小説 - 新潮社作品一覧

  • 穴

    3.8
    仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ私は、暑い夏の日、見たこともない黒い獣を追って、土手にあいた胸の深さの穴に落ちた。甘いお香の匂いが漂う世羅さん、庭の水撒きに励む寡黙な義祖父に、義兄を名乗る知らない男。出会う人々もどこか奇妙で、見慣れた日常は静かに異界の色を帯びる。芥川賞受賞の表題作に、農村の古民家で新生活を始めた友人夫婦との不思議な時を描く二編を収録。
  • コリオレイナス
    -
    ヴォルサイ人との戦いでローマを勝利に導いたコリオレイナスは市民に英雄と讃えられ、執政官に推薦される。しかし執政官になるために避けては通れない慣習を受け入れられず、市民を敵に回してしまう。愛国心と自尊心の強さゆえ、コリオレイナスがたどる運命とは…シェイクスピアの名悲劇の一作。
  • ピンチランナー調書
    3.8
    地球の危機を救うべく「宇宙?」から派遣されたピンチランナー二人組! 「ブリキマン」の核ジャックによる民衆の核武装?……。内ゲバ殺人から右翼大物パトロンの暗躍までを、何もかもを笑いのめし、価値を転倒させる道化の手法を用いて描き、読者に再生への希望と大笑いをもたらす。死を押しつけてくる巨大なものに立向い、核時代の《終末》を拒絶する諷刺と哄笑の痛快純文学長編である。※あとがきのカットは当電子版では掲載しておりません。ご了承ください。
  • あしながおじさん(新潮文庫)
    4.5
    孤児院で育ったジュディの人生に、とびきりのチャンスと幸せが舞い込んできた。名を名乗らない裕福な紳士が、奨学金を出して彼女を大学に通わせてくれるという。ただし条件がひとつ。毎月、手紙を書いて送ること。ジュディは謎の紳士を「あしながおじさん」と呼び、持ち前のユーモアがあふれた手紙を書き続けるのだが――。最高に素敵なハッピーエンドが待ち受ける、エバーグリーンな名作。
  • 刺青・秘密
    3.9
    肌をさされてもだえる人の姿にいいしれぬ愉悦を感じる刺青師清吉が年来の宿願であった光輝ある美女の背に蜘蛛を彫りおえた時、今度は……。性的倒錯の世界を描き、美しいものに征服される喜び、美即ち強きものである作者独自の美の世界が顕わされた処女作「刺青」。作者唯一の告白書にして懺悔録である自伝小説「異端者の悲しみ」ほかに「少年」「秘密」など、初期の短編全7編を収める。

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  • 西日本鉄道殺人事件(新潮文庫)
    -
    福岡から大牟田に向かう9000系西鉄特急の車内で、91歳の町工場元社長が殺された。老人は、60年前、その三連覇に熱狂した西鉄ライオンズゆかりの聖地を巡り、大牟田で九州新幹線に乗り換え、鹿児島に向かう旅の途中だった。事件解決の鍵は、老人が「人生最後の旅」で目指した、「最も悲しみと怒りが強い場所」にあるのか? 終わりなき戦後の闇に十津川警部が挑む、好評の「地方鉄道」シリーズ。
  • 富豪刑事
    3.7
    深田恭子主演のドラマ原作。ドラマ版では主人公が大富豪・神戸喜久右衛門の孫娘に変わったが、原作の主人公は喜久右衛門の息子・神戸大助。キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくわえた“富豪刑事”こと神戸大助が、迷宮入り寸前の五億円強奪事件を、密室殺人事件を、誘拐事件を、次々と解決してゆく。金を湯水のように使って。

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  • きよしこ
    4.2
    1巻594円 (税込)
    少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。どこにでもいる少年。転校生。言いたいことがいつも言えずに、悔しかった。思ったことを何でも話せる友だちが欲しかった。そんな友だちは夢の中の世界にしかいないことを知っていたけど。ある年の聖夜に出会ったふしぎな「きよしこ」は少年に言った。伝わるよ、きっと──。大切なことを言えなかったすべての人に捧げたい珠玉の少年小説。
  • みずうみ
    3.6
    美しい少女を見ると、憑かれたように後をつけてしまう男、桃井銀平。教え子と恋愛事件を起こして教職の座を失ってもなお、異常な執着は消えることを知らない。つけられることに快感を覚える女の魔性と、罪悪の意識のない男の欲望の交差――現代でいうストーカーを扱った異色の変態小説でありながら、ノーベル賞作家ならではの圧倒的筆力により共感すら呼び起こす不朽の名作である。

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  • 水の葬列
    -
    1巻550円 (税込)
    不貞ゆえに妻を殴殺した過去に追われるように、山奥のダム工事現場へ流れ込んだ男と、水没を目前にしながら無気味な沈黙を続ける幻想的な落人部落の人々との、微妙な心の響きあいを描く表題中編。他に、戦時下の勤労動員を背景に、青春の心の陰影を鮮やかに定着した『彩られた日々』等、戦中戦後“二つの精神的季節”を生きてきた作者自身の体験を結晶化した短編5編を併せ収める。

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  • 薬菜飯店
    4.0
    1巻583円 (税込)
    あなたをこれまで決して味わった事のない爽快な体験に案内する、究極の料理小説「薬菜飯店」。不思議な味わいの川端賞受賞作「ヨッパ谷への降下」や懐かしい味わいの「秒読み」、ファミコンの悪魔が子供に憑依する「偽魔王」など傑作短編6編。それに「サラダ記念日」を本歌どりした過激なパロディ短歌「カラダ記念日」を収録。鬼才が腕によりをかけた短編特別メニュー。
  • 同時代ゲーム
    4.3
    海に向って追放された武士の集団が、川を遡って、四国の山奥に《村=国=家=小宇宙》を創建し、長い〈自由時代〉のあと、大日本帝国と全面戦争に突入した!? 壊す人、アポ爺、ペリ爺、オシコメ、シリメ、「木から降りん人」等々、奇体な人物を操り出しながら、父=神主の息子〈僕〉が双生児の妹に向けて語る、一族の神話と歴史。得意な作家的想像力が構築した、現代文学の収穫1000枚。
  • 謎解き 少年少女世界の名作
    値引きあり
    3.8
    十九世紀から二十世紀初頭、資本主義の浸透と身分制度の解体が進み、現在の社会秩序の基礎が確立される過程の欧米諸国で書かれた「少年少女世界の名作」を単なる子供だましと侮るなかれ。『十五少年漂流記』に隠された英米仏の領土問題、『宝島』に貫かれているビジネスの過酷さ――。そこには、近代史の真相、民衆心理、社会の根底にあるさまざまな仕組みやカラクリが隠されている。世界の見方が変わる一冊。

