国内小説 - グーテンベルク21作品一覧

  • 歌行燈
    -
    1巻660円 (税込)
    「自然派というのは、弓の作法も妙味も知らぬ野暮天なんじゃありませんか」と記した泉鏡花の、中後期の代表作を収めた名作集2。豊かな才能を持った能楽師の漂泊と芸道精進による救済の物語「歌行燈(うたあんどん)」、紅燈の巷に流される男女をモチーフとした「日本橋」はじめ、円熟期の代表作「国貞えがく」「売色鴨南蛮(ばいしょくかもなんばん)」、最晩年の名品「眉かくしの霊」のほか、戯曲「山吹」を収めた。
  • 高野聖
    -
    1巻660円 (税込)
    泉鏡花は明治20年代後半から大正期にかけて、怪奇幻想趣味とロマンティシズムあふれる独自の文学世界をひらいた。この名作集1には、鏡花文学の出発点をなした初期の代表作「義血侠血」「夜行巡査」「外科室」、はじめて鏡花を読むのに最適と評される「化銀杏(ばけいちょう)」、中期の代表作「照葉狂言(てりはきょうげん)」「女客」「高野聖(こうやひじり)」までを収めた。
  • 瘋癲老人日記
    -
    1巻660円 (税込)
    性的不能に陥った77歳になる督助(とくすけ)は息子の嫁の颯子(さつこ)に惹かれ、ついにその美しい肉体を手にする。だが、それは倒錯的な夢の実現だった。颯子の足に変質的な愛を感じる督助は、彼女の足の拓本をつくり、それを仏足石にかたどって墓石にし、その下に骨として眠ろうと計画し実行する! 歴史的仮名遣いによるカナ書き日記体で書かれた谷崎潤一郎最晩年の作品。
  • 痴人の愛
    -
    1巻660円 (税込)
    平凡な小娘のナオミは、譲治に引き取られて育てられて行くうちに思いがけなかった肉体の美しさを増してゆき、手におえない淫婦に成長する。譲治は自分ではどうすることもできないほどナオミの魅力のとりこになり生活も荒廃してゆく。妖婦の一タイプを創造した話題作であり、作者の悪魔主義的傾向の一つの頂点をなした作品。
  • 十字街
    4.0
    1巻660円 (税込)
    大晦日のパリ。深夜の地下鉄で死体を運ぶ不審な2人組を目撃した貧乏絵描き小田孝吉に、闇の世界から魔の手がのびてくる! フランス全土を揺るがした大疑獄事件に巻き込まれていく4人の日本人の苛酷な運命……変幻自在の文体と巧繊なペダントリーと知的ロマネスクで読者を翻弄・魅了する鬼才・久生十蘭の傑作冒険小説!

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  • 青春の逆説
    -
    1巻550円 (税込)
    自意識過剰で、しょっちゅう何かに苛立ちながら生きる青年、毛利豹一。高利貸と再婚して女中のように扱われる母を哀れに思うが、どうにもならない。旧制高校に入るがみごと落第、恋愛もうまくゆかず、中退して見習い新聞記者に。ついには喫茶店のウェイトレスに対して、「こんなことでは駄目だぞ! よし、百数えるうちに、この女の手をいきなり掴むのだぞ」と悲壮な決心をする始末。たまたま元映画女優多鶴子と付き合い「食客」となって、周囲の人々にもまれもまれてゆくうちに「自尊心」の呪縛を脱する。成長してゆく青年の姿をユーモラスに痛快無比に描いた青春小説の傑作。著者の最初の長編小説でもあった。
  • 勝負師
    -
    1巻550円 (税込)
    大阪という土地の空気とそこに生きる人々の暮らしと人生の機微を巧みに描き出した作之助の戦中・戦後の代表作選集。坂田三吉を描いた「勝負師」、終戦直後の混乱した大阪の姿に、自らの心情を重ねて描いた「世相」、嫉妬から競馬におぼれてゆく律儀で小心な男を描く「競馬」、そしてダジャレ尽くしの、作之助ならではの「猿飛佐助」ほか、「六白金星」「アド・バルーン」「鬼」「四月馬鹿」「郷愁」「中毒」など10編を収録。
  • 夫婦善哉
    -
    1巻550円 (税込)
    柳吉は二十歳の蝶子のことを「おばはん」と呼ぶようになった。「おばはん小遣い足らんぜ」そして三円ぐらい手に握ると、昼間は将棋などして時間をつぶし、夜は二ツ井戸の「お兄ちゃん」という安カフェへ出掛けて、女給の手にさわり、「僕と共鳴せえへんか」そんな調子だった……そんなダメ亭主柳吉に尽くす女房蝶子を描く名作「夫婦善哉」、伝説的な将棋指し、坂田三吉の人間に迫る「聴雨」、人間の切ない感情を綴った「木の都」ほか、「俗臭」「馬地獄」「秋深き」「天衣無縫」「勧善懲悪」「道」「蛍」など、作之助の戦前・戦中の代表作を10編をおさめる。
  • 卍

