将基面貴巳作品一覧

  • 愛国の起源 ――パトリオティズムはなぜ保守思想となったのか
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    「愛国」思想は現在、右派や保守の政治的立場と結びつけて語られる。しかしその起源は、かつて古代ローマの哲学者キケロが提唱したパトリオティズムにあった。フランス革命では反体制側が奉じたこの思想は、いかにして伝統を重んじ国を愛する現在の形となったのか。西洋思想史における紆余曲折の議論を振り返り、尊王思想と結びついた明治日本の愛国受容を分析、さらに現代のグローバルな視点からパトリオティズムの新しい可能性を模索する。
  • 愛国の構造
    3.0
    国家が「愛国」の対象となったのは歴史的偶然にすぎず,人は国を愛さないこともできる.愛の対象の実相を追って,キケロ,アウグスティヌス,ヴェイユ,ミュラー,福沢諭吉,清水幾太郎など古典古代から現代までの多様な愛国論を渉猟し,愛国の構造を追究した野心作.無自覚な国家信仰を掘り崩すために.

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  • 言論抑圧 矢内原事件の構図
    -
    1巻550円 (税込)
    言論はどのように封じ込められてしまうのか? 1937年、東京帝国大学教授の矢内原忠雄は、論文「国家の理想」が引き金となり、職を辞した。日中戦争勃発直後に起きたこの矢内原事件は、言論や思想が弾圧された時代の一コマとして名高い。本書は、出版界の状況や大学の内部抗争、政治の圧力といった複雑な構図をマイクロヒストリーの手法で読み解き、その実態を抉り出す。そこからは愛国心や学問の自由など、現代に通じる思想的な課題が浮かび上がる。 【目次】 序章 矢内原事件とマイクロヒストリー 第一章 言論人としての矢内原忠雄 1 戦前・戦中の活動と生活 2 政府批判とその真意 第二章 出版界と言論抑圧 1 舞台となった総合雑誌 2 政府当局の介入 3 非難キャンペーンと蓑田胸喜 4 周辺への捜査 第三章 東京帝国大学経済学部をめぐる抗争 1 揺れる経済学部 2 教授会前後の駆け引き 3 東京帝大総長の日記 第四章 辞職の日 1 情勢急転 2 大学の自治と政治の圧力 第五章 事件の波紋 1 知識人やメディアの受け止め方 2 矢内原事件が意味したもの 終章 矢内原事件に見る思想的諸問題 1 ふたつの愛国心 2 学問の自由と大学の自治 3 言論抑圧をどう捉えるか あとがき 復刊にあたってのあとがき 主要参考文献 矢内原事件関連年表 【著者】 将基面貴巳 1967年神奈川県横浜市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。シェフィールド大学大学院歴史学博士課程修了(Ph.D.) 。研究領域は政治思想史。現在はオタゴ大学人文学部歴史学教授。英国王立歴史学会フェロー。『ヨーロッパ政治思想の誕生』(名古屋大学出版会2013年)で第35回サントリー学芸賞受賞。著作に『政治診断学への招待』(講談社選書メチエ2006年)、『反「暴君」の思想史』(平凡社新書2002年)がある。最新刊は『日本国民のための愛国の教科書』(百万年書房)、『愛国の構造』(岩波書店)。
  • 従順さのどこがいけないのか
    4.3
    理不尽な出来事に見てみぬふりをしていませんか? 誰かのいうことに従っていても、世の中は解決しない問題だらけ。打開するには自分で声をあげるしかありません。そうしたあなたに勇気と思考を与えます。
  • 日本国民のための愛国の教科書
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    全国民必読の決定版。正しく日本を愛するための教科書。 「日本人なら日本を愛するのは当然だ」で片づけず、この問題についてみんなで一緒によく考えていきましょう。 【目次】 レッスン1 愛国心を持つことは自然なことか レッスン2 国を愛することは簡単なことか レッスン3 国のために尽くすことは正しいことか レッスン4 国をどのように誇りに思うべきか レッスン5 愛すべき〈祖国〉とは何か レッスン6 愛国心の落とし穴とは何か レッスン7 愛国者の覚悟とは何か 読書案内 あとがきにかえて 【著者】 将基面貴巳 1967年神奈川県横浜市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。シェフィールド大学大学院歴史学博士課程修了(Ph.D.) 。研究領域は政治思想史。現在はオタゴ大学人文学部歴史学教授。英国王立歴史学会フェロー。『ヨーロッパ政治思想の誕生』(名古屋大学出版会、2013年)で第35回サントリー学芸賞受賞。著作に『言論抑圧 矢内原事件の構図』(中公新書2014年)、『政治診断学への招待』(講談社選書メチエ2006年)、『反「暴君」の思想史』(平凡社新書2002年)。最新刊は『愛国の構造』(岩波書店)。
  • 反「暴君」の思想史
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    わたしたちはいま、「暴政」のなかにいる。 「暴君」なんて昔の存在、「暴政」なんてよその国のこと……本当にそう言いきれるだろうか? 真の暴君は暴君であることを隠す。それを見破る目をもたなければ、あなたは知らないうちに暴政のなかにいる。アリストテレス、オッカム、『葉隠』、吉田松陰など、古今東西の政治思想家の闘いの軌跡をたどり、反「暴君」の論理=「共通善」の思想をさぐる! 【目次】 第1章 「暴君」は今もいる 1 現代日本「危機論」「再生論」の陥穽 2 「理想」と「現実」の倒錯 3 「共通善」に対する倫理的義務 第2章 暴政とは何か 1 古代中国における「暴政」論 2 アリストテレスの「暴政」論 3 中世ヨーロッパにおける「暴政」論 4 福沢諭吉による「暴政」批判 第3章 暴君放伐論 1 西洋の古典的暴君放伐論——キケロ 2 中世ヨーロッパの暴君放伐論——ソールズベリーとアクィナス 3 古代中国の湯武放伐論——孟子 4 江戸時代の湯武放伐論——山鹿素行・荻生徂徠・吉田松陰 第4章 不正権力の矯正 1 中世ヨーロッパの「兄弟愛的矯正」の理念——オッカム 2 古代中国における「諫言」 3 『葉隠』にみる「諫言」 4 吉田松陰と「諫言」 第5章 共通善思想と日本 1 「共通善」を個人がどう認知するか 2 「良心」のもつ権威 3 「良心」と「心情」 4 「心情主義と」「心情倫理」 5 暴君放伐とテロを分かつもの 6 「心情主義」を超えて 終章 比較政治思想史という視座 あとがき 復刊にあたってのあとがき 読書案内——参考文献に代えて 【著者】 将基面貴巳 1967年神奈川県横浜市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。シェフィールド大学大学院歴史学博士課程修了(Ph.D.) 。研究領域は政治思想史。現在はオタゴ大学人文学部歴史学教授。英国王立歴史学会フェロー。『ヨーロッパ政治思想の誕生』(名古屋大学出版会2013年)で第35回サントリー学芸賞受賞。著作に『言論抑圧 矢内原事件の構図』(中公新書2014年)、『政治診断学への招待』(講談社選書メチエ2006年)。最新刊は『日本国民のための愛国の教科書』(百万年書房)、『愛国の構造』(岩波書店)。

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