小説 - アドレナライズ作品一覧

  • 階上に住む女
    2.0
    手紙に記されたおぞましい秘密、無気味に交差する猜疑と憎悪  所沢にある二世帯住宅の二階に引っ越した共働き夫婦の阿部なつきと数彦。大家の兄弟夫婦が同居する予定だったが、兄夫婦の海外赴任で間借り人を探していたのだ。一階は大家の弟夫婦・河野祐二と史子。夫婦二組の奇妙な同居は、二人の女に軋轢をもたらし、なつき宛ての手紙が消失したことで、運命の歯車は予期せぬ展開に…。心理の奥底に潜む歪んだ陥穽を捉えた長編ミステリー。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 胎内余罪
    2.0
    遠い過去の薄明の彼方からよみがえる、恐ろしくもどこか甘美な記憶の断章  精神科医・有坂周平の前に現れた岡元ゆず子は、自分には双子の妹がいて、小さい頃事故で死んだ、と告げて消えた。その後、作家・並木亜砂子の担当編集者となったゆず子に、亜砂子は幼い頃の記憶に触発される奇妙な懐かしさを感じた…。突然ふたりの前に現れたゆず子の奥深くに隠された記憶は、何を告発しようとしているのか。長篇サイコ・サスペンス。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 悪銭 小説・替え玉殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    日本をターゲットにして犯罪をカネに換算するビジネス  北陸の山間で起きた現金輸送会社襲撃事件、バラバラ死体事件。次々と起きる凶悪事件の捜査線上に、ひとりの中国人女性が浮かび上がる。「死んだ人が、殺された……」バラバラ死体の男と福井県で病死した男、はたしてどちらが彼女の夫なのか。  日本に滞在する中国人にとって一番の関心事は在留資格である。不法入国、不法滞在、不法就労は罪となり、実刑を免れても母国へ強制送還される。日本人妻として配偶者ビザを取得していた女には、どんな陰謀が絡んでいるのか? 福井地検刑事部検事の丹羽冴子の大胆な推理によって、事件は一気に解決に向かうが…。  本書は、犯罪に走る在日中国人、その存在を浮き彫りにするノンフィクション・ノベルである。 ※この作品は事実に基づいていますが、登場する人物や団体などはフィクションであり、実在しません。 ●森田靖郎(もりた・やすろう) 作家。1945年、兵庫県出身。文革中に、中国・チベット地区を訪れ、辺境地に下放された都市青年との交流から中国への興味を抱く。その後、シルクロードやロングマーチ(長征)など中国各地への旅を繰り返す。改革開放、天安門事件、香港返還などを常に現場から発信し、中国をフレームにして日本への同時代メッセージを送り続けるルポで定評がある。ノンフィクションを底辺にさらに再構築した小説執筆にも精力的で、ノンフィクションでは表現出来ない中国の暗部を赤裸々に描き出している。主な著書に、『東京チャイニーズ』(講談社)、『見えない隣人~小説・中国人犯罪~』(小学館)、『スネーク・シャドウ』(朝日新聞社)、『上海セピアモダン』(朝日新聞社)、『中国「犯罪源流を往く」』(講談社)、『悪夢』(光文社)、『地経学で読む爆走中国』(原書房)、『引き裂かれた街~池袋チャイナタウン・プロジェクト~』(ナショナル出版)などがある。
  • 吸血鬼たちの聖夜(イブ)
    -
    1巻495円 (税込)
    ほかならぬわたし自身が、そのおぞましい焼死体になってしまった… 「誰かが私を罠にはめようとしている!」テレビドラマの撮影現場で、女優の卵の変死体が見つかった。数ヵ月前までは、33歳の平凡な主婦だった彼女。憎んでいた奴はヤマほどいたが…。花形プロデューサーを先頭に男女入り乱れての駆け引きが始まった。謎と欲望に彩られた表題作ほか、快作四篇を収録。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • ホテル・ルージュ
    -
    1巻495円 (税込)
    12年前の夢が残されている限り、衿子は年下の恋人の冷たい仕打ちにも耐えられた  パリ・サンジェルマンの裏通りに、ひっそりと佇むホテル・ルージュ。「毎年5月のこの日、ここで待っている」と言った彼が、もしかしたら…。愛のさめた8歳年下の裕二とパリに来た衿子。彼女の胸に切ない想いがこみ上げて…。瀟洒な都会のホテルを舞台に、男と女の愛の結末を描くホラー・ミステリー短編集。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 柘榴館
    -
    1巻495円 (税込)
    連続猟奇殺人を追う元風俗嬢の沙季は、裕福な医師一家が住む山手の洋館・柘榴館に潜入するが…  港町・横浜で、風俗嬢が相次いで殺された。内臓を引き出され、子宮が切り刻まれる猟奇殺人だった。事件を目撃した前原透はショックで正気を失ってしまう。透と同じように心の傷を持つ風俗穣の森岡沙季は、透のわずかな言葉を手掛かりにして、裕福な医師一家が住む「柘榴館」に介護士を装って乗り込んで行く。そこで見た、山手の美しい洋館に潜む恐るべき秘密とは? 心に闇をはらんだ家族たちをめぐる、戦慄のサスペンス。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 風と旅とオートバイ
    -
    1巻495円 (税込)
    自由を求めて走るだけが旅じゃない、自分を求めて走る心の旅もあるのだ 「オートバイ乗りは見慣れた風景のなかを走っているのに、どこか違う世界に迷いこんでしまったような感覚で、今日も自ら風を起こして風景のなかを走り抜けていく」「束の間、日常生活から離れ、独りの旅人になることで心の扉が開かれる」  本当の自分を求めて彼らが繰り返す小さな旅の終わりは、より大きな新たな旅の始まりなのだ…。心の旅をテーマにした珠玉の短篇12篇を収録。 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
  • 淫獣迷宮
    3.0
    1巻495円 (税込)
    ビデオから映し出される処女強姦と鮮血の儀式!  日輪自動車パリ支社長の娘・珠美が“悪魔の手”と名告るグループに誘拐され、彼女をなぶり犯すビデオが送られてきた。犯人達の身代金要求額は三百万ドル。日本から急遽パリへ派遣された美女と野獣コンビの今村・権藤刑事は犯人達を追い詰めながらも、フランス警察の失態で取り逃す。モロッコまで逃走した“悪魔の手”は要求額を五百万ドルに上乗せし、再度送られてきたビデオには全裸で凌辱される珠美の瞳に妖しくきらめくナイフが…!  好評シリーズ『淫獣軍団』の主人公である今村・権藤。彼らが『魔獣戦線 1990ベルリン』に続いてコンビを組み、淫虐の限りを尽くす誘拐犯に挑む。「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊! ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 魔獣戦線 1990ベルリン
    -
    1巻495円 (税込)
    東京とベルリンで殺戮を続けるテロ組織の狙いは!?  東京・日比谷のど真ん中で、東ドイツの経済担当のVIPが襲われ、警固の警官共々暗殺された。犯人グループはヨーロッパのテロ組織との情報を得た警視庁は、今村・権藤の美女と野獣コンビを派遣。二人は東独警察のグィド刑事と捜査を始めた矢先に、またもや西ベルリンで暗殺が発生。懸命の捜査で“ノア”と名のる組織が浮かび上がったが、次々と起こるテロ事件の背後には、そのノアを操る忌わしき存在の深謀遠慮が潜んでいた…。  好評シリーズ『淫獣軍団』の主人公である今村・権藤コンビ、初の顔合わせとなった怪事件を描いた作品。「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊! ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 神魔の火焔
    -
    1巻495円 (税込)
    その力は神か悪魔か…湯煙の向こう側に見えた人間の愚かさ  形成外科医・奇羅明典は、文豪温泉探訪クラブの同窓会で湯ヶ島温泉に来ていた。この地には、苦い想い出が残る。大学三年生の夏期休暇中、中学時代から付き合っていた恋人・桜井志都美が、ここで行方不明になったのだ。  温泉宿「夢迷荘」へ向かうバスに偶然乗り合わせた美女。志都美が好きだった沈丁花の香りがするこの女性が、その晩、死体となって発見される。志都美の面影を追い、事件の周辺を調査し始めた奇羅の目の前に、やがて第二、第三の殺人が起きて…。  東日本大震災における原発事故、薬物の化学実験室、封印されたトンネル、「川波ノート」に記された謎の暗殺集団…。やがてそれらのキーワードが、一つに集約されていく。「経済効果」という美名に踊らされた愚かな人間たちを描く、衝撃のミステリ作品。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • プライベート・セキュリティ神島(1) 死神島
    2.0
    1~2巻495円 (税込)
    奴の行くところ必ず人が死ぬ…「死神島」の異名をとる鋼の男!  日本では珍しいプライベート・セキュリティ(ボディ・ガード)神島の事務所に奇妙な仕事が舞い込んできた。一千万円で行方不明の大学生を探してくれというのだ。 「興信所に頼めばよいような仕事を、なぜ料金の高い俺に?」  不審に思った神島が訳を訊いても、依頼主鹿追グループ会長の美人秘書は一切事情を話さない。返事を保留して帰宅した神島を凄腕の二人の凶漢が襲った。必死で撃退した神島は、早速翌日から行動を起こす。やがて、失踪した大学生が、鹿追の白血病の娘の骨髄ドナーで、何者かに拉致されたことを突き止めるが…。  痛快クライム・アクション小説の傑作が電子で復刊。 ●有賀博之(ありが・ひろゆき) 作家。脚本家・杉村升氏にサラリーマン時代に師事。「裸の大将」「西部警察」等、数多くのテレビ・映画のシナリオを杉村氏の下で実作する。その後小説家として『死神島』(角川書店)でデビュー。小説の中のリアルなアクションは、日本一非科学的な稽古をする道場と称される藤原ジムにおいて一般部の師範代を務めた、その経験に基づいている。
  • 暁のキックスタート
    -
    1巻495円 (税込)
    バイクを愛するすべての人へ贈る、珠玉の短篇集 「オートバイ乗りの心には、埋めようのない深い穴ポコが空いている。オートバイ乗りは、表向きはタフな振りをしつつ、その穴ポコを埋めようとあがいている。オートバイ乗りがオートバイを降りるのは、穴ポコを忘れたときだ。若いうちは穴ポコが見えるけれど、大人になるにしたがって、だんだん穴ポコのことを忘れてしまう」  オートバイの孤独でワイルドなフィーリングに憑かれたぼくは、旅に出ることによって、自然の景観のありがたさを感じ、本当の自分の心のドアを開くことができる。自分を旅するオートバイ乗りの物語。 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
  • マンハッタン聖魔伝
    -
    1巻495円 (税込)
    壮絶で淫猥な超バトルを繰り広げる超伝奇バイオレンス  深夜の工事現場で“つくりもの”の若い娘がやくざたちに惨殺された。それを契機に、現場に遭遇したグラマラスなヌードダンサー来須へらと、小柄で華奢な身体にもかかわらず底知れぬパワーを秘めた夫・三吉の前に現出する奇怪な事件の数々。稀代の魔女グレタ・ヘンデルと謎の美少年遙が目論む邪悪なる陰謀とは? そして奇妙な夫婦の正体は…? ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。
  • 古えホテル
    -
    1巻495円 (税込)
    永い歳月を生きてきた古いホテルには、必ず秘められた伝説が息づいている  見知らぬ人々が出会い、愛し合い、別れてゆく“ホテル”。磨き込まれた大理石のロビーを近付いてくる靴音。漂う高価な香水の匂い。そしてひとたび部屋に入れば…。  甘やかな風渡る窓辺に立つ女、その女の肩に手をかけ佇む男。ホテルは遥かな夢へと二人を誘う。現在と過去、夜と昼、男と女―時間と空間が捩れ、融け合うここでは、あらゆる不可思議、怪異が許されるのだ。  人気作家・菊地秀行が“ホテル”の持つ魔力を自在に操り、目眩めく世界を紡いだ、香り高き愛の物語。異色の幻想ホラーの世界がここに…。 ・古えホテル ・記念日の交換手 ・メイク・アップ・ストーリー ・ノックをされたら ・追跡者 ・昨日の夏 ・片恋い ・ラヴ・レター ・クローズ・デイ ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。
