小説 - 双葉文庫作品一覧

  • 乳房のくにで
    5.0
    1巻770円 (税込)
    21世紀目前、福美は困窮していた。抱えた娘の父親は行方知れず、頼る実家もなく、無職で何も「持っていない」。ただ母乳だけは捨てるほど出続ける。そんな折、母乳が欲しい家庭に届ける団体を運営している廣瀬と出会い、福美はナニィ(乳母)として雇われることに。すると、かつて自分を虐めていた同級生が嫁いだ政治家一家から指名が入り……。母乳によって子を手放した女と母となり得た女の視点から、母性を描くサスペンスフル長編。
  • 清く正しく、殺人者<新装版>
    値引きあり
    3.0
    T・Hコーディネート社長の氷川呈一は、かつて裏組織の腕利きの掃除人、すなわち殺し屋だった。ある事件をきっかけに足を洗ったが、愛娘の沙織の周囲でおかしな出来事が起こり始める。カミソリを仕込んだ花束が贈られたり、ドーベルマンに追いかけられたり……。過去からの影が次第に氷川親娘に忍び寄る。傑作長編ミステリーが装いも新たに登場!
  • 哀愁しんでれら もう一人のシンデレラ
    3.4
    ただ幸せになりたかったはずだった――市役所の児童福祉課で働く咲良は、8歳の娘・カオリを男手ひとつで育てる開業医の孝太と出逢い、結婚。誰もが羨む幸せな家庭を手に入れた。しかし、「理想の家庭をつくる」という咲良の願望は知らぬ間に自身を追い詰め、次第に家族の歯車を狂わせていく……。 土屋太鳳、田中圭出演で2021年2月公開の話題映画を、『暗黒女子』の原作者・秋吉理香子が小説化!
  • アウシュヴィッツのタトゥー係
    4.0
    第二次世界大戦下の「絶滅収容所」アウシュヴィッツで、生き延びるため同胞に鑑識番号を刺青し名前を奪う役目を引き受けたユダヤ人の男。彼はある日、その列に並んでいた女性に恋をした。「必ず生きて、この地獄を出よう」と心を決め、あまりに残酷な状況下で自らもあらゆる非人間性に直面しながら、その中でささやかな人間性と尊厳を守り抜くために重ねた苦闘と愛の物語。実在のタトゥー係の証言をもとに書き上げられ2018年に刊行された原書は、全世界350万部のヒット作となった。
  • 蒼い月 死神と朝食を
    3.5
    外国人VIPの警護を任された駆け出しボディガードの愛。美術商だという容姿端麗なVIPを護衛するなか、彼女に警告の電話がかかってくる。「その男は死神だ」と。その言葉を裏付けるかのように、関係者の死や、何者かの突然の襲撃に遭う。愛はVIPを護ることができるのか!? ※この作品は2012年9月、単行本刊行された『死神は恋を連れてやってきた』を改題しました。
  • 青い棘のジレンマ
    3.5
    高校受験を控えた小笠原幸は、バトン部に所属している。地元のテレビ局からバトントワリングコンクールの密着取材を依頼された途端、幸は退部を申し入れる。なぜ突然、退部を決めたのか……。教師にも親友にもその理由を話そうとしない幸。それには4年前の、ある出来事が関わっていた。そんな中、固く閉ざされた彼女の心を解きほぐしたのは、意外な人物だった。過去の扉が開かれる青春ミステリー。 ※本作品は2019年5月に小社より単行本刊行された『君の××を消してあげるよ』を文庫化に際し改題し、加筆修正をしたものです。
  • 赤い白球
    -
    1939年、日韓併合時代の夏、平壌一中の一番ショート・朴龍雅(パクヨンア)と二番ショート・吉永龍弘の名コンビは甲子園出場を目指して野球に夢中だった。その後、朴は少年飛行兵に、吉永は陸軍予科士官学校に進学。軍人の道を歩み始めた二人だったが、戦況が悪化する中で、朴は東南アジアの撃墜王となり、朝鮮の英雄と呼ばれるようになる。懐には幼き頃に友からもらった白球があり、それが朴の心の支えだった。一方、少尉となった吉永はマニラに赴任。戦況を打破するための「特攻作戦」に関わることになり、再び二人の運命は交錯する――。
  • アカツキのGメン
    3.8
    1巻748円 (税込)
    “アカツキ強盗団”として昭和の犯罪史を彩った、五郎、幹雄、誠の3人も還暦をとうに過ぎ、今は神保町で喫茶店を営む悠々自適の日々。だが、ひょんなことから現役復帰を決意。狙うは現金輸送車の強奪。はたして――。
  • 悪意
    3.6
    行政書士の斉木にかかってきた不穏な電話。男は娘を誘拐したと告げ、返してほしければ指定の場所に来るよう命じる。現地を訪ねた斉木は、男がビルの屋上から飛び降りようとしているのを目撃した。その場で男が斉木に突きつけた、恐るべき要求とは――? 日常にひそむ人間の闇を描いた、第35回小説推理新人賞作家のデビュー短編集。 ※本作品は2017年5月に小社より刊行された『三つの悪夢と階段室の女王』を文庫化に際し改題し、加筆修正をしたものです。
  • 悪徳刑事 ブラックディール
    4.0
    渋谷南署生活安全課防犯係所属の矢沢龍一は、捜査のためならば違法捜査も躊躇わない危ない刑事。邪魔をする奴はその弱みを見つけて恫喝する。そんな矢沢が今回目をつけたのは、特殊詐欺グループを率いる謎の男。闇に隠れ決して表に出てこない詐欺の帝王を引きずりだすため、いつもにまして危険な捜査がスパークする!
