国内小説 - 中公文庫作品一覧
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4.2誰とも比べなくていい。 そう囁かれたはずの世界は こんなにも苦しい―― 毎日の繰り返しに倦んだ看護師、クラスで浮かないよう立ち回る転校生、注目を浴びようともがく大学生、時代に取り残された中年TVディレクター。交わるはずのない彼らの痛みが、植物状態の青年・智也と、彼を見守る友人・雄介に重なるとき、歪な真実が露わになる。自滅へひた走る若者たちが抱えた、見えない傷と祈りに触れる物語。 文庫版特典:特別付録/本作と螺旋プロジェクトに寄せて 解説/清田隆之 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作) 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
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3.1「僕が今、女を感じてるのは、夏子先生だけです」 出版社社長・月川の後妻となった夏子は、夫の連れ子・りえの継母として、そして自らもクリニックを開業する女医として、七年余りの月日を平穏に過ごしてきた。しかし、りえの友人でロック・バーでバイトをする青年・旬と出会い、その危険なまでの若さに触れた夏子は、目を背けてきた己の渇きに気づかされてゆく……。 ひとりの女性の陶酔と孤独を描く傑作長篇。 〈解説〉稲葉真弓 〔著者のことば〕 誰もが、あからさまに「家族」の大切さを叫ぶ時代になって久しい。「家族」は人間にとって、最小単位の砦であり、「家族愛」ほど、愛の深さにおいて意味のある、健全で価値の高いものはないと見なされている。 とてつもなく嬉しいことが起こる。真っ先に誰に知らせたいですか、と聞かれる。誰もが「両親」「夫」もしくは「妻」「子供」と答える。 その健全さは微笑ましく、未来永劫、消えることはないかのように思われて、しかし、同時に、その健全な場所でこそ、人は苛立ったり、憎んだり、絶望したり、孤独の淵をさまよったりするのである。そこに「家族」がはらむ「魔」の部分がある。 (読売新聞2009年1月13日付、連載完結インタビューより抜粋)
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3.7バブルに沸く昭和後期。一見、平凡な家庭の北山家では、元情報員の妻宮子が姑セツと熾烈な争いを繰り広げていた。(「シーソーモンスター」) アナログに回帰した近未来。配達人の水戸は、一通の手紙をきっかけに、ある事件に巻き込まれ、因縁の相手檜山に追われる。(「スピンモンスター」) 時空を超えて繋がる二つの物語。「運命」は、変えることができるのか――。 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』(本作) 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
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3.5宋代、瑞州の新任知事・包希仁は、二十代で科挙に合格した秀才ながら、どこか抜けた青年。その資質を疑問視する世話係・孫懐徳であったが、州内で起きた「生きた牛の舌が切り取られる」事件をきっかけに――(「雪冤記」)。清廉潔白、裁きは公平、晴れ渡った空の如し。中華小説の名手・井上祐美子が、中国史上屈指の人気を誇る名判官「包青天」の活躍を描く中華ミステリ短篇集。待望の文庫化! ◆目次 ・雪冤記 ・赤心 ・紅恋記 ・黒白 ・青天記 ・文庫あとがき ※本書収録の「黒白」は、『C★NOVELS Mini - 黒白 - 包青天事件録』に加筆修正を加えたものです。
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3.9高中真由子は、編集者の父と医師の母のもとで、何不自由なく育てられてきた。真由子が小学生のころ、隣家に二つ年下の百合の家族が引っ越してきて、二人は急速に仲良くなっていく。しかし、真由子が21歳になった冬、百合は真由子が幼いころからずっと思いを寄せてきた澤村諒一の子どもを妊娠したと告白した。その日から、真由子の復讐が始まる――。 諒一と百合の子どもの名付け親になった真由子は、『痴人の愛』の「ナオミ」から、二人の息子に「直巳」と名付け、彼を「調教」していく。直巳が二十歳の誕生日を迎えた日、真由子は初めて、直巳に体を許す。それが最初で最後となるとも知らず……。 主演・中山美穂のテレビドラマも大きな話題を呼んだ、絢爛豪華な愛憎劇!
