高木彬光作品一覧

  • 相性判断~この人があなたに幸運を招く~
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    不可思議な運命の糸に操られている人と人との係わり合い──。古代中国人の長い歴史経験から生まれた「相性」の知恵は、あなたに仕事のうえでも恋愛や結婚のうえでも、人生の幸福を与えてくれます。推理小説界の重鎮(じゅうちん)にして易占い研究の第一人者でもある著者が、莫大な統計的資料を駆使して説く、いい相手・悪い相手を見分ける法。
  • 一、二、三――死~墨野隴人シリーズ2~
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    「一、二、三――死」ある日、一人暮らしの老婆のもとにドイツ語で書かれた不吉な手紙が届いた。老婆は〃愉快な未亡人〃こと村田和子の所へ行き「莫大な財産を奪おうと3人の男が自分の命を狙っている」と打ち明ける。殺人予告の脅迫状か!? その直後、殺人事件が発生! 『黄金の鍵』以来の名コンビ、〃謎の名探偵〃墨野隴人と村田和子が活躍する傑作本格長編推理。
  • 黄金の鍵~墨野隴人シリーズ1~
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    〃愉快な未亡人(メリー・ウィドウ)〃と呼ばれ、気ままな生活を送る村田和子。そんなある日、不思議な魅力をたたえた謎の中年紳士・墨野隴人(すみのろうじん)と知り合う。……時を同じくして、百年以上も前の不動明王の絵と埋蔵金の噂にからむ奇怪な連続殺人事件が発生。現場に残された一枚の小判とは!? 事件に巻き込まれた和子は墨野に助けを求めたが……。
  • 追われる刑事
    3.0
    貿易会社の専務、大西伸吾が自宅で殺された。さらに翌朝、女性の変死体が空地で発見され、身分証明書から、現職刑事・岩崎の一人娘、佳子(よしこ)と身元が判明。二人の死には、一体どんな関係があるというのか。……そして娘を殺された刑事は、犯人を突き止めるため、ひたすら捜査を続ける──。「石橋をたたいて渡らない」慎重居士(こじ)、近松茂道検事の鋭い推理が冴える!
  • 帰ってきた探偵たち
    3.7
    日本の推理界を代表する探偵たちが、一冊に集合した。法医学博士の天才型探偵・神津恭介、義理と人情の熱血私立探偵・大前田英策、若き捜査検事・霧島三郎、ぐず茂とよばれる検事・近松茂道、近松誕生のきっかけとなった検事・遠藤茂道。本格推理の巨匠・高木彬光のシリーズ・キャラクター五人の文庫未収録作品だけで編んだ、『五人の探偵たち』の姉妹編。
  • 顔のない女
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    「新宿の喫茶店で『顔のない女』が人を殺す」奇妙な手紙が舞い込んだ。予告通り、顔のない女が描かれた油絵の前で、その絵を描いた男が殺された。しかもその直後、再び不思議なことがおこった。男の妻と名乗る女が現れ、たまった家賃を払い、家の中を見ていったというのだ。そして家主に、警察に渡してくれと、小さなビンをおいていった。ビンの中には青酸カリが入っていた。何のために、このような殺人劇を演出するのか――。大前田英策、川島竜子の名探偵コンビが活躍する傑作推理。
  • 神津恭介、犯罪の蔭に女あり
    3.7
    貴公子然とした容姿端麗の名探偵、神津恭介(かみづきょうすけ)。世間にも名高き彼の下(もと)に、事件は絶えず舞い込む。荒廃した劇場で偶然見つけた女性の死体、自分自身の遺骸の探索を請う女……。謎めいた犯罪の蔭に女たちの姿を垣間見た時、思慮深き神津の瞳は静かに憂愁(ゆうしゅう)をたたえる。数ある神津恭介作品の中から、「女性」にまつわる短編6作を収録。傑作セレクション第2弾!
  • 神津恭介、密室に挑む
    3.6
    眉目秀麗(びもくしゅうれい)、頭脳明晰、白面の貴公子。輝かしい形容に彩られた名探偵、神津恭介(かみづきょうすけ)。彼が挑むのは密室トリックの数々。鍵の掛かった部屋の外に残された犯人の足跡、四次元からの殺人を予告する男……。不可解極まる無数の謎を鋭い推理でクールに解き明かす! いつまでも燦然(さんぜん)とした魅力を放つ神津恭介のエッセンスを凝縮した六つの短編を収録。傑作セレクション第1弾!