  • 悪徳刑事 闇捜査
    4.0
    渋谷南署生活安全課保安係所属の矢沢龍一は、悪党を挙げるためならば違法捜査も躊躇わない危ない刑事。邪魔をする奴はその弱みを見つけてとことん追い込む。そんな矢沢が今回、署長の西城から命じられたのは闇世界への潜入。矢沢は周到に準備を進め、深く静かに潜行する。
  • 悪夢に架ける橋
    -
    団地に暮らす専業主婦・浩枝は、現実と見まがうような「人が死ぬ悪夢」にうなされていた。ある晩、夢で見た殺害現場が現実のものと分かり、自分に不思議な力があることに気づく。浩枝だけが知っている事件の真相を伝えるべく同窓生の刑事・片岡と連絡をとるが、同時に平穏な生活に影が射しはじめる。ノンストップサスペンス。
  • 憧れの女の子
    3.8
    「次は女の子を産むわ」。そう宣言して産み分けに躍起になる妻。そんな妻の決断にうっすらとした違和感を抱く夫。互いに心揺れる日々を経て、その果てに夫婦が得たものとは――(表題作)。男女の日常に生じたさざ波から見える、人間の愛おしさやつよさ。「心にしみる人間賛歌!」と王様のブランチでも絶賛された傑作短編集。
  • 明日も会社にいかなくちゃ
    3.8
    吉丸事務機株式会社で働く優紀。断れない性格で、いわゆる中間管理職のポストを任される。適任だとは到底思えない。頼りない上司、嚙み合わない部下、何か言いたげな同期。小さな会社で起こる人間関係のもつれや行き違いが優紀を悩ませる。状況を改善しようと奔走するが――。「走れ、中間管理職」ほか全六篇を収録。会社勤めはなんだかせつない。その気持ちに寄り添う「働く」を描いた連作短編集。 ※本作品は2018年5月に小社より単行本刊行された『仕事は2番』を文庫化に際し改題し、加筆修正をしたものです。
  • あたしのいとしいひと
    -
    「婚約者」カイトにつきまとう女の影。樹里とカイトは将来を誓った仲だというのに。そして、ある日カイトは「失踪」した。懸命に樹里はカイトを捜すのだったが、やがて衝撃の事実が明らかになる! 文庫書き下ろし長編サスペンス。
  • あなたのゼイ肉、落とします
    4.3
    ダイエットは運動と食事制限だけではない。大庭小萬里はマスコミには一切登場しない謎の女性だが、彼女の個別指導を受ければ、誰もが痩せられるという。どうやら、身体だけでなく「心のゼイ肉」を落とすことも大事なようだ……。身も心も軽くなる、読んで痩せるダイエット小説。
  • 雨の日のきみに恋をして
    4.0
    二匹の猫の世話を条件に叔母のマンションに引っ越したぼくは、ある雨の夜、部屋で女性の声を聞いた。「わたしは幽霊です」と言う彼女は、自分を殺した人を捜してほしいという。次々と真相が明らかになるなか、ぼくはいつしか、雨の日にしか現れない彼女に恋をしていた。そして、すべての謎が明らかになったとき――奇跡の恋を描いた感動のラブストーリー。(旧題『雨恋』)
  • あやかしよろず相談承ります
    3.0
    女子高生の日向万梨音は、幼い頃のトラウマが原因で極度の人見知りになり、学校生活にもなかなかなじめない。そんな折、唯一、心を許している友人の瑠依から、自身が患う〝病気〟に関して衝撃の告白を受ける。瑠依は病気の原因を探るため、ある場所へ一緒に行ってくれるよう万梨音に頼み込む。そうして、二人が訪れたのは「魔法道具店」。勇気を振り絞って中に入ると、そこにいたのは美魔女と目を見張るようなイケメン――この人たちって、やっぱりあやかし!?
  • アレルヤ
    3.0
    失業中の吉永シロウは、昔のバンド仲間であるドラムとふたり暮らし。ある深夜、突然気づく。「俺は、ヘリ(水際)に立っている!」。人生の崖っぷちに一念発起、シロウはドラムに勧められるがままに小説を書きだすのだが…。ポップでロックな青春小説。
  • 暗黒女子
    3.7
    ある女子高で、最も美しくカリスマ性をもつ女生徒が死んだ。一週間後に集められたのは、女生徒と親しかったはずの文学サークルの仲間たち。ところが、彼女たちによる事件の証言は、思いがけない方向へ――。果たして女生徒の死の真相とは? 全ての予想を裏切る黒い結末まで、一気読み必至の衝撃作!
  • 暗色コメディ
    3.6
    もう一人の自分を目撃したという人妻。”消失狂”の画家。「あんたは一週間前に事故で死んだ」と妻に言われる葬儀屋。妻が別人にすり替わっていると訴える外科医。四人を襲う四つの狂気の迷宮の先には、ある精神病院の存在があった……。緻密な構成と儚く美しい風景描写。これぞ連城小説の美学、これぞ本格ミステリの最高峰!
  • アンドロメダの猫
    3.5
    派遣社員の瑠璃は、コンビニエンスストアで万引きをしようとした少女を見かけ、声をかける。少女は、親の借金のためにある男から性的搾取をされていた。少女の不思議な雰囲気に惹かれた瑠璃は、遠方に連れて行かれそうになる少女を衝動的に救う。2人は追われる身となるが、逃亡生活を送るうち、瑠璃にある感情が芽生える。“人間愛”を描き続ける直木賞作家の感動作。
  • 生き直し
    -
    この感覚、きっと覚えておいでだろう。誰もが否応なしに放り込まれた、小中学校の友達同士のパワーバランス。一瞬の油断もならず、発言には細心の注意を払い、自分のポジションを確保するのに汲々とする――。子供といえど、毎日戦っているのだ。優等生の相原真帆は、ある事件をもとに“最下層”の境遇に陥る。転校先では、同じことを繰り返したくない。孤高とも言える幼き真帆の背筋の伸びた姿勢が胸を打つ、問題作にして傑作がここに。
  • イザベルに薔薇を
    -
    郷里の山口から上京した青年・詩人美。中原中也、高村光太郎などを詩を愛する心優しい青年は、新宿・歌舞伎町で暮らす叔父の無塁のもとに身を寄せた。詩人美は叔父のもとで様々人と出逢い、恋をしたり、勝負の厳しさを味わったり人として成長していく。伊集院静でなければ描けない極上の青春物語。
  • イジ女
    3.4
    意地悪な女、意地っ張りな女、イジイジした女、イジらしい女、イジくる女……世の中には「イジ女」がたくさんいる。女性の悪意を書かせたら随一の著者が、女社会のリアルシーンをこれでもかと描き込み、チクチクする気持ちを炙り出す。怖くて楽しい短編集。
  • 1gの巨人
    -
    落合は、妻のみどりと橋から飛び降りようとする大男を止めた。大男、ガリバーは「お仕えしたい」と懇願する。連日手伝いに来るガリバーに薄気味悪さを感じた落合は、他人のもとにガリバーを遣わす。そこから次々と人手に渡るガリバー。行方が知りたいと不穏な訪問者が来、よもやの事態となり……
  • いちにち8ミリの。
    -
    好きな美澄に会いたくて、1日8ミリずつうごく石と、その石と話のできる恋敵のペットの猿を描いた表題作。他2篇も、どこかにありそうで、どこにもなかったおとなの読む童話のような短編小説です。父・中島らもを超える物語の紡ぎ手の登場!
