青木玉作品一覧

  • 帰りたかった家
    4.5
    10歳で経験した両親の離婚。その3年後に訪れた父の死は「母には安堵感、私には悲しさ」を残した。厳格な祖父露伴、母文と暮した逃れようのない小石川の家。そして優しい父が待つ、ひたすら帰りたいと願ったもうひとつの幼い日の家。気品溢れる文章で、昭和初期の東京の息づかいとともに綴る自伝的長編エッセイ。(講談社文庫)
  • 小石川の家
    3.9
    昭和13年幸田文は離婚し、娘の玉を連れ青々と椋(むく)の枝がはる露伴の小石川の家に戻った。万事に愚かさを嫌う祖父の小言の嵐は9つの孫にも容赦なかった。祖父の手前蹴とばしても書初めを教える母。「2度はご免蒙りたい」10年の歳月をクールにユーモラスに綴り、晩年の露伴、文の姿を懐かしく匂い立たせる。(講談社文庫)
  • 底のない袋
    3.7
    夢の中で誰かに見せられた「底のない袋」。その袋に「面白そうだと思うものは何でもみんな抱え込むのだ。底がないからそのうち自然に遺(のこ)したいものだけが残ってゆく。楽しみという底なし袋にとび込むものは何だろう」と好奇心いっぱいに日々の暮しを見つめ、思い出を振り返った珠玉のエッセイ集。(講談社文庫)
  • 手もちの時間
    4.0
    美しい日本語で読む、暮らしのなかの愉しみ。手紙や着物など日々の事ごと、露伴・文の思い出をいきいきと綴る。なつかしい人の絵手紙。下戸の好きな酒の肴。道端でよく会う老トラ猫。青木玉は、なによりも生活の巧者である。日々をていねいに暮らすなかで見出される、小さいけれどもかけがえのないことごとを、祖父・幸田露伴、母・幸田文と過ごした小石川の家の3代の思い出とともに、みずみずしく綴るエッセイ。(講談社文庫)
  • なんでもない話
    4.0
    折にふれて立ちあらわれる祖父露伴の面影、母文(あや)の声音に導かれながら、変貌する風景、移ろいゆく季節を静かに刻みつけていく。悔いを残す花見の想い出、夏の昼下がりの「すったて」の味、雨の日に訪れた動物園での邂逅。身辺のささやかな思いを豊かな感性と美しい言葉で優しく拾い上げた珠玉のエッセイ。(講談社文庫)
  • 上り坂下り坂
    4.0
    明治・大正・昭和からつづく暮らしの手ざわり。母・幸田文に教えられ、初めて浴衣を洗った娘時代を振り返り、庭掃除に母娘のやりとりを懐かしく思い出す。その母を見送って10年が過ぎ、ようやく住まいを片付ける決心がつくのだった……。東京・小石川の家を中心に、祖父・幸田露伴からつづく“心を込めた暮らし”をこまやかな視点でつづる珠玉の随筆集。(講談社文庫)

最近チェックした本