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-貧乏暮らしあり浮気ありで五十年、放浪詩人とその妻はよき相棒。金子の日本論、女性論から交友録、森のパリ印象記、金子の肖像など、二人の自選によるベストエッセイ集。金子の遺著となった単行本に全集未収録の夫婦往復書簡(一九三九年)を増補。 〈巻末エッセイ〉森 乾 ■目次 【金子光晴】 Ⅰ ひげのある人生/明治の青年を苦しめたもの/江戸につながるなにものもなく/日本人について/番付の心理/いやな思いをした昭和という年号 Ⅱ 私小説/伝統の芸能/日本の大衆芸人と番付/秋の日記/血と地につながるもの/ちょんまげのこと/『コスモス』雑記 Ⅲ 萩原朔太郎について/高村光太郎との僅かなかかりあい/清親のこと/吉田一穂のこと Ⅳ 女について/なおも、男・女などをめぐって/若さと老年と/日本人のフェミニズム/着物を剝がれた女達/女体の豊饒を描く/日本人よ淫なれ 【森三千代】 Ⅰ 巴里郊外の青春/巴里の秋色/白/血を抱く草/仏印の文学/アンコール・ワットへの道 Ⅱ 和泉を憶う/わたしの大休暇/香木の話/志摩を思う/金子光晴の横顔I/金子光晴の横顔Ⅱ/父の心/老母の手/きのうきょう/若葉よ、妹が生れた/若葉の夏休みのレポートに添え/なつめと共に/なつめとの対話/若葉のいる正月 跋 (金子光晴) 金子光晴・森三千代往復書簡(一九三九年) 巻末エッセイ 父と母の想い出に(森乾)
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-この小説の主役は、読みながら読者の心に去来するその人その人の時間と光景だ。人は孤立していない、一人一人は閉じられた存在ではない。人は別々の時間を生きて大人になるが、別々の時間を生きたがゆえに繋がっている。(「あとがき」より) 【この本に出てくるものたち】 怪傑ハリマオ、ナショハルキッド、七色仮面、コマ回し、三角ベース、貝殻拾い、力道山、プラモデル、『力持ちのポール』、クレイジーキャッツ、『恋の片道切符』、まぼろし探偵、野球、石蹴り、加山雄三、防空壕、伊賀の影丸、鉄人28号、鉄腕アトム、『少年サンデー』、ドロケン、マルハナバチ、木登り、友だちと好きな女の子。
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3.5陸上では、自分に失望した。もう、負けたくない――。 結城沙耶は、中学2年で出場した全日本中学陸上広島県大会100メートルハードル女子決勝で転倒し、失意のうちに陸上部を退部した。親友の松前花奈に誘われ、広島の進学校・大明学園高校へ入学し、射撃部に入る沙耶。初めて構えるビームライフルの重さに驚き、個性豊かな先輩たちに励まされ、童顔の監督・磯村辰馬の指導を受けつつ、未知の競技に戸惑いながらも花奈とともに励む毎日だったが――。 五輪種目のライフル射撃と格闘する少女たちの喜怒哀楽に心震える、名作『バッテリー』に連なる10代の挫折と再生の物語。 〈解説〉斎藤美奈子
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4.0自己プロデュースに長けた野心的なシンデレラ、きりぎりすの奏でる音色に心動かされるあり、おじいさんのこぶを愛するおばあさん……。誰もが知っているおとぎ話が、佐野洋子一流のユーモアと毒がたっぷり加わって様変わり。面白くてちょっぴり怖い、二十六篇の絵入りパロディ集。 【目次】 シンデレラ/ありときりぎりす/浦島太郎/おおかみと七ひきの子やぎ/白雪姫/羽衣/くらげとさる/ヘンゼルとグレーテル/マッチ売りの少女/つるの恩がえし/マリアの子/こぶとりじいさん/花咲かじいさん/親指姫/ラプンツェル/かちかち山/ブレーメンの音楽隊/眠り姫/養老の滝/かえるの王さま/星のターラー/あほうどり/三びきの子ぶた/舌切りすずめ/ハーメルンの笛吹き/赤ずきん 「きれいごと」が嫌いな人 岸田今日子/「思い込み」を壊された 村田沙耶香
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3.7〈螺旋プロジェクト〉、ついに文庫化! 「いいか、島でのこと、だれにも話してはいけない」 海の民の少年オトガイは、父から代々伝わる役目を引き継ぐ。 山の民の少女マダラコは、生贄の運命から逃れて山を下りる。 死を知らぬ海の民イソベリ、死を弔う山の民ヤマノベ。 二つが出会い、すべてが始まる原始の物語。 〈巻末座談会〉八作家が語る、〈螺旋プロジェクト〉のいままで 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』(本作) 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
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3.7言葉の選び方、書き出しの心得、起承転結の「転」を利かし、書き手の「ええーっ」を読み手の「へえーっ」に換える極意とは? しなやかに感じて、したたかに描く奥義を伝授。エッセイ道30年の岸本んが、スマホ時代の文章術を明かします。単行本『エッセイ脳 800字から始まる文章読本』を改題。待望の文庫化。 第一章 テーマは連想の始動装置―「私」と「公共」の往復運動 第二章 頭にはたらきかける文、感覚にはたらきかける文―無意識を意識する 第三章 リスク回避と情報開示―「自分は他者でない」宿命を超えて 第四章 文を制御するマインド―「筆に随う」はエッセイにあらず 終章 ひとたび脳を離れたら
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3.8ある晩、夫が急死。これで嫁を卒業できると思いきや、舅姑や謎の女が思惑を抱えて次々押し寄せる。“愛人”への送金、墓問題、介護の重圧……がんじがらめな夏葉子の日々を変えたのは、意外な人物と姻族関係終了届!? 婚姻の枷に苦しむすべての人に贈る、人生逆転小説。『嫁をやめる日』を改題。 さだまさし氏 熟読&痛感! 「人生の荷物が多ければ多いほど、この本は笑えて泣けて、ホッとする。」 夫が亡くなった時点で、自分は誰の妻でもなくなり、晴れて自由の身だと思っていた。 だが、どうやら違うらしい。今もこれからも「高瀬家の嫁」なのだ。それも、夫が生きていた頃より、もっとずっと明確に。 (本文より)
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