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  • 荻窪風土記
    3.7
    関東大震災前には、品川の岸壁を離れる汽船の汽笛がはっきり聞えたと言われ、近年までクヌギ林や麦畑が残っていた、武蔵野は荻窪の地に移り住んで五十有余年。満州事変、二・二六事件、太平洋戦争……時世の大きなうねりの中に、荻窪の風土と市井の変遷を捉え、親交を結んだ土地っ子や隣人、文学青年窶(やつ)れした知友たちの人生を軽妙な筆で描き出す。名匠が半生の思いをこめた自伝的長編。
  • 再生の朝
    3.5
    十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発した。乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが……。深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し──。それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点から恐怖の一夜を描く、異色のサスペンス。
  • 青春の蹉跌
    4.2
    生きることは闘いだ。他人はみな敵だ。平和なんてありはしない。人を押しのけ、奪い、人生の勝利者となるのだ――貧しさゆえに充たされぬ野望をもって社会に挑戦し、挫折した法律学生江藤賢一郎。成績抜群でありながら専攻以外は無知に等しく、人格的道徳的に未発達きわまるという、あまりにも現代的な頭脳を持った青年の悲劇を、鋭敏な時代感覚に捉え、新生面を開いた問題作。

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  • 団欒
    3.5
    なぜ自分にこの親、この兄弟姉妹なのか。いつもやたらとベタベタしているのに、実はバラバラだったりする。「家族」って、よくよく考えてみれば、ヘンなものだと思いませんか? この本には、なかでもきわめつけのヘンな家族が登場します。深夜、息子がいきなり彼女の死体を連れて帰ってきたり、夫婦の寝室に「ママ」がいたり……。これに比べれば、お宅はまだまだ大丈夫でしょう?
  • 夏の夜の夢・あらし
    4.0
    妖精の王とその后の喧嘩に巻き込まれ、さらに茶目な小妖精パックが惚れ草を誤用したために、思いがけない食い違いの生じた恋人たち。妖精と人間が展開する詩情豊かな幻想喜劇『夏の夜の夢』。ほかに、奸悪な弟に領地を奪われ、娘ミランダと共に絶海の孤島に漂着したミラノ公プロスペローは、魔法の力を究め弟の船を難破させたが……シェイクスピア最後の傑作『あらし』を収める。
  • あすなろ物語
    3.9
    1巻572円 (税込)
    天城山麓の小さな村で、血のつながりのない祖母と二人、土蔵で暮らした少年・鮎太。北国の高校で青春時代を過ごした彼が、長い大学生活を経て新聞記者となり、やがて終戦を迎えるまでの道程を、六人の女性との交流を軸に描く。明日は檜になろうと願いながら、永遠になりえない「あすなろ」の木の説話に託し、何者かになろうと夢を見、もがく人間の運命を活写した作者の自伝的小説。
  • あのひとは蜘蛛を潰せない
    4.0
    ドラッグストア店長の梨枝は、28歳になる今も実家暮し。ある日、バイトの大学生と恋に落ち、ついに家を出た。が、母の「みっともない女になるな」という“正しさ”が呪縛のように付き纏(まと)う。突然消えたパート男性、鎮痛剤依存の女性客、ネットに縋る義姉、そして梨枝もまた、かわいそうな自分を抱え、それでも日々を生きていく。ひとの弱さもずるさも優しさも、余さず掬う長編小説。
  • 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫)
    3.7
    秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりではなく、誰かの温もりだった……。もう戻っては来ないあの時の、まなざし、語らい、想い、そして痛み。リリックな七つの短編。
  • 雁の寺・越前竹人形
    4.3
    1巻528円 (税込)
    “軍艦頭”と罵倒され、乞食女の捨て子として惨めな日々を送ってきた少年僧・慈念の、殺人にいたる鬱積した孤独な怨念の凝集を見詰める、直木賞受賞作『雁の寺』。竹の精のように美しい妻・玉枝と、彼女の上に亡き母の面影を見出し、母親としての愛情を求める竹細工師・喜助との、余りにもはかない愛の姿を、越前の竹林を背景に描く『越前竹人形』。水上文学の代表的名作2編。
  • 破船
    4.3
    1巻528円 (税込)
    二冬続きの船の訪れに、村じゅうが沸いた。けれども、中の者は皆死に絶えており、骸が着けていた揃いの赤い着物を分配後まもなく、恐ろしい出来事が起った……。嵐の夜、浜で火を焚いて、近づく船を座礁させ、積荷を奪い取る――僻地の貧しい漁村に古くから伝わる、サバイバルのための過酷な風習“お船様”が招いた海辺の悲劇を描いて、著者の新境地を示す異色の長編小説。