  • 影歩む港
    -
    1巻495円 (税込)
    一人ずつ人間が消されていく……霧の深い夜に訪れる異様な影!  北の港町にある居酒屋「一膳」にフラリとやってきた光馬宗吉。地元の四人に加え、常連客の一人となった頃、霧の濃い夜に、街角で若い娼婦が相次いで斬殺された。百年ほど前、ロンドンで起きた「切り裂きジャック」事件を彷彿させる事件であった。光馬は、霧に紛れて消えた異様な影を目撃、その真相に迫るが…。  次々に起こる怪異な事件とともに、常連客が一人ずつ殺されていく…。ホラー・サスペンス。 ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。
  • 女戦士・フレア伝(1) 邪神殿の少女
    4.0
    1~4巻495円 (税込)
    美貌の女剣士が血みどろの戦いを繰り広げるヒロイックファンタジー!  腰まで伸びた黒髪と黒い瞳、男並みの身長と妖艶な肢体を持ち合わせた蛮族の少女・フレア。失われた祖国を求めて流浪の旅を続けるフレアは今、捕らわれの身となっていた。路銀を稼ぐため立ち寄った悪徳の町ソドムでトラブルに巻き込まれ、追跡行の末捕獲されてしまったのだ。  ソドムの長は邪悪な魔法を使う大僧正タクハエト。フレアは頼みの魔剣イスカンダルのみならず着衣すら奪われ、処刑の危機に晒される。だが、おぞましい凌辱に耐え、ついに脱出に成功したフレアは、ソドムとの決戦に立ち上がった…。  魔剣を手に異国を彷徨う女戦士・フレアの活躍を描く一大冒険譚、第1弾! ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 魔族創世紀
    -
    1巻495円 (税込)
    母の胎内から肉を食い破って現れた見るも恐ろしい鬼子  夢の中で物ノ怪にレイプされつづけた女の胎内に生命が宿った。それは次第に意志をもちはじめ、胎内から女をコントロールしてゆく。女は新鮮な生肉を欲しがり、さらに自らの手脚をも食べ尽くした…。 「お食べ、たんとお食べ。大きくなるんだよ」  わが子が腹腔の肉を食らう振動、肉の千切れるブツブツという響きが彼女の胴を揺する。それは、ついに女の下腹を食い破り、この世に現れ出た! 生贄(いけにえ)を食う悪魔の落胤(らくいん)、デーモンの子の誕生である。  長篇ホラーバイオレンス。「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • シンデレラエクスプレス殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    新幹線の座席に置かれたバラバラ死体の手首は何を意味するのか?  日曜日の東京発最終新大阪行きの『ひかり』。この新幹線は、週末を東京の恋人とともに過ごし、この便で帰るとぎりぎり夜十二時の鐘が鳴る前に関西に戻れることから、「シンデレラエクスプレス」と呼ばれていた。  この列車から切断された女性の左手首が発見された。発見者のコンパニオン・喜多村亜紀と櫛田範子は否応なく殺人事件に巻き込まれてしまう。そして亜紀のもとに届いた謎の手紙の意味とは何なのか。  やがて事件は意外な結末をむかえることに……。本格推理ミステリ長篇。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 「北斗星」0文字の殺人
    -
    1巻495円 (税込)
    血文字の暗号? 残されたダイイングメッセージの謎を解け!  ベンチャー企業の女社長・美川葉子の元に一本の電話が入った。ソフトウエア会社を経営している婚約者の丸山利貴が、寝台特急『北斗星一号』の個室で何者かに殺害されたという。  腹部を刺され息絶えた丸山は、自らの血を使ってダイイングメッセージを残していた。しかし、その血文字は「犯人は、」と書かれたまま途絶えていて……。本格推理ミステリ長篇。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 倉敷・白壁小路殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    謎の飛び降り自殺を遂げた美人OL、そして迷宮のような人間関係… 「その親は、捜査に難癖をつけ、事故死として倍額の保険金をもらおうと企んでいるんじゃないのかね?」  保険調査員・篠塚洋司は、倉敷中央警察署の警部補の言葉に強い反発を覚えた。一人娘を失った遺族の悲しみを、あまりにも理解しない無神経さに、激しい怒りが胸に湧き上がってきた。  東京在住のOL・木内亜希子が、深夜の倉敷のマンションから謎の飛び降り自殺を遂げた。この事件に不審を抱いて調査を開始した篠塚だったが、次第に迷宮のように不可解な人間関係に巻き込まれていく。  彼女の死は、本当に自殺なのか、それとも…。詩情豊かな白壁の街・倉敷を舞台に描く傑作旅情ミステリ。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 平泉・義経伝説殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    義経と静御前の伝説が招いた密室殺人の謎とアリバイ崩し  東京渋谷のマンションで、妊娠6ヵ月の若い女性が殺された。岩手県観光振興会東京事務所に勤めていた彼女が交際していた相手は、岩手県平泉に住む男だった。警視庁の瀬戸際警部が捜査を開始すると、被害者の女性は義経を名乗る人物から脅迫を受けており、殺される直前に不可解な行動をしていたことがわかった。  そして、義経の側室だった静御前に関する資料が発見され、平泉町で史跡の世界遺産登録を推進する動きが高まるなか、第二の殺人が…。みちのくの古都・平泉を舞台にした傑作旅情ミステリ。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 元人気アイドル・紅林真紀の事件簿(1) 函館・追憶の殺人海峡
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    1~3巻495円 (税込)
    青函連絡船に秘められた想い出が、連続殺人を呼ぶ!  1億2000万円を持って失踪した夫のことで相談にのってほしい、と友人の塚田夢子に頼まれ、函館にやってきた元アイドルスター紅林真紀。その彼女が、函館港に浮かんだ絞殺死体の第一発見者になってしまう。被害者は失踪中の塚田の知り合いで、額に奇妙な数字が記されていた。さらに数日後、東京湾の運河から塚田の水死体が見つかり、額に同じような数字があった。東京と函館をつなぐ連続殺人に隠された真相を、真紀が追う。だが、第三の殺人事件が起こったあと、犯人らしき男は密室の中で自殺してしまった…。  芸能界を引退した元人気アイドルが活躍する旅情ミステリー、第1弾! ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 死者の暗号殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    手紙に遺された「暗号」が示す、殺意の証明と意外な真犯人 「ふじをでるふじにふじさんをくわえる。  この言葉の謎が解けたら、それに新湯富士と小佐渡富土を乗せて。  そうすれば、ある一つの場所が分かるはず」  事務所開きしたばかりの探偵社に、差出人のない郵便が届く。自殺とされている美山紀美江の死に不審を抱く調査依頼だった。それには、謎めいた手紙が同封されており、中に書かれた暗号を解読すれば、すべての謎が解けるという。  差し出し人はいったい誰なのか、そして紀美江の手紙にある大金のありかを示す暗号の意味は? 興味をそそられた所長の亀浜欧次は調査に乗り出すが、その先々で関係者が殺されてしまう。そして、ついに暗号が解かれ、事件は一挙に解決したかに見えたが…。本格推理ミステリ長篇。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 鉄道捜査官(1) 殺意のスーパーあずさ2号
    -
    1~3巻495円 (税込)
    通勤ラッシュで混雑する新宿駅のトイレで、血まみれの刺殺死体が発見された!  朝の通勤ラッシュで混雑する新宿駅。そのトイレで、血まみれの刺殺死体が発見された。被害者は長野県諏訪市から出張してきた中年のビジネスマンで、『スーパーあずさ2号』で着いた数分後に殺されたらしい。新宿東署に設置された捜査本部には一課の腕きき刑事たちが顔を揃えたが、鉄道警察隊から派遣された特別捜査係の新米刑事・川久保にとっては、生まれて初めての殺人事件の捜査であった…。  錯綜する謎と凶悪犯人を追う若き捜査官の活躍を描いた長篇ミステリ、「鉄道捜査官」シリーズ第1弾! ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • ヨコハマB級ラビリンス
    -
    1巻495円 (税込)
    一人語りが紡ぎだす、裏に秘められた人間ドラマ 「みなとみらい」の高層ビルを彼方に望む、横浜の下町“余毛”。開港以来、庶民の町、昔ながらの商店街が、喧嘩や仲直りをくり返しながら頑張っている。  そんな余毛を舞台にくり広げられる、色とりどりの人間模様。バーのマスターが、焼鳥屋の主人が、あるいはゲイのシャンソン歌手が物語る、アッと驚くドラマの数々。平和なようで波乱万丈、B級な人々にこそ宿る人生の真実…。笑いとペーソスに満ちた9つの物語。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 花園の迷宮
    -
    1巻495円 (税込)
    第32回江戸川乱歩賞受賞作品  横浜の遊郭に2人の少女が売られて来た。飢えと不景気の昭和初期、歓楽の町に投げこまれた2人を、死と、恐るべき秘密が待っていた。  娼家を次々と襲う殺人事件、人間の欲望の凄まじさ、少女のけなげさが、巧みな展開と伏線、意表をつく結末で余すところなく描かれる、江戸川乱歩賞受賞の傑作推理長編。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 魔界ハンター(1) 魔王降臨
    -
    1~3巻495円 (税込)
    東京霞ヶ関の中央官庁が魔の教団に支配されて…!?  一見さえない超能力(サイキック)青年・村雨正人。どこかおっちょこちょいの週刊誌記者・額田希美子。ひょんなことからコンビを組んだ二人の企画は“東京怪奇スポット探訪”!?  しかしいかにも週刊誌的なその記事は、極東支配を狙う〈地獄の炎(ヘル・ファイア)〉教団の陰謀を突き止めてしまったのだ。  エロスと伝奇アクションが融合した好評シリーズ第1弾。「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 吸血山脈
    -
    1巻495円 (税込)
    ナチ・オカルト班がトランシルヴァニアに見たものは!?  ルーマニア・トランシルヴァニア地方の小さな村、ゲスプレングベルク。村に入った日本の学術調査隊は、森の奥で、錆びついた二輛の戦車を発見した。ナチ・ドイツ軍のものと思しきその戦車は、いかなる理由でそんな森の奥に残されたのか。  しかし、奇妙な発見と時を同じくして、村では、全身の血を抜かれた娘の死体が発見されていた。戦車との関係は、そして村人が恐れる“吸血鬼伝説”とは…?  ナチと吸血鬼が全面対決するオカルト伝奇アクション。「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 土竜の聖杯(1) 聖獣都市
    -
    1~3巻495円 (税込)
    人肉が花火のように弾ける! 淫夢と悪夢の万華鏡!  新宿のKプラザにオカルト教団が出現。それとともに東京はポルターガイスト、電車事故、さらに駅、地下街、家庭において全身が突如ザバッと爆砕する超カマイタチが続発する街と化していった。教団のもつ教義、そして“土竜(ドラゴン)の心臓”とは何か? Kプラザには今日も狂信者となった女性が消えて行く…。  教団を探る中央調査隊のパワー溢れる男・陣内。さらに内調の切れ者・氷室。彼らの前に出現する阿鼻叫喚の地獄絵図。“土竜の心臓”のエネルギーが極限に達する日が近づく!  世紀のスーパー猟奇アクション第1弾! 「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 凌辱の魔界
    4.5
    1巻495円 (税込)
