菊谷節子作品一覧

  • グレ子とわさお
    4.0
    1巻990円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 テレビやブログで大人気!元祖ブサかわ犬わさおと心の友グレ子、仲良し2匹のゆるかわフォトブック。 以下、「グレ子とわさおと飼い主かあさん(菊谷節子)」より  わさおは9年前の11月、近くの「海の駅」に捨てられてたの。生まれて5か月くらいだったな。 体も大きくてね。お客さんが買った魚をとろうとして暴れてた。誰も手つけられなかったの。みんなで集まって保健所さ電話するって言ってさ。  そんなところに、たまたまわっし(=私)が「海の駅」に行ったのさ。わっしが捨て犬ばっかり育てて、犬好きなことをみんなは知ってるから、 「菊谷が来た、この犬持ってってくれ」って。でも、なぁんも首輪もやって(=つけて)ないから捕まえられないのさ。  それで、そのとき連れていた犬のチビの首輪を外して、持っていたチビのエサをやったの。腹すいてるでしょ。いっぱいやれば満足して逃げるから、 ちょこっとだけやって「もっと食べたいよ」って首あげたときがチャンスなの。油断しているところを、シャッと首輪やって連れて来たの。  実はその頃ね、うちのおとさんに誓約書みたいの書かされてたの。それまでも何十匹も犬や猫飼って、エサだとか、病気だとかで店のお金もみんなつかってたから。「この次、犬猫連れてきたら、全部連れて出てけ!」って言われてたんだわ。  でも、この白い子犬は見捨てられなかったね。わっしが見捨てれば、保健所さ連れていかれて、命なくなる。誓約書破るしかね、なんとかなるべ、と。最終的におとさんが折れてね。  わさおは、そのときのこと覚えてる。忘れないの。いまでもおとさんがわっしのこと怒ればね。「怒られてて大丈夫か?」って、わさおなりにわっしをかばう。だから、おとさんにうなるのさ(笑)。

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