の発展 その一 第一節 『野分』まで 第二節 『虞美人草』 第三節 『坑夫』 第四章 作品の発展 その二 第一節 『三四郎』 第二節 『それから』 第三節 『門』 第五章 作品の発展 その三 第一節 『思ひ出す事など』 修善寺の大患とその意義について  第二節 『彼岸過迄』 第三節 『行人』 第四節 『こゝろ』 第六章 「則天去私」とその後の作品 第一節 『硝子戸の中』と「則天去私」 第二節 『道草』 第三節 『明暗』 結論 あとがき 新版の跋 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • パンとサーカス
    4.1
    1巻2,607円 (税込)
    政治的関心を失った民衆には、食料(パン)と見世物(サーカス)を与えておけば支配は容易い。 戦争、犯罪、天災、疫病――どれもがサーカスとなる。 ヤクザの二代目、右翼のフィクサー、内部告発者、ホームレス詩人…… 世直しか、テロリズムか? 諦めの横溢する日本で、 いざ、サーカスの幕が上がる! 「私の暴走にどうかお付き合いください」 ――島田雅彦 不正隠蔽の犠牲となった父親の復讐を果たすため、CIAエージェントになった男は、 日・米両政府の表と裏を巧みに欺き、いつしか日本国民の仇をとる。
  • イロニアの大和
    -
    1巻2,607円 (税込)
    保田與重郎をめぐる大和文学紀行。――国のまほろば・大和の地に刻まれた、無垢なる魂の悲惨と栄光。悠久と無常の風土に、保田文学の根源をたどる、碩学の傑作評論。 「保田を読み始めた頃は旅を嫌っていた若者が、老境に入って、旅の経験もかなり積み重ねて来たその蓄積の上で、保田の大和を眺めた時どのように見えるか、そのことをたしかめようとしたのがこの本である。いうまでもなく現実にはその土地は行政区画としての奈良県であって、そこにひそむ遠い過去の追想は、所詮幻にすぎぬかもしれない。しかし幻にこそ土地の神髄があると考えれば、現実の相はかえって虚にすぎなくなるともいえる。実にして虚、このイロニーの上に保田の大和は浮んでいると見た所に表題を置くいわれがあった。」(後書より)
  • 酔いざめ日記
    -
    昭和七年(二七歳)から、亡くなる直前の昭和四三年(六四歳)までの木山捷平の日記、初文庫化。詩から始まり、昭和八年に太宰治たちと同人誌「海豹」創刊後、小説を発表し、様々な作家と交遊を深めた木山。生活は困窮をきわめ、体調をくずしながらも書き続けた日々。作家の心情、家庭生活、そして何よりも、自らの死までも、じっと作家の眼で冷静に描ききった生涯の記。
  • 地底での散歩
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 共産主義者を経てクリスチャンになった小説家は、日常を描く実存主義的な作品で一世を風靡した。深い経験と洞察が生み出す思索を読む 【目次より】 まえ書きにかえて 自己に眼覚めるころ キリスト教の中で キリスト教のユーモア 道化師の孤独 笑いについて 宗教と信者 復活はあるか 私は何故クリスチァンでないか 政党と私 「十分である」ということ 現代の魔術 「交り」ということ 恋愛について 組織と共同体 丸出し論議 出会いについて 推理小説と聖書 非神話化の問題をめぐって 罪の観念と罰 非正統派の弁 私の反省 上原集団脱出記 赤岩栄「キリスト教脱出記」の書評として 文学のなかで キリスト教と文学 信仰において 信仰と小説 マス・メディアの問題 距離 救いと文学 現代とニヒリズム 観客席で 映画における人間 芸能時事 あとがき 椎名 麟三 1911~1973年。小説家。本名は、大坪 昇(おおつぼ のぼる)。第一次戦後派の代表作家。 著書に、『深夜の酒宴』『重き流れのなかに』『深尾正治の手記』『永遠なる序章』『その日まで』『病院裏の人々』『赤い孤独者』『嫉妬』『邂逅』『愛と死の谷間』『自由の彼方で』『神の道化師』『美しい女』『愛の証言』『母の像』『その日まで』『運河』『人生の背後に』『新作の証言』『雨は降り続いている』『明日なき日』『断崖の上で』『罠と毒『長い谷間』『媒妁人』『カラチの女』『懲役人の告発』『変装』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 特殊防諜班 シリーズ全7冊合本版
    値引きあり
    3.0
    1巻2,541円 (税込)
    宗教団体教祖の奇妙な誘拐事件が相次いで発生した。教祖たちは無事解放され、一様に何も覚えていない。だが、雷光教団・東田夢妙斎の事件は違った。真相を追う「首相の代理人」真田は、陰にある巨大な陰謀と遥か古代から受け継がれた血の伝承を探しあてる。『新人類戦線“失われた十支族”禁断の系譜』改題『連続誘拐』ほか。『組織報復』『標的反撃』『凶星降臨』『諜報潜入』『聖域炎上』『最終特命』。「特殊防諜班」シリーズ・7巻
  • 口訳 古事記
    3.9
    1巻2,508円 (税込)
    アナーキーな神々と英雄たちが繰り広げる、〈世界の始まり〉の物語。 前代未聞のおもしろさ!!日本神話が画期的な口語訳で生まれ変わる!町田康の新たな代表作。 「汝(われ)、行って、玉取ってきたれや」「ほな、行ってきますわ」 イザナキとイザナミによる「国生み」と黄泉国行、日の神アマテラスの「天の岩屋」ひきこもりと追放された乱暴者スサノオのヤマタノオロチ退治、何度も殺されては甦ったオオクニヌシの国作り、父に疎まれた英雄ヤマトタケルの冒険と死、帝位をめぐる争い、女たちの決断、滅びゆく者たち――。 奔放なる愛と野望、裏切りと謀略にみちた日本最古のドラマが、破天荒な超絶文体で現代に降臨する!