    精密なスプラッター描写で地獄を描ききったホラー小説の金字塔  戦闘機械・鬼道の仕事は、新宿区のT町研究所に生身の人間を斡旋することだった。そこでは遺伝子工学の名の下、狂気の人体実験が行われていた。  グロテスクに口を開ける肉塊から流れ出る血と体液、蠕動する腸や胃袋、飛び散る肉片の放つ生臭い光……異常を極めた設定で地獄を描ききり、空前絶後の残虐性に抒情すら漂うホラー文学の一大傑作が、「電子版あとがき」を新たに追加収録して待望の復刊! ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • やっとこ探偵
    -
    1巻495円 (税込)
    インチキ探偵、生命保険調査員、ズッコケ塾教師…笑いと涙の6作品  小説現代新人賞を受賞後、さまざまな作品を書いてきたが、どの作品のときも根に「やっとこ探偵」の持つ味を置いて書いたつもりである。伝奇ロマンという、まったく異なるジャンルに入っても、ぼくの本質は「やっとこ探偵」であり、その心がどこかに潜んでいる。  先ごろ、直木賞に選ばれた「黄色い牙」にもそれは言えて、やはり「やっとこ探偵」の心がにじんでいる。  ジャンルは異なっても、どの作品も輪廻の輪のなかにあり、たまたま、最初に触れた輪の部分が「やっとこ探偵」であったということかもしれない。  表題作をはじめ、拙い作品ばかりだが、利き酒のつもりで読んでいただけたら、と思っている。(著者「あとがき」より)  インチキ探偵、生命保険調査員、ズッコケ塾教師などなど、志茂田景樹の原風景を描く笑いと涙の6作品を収録。直木賞作家のデビュー作ともいえる短篇集が、ついに復刊! ・やっとこ探偵 ・優しき鬼たち ・雑魚たちの塾 ・哀しきトリオ ・河鹿鳴く夜は ・毒消し保険調査員 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 妖愁
    -
    1巻495円 (税込)
    鬼才が技芸を凝らした最上級怪奇小説集  船の前方の空は緋色に染まりつつあった。  その彼方から何かが飛んで来る。  半透明の膜に包まれた白っぽい形……焼き捨てたあの船の積み荷と瓜ふたつの、人間そっくりで人間ではないもの。なり切っていないものが、その数……無数。……天を圧して飛翔して来るのだ。  私たちには二度と戻れぬ私たちがやって来た方角へと飛んでいく姿は、この上なくグロテスクなのに生の歓びに満ちていた。天のどこからか、それらを讃える世にも美しい合唱さえ聴こえてくるような気がした。(「帰還」より) 「HORROR」とは恐怖小説ではない、「怪奇小説」のことだ。正統にして異端の鬼才が技芸を凝らした短編10本を、本人の解説と共に収録。 ・帰還 ・保が還ってきた ・不敗剣 ・女の館 ・雪女のできるまで ・切腹 ・渡し舟 ・祭りにはつきものの… ・ある武士の死 ・夢魔製造業者 ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。
  • 内視鏡検査室
    -
    1巻495円 (税込)
    突然の心肺停止、遺産相続、次々と失踪する関係者…  薬によるアナフィラキシーショック(急性アレルギー反応)と思われる患者の死亡例。それは本当に薬の複合投与が原因なのか?  死亡したのは全国に料亭チェーンを持つオーナー。遺族は多額の遺産相続に狂奔する。そして連続する不可解な失踪事件。内視鏡検査室という密室と、絡み合う人間の欲望に、副作用解析医・古閑志保梨がふたたび挑む。  美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第4弾が登場!  現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • いかさま
    4.5
    1巻495円 (税込)
    ダニどもに手加減無用、浪速の快男児が大暴れ!  行方不明になったガールフレンドの手掛りは、アダルトサイトにあった。開いたページに現われた正視に耐えないモザイク画面。少女を拉致監禁したうえ暴行し売春させるという悪辣なチンピラ集団の餌食になっていたのだ。  大阪鶴橋によろず相談所をかまえる命知らずのマッチョ野郎・藤堂廉治が、凶悪犯に非情の制裁を加える!  痛快クライム・アクション小説の傑作が電子で復刊。 ●矢月秀作(やづき・しゅうさく) 1964年兵庫県生まれ。種々の職業に従事する傍ら、一般書を執筆。文芸誌編集を機に、小説へ転向。ハードアクションを中心に、官能、サスペンス等の作品も発表し、劇画原作、ゲームノベライズ、アニメ脚本等、多岐に亘る創作分野で活躍。『もぐら』シリーズ、『リターン』『獄の極』(中央公論新社)、『闇狩人』(学研)、『狂犬』(廣済堂)、『D1 警視庁暗殺部』(祥伝社)など著書多数。
  • 紅い鷹
    -
    1巻495円 (税込)
    強靱な肉体に封印された殺し屋の血が今解き放たれる!  僕が奴らを殺したって!? 工藤雅彦は新聞を見て、我が目を疑った。新宿歌舞伎町で高校生の二人組に襲われ、必死に抵抗したことまでは覚えている。しかし、まさかこの僕が…。  工藤は、自分を匿ってくれた謎の男・小暮俊助の奇妙な申し出を受け入れ、横浜の研修施設に送り込まれた。そこで繰り広げられる過酷なトレーニングの目的とは? ……工藤の肉体に封印された殺し屋の遺伝子が目覚める!  痛快クライム・アクション小説の傑作が電子で復刊。 ●矢月秀作(やづき・しゅうさく) 1964年兵庫県生まれ。種々の職業に従事する傍ら、一般書を執筆。文芸誌編集を機に、小説へ転向。ハードアクションを中心に、官能、サスペンス等の作品も発表し、劇画原作、ゲームノベライズ、アニメ脚本等、多岐に亘る創作分野で活躍。『もぐら』シリーズ、『リターン』『獄の極』(中央公論新社)、『闇狩人』(学研)、『狂犬』(廣済堂)、『D1 警視庁暗殺部』(祥伝社)など著書多数。
  • 記憶 メモリーズ
    -
    1巻495円 (税込)
    その老人の脳には、記憶を抹殺する特殊な手術痕があった!  医師・高尾仁志が当直の夜、急患が運ばれてきた。それが、鉄筋で串刺しになった老人・浮島との出会いだった。「記憶」を研究する高尾は、CGを使いバーチャルな過去を再現する画期的な方法に着手していた。そのおかげでアルツハイマー病の浮島の記憶は蘇り、なんと感情までも表現できるようになる。しかし、彼の脳内には特殊な手術痕が! 浮島の娘と名乗る麗衣の出現で、高尾は、封印されていた過去の事件へと巻き込まれていく……。  十年前の誘拐事件に端を発した巨悪に青年医師が敢然と挑む、衝撃の医学サスペンス。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • エア・ホスピタル
    -
    1巻495円 (税込)
    “病院版ダイ・ハード”!? テロリストに占拠された病院で独り闘う医師!  外科医・鷹木真二郎は、羽田空港で事故に遭い、通称AHと呼ばれる病院に運び込まれた。AHは、最新の設備を擁していたが、金持ち相手の道楽病院と揶揄(やゆ)されていた。鷹木が入院した直後、病院はテロリストに占拠されてしまった。修羅場と化す病院で、鷹木は医療機器を武器に強敵を倒すため、ひとり挑む。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • 神の島 医療査察官ドクター貴崎
    -
    1巻495円 (税込)
    患者たちが治療を拒否し喜々として死んでいく、謎の老人介護病院  複雑化した病院経営の実態を調査するために作られたKIS(国立医療査察機関)。その一員である貴崎邦良が調査のために潜入したのは、離島にある有料老人ホームと病院とが併設された小湊病院だった。この病院に入院する患者たちは、喜々として治療を拒否して死んでいくという異常な状態が続いていた。そこに存在していたのは、病院長の狂気の妄想だった…? 貴崎と悪魔の医師との対決の幕があがる。  老人医療のあり方に疑問を投げかける、社会派医療ミステリー! ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • 細菌No.731
    3.0
    1巻495円 (税込)
    秘匿された731部隊の遺産は、世界を死滅させる細菌兵器なのか  東京のど真ん中にある新宿青空公園。ここでホームレスが連続して死亡した。自然死として処理された遺体から、孤高の医師・古都波(ことなみ)は血中リンパ球の異常を見つける。同じ頃、遠くアメリカでは数十年間変異を続ける未知の細菌が研究されていた。  隠蔽された戦争の闇、悪魔の人体実験……。ホームレスの死はパンデミック(爆発的感染)への引き金となるのか?  黒い欲望の恐怖を描く、驚愕の医療ミステリー! 文庫版から全面改稿して電子でついに復刊。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 黒い本
    -
    1~2巻495円 (税込)
    読み進めるごとに、恐怖が増していく 「ご自由にお持ちください。ただしいかなることがあろうとも、返本は不可。何が起ころうとも当店は一切責任を持ちません」  怪奇作家・井之妖彦はある日、ぶらりと入った古書店のカウンターで一冊の本と出合う。黒い革張りの表紙、タイトルも何も記されていないその本には、店主による奇妙な但し書きだけが付いていた。いわくありげな文句につられた井之は早速その本を持ち帰り、最初の一話を読みはじめるのだが……。  フランス綴じになったページを切り裂けば、そこは奇々怪々な世界。現実と虚構が交錯する不気味な短編の最後には、「それ以上読むな」という万年筆の書き込みが…。  果たして「黒い本」の正体は何なのか? 黒い本の魔力にとりつかれた井之の運命は? ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年、『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズ作品にてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アークザラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『怪奇無尽講』(双葉社)や『ハンマーヘッド』(ティー・オーエンタテインメント)など個性的なホラー作品ではマニアックな評価が高い。その他には『「超」怖い物語』シリーズ(竹書房)、『影姫』シリーズ(角川書店)などがある。
  • 惑わしの森
    -
    1巻495円 (税込)
    自殺の名所・樹海の奥深くに隠された禁断の地 「これまで人が行かなかった奥地に、新たな樹海が発見されたんだよ。まあ、奥樹海とでも言っておこうか」  と言われたとき、売れない作家・佐久間正次は、さらなる不安を抱いた。怪奇雑誌の編集長・安東が依頼する取材先が、まさか、あの場所とは。だが、好条件であるのと“ある事情”からくる後ろめたさから仕事を受けた正次は、カメラマンの小沢と共に、樹海の中に分け入った。  遭難の名所、自殺の名所として名を馳せているA樹海…。そこで出会った聞こえるはずのない声、見えるはずのないもの。それは失踪したはずの…? 現実を歪ませ、真実を顕わす“異界”とは。 ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年、『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズ作品にてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アークザラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『怪奇無尽講』(双葉社)や『ハンマーヘッド』(ティー・オーエンタテインメント)など個性的なホラー作品ではマニアックな評価が高い。その他には『「超」怖い物語』シリーズ(竹書房)、『影姫』シリーズ(角川書店)などがある。
  • アルコォルノヰズ
    -
    1巻495円 (税込)
    すべての酒好きに贈る、緊迫の酩酊ホラーサスペンス  爛れた神経を癒す唯一の方法が、私にとっての飲酒だ。私だけに見える“ヤツ”の存在から逃れるため、私は痛飲せざるえない。ヤツは、殺人を、その罪を、すべて私に押しつけてきたのだ。  或る日、ヤツの暴力に怯え、酩酊を繰り返す私の前に、彼女が現れた。青葉と名乗った女は、私が怯えるものの姿が見えるという。唯一の理解者を得て、私の世界は変貌を遂げた。やがて、視界に入るものすべてが、とめどなく溶けだしていく…。 ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年、『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズ作品にてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アークザラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『怪奇無尽講』(双葉社)や『ハンマーヘッド』(ティー・オーエンタテインメント)など個性的なホラー作品ではマニアックな評価が高い。その他には『「超」怖い物語』シリーズ(竹書房)、『影姫』シリーズ(角川書店)などがある。