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  • 十二夜
    -
    オリヴィアに片想い中のイリリア公爵オーシーノーは、サゼーリオーという小姓を雇ったが、実は彼はヴィオラという女性が男装した姿。ヴィオラは、公爵の想いを伝えるためにオリヴィアのもとへ遣わされたが、オリヴィアはヴィオラに一目ぼれしたからさあ大変。おまけにヴィオラは密かに公爵に想いを寄せ……シェイクスピアお得意の、ヒネリの利いた、恋にまつわる喜劇。
  • ヘンリー四世 第一部
    -
    十五世紀初頭のヘンリー四世統治下、パーシー一族らによる反乱に対し、放埓な生活を送っていた王子ハルは、シュルーズベリーの戦いで王の危機を救い、反乱軍の主ホットスパーを倒す。この主筋に対して脇役でありながら、この作品の人気を支えてきたのが騎士ジョン・フォールスタフである。臆病、卑劣、狡猾、見え坊、破廉恥、好色、貪欲といったありとあらゆる悪徳を身に付けた不思議な人間像は、作品の枠を超えて観客を魅了してきた。
  • 螢川・泥の河
    4.4
    1巻440円 (税込)
    土佐堀川に浮かんだ船に母、姉と暮らす不思議な少年喜一と小二の信雄の短い交流を描いて感動を呼んだ太宰治賞受賞の傑作「泥の河」。北陸富山の春から夏への季節の移ろいの中に中三の竜夫の、父の死と淡い初恋を螢の大群の美しい輝きの中に描いた芥川賞受賞の名編「螢川」。
  • 万葉のいぶき
    3.0
    千三百余年の歴史を超えてよみがえる、万葉のロマン。――〈万葉のこころ〉を愛し求め続ける著者が、読者をおおらかな古代人の世界へと誘う。万葉の歌を《愛》《旅》《四季》という角度から捉えた本書は、全国の万葉故地をくまなく訪れた著者ならではの語りかけで、風土のなかに生まれ、息づいた歌ごころを、もっとも古くて、もっとも新鮮な生のいぶきとして伝える。
  • 東京カジノパラダイス(新潮文庫)
    3.6
    1巻737円 (税込)
    カジノ計画が動き出した東京。元商社マンの杉田義英は、その運営権を獲得したカイザー社に転職。プロジェクトマネージャーのオリバーが、ジャパニーズカジノ成功の秘策は「飲む・打つ・買う」と確信、遊び好きの彼を見込んだのだ。杉田は、世界の超VIPが金を落とす夢のカジノを実現すべく、切れ者でミステリアスな美女・柏木とともに掟破りの作戦に奔走する! 『ラストフロンティア』改題。(解説・香山二三郎)
  • 孤独な夜のココア
    4.0
    察しの悪い恋人にいつもイライラしている〈かおり〉、からかい半分の同僚の言葉を信じ、男性に大きなバースディーケーキを贈るケチな32歳の〈ちさ〉、年下の男性に恋をし、エープリルフールに妊娠を告げる〈和田サン〉。大人の女性の恋愛を、辛くも優しく描写した12の珠玉短編集。
  • 黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―
    3.5
    詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた――。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。生誕200年記念。
  • 夢見通りの人々
    3.8
    1巻539円 (税込)
    その名前とはうらはらに、夢見通りの住人たちは、ひと癖もふた癖もある。ホモと噂されているカメラ屋の若い主人。美男のバーテンしか雇わないスナックのママ。性欲を持て余している肉屋の兄弟……。そんな彼らに詩人志望の春太と彼が思いを寄せる美容師の光子を配し、めいめいの秘められた情熱と、彼らがふと垣間見せる愛と孤独の表情を描いて忘れがたい印象を残すオムニバス長編。
  • 郷愁
    3.8
    豊かな自然に囲まれて育ったペーターは故郷を離れ、文筆家を目指すため都会生活を始める。彼はそこで多くの人と出会い、多くの事を学ぶが、心の底では常に虚しさを感じていた。文明の腐敗に失望し、故郷に戻った彼を待っていたのは、シンプルな暮らしと新たな出会いだったが……。叙情にあふれた美しい自然描写、青春の苦悩、故郷への思いを見事に描いた、著者の処女作にして出世作。
  • デトロイト美術館の奇跡(新潮文庫)
    3.8
    ピカソやゴッホ、マティスにモネ、そしてセザンヌ。市美術館の珠玉のコレクションに、売却の危機が訪れた。市の財政破綻のためだった。守るべきは市民の生活か、それとも市民の誇りか。全米で論争が過熱する中、一人の老人の情熱と一歩が大きなうねりを生み、世界の色を変えてゆく――。大切な友人や恋人、家族を想うように、アートを愛するすべての人へ贈る、実話を基に描かれた感動の物語。(解説・鈴木京香)
  • メルヒェン(新潮文庫)
    4.2
    誰からも愛される子に、という母の祈りが叶えられ、少年は人々の愛に包まれて育ったが……愛されることの幸福と不幸を深く掘り下げた『アウグスツス』は、「幸いなるかな、心の貧しき者。天国はその人のものなり」という聖書のことばが感動的に結晶した童話である。おとなの心に純朴な子どもの魂を呼び起しながら、清らかな感動へと誘う、もっともヘッセらしい珠玉の創作童話9編を収録。
  • カエルの楽園(新潮文庫)
    4.4
    1~2巻572円 (税込)
    国を追われた二匹のアマガエルは、辛い放浪の末に夢の楽園にたどり着く。その国は「三戒」と呼ばれる戒律と、「謝りソング」という奇妙な歌によって守られていた。だが、南の沼に棲む凶暴なウシガエルの魔の手が迫り、楽園の本当の姿が明らかになる……。単行本刊行後、物語の内容を思わせる出来事が現実に起こり、一部では「予言書」とも言われた現代の寓話にして、国家の意味を問う警世の書。(解説・櫻井よしこ)
  • 高熱隧道
    4.3
    1巻572円 (税込)
    黒部第三発電所――昭和11年8月着工、昭和15年11月完工。人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する異様な時空を、綿密な取材と調査で再現して、極限状況における人間の姿を描破した記録文学。

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  • 新文章読本
    -
    「つねに新しい文章を知ることは、それ自身小説の秘密を知ることである。同時にまた、新しい文章を知ることは、古い文章を正しく理解することであるかも知れぬ。明日の正しい文章を……生きてゐる、生命ある文章を考へることは、私たちに課せられた、光栄ある宿命でもあらう」(まえがきより)。戦後まもなく発表された、文豪の文章論。

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  • 私家版 日本語文法
    4.1
    文部省も国語の先生も真っ青!あの退屈だった文法がこんなに興味津々たるものだったとは。もはや教科書ではつかみきれない日本語の多様なる現実がここにある。一家に一冊話題は無限。古今の文学作品は言うに及ばず、法律文書、恋文、歌謡曲、新聞広告、野球場の野次まで、豊富かつ意表を突く実例から爆笑と驚愕のうちに日本語の豊かな魅力を知らされる空前絶後の言葉の教室。
  • ツナグ 想い人の心得(新潮文庫)
    4.4
    僕が使者(ツナグ)だと打ち明けようか――。死者との面会を叶える役目を祖母から受け継いで七年目。渋谷歩美は会社員として働きながら、使者の務めも続けていた。「代理」で頼みに来た若手俳優、歴史の資料でしか接したことのない相手を指名する元教員、亡くした娘を思う二人の母親。切実な思いを抱える依頼人に応える歩美だったが、初めての迷いが訪れて……。心揺さぶるベストセラー、待望の続編!(解説・深木章子)
  • 家族八景(新潮文庫)
    4.1
    幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬――彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい短編集。