  • 会社員とは何者か? 会社員小説をめぐって
    4.0
    1巻2,508円 (税込)
    果たして会社員は小説の主要な登場人物になりえるのか? 著者はこんな命題を抱え、会社員が主人公の古今の小説に切り込んでいきます。取り上げられるのは、源氏鶏太、山口瞳、庄野潤三、黒井千次、坂上弘、絲山秋子、長嶋有、津村記久子、カフカ、メルヴィル……。そこから見えてくるのは、自明なものとして受けとめられている「会社員」という言葉・存在に潜む謎だった。いったい、会社員とは何者なのか?
  • 慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代
    4.0
    夏目漱石、宮武外骨、南方熊楠、幸田露伴、正岡子規、尾崎紅葉、斎藤緑雨の七人がみな、幕末維新動乱真っ只中の慶応三年生まれの同い年だということに、著者が興味を感じ続けてきたことからすべてが始まる。明治期の文学に造詣の深い著者が膨大な文献を渉猟することで浮かび上がってきた、七人の傑物たちの姿や相互に絡み合う関係を生き生きと筆致で描くことで、明治初期から日清戦争までの時代を鮮やかに浮かび上がらせる本書は、2001年講談社エッセイ賞を受賞した。鋭い批評性を保ちながらも、ひたすら頁を繰っていきたくなる面白さに満ちた文芸評論の傑作。
  • 各務原・名古屋・国立
    -
    老小説家の父親の出生地、岐阜県各務原市での講演という体で小説は書き始められる。その講演では岐阜近辺出身の文人が次々に召喚され、文化的磁場としての岐阜について語られるかと思いきや、認知症が進行していく妻とのやり取りの場面が挿入される。老小説家が関心を持って接してきた遠い過去からごく最近までの文学者たちの言葉と、日常生活を営むことが困難になりつつある妻の言葉が折り重なるように記されつづけたその奥からぼんやりと見えてくるのは、齢八十代半ばに至り健康体とはいえない老小説家が、どうしようもなく疲労しつつも生きて書くことの闘いをやめようとしない姿である。
  • 人外
    4.5
    1巻2,398円 (税込)
    第72回野間文芸賞受賞作。神か、けだものか。アラカシの枝の股から滲みだし、四足獣のかたちをとった「それ」は、予知と記憶のあいだで引き裂かれながら、荒廃した世界の風景を横切ってゆく。死体を満載した列車、空虚な哄笑があふれるカジノ、書き割りのような街、ひとけのない病院、廃墟化した遊園地。ゆくてに待ち受けるのは、いったい何か?世界のへりをめぐるよるべない魂の旅を描く傑作小説。
  • 北條民雄 小説随筆書簡集
    4.7
    ハンセン病療養所での隔離生活という極限状況で創作されたすべての小説(完成作品)を中心に、川端康成や中村光夫と交わした数多くの書簡、一部の未完小説と随筆も収録。創作期間わずか数年で夭逝した天才作家の、魂の軌跡を辿る。
  • スピンク日記 全4冊合本版
    値引きあり
    -
    1巻2,387円 (税込)
    私はスピンクといいます。プードルです。小説家の主人・ポチや美徴さん、キューティー・セバスチャンやたくさんの猫たちと一緒に暮らしています。「犯人だー」と叫んで一緒に駆け回り、安物買いの暖房器具で寒い思いをし、ときに「文学の鬼になる」と言い出す主人と私たちの楽しい毎日について申し上げます。 『スピンク日記』『スピンク合財帖』『スピンクの壺』『スピンクの笑顔』全4冊合本版
  • 奏者水滸伝 全7巻合本版
    値引きあり
    5.0
    1巻2,310円 (税込)
    聖者と呼ばれた偉大な奏者は予言を残して死んだ。時は過ぎ、人を探し日本を旅する者たちがいた。北海道、沖縄、京都、川越で見出されたのは古丹、比嘉、遠田、猿沢の四人の男たちだった。僧侶・木喰の導きで集結した彼らは音楽業界を席巻した。 「奏者水滸伝」シリーズ・7巻合本 『阿羅漢集結』『小さな逃亡者』『古丹、山へ行く』 『白の暗殺教団』『四人、海を渡る』『追跡者の標的』『北の最終決戦』
  • 今昔物語集 天竺篇 全現代語訳
    -
    成立は12世紀、平安末期と言われる。本朝(日本)、天竺(インド)、震旦(中国)、すなわち当時認識していた全世界に伝わる仏教譚を集めた類聚説話集。本巻の舞台は天竺。釈尊の生涯や伝説、修行、各種霊験、因果応報……綿々と伝わる教えを壮大なスケールで、ときにユーモラスに展開する。講談社学術文庫刊『今昔物語集』(一)~(五)より現代語訳を抽出し、一冊に再編集。
  • 東京駅の建築家 辰野金吾伝
    4.7
    1巻2,299円 (税込)
    東京駅を作った人!―― 唐津藩の下級武士・辰野金吾は上京し、英国に留学。日本銀行や東京駅を手がけて、近代日本の魂をも作った! 見事な人間讃歌、書下ろし特別作品。 ● わが国近代建築のなかで、東京駅はおそらく最も多く小説に取り上げられてきたものであろう。とくに私の記憶に残っているのが、江戸川乱歩『怪人二十面相』である。 怪盗が帝都に跳梁する状況下、待ちに待った名探偵明智小五郎が帰朝し、颯爽と東京駅に降り立つ。この名探偵を外務省の役人に変装した二十面相がプラットホームで出迎え、二人はステーションホテルの一室で対決する。 「この駅はあたかも光線を放射する太陽のようなものだ。あらゆるものの中心となって、ここから光を四方八方に放ってほしい」と、開業の祝賀式で時の首相大隈重信が述べた言葉は、まさに以後の東京駅と近代日本の行く末を言い当てることになった。――(あとがき)
  • 新古事記
    4.1
    1巻2,299円 (税込)