  • バッド・チューニング
    -
    1巻495円 (税込)
    垂れ流すアルコールとアンモニアの妄想の果てに  自称・Bワン探偵の私が事務所兼自宅マンションで目にしたのは、新宿のピンクサロンで知り合った加奈子の死体だった。頚から下の皮を剥かれた遺体を部屋へ運び込んだのは誰か? 私の直感は、私をマンションの管理人へと導く。だが、遺体の処理は問題だった。私は、物言わぬ彼女の熱い想いに応えてやることにした。  剥きたての桃にまぶされる自称・Bワン探偵の精液。私は彼女をユニットバスで洗い清めてあげることにした。立ちこめる蒸気の中、茹だった彼女の肉。そして、私の手には、包丁の白銀の輝き。それは地獄の始まりだった……。  飛散する血液、ぶちまけられる精液、滴る愛液、におい立つ吐瀉物と大小便。  エログロの極みを描き切った最下流文学の傑作が、ついに電子で復刊! ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年、『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズ作品にてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アークザラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『怪奇無尽講』(双葉社)や『ハンマーヘッド』(ティー・オーエンタテインメント)など個性的なホラー作品ではマニアックな評価が高い。その他には『「超」怖い物語』シリーズ(竹書房)、『影姫』シリーズ(角川書店)などがある。
  • マリオネットの譚詩
    -
    1巻495円 (税込)
    獣人に追われる少女の前に、謎の転校生が登場して…  東京都立流(ながれ)高校。その学区では、猛獣のしわざとしか思えない悲惨な殺人事件が続発していた。  夜の校舎。画壇期待の逸材と讃えられる2年生、故里やよいは、顔のない肖像画を前に、ひとり、制作を続けていた。やがて迫りくる黒い影。だがそれは、謎の転校生との出会いの夜でもあった。  血に飢えた獣たちを操るのは誰か? ついに、最終戦争が始まった…!!  クトゥルー神話の世界観がふんだんに作中に盛り込まれたバイオレンス・アクションの傑作。 ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。
  • 医学論文捏造殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    大学病院という迷路で、医師は倫理を捨ててしまったのか  東京近郊のホテルで女性の変死体が発見されたが、身元に関する手がかりは何一つ出てこない。同じ頃、都内のホテルで開催された日本代謝病遺伝子学会では、国立O大学大学院に所属する二十八歳の医師が注目を集めていた。世界最高峰の科学誌に若くして論文が掲載されたのだ。ところが、その論文に捏造疑惑が持ち上がる……。  医療ミス、論文捏造、殺人、これらの要素はどうつながっていくのか。殺害現場に遺された謎のメッセージ“Oldosn”とは、被害者のダイイング・メッセージなのか。現役医師だから書ける、衝撃の医療ミステリー!  ※本書はだいわ文庫から刊行された『脳内出血』を大幅に加筆修正、タイトル変更したものです。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • やさしい旋律
    -
    1巻495円 (税込)
    私の運命の人ってどこにいるの? 今まで出逢った人? それとも…?  友人に裏切られ失恋した過去の体験から、恋に臆病になった25歳のOL・茉莉亞(まりあ)。ある雪の降る夜、彼女は捨てられた古いピアノとその鍵を拾う。長い間顧みられず音の狂ってしまったピアノの音色を取り戻そうとするうちに、茉莉亞は固く閉ざされた自分の心と向き合い、次第に気持ちがほどけていくのを感じるのだった。  運命の人を捜す旅を描く感動純愛小説。  なお、2008年には同タイトルで映画化(監督:KAZUTAKA、出演:柳沢なな、松田悟志)されています。 ●井上香織(いのうえ・かおり) 東京都生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。学生時代には、シンガーソングライターとして、『めざめの刻に』などを発表。またラジオのパーソナリティー、他のアーティストへの作詞の提供も手がける。大学卒業後は、私立高校教師を経て著作活動を続ける。著書に『さよならの向こう側』(KKベストセラーズ)、『蜃気楼の彼方に』(幻冬舎)、『やさしい旋律』(スターツ出版)、『放課後』(講談社)、『25歳の辞表』(徳間書店)などがある。
  • 魔族狩り
    -
    1巻495円 (税込)
    凌辱鬼と化した男の怪異! 舞台は魔窟として名高い九龍城砦から東京へ  香港の阿片窟で魔物に取り憑かれた男が日本に戻ってきた。その晩、男は妹を犯し、射出の快楽がムズムズと高まってゆく瞬間、妖怪じみた声を聞く。直後「ぐふ、ぐふふ、ぐふふう」という声を発し、射精と同時に男は意識を消失した。魔物が顕現したのだ。  男の異常な行動を偶然目撃した魔術研究家は、女霊媒師とともに男を追い求める。生命エネルギーが最も集中する超高層ビルの地下で、魔物と霊媒師との凄絶な闘いが始まった…!  スプラッター・ホラーの第一人者が放つ、快心の長篇スプラッタ・バイオレンス! 「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 暗黒細胞
    -
    1巻495円 (税込)
    悪魔と超人の熾烈な戦いが「肉汁の海」と化した東京で繰り広げられる!  人類を滅ぼそうと魔手を伸ばす“魔族”、人々を守るために応戦する結社“地の塩”。その戦いは、歴史の随所において繰り拡げられてきた。  そして、近未来の東京。“魔族”は総力をあげて、再び人類への牙を剥いた。戦士としての超人を作るべく実験をしていた“地の塩”は焦る。新島博士は、自らが被験体となり、超人として甦ったが…。  スプラッター・ホラーの第一人者が放つ、スーパー伝奇バイオレンス! 「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 淫獣軍団(1) 凌辱都市
    3.0
    1~3巻495円 (税込)
    はてしなく繰り広げられる凌辱と殺戮の戦慄! “地獄の堕天使(ハルマゲドン)”と名のる五人組が、東京・渋谷で最大規模を誇るデパートを襲撃。中にいた四百人の客を人質として篭城し、政府に渋谷区全域の解放を要求した。  犯人達の真意を掴めぬ捜査本部を嘲笑うかのように、犯人達は見せしめとして、人質の首を吊り八階の窓からぶら下げた。そして中に残った女だけの人質に繰り広げられる、異常な凌辱と血飛沫の殺戮!  超近代都市に現れた狂える彼らの真の目的とは、いったい何なのか!?  血と精液がほとばしるバイオレンス・アクション第1弾! 「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 幽霊屋敷
    -
    1巻495円 (税込)
    不気味な洋館に怪しげな家族が越してきてから、行方不明者が多発して…  現代においてなお、河童の目撃例が後をたたない熊本・国見村。東京から越してきた正樹は、初めて暮らす大自然を探索中、村外れに巨大な洋館を発見した。不気味な佇まいに興味を覚えた正樹は、村人に由来を尋ねるが、何故か皆口ごもる。一体この屋敷には何が隠されているのか。  そこへ、ある一家が入居してきた。その直後から村では不思議な出来事が…。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • ナイトブリード
    -
    1巻495円 (税込)
    魔物、妖怪、物の怪が人間を襲い、肉体を破壊しつくす!  今から五年前、日本全土を襲った大地震。誰もが“感じた”地震だったが、不思議なことに何も被害はなかった。幻覚地震と呼ばれるその地震の後、今まで目に見えなかったものが、日本各地に出現するようになる。魔物、妖怪、物の怪などが現実の世界に現れたのだ。あるものは、徒党を組んで人を襲い、あるものは、人に憑依して人肉を喰らう。  妖怪と人間の怪異な世界を描く、長篇スプラッター・ホラー。「電子版あとがき」を追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • ドクター勾坂の事件カルテ(1)ロックド・イン症候群
    -
    1~4巻495円 (税込)
    事件の鍵を握る男の意識はからだの中に閉じこめられていた  インターネット医療相談『電脳メディカル・クリニック』に電子メールで飛び込んできた、奇妙な依頼。ドクター探偵・勾坂俊介が真実に迫るうちに、患者の身体を実験台にした医療犯罪が隠されていることに気づく。しかし、卑劣な病院の事実を暴けるのは、「ロックド・イン症候群」の患者だけだった…。はたして植物人間の患者には証言することができるのか?  最新医療を駆使するドクター探偵・勾坂の活躍を描いた、傑作ミステリー第1弾。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • 死の最終診断
    5.0
    1巻495円 (税込)
    病理検査室のプレパラートが人の命を奪う 「あなたの右乳房は癌ではありません。手術を受ける必要などありませんでした」  乳癌の診断で根治術を受けた宮嶋小夜子の元に、一通の匿名の手紙が届いた。  ……右は乳癌ではない……恐ろしい内容……良性腫瘍の線維腺腫を癌と誤診した……別の人の組織と間違えた? 私は必要もないのに、右乳房を取られたのか……。  小夜子に依頼された女医・倉石祥子がこの手紙に書かれた内容を調査することになるが、次々と不可解な謎が浮かびあがる。そして、差出人不明の告発文書『病院病理誤診断実録』が届き始めて……。  テレビドラマ化もされた「女医・倉石祥子」シリーズ、第6弾が電子オリジナル作品として登場! ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 異端の傀儡
    -
    歴史に埋もれたはずの悪魔的な軍事技術が現代に甦る!  敗色濃い日本を後に、一隻の潜水艦が盟邦ナチ・ドイツに向けて旅立った。  乗員は、陸軍特一養成部によって招集された四十余名の天才少年集団。が、第二次世界大戦は日・独の敗北に終わり、三十五年の歳月が経過した。  国連職員・加治繁は職を辞して日本に帰国し、流行作家鷲井の妻・久子と再会、ベッドを共にしたが、その時、失踪した夫の久之の行方を探すことを依頼された。これが米ソ二大国を震憾させる事件の発端となってしまう…。  旧日本軍の命令により特命を受けた少年兵たちのその後、そして恐るべき陰謀・Z計画とは? 長編伝奇推理小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 幻視
    -
    1巻495円 (税込)
    脳を破裂させる殺人ウイルスが発生? 異色のバイオホラー!  各地で突然の失血死が連続して発生する。死亡した人間には死因となる疾患も認められず、また死者たちを結ぶ接点もない。  関東医科学研究所に勤務する医師・若勢将洋は、死者たちを調べ始める。脳神経細胞の異常な繁殖に気づくが、脳細胞そのものは破壊されておらず、細菌も検出されない。見えない原因、とどまることのない死。しかし、やがて若勢のもとをおとずれた二人の人物から、真実は明らかになる。  意志を持ち、感染する恐怖の殺人ウイルス。それは、人間自らが作り出してしまった最悪の敵だった…。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • さまよえる患者
    -
    1巻495円 (税込)