  • いつか夜の終わりに
    3.3
    1巻517円 (税込)
    山中で迷った僕は、山奥の不思議な村に辿り着く。そこで出会った少女と、ある約束を交わすが……。切なくも希望に満ちたラストが鮮烈な「てのひらたけ」他、3編を収録。
  • 偽りのスラッガー
    4.5
    怪我で引退した元プロ野球選手・秋草隼は、旧知の球団GMから、意外な話を持ちかけられる。日本を代表するスラッガーの立花に、ドーピング疑惑があるというのだ。この疑惑の真相を突き止めるため、秋草は選手に復帰し、内部から調査することになったが――。スポーツ界の闇と再起をかけた男の真剣勝負を描く野球ミステリー。
  • 犬棒日記
    3.5
    犬も歩けば棒にあたる――。その故事のごとく、一歩外に出てみれば、そこにあるのは幸運か災難か!? 巧みな人物造形と心理描写で多くの読者から支持される著者が、街で見た人物や光景を日記形式で描く人間観察記。あなたの身近の風景も、著者の手にかかれば、一瞬にして物語になる!
  • イルミネーション・キス
    3.7
    1巻528円 (税込)
    短大を卒業し、デザイン事務所で働く西野は、東京での日々に流されるままに生きてきた。そんな日常の中で、ふと意識しだした年下デザイナー伊藤の存在。どこか不器用な二人がともに歩き始めるには、今この瞬間に交わすキスが必要だった(表題作)。キスにまつわる温かくて切ないシーンを、やわらかな筆致で描いた短編集。
  • イン・ザ・ルーツ
    3.5
    1巻759円 (税込)
    大法螺吹きでラッパ吹きのじーちゃんが遺した精緻なミニチュア。この中に、過去の殺人事件を解く鍵と深い物語が込められているらしいが……。青春小説の名手が描くハートウォーミング家族小説。
  • インタビュー ザ・大関 運と人を味方につける
    4.5
    約700名の力士がいるなか、十両になれれば成功者と言われる大相撲の世界で、ほぼ頂点を極めた大関。そして、上には目指すべき横綱という地位がある……。大相撲において、大関とはどんな存在か? 大関という高みから見える景色は? そして、その重圧は? 本書では大関経験者23名の人気力士から話をきいた。
  • ウィザードグラス
    5.0
    大学生の陽輝の下に、ずっと連絡のとれなくなっていた兄から、突然荷物が届いた。荷物の中身は、見慣れない眼鏡型のデバイスとタブレット。説明によると、それは他人の検索履歴を見ることができるAR機器「ウィザードグラス」だった。なぜ兄はこんなものを自分の下に送ってきたのか。陽輝は次第に、ウィザード・グラスをめぐる予想外の事件へと巻き込まれていく――“1億総監視社会”の危険と希望を描き切り、巨大IT企業が個人情報を収集する現代へ警鐘を鳴らす。「プロパガンダゲーム」でデビューした著者による意欲作!
  • ウチの担任が熱すぎて!
    3.0
    都立高1年生の担任になった一文字カオル。クラスには問題児もいれば、陰湿なイジメもあるようだ。教頭は事なかれ主義の官僚タイプで頼りにならない。カオルは熱血指導で荒れた学校を立て直していく。彼は理想とする「金八先生」にどこまで近づけるのか!? 昭和な熱血教師に最初ウンザリ、後でジンワリ。 この作品は2015年8月角川春樹事務所より『熱血教師カオルちゃん』として単行本刊行された作品を文庫化、改題したものです。
  • 海色の壜
    3.7
    初老のマスターが営むその小さなバーには、酒の種類がひとつしかないという。出されたグラスの美しさに驚いていると、マスターは酒の名前を告げた。口に含んだとたん、目の前に海の景色が広がって――(「海酒」)。不思議なのに懐かしさを感じさせる、現代ショートショートの傑作集。1話5分で楽しめる、夢と驚きに満ちた世界がここに!
  • 海辺の週刊大衆
    3.5
    無人島に週刊大衆しかない!――テレビもない、ラジオもない、車は一切走ってない。あの村より何もない場所。ここは無人島。茫洋と広がる海辺に取り残された男がひとり。傍らには、何故だか“キング・オブ・週刊誌”の『週刊大衆』が一冊。“無気力文学”の鬼才が描く、徹底的に何も起きないサバイバル小説。カンカンと照りつける太陽の光と、『週刊大衆』の表紙の煌びやかな色彩の果てに、彼は何をみるのか。又吉直樹氏主演によるまさかの映画化で奇跡の文庫化。
  • 裏口は開いていますか? <新装版>
    4.0
    月波家の自宅裏口に若い男の死体があった。その日を境に、平凡だった家庭の生活の歯車が狂い出す。夫と妻はそれぞれ別の異性との情事に溺れ、子供たちは大人の裏の顔を知ることになる。事件に巻き込まれていく人々の保身や欲望、裏切りなどを、ブラックユーモアたっぷりに描いたサスペンス長編。
  • 怨み籠の密室
    3.4
    大学生の飛渡優哉に故郷の謂名村は禁断の土地だった。しかし、父が死に際の言葉を聞いて、病死した母は殺されたのではないかと思い、謂名村を訪れる。だが、待ち受けていたのは首吊り死体だった――。完全密室の謎を解いた果てに見えてくるのは、悲哀に満ちた家族の物語。探偵・海老原浩一シリーズ最新作!