    第二次大戦日米開戦後のアメリカ。オッペンハイマー、ノイマン、ボーア、フェルミ、若手のファインマン……。太平洋戦争の最中、世界と隔絶したニューメキシコの大地に錚々たる科学者たちが続々と集まってくる。 咸臨丸の船員だった日本人の血を受け継ぐ日系三世のアデラは両親にさえ物理学者の夫の仕事の内容を教えられず、住所を知らせることもできない。秘密裏に進む夫たちの原爆開発、施設内の犬と人間の出産ラッシュ。それと知らず家事と子育てに明け暮れる学者の妻たちの平穏な日々。 「新しい世界は神じゃなく、人の子がつくる」――”われは死なり 世界の破壊者となれり” その小さな神たちが行き場を探して右往左往している。辺りは火火火火火火、赤いものがボウボウと襲いかかる。 世界は戦さの火だらけだ。火火火火火火が荒れ狂う。小さい神々は蟹のように火火火火火火に追われて逃げ惑う。 山の神も火火火火火火、川の神も火火火火火火に包まれ、樹木の神も立ったまま火火火火火火に焼け焦げていく。 焼け滅ぼされていく。
  • 漱石山房の人々
    3.5
    私が漱石山房に出入したのは明治四十年から大正五年先生が亡くなられた時まで、十年間である。その間に私はただの一度も先生に叱られることがなかった。それは私が入門した時の事情から、先生がとくに私の神経をいたわって下さったということもあろうが、とにかく私は一度も先生から叱られたことがなかった。それで私は先生を恐いと思ったことがなかった。神経衰弱でいじけており、この偉い先生の前で畏まってはいたが、恐いと思ったことは一度もなかった。こんな優しい人が世にあろうかと先生の在世中も思いつづけたし、死後の現在でもあんな優しい人には二度と遭えないと信じている。(「世にも優しい人」) 漱石晩年の弟子の眼に映じた師とその家族の姿、先輩たちのふるまい……。文豪の風貌を知るうえの最良の一冊。
  • 半島
    5.0
    勤めていた大学に辞表を出し、寂れた島に仮初の棲み処を求めた迫村。月を愛でながら己の影と対話し、南方から流れついた女と愛し合い、地下へ降りて思いがけぬ光景を目にし、現実とも虚構ともつかぬ時間が過ぎていく。この自由も、再生も、幻なのか? 耽美と迷宮的悦楽に満ちた傑作長篇。読売文学賞受賞作。
  • 戦後的思考
    5.0
    1995年、戦後50年目に発表された「敗戦後論」は、単行本刊行後、百を越える批判を左右両翼から浴びた。本書はその反響の醒めぬなか、それらを正面から受け止め、「批判者たちの『息の根』をとめるつもり」で書き始められた。「戦後的思考」とは何か。戦前と戦後はなぜ「つながらない」のか? 今こそ我々に必要な、生きた思想と格闘する画期的論考を、増補改訂を施し、21世紀に再度問う。*解説は収録されていません。
  • 原民喜戦後全小説
    -
    広島への原爆投下の惨劇を克明に描いた傑作「夏の花」三部作、亡妻への痛切な思いが滲む「美しき死の岸に」ほか、壮絶な体験と苦悩を刻んだ小説群。戦後70年を経て尚鮮烈な光を放つ戦争文学の金字塔を、文芸文庫スタンダードとして新装版刊行。
  • わが庭の寓話・動物譚と植物誌
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 詩人、随筆家、翻訳家、また、クラシック音楽への造詣も深い著者は、山や自然を描いた詩や散文の秀品を多く残した。 「この仕事について ジョルジュ・デュアメルの『わが庭の寓話』との語らいを漸ようやく終わり、私はやれやれという気持で今一息ついている。彼と手を連ねてゆっくりとその邸内や庭や近隣の田舎を歩きながら、どんなに彼の話を聴き、どんなに色々の物を見、どんなにたくさんの事柄を学んだことだろう。思えば友であると同時に先輩であり、又一人の賢者でもあるデュアメルという人間を、その日常生活の中で観察するという幸福を私は持ったのだった。そして又この友はさまざまな機会に暗示を与え、それとなく教えを垂れて私を賢くした。もしも彼がいなかったならば、もしも彼から注意されなかったならば、どれだけ多くの貴重な事を私が見過ごし、聴き流してしまったことだろう。  「僕も寓話を書けたらばと思います。僕の庭の寓話を。しかし残念な事に僕は庭を持っていないのです」と言って嘆く或る青年の言葉が一晩じゅう彼を考えこませる。そして彼はこう言う。「まだ庭という物を持たなかった頃、私はリュクサンブールの林の中で寓話の咲くのを眺めたものだ。熱心な愛好者にとって、寓話を育てるためにならほんの小さな庭が一つあれば充分だ」そして控え目に言う、「私ならば窓のへりに置いた一鉢からでも、それを生長させるだろうと思うのだが」と。  こう言われてみて、さて今自分の窓からの狭い谷間の風景を眺めただけでも、デュアメルのような心と眼とをもってすれば、寓話の花は此処にも彼処あそこにも咲いている。時しも秋の終わり冬の初めで谷を囲む山麓の林は黄に赤に、鳶色に紫に皆美しく彩られ、その上に拭き清められたような青空がひろがり、穏かな日光が燦然と照り渡っている。そしてたまたまその大空の西の方にたった一つ浮かんでいる白い小さい片積雲が、語られた物語の終わりの一句か、語られる話の書き出しのように見える。しかし「窓のへりの一鉢」どころか窓の向うの豊麗な風景からでさえ、もしもわれわれに表現の力と豊かな人生智とが無ければ、たった一つの寓話でも此処から生み出すことはできないだろう。」(本書より) ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 見て感じて考える