  • 仮面よ、さらば~墨野隴人シリーズ5~
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    同じマンションに住む長谷川真佐子の依頼で、久しぶりに郷里を訪れた村田和子は、真佐子との不思議な縁の糸の存在を知る。だが、その真佐子が密室で殺害され、さらに第二の殺人が同じ縁の線上で起こった……。戦後二十年後の安定した日本の社会情勢を巧みに取り入れ、周到な構成で描く墨野隴人シリーズ第五作完結編。そして、墨野隴人の意外な素顔が……。
  • 霧 の 罠
    3.0
    無言の110番がかかってきた。現場へ急行すると、モリネシア領事館の通訳が殺されていた。その死体の横には、傷を負った男も倒れていて、その男を容疑者として捜査が進められる。が、彼は記憶を失っていた。外交特権もからむ難事件。石橋を叩いても渡らない〃グズ茂〃検事・近松茂道がたどり着いた意外な真実! 港町・神戸を舞台にした、本格推理の傑作。
  • 首を買う女
    3.0
    松下研三が古道具屋の店先であぶらを売っている時だった。和服を着た三十前後の上品な女が入ってきて「芝居に使う小道具の男の生首はないか」と、突飛なことをいう。別段、頭が変だとも思えない。研三は訝りながら、警視庁勤めの兄の家へ立ち寄り、その奇妙な出来事を話題にしたが……。実は二日前、女たらしの元歌舞伎役者が首を斬りおとされるというバラバラ事件が発生、警視庁では密かに捜査をしていたという。犯罪捜査に鋭いカンと天才的な手腕をみせる名探偵神津恭介シリーズ。
  • 検事霧島三郎
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    東大在学中に司法試験に合格し、エリート検事の道を邁進する霧島三郎。しかし、婚約者・恭子との結婚を間近に控え、彼女の父親が突然の失踪。のみならずヘロイン所持、殺人の嫌疑までかけられる……。瞬く間に危機的状況に追い込まれた三郎は、愛を貫くため、辞職覚悟で独自捜査に乗り出す! 苦悩しながらも奮闘する若き検事の姿を、スリリングに描き出す傑作ミステリー!
  • 現代夜討曽我~墨野隴人シリーズ4~
    -
    ある日、村田和子は、親友・春日アヤメから怪事件の相談を受けた。妹・サツキの恋人・曽我十郎に、「曽我兄弟に告ぐ。工藤家の八百年の怨念、いまや、刃は血を求めている」という脅迫状が届いたのだ! しかし、怨念を警告した工藤のほうが殺されるという奇妙な逆転劇が……。
  • 黒白の囮
    -
    激しい雨の降る深夜の高速道路で商事会社の社長がガードレールに激突、即死した。その後、社長夫人も病死。さらに、ひとり娘が自宅で絞殺された。事件は厳しく追及され、アリバイの確認ができなかった美貌の社長秘書が逮捕された。だが……。〃グズ茂〃の異名を持つ検事・近松茂道が、隠された真犯人を徐々に暴く。著者自らが強く愛着を感じていた本格推理の傑作!
  • 古代天皇の秘密
    3.0
    名探偵・神津恭介がバイクにはねられ入院した。病床を見舞ったよきパートナー松下研三は、療養中の恭介の退屈しのぎに、ひとつの提案をした。「成吉思汗の秘密」「邪馬台国の秘密」に続き、もう一度ベッドディテクティブを試みてはどうかというのだ。日本古代史の大きな謎、神武天皇は実在したか、ヤマト朝廷の統一は何を意味しているのか…厚いベールに閉ざされた日本の成立を推理しようというものだ。恭介の名推理は果たして歴史の闇に光を当てることが出来るだろうか!?