    転院を迫られた患者と家族、医者が直面する「医療の現実」  病院とは無縁だった高齢の父親が、突然倒れた。救急車でD大学病院の救命センターに運ばれ、命だけは助かったが意識は戻らずじまいだった。  命の危機が去った患者は、次々と運びこまれる重症患者のため救命センターを出て、一般病棟に移らねばならない。だがその時期はどの病棟も満床で、父親はD大学病院のなかで行き場を失ってしまった…。(「高度医療の陰に」より)  限りのある病院のベッド。もっといたくても、置いてはくれない。大学病院の中で行き場を失った患者たちはどうなってしまうのか。  病院を舞台に、患者・家族・看護師・医者のそれぞれの本音がぶつかりあう。そこには、日本の医療問題が透けて見えてくる。  現役医師によるシミュレーション・ストーリー4話を収録。 第1話 高度医療の陰に 第2話 さまよえる老人 第3話 変わらぬ日々 第4話 やすらかな死 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • 月光の大死角
    -
    大観音像で起きた密室殺人事件の謎を追う!  高原に建てられた23メートル余の大観音。その開眼供養式前夜、観音像内で殺人が起きた。  殺されたのは、建立者の岩本大作。大作は秘書の香田やよいとともに内部に入り、彼女の目の前で刺殺されたのだ。  だが、奇怪なのはそれからだった。逃げのびたやよいの証言で警察は現場へ向かったが、死体はどこにもなく、血痕もない。しかも大観音入口には鍵がかかり、封印されたままだった……。大観音は、完璧な密室だったのだ!  密室殺人、死体消失の大トリックを展開する本格推理の力作。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 異端の血族
    -
    日本とスリランカに残る、共通した宗教儀式とその暗号とは?  天照(あまてらす)神話の原型をもとめてインドに渡った中藤麻理子が、謎の手紙を残し、何者かに暴行・惨殺された。唯一の手掛かりは手紙に記された“燃える火”と“古代忍冬唐草文様の秘密”であった。  事件の真相を必死に追う加持伴彦の前に、忽然と現れる拝火教集団、そしてCIA、KGBの不気味な影……。死の瞬間、彼女は何を見、何を知ったのか?  欲望渦巻く国際政治の謀略に、引きずりこまれた拝火教徒の悲劇を描く、長編伝奇推理小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 異端の黒譜
    -
    日本を浸食する奇怪な宗教団体とは? 「たのむ。どんな事態が起ころうと警察には絶対しゃべるな!」  加奈絵理也(かなえりや)は、謎の言葉を遺して何者かに拉致された。  加奈の行方を必死に追う海部保(かいべたもつ)は、次々と起きる殺人事件に巻き込まれる。事件の背後に浮かび上がる謎のユダヤ人グループと秘密結社“飼魚留(しおる)”の暗闘は、激しさを増す。  日本の政財界に暗躍する“飼魚留(しおる)”とは何か?  そして、真相に迫った海部の目前に、事件の鍵を握る美貌のピアニスト・柴崎瑶子(しばさきようこ)が現れた…。  ユダヤ民族の悲劇と栄光。日本各地に点在する新興宗教。そして、悲しい運命に翻弄される男女の恋を描いた、長編伝奇推理小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 死愁記
    5.0
    1巻495円 (税込)
    世界の薄皮を一枚剥げば、異形のものどもが蠢いている 「風邪ひくぞ。連れてってやるよ、家はどこ?」  私はいらついて少年の肩をゆすった。こっちも遭難しそうなのだ。  やっと小さな……紫色の唇が開いた。 「道に迷っちゃった……木下くん家へ行く途中だったの」 「君の家はどこ? 名前は?」  答える代わりに、少年はふり向いた。それまでの反応の鈍さからは想像もできない迅速な身のこなしだった。 「来る!」  短い叫びが私の耳に灼きついた。小さな身体は私のかたわらをすり抜け、通りの反対側へと水を跳ねとばしつつ走り去った。雨のせいでよく見えなかったが、横町でもあるらしい。  追いかけながら、異常だ、と思った。巻き込まれるのは真っ平だ。  私のやってきたのとは反対側の奥から、足音と人影が近づいてきた。(「雨の町」より)  現実の向こうに息づく怪異幻想の誘惑。怪奇SFホラーの第一人者が1年半にわたり「異形コレクションシリーズ」に書き下ろした10篇を、本人の解説と共に収録。 ・貢ぎもの ・雨の町 ・姉が教えてくれた ・断頭台? ・水の記憶 ・ちょっと奇妙な ・去り行く君に ・欠損 ・指ごこち ・踏み切り近くの無人駅に下りる子供たちと、老人 ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。
  • 黄昏人の王国
    -
    1巻495円 (税込)
    ノスタルジックに幻想的に、吸血鬼をメインテーマに描く  さつきが悲鳴を上げた。  葦の間から、何か、霧みたいな白い煙が立ち昇るや、勿然と、ひとりの娘の姿が現れたのである。  美人だった。  月みたいな女だ、とおれはぼんやり考えた。  白いワンピースを着ているのに、それが目立たない。肌の色が透き通るようなのだ。  それよりも何よりも、おれをすくませたのは、その娘の全身から漂う、ぞっとするような雰囲気だった。(「青い旅路」より)  伝奇バイオレンスの第一人者が描く、ノスタルジックで幻想的な、吸血鬼をメインテーマとする青春ホラー短篇集。 ・帰還 ・夏のうた ・夕映えの女 ・薔薇戦争 ・青い旅路 ・白い国から ・大海 ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。
  • 幽幻街
    -
    1巻495円 (税込)
    日常生活の隙間からしのびよる怪しい影  引いている。何かが、僕の身体を……後ろへ引き倒そうとしているのだ。  それは、ダッフルの裾にくっついていた。  顔を右へねじ向けて、眼を開けた。  真っ白い女の顔が見えた。眼ばかりが洞みたいに黒く、唇がひどく紅い。口紅じゃあない、あれは血だ。  女の人は白い着物を着ていた。同じ色の手が袖口からのびて、ダッフルの裾を掴んでいる。(「オータム・ラン」より)  怪奇小説の名手がおくる幻想ホラー短篇集。 ・黒丸 ・サラ金から参りました ・化粧(メイク) ・オータム・ラン ・安住氏への手紙 ・漬物ならぬ ・曲がり角 ・求婚者たち ・風の十文字 ・娘の正体 ●菊地秀行(きくち・ひでゆき) 1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。1985年、『魔界行』三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。伝奇・幻想・バイオレンス小説の第一人者。著作は300冊を超える。
  • 悪業 小説・東京チャイニーズ
    -
    1巻495円 (税込)
    中国人犯罪が増加する「列島チャイナタウン化現象」をいかに捉えるか  日本で多発する凶悪犯罪。その背後に中国人犯罪組織が見えかくれする。  合法、違法含めて、30万人に達する在日中国人。よき隣人であるべき彼らに、何が起きているのか? 彼らは何を求めて日本にやって来て、なぜ凶悪犯罪を犯してしまうのか?  本書は、犯罪に走る在日中国人、その存在を浮き彫りにするノンフィクション・ノベルである。 ※この作品は事実に基づいていますが、登場する人物や団体などはフィクションであり、実在しません。 ●森田靖郎(もりた・やすろう) 作家。1945年、兵庫県出身。文革中に、中国・チベット地区を訪れ、辺境地に下放された都市青年との交流から中国への興味を抱く。その後、シルクロードやロングマーチ(長征)など中国各地への旅を繰り返す。改革開放、天安門事件、香港返還などを常に現場から発信し、中国をフレームにして日本への同時代メッセージを送り続けるルポで定評がある。ノンフィクションを底辺にさらに再構築した小説執筆にも精力的で、ノンフィクションでは表現出来ない中国の暗部を赤裸々に描き出している。主な著書に、『東京チャイニーズ』(講談社)、『見えない隣人 ~小説・中国人犯罪~』(小学館)、『スネーク・シャドウ』(朝日新聞社)、『上海セピアモダン』(朝日新聞社)、『中国「犯罪源流を往く」』(講談社)、『悪夢』(光文社)、『地経学で読む爆走中国』(原書房)、『引き裂かれた街 ~池袋チャイナタウン・プロジェクト~』(ナショナル出版)などがある。
  • 羊群は地獄に堕ちる
    -
    1巻495円 (税込)
    選挙の裏で蠢く、聖護道会による謀略の数々! 「こんどの総選挙は前進党のヤマになるものなんだよ。なにがなんでもいまの議席を倍増しなければならない。倍増すれば広宣流布は倍も早くなる、と河田先生はおっしゃられたではないか。だからこそ、この戦いに参加し身を粉にすれば、大福運がつくんだろう。ケチくさいことはいうなよ」 「それはわかってますが……」  毎晩、仕事が終わると激烈な信心活動が待っていて、考える、などという時間はない。衆議院が解散になったのは、つい先日のことでも、小倉が信者になっている聖護道会は、もう半年も前から選挙態勢に突入している。気がついてみたら、信心活動は選挙活動に変わっていた。むろん、聖護道会を母胎とする前進党を応援するためのものだ。投票日が十二月二十七日と公示されてからは、それはまさに狂奔としか形容のないほど過酷なものになっている…。  実在する宗教団体をモデルにした『折伏鬼』関連作品、ついに復刊!  票集めに奔走する末端会員たちと、彼らを意のままに操る上層部。政教分離の原則を無視するかのような選挙戦とその舞台裏を暴いた異色長編小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 法城壊滅の日
    -
    1巻495円 (税込)
    聖護道会幹部たちの間で起きた醜い権力争いとは?  最大勢力を誇る某宗教団体の記念すべき大祭の夜、何者かによって仕掛けられた時限爆弾で、死傷者百数十名の大惨事が勃発した。所轄の静岡県警F署に設置された特捜本部は、ただちに捜査を開始、真相究明に一大捜査陣をしいた。  凄絶な内部抗争、敵対する宗教団体との軋轢、やがてそれは政治の世界にも波及していって…。  実在する宗教団体をモデルにした『折伏鬼』関連作品、ついに復刊!  人間の醜い権力欲と、復讐心の渦巻く新興宗教団体内部の相克を鋭くえぐった異色長編小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 青ざめた彷徨
    -
    1巻495円 (税込)
    脱会したはずの宗教団体の影におびえる青年は… 「きみは、岩下さんが自殺したことをどう思う?」 「信心が弱かったからよ。御本尊様を信じきれなかったからよ。その一語につきるわ」 「そこなんだよ、おれときみが決定的にちがうところは。もうきみとおれとは住む世界がちがうんだ」  青年は、聖護道会に卑劣なやり方に嫌気がさしていた。強要と変わらぬ金の集め方をしたことを恥じ、悔いた。やがて脱会した青年は、逃げるように東京を離れる。職を転々としながら、多くの人と出会い成長していった彼は、作家としての道を選択するが…。  実在する宗教団体をモデルにした『折伏鬼』関連作品、ついに復刊!  あの衝撃的な問題作『折伏鬼』のアナザーストーリーともいえる、著者の青春時代を告白した異色長編小説。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 汚れた偶像
    -
    1巻495円 (税込)
    あらゆる手段を使って金あつめに狂奔する聖護道会員 「まだ二百名近くも足らんじゃないか」  大瀬副部長は唇の端をゆがめた。弱者をいたぶる嗜虐のたのしみさえ感じられるゆがめ方だった。 「はっ、あと一日、死んだ気でがんばるつもりです」 「つもり、だと」  大瀬副部長は柔道選手のようなごっつい手で自分のひざ頭をたたいた。あぐらをかいているのは彼だけで、私たち総ブロック長はみな正座である。 「聖護道会に、つもり、などというあやふやなことばはないっ!」 「はっ、かならず百パーセント参加をなしとげます」  二日間で全国約三千ヵ所の受付所に数百万人の人間が流れていき、数百億円の金を落としていく。人間の数といい、金額といい、人あつめ金あつめの規模、手段といい、まさに空前絶後の行事があすからはじまろうとしていた…。(「大寄進」より)  実在する宗教団体をモデルにした『折伏鬼』関連作品、ついに復刊!  謀略が謀略をうむ伏魔殿を舞台に描いた三篇、「大寄進」「偶像の護衛者」「俗物教祖」を収録。そのほか、単行本『俗物教祖』のみに収録された「あとがき」を再録。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 奇想病院
    -
    1巻495円 (税込)
