小説 - 澁澤龍彦 - 河出書房新社作品一覧

  • 悪徳の栄え 上
    4.1
    美徳を信じたがゆえに悲惨な運命にみまわれるジュスティーヌの物語と対をみなす、姉ジュリエットの物語。妹とは対照的に悪の哲学を信じ、残虐非道のかぎりを尽くしながら、さまざまな悪の遍歴をかさねるジュリエット。不可思議な出来事につぎつぎに遭遇し、最後には悪の讃歌をうたいあげるその波瀾万丈の物語は、サドの代表作として知られる古典的傑作である。

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  • O嬢の物語
    3.8
    パリの前衛的な出版社ポーヴェールから一九五四年に刊行された本書は、発表とともにセンセーションを巻き起こし、「ドゥー・マゴ」賞を受賞した。女主人公の魂の告白を通して、自己の肉体の遍歴を回想したこの書物は、人間性の奥底にひそむ非合理な衝動をえぐり出した、真に恐るべき恋愛小説の傑作と評され、多くの批評家によって賞賛された。

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  • 閨房哲学
    4.0
    快楽の法則の信奉者、遊び好きなサン・タンジェ夫人と、彼女に教えを受ける情熱的な若き女性ウージェニー。そして夫人の弟ミルヴェル騎士や、遊蕩児ドルマンセたちがたがいにかわす“性と革命”に関する対話を通して、サドがみずからの哲学を直截に表明した異色作。過激で反社会的なサドの思想が鮮明に表現され、読む者を慄然とさせる危険な書物。

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  • 恋の罪
    3.5
    五十篇にのぼるサドの中・短篇の中から選び抜かれたこの作品集は、澁澤龍彦が最も初期に訳出した作品も含まれ、長年にわたるサド翻訳の仕事の出発点をなしている。ことに最後に収録された「末期の対話」はヴァンセンヌ獄中で書かれた記念すべき処女作であり、「最初の無神論宣言」として知られる。短編作家としてのサドの力量を証明する名品集。

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  • 極楽鳥とカタツムリ
    3.0
    澁澤没後三十年を機に、著者のすべての小説とエッセイから「動物」をテーマに最も面白い作品を集めた究極の「奇妙な動物たちの物語集」。ジュゴン、バク、ラクダから鳥や魚や貝、昆虫までの驚異の動物園。
  • さかしま
    4.0
    「久しく名のみきいていたデカダンスの聖書『さかしま』の難解を以って鳴る原文を、明晰暢達な日本語、しかも古風な威厳と憂愁をそなえた日本語にみごとに移しえた訳者の澁澤龍彦氏の功績を称えたい」(三島由紀夫)。<生涯>を至上の価値とする社会に敢然と反旗を翻し、自らの「部屋」に小宇宙を築き上げた主人公デ・ゼッサント。澁澤龍彦が最も愛した翻訳が今甦る!

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  • 澁澤龍彦 初期小説集
    4.0
    ガラスの金魚鉢に見つめられ、妄想を駆り立ててゆく男の心理を追う「撲滅の賦」、狼の子を宿す女の幻想を描いた「犬狼都市」のほか、両性具有の王と彫刻師が織りなす古代ギリシャ奇譚「陽物神譚」、彷徨する幽霊船上でのドラマ「マドンナの真珠」、著者唯一の推理小説ともいわれる「人形塚」など9編を収録。読む者を迷宮世界に引き込む魅惑の初期幻想小説集。

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  • 食人国旅行記
    4.0
    許されぬ恋におち、駆け落ちをしてヴェニスにたどりついたサンヴィルとレオノール。二人はこの水の都で離れ離れとなり、互いに求めあって各地をめぐり歩く。――本書でサンヴィルが回想するこの冒険旅行は、波乱万丈の展開をみせるが、なかでも異彩を放っているのが食人国と美徳の国の登場で、ここにおいて、サドはそのユートピア思想を鮮烈に表現している。

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  • 新ジュスティーヌ
    3.6
    身も心も美徳に捧げ、美徳のために生きようとしたがために、悲惨な出来事に次々と遭遇し、不幸な結末をむかえるにいたる美少女ジュスティーヌ。悪徳に生きた姉ジュリエットの物語と対をなすこのジュスティーヌの物語は、サドの代表作として知られる傑作である。ジュスティーヌの物語には三つの異本があり、本書はその最後の稿にあたる決定版である。

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  • ソドム百二十日
    3.4
    ルイ十四世治下の末期、殺人と汚職によって莫大な私財を築きあげたブランジ公爵と三人の仲間は、「黒い森」の人里離れた城館で、四十二人の男女とともに、百二十日間に及ぶ大饗宴をもよおす。ここで物語られる奇怪な話、くりひろげられる乱行、虐殺の数々を物語るサドの異色作「ソドム百二十日」は、さながら性倒錯現象の百科ともいえる傑作である。他に二篇収録。

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  • 長靴をはいた猫
    3.7
    「赤頭巾ちゃん」にしても「眠れる森の美女」にしても、本来は血なまぐさくセクシャルで残酷な民話だった。ペローの童話はその味わいを充分に残しながら、一方では皮肉な人間観察や教訓をおりこみ、童話文学の先駆的作品となった。この残酷で異様なメルヘンの世界を、澁澤龍彦は流麗な訳文で、いきいきと甦らせた。大人も子供もともに楽しめる決定版童話集!

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  • ねむり姫
    3.9
    なんの前ぶれもなく、永いねむりについてしまった美しい姫と、腹違いのひとりの童子――中世の京の都を舞台に繰り広げられる男と女の不可思議な生涯を物語る表題作のほか、実母の生んだ牝狐を愛して命を奪われてしまう男の物語「狐媚記」、夢が男女の出会いを予告する「ぼろんじ」など、あやかしの物語六篇。

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  • 美徳の不幸
    4.0
    サドの代表的著作、ジュリエットの物語『悪徳の栄え』と対をなす妹ジュスティーヌの物語には三つのバージョンが残存している。本書はその最初の版である「原ジュスティーヌ」とでも称すべき中篇。バスティーユ牢獄中にて書かれ、革命のどさくさに粉れて紛失され、100年ののちに陽の目をみた本書はサドの思索のエッセンスが凝縮された異色作である。

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  • 偏愛的作家論
    3.0
    小説本来の楽しみとは、スタイルを味わうことにあるとする著者が、石川淳、三島由紀夫、久生十蘭等、二十四人の日本作家へ捧げたオマージュ。乱歩の「玩具とユートピア嗜好」を探るかと思えば、『黒死館殺人事件』への傾倒ぶりを語り、南方熊楠こそ「悦ばしき知恵」の体現者であると自在に筆をすすめていく、本の快楽主義者のための書。

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