鈴木継美一覧

  • 人類生態学の方法
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    1巻1,100円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人間にかかわる諸科学のそれぞれの領域において(中略)取り上げられる問題は常に関連する他領域の問題と容易には分離しえない。時には同じ問題を異なった方法によって研究しようとすることによって領域区分が辛うじて成立するという事態も稀ではない。人類生態学もまた、人間にかかわる科学の一つである。とすると、この錯綜しもつれ合っている人間諸科学のそれぞれのなわばりの中に割って入って、その独自性を主張するためには、際立って強力な個性が必要なはずである。そのような個性がはたして人類生態学に存在しうるのだろうか。  人類生態学の研究領域は個体・個体群での水準に主力が置かれるべきで、必要な場合にそれが生態系生態学、生物群集の生態学と連携するということになる。生物群集、生態系の研究として人間が扱われる場合、当然のことであるが、人間は研究対象の一部分である。もちろん、人間を含んだ研究なしには、この両領域の研究は今後意味を持ちえない。そして人類生態学の中からこの分野に進出する研究者が育つことは大いに望ましいことである。しかし、そうなるためには、個体・個体群水準での人類生態学が今後それなりの充実を遂げることが先決であろう。  まず地域を設定し、それから人間を眺めるという物の見方と、そうではなく、まず人間をとらえ、次にその環境へと視点を移して行くこととは、一見大差がないようでありながら、具体的には大きな違いを作る。人類生態学者の物を眺める向きは、地理学者のそれとは逆になっている。その点では、人類生態学は生物学、人類学と共通した問題のとらえ方をするといえるだろう。(「第1章 人類生態学とはいかなる科学か イ 研究の領域と方法」より) 目次 まえがき 第一章 人類生態学とはいかなる科学か  イ 研究の領域と方法  ロ 実験科学か野外科学か  ハ 人類生態学の扱う「問題」 第二章 人間とその環境  イ 情報としての環境  ロ 生態学的複合  ハ 各種のアプローチ 第三章 手作りのセンサス 第四章 センサスから人口動態ヘ 第五章 人口の長期変動 第六章 人口調節のメカニズム  イ 人口の再生産  ロ 人口の移動 第七章 生業の構造  イ 生業を把握するために  ロ 生業活動の記録  ハ 分業と協業  ニ 投入される活動と産出されるもの 第八章 消費の諸側面  イ 生産から消費ヘ  ロ 分配の機構  ハ 入手可能性と受容  ニ 消費と支出 第九章 環境の評価  イ 生息の場所  ロ 環境の個別性  ハ 順応・同化・文化変容  ニ 適応の破綻 文献と参考書
  • 人類生態学ノート
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    1巻1,100円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 この本は、一九六九年に東大医学部保健学科で行なわれた総合講義を上台として作られた。暑い時期に二日にわたって開かれた講義は、学生諸君だけでなく、大学院学生、教官をも含めて狭い教室は満員という状況で進められた。それは人類生態学という新しい学問領域に対して、保健学科の仲間が並々ならぬ関心を持ち、それを育てあげようとしてくれていることの具体的なあらわれのように思えた。  人類生態学者であると自らを規定するのには、あまりにも未熟な段階にあることを承知の上で、学部外の先生方にも応援をお願いし、その御助力によって、何とか人類生態学のアウトラインを引いてみたいというのが、この企画のときのいつわりのない気持であった。もとより人類生態学それ自体の内容が今回の諸テーマによってすべてカバーされているとはいえない。その意味でこの本は私たちの勉強の一つのステップであり、この本を読んで下さる方々からの御批判。御助言によってさらにもっと多くの階段を上っていかなければならない。  人類生態学に関する関心が、徐々に拡がっていることを肌に感ずることが多くなった。わが国で数少ない「人類生態学教室」で勉強する者として、いろいろな意味で荷が重いことを痛感することもまた多い。(「はしがき」より) 目次 はしがき I 人類生態学序論……勝沼 晴雄  ヒューマン・エコロジー/人類生態学理解のために/人類生態学と健康養護/人類生態学からみた生活・経済の位置づけ/総括 Ⅱ 文化的環境と人間……泉 靖一  文化の概念/文化の内容=要素/人類の進化と文化の形成 Ⅲ ヒトの生態と進化……渡辺 仁  はじめに/人類の分類的な位置/進化のステージ/ ヒトの進化/アウストラロピテクス/ピテカントロープス/ネアンデルタール人/ホモ・サピエンス/まとめ Ⅳ 適応の弾力性……鈴木継美  生息の場所とサプシステンス・エコノミー/生物的適応と文化的適応/栄養所要量ということ/人間・裸の動物/将来にわたっての適応能の問題 Ⅴ 人類の疾病・死亡と環境――死亡の季節変動形態を中心として――……籾山 政子  人類の疾病・死亡と環境/人類の疾病・死亡の季節変動形態 Ⅵ 人口密度の社会的・生物的影響……竹本泰一郎  はじめに/集団密度が高い状態での影響/孤立状態での影響/まとめ Ⅶ バイオメーターとしての血色素濃度……松本信雄  はじめに/血色素研究のあゆみ/変動の諸相について/人間と環境との交渉/生活諸要因との関連 Ⅷ 人類生態学・解題……鈴木 継美  人類生態学に向けての学問の流れ/個体・集団・生物群集/群れの側からみるか場の側からみるか/環境というもの/おわりに

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