    未来の医療を予言(?)した医療系ショートショート  南百合ヶ丘クリニックの鷲峰先生の診察室には、問題を抱えた患者が次々と訪れてくる。高齢化社会の中で、あくまで元気な老人たち。不健康になりたがる女子高生たち。遺伝子に合わせたテーラーメイド治療薬。街頭でもできる寿命予測などなど…。  医学が進歩していけば、必ず起こるであろう医療の最前線を、医師でもある著者がユーモアたっぷりに描く。はたして将来の医学は、私たちの生活をどう変えていくのだろうか…? 2010年  カネ子は怒っている  異業種病院  八十八歳の約束  饒舌電脳患者  CM強化の時代  ギャンブル医療保険 2030年  今日の診断率、78.5%  優良健康管理者の悩み  成長するマシン  体にいい野菜  健康予測器  情報公開  口の中の情報  思い出し装置  思い通りの薬  気のせい病  声変わりの季節  医療事故防止装置  不健康ブーム  年齢改善薬  医者に必要なもの  ロボット介護犬  Dモード  癒しの公園  ツボシン  最適な薬  リモコン万能時代  究極の識別法  俺だけ細胞  なま一丁  骨董クリニック  疑惑内科  最強のワクチン  通販健康生活 2050年  高齢社会の青年健診  決定するのは誰だ  契約医療  究極の治療法  老人の楽園  頼みの翻訳機  よみがえる細胞  クレジット治療  白熱、医療ライブ  永遠の命  再生休日  コンタクト  最後の診療 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • 二つの血の、大きな河
    -
    1巻495円 (税込)
    悪いのは日本人か中国人か  殺される日本人……。  日本人か中国人か、血を呪う残留孤児二世……。  福建マフィアと731部隊を結ぶ、殺人現場に残された“レモン”?  日中戦後史の、葬られた“血の回廊”を追う。  戦後日本が積み残してきた、俺たちの“罪なき罰”。 「なぜ、日本人は中国人犯罪者にこんなに無残に殺されねばならないのか?」  殺す側に論理があるなら、殺される側が負った宿命とは何かを追い求めたのが本書である。  深化する中国人犯罪をルポし続ける著者が挑む、渾身の“暴龍”小説。 ●森田靖郎(もりた・やすろう) 作家。1945年、兵庫県出身。文革中に、中国・チベット地区を訪れ、辺境地に下放された都市青年との交流から中国への興味を抱く。その後、シルクロードやロングマーチ(長征)など中国各地への旅を繰り返す。改革開放、天安門事件、香港返還などを常に現場から発信し、中国をフレームにして日本への同時代メッセージを送り続けるルポで定評がある。ノンフィクションを底辺にさらに再構築した小説執筆にも精力的で、ノンフィクションでは表現出来ない中国の暗部を赤裸々に描き出している。 主な著書に、『東京チャイニーズ』(講談社)、『見えない隣人~小説・中国人犯罪~』(小学館)、『スネーク・シャドウ』(朝日新聞社)、『上海セピアモダン』(朝日新聞社)、『中国「犯罪源流を往く」』(講談社)、『悪夢』(光文社)、『地経学で読む爆走中国』(原書房)、『引き裂かれた街~池袋チャイナタウン・プロジェクト~』(ナショナル出版)などがある。
  • 腐肉の処方箋
    -
    1巻495円 (税込)
    欲望が医療を破壊……その医者は信じられるのか?  医科大学入学をめぐり狂奔する人々。その最中、私立M医科大学の理事長が刺殺体として発見される。それは欲望が露出した氷山の一角だった。病院長夫人の行方不明、40年前の国立O大学入試問題漏洩事件…。11年前に死亡した恋人の死の真相を追う古閑も事件の渦中に巻き込まれていく。  複雑に絡む事件を解くカギは、一人の老人の副作用死だった。人の命を担うべき医師を育てる医科大学で何が起こったのか…?  美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第5弾にして完結編が登場!  現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 脳漿溶解 (上)
    -
    1~2巻495円 (税込)
    薬の副作用で脳が溶けていく!?  桐内製薬副作用情報室に、衝撃的な副作用報告が三通届いた。  薬の服用により脳漿(のうしょう)が溶けている…!?  しかしその症状は、病院だけにとどまらず、普通の生活を送っている人々にもひそかに蔓延していた。その人々には薬の服用例はない。  死亡者たちに共通するものはなんなのか?  調査に乗り出した副作用解析医・古閑志保梨は深き闇に突き当たる。  美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第3弾、その上巻が登場!  現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 悪魔の爪痕
    -
    1巻495円 (税込)
    連続猟奇殺人を呼び寄せた甘美な世界  見落とされた乳癌……それは連続猟奇殺人の序章。  副作用解析医・古閑志保梨のもとに、またしても副作用が疑われる症例が届く。  妊娠後期の妊婦の乳癌発症に、薬の投与が関係している可能性を示唆するものだった。しかし、それは本当に薬の投与が原因なのだろうか。  乳癌発症の本当の原因は? 連続猟奇殺人との関係は? そして「悪魔の爪」とは?  調査を始めた志保梨は、隠されていた女の哀しみに気がついて……。  美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第2弾!  現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 透白の殺意
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    1巻495円 (税込)
    男女の愛憎が殺人の連鎖を引き起こす  桐内製薬本社副作用情報室。ファックスが一枚の副作用が疑われる死亡報告書を流し出した。それは本当に副作用が原因の死なのだろうか。それとも……。  一件の死亡報告は、人間の欲望と愛憎を赤裸々に晒し出していく序章に過ぎなかったのである。  真相はどこに? 犯人は? そしていつ始まったのか?  美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第1弾!  現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 全身麻酔
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    1巻495円 (税込)
    全身麻酔中に覚醒した患者が聞いた言葉とは…?  国立O大学医学部付属病院。閉ざされた空間・手術室で一人の患者が執刀されていた。 「この患者は誰なんだっ?」  執刀医以下、その取り違えを知っているのは病院関係者たちのみ。全身麻酔の術中に覚醒してしまっていた患者を除いては……。  医療現場の闇と権力抗争、そして生と死の狭間にゆれる患者を、現役医師が描き出した衝撃の本格医療サスペンス。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 黄色い玩具の鳥
    -
    1巻495円 (税込)
    失踪した友人の妹、そして複雑に錯綜する男女の関係…  23年前の早朝、“私”は、ある友人の電話で起こされた。数日前に街で見かけた、友人の妹・礼子が失踪したという。母親の頼みで礼子を探し始めた私は、その追跡行の果てに礼子を見つける。しかし彼女は、ナイフで背中を刺されて死んでいる父親の横で、手首を切って倒れていたのだった…。  また、その前夜、私の大学時代の友人だった影山が新宿のアパートで殺されていた、というニュースが流れた。数日前に、私が街で見かけた礼子と一緒にいた男、それは間違いなく影山だった。一体、影山と礼子にはどんな関係が…?  影山の勤める建設会社は、礼子の父親が勤める「加藤建設」と、入札を巡って激しい闘いを繰り広げていた。加藤建設の創業社長は10年前に建設現場で事故死している。今は妻のまさ江がオーナー社長として君臨しているが、実権は専務の黒沢が握っているという。  私は、これらの事件になにか関連性がありそうな気がしてならなかった……。 ●十河 進(そごう・すすむ) 1951年、香川県生まれ。1975年に中央大学文学部文学科フランス文学専攻を卒業し、出版社に入社。広告写真誌『コマーシャルフォト』副編集長、カメラ誌『フォト・テクニック』編集長などを経て、現在は常務取締役。1999年からメールマガジン『日刊デジタルクリエイターズ』にコラム『映画と夜と音楽と…』を連載。それをまとめた『映画がなければ生きていけない1999‐2002』『映画がなければ生きていけない2003‐2006』(水曜社)によって第二十五回日本冒険小説協会特別賞『最優秀映画コラム賞』を受賞。2010年に『映画がなければ生きていけない2007‐2009』(水曜社)を刊行。
  • 太陽が溶けてゆく海
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    1巻495円 (税込)
    ネットで囁かれる、16年前に自殺したアイドルの死の真相とは!  専門誌出版社に勤める“私”は、ある日、世界的な企業である東京品川電機広報部長の神田に呼び出され、副社長の豊田と引き合わされる。神田から見せられたのは、16年前に自殺した早崎アンナの死の真相を巡る、ネット掲示板での応酬だった。そこには、早崎アンナの失恋相手が、当時、東京品川電機広報部で彼女の担当だった現部長・神田だと書かれていた。  かつて、写真誌編集部にいた私は、神田と組んで東京品川電機のCMタレントだった早崎アンナをグアムで撮影した。そのロケの2週間後にアンナが自殺したのだった。私にとっても、辛く悲しい、忘れられない事件である。  フリーペーパーの制作発注と引き替えに神田と豊田の依頼を受け、ネットの書き込みをした犯人を探るため、私は東京品川電機の社員を調べ始める。だが、そこには、次期社長の椅子を巡る派閥の熾烈な争いが……。 ●十河 進(そごう・すすむ) 1951年、香川県生まれ。1975年に中央大学文学部文学科フランス文学専攻を卒業し、出版社に入社。広告写真誌『コマーシャルフォト』副編集長、カメラ誌『フォト・テクニック』編集長などを経て、現在は常務取締役。1999年からメールマガジン『日刊デジタルクリエイターズ』にコラム『映画と夜と音楽と…』を連載。それをまとめた『映画がなければ生きていけない1999‐2002』『映画がなければ生きていけない2003‐2006』(水曜社)によって第二十五回日本冒険小説協会特別賞『最優秀映画コラム賞』を受賞。2010年に『映画がなければ生きていけない2007‐2009』(水曜社)を刊行。
  • 愚者の夜・賢者の朝
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    1巻495円 (税込)
    娘を喪った男が化粧品業界の闇を暴くセンチメンタル・ハードボイルド  アートディレクターの外村は、4年前の悲劇からまだ抜け出せず、苦悩していた。  4年前の渋谷で、トルエン中毒の少年が改造銃を乱射したことにより、愛娘を喪ったのだ。  ある日、外村は、娘とそっくりな手の専門モデル・佑子に出逢う。だが、撮影後に佑子を送った外村は車を降りたところで、謎の男たちに囲まれてしまう。  佑子の父親は、通販を中心に急成長した新興の化粧品会社の研究員だったが、会社の金と新製品のデータを持ったまま行方不明になっていた。その父親の消息を求めて、化粧品会社に雇われたリサーチ会社の男が、佑子を見張っていたのだ。  化粧品の広告にたずさわってきた外村は佑子の父親の調査を始めるが、そこで知ったのは自然素材の化粧品に大麻が使われているという事実だった。佑子の父親は、大麻研究者の資格を持ち、新製品を開発していたのだ……。 ●十河 進(そごう・すすむ) 1951年、香川県生まれ。1975年に中央大学文学部文学科フランス文学専攻を卒業し、出版社に入社。広告写真誌『コマーシャルフォト』副編集長、カメラ誌『フォト・テクニック』編集長などを経て、現在は常務取締役。1999年からメールマガジン『日刊デジタルクリエイターズ』にコラム『映画と夜と音楽と…』を連載。それをまとめた『映画がなければ生きていけない1999‐2002』『映画がなければ生きていけない2003‐2006』(水曜社)によって第二十五回日本冒険小説協会特別賞『最優秀映画コラム賞』を受賞。2010年に『映画がなければ生きていけない2007‐2009』(水曜社)を刊行。
  • 新黙示録 北辰の秘宝