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  • リチャード二世
    -
    わずか10歳で王位を継承したリチャード二世は、物心つくとほぼ同時に一大王族の長となり、我儘放題に甘やかされて育った。栄華を誇ったリチャード二世が従弟(のちのヘンリー四世)との政争に敗れて国王の座を追われ、暗殺者の手にかかって倒れるまでの転変の運命。シェイクスピアの性格描写の手腕が冴えわたる名作。
  • 愛について
    5.0
    デンマークの宗教思想家キルケゴールの言う“愛”とは、神の愛への人間の壮烈な登攀であり、換言すれば、キリストによって具現された犠牲愛の極致を目ざす遠征である。彼の要求する“愛”は、人間の不可能の限界に接している。本書は、近代の運命とも言うべき、不幸の中にあって清らかであるために苦しまねばならぬ多くの人々に捧げられた、永遠なる“愛の生命と摂理”の書。
  • 殺意の風景
    5.0
    断崖絶壁に立った時の、血が引いていくような戦慄、季節はずれの別荘地の静寂につつまれた時の、本能的な怯え――。北は北海道の十勝岳、シラルトロ沼から、南は九州の平尾台、高千穂峡まで、日本全国18カ所の風景を〈主人公〉にした、ユニークな旅のミステリー。非情な大自然が人間の心に呼びおこす名状しがたい恐怖を、時刻表や心理のトリックを駆使して描き出す。泉鏡花文学賞受賞。
  • チップス先生、さようなら
    4.0
    霧深い夕暮れ、煖炉の前に座って回想にふけるチップス先生の胸に、ブルックフィールド校での六十余年の楽しい思い出が去来する――。腕白だが礼儀正しい学生たちとの愉快な毎日、美しく聡明だった亡き妻、大戦当時の緊迫した明け暮れ……。厳格な反面、ユーモアに満ちた英国人気質の愛すべき老教師と、イギリスの代表的なパブリック・スクールの生活を描いて絶賛された不朽の名作。
  • 盗賊会社
    4.0
    1巻440円 (税込)
    私は盗賊株式会社の社員。泥棒ごっこのオモチャの製造販売の会社ではない。れっきとした、泥棒を営業とする会社だ。そんな仕事があったのかと内心うらやましがる人も多いかもしれない。平凡な日常のくり返しにあきあきしている人ならば……。表題作の「盗賊会社」はじめ、斬新かつ奇抜なアイデアで、現代社会を鋭く、しかもユーモラスに風刺する36編のショートショートを収録。
  • 徘徊タクシー(新潮文庫)
    3.3
    徘徊癖をもつ90歳の曾祖母が、故郷熊本で足下を指しヤマグチとつぶやく。ボケてるんだろうか。いや、彼女は目指す場所を知っているはずだ! 認知症老人の徘徊をエスコートする奇妙なタクシー会社を立ち上げた恭平と老人たちの、時空を超えたドライブを描く痛快表題作と、熊本震災に翻弄された家族の再生を探る「避難所」など、三編を収める新編集小説集。巻末に養老孟司との特別対談を収録。
  • 変身
    4.2
    ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。
  • みんな元気。
    3.8
    夜中に目覚めると、隣の姉が眠りながら浮かんでいた――。あの日から本当に色んなことが起きた。竜巻が私たちの町を襲い、妹の朝ちゃんは空飛ぶ一家に連れさられてしまう。彼らは家族の交換に来たのだった(表題作)。西暁町で繰り返される山火事と殺人の謎(「矢を止める五羽の梔鳥」)ほか、「Dead for Good」「我が家のトトロ」「スクールアタック・シンドローム」の全5編を収録。21世紀型作家による、〈愛と選択〉の短篇集。

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  • ようこそ地球さん
    4.1
    1巻704円 (税込)
    文明の亀裂をこじあけて宇宙時代をのぞいてみたら、人工冬眠の流行で地上は静まりかえり、自殺は信仰にまで昇華し、宇宙植民地では大暴動が惹起している――人類の未来に待ちぶせる悲喜劇を、皮肉げに笑い、人間の弱さに目を潤ませながら、奇想天外、卓抜なアイデアをとりまぜて描いたショートショート42編を収録。現代メカニズムの清涼剤とも言うべき大人のための寓話集です。
  • 夜離れ
    3.8
    甘えん坊の摩美としっかり者の朋子。摩美の彼氏に一目惚れしてしまった朋子が、摩美の結婚式で行なった禁断のスピーチとは……「祝辞」。銀座のホステスから地味なOLに戻り、着実な結婚をめざした〈私〉を襲った突然の不幸……「夜離れ」。結婚に憧れる女性たちが、ふと思いついた企みとは? ホントだったら怖いけど、どこか痛快な気分にも。微妙な女心を描く6つのサスペンス。
  • ある奴隷少女に起こった出来事(新潮文庫)
    4.2
    好色な医師フリントの奴隷となった美少女、リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身籠ることを――。奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説と誤認され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遥かに凌ぐ〈格差〉の闇を打ち破った究極の魂の物語。
  • クヌルプ
    4.0
    年上の娘への初恋が裏切られた時から、クヌルプの漂泊の人生が始まる。旅職人となった彼は、まともな親方にはならなかったが、自然と人生の美しさを見いだす生活の芸術家となり、行く先々で人々の息苦しい生活に一脈の明るさとくつろぎをもたらす。最後に雪の中で倒れた彼に神さまはクヌルプは彼らしく生きたと語りかける……。永遠に流浪する芸術家の魂を描いた作品である。
  • 春琴抄
    4.3
    盲目の三味線師匠春琴に仕える佐助の愛と献身を描いて谷崎文学の頂点をなす作品。幼い頃から春琴に付添い、彼女にとってなくてはならぬ人間になっていた奉公人の佐助は、後年春琴がその美貌を何者かによって傷つけられるや、彼女の面影を脳裡に永遠に保有するため自ら盲目の世界に入る。単なる被虐趣味をつきぬけて、思考と官能が融合した美の陶酔の世界をくりひろげる。

