白川貴子作品一覧

  • 悪女
    3.0
    20世紀初頭のバルセロナ。町では幼い子どもが何人も失踪し、子どもをさらって貪る化け物の仕業だという噂が立つ。そして今日また一人、新たな子どもが姿を消し、さらに頸動脈を噛みちぎられた男の死体まで発見された。血に飢えたその化け物の名は、エンリケタ・マルティ。人間の魂を刈り取る「私」という全知の存在が、失踪事件を追う刑事たちやエンリケタの手下、家族などさまざまな人物の視点で、「吸血鬼」と呼ばれた稀代の悪女の恐ろしさとおぞましさを語り尽くす。犯罪捜査官である著者が、犯罪者の実話に材を得て描いた戦慄の物語。
  • 境界性パーソナリティ障害の世界 I HATE YOU DON’T LEAVE ME
    3.5
    「境界性パーソナリティ障害」のバイブルが遂に増補改訂! アメリカで大ベストセラーとなり、日本を含め世界10か国以上で、専門家と一般の方々の両方に読まれ続けてきた『I HATE YOU DON'T LEAVE ME』(邦題『境界性人格障害のすべて』)が、大幅に加筆修正され、新たな版として発刊されました。 研究が盛んなアメリカの最新治療と豊富な臨床例を「境界性パーソナリティ障害」の専門家として著名なクライスマン医学博士がわかりやすく解説。 研究と治療の進歩から対人関係の謎を解明する、読み物としてもたいへん興味深い内容です。 【本書の特徴】 ●アメリカの新しい治療法や研究の進歩がわかる ●患者やその回りの人も理解できるよう、症例と対処法を具体的に解説 ●症状の大幅改善を、さまざまなケースを通して紹介 ●発達障害やほかの精神疾患との関係についても解説 ●診断基準を9項目にわけて紹介 ●「SET-UP」コミュニケーション法が学べる ※SET=サポート(支持)、エンパシー(共感)、トルース(真実) 【対象読者と本書の使い方】 一般の方々:難解な医学や理論をわかりやすく説明しています。「境界性パーソナリティ障害」全般について知識を得て、治療・対処法をやさしく学べます。 医療関係者:執筆時点までの最新の知見や資料を収録しています。医療現場において治療が難しい病気ですが、さまざまな治療戦略が学べます。 【主な改訂点】 ●DSM5による新しい診断基準の解説 ●新たに使われている治療法について ●最近の研究と動向について ●時代の変化に伴う環境の変化が及ぼす影響について ●境界性パーソナリティ障害への対応のより詳しいアドバイス ●その他の人格障害との比較 ●診断基準の追加 ●事例研究とその具体例を追加 など 【目次】 第一章 BPDの人たちが生きる世界 第二章 カオスと空虚感 第三章 ボーダーライン症候群の原因 第四章 BPDを生みだす社会 第五章 SET-UPコミュニケーションを活用する 第六章 BPDの人たちに対応する 第七章 よりよい治療を求めて 第八章 精神療法のさまざまなアプローチ 第九章 薬物療法の科学と未来 第十章 疾病を理解して治癒へと向かう 補遺 BPD診断の代替モデル ※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。 ※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。 ※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。 ※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。
  • 執着
    4.0
    マドリッドの出版社に勤める編集者マリア。独身の彼女が、毎朝カフェで見かける理想のカップルと思える夫婦がいた。彼女は二人を見ては、幸せな気分で出勤するのだった。裕福そうな夫とカジュアルな装いが似合う妻は、子供を学校に送り出してから二人で朝のひとときを過ごしているらしい。しかし、ある日、出張から帰ったマリアが久しぶりにカフェに行くと、二人の姿はなかった。そして、恐ろしい事件があったことを彼女は知る。あの夫がホームレスに突然殺されたのだ! しばらくして、未亡人ルイサと知り合ったマリアはルイサと親しい、亡くなった夫の親友だった男に恋をする。しかし、彼の気持ちはルイサにしか向いていなかった。そしてある日、マリアは、彼の驚くべき秘密を知ることになる。あの事件は通り魔殺人ではなかったのか? 三角関係の清算だったのか? それとも……? 現代スペインを代表する作家で、ノーベル賞候補と目される著者による愛と死と罪をめぐる哲学小説。
  • テラ・アルタの憎悪
    4.2
    獄中でユゴーの『レ・ミゼラブル』と出会い、犯罪をやめ警察官となったメルチョールは、カタルーニャ州郊外の町テラ・アルタで、富豪夫妻殺人事件の捜査に当たる。夫妻は拷問の末に惨殺されていた。メルチョールは夫妻の事業には裏があることを直感するが……
  • 天使のいる廃墟
    3.5