    -
    1巻550円 (税込)
    弁護士の夫に不満を持っている園子は美術学校に通い始め、そこで絶世の美女、光子と知り合う。二人の間にはやがて深い同性愛の関係が生まれます。しかし、その関係を夫に知られ、おまけに光子の妊娠が発覚、さらに綿貫という光子の恋人が現れて、四人の関係は卍のように。……複雑な女性心理の変容のさまを描いた傑作。この物語は園子の告白体で、小説家の先生に語るという体裁で書かれている。
  • 鍵

    -
    1巻550円 (税込)
    閨房を「秘事の情熱」にとどめようとする妻と、忍び寄る体の衰えにあせる夫。妻の情事に官能の妖しい興奮をおぼえる夫……読まれることを前提として書かれた日記を夫婦がお互いに盗み読む物語。夫の日記はカタカナ、妻の日記はひらがなで書かれている。この作品はこれまでに五回、監督を変えて映画化されている。
  • O・ヘンリー短編集1
    3.0
    ニューヨークの市井に生きる人たちの喜怒哀楽を、あくまでも温かく、巧みに切り取ってみせた短編の名手の代表作。「ハーグレイヴズの本心」「運命の道」「自動車が待っているあいだに」「二十年後」「ある忙しい株式仲買人のロマンス」「魔女たちのパン」など11編。

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  • 吉野葛・蘆刈
    -
    1巻440円 (税込)
    吉野の紀行文と思わせる出だしから、同級生の男の早くに失った母親の生家探しが語られ、母の面影を思うあまり、生家の姪を許婚(いいなずけ)にするという展開が一気に語られる「吉野葛」。『蘆刈』も、紀行文から夢ともうつつともつかない物語に変容し、出会った男から語られる父のせつない恋愛話がテーマである。未亡人に恋し、その妹をめとり、姉思いの妹との関係が語られてゆく。その息子であるこの男はいったいだれの子供なのか、未亡人はもうすでに高齢になっているのではないかという疑問をのこしながら、男は消えてゆく。大阪移住以来、谷崎潤一郎の作風がだんだん純日本的なものに移行していった時期の代表作。
  • 盲目物語
    -
    1巻440円 (税込)
    三味線の腕も達者な弥市という盲目のあんま師が、かつて仕えたお市の方の悲劇的な後半生を物語る。信長の妹で美人と名高いお市の方は、嫁いだ浅井長政を信長に攻め滅ぼされ、再婚した柴田勝家を秀吉に攻められ、ここで夫と運命を共にする。そんなお市に弥市は深い憐憫の情を寄せるが、それはまた恋慕そのものでもあった。お市にどこまでもついていきたい、地獄までお供したいという気持ちが平仮名を多用した文体で連綿とつづられる。
  • 刺青・秘密
    -
    1巻440円 (税込)
    「刺青」「少年」「幇間」「秘密」「恐怖」の五編を収録した初期短編集。処女作「刺青」は性的錯倒の世界を描き、世紀末的な耽美主義が存分に発揮されているが、頽廃感はまったくない。「少年」以下の諸作も、当時の自然主義文学に対する強力なアンチテーゼであった。
  • 男たちのブルース
    -
    1巻440円 (税込)
    横浜でナイトクラブを経営する泉一(いずみ はじめ)は、戦争中の重い贖罪を背負って生きる男。窮地に立たされたかつての部下のため、毅然として自らの血を流そうとする。男の生きざまを問う生島治郎のハードボイルド。
  • 少将滋幹の母
    3.0
    1巻330円 (税込)
    高齢の大納言藤原国経は、その美しい北の方(妻)を、左大臣藤原時平に奪われる。「少将滋幹(しげもと)の母」とはこの北の方のことで、「少将滋幹」とはその北の方が国経との間にもうけた一子のことです。この王朝物語は、母を奪われた滋幹の悲しみを中心にして、北の方をめぐるさまざまな男たちの生態を絵巻物のように活写し、成長した滋幹が幼い頃に別れたきりになっていた母と、月夜の桜の樹の下で再会するところで終わる。
  • 春琴抄
    -
    1巻330円 (税込)
    盲目の三味線師匠に仕える佐助の、愛と献身を描いた物語。大阪の薬種問屋の娘琴は才があり美しかったが九歳で失明し、手代佐助に引かれて琴三絃の稽古に通ううち、たちまち頭角をあらわし衆にぬきん出る。二十一歳のとき春琴は弟子のひとりに熱湯をかけられ美貌が傷つけられたと思い込む。佐助は彼女の面影を脳裡に永遠に保持するため、自分で自分の目をつぶして盲目の世界に入る。

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