佐江衆一作品一覧

  • 兄よ、蒼き海に眠れ
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    生命を惜しむということは、死を怖れることではない。大義のための死なら貴い。しかし……。瀬戸内の基地で「回天」特攻隊員として出撃を待つ兄は、たぎる想いと葛藤の日々を、日記と弟への手紙に綴った。学童疎開先から返事を書き続ける弟。だが東京大空襲で父母を、そして疎開先で妹を失う――著者渾身の書下ろし長編小説。

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  • あの頃の空
    3.6
    1巻1,672円 (税込)
    『駅男』 定年後の日常が不安な瀬木(59歳)は、毎朝駅で電車に乗らない謎の男を見かける。 『リボン仲間』 失業して就活に苦労する川端(53歳)が、救いを求め飛び込んだストリップ劇場で見たものは? 『カントリータイム』 カナダ留学に挑む60男が、英語が思い通りにならないもどかしさを覚えて。 『花の下にて』 老いた自分を監視する社会に動揺する律子(79歳)は、一世一代の大嘘をつく。(他全8篇)
  • 江戸の商魂
    -
    大石内蔵助の志を命がけで試した赤穂浪士の功労者、天野屋利兵衛。「現銀安売り掛値なし」で商業に革命を起こした三井高利。洒落のきいた広告で儲けた山東京伝。角屋七郎兵衛、柊屋新次郎、銭屋五兵衛、中井源左衛門、五代友厚。広告戦略や信頼関係の重視等、商売の原点。江戸の商人の矜持とは?
  • 江戸は廻灯籠
    3.7
    伜のためにと、50両を盗んだ、腕利きの屋根職人。それを知った親方がとった、思いがけぬ行動は? さすらいの銀細工師に寄せた茶屋女の恋心、足を洗いそこねた密偵(いぬ)の哀しみ、など、懸命に生きる庶民の意地と想いが交錯し、物語が物語を紡ぎ出す。7つの短篇のどこから読み始めても、やがてひとつの輪をなす、円熟の連作。親子の情、秘剣の冴え、忍ぶ恋! 八百八町に生きる庶民の哀歓が、時空をこえて鮮やかによみがえる。
  • エンディング・パラダイス
    4.0
    1巻1,584円 (税込)
    亡き父の遺言を果たすため南太平洋の島に遺骨収集の旅に出た昭平。辿りついた地は村の人々が原始的な生活をして平和に暮らす桃源郷だった。彼は村で暮らす決心をする。だが迫り来る大国企業の天然ガス採掘の足音に脅かされる原住民たち。昭平は共に村を守り闘う決意を固める。渾身の力で未来を切り拓いていく老人の成長物語。
  • からたちの記 女剣士道場日誌
    5.0
    雪深い東北の小藩・志津野藩の剣術指南役に嫁いだ女・里絵。江戸育ちの目に映る美しい山河の陰にも、御家騒動の芽はあった。世継ぎ争い、公儀の介入……。家中2派に分かれた抗争の渦中に巻きこまれた夫と舅に仕えつつ、彼女は技を磨く。あたたかい心と確かな眼を得た女剣客の成長を描く清冽なロマン。<「女剣」改題作品>
  • 剣と禅のこころ
    値引きあり
    4.0
    人を殺す刀が人を活かす剣となる――。この「剣禅一如」の深い哲理は、現代人にとっても決して無縁ではない。むしろ、日々を生きるヒント、この日本を考えるヒントがそこには無数に隠されており、遺された数々の言葉は今も重く響く。剣は宮本武蔵や上泉伊勢守から山岡鉄舟まで、禅は道元から一休や良寛まで、それぞれの人と思想をたどりつつ、日本独自の死生観に迫る一冊。