    -
    1~7巻495円 (税込)
    黄金の埋蔵地をめぐって闇の死闘が始まる!  横浜と神戸で華僑の大物二人が殺され、時を同じくして平凡な主婦が二人蒸発した。  蒸発人の調査を依頼された弁護士・加西浩一は手がかりを求め、九州国東(くにさき)半島へ飛ぶ。  そこで加西は、秘宝探しのグループに出会い、謎の詩篇を見せられる。詩篇に隠されている国東の寺院を解明すると、一つの星座が浮かび上がり、黄金の埋蔵地がわかった。  その秘宝と華僑殺人、蒸発妻は一筋の糸でつながっていた……。  呪術を操る怪人・東王子善鬼、全身が毛に覆われた獣人・熊王など、登場するキャラクターも個性的。スケールの大きいエンターテインメント作品である。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 黄色い牙
    5.0
    1巻495円 (税込)
    第83回直木賞受賞作品  直木賞受賞の不朽の名作、待望のリニューアル。  家族の絆、人間と動物の熱い交流。失われた価値を求めて今、圧倒的な注目を集める話題作がついに電子書籍で復刊!  秋田山中で狩猟によって生活しているマタギの社会を迫真力に富んだ筆致で描いている。  マタギの頭領をシカリというが、主人公のシカリ・佐藤継憲の目を通して、近代化に向かう日本社会のなかでしだいに滅びに向かうマタギ社会の悲哀が伝わってくる。大自然と動物、動物と人間とのかかわりも巧みに描写されているが、とくに主人公と、その宿怨の敵である巨大なツキノワグマの鬼黒との決闘シーンは手に汗を握らせられる。  スケールの大きい動物小説として、文句なしの傑作。現代の乱脈な自然開発、環境汚染に警鐘を鳴らしている側面もあり、心おこしが叫ばれる今、再び脚光を浴びている。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • パープル・ドリーム
    -
    1巻495円 (税込)
    愛する人との出会いと別れ、夢、年を重ねることの悲しさ  面白いもので、年配の人が若い人を十把ひとからげに、「今どきの若いもんは」と言うのと同じように、若い者も、年寄りのことはみなひと括りにして見てしまうところがある。(中略)高齢化の波とともに、老人問題は今、日本でも、目にし耳にしない日はないほどの、重要な問題になっている。けれども、そうした問題を論じる時、私たちは十把ひとからげをできるだけ避ける気持ちを持たなければいけないと思う。私には私の顔があるように、人にはみな、その人だけの大切な人生があるのだ。当たり前のことだけれど、ついつい私たちはそのことを忘れてしまう。(「あとがき」より)  本書は、お年寄りをテーマに、あふれる想いをしっとりとした筆致で描くハートフルロマン。表題作ほか10編の短編小説を収録。 ・パープル・ドリーム ・旅は道づれ ・上野毛辛夷 ・戻り春 ・行かなかった道 ・コンビニパラダイス ・靴下の中 ・たかが犬… ・アンビリーバブル ・七年目の氷解 ●神津カンナ(こうづ・かんな) 1958年、東京生まれ。作家、エッセイスト、コメンテーター。母は女優の中村メイコ、父は作曲家の神津善行。弟は画家の神津善之介。東洋英和女学院にて、幼稚園から高等部まで学び、1977年3月、東洋英和女学院高等部を卒業。同年5月に渡米し、9月サラ・ローレンス・カレッジに入学、演劇を学ぶ。著書『親離れするとき読む本』は、体験的家族論として注目され、ベストセラーとなる。その他、『美人女優』『パープル・ドリーム』『長女が読む本』『あなたの弱さは幸せの力になる』など著書多数。以後、執筆活動の他、テレビ・ラジオ出演、講演また、公的機関や民間団体の審議委員等も数多く務めて精力的に活動している。
  • カーテンコール
    -
    1巻495円 (税込)
    最高の舞台をめざして……そして、初日の幕があがる  人気演出家・神野雄一郎に弟子入りした元新劇青年・梶原匠。  歩くギリシャ哲学とあだ名される理想主義者・梶原の成長を通して、商業演劇の内幕と裏方たちを描き出す。  舞台を愛するさまざまな人間と接するうちに、彼の中で何かが変わっていき、そして、最後は感動の“カーテンコール”へ……。 ・初日 ・衣装 ・幕間 ・裏方 ・代役 ・カーテンコール ●神津カンナ(こうづ・かんな) 1958年、東京生まれ。作家、エッセイスト、コメンテーター。母は女優の中村メイコ、父は作曲家の神津善行。弟は画家の神津善之介。東洋英和女学院にて、幼稚園から高等部まで学び、1977年3月、東洋英和女学院高等部を卒業。同年5月に渡米し、9月サラ・ローレンス・カレッジに入学、演劇を学ぶ。著書『親離れするとき読む本』は、体験的家族論として注目され、ベストセラーとなる。その他、『美人女優』『パープル・ドリーム』『長女が読む本』『あなたの弱さは幸せの力になる』など著書多数。以後、執筆活動の他、テレビ・ラジオ出演、講演また、公的機関や民間団体の審議委員等も数多く務めて精力的に活動している。
  • 美人女優
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    1巻495円 (税込)
    舞台の裏に見え隠れする愛と憎しみの人生模様  芝居は残酷で気まぐれなドンファン……。  自由、気ままに振る舞いながらも、人を魅了せずにはおかない大女優の愛と凄絶な孤独。色あせた栄光に生きる、往年の大スターがみせる女優魂。大部屋役者の意地。新人たちの夢と挫折。  華やかな楽屋のれんがならぶ舞台裏は、芝居の虚構と現実が交錯し、別のドラマを作りだす。  劇場の舞台事務所で働き始めた、大部屋女優の娘・圭子が知る、哀切な人間模様。 ・看板女優 ・大女優 ・大部屋役者 ・新進女優 ・美人女優 ・舞台女優 ・大根役者 ●神津カンナ(こうづ・かんな) 1958年、東京生まれ。作家、エッセイスト、コメンテーター。母は女優の中村メイコ、父は作曲家の神津善行。弟は画家の神津善之介。東洋英和女学院にて、幼稚園から高等部まで学び、1977年3月、東洋英和女学院高等部を卒業。同年5月に渡米し、9月サラ・ローレンス・カレッジに入学、演劇を学ぶ。著書『親離れするとき読む本』は、体験的家族論として注目され、ベストセラーとなる。その他、『美人女優』『パープル・ドリーム』『長女が読む本』『あなたの弱さは幸せの力になる』など著書多数。以後、執筆活動の他、テレビ・ラジオ出演、講演また、公的機関や民間団体の審議委員等も数多く務めて精力的に活動している。
  • 黒パン俘虜記(新装版)
    -
    1巻495円 (税込)
    第89回直木賞受賞作品 「軍隊は運隊だ」という言葉どおり、運悪く、敗戦と同時に送りこまれたモンゴルの収容所は、まさにこの世の地獄だった。軍律の崩壊した集団に君臨するやくざあがりの大ボス・小ボス。食糧といえば、黒パンとわずかなスープ、それも搾取され、強制労働にかり出される毎日。栄養失調、疾病、私刑で、つぎつぎと失われる生命。  襲いくる不条理に耐えながら、帰国を待ち侘びる日々を支えてくれたのは、小説と映画と流行歌への熱い思いだった……。  本書は、戦後モンゴルに抑留された二万人の日本兵の中にいた、著者自身の体験をベースにした作品である。  水と黒パンだけで奴隷労働を強いれられるなか、主人公が発見したのは、人間のどうしようもない愚かさか、あるいは生きる喜びか……。  第89回直木賞を受賞した名作が、読みやすく再編集されて、新装版として登場! ●胡桃沢耕史(くるみざわ・こうし) 1925年東京生まれ。府立六中(現新宿高校)、拓殖大学卒。『近代説話』同人。昭和30年、『壮士再び帰らず』(筆名・清水正二郎)で第7回オール讀物新人賞、58年、『天山を越えて』で第36回推理作家協会賞、同年『黒パン俘虜記』で第89回直木賞を受賞。『翔んでる警視正』シリーズ、『旅人よ』、『ぼくの小さな祖国』、『女探偵アガサ奔る』、『ぶりっこ探偵』、『夕闇のパレスチナ』、『闘神』など著書多数。
  • 邪し魔
    NEW
    -
    1巻770円 (税込)
    単身バリで女三昧の生活をおくる良治は、祭りの夜に禁忌を犯して村を追放され、少女イェニのもとへ。一方、良治が行方不明になったという知らせを受けた妻の恵子は、原因不明の頭痛に悩まされながらもバリに向かう。嫉妬と怨念に狂った女同士の戦いは地元民を巻き込み、次第に現実と異界の境は崩れてゆく……。インドネシアを舞台にしたホラー長篇小説。電子版あとがきを追加収録。 ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1985年『肉の儀式』で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を執筆。『漂流家族』『殺人の勧め』『爛れ』『暴虐の痴図』『蔵の中の鬼女』『邪神の呼び声』『死の影を追って』『黒の女王』『闇の王国』『髑髏町の魔道師』『怪物団』『色魔』など電子オリジナル作品も多数発表している。映画評論、特にホラー/スプラッターの分野で活躍し、各映画誌に寄稿している。
  • 死刑執行人の記録 知られざる現代刑務所史
    -
    1巻770円 (税込)
    刑務官の95%が見たことのない死刑台。警察官も、検察官も、弁護士も、裁判官も、法務大臣も知らない死刑の実態とは。人間社会の縮図である塀の中の現状と、刑務官・囚人の人間模様、そして「その日」のこと……。“刑務所を知りすぎた男”が、人間社会の縮図・塀の中の現状とその中でくりひろげられる刑務官、囚人の人間模様を描く。現代の監獄と死刑の実態を、死刑執行人が初めて公開する驚愕のドキュメンタリー・ノベル。 ●坂本敏夫(さかもと・としお) 元刑務官・ノンフィクション作家。NPO法人(受刑者の更生支援、こどのも健全育成等)理事長。1947年12月、熊本刑務所官舎で出生。高校卒業まで刑務所官舎で暮らす。母方の祖父、父に続き三代続いた刑務官。1967年大阪刑務所刑務官(看守)に採用される。神戸刑務所、大阪刑務所で係長勤務を経て、法務省法務大臣官房会計課、東京矯正管区で予算及び刑務所・少年院等矯正施設の施設整備を担当。1987年現場に復帰し、1994年広島拘置所総務部長を最後に退官。以後、作家、ジャーナリスト、タレントとして活動。『死刑のすべて』『刑務所のすべて』(文藝春秋)、『誰が永山則夫を殺したのか』(幻冬舎)、『囚人服のメロスたち』(集英社)、『典獄と934人のメロス』(講談社)など著書多数。映画・TVドラマの監修(一部出演あり)も多い。
  • やや野球ども
    -
    1巻770円 (税込)
    「巨人軍を倒してみないかい?」フリーのデザイナーとして、日々スーパーの安売りチラシなどを手がける地味な毎日を送る石動誠。行きつけのバー「ファイブ・クォーター」のマスターの音頭で、常連たちと草野球チームを結成することになった。日頃の運動不足がたたってろくに練習もはかどらない彼らだが、じつはそれぞれ秘密の力を備えていて……。草野球史上最弱ナインの運命はいかに? 打倒、巨人軍!? 仕事も恋も中途半端な男たちが結成した草野球チーム、目指すはアマチュアトーナメント優勝。大人が夢中になる青春野球小説。 ●浅暮三文(あさぐれ・みつふみ) 小説家。第8回日本ファンタジーノベル大賞最終候補を経て、1998年第8回メフィスト賞『ダブ(エ)ストン街道』でデビュウ。2003年第56回日本推理作家協会賞を『石の中の蜘蛛』で受賞。他作品に『実験小説ぬ』『ぽんこつ喜劇』、エッセイ『おつまミステリー』など多数。著作はイタリア、韓国で翻訳され、中学校教科書に採用された。日本文芸家協会、日本推理作家協会会員。
  • 夜を買いましょう
    -
    1巻770円 (税込)
    製薬会社の新薬開発担当の遠藤は、インドネシアの小島でとてつもない強精作用のあるキノコを発見した。意気揚々と帰国したが会社は外資に合併され彼の居場所はなかった。だがこのキノコの能力は強精だけではなかった。人の睡眠を蓄積し、コントロールする働きがあったのだ。遠藤らはキノコによる世界初の睡眠ビジネスをもくろむ。一見、大成功に見えた新ビジネスだったが、遠藤の胸には不安が去来する。なにか忘れている気がする。とても重要ななにかを……。新境地エコノミカル・ファンタジー長篇小説。 ●浅暮三文(あさぐれ・みつふみ) 小説家。第8回日本ファンタジーノベル大賞最終候補を経て、1998年第8回メフィスト賞『ダブ(エ)ストン街道』でデビュウ。2003年第56回日本推理作家協会賞を『石の中の蜘蛛』で受賞。他作品に『実験小説ぬ』『ぽんこつ喜劇』、エッセイ『おつまミステリー』など多数。著作はイタリア、韓国で翻訳され、中学校教科書に採用された。日本文芸家協会、日本推理作家協会会員。
  • 監獄女医(2) 死刑台の女