  • 映画ノベライズ orange―オレンジ―
    4.2
    高野苺の大ヒットコミック、2015年12月12日全国東宝系にて実写映画公開の『orange-オレンジ-』脚本ノベライズ版。主演は土屋太鳳、共演は山崎賢人ほか。高校2年生の春、1通の手紙が届いた。差出人は、未来の「私」。10年後からの手紙が、臆病な「イマ」を変えていく――。
  • 駅と、その町
    5.0
    これは、あなたの住む町の話でもあるかもしれない。国鉄と私鉄が乗り入れている駅「立身」と、その周辺で起こる不可思議な出来事の数々。急行が去った後ホームに倒れていた男の謎、駅の売店に勤める女の謎。身近な町に、魔物が住む?
  • 越境捜査<新装版>
    -
    警視庁捜査一課で継続捜査を担当する鷺沼友哉は14年前に起きた12億円を搾取した男が失踪後、死体となって発見された未解決事件の捜査に乗り出すが難航する。真相解明を拒むかのような圧力。それは一体誰が? 神奈川県警の“不良刑事”宮野裕之とともに真実を抉り出す大ヒット警察小説、伝説のシリーズ第一弾。
  • エバーグリーン
    4.1
    漫画家になる夢をもつアヤコと、ミュージシャンを目指すシン。別々の高校に進学することになったふたりは、中学校の卒業式で、10年後にお互いの夢を叶えて会おうと約束をする。そして10年。再会の日が近づく。そのとき、夢と現実を抱えて暮らすふたりの心に浮かぶものは……。単行本刊行時、大反響を呼んだ青春小説の傑作がついに文庫化。恋と夢と現実のはざまで揺れ動くあなたに贈る物語。
  • エンジェルボール : 1
    4.0
    1~4巻561~594円 (税込)
    トラック運転手をしながら小学生の息子二人と広島県因島で暮らすバツイチ41歳の寺谷和章は、ある夜、交通事故に見舞われ、目の前に現れた謎の天使に“思いのままに飛んでいく魔球”を授かる。和章は「カープを日本一にする」という子供の頃の夢を叶えようと、広島カープの入団テストを受けに行くが……。家族とそれを取り巻く人間模様を通して、男の選択と生き様を描く長編エンターテインメント。第六回広島本大賞の小説部門大賞を受賞。
  • エースの遺言
    3.7
    悪夢の甲子園決勝再試合から25年。連投で限界を迎えたエースを登板させて炎上した元監督が辿り着いたマウンドの真実とは何か!? 大エースの苦悩と執念、監督の葛藤と不運――秘められた球児の思いと結末は感涙必至! 人間の真実を描き、予想もつかない真相が待ち受ける珠玉の短篇集。第38回小説推理新人賞を受賞した表題作を含む4篇を収録。
  • 沖縄オバァ烈伝
    続巻入荷
    5.0
    沖縄戦を生き抜き、老いてなお現役で働く沖縄のおばあちゃんたち。彼女たちのパワフルな日常生活とそのすばらしき人生哲学を生き生きと描いたルポエッセイ。出版されて以来沖縄でロングセラーとなり、日本中に「沖縄オバァ」の存在を知らしめた話題作。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • 沖晴くんの涙を殺して
    4.5
    1巻858円 (税込)
    11年前、北の大津波に呑まれた沖晴は死神と取引をしたという。人間の五大感情のうち『悲しみ』『怒り』『嫌悪』『怖れ』を差し出し、『喜び』だけが残されて生還した。高校生となった沖晴が瀬戸内の階段町で出会ったのは余命一年の音楽教師・京香だった。笑うことしかできない沖晴は京香と心を通わせることで次第に感情を取り戻していく。沖晴は京香の命が尽きる前に普通の少年に戻れるのか。感動の傑作青春恋愛小説、待望の文庫化!
  • お父さんはユーチューバー
    4.3
    宮古島のゲストハウス「ゆいまーる」のひとり娘、小学5年生の海香は絵を描くことが大好きで、将来は東京の美術大学に入りたいと思っていた。楽しく毎日を送っていたが、父親の勇吾が突如「俺はユーチューバーになる!」と宣言した――。宮古島の自然とゲストハウスに集う人々を通じて描く、涙なしでは読めない家族小説。
  • 乙霧村の七人
    3.5
    かつて乙霧村で、戸川稔という男に一家五人が殺されるという凄惨な事件が起きた。あれから二十二年──この事件を題材に『乙霧村の惨劇』という作品を書いた泉蓮が顧問を務める大学の文学サークルのメンバー六人がこの村を訪ねる。事件当時と同じ豪雨の中、彼らは斧を持った大男に襲われる。閉ざされた集落で一体何が起きたのか!? 戦慄のホラー・サスペンス!
  • 俺達の日常にはバッセンが足りない
    -
    家族で土建業を営むシンジのもとに、中学の同級生・エージが転がり込んできた。周囲に迷惑ばかりかけてきたエージはある日、バッセン(バッティングセンター)を作ろうと言い出す。まともな事業計画もないまま、信用金庫に勤める旧友のミナに高額の融資を申し込むが、馬鹿じゃないのと一蹴される。だがその後、ミナが融資を通したという……。次々と登場する個性溢れる人間たちはなぜ「バッセン」に吸い寄せられるのか。お金を稼ぐよりも名誉を得るよりも大切な「バッセン」とは――。今、私たちに必要なモノやコトが見えてくる長編小説。
  • 俺は駄目じゃない
    4.4
    下着泥棒と間違えられて逮捕され、職も失った35歳の独身男。誤認逮捕の経緯を書いたブログ「俺は何もやってません」が、予想外の反響を呼んで、“エンザイ男”としてちょっとしたヒーローにまつりあげられてしまう。自分にできることだけコツコツやってるだけど、なんとなく、少しずつ、何かが変わってきた……!?『とげ』など、著者の代名詞「巻き込まれ型小説」の決定版!どん底に落ちるまでも、はい上がるまでも、とことん巻き込まれまくって、読後感は爽快!!