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  • 黄落(新潮文庫)
    4.0
    還暦間近の夫婦に、92歳の父と87歳の母を介護する日がやってきた。母の介護は息子夫婦の苛立ちを募らせ、夫は妻に離婚を申し出るが、それは夫婦間の溝を深めるだけだった。やがて母は痴呆を発症し、父に対して殺意に近い攻撃性を見せつつも、絶食し自ら命を絶つ。そして、夫婦には父の介護が残された……。自らの体験から老親介護の実態を抉り出した、凄絶ながらも静謐な佐江文学の結実点。(解説・櫻井よしこ)
  • 子づれ兵法者
    -
    剛剣が唸り小太刀が舞う、武士の世界。我が子の命を賭け真剣で勝負を挑んだ兵法者と、その男を愛してしまった道場主の娘を描いた表題作をはじめとする7編の時代小説短編集。自らも剣の達人である筆者が洞察力鋭く、緊迫した立ち合いの瞬間を描く。ドゥ・マゴ文学賞に輝いた『黄落』に続く佐江作品の傑作。
  • 50歳からが面白い
    -
    自分のための「愉しい人生」。惑っていては実現しない!  5年ごとに新しい夢を描いてみよう。そうすれば、全てが違って見えてくる。55歳から剣道を始め、65歳にして英会話に挑み、留学する小説家の八方やぶれにして好奇心満点の、元気が出ること受けあいのエッセイ。人生、惑っているほどヒマじゃない!<『不惑 人生の元気力』改題作品>
  • 士魂商才 五代友厚
    4.0
    薩摩藩士の気概と商人の精神で、近代日本の礎を築いた風雲児、大阪商工会議所初代会頭・五代友厚。勝海舟、高杉晋作、グラバー、モンブラン伯爵……。人との出会いで彼はどう変わるのか。渡欧し大国と渡り合う小国ベルギーを見て、何を学び、何を日本に取り入れようとしたのか。痛快無比の活躍を描く歴史小説!
  • 神州魔風伝
    -
    我、この身は果つるとも、魂魄(こんぱく)は七生までも生きながらえ魔王となりて、世の治るをみては乱を発(おこ)さしむ――源義経最期の時、炎の持仏堂に魔風のごとき7匹の天狗が舞い降りた。それから400年。天下太平の徳川治世に、兇・禍・怨・恨・謀・邪・悪・乱の八片の魔鏡が集う……。大乱の予感に息をのむ傑作長編時代小説。
  • 北海道人 松浦武四郎
    4.0
    幕末、迫りくる列強の魔手を憂え、海防献策のため蝦夷地に渡った青年・松浦武四郎。彼の目に映じたのは、松前藩の圧政に呻吟するアイヌの姿だった。水戸の志士や吉田松陰との交遊を重ねながら、彼は時代の怒涛に呑み込まれてゆく。北に一生を捧げ、「北海道」の名付け親として今に知られる探検家の雄渾な生涯。
  • 野望の屍
    -
    1巻2,200円 (税込)
    一九二五年、刊行直後の『我が闘争』を熟読した石原はその野心をたぎらせていた。高まる自国主義のなかで共振する日独、満州の謀略。国家のスローガンに万歳が応え、日常は塗り潰されていく。そして瓦解、夥しい死者。冷静に史実を叙述しながら八六歳の作家は〈戦争の世紀〉に何を見たのか。命を削って書き上げた執念の遺作。
  • リンゴの唄、僕らの出発
    -
    戦争は終わった。しかし、出征した兄は帰ってこない。肩身の狭い疎開の日々は、なお続く。不甲斐ない父と、変節する大人たち。少年は哀しみを抱きつつも、試練を乗り越え成長していく……。教科書に収録され読み継がれてきた、知る人ぞ知る傑作。戦後のあの青空と唄声が鮮やかによみがえる。
  • 65歳おじさんの 英会話勉強が楽しくなる本
    -
    著者が『黄落』(新潮文庫)で描いた両親の介護生活から解放されたのが65歳のとき。それまでも、5年ごとに新しいことを始めてきた著者は、65歳の誕生日を迎えた時に「今度は何に挑戦しよう?」と考えた。「70歳までに、今やらねば後悔することは何?」と、自問自答する。そこで、頭に浮かんできたのが「英会話」。しかし著者は大学を出ておらず、高校時代も英語が苦手で、50代になってからも英語のテストができない夢にうなされるほど、英語嫌いがトラウマになっていた。そこから一念発起し、3年半で日常生活の会話に困らないほどの英語力を身につけた。本書は著者が駅前の語学学校にかよい出し、カナダ、ニュージーランド、アメリカ3カ国への短期留学を経て現在の英語力を身につける過程を、軽妙なエッセイで追体験できるようになっている。記憶力が低下してくる中高年からでも、英会話はマスターできることを証明する一冊だ。

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