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    1巻770円 (税込)
    十八年前の幼女誘拐殺人事件で死刑判決を受けた山村敦子の刑の執行が決定した。死刑立ち会いを命じられ、青葉台拘置所へ派遣された女医・若宮冴子だったが、拘置所長・村田から、山村に関して、当時事件の捜査にあたった元刑事から再審請求の動きが出ているということと、山村の服役態度や人柄が殺人犯のそれではないということを聞かされる。「事件の裏に何かがある」そう直感した冴子は自ら調査に乗り出すのだが、刑の執行までは、わずかに二日を残すのみだった。果たして冤罪を証明できるのか……。  美貌の女医・若宮冴子が謎を解き明かすミステリ小説、「監獄女医」シリーズ第2弾。 ●二条 睦(にじょう・むつみ) 1966年、広島基町高校卒業、法政大学法学部中退。法務省法務事務官・刑務官を経て小説家デビュー。ヒューマン・プリズンミステリーのパイオニア。
  • 監獄女医(1) 地下牢の囚人
    -
    1巻770円 (税込)
    富士見ケ丘刑務所で囚人・久保光男が医務課長の前田医師を殺害する事件が発生した。前田の後任として赴任した女医・若宮冴子は、一般社会とはかけはなれた、医療体制や刑務所内の人間関係に当惑するが、徐々に自らの信念を所内に、そして囚人たちの間に浸透させていく。ある日、懲罰房である地下牢に入っている久保の健康診断にあたった冴子は、前田医師殺害の裏に、刑務所ぐるみの不正を嗅ぎつける。公正な裁判を求めて調査を開始した冴子だったが……。  美貌の女医・若宮冴子が謎を解き明かすミステリ小説、「監獄女医」シリーズ第1弾。 ●二条 睦(にじょう・むつみ) 1966年、広島基町高校卒業、法政大学法学部中退。法務省法務事務官・刑務官を経て小説家デビュー。ヒューマン・プリズンミステリーのパイオニア。
  • 湖底
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    1巻770円 (税込)
    あのかたちを忘れはしない。校舎の時計塔の上に取り付けられて、風が来る方向を毎日眺めていた、あの風見鶏だ。学校が帰ってきた。二十年前、ダムの底に沈んだはずのあの学校が……。ダッチン、デミ、嶋本、テンドン、ナルカン、そしてトミー。これが当時、遠原村の小中学校をあわせた全校生徒だった。村役場の観光課職員として一人故郷に残っていたナルカンこと成島は、懐かしい顔に会うために同窓会合宿を計画した。しかし思い出は常に美化される。六人の子供たちは、本当に仲が良かっただろうか。思いだそうとするが、まったくわからなかった。遠い昔のことだ、親友も敵も、ごっちゃになって記憶の底に泥のように沈んでいた……。  過疎化した村の廃学校で語られる、少年少女たちの“忘れられた約束”とは。ホラー・ファンタジー長篇。 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • 青の時間
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    以前勤めていた広告代理店から依頼された大仕事、それは世界的マジシャン「ブルー」を日本に招聘することだった。生い立ちも正確な年齢も、すべてが謎に包まれた存在。世界中の誰もが知っている人物なのに、ステージ以外での彼の素顔を見た者はいない。なんとか彼との接触に成功した僕だったが、少し高音の混じったその声は、どこかで聞いたことのあるように思えた……。長篇小説。 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • 幸せすぎるおんなたち
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    1巻770円 (税込)
    日本海に面した人口七十八万人のX県は、女性就業率ランキング第一位、女性の働きやすさランキング第一位、育児環境ランキング第一位。しかし、誇らしげに語る「X県しあわせ創造課」担当者の言葉には裏があったのだ。日本一の子育て県に貢献することこそ、住民の誇りと幸せ。夫の転勤や結婚などでX県に移住してきた者にとって、地方社会独特の“掟”は恐怖そのものだった……。連作短篇サイコスリラー。電子版あとがきを追加収録。 ●雀野日名子(すずめのひなこ) 石川県で生まれ、福井県と大阪府で育つ。ゴーストライターやノベライズライターから物語執筆へと移行し、『機械仕掛けのアン・シャーリー』でジャイブ小説大賞入選。『あちん』で「幽」怪談文学賞短編部門大賞を受賞し、同作で小説家デビュー。『トンコ』で日本ホラー小説大賞短編賞受賞。「雀野日名子」名義での単著に、『太陽おばば』『幸せすぎるおんなたち』『終末の鳥人間』『かぐや姫、物語を書きかえろ!』などがある。カルト映画と80sをこよなく愛する、文壇アレルギー症。
  • 社長ゲーム
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    1巻770円 (税込)
    施設から引き取られ、食品メーカー社長の御曹司となった武藤英行。彼は義父母には馴染めず、家族というものに価値を見いだせなかった。金銭さえあれば自尊心も家庭も、生きるために不可欠なものだとはどうしても思えなかった。英行は大学を卒業すると同時に家出同然でアメリカへ留学、勝つためのゲーム理論を身につける。ラスベガスのカジノで知り合った相棒と共に帰国すると、義父の経営する会社は大きく傾いていた。閉鎖的な同族経営に反発があった英行は、義理人情を切り捨ててあくまでもドライに会社再建に手を貸すことにした……。長篇小説。 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • 社長物語
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    1巻770円 (税込)
    フリーランスのデザイナー、カメラマン、ルポライター。気の合う者同士が寄り集まって仕事場にしていた「鮮酔館」。各メンバーの仕事に関与しない。集団としての活動は原則として行わない、あくまでもフリーの集まりだ。だが、いつまでも俺たちは若くない。大きな仕事は個人には発注されない。日本の税制は個人には不利に出来ている。このままではジリ貧になっていくだけだ。メンバーの一人が入院したことをきっかけに会社組織にしようと決心し、成り行きで代表取締役を務めることになった森田だったが、法人を作るなんて初めてのこと。戸惑いながら実際に会社経営を始めてみると、あれやこれやとトラブルが襲いかかってきて……。経営者の苦難と人間関係をユーモラスに描いた長篇小説。 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • 夕海子
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    夕海子は、寒くなるとその名簿をひらく。名簿からランダムに選んで、その一人に電話をかける。家を訪ねていく。そして、泊めてくれないかと頼む。それが行き詰まったとき、夕海子は最後の手段に出る。彼女を暖かな場所に連れ戻してくれる最後の脱出装置は、いつも抱えている黒いボストンバッグの底にある……。長篇サスペンス。 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • 創生紀コケコ
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    1巻770円 (税込)
    目が覚めたら鶏になっている自分を発見した。そして周りの動物たちからは「夜が明けないのは、貴様のせいだ」となじられた。一体どうなっているのだ? この世界はなんだ? どうして僕はここにいるのだ? 全ての記憶を失くし、深い森の奥で「自分自身」と対峙した「コケコ」の軌跡。そして物語は予想もつかない展開を見せてゆく……。悶絶必至、シュールで混沌に満ちた長篇小説。 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • 忌まわしい場所
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    1巻770円 (税込)
    おまえはすっかり味を占めたようだった。もっとたくさん殺したい、と瞳を輝かせて言う。同じやり方で殺せる。お客さんを疲れさせて、眠ったあとに呪文を吹きこむ。死ね、死ねと繰り返す。そうすれば、いくらでも人を殺せる。破滅に追いこむことができる。おまえはすぐにでも次の「殺人」を犯したいと望んでいた。(本文より)  呪術的な仕掛けが随所にある特殊なマンション。そこのオーナーである男は、「死」に憧れを持つ高級娼婦ナナと運命的な出会いを果たす。二人は古い書物に載っていた秘法を使い、次々と住居人を殺害してゆく。最初は遠隔で呪いを念じるだけだったが、やがてエスカレートしていき……。戦慄の大量殺人劇が展開する長篇ホラー・サスペンス小説。電子オリジナル作品。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
  • 大地母神(マグナ・マータ)の贄
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    1巻770円 (税込)
    彼等は廊下の暗がりより現れた人物に気づいてハッとした様子だった。黒革のトレンチ・コートを羽織った長身の男、比良坂天彦だ。比良坂はイルゼの眼を睨み据えていたが、やがて懐より奇怪な十字架を取り出し、イルゼの眼前に差し出した。それは頭に球体をいただいた十字架であった。「私は、お前の名を知っているぞ! キュベレー!!」比良坂は大声でそう叫んでいた。(「大地母神(マグナ・マータ)の贄」より)  前衛心理学者にして逆宇宙ハンター・比良坂天彦が初登場した表題作の他、文芸誌・同人誌へ寄稿したホラー短篇を厳選。巻末には本作の監修を担当した松本寛大による解説文を収録。電子オリジナルの作品集。 *大地母神(マグナ・マータ)の贄 *三十一人座 *老水夫の呪い *幽霊マンション *弧の増殖 *ミッドナイト・ドクター *屍臭 *超自然におけるラヴクラフト *地下のマドンナ *魔猫 ●朝松健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、かつて誰も書かなかった〈異形の戦場〉と化した京都を描いた『血と炎の京』で高い評価を得ている。 監修:松本寛大(まつもと・かんだい) ミステリー作家。2009年、『玻璃の家』(講談社)でデビュー。映画・小説批評も手がける。『北の想像力』(寿郎社)に「朝松健『肝盗村鬼譚』論」を執筆。「クトゥルフ神話TRPG」ソースブックに寄稿。
  • 復讐劇の館
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    もはや戦後ではない、そんな言葉がささやかれるようになった昭和三十五年。だが鳥澤渡の戦後はまだ終わっていなかった。彼は無念の死を遂げた父の仇を討つため、薔薇が咲き誇る壮大な館へやって来た。ここの主人は戦時中は海軍大佐で、かぎりなく妄想に近い人体兵器を発案し、渡の父をはじめ多くの兵士を死に至らしめたのだ。いよいよ、始まる。美しいピアノの調べに乗って、復讐劇の幕はいま開いた。渡は胸の高鳴りを覚えた……。  幻想的な筆致で描く長篇ミステリ小説。電子オリジナル作品。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
  • 魔障
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    1巻770円 (税込)
    オカルト書籍専門の編集者・平井は、ある日、奇妙な外国人の訪問を受けた。“異象が体験できる本”……形而上学者を自称する男は、そう言って本を平井の許に置いて行った。『空の書』と名づけられたその本を手にした日から、平井へ向けられる視線や声が、悪意に満ちたものに一変していく。それらは、妄想や幻聴なのか? 徐々に、だが確実に一人の編集者を追い込んでいくものとは……。  著者の実体験に基づく衝撃のホラー中篇「魔障」の他、短篇2本を収録した作品集。 *魔障 *忌の血族 *追ってくる ●朝松健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、かつて誰も書かなかった〈異形の戦場〉と化した京都を描いた『血と炎の京』で高い評価を得ている。

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