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  • 青春は美わし
    4.1
    何年ぶりかで家族の住む故郷に帰ってきた青年は、昔恋したことのある美しい少女に再会する。しかしその愛は実らず、その上、妹の友達への恋にも破れる。彼は孤独な、しかし清らかな思い出を胸に故郷を去って行く……。ふるさとを懐かしみながら放浪に心ひかれ、地道に生きようと願いながら浪漫的な憧れに駆られる青春の心を抒情性豊かに謳いあげた表題作。他に、「ラテン語学校生」。
  • 羅生門・鼻
    3.7
    京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひき抜いている老婆を目撃した男が、生きのびる道をみつける『羅生門』。あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をもつ僧侶が、何とか短くしようと悪戦苦闘する姿をユーモラスに描いて夏目漱石に絶賛された『鼻』。ほかに『芋粥』『好色』など“王朝もの”全8編を収録する。

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  • さよなら、ベイビー(新潮文庫)
    3.4
    1巻649円 (税込)
    見知らぬ赤ん坊(タカヤ)を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥(まあくん)が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰……迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する! 胸に染みる、痛快青春ミステリー。(解説・北上次郎)
  • 夕暮まで
    3.5
    若い男女のパーティに、幾人かの中年男が招かれる。その一人佐々は会場で22歳の杉子をホテルへ誘う。処女だという彼女は、決して脚を開かせない代りに、オリーブオイルを滴らせた股間の交接、フェラチオ、クニリングスは少しも厭わない。こうして中年男と若い娘の奇妙な愛は展開していく。しかし事の結末は呆気なくおとずれる。人間の性の秘密を細密に描き上げた一幅の騙し絵(トロンプ・ルイ)。野間文芸賞受賞。
  • 昼顔
    4.7
    ケッセルはスラブ種の血をうけ南米に生れた現フランス文壇の第一人者。「昼顔」は作者三十一歳の作で、両次大戦の中間期、最も幸福な時代といわれた頃のパリを背景とし、仮借ない筆致で、貞淑な女性の娼婦性がもたらすことになった霊肉の惨劇を描破した力作であるが、淫猥、春本に類するとの批評に、作者は「健康体を究めるためには、病体を理解しなければならぬ」と答えている。
  • 人間失格
    4.3
    1巻308円 (税込)
    「恥の多い生涯を送って来ました」。そんな身もふたもない告白から男の手記は始まる。男は自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し、「失格」の判定を自らにくだす。でも、男が不在になると、彼を懐かしんで、ある女性は語るのだ。「とても素直で、よく気がきいて(中略)神様みたいないい子でした」と。だれもが自分のことだと思わせられる、太宰治、捨て身の問題作。

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  • 暢気眼鏡
    4.0
    疑うことを知らぬ天真爛漫な若い新妻との貧乏暮しを爽やかな筆に綴った名作「暢気眼鏡」。祖父母と父の最期を語る「父祖の地」。胃潰瘍による大出血から辛うじて生還するまでの顛末「こおろぎ」。ほかに「猫」「芳兵衛」「擬態」「玄関風呂」「痩せた雄鶏」「華燭の日」「退職の願い」。生の苦渋と辛酸を、著者の虚飾ない善意と誠実さに巧まずしてにじみ出すユーモアに包んで描いた、ふくよかな心境小説の佳品全10編を収めた。
  • よるのふくらみ
    4.1
    1巻605円 (税込)
    同じ商店街で幼なじみとして育ったみひろと、圭祐、裕太の兄弟。圭祐と同棲しているみひろは、長い間セックスがないことに悩み、そんな自分に嫌悪感を抱いていた。みひろに惹かれている弟の裕太は、二人がうまくいっていないことに感づいていたが――。抑えきれない衝動、忘れられない記憶、断ち切れない恋情。交錯する三人の想いと、熱を孕んだ欲望とが溶け合う、究極の恋愛小説。
  • 戦う操縦士
    3.3
    僕は多くのことを考える。万一生きていたら、今夜を待って、とくと考えてみよう。ただ、生きているかどうか……。第二次大戦中、敗走するフランス軍に、一飛行士として従軍した作家サン=テグジュペリ。明日、ドイツ軍が侵入するであろう、祖国の一寒村にたたずんで、死を目前にした極限状況にあって綴られた、生の根源と人間の勇気に果敢に迫り、深く追究する思考。
  • 大尉の娘
    -
    暴徒のため父母を惨殺されたマリーは、相思の将校グリニョーフに危難を救われるが、のちに嫌疑をかけられシベリア流刑に処せられた愛人の赦免を求め、ペテルブルクに行き女王に決死の嘆願をする。エカテリーナ二世の治世に起ったプガチョーフの反乱を背景とし、歴史小説と家庭小説が巧みに融合した、19世紀ロシア・リアリズム文学の先駆的作品であり、プーシキン芸術の最高峰と言われる。
  • 背徳者
    3.6
    ジッドがアフリカに旅して病気になり、回復後に生命の喜びを見出した当時の魂のありさまを、告白的に小説として描いたもの。一考古学者がアフリカに新婚旅行に出かける途中大病にたおれて、一時は死に瀕するが、ようやく回復期に至ったとき、生きる喜びを知り、彼の心に一大革命が起る。既成のモラルや組織に安住できぬ魂の苦悩を綴った、ジッド最初の物語作品。一九〇二年作。
  • ヴァージニア
    4.0
    ボーイフレンドたちに自己の肉体を与え続ける女子学生、ヴァージニアの奇妙な孤独感を描いた表題作。死の床で、愛と生の妄執にとらわれる歯科医の、鬼気迫る意識を掘り下げた『長い夢路』。婚約者の死霊との愛の交歓を、エロティカルな幻想の中に捉えた『霊魂』。――荒涼たる死と性の深淵、超現実的な愛と夢想の世界を、明晰な知性と、ロマネスクな筆致に托した秀作三編を収録。
  • ミクマリ
    -
    1巻220円 (税込)
    「ぁああああ、むらまささま、もうだめですぅ、いきますぅ」――あんずにナンパされたのは、高校に入ってすぐ、友だちに無理矢理連れて行かれたコミケで。あんずはおれよりも十二歳も年上で、結婚もしていた。以来、学校が終わると週に1、2回はこの部屋に来て、やりまくっている。「なにかのアニメのなんとかという役」のコスプレをして。あんずが書いた台本どおりに。それがあんずの条件なのだ……。男子高校生の目線で描かれる性と生の物語。第8回R-18文学賞大賞受賞作。