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 「ビルマの竪琴」の作者が、戦後日本で見て感じて考えた」ことをまとめたエッセイ集。自由主義を愛した著者に、戦後はどう映ったのか? 日常と哲学が交錯する、珠玉の随筆集である。 【目次より】 1 学生事件の見聞と感想 2 門を入らない人々 3 心理戦略 4 原爆のこと 5 在米の安倍先生に 1 砂の上にて 2 磯 3 国籍 4 すこしきたない話 5 俗論 1 精神史について 2 進歩思想について 3 「日本人とは何か」について 4 両次大戦間のドイツの文芸思潮 あとがき 竹山 道雄 1903~1984年。評論家、ドイツ文学者、小説家。日本芸術院会員。東京大学教養学部教授。東京帝国大学文学部独文科卒業。 著書に、『光と愛の戦士』『失はれた青春』『ビルマの竪琴』『北方の心情』『憑かれた人々』『希臘にて』『手帖』『樅の木と薔薇』『失われた青春』『見て感じて考える』『古都遍歴-奈良』『精神のあとをたずねて』『白磁の杯』『昭和の精神史』『ヨーロッパの旅』『續 ヨーロッパの旅』『まぼろしと真実 私のソビエト見聞記』『剣と十字架 ドイツの旅より』『京都の一級品 東山遍歴』『人間について 私の見聞と反省』『時流に反して』『日本人と美』『乱世の中から 竹山道雄評論集』『みじかい命』『竹山道雄著作集(全8巻)』『歴史的意識について』『主役としての近代』『尼僧の手紙』『昭和の精神史』『昭和の精神史』『竹山道雄セレクション(全4巻)』(平川祐弘編)『昭和の精神史』『西欧一神教の世界』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 進化の時計
    -
    1巻2,222円 (税込)
    一匹の猿に魅せられた僕たちの青春冒険小説。それは、かわいらしい猿との出会いから始まった。東京から九州の延岡へと繰りひろげられるある計画とは? 愛しいジョウジ-を捜し続ける僕の哀しくも楽しい長篇。
  • 小説 日本興業銀行 全5冊合本版
    5.0
    1巻2,200円 (税込)
    実力者が、肚を据えて証券不況のたてなおしをはかる虚々実々の駆けひき。かくして日銀特融は実行された――企業小説の旗手高杉良が、産業金融の雄、日本興業銀行にスポットをあて、豊かな構想力に万全の取材を加え、戦後の日本経済界を彩る幾多の人材を縦糸に、実名で描く、会心の経済大河ドラマ。
  • 戦争よりも本がいい
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    こんな世の中だからこそ、読んでおきたい本がある! 愛の詩集からオナラの文化史まで、江戸の奇人から戦時の無名歌人まで、幻の名著・奇書・傑作をいっきょに紹介。一般にはほとんど知られることのなかった幻の本の数々には、時代の風に流されることなく、ひたむきに綴った著者たちの、つよくやさしい心が透けてみえてくる。
  • ベトナムから遠く離れて(上) 【小田実全集】
    -
    1~3巻2,200円 (税込)
    1980年代、世界初の海上埋め立て都市をもつ一港都に、異人館で高級仕立屋を営む女主人公と家族、縁者、風変りな外国人が蠢く。抱腹絶倒の過剰な性の倒錯、欲望、虚栄が渦まく中、人は何のために生きているのか? と問うようにベトナム戦争の影がつきまとう。かつて「ベトナム」は世界の中心だったがもう誰もふれようとしない。ベトナムから遠く離れた世界、人間はどこへ行くのか? ディエンビエンフー、パリ、カマウ岬、メコン河……。バブル時代と人間の悲喜劇を描いた傑作長編。
  • 君が代は千代に八千代に
    3.5
    20世紀末に連載が開始された2作の長篇小説『日本文学盛衰史』『官能小説化』とほぼ同時期、文芸誌「文學界」に毎回短距離走のように連載された短篇小説群。 明治の作家たちを登場人物とした先の2篇とは真逆の方向で、現代日本にあふれる空虚な賑やかさと残された希望の乏しさを、そして愛と日常を、どこまでも真正面から受けとめ表現しつづける短篇小説が13篇。 『さようなら、ギャングたち』で鮮烈なデビューを飾り、『日本文学盛衰史』で作家としての評価をさらに高めた高橋源一郎の、新たなる転換点としての傑作短篇集。
  • 石の聲 完全版
    -
    芥川賞受賞後、苦しみながら構想した大長編『石の聲』。没後発表され、単行本として刊行された第一章、その後新たに見つかった第二章と第三章の一部、『石の聲』執筆の苦心と意気込みが伝わる編集者への書簡、作家になる前に綴った胸を打つエッセイ、作家からの追悼文を収録した、オリジナル決定版。
  • 故郷へ、友へ、恩師へ、 風の便り 山田風太郎書簡集
    -
    1巻2,189円 (税込)
    「サッパリ、書けん。」 悪友親友への便りに垣間見せる素顔の風太郎。 早くに両親を亡くして世話になった親戚への消息、恩師との交流。 最も気が合った高木彬光氏との合作の相談、横溝正史氏ともども家族ぐるみの付き合い。 江戸川乱歩をはじめ、角田喜久雄、鮎川哲也、中井英夫、色川武大、筒井康隆、髙峰秀子、安野光雅、横尾忠則、中島河太郎の各氏から届いた書簡、ドイツ文学者西義之氏との往復書簡もあわせて収録。 「医者より小説の方が小生の本性には合致している」 戦時中に単身上京して、軍需工場に勤めながら受験勉強を続けて医学専門学校に合格。1947年に「宝石」の短編懸賞に応募した「達磨峠の事件」が入選。50年に新制医科大学を卒業するも作家の道を選択し、忍法帖シリーズで大人気作家に。世相に対する鋭い批評から、気のおけない仲間に漏らす本音まで飾らない魅力が満載。 山田風太郎生誕一〇〇年記念
  • 開化奇譚集 明治伏魔殿
    -
    1巻2,189円 (税込)
    歴史の大きな変わり目には、社会は流動化し、人間関係にも平時には起こりえず、想像もつかない変動が生じる。そんなときにひょっこり生まれる人びとの予想外の取り合わせは、貴重な“歴史の偶然”として現出するが、多くの場合たちまち短命に消え失せてしまい、人びとに記憶されず、ましてや記録として書き残されることもない。わたし筆者(わたし)がこれから書こうとしている物語は、ことによったら歴史の流れを異なる水路に導いたかもしれないひとつのエピソードである(「明治天皇の馭者」より)。 文明とは、ある可能性の粉砕であり、開化とは、挫折した夢と怨みの上に咲いた花である。新時代の到来に必然はない。ありえたかもしれない未来と希望のもつれを解きほぐす、5つのネオフィクションの試みが見せる光景とは?