    住人たちが逃げ出し、二度と戻ってこなかったため廃墟になった村、パライソ・アルト。そこを訪れるのは、人生を諦め、命を絶とうと決めた人に限られる。逆立ちで現れた、うなじにコウモリのタトゥーがある少女。車に積んだ札束を燃やしたいと言う大物銀行家のような男。口を利かず、横笛の音色で受け答えする男。廃墟に住む「天使」は、彼らになぜパライソ・アルトにやってきたのか尋ね、生い立ちに耳を傾け、「向こう」への旅立ちを見送る。生と死、日常と非日常の狭間にたゆたう不思議な場所と、幻のような来訪者たち。詩人としても高く評価されているスペインの作家が贈る、美しく奇妙で、どこかあたたかな物語。
  • ファシズム――警告の書
    3.7
    「ファシストたちに初めて暮らしを方向転換させられたのは、私がよちよち歩きを始めたばかりの、1939年3月15日だった。その日、生まれ故郷のチェコスロバキアにドイツ軍がなだれ込んできたのだ」(第1章より)。米国初の女性国務長官となったオルブライト(1937-)が鳴らす「ファシズム」復活への警鐘。プラハのユダヤ系家庭に生まれ、ナチズムとスターリニズムの脅威を逃れて一家でアメリカに亡命した過去をもつ彼女ほど、このテーマを語るのにふさわしい人物はいない。幼少期の戦争体験から説き起こし、クリントン政権の国連大使、国務長官として対峙したミロシェビッチ、プーチン、金正日ら各国指導者の印象を交え、トランプ大統領誕生の前後から国内外で高まっている危険な兆候を国別に分析、その特徴と克服のための道筋を論じる。20世紀ファシズムの体験談、東欧研究者としての知見、外交トップとしての経験が盛り込まれ示唆に富む。『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラー1位、『エコノミスト』年間ベストブックとなり、ドイツ、イタリア、韓国など各国で翻訳されている世界的話題作。
  • 深い穴に落ちてしまった
    3.3
    深い森のまん中にある、深い深い穴の底。兄弟は空を見上げ、脱出の方法を思案している。土壁に階段をつくる。弟を肩にかつぎ上げる。どれほど見込みがなくとも、ふたりは生きなければならない。虫や木の根を食べ、泥水を飲む日々が綴られるなか、やがて物語は不可思議な幻覚と、めくるめく謎で満たされていく――。なぜ章番号は素数だけなのか。幻覚に隠された暗号とはなにか。そもそも兄弟はなぜ穴に落ちたのか。ふたりが辿りつく結末は、驚愕とともに力強い感動をもたらす。現代版『星の王子さま』であり、“深い穴”で生きるあなたに捧げる寓話。/解説=西崎憲
  • 深い穴に落ちてしまった
    3.7
    北には山脈が横たわり、海ほどもある湖をぐるりと囲んでいる森。そのまん中に穴がひとつ、口をあけている。ある日、大きな兄と小さな弟がその穴に落ちてしまった。深さおよそ7メートルの穴からどうしても出られず、何か月も木の根や虫を食べて極限状況を生きのびようとする。外界から遮断された世界で、弟は現実と怪奇と幻想が渾然一体となっためくるめく映像を見はじめる……。どうして兄弟の名前と年齢が明かされないのか。なぜ章番号が素数のみなのか。文章に織り交ぜられた不思議な暗号が示すものとは。著者によって綿密に構成され、さまざまな寓意に彩られた物語は、読後、驚愕とともに力強い感動をもたらす。暗黒時代を生きる大人のための寓話。
  • プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界
    3.6
    フジテレビ系「奇跡体験! アンビリバボー」で紹介! 全米200万部突破! AMAZON.COM&《ニューヨーク・タイムズ》1位の世界的ベストセラー! 生死の境をさまよう医師が見た「天国」とは? 京都大学教授カール・ベッカー氏 推薦 「日本人にとってこそ必読の一書として推薦したい」 (本書解説より)」 名門ハーバード・メディカル・スクールで長らく脳神経外科医として治療と研究にあたってきたエベン・アレグザンダー医師。ある朝、彼は突然の奇病に襲われ、またたく間に昏睡状態におちいった。脳が病原菌に侵され、意識や感情をつかさどる領域が働かないなかで、医師が見た驚くべき世界とは? 死後の世界を否定してきた著者は、昏睡のなかで何に目覚めたのか?
  • マップ・オブ・ヘブン あなたのなかに眠る「天国」の記憶
    4.0
    『プルーフ・オブ・ヘヴン』で世界を驚嘆させ、NHKスペシャルにも登場したハーバード・メディカル・スクール出身の脳外科医。本作では、自らの臨死体験を現代科学と精神文化の伝統に照らし、この世界を超えた場所への道筋を示す。魂を揺さぶる新たなる福音。
  • ユー・アー・ヒア あなたの住む「地球」の科学
    4.0
    誕生から46億年、広さは5.1億k㎡。この星を記述しつくす、それが地理学――。ホモ・サピエンスは歴史を通じて地理を探求してきた。人類の活動が地球の姿を大きく変える未曽有の時代〈人新世(アントロポセン)〉に突入して以降、地理学のもつ全球規模の視座は、重要性を増し続けている。アルプス山脈などの絶景を生んだ水循環システム、東京など巨大都市の出現と人口移動のダイナミズム、AI(人工知能)を駆使した最先端の地図技術、世界最古の地理学者「禹王」……。英国の人気紀行家にして〈王立地理協会〉前会長が縦横無尽に説き語る、地理学のエッセンス。

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