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  • 海と毒薬(新潮文庫)
    4.1
    戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化し、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? いかなる精神的倫理的な真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識”の不在の無気味さを描く新潮社文学賞受賞の問題作。
  • フロイト自伝
    -
    一八五六年、現在はチェコの東部、当時オーストリア領だったモラヴィアの田舎町フライベルクに生れたジークムント・フロイトは、長くウィーン大学で教鞭をとり、一九三八年にロンドンへ亡命した翌年、八十三年の生涯を閉じた。亡命を除けば、彼の生涯に外的な波瀾はないが、ユダヤ人の血のために苦悩した、その経験は、あの独創的な学説、人生観に、少なからぬ影響を及ぼしている。
  • #真相をお話しします 無料お試し版
    無料あり
    4.6
    1巻0円 (税込)
    家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家庭で目撃した〈惨劇〉とは(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れて……(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、日本社会の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。2022年6月刊行の本編のなかから、第74回日本推理作家協会賞短編部門を受賞し話題となった「#拡散希望」を特別無料配信します! ※本稿は校了前のデータをもとに作成しています。そのため、刊本とは一部内容が異なる場合がございます。予めご了承ください。

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  • あいにくあんたのためじゃない 無料お試し版
    無料あり
    4.0
    1巻0円 (税込)
    過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。 この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇を収録。 『BUTTER』が大きな話題を呼び、社会の変化を敏感に掬い取りながら第一線を走り続けてきた作家の2024年3月新刊から、「めんや 評論家おことわり」を特別無料配信します。 *本稿は校了前のデータをもとに作成しています。そのため、刊本とは一部内容が異なる場合がございます。予めご了承ください。

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  • あなたはここにいなくとも 無料お試し版
    無料あり
    3.6
    1巻0円 (税込)
    どれだけ辛くても、わたしひとりの苦しみではない。この苦しみを慈しんでくれるひとが、遠くに待ってくれている。 恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまっているけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。もつれた心を解きほぐし、本当の自分を取り戻すための全五篇。 2021年に本屋大賞第一位となり、常に新刊を心待ちにされる著者による2023年2月刊行の短篇集のなかから、「おつやのよる」を特別無料配信します。 *本稿は校了前のデータをもとに作成しています。そのため、刊本とは一部内容が異なる場合がございます。予めご了承ください。 町田そのこ(まちだ・そのこ) 1980年生まれ、福岡県在住。2016年「カメルーンの青い魚」で第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。17年、同作を含む短編集『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞。他の著書に『ぎょらん』『うつくしが丘の不幸の家』『星を掬う』『宙(そら)ごはん』「コンビニ兄弟」シリーズがある。

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  • 君が手にするはずだった黄金について 無料お試し版
    無料あり
    4.0
    1巻0円 (税込)
    認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する全6作の連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いや、噓を物語にする「僕」は、彼らと一体何が違うというのか? 『地図と拳』で2023年上半期の直木賞を受賞し、『君のクイズ』は2023年本屋大賞にノミネート。歴史・SF・ミステリと、一作ごとに新機軸の小説を発表し続けてきたマルチな作家の2023年10月刊新作から、本好き学生の就活と恋模様を描いた「プロローグ」を特別無料配信します。 *本稿は校了前のデータをもとに作成しています。そのため、刊本とは一部内容が異なる場合がございます。予めご了承ください。

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  • 縁切り上等!―離婚弁護士 松岡紬の事件ファイル― 無料お試し版
    無料あり
    3.4
    1巻0円 (税込)
    最良の“縁切り”、請け負います! 前を向く元気をもらえる新時代のリーガル・エンタメ、無料お試し特別版! 夫のモラハラと浮気に耐えられなくなった聡美は、子供を連れ実家のある北鎌倉に避難する。そこで出会ったのは、縁切寺として名高い「東衛寺」の娘で、離婚専門弁護士の松岡紬。勢い込んで紬に離婚相談をした聡美だったが、思いがけないことを言われ……。 家族はもっと、いろんな形がある。3組に1組が離婚すると言われる現代、知っておいて損なし! 個性豊かな人物たちが織りなす、温かなヒューマン・ドラマにして、痛快リーガル・エンターテイメント! 『元彼の遺言状』『競争の番人』の著者による待望の最新刊(2023年6月末刊行)の中から、第1章を特別無料配信します。

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  • 邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき― 無料お試し版
    無料あり
    4.4
    1巻0円 (税込)
    騒乱に乗じてミサイル発射を企む北の軍部に、米国はピンポイント爆撃へと動き出す。だがその標的近くには、日本人拉致被害者が――。日本の政治家は、国民は、人質奪還の代償として生じる多くの犠牲を直視できるのか? 実戦投入される最強部隊の知られざる内実とは? 日本初、元自衛隊特殊部隊員が描く迫真のドキュメント・ノベル。冒頭から「第1章」までを収録した無料お試し版!

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  • 新潮文庫nex総選挙 2016
    無料あり
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「新潮文庫nex総選挙2016」上位ランキングを一挙掲載。加えて、作家・知念実希人と女優・美山加恋による特別対談、nex全72書名の目録を同時収録。 ※当コンテンツにはまだ電子化されていない作品の情報も含まれています。ご了承ください。

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  • 墨のゆらめき 無料お試し版
    無料あり
    4.7
    1巻0円 (税込)
    都内老舗ホテル勤務の続力(つづき・ちから)は、招待状の宛名書きを依頼しに書家の遠田薫を訪ねるも、なぜか手紙の代筆を手伝うはめに。遠田が自在に書き分ける筆跡に魅せられた続は、やがて文字にこめられた人々の思いと、遠田の秘密に触れることになり――。待望の書下ろし長篇小説。 2023年5月刊行の本編のなかから、一部を特別無料配信します。