  • 五人の探偵たち
    -
    高木彬光の生み出した五人の名探偵、神津恭介、大前田英策、百谷泉一郎、近松茂道、そして、霧島三郎。五人五様の推理の冴えを競う。推理ファン必読の作品集。――東大法医学教室の助教授・神津恭介のもとに奇怪な事件が持ち込まれた。七年前に父親が失踪し、最近部屋に血の雨が降るという。しかも血には血液型がなかった!(「幽霊の血」)
  • 刺青殺人事件~新装版~
    4.0
    野村絹枝の背中に蠢(うごめ)く大蛇の刺青。艶美(えんび)な姿に魅了された元軍医・松下研三は、誘われるままに彼女の家に赴き、鍵の閉まった浴室で女の片腕を目にする。それは胴体のない密室殺人だった――。謎が謎を呼ぶ事件を解決するため、怜悧にして華麗なる名探偵・神津恭介(かみづきょうすけ)が立ち上がる! 江戸川乱歩が絶賛したデビュー作であると同時に、神津恭介の初登場作。
  • 失踪
    -
    超満員の観衆でふくれあがった後楽園球場。6回表、突如、自からマウンドをおりた東京イーグルスの渡部投手は、球場から姿を消したのである。その夜、若手実業家・副島秀雄が絞殺され、現場に渡部投手のシガレット・ケースが落ちていた。さらに翌日、バーのマダム・木下綾子が絞殺された……二重殺人事件……。敏腕の速水警部は、事件の裏にひそむプロ野球の暗黒面に捜査の手をのばした。一方、独自の推理で「失踪と殺人」を追う弁護士の百谷泉一郎・明子夫婦の活躍。複雑にからむ事件のナゾを明快にさばく二人が、やがて探りあてた犯人は……。
  • 死神の座
    4.0
    「軽井沢で不気味な殺人が……」星占いの予言どおり、エリートの集う高級ホテルを舞台に、財閥令嬢の花婿候補の若者たちが次々と殺されていく……。しかもみな、無残に顔を潰されて……。“死神の座”として恐れられる蠍座の祟りか? その裏に隠された不吉な暗号とは!? 十二の星座をちりばめた暗号詩を手がかりに、名探偵・神津恭介が事件の謎に迫る。
  • 呪縛の家 新装版
    3.7
    〈今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし〉紅霊教教祖の孫娘は、湯槽の中で血まみれとなって殺され、予言は的中する。だがそれは、呪われた一族に襲い来る悲劇の序章に過ぎなかった……。教祖を大伯父に持つ旧友の鬼気迫る依頼で、教団本部に出向いた松下研三だったが、ついに神津恭介に救援を求めた。名探偵は、恐るべき凶事の連鎖を止めることができるのか!?
  • 成吉思汗の秘密
    3.6
    兄・頼朝に追われ、あっけなく非業の死を遂げた、源義経。一方、成人し、出世するまでの生い立ちは謎に満ちた大陸の英雄・成吉思汗。病床の神津恭介が、義経=成吉思汗という大胆な仮説を証明するべく、一人二役の大トリックに挑む、歴史推理小説の傑作。本編にまつわるエッセイの他、短編「ロンドン塔の判官」を併せて収録。
  • 姿なき女
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    東京・荻窪のある邸宅に、差出人不明の大型トランクが運びこまれ、中から女性の絞殺死体が発見された!! 死体はその日の昼間、川島竜子の探偵事務所に、切断された女の指が入った包みを届けてきた当の女性らしい。突発したこの奇妙な殺人事件に、警視庁捜査陣はいきり立った。後に、名探偵・大前田英策の妻になる川島竜子が活躍する「姿なき女」ほか、傑作本格ミステリー六篇。
  • ゼロの蜜月
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    かつて霧島三郎と恭子の苦境を救ってくれた恭子の親友・尾形悦子。失恋に傷ついた悦子は、経営学の青年助教授・塚本と知り合い、プロポーズされた。だが彼の家は呪われていた。父は獄死し、弟は焼死。そして結婚式の夜、塚本は失踪、翌朝、絞殺死体となって発見された! 検事・霧島三郎は犯人が狙った〃ゼロの瞬間〃の謎を追う。
  • 大東京四谷怪談~墨野隴人シリーズ3~
    3.0
    「わたしはお岩、お岩の幽霊よ。今度の芝居の脚本だけはおことわんなさいよ。もし、この仕事を続けるなら……」。現代版四谷怪談を手がける劇作家のもとに電話がかかってきた。その言葉を裏付けるように、お岩の活人形を制作中の人形師が殺害された。四谷怪談そのままの形で起こる連続殺人の行方は……!?