  • たんたん滝水 村の自然と生活
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 民俗学者による、生活と自然との素朴な触れ合いから生れた言葉をすくいあげ、心暖まる山村の日々を独自な聞き書き文で描いた随筆 【目次より】 ■春の日に張れるやなぎを採り持ちて かんざくら 春木山 労働の一 かわらぼんぽん 彼岸味噌 食物の一 こぶし だいしゃく いずみどの たんたん滝水 遊びと唄の一 やわら つぶ と びんろうじ みねば 女の行 産育の一 駒の雪 諺の一 ■路の辺の草深ゆりの花咲みに いちき 草刈り 労働の一 もちのき つぶつぶ 食物の二 しろかのこ やまぶし はんがん ひとりふたりさめのこ 遊びと唄の二 ふじっぱ めめひず ゆめなど 産育の二 ぴな かないっちょ きくらこくら まりこの夕立 諺の二 ■あしひきの山の木ぬれの保与とりて さかさばら かち荷など 労働の三 めっぱす こふんぐりなど 食物の三 ひがんぎく ねんじばち てんじんさんのつばき 氷の垂木 色々な唄の一 ありばば ねばな あらおみたま 葬礼習俗 きり からすのつぎき 乾の夕焼 諺の三 ■すめ神の神の宮人ところづら あわ たつぼなど 労慟の四 やまどり どや餅など 食物の四 きじんとり ところ かわおそ ひゃくわっと 色々な唄の二 ほどんづる とっぴ こんにゃくバサ ほんとにあった話 かんがら もろんど 笹棲に落つる涙 諺の四 あとがき 地名一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 宇都宮 貞子 1908~1992年。民俗学者、草花研究家、随筆家。旧制県立長野高等女学校卒。東京女子大学中退。 著書に、『草木覚書』『草木ノート』『山村の四季』『草木おぼえ書』『八重葎帖』『螢草抄』『草木の話 秋・冬』『草木の話 春・夏』『たんたん滝水 村の自然と生活』『雪の夜咄』『山にあそび野にあそぶ』『野山の十二カ月 (野外への扉)』『草木抄 四季』(熊田達夫写真)『植物と民俗』『冬の草木』『夏の草木』『秋の草木』『春の草木』『科の木帖』『私の草木誌』などがある。
  • 八重葎帖
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 雑草が大量に生い茂っているさまを八重葎という。四季を通して繁茂するさまざま植物をめぐるエッセイ。自然と人間のよい関係を描く。 【目次より】 ■つつじ花もてかしづかれたまふ じなし ゆきつばき きんつつじ ぽつら やまぶき のうしろつつぎ れっだ こうめぜんめ こなし ちんばり ながたかばら おくたね すげ ささぎっぱ ほうそうなら ぎゃくの話 ■築地に白き山牛努の花 とうごぽう かべよし かいろっぱ めくらしょうぶ せきしょ ねぶろったま かんぴろ よめごろし まむしのは わくんて どようつつじ 盆の花 どくいら やまずいこ あきしらせ へっぴりづる かみなりよけ みょうきんの話 ■ほの紅らめる山うけら花 あぶらっぽう かあとりぐさ みちしば しっぱつ ほつき だんごづる あけぶ おろ めばな たなばたそう みやまつ てのひらもみじ いぽっつりの話 ■真碩の沈む枯葎藪 ふしにんじん すねこすり しろつりがね はっぽん たかやま かりやせ はねすがや ふよばな いなざんしょう はなたかてんぐ どんぽづまき どうほん こもづち あずきあらいの話 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 宇都宮 貞子 1908~1992年。民俗学者、草花研究家、随筆家。旧制県立長野高等女学校卒。東京女子大学中退。 著書に、『草木覚書』『草木ノート』『山村の四季』『草木おぼえ書』『八重葎帖』『螢草抄』『草木の話 秋・冬』『草木の話 春・夏』『たんたん滝水 村の自然と生活』『雪の夜咄』『山にあそび野にあそぶ』『野山の十二カ月 (野外への扉)』『草木抄 四季』(熊田達夫写真)『植物と民俗』『冬の草木』『夏の草木』『秋の草木』『春の草木』『科の木帖』『私の草木誌』などがある。
  • ドグラ・マグラの世界/夢野久作 迷宮の住人
    5.0
    巻頭に置かれるのは、夢野久作が読書界から顧みられることのほとんどなかった1962年に鶴見俊輔が雑誌「思想の科学」に発表した「ドグラ・マグラの世界」である。この評論により、日本の戦後期には忘れられた存在となっていた夢野久作は「再発見」される。 「ドグラ・マグラの世界」の発表がきっかけとなり、鶴見と夢野久作の長男である杉山龍丸の交流が生ずる。やがて杉山龍丸の著書や杉山が編纂した夢野久作の日記などを資料としてじゅうぶんに咀嚼したうえで、鶴見は夢野久作論『夢野久作 迷宮の住人』が書き下ろされる 夢野久作について少年期の鶴見俊輔が出会った夢野久作の『犬神博士』の紹介から、『夢野久作 迷宮の住人』の第一部は始まる。そして『氷の涯』という日本軍のシベリア出兵をモチーフにした作品、さらに異色の長篇推理小説『ドグラ・マグラ』へ。そして、これらの作品が昭和初期の読者にどのように受けとめられたのかと問いが生まれる。 第二部では作家夢野久作の本名である杉山泰道の側からその生涯が辿られる。泰道の伝記的事実の多くは、さらにその長男杉山龍丸の著書によるが、伝記的事実と時代背景を結びつけて読み解くことで、より作品世界に深くわけ入ることができる。 第三部では、夢野作品受容の変遷が綴られる。江戸川乱歩ほか同時代の探偵作家たちにはやはり異形のものとして解されている。しかし年少の読者だった福永武彦や中井英夫たちには強烈な印象が残っていた。敗戦後、占領期に夢野久作が思いおこされることはなかったが、1960年を境にふたたび関心が寄せられるようになり、作品研究・分析が進む。そこで見えてきたものは、中央から遠い地方で、土地の日常言語を駆使して人間の根本問題に迫る、きわめて独創的な作家の姿であった。 本書により、夢野久作というきわめて独自性に満ちた作家に多角的に光が当てられ、読者にとってもそのイメージが鮮明となることが期待される。
  • ゴッホの犬と耳とひまわり