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  • 禍 無料お試し版
    無料あり
    4.0
    1巻0円 (税込)
    セカイの底を、覗いてみたくないか? 孤高の物語作家が放つ、中毒不可避の悪魔的絶品集。無料お試し特別版! 「俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ」。恋人の百合子が失踪した。彼女が住むアパートを訪れた私は、〈隣人〉を名乗る男と遭遇する。そこで語られる、奇妙な話の数々。果たして、男が目撃した秘技〈耳もぐり〉とは、一体(「耳もぐり」)。「壊れかけた人生」を生きてきた女は、10万円の報酬金に目が眩み、某新興宗教団体が執りおこなう〈髪譲りの儀〉にサクラとして参加する。果てなき悪夢が待ち受けているとも知らず(「髪禍」)。ほか、アナタの臓腑を掻き乱し、骨の髄まで侵蝕する、小説という名の七の熱塊。 前作『残月記』で2022年本屋大賞ノミネート、第43回吉川英治文学新人賞受賞&第43回SF大賞受賞を果たした著者による、2023年7月刊行の作品集のなかから、「耳もぐり」を特別無料配信します。恐怖と驚愕の到達点を見よ! *本稿は校了前のデータをもとに作成しています。そのため、刊本とは一部内容が異なる場合がございます。予めご了承ください。

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  • 高校生に読んでほしい50冊 2014
    無料あり
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2800点を超える新潮文庫の中から、若い世代が新たに読書に親しんでいく際の指針となる作品を編集部が選定! もちろん、すべての大人にもおすすめの50点を紹介する小冊子です。 ※当コンテンツにはまだ電子化されていない作品の情報も含まれています。ご了承ください。
  • 新潮クレスト・ブックス ブックレット2014-2015
    無料あり
    3.0
    1巻0円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新潮社の海外文学シリーズ《新潮クレスト・ブックス》の最新情報をご紹介する特別ブックレットです。10年ぶりの長篇小説『低地』を刊行したジュンパ・ラヒリのインタビュー、今年惜しくも亡くなったアリステア・マクラウドの追悼記事、近く刊行予定の5作品を訳者自身が紹介する「ただいま翻訳中!」、そして現在入手可能な全作品を網羅したカタログを収録しています。 ※当コンテンツにはまだ電子化されていない作品の情報も含まれています。
  • 新潮文庫の100冊 2018
    無料あり
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 約3000点の新潮文庫の中から「新潮文庫の100冊」として厳選した作品を、「恋する本」「シビレル本」「考える本」「ヤバイ本」「泣ける本」の5テーマに分類しておすすめします。 ※当コンテンツにはまだ電子化されていない作品の情報も含まれています。ご了承ください。

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  • 中学生に読んでほしい30冊 2014
    無料あり
    4.4
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2800点を超える新潮文庫の中から、若い世代が新たに読書に親しんでいく際の指針となる作品を編集部が選定! もちろん、すべての大人にもおすすめの30点を紹介する小冊子です。 ※当コンテンツにはまだ電子化されていない作品の情報も含まれています。ご了承ください。
  • 愛さずにはいられない(新潮文庫)
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    1960年代後半。芳郎は東京で下宿生活を送る高校生だ。酒や煙草、夜遊びに耽る毎日だが、その心には母への憎悪が深く影を落としていた。童貞を捨てた彼は性にのめりこみ、やがて運命の女、由美子に出会う――。無軌道な少年時代と実母との確執とを赤裸々に描き、「この作品こそ自分自身」と著者に言わしめた唯一の自伝的作品であり、遺された数多の作品世界の原点ともいうべき特別な長編小説。(解説・小池真理子)
  • 愛する人達
    3.6
    母の死後、母の初恋の人、佐山に引きとられた雪子は佐山を秘かに慕いながら若杉のもとへ嫁いでゆく――。雪子の実らない恋を潔く描く『母の初恋』。さいころを振る浅草の踊り子の姿を下町の抒情に托して写した『夜のさいころ』。他に『女の夢』『燕の童女』『ほくろの手紙』『夫唱婦和』など、円熟期の著者が人生に対し限りない愛情をもって筆をとった名編9編を収録する。