  • 都会の狼
    -
    「殺(や)ったのはおれじゃない。伊勢佐木(ザキ)町のジャックだ!」無実の叫びを残して絞首台に消えた死刑囚・小山。小山に恩のあるヤクザ・荒井は復讐を誓い、真犯人捜しに乗り出す。“ジャック”とは何者なのか。しかし、“ジャック”と関係のある人物が次々と殺され、荒井に容疑が。事件は意外な展開へ……。 霧島三郎、因縁の縺れを解く!
  • 人形はなぜ殺される
    4.0
    衆人環視の中で、施錠されたガラス箱から突如消えた〃人形の首〃。その直後の殺人現場には、無残な首なし死体と、消えたはずの人形の首が転がっていた。それは名探偵・神津恭介への挑戦状なのか……。大胆不敵にも、殺人を犯す前に必ず残酷な人形劇で殺人を予告する、その悪魔の正体は!? 復讐に燃える犯人の陰惨な罠。神津恭介が奇怪な謎に挑む、本格推理の名作。
  • 灰 の 女
    -
    もう二度とこの人から離れまい――不倫の情事にひたりながら脇坂則子は決意した。が、その相手、志賀貞彦に突然、殺人の容疑が! アリバイを主張しながらも、不審な行為をとる志賀。さらに、則子の夫・武雄が自宅で殺害され、志賀への容疑が深まる。なにかの罠なのか? 志賀が真犯人なのか? 則子の心は揺れる! 密室殺人のトリックに、霧島三郎が挑む。シリーズ第六作。
  • 破戒裁判
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    殺人と死体遺棄の疑いで起訴された男・村田和彦。そして、彼の容疑を晴らすべく、検察と対峙する弁護士・百谷泉一郎。最初から最後まで法廷一場面のみ。数日間の公判で繰り広げられる、息詰まる論戦。そして「破戒裁判」が示すものは何か。果たして百谷は被告人を救えるのか? 著者が「もっとも気魄を込めた」と自認し、法廷推理の先駆けとなった歴史的傑作。
  • 白昼の死角
    4.0
    その明晰な頭脳に物を言わせ、法の盲点を巧みにつき、ありとあらゆる手口で犯罪を繰り返す〃天才詐欺師〃鶴岡七郎。警察の追及の手からも最後まで逃げ通した鶴岡の、数々の悪行がこの小説には記されている。多くの名作を生んでいる著者自身が、「発表以来二十年、これ以上の悪党(ピカレスク)小説は書けなかった」とまで言った、高木彬光作品の最高傑作長編推理。
  • 人蟻(ひとあり)
    -
    安い原料から、莫大な利益を生み出す砂糖。その魅惑的な甘い汁に、蟻のように吸いよせられる人間の群れ。巨大な利益が悪を呼び、〃犯罪〃が芽生える。巨大資本の精糖会社の秘密が暴かれたのは、弁護士・百谷泉一郎の、刃物のように鋭い推理の冴えがあったからである。政界と癒着した、汚れた経済界の醜聞(スキャンダル)に百谷が挑む、高木彬光作品の本格経済推理の傑作!
  • 法廷の魔女
    -
    新進気鋭の弁護士・百谷泉一郎は、川瀬産業社長・川瀬雄三から、「奇妙な死の予感」のため、「死後をよろしく」と依頼されて、顧問弁護士となった。それから3日後、その予感は的中し、川瀬は、3番目の妻・綾子のベッドで、ナゾの毒死をする。当然、綾子は容疑者として法廷に立つが、不利な状況にもかからわず、常に冷やかな「魔女の如き微笑」を浮べていた。しかし、百谷の調査が進むにつれて、川瀬をめぐる複雑な女性関係、近親相姦などが暴露され、事件は意外な方向に進展して来た。綾子の魔女の如き微笑は、何を意味するのか? 百谷泉一郎の明解な推理は……。
  • 炎 の 女
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    私をこんな女にしたあの女、初恵が憎い――日陰の青春に悩む女・律子にきざした殺意。この殺意は仲の冷めきった初恵の夫・直樹の計画と合致した。ベッドで交わされた妄想は現実となり、殺人は成功。しかし、律子は何者かに襲われ、大火傷を負う。続いて起こる連続殺人? そして現場に残る〃ミツコ〃の香り……。 検事・霧島三郎が、人間心理の深淵に挑む。
  • 幻の悪魔
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    弁護士事務所を訪れた男が、応接間で殺された!! その男の所持品には、なぜかスペードのカードが……。捜査により、殺された平田五郎は悪名高き詐欺師であることが判明。また、平田の相棒で、胸にトランプの刺青のある杉山勝枝が容疑者として浮上してくる。さらに、戦後の混乱期の事件との関連も取り沙汰されて……。思わぬ方向に展開する事件に検事・霧島三郎が挑む!!