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    古いフランス製の家計簿に書きこまれた膨大な文書を翻訳してほしい、と文化人類学者河島からの依頼。最後にVincent van Goghと署名があって、ゴッホ直筆かもしれない。しかも署名付き家計簿は二冊存在するという。贋作ならば、なぜ複数必要だったのか。ぼくは翻訳を進めるいっぽう、家計簿の来歴を追った。だが、謎は深まるばかりだった。
  • 螢草抄
    値引きあり
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 そこには万葉の昔から、今も変わらぬ人と自然のふれ合いがある。本書は『山村の四季』『八重葎帖』についで著者の書き下ろした信濃・越後・奈良の山村の草木随筆集。山国の四季おりおりの植物と人のこころのふれ合いが、土地の美しい日本語で描き出される。 【目次より】 ■雪消沢恵具つむ乙女 そろい たけびらき やまなし さずいゆり たものき ほうらくいちご にわとこ かやね どうっつね ちちんの話 ■高円の野辺の貌花 ちゃんからちゃがま でえっばら とりあし とうへんじ みょうみょう つぼっつら にれ どんぼうのくみかみ かあげ つばきなぎ かんがらかつぎ ようご ちょっきらの話 ■葛の葉のあゆける我を さんまたびい ゆさご すいじんさんのて まめふじ もうぎ くまいっつる ひなっつび うずまきぶどう さなづる よつずみ さるで 山鳥の話 ■笹が葉のさやぐ霜夜に からすのかんなべ しょうとどころ あかんぼ 霜の笹 さるぼこ あかがら がにまめ どうの話 あとがき 地名一覧 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 宇都宮 貞子 1908~1992年。民俗学者、草花研究家、随筆家。旧制県立長野高等女学校卒。東京女子大学中退。 著書に、『草木覚書』『草木ノート』『山村の四季』『草木おぼえ書』『八重葎帖』『螢草抄』『草木の話 秋・冬』『草木の話 春・夏』『たんたん滝水 村の自然と生活』『雪の夜咄』『山にあそび野にあそぶ』『野山の十二カ月 (野外への扉)』『草木抄 四季』(熊田達夫写真)『植物と民俗』『冬の草木』『夏の草木』『秋の草木』『春の草木』『科の木帖』『私の草木誌』などがある。
  • 戒厳
    5.0
    1巻2,090円 (税込)
    ソウルの大学への就職話というのもそれほど悪いものではないかもしれない。なにしろ自分はこの2年というもの、横文字ばかり読んできて、すっかり頭が欧米向きになってしまった。フランス語も英語も存在しない、この不思議な文字の連なりからなる国に足を向けるというのも、考えようによっては面白いに違いない。焼肉もキムチも好きだ。焼肉は食べ放題だっていうではないか。きっとこれは真の意味で冒険となるだろう。何しろまったく予備知識のない社会に、白紙同然の状態で行こうとするのだからな。となれば、ぐずぐずはしていられない。今すぐパスポートを申請し、ヴィザの発給を受け、この文字に少しでも親しんでおくことだ。わたしはそう決意した。わたしはパスポートを受け取ると、その足で南麻布にある大韓民国大使館に向かった。  1970年代に日本人が韓国を訪問するには、理由と期間の如何を問わず、ヴィザの発給を受ける必要があった。とりわけわたしの場合には、観光や就学のヴィザではない。一年間を外国人教師として過ごすには労働ヴィザを取得しておかねばならない。それは極めて稀なことだったのである。…… 「ところで皆さん、韓国に行ったことはありますか。」宴会のなかで梁さんの発したひと言が「わたし」の運命を大きく変えた。20代前半の「わたし」は日本語教師として、ソウルの大学に赴任し、そこで朴正煕大統領暗殺、戒厳令の施行に遭遇する。『ソウルの風景』(岩波新書)の著者による渾身作。
  • 憂国の文学者たちに 60年安保・全共闘論集
    -
    冒頭に置かれた「死の国の世代へ」は「闘争開始宣言」という副題を持つ詩である。そこでは誰の保護も受けずに生きた個人のイメージが描かれる。 60年安保闘争での敗北を経て書かれた「擬制の終焉」では社会党や共産党などの党派的な左翼運動や市民・民主主義的な啓蒙主義を完全に否定し、真の前衛運動ないし市民運動の成長に期待を寄せた。 1969年、東大安田講堂に籠もった学生が警察力によって排除された直後に書かれた「収拾の論理」において、丸山真男に代表される大学の知識人の欺瞞を批判し、徹底的に論争を続ける旨宣言して結ばれる。 日本がバブル景気で沸き立っていた1988年に書かれた「七〇年代のアメリカまで」では、その後の東西冷戦終結でアメリカ合衆国が唯一の超大国となる……というあまりに単純化された物言いとまったく異なるアメリカへの視線が浮かび上がっている。 本書に収録された13篇がモチーフとするのは60年安保闘争や全共闘運動といった過去の出来事だが、むしろ執筆当時の文脈から切り離されて現代において読まれてこそ、個人と権力の関係をより切実に感ずることができ、その真価を発揮するものと思われる。
  • 與謝蕪村
    -
    1巻2,090円 (税込)
    俳諧の目で絵画を観る、絵画の心で俳諧を読む。古今独歩の蕪村芸術を、創造性豊かな視点から説きあかす、著者初の蕪村論集。――画俳両面から初めて論じた、巨星・蕪村の真髄。蕪村名画「夜色楼台図」と三好達治の詩「雪」(太郎を眠らせ~)の交叉を示し、興趣つきない「蕪村の画と俳意」など、斬新な視点から精緻に分析し、縦横に展開する、鑑賞と評論。
  • 仮往生伝試文
    3.8
    寺の厠でとつぜん無常を悟りそのまま出奔した僧、初めての賭博で稼いだ金で遁世を果たした宮仕えの俗人―平安の極楽往生譚を生きた古人の日常から、中山競馬場へ、人間の営みは時空の切れ目なくつながっていく。生と死、虚と実、古(いにしえ)と現代(いま)。古典世界と現在の日常が、類い稀な文学言語の相を自在に往来し、日本文学の可動域を、限りなく押しひろげた文学史上の傑作。読売文学賞受賞。
  • ガンダーラ 大唐西域記の旅