  • 終わりまであとどれくらいだろう
    3.5
    2003年4月5日。桜が咲き乱れる東京を、6人の男女がさまよっていた――。子猫を隠れて飼うロッカー、恋人との別れに怯えるレズビアン、セックス中毒の経営コンサルタント……。破格のスタイルとドライヴ感溢れる文章で、人間の純粋さと弱さ、痛ましい希望を描いた現代日本文学。「アヴェ・マリア」も併録。
  • 海岸通りポストカードカフェ
    4.0
    横浜みなとみらいにある風変わりな喫茶店。お客さんから送られてきた絵葉書を大切に保管し、壁一面に張ってある。だから書いた本人はいつでも想い出に出会えるし、知らない人にも楽しんでもらえたりする。今だからこそ、手書きでしか書けないことがある。喫茶店をめぐる人間模様は、温かく、せつなく、さわやか。読んだ後は、大切な人に手紙を書きたくなります。
  • 会社を綴る人
    3.9
    普通の人ができることがうまくできない――はたから見ればポンコツのアラサー男子・紙屋がなんとか内定をもらったのは老舗の製粉会社だった。案の定、配属された総務部では仕事のできなさに何もしないでくれと言われる始末。しかし紙屋は唯一の特技「文章を書くこと」で社内で起こる小さな事件を解決していく。すこしずつ自分の居場所を見つけていく一方で、会社は転換期を迎え……。
  • 鏡よ、鏡
    3.0
    莉南と英理子は化粧品会社の美容部員。愛想がよく、コミュニケーション力に長けた莉南。自分の価値観を優先し、上っ面の付き合いを嫌う英理子。対照的な二人は自分にないものを持った相手に惹かれ、親交を深める。だが、あることを機に英理子は会社側と対立する。そのとき莉南は――。現代を生きる女性二人の友情と決断の物語。
  • かごめかごめ
    3.0
    「ゴミ清掃員」として多数メディア出演しているマシンガンズ滝沢秀一。ゴミ清掃業を始めた際、「ゴミは個人情報の宝庫だ」という気付きから執筆された小説が本作である。2013年スマホ小説サイト「E☆エブリスタ」で閲覧数2万人を突破し、ホラーオカルトカテゴリーで最高位2位を記録した『鬼虐め』を改題、今回文庫化にあたり加筆修正した。 とある女性のストーカーを始めた主人公。しかし、いつの間にかその立場は「追う」側から「追われる」側へと逆転していく。それは真の恐怖への序章に過ぎない。童謡『かごめかごめ』の詩に隠された歴史が紐解かれていく――。
  • 可制御の殺人
    4.0
    女子大学院生が自宅の浴室で死亡しているのが発見された。警察は自殺と判断したが、その裏には人間も機械と同様、適切な入力(情報)を与えれば、思い通りの出力(行動)をすると主張する謎の男・鬼界の存在が。他人を意のままに操る鬼界の目的とは何なのか? そして、人間は本当に機械と同様、自在に制御することが可能なのか? 第42回小説推理新人賞最終選考で選考委員から高く評価された若き才能によるデビュー連作短編集。
  • 家族
    3.5
    ホームレスの男が盗み目的で住宅に侵入し、認知症の老女を殺害したとして逮捕された。男はこの事実を認め、新裁判員制度での裁判がはじまった。裁判員のひとり谷口みな子は、自身の経験から、この事件を老女の息子による嘱託殺人ではないかと疑っていた……。大いなる家族愛を描く、感動の法廷ミステリー。テレビドラマ化作品、待望の文庫化。
  • 家族ずっと
    3.8
    1巻528円 (税込)
    男ひとりのやもめ暮らし。近接したマンションからは小さな子どもが二人いる家庭の、賑やかな会話が聞こえてくる。一人で夕飯をつつきながら思う。疎遠になった娘は今どうしているだろうか。「裏窓の食卓」など8編。ラストに光が射し込み、家族の絆を鮮やかに浮かび上がらせる、シリーズ40万部突破の第5短編集。
  • 家族の言い訳
    3.6
    1巻528円 (税込)
    単行本刊行時「もっと早く読んでいたら私も離婚にならなかった」「バスの中で涙で読めなくなり、恥ずかしくなるくらいでした」「もう人生の終わりに近づきこの本を読んだのは残念」などの温度の高い感想が、特に女性から多数寄せられた、直球の人生小説集。
  • 家族のかたち
    4.0
    1巻825円 (税込)
    家族とは、自然に「ある」ものではなく、「なる」ものではないか。人間の一人一人が持つ希望や悩み。そこには、家族の数だけドラマがあり、笑いもあれば涙もある――。一貫して「家族」のあり方を描いてきた著者の作品から、選び抜かれた7編を収録。ときに切なく、ときにあたたかく。多くの読者の涙を誘った「家族」シリーズのベスト版。
  • 家族の見える場所
    4.5
    1巻528円 (税込)
    45万部突破のベストセラー「家族小説短編集」シリーズ第7弾! 東京の大学に合格して一人暮らしを始める息子は、旅立ち間際になっても愛想がないことこの上ない。物足りなさと一抹の寂しさを覚えた母は一計を案じ……「笑えよな」など、思わずほろりとする珠玉の8編(「最後のお便り」「閉園近し」「夫婦すごろく」「かわいい娘」「イキヌクキセキ」「笑えよな」「柱の傷は」「後出しジャンケン」を収録)。平凡な家族に訪れる「ドラマな」瞬間をどうぞ。
  • 家族の分け前
    4.0
    1巻528円 (税込)
    苦情処理係に異動となり、うつの症状が出て会社を一カ月ほども休んでいる父。息子は父の一番好きな場所に行った。父に会って二人きりで話したかった――「それでも鳥は空を飛ぶ」など、心温まる短編集。累計35万部突破、大評判の家族シリーズ第4弾、待望の文庫化!
  • 傍聞き
    3.6
    娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心動かされる「傍聞き」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。巧妙な伏線と人間ドラマを見事に融合させた4編。表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞!