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  • 愛ってなに?
    -
    1巻715円 (税込)
    “愛ってなんでしょうか”中年に達した男の心にふとよみがえる若い女の声……。男女の機微とサラリーマン生活の哀歓を鮮やかにとらえた表題作はじめ、『罐蹴り』『鳩胸の鳩』『葛の花』等、さまざまな愛のかたち――そのはかなさ、にがさを、優しく透明なユーモアに包む珠玉の名編15選。『翡翠の色』ほか本書初収録の作品を加えて、短編小説の名手山口瞳の全貌を明らかにする。
  • あいつと私
    4.0
    堅実な家庭に生れ育ち、柔軟な感受性と豊かな包容力とにめぐまれた浅田けい子と、暗い出生の秘密に加え変則的かつ無秩序な家庭生活の影響から、ニヒリスティックな性格の持ち主となった黒川三郎。――この、あまりにも対照的な“あいつと私”を中心に、現代の学生風俗と明るい学園風景、そして、若い愛情の波に洗われる若者たちの体験を爽やかなタッチで活写する、石坂文学の傑作。
  • 愛と死の書
    -
    これは、三つの親しい者の死にめぐりあった女性の、やり場のない愛情の悲しみを書いたものである。作者は「この長編小説ほど喜びと悲しみをもって書いた小説は私にはない。この小説ほど愛着をもつ小説も、他にない」とこの作に寄せる思いを語っているが、何人にも共通な感情のうちに、深刻な愛情の問題を扱っている点に、本書の高い評価が存在する。日中戦争さ中の昭和14年刊。
  • 愛と資本主義
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    新宿のホストクラブ-それは金に飢えた男と愛に飢えた女が、狂ったダンスを踊る異空間、ある種の絶望的な「愛」の形。夜毎繰り広げられる狂宴を、妖しい月夜の明かりで照らし出した長編小説。
  • 愛と知と悲しみと
    -
    作者がパリ留学時代に逗留した、アナーキスト一家として高名なルクリュ家の人々との、三十年にわたる友情を描いた自伝的作品である。ことに、幼時より音楽的才能を嘱望されながら、第一次大戦で指を傷め、ピアニストとしての将来を失った、ジャック・ルクリュの半生が中心に描かれた本編は、戦争、革命、愛と死をめぐる現代人のテーマを掘り下げた、静かなる慟哭の書である。
  • 愛なんて嘘(新潮文庫)
    4.3
    恋人の家に転がり込んできたのは、とっくの昔に離婚したはずの彼の元妻だった。ひとつの場所にとどまることのできない女の存在が二人の関係を変える(「夜を想う人」)。一度は別れを選び、それぞれが新しい伴侶を見つけ、子供も授かった元夫婦の約束とは(「二人のプール」)。裏切りに満ちたこの世界で、信じられるのは私だけ? 平穏で幸福な愛の“嘘”に気づいてしまった男女を繊細な筆致で描く六篇。
  • 愛に乱暴(上)(新潮文庫)
    3.6
    1~2巻539円 (税込)
    初瀬(はせ)桃子は結婚八年目の子供のいない主婦。夫・真守の両親が住む母屋の離れで暮らし、週に一度、手作り石鹸教室の講師をしている。そんな折、義父の宗一郎が脳梗塞で倒れた。うろたえる義母・照子の手伝いに忙しくなった桃子に、一本の無言電話がかかる。受話器の向こうで微かに響く声、あれは夫では? 平穏だった桃子の日常は揺らぎ始め、日々綴られる日記にも浮気相手の影がしのびよる。
  • 愛の年代記
    4.2
    かくも激しく美しく恋に身をこがし、生きて愛して死んだ女たち――歴史資料の片隅に、わずかに残されたその華麗な生の証しをもとに、欲望・権謀の渦巻くイタリアの中世末期からルネサンスにかけて、《恋の歓び、哀しみ、憤り》など、さまざまな愛のかたちを抽出する。『大公妃ビアンカ・カペッロの回想録』『ドン・ジュリオの悲劇』など、胸ときめく恋の物語9編を収録。
  • 愛のひだりがわ(新潮文庫)
    4.0
    幼いとき犬にかまれ、左腕が不自由な小学六年生の少女・月岡愛。母を亡くして居場所を失った彼女は、仲良しの大型犬デンを連れて行方不明の父を探す旅に出た。暴力が支配する無法の世界で次々と事件に巻き込まれながら、不思議なご隠居さんや出会った仲間に助けられて危機を乗り越えていく愛。近未来の日本を舞台に、勇気と希望を失わずに生きる少女の成長を描く傑作ジュヴナイル。
  • 愛のむこう側
    5.0
    1950年夏、11年ぶりにパリを訪れた紀川紗良の胸裏に、青春の日々がよみがえってきた――16歳での結婚と離婚。その傷心を束の間のフランス留学に癒して美しい娘時代をとりもどし、新しい友情と恋が芽ばえてくる。明日のない激しい恋愛。そして戦争に、恋人を夫を奪われたこの一人のブルジョワ娘が、やがて自由と平和に目覚め《自立した女》に成長するまで。自伝的長編小説。
  • 愛慾・その妹
    -
    自分の眼となっている妹を手放すことに怯える貧しく盲目の作家広次が、世間からも人間からも疎外されていく悲劇を描いた「その妹」。兄と妻が通じたことで人間不信に陥る画家英次の苦悶の心理を描く「愛慾」。肉体へのコンプレックスが招く孤独と暗い運命に翻弄されながらも、そこからの密かな救済を暗示させる、作家の個性が光る2つの戯曲。
  • 愛より速く
    3.4
    このまま私の中にいて。もっと深く突き刺してよ――エロスの王道を歩む23歳の女子大生・“斎藤綾子”のセックス遍歴は、売りに援交、SM、輪姦、乱交、不倫、同性愛……。時に髭もないツルツルのボーヤを舐めまくり、時にフツーの恋がしたくてセックスを我慢してみたりする。だって、私は男が好き。特にペニスは大好物――。「処女を装うとき」「追い詰めて、犯して」「十五歳で輪姦されて」「オナニーの秘儀」など、全19編を収録した、女の子のための超過激なエッチ小説。

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  • あ・うん
    3.3
    喧嘩をしても、まるで「あ・うん」の狛犬のように息が合い離れない男の友情――門倉修造と水田仙吉は、20年来の友達だが、見かけも気性も財力も正反対ときている。門倉は仙吉の妻の秘めたる色香をひそかに愛している。そんな大人の関係を不思議な思いで見ていた仙吉の娘さと子の恋人に召集令状がきた……。昭和10年代の愛しい一途な日本人像を浮彫りにする著者最後のTVドラマ。

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  • 蒼い乳房
    3.0
    身体は日ごとに成熟してゆく。胸も豊かに色づいてきた。だが、彼女は外の世界をまだ恐れていた。ロシアの血をひくその容貌が、好奇の視線を集めてしまうから。薫、あなたは恋を知らぬ少女だった。『海猫』を甦らせた表題作をはじめ、現在まで描いてきた短編より選びぬいた、オリジナル作品集。純粋さ、喪失感、静謐な喜び、癒えぬ哀しみ……。恋愛にはきっと、人生の全てがある。
  • 青いパステル画の男
    3.6
    パリの弁護士ショーモンは古いモノが好き。仕事は順調、稼ぎも良いが、趣味の骨董収集に妻も周囲も全く関心を持ってくれない。ある日、自分そっくりの18世紀の肖像画を落札したショーモンは、その男の正体を探す旅のなかで、奇妙な偶然に巻き込まれていく……。『赤いモレスキンの女』の著者による鮮烈なデビュー作。
  • 青い光
    -
    津田信雄と園子は共働きの貧しい夫婦だが、平凡な生活の中にささやかな幸福を見出している。信じ合う若い二人の間にひびが入り始めたのは、園子の勤める病院に流行作家の田辺が入院してからだった。田辺はそのころ、人妻の愛人と同棲していた。二組の男女の愛憎のもつれは意外な方向へと展開して行く──。〈現代人は愛する者のために命を棄てることができるか〉を問う長編恋愛小説。
  • 蒼い描点
    3.9
    若い編集者椎原典子は、女流作家村谷阿沙子の原稿催促に出向いた箱根で、顔見知りのフリーライターの変死にぶつかる。死者と村上女史に謎の繋がりを感じた典子と同僚崎野は、やがて女史には代作者がいたという確信を持つ。女史の夫と女中の相次ぐ失踪、女史の精神病院への逃避、そして第二の殺人と、事件は意外な方向へ発展する……。心理の微妙な起伏と情景の描写が光る推理長編。

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