    -
    1~2巻2,090~3,036円 (税込)
    大乘佛教のふるさと・ガンダーラ……奈良薬師寺の高田好胤管長とともに辿る玄奘三蔵求法(ぐほう)の道――空に飛ぶ鳥もなく地に走る獣もいない、ただ白骨を道標とする熱砂のタクラマカン砂漠を渡り、氷雪に閉ざされたパミールを越えて、佛道の正法をインドに求めた玄奘三蔵の、前後18年、3万キロの旅の記録「大唐西域記」に導かれ、玄奘三蔵の御頂骨を抱いて感動の旅は続く。
  • 海獣・呼ぶ植物・夢の死体  初期幻視小説集
    5.0
    痛みと不遇が憧憬を輝かせた。 二十五歳でデビュー後、十年間本は出ず、八〇年代の片隅風呂なし四畳半送金あり、痛みと希死念慮をかかえた独居の歳月。 不屈の思考と憧憬で紡いだ、幻の初期作品群。 現在から過去を振り返る書下ろし「記憶カメラ」併録。 〈収録作品〉 海獣 柘榴の底 呼ぶ植物 夢の死体 背中の穴 記憶カメラ(書下ろし)
  • 砂粒の私記
    -
    1巻2,090円 (税込)
    文学の旅人・秋山駿、珠玉の評論――1945年の敗戦は、大人たちの敗戦。そのとき、少年は思索の輝ける荒野へ旅立った! 互いに聴(ゆる)すことないまま、別れを告げにきた前衛党の友、語り尽くして尚、竭(つ)きることのなかった文学の友、ウィスキーの滴りの、眩惑を誘った町よ。一人の文学者の青春と思惟の風景。
  • 会いに行って 静流藤娘紀行
    5.0
    1巻2,090円 (税込)
    師匠は私を作家にしてくれた 二度目に会った時はお骨になっていた 苦節の十年、彼はずっと後ろに「いて」くれた 私淑する宇宙的私小説作家・藤枝静男。その深淵を新エピソードとともに読み解く。 他の誰にも書けない、敬慕の情に満ちた「師匠説」。 師匠!師匠! 戦争、拷問、結核を超え キリストもマルクスも彼は信じない 仏像を床の間に置き天皇を叱る 一日に四百人の眼球を診察し 茶碗が空を飛ぶ私小説を書いた
  • 掌篇歳時記 秋冬
    3.6
    綿柎開(わたのはなしべひらく)、水始涸(みずはじめてかるる)、朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)――。季節を表す言葉を鍵に、物語は膨らんでゆく。十二人の作家の想像力で、旧暦「二十四節気七十二候」が現代の物語に生まれ変わった。六世紀ごろに大陸から伝わり、改暦を重ねながら明治の初めまで用いられてきた旧暦。そこには春夏秋冬の四季に留まらない、さらにこまやかな季節が織り込まれている。大暑や立秋、大寒といった季節の節目を表す二十四節気と、「地始凍」「熊蟄穴」など、動植物や空模様がそのまま季節の呼び名に採り入れられている七十二候。古来伝わる“季節の名前”が現代の作家たちを刺激し、味わい豊かな掌篇に結晶した。<旧暦の魅力を知る解説つき>」*電子版には筒井康隆「蒙霧升降」は収録されていません。西村賢太「乃東枯」重松清「鷹乃学習」町田康「大雨時行」長野まゆみ「綿柎開」柴崎友香「玄鳥去」山下澄人「水始涸」川上弘美「蟋蟀在戸」藤野千夜「霎時施」松浦寿輝「地始凍」柳 美里「朔風払葉」堀江敏幸「熊蟄穴」白井明大「輪のようにめぐる季節のさなかで 二十四節気七十二候について」
  • 掌篇歳時記 春夏
    3.3
    麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)――あまりにも美しい、四季を彩る"季節の名前"。古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。
  • 山海記
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かった。バスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。
  • 元禄五芒星
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    「元禄」という、江戸時代のあるひとつのピークにこだわりつづけてきた野口武彦氏が「平成」の終わりを見据えて放つ。将軍綱吉の治世後期、元禄から宝永は経済バブルの崩壊と災害が表裏の時代だった。漠然とした不安と鬱屈が世を覆うとき、人びとはいかに生きたか。美しく死ねた者、なまじ生き残ってしまった者、己が才覚の扱いに悶える者。人生のさまざまな姿が異常なまでにクッキリと浮かび上がった魔術的な時空間を描く五篇。
  • 今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇
    3.7
    1巻2,090円 (税込)
    文学史そのものを小説にする「日本文学盛衰史」の次なるテーマは「戦後文学」。誰にも読まれなくなった難物を、ロックンロールやパンク、ラップにのせ、ブログやtwitter、YouTubeまで使って揉みほぐす。そんなある日、タカハシさんは「戦災」に遭う……。
  • 鳥獣戯画
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    人間が考えることなど動物は何もかもお見通しなのだ。二十八年間の会社員生活を終え自由の身となった小説家。並外れた美貌を持ちながら結婚に破れた女優。「鳥獣戯画」を今に伝える名刹を興した高僧。父親になる三十歳の私。恋をする十七歳の私。語りの力で、何者にもなりえ、何処へでも行ける。小説の可能性を極限まで追い求める、最大級の野心作。
  • 1492年のマリア
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    新大陸アメリカは、ユダヤの〈約束の地〉だった!壮大なる歴史ロマンに秘められた、情報社会の功罪をめぐる〈暗合の糸〉。NHKオーディオドラマ原作。
  • ノルゲ Norge
    5.0
    染色家の妻の留学に同行し、作家はノルウェーに一年間滞在した。光り輝く束の間の夏、暗雲垂れ込める太陽のない冬、歓喜とともに訪れる春。まっさらな心で出会った異郷の人々との触れ合いを縦糸に、北欧の四季、文学、芸術を横糸に、六年の歳月をかけて織り上げられた精神の恢復と再生のタペストリー。野間文芸賞受賞作。