  • 活動寫眞の女<新装版>
    4.3
    京大生の<僕>は、古びた映画館で清家忠昭に出会い、彼のつてで映画撮影所のアルバイトをすることになった。ある日、清家は撮影所に現れた美しい女と恋に落ちる。しかし、彼女は三十年前に自殺したはずの女優だった――。清冽な叙情とたおやかな文章で綴る、青春恋愛小説の傑作。
  • 彼方のアイドル
    3.0
    妊娠した。お腹にいる子どもへの愛とつわりへの憎しみを両立させてほしい/「理想のいれもの」。顔の大きなホクロ、ついにコンプレックスから解放される日が来た/「君の線、僕の点」。中学生の息子に髭、母親の頭にはいつしか白いものが/「彼方のアイドル」。誰の身にも起こりうる身体の変化、そこから立ち上がる新たな景色とは――。各話に託されたポジティブなメッセージが、胸に心地よく響く五編。 解説・瀧井朝世 ※本作品は2019年5月に小社より刊行された『魔法がとけたあとも』を文庫化に際し改題したものです。
  • 彼方の悪魔
    3.3
    語学留学から帰国した男子学生はペットのリスの死骸を持ち帰り、自宅の庭に埋めてやったが、その日から高熱を出した。なんとリスはペスト菌に冒されていたのだ。一方、男子学生の自宅にほど近いところには美しい女性キャスターが住んでいる。その彼女に歪んだ愛情を抱くのは、病的に潔癖なうえ、セントポーリアに埋め尽くされた部屋で暮らす男。忍び寄るペスト菌と、男の異常な行動。ふたつの”病”が交わる先には想像を絶する恐怖が待ち受けていた。
  • 彼女が花に還るまで
    4.0
    1巻704円 (税込)
    大学生の谷村温人は、ある日、同じ大学に通う学生で、どこか花のような儚さを思わせる花守木綿子と出逢う。一緒に花見をしたり、ナノハナ畑を見に行ったりと、様々な出来事を経験し、その優しい人柄に触れていくうち、徐々に木綿子に惹かれていく温人。しかし、木綿子には人に言うことができないある秘密があった——。切なくも温かく、そしてなにより美しい、唯一無二の愛を描いた落涙必死の感動作!
  • 彼女が私を惑わせる
    4.0
    専業主婦の榎本佐和子は、フードコーディネーターの友人からバイトを頼まれる。手伝いを続けるうちに編集者から声をかけられ、主婦向け生活実用誌のレシピコーナーに出演。これをきっかけに、料理研究家としてデビューする。いきなり有名人となり、暮らしぶりや態度が変化していく彼女の存在に家族や友人は心をざわつかせる。女性の微妙な気持ちが交差する連作短編集。 ※本作品は2017年10月に小社より単行本として刊行された『ざわつく女心は上の空』を文庫化に際し改題し、加筆修正をしたものです。
  • 神坐す山の物語
    4.1
    奥多摩の御嶽山にある神官屋敷で物語られる、怪談めいた夜語り。著者が少年の頃、伯母から聞かされたのは、怖いけれど惹きこまれる話ばかりだった。切なさにほろりと涙が出る浅田版遠野物語ともいうべき御嶽山物語。
  • 紙のピアノ
    4.5
    あの人に響け、ありったけの想い――。貧しさゆえイジメに遭っていた白石ほのかは、町のピアノ教師・二ノ宮に助けられた。ほのかの音楽的才能を見抜いた二ノ宮は、献身的にピアノを教えこむ。音大に入ったほのかは、プロのピアニストを目指すため、コンクールに挑むことを決意する。奏でられる奇跡のメロディに感涙必至のミュージックストーリー!
  • 紙一重 陸の孤島の司法書士事件簿
    3.0
    日本一の過疎の村に引越してきた、若き司法書士の久我原。古民家で開業した彼の事務所に、村人たちのやっかいな依頼が舞い込む。戸籍をたぐりながら、美しき依頼人の家に隠されていた過去の事件をあぶりだす「遠田の蛙」(第32回小説推理新人賞受賞作)をはじめ全6編を収録。現役の司法書士が描く、法律&人情ミステリーの新境地! 『ゼロワン』改題
  • 唐沢家の四本の百合
    3.5
    唐沢慎介の三人の息子たちの嫁と、慎介の後妻の車椅子の美しい連れ子。四人の女性は雪に閉ざされた慎介の別荘で彼の到着を待っていた。そこに不吉な速達が届く。これまで他人同士だが仲良く幸せに暮らしていた彼女たちが、突然、恐怖のどん底に突き落とされる。美しい文章と卓越した心理描写で綴る極上の長篇心理サスペンス!