  • あまりに野蛮な (上)
    3.7
    1~2巻2,090円 (税込)
    渾身の純文学長篇小説。台湾に暮らした日本女性の愛の手紙・日記。70年の時を経て甦る2人の女性の愛の人生。――女は思わず、海を振り返る。海に戻りたい。女は陸の世界におびえ、つぶやく。わたしは死なない。わたしは生きつづける。
  • ヤマネコ・ドーム
    3.7
    1巻2,090円 (税込)
    アメリカ兵と日本人女性との間に生まれたミッチとカズは、ママに引き取られて暮らすことに。また、ママのいとこの子であるヨン子とも幼馴染みであった。ある日、オレンジ色のスカートをはいたミキちゃんという子が池で溺死する事件が起こる。彼らは成長し、それぞれの人生を歩み始めるが、数年に一度、オレンジ色の衣服を身につけた若い女性が殺害される事件が起こり、彼らは過去の記憶に苛まれるのだった……。
  • ハイスクール・ブッキッシュライフ
    5.0
    1巻2,035円 (税込)
    カフカ、ニーチェ、ランボー、プルースト――「密かな悪徳」としての読書を愉しむ、ちょっとディープな世界文学案内。 30年前の高校生を魅了した名作15篇を再読。知的興奮あふれる文学エッセイ! ● 読み返すというのは、奇妙な体験である。わたしは高校生であったころから、すでに三十年以上も馬齢を重ねてしまった。ある書物に最初に出会ったときの驚きと同じものを、現在なお求めようとするのは困難かもしれない。その代わりにわたしには、高校生のときに見過ごしていた細部を、より丁寧に、またより広い文脈のもとで理解し直すことができるのではないかという期待がある。(「はじめに」より)
  • 予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる
    3.0
    1巻2,035円 (税込)
    黒木渚、ベストアルバムと同名小説、ついに発売! 不純な動機から始まった音楽は、私のすべてになった。 「私の歌で、こんな世界ぶち壊してやる!」 誰にも話したことがないけれど、私は光と共に生きてきた。 未来について想像するとき、私の頭の中には必ず白い光のイメージが浮かぶ。 高校二年の「シッポ」は中学時代からの片思いの相手、森園太陽に接近するために軽音部に入る。 好きな音楽はパンク、好きなバンドはクラッシュ、セックスピストルド、ダムド、ニルヴァーナ…… これ、全部嘘。 だけど太陽に近づくためにシッポが周到に用意した「設定」は、徐々に彼女の中にあった「音楽の光」をとらえて、 追い越していく。 眩しくて白いーーあの光はスポットライトか、それとも恋か。 音楽を始める動機なんて、不純だっていいじゃないか! 音楽×小説×青春 歌手兼小説家・黒木渚が初めて描く青春と音楽。 青春はエゴイスティックで汚くて、生々しい。それでも眩しい一瞬の光だ。
  • 今昔物語集 震旦篇 全現代語訳
    -
    全31巻からなる巨大説話集のうち、震旦(中国)を舞台にした仏教起源、仏霊験、法霊験、因果応報、そして世俗の説話を集めた巻六~十を収録。玄奘三蔵、孟宗、始皇帝、高祖、玄宗、楊貴妃、孔子……と著名な人物たちが豊かな人間像を描き、教訓を世に遺す。講談社学術文庫刊『今昔物語集』(六)~(九)より現代語訳を抽出し、一冊に再編集。既刊『本朝世俗篇(上・下)』『天竺篇』に続く第4弾。
  • 皇后考
    4.3
    時代と社会の変容とともに「ありうべき皇后」像はあった――。血脈による正統性が保証された天皇とは異なり、人生の途中で皇室に嫁ぎ、さまざまな葛藤を克服するなかでその存在となる「皇后」。神功皇后や光明皇后ら、過去の偉大な皇后と感応しつつ、近代日本に時空を超えた皇后像を現出させ、さらにはアマテラスに自らを重ね合わせようとする貞明皇后。斬新な視点で天皇制の本質を明らかにし、秘められた扉を開いた記念碑的著作!
  • 吐蕃風異聞
    -
    1巻2,024円 (税込)
    滾(たぎ)るチベット独立への想い! 冒険小説の新しき地平! ヤクの群れ集うチャンタン高原に、一発の銃声が轟き、真言を唱える声が響くラサでは、チベット独立の決起が迫る! エンターテインメント界期待の新鋭が書下ろす、1100枚の叙事詩。
  • マグレブ、誘惑として
    5.0
    1巻2,024円 (税込)
    「書くこと」の復活は可能なのだろうか。危地に陥った文学者の自己再生を賭けた旅を描く長篇小説。――その時私が満足をもって感じたのは、今まで現実だと信じていたものが、実はフィクションだということだった。しかもそのフィクションは自分が望んだものではなく、お仕着せの規制だ、ということだった。なぜ私はこんなに不自然な現状に、おどおどと義理立てして、留まろうとしていたのか。旅に出よう。──(本文より)
  • 弱い神
    値引きあり
    -
    1巻1,985円 (税込)
    弱いがゆえに、神の言葉は強い。自らの死の直前まで、作家が求めつづけた永遠の問い。20年の歳月をかけ完成した小川国夫文学の最高傑作。
  • だから殺し屋は小説を書けない。
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    飛び散る骨、舞い上がる車、迫りくる刺客 「もう、たくさんだ」 美しき男たちが血で描く”愛の神話” 伝説の殺し屋・和尚に拾われ、自らも殺し屋となった青年・雨乞。 和尚への服従を誓う雨乞だが、唯一誰にも打ち明けていない隠し事があった。 それは、小説を書くこと。 初夏のある日、駐在警官・藪池清を始末する命を受け、瀬戸内海の小島へと向かった雨乞は、小さな違和感を抱く。 依頼人の正体は?この男を殺す目的は?なぜこの場所で? 雨乞は真相を探るため、24時間の猶予を貰った。 人生を変える1日が始まるーー。

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