  • 幹事のアッコちゃん
    4.0
    アッコさん節、次々とサク裂! 妙に冷めている男性新入社員に、忘年会プロデュースの極意を…(「幹事のアッコちゃん」)。敵意をもつ取材記者に、前向きに仕事に取り組む姿を見せ…(「アンチ・アッコちゃん」)。時間の使い方が下手な“永遠の部下”澤田三智子を、平日の習い事に強制参加させて…(「ケイコのアッコちゃん」)。そしてアッコ女史にも一大転機が!? 大人気シリーズ第3弾待望の文庫化。
  • 感染シンドローム
    3.5
    1巻847円 (税込)
    タジキスタンで原因不明の感染症が発生した。フリージャーナリストの御堂万里菜は年下のAD小島と共に現地取材に出発するが、乗り換え地のモスクワで小島がウイルス感染の症状をみせて突然死する。特効薬のないウイルスが全世界で猛威を振るう中、ひとりの女性ジャーナリストが真実を追う! ※この作品は2016年4月に新潮社より刊行された単行本『シスト』に加筆訂正を加え、改題して双葉社より文庫化したものです。
  • 学園×封鎖
    -
    ある昼下がり、平和な高校がテロリストに占拠された。テロリストたちは謎の生物兵器を所持しており、重傷を負ったテロリストの女リーダー、鬼灯は、生物兵器のウィルスを自らの体に注射させた。 それは、自衛隊すら侵入を躊躇させる危険なものだった――テロリストと生徒たちによる、命がけの戦いが始まった!! E☆エブリスタ発、大人気学園サバイバル。
  • GF ガールズファイト
    -
    若い女性がそれぞれの世界で頑張る姿を描いた短編集。落ち目のアイドルがかつての栄光を取り戻すべく一発逆転の大勝負に出る。果たして復活できるのか?(「キャッチライト」)や、白バイ隊員になりたかったが、背が伸びず断念したバイク乗りの情熱(「ペガサスの翼」)など、どれを読んでも共感度抜群の5編を収録。
  • 鬼女の顔
    -
    能面打ち師が拾ってきた顔に傷がある女。その女の素性を調べていくと、京の都に巣くう「鬼」の姿が浮かび上がる(「鬼女の顔」)。都で名高い桜の木を愛でる老貴族を襲った厄災。その背後には南朝の残党が……(「桜供養」)。京の街で土倉(高利貸し)が襲われる事件が続発する。都を騒がす事件の真相とは!?(「去にし時よりの訪人」)。応仁の乱前夜の京の都で観世座の能楽師と訳ありの弟子が人々の心に棲む鬼が起こした難事件に立ち向かう、第36回小説推理新人賞受賞作家、圧巻のデビュー連作集。 ※本作品は2019年4月に小社より刊行された『去にし時よりの訪人』を文庫化に際し改題し、加筆・修正したものです。
  • 奇跡の人 The Miracle Worker
    4.3
    盲目で、耳が聞こえず、口も利けない少女が弘前の旧家にいるという。明治二十年、教育係として招かれた去場安は、その少女、介良れんに出会った。大きな苦難を背負った少女と、人間の可能性を信じて彼女の教育に献身する女教師、ふたりの長い闘いがはじまった――。『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』の著者、渾身の感動傑作!
  • きばいやんせ!私
    -
    不倫騒動で週刊誌に叩かれ左遷された女子アナ・貴子は投げやりな日常を過ごしていた。だが、取材先の南の田舎町でひょんなことから「消えようとする伝統の祭り」を再興させるために奮闘することになっていく。ままならぬ日常に元気を与える、夏帆主演、2019年3月9日公開映画の原作本。
  • 君想曲
    -
    アロマショップで働く聖は、人気作詞家の遼と出会う。三年後、恋人になった二人は、仲睦まじく暮らしていた。遼が取り組んでいるのは「君想曲」――君を想う曲。その矢先、遼が交通事故に遭う。一命は取り留めたが、後遺症で人格が変わった遼に、聖は戸惑う。「君想曲」は完成するのだろうか。愛の強さを問う感動長編。
  • 狂犬
    5.0
    愛する妻子を惨殺した凶悪犯、永倉を七年間追い続ける警視庁強行犯担当刑事・神条俊輔。復讐に燃える不死身の肉体を駆使し、逮捕のためなら手段を選ばぬ非情な神条は裏社会で「狂犬」と恐れられている。そしてついに、神条は永倉一味が沖縄に潜伏中との情報を掴む。だがそれは、さらなる血の雨の前触れに過ぎなかった。ハードアクションの旗手がぶっぱなす、超ド級の快作!
  • 脅迫者
    -
    銀座のホステスとのドライブ旅行の帰宅途中に交差点で起こしてしまった交通事故。加害者は被害者とは意外な関係にあった。故意によるものか偶然の出来事か……!? そこから始まった被害者からつぎつぎにつきつけられる要求。しかし、その関係におもわぬ結末が!
  • 極刑
    3.8
    愛娘を殺されながらも極刑を望まなかった半田龍樹は、妻とも別れ、小さな居酒屋を始めた。一見、平穏に流れる日々――。だが、常連客は知らなかった。龍樹の陰の“制裁”を。卑劣な罪を犯しながらも逃げおおせた者を執拗に追跡し、淡々と運命の引き金を引いていく龍樹。黒い血に塗れた両の手は、やがて思いがけない事態を引き寄せてしまう。猛毒ミステリー『いっそこの手で殺せたら』で大注目の新進作家、衝撃のデビュー作。
  • きらきら眼鏡
    4.4
    最後の1ページまで切ない――人生の岐路に立つ若者の、ひたむきな恋と決断の物語。愛猫を亡くしたばかりの立花明海は古本屋で自己啓発本を買った。中には「大滝あかね」と書かれた名刺が挟まっていて、自分がもっとも心を打たれたフレーズには傍線が。明海は思い切ってあかねにメールしてみるが……。2018年9月映画公開。
  • 禁煙小説
    3.8
    どこに行っても喫煙者は肩身の狭い時代になった。早和子も年に10回は禁煙しようと心に誓うが、未だにタバコが心の友となっている。会社の数少ない喫煙女子社員も次々に禁煙し、いよいよ早和子は本気を出す。禁煙本も禁煙ガムもニコチンパッチも挫折した彼女は、果たして禁煙に成功するのだろうか!? ※垣谷美雨原作の『結婚相手は抽選で』が2018年10月からテレビドラマ化! ドラマも原作本も必見です。
  • キング・メイカー
    -
    たった100円で人生が変わる!? 崖っぷちの男を救ったのは、ひとりの天才との出会いだった。地味で冴えないボクサー・黒木のもとに、ある日、「PRマンとして雇ってほしい」という男が現れた。黒木はアルバイトに勤しむ自分に声を掛ける男にうさんくささを感じたものの、100円という契約料の安さに思わず契約を結ぶ。しかし、その時彼はまだ知らなかった。この愛想のいい男が、「世間を騙す」プロだということを――。底辺から頂点を目指す、型破りのマネージメントスポーツ小説。
  • 逆転泥棒
    3.9
    善人と書いてヨシト、なのに空き巣で前科二犯の俺。出所早々、懲りもせず忍び込んだ豪邸の主は、なんと初恋相手の美女マリアだった。後日、偶然を装って再会し、急速に距離を縮めていく二人……だが、彼女に「夫を殺してくれない?」と頼まれ困惑する俺。不穏な現在と、懐かしく切ない平成の青春が交錯する物語の結末は――。この逆転劇は絶対誰にも予想できない! ※本作品は2020年に小社より単行本刊行された『あなたに会えて困った』を文庫化に際し改題し、加筆修正をしたものです。
  • 空洞に響け歌
    値引きあり
    4.3
    メジャーデビューを果たしたロックバンド「サイナス」。バンドの中心的存在である天才ボーカリスト・ミツトがマンションのベランダから転落し、突然この世を去った。事故か自殺かも判然としないまま、大切な存在を失ったメンバーの日常は一変する。バンドを存続させるのか、解散か。これからどうやって生きればいいのか──。悲しみと不安を抱えながらも未来を切り拓こうとする若者の姿と音楽でつながった仲間の絆を描く、喪失と希望の物語。 ※本作品は2020年2月に小社より刊行された『空洞電車』を文庫化に際し改題したものです。
  • 九月の恋と出会うまで
    3.8
    「男はみんな奇跡を起こしたいと思ってる。好きになった女の人のために」―‐ある日北村志織は、自室の壁の穴から“一年後の今日”を生きているという人物の声を聞いた。「平野です」その人物は、同じマンションに住む男性だという。半信半疑ながら、平野に言われた通りに行動する志織。平野にはある目的があった――「書店員が選んだもう一度読みたい恋愛文庫第1位」に輝いた、時空を超えた奇跡のラブストーリー。
  • 暗闇で踊れ
    4.3
    警視庁三課の刑事・神崎は大量の古美術品が市場に出回ったことから、捜査をはじめた。彼が辿りついた松涛の富豪・井上家で、身寄りのないはずの井上を世話をしていたのは、榊田恵、学の姉弟。ふたりは井上の隠し子だという。事件の臭いを感じた神崎は密かに内定を始めたのだったが、いつしか仕事を忘れ恵の身体に溺れてしまう――。
  • クランクイン
    4.0
    とある日。広告代理店に勤める根本に、ベストセラー小説を映画にするよう社命がくだる。映画好きの根本は喜び、映画製作に邁進するがトラブル続出……果たして映画はできるのか。『震える牛』『ナンバー』『トップリーグ』の著者が満を持して放つエンタメ小説の快作!
  • クレオパトラの夢 新装版
    3.7
    北国のH市を訪れた神原恵弥。不倫中の双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった。H市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の欲望を掻きたててきたそれは、存在自体が絶対の禁忌(タブー)であった――。シリーズ第二弾、新装版!
  • グッバイ、マスターピース
    3.0
    かつて志した漫画家になるという夢を諦め、ありふれた高校生活を送る紅藤凪斗。ある日、彼の夢をひとり信じ続けていた幼馴染・二藍波が病に倒れ、世間から隔絶された生活を送ることになる。さらに時を同じくして、波が長年愛してきた漫画が作者の不祥事のため未完のまま打ち切られてしまう。日に日に病状が悪化する波に希望を与えるため、凪斗は打ち切りの事実を隠しつつ作品の続きを描き、「傑作」のまま彼女に届けることを決意する。友情、恋心、夢への憧憬……青春のすべてが煌めく感動作!
  • グレイゴースト
    -
    渋谷署の刑事・篠塚は、祖父が衆議院議員、父も参議院議員という名家の生まれだが、17年前、不正献金の疑いをかけられた父が謎の死を遂げた。その因縁は警察組織に身を置く篠塚に今も影を落としている。渋谷署管内で合成ドラッグ「グレイゴースト」を吸引した者たちが次々に死亡するという事件が起こる。篠塚は正体不明の売人を追うが……
  • 警官の貌
    3.7
    警視庁捜査三課で盗犯一筋のベテラン刑事が見抜く真犯人は?(今野敏「常習犯」)ほか、警察小説のてだれによる傑作作品集。どれも新鮮な驚きに満ちた、珠玉の短編が揃っています。
  • 警官の目
    4.0
    豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。父親と同じく警察官になった男が、父の起こしたある事件の真相を知る「汚名」(五十嵐貴久)、大好評の萩尾警部補シリーズから「消えたホトケ」(今野敏)、事件解決の端緒に不審な……「裏切りの日」(誉田哲也)、かつてない逃走方法で逃げる犯人を追う「シェパード」(三羽省吾)の4編を収録。
  • 警視庁公安0課 カミカゼ
    3.9
    1~4巻638~814円 (税込)
    過激思想が疑われる市民団体〈パグ〉を内偵中の公安0課作業班員・藪野と友岡は東雲の武器密造工場に侵入。激しい銃撃戦の末、二人とも行方不明になる。事態を重く見た警視庁上層部は新たな作業班員の投入に着手。「刑事の匂いがしない者」として浮上したのは三鷹で交番勤務する瀧川。少年課への異動を望む瀧川に仕掛けられる罠。やがて壮絶な公安教育を経て作業班員となった瀧川は、いきなりパグの潜入を命じられる。週刊大衆連載で話題沸騰のハードアクション、ついに登場!
  • 刑事の慟哭
    3.8
    新宿署の刑事・田丸は捜査本部の方針に反して捜査をして犯人を挙げたことがあり、厄介者扱いされていた。管内でOLの絞殺体が見つかったが、田丸は捜査の主軸からはずされてしまう。閑職に回されていた田丸は帰宅途中に歌舞伎町の人気ホストの刺殺体を偶然発見し、OL殺しとの思わぬ共通点を発見する。そのことを捜査会議で提案するが一蹴され、相棒の神無木と密かに捜査を行うことに――。ミステリー界注目の著者が送る感涙の警察小説!
  • 刑事の灯
    3.3
    新進気鋭、豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。男の遺体に残された謎の傷痕とは……「星の傷痕」(麻見和史)。新人の女刑事を助ける不思議な派出所……「道案内 警視庁捜査一課・小野瀬遙の黄昏事件簿」(沢村鐵)。犯人の心が読めちゃう美人刑事の登場……「読心刑事・神尾瑠美」(藤崎翔)。首相夫人腹上死事件に公安刑事2人が挑む……「ファーストレディの黒子」(吉川英梨)。傑作4編を収録!

最近チェックした本