  • ミイラ志願
    5.0
    即身仏を志す盗賊の心情、信長の影武者をめぐる謀略、蹴鞠(けまり)に入れあげ乞食に身を落とす今川氏真の運命、討入りを脱落した高田郡兵衛の苦衷、首斬り浅右衛門家に養子に入った男の巧妙な計算……。「志願」というユニークな視点から歴史の謎を切りとった、9編の意欲連作。多年、本格推理界をリードしてきた著者が、卓抜な着想と絶妙の語り口で、我意と妄執に憑(つ)かれた人間のすさまじい情念の世界を抉り出す!
  • 密 告 者
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    不況で会社をくびになった瀬川は、かつての恋人からセールスマンの仕事を紹介された。ところが、営業成績が思うにまかせぬある日、化学会社を産業スパイせよと命じられる。なんとか潜入に成功したが、自分を手引きした男が絞殺されて容疑は瀬川に……。 資本主義社会の水面下の暗闘に、霧島三郎の鋭いメスが入る!
  • 邪馬台国の秘密 新装版
    4.0
    邪馬台国はどこにあったか? 君臨した女王・卑弥呼とは何者か? この日本史最大の謎に、入院加療中の名探偵・神津恭介と友人の推理作家・松下研三が挑戦する。一切の詭弁、妥協を許さず、二人が辿りつく「真の邪馬台国」とは? 発表当時、様々な論争を巻き起こした歴史推理の一大野心作。論拠を示したエッセイを併せて収録。
  • 誘  拐
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    子供の誘拐・殺人は、あらゆる犯罪の中でも最も残忍で冷酷非情なものである…。この物語の犯人である〃彼〃は、戦史を愛読し学びとった戦訓を犯罪の計画に活かす。周到に用意し、心憎いばかりに巧妙な手口を駆使する〃彼〃だが、この犯罪には完璧であるがゆえの決定的盲点があった! 刑法と刑事訴訟法に精通した著者が推理小説の技巧のすべてをつぎ込んだ傑作。
  • 幽霊西へ行く
    -
    高島竜二警部は、かつて麻薬密売の容疑で取り調べたことがある女優の上杉弥生と、10年ぶりに出会った。彼女は哀願するように――主人が死人の亡霊をよび出し、あの世との通信をするという“降霊術”に凝り、お前は間もなく恐ろしい死に方をする!――と絶えず脅すので、助けてくれというのだ。そんな馬鹿な!? と警部は一笑に付したのだが、彼女の熱心な誘いに負けて、降霊術の実験に立ち合うハメになった……。
  • 妖術師
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    歳の差が倍も違う初老の夫との生活に倦んでいた麻耶子は、知り合いの大学生がもたらした“予言者”の噂を、とても信じられなかった。その男は人を喰ったような態度で「人間なんて名前など必要ない。顔を見ただけで、運命がわかる」と豪語し、麻耶子の現在・過去をズバリ言い当てたのだ……。科学の力では説明できない神秘現象に巻き込まれ、煩悩の虜になった若い人妻の怪! 本格推理傑作集。
  • 「横浜」をつくった男~易聖・高島嘉右衛門の生涯~
    3.8
    幕末から明治を生き、横浜の地に名を残し、易聖と呼ばれるまでになった男、高島嘉右衛門。江戸の商人であった彼は、商売の手違いから投獄され、牢内で「易経」とめぐりあう。上下2巻を暗誦するほどに熟読し、彼は天来の易占の才能を開花させる。後に自由の身となった嘉右衛門は、横浜に新天地を開拓し、更に伊藤博文の相談役として、その類い希なる能力を発揮する。(『大予言者の秘密』改題)
  • 連合艦隊ついに勝つ~ミッドウェーからレイテ海戦まで~
    3.5
    米軍の圧倒的な陣容の前に、しだいに苦境に追い込まれていった連合艦隊。だが日本海軍にも事態を好転させる転機となる戦いがあった。ミッドウェー海戦で艦上機の雷爆転装を行なわなかったら? レイテ沖海戦で、敵輸送船団を目前にして栗田艦隊が反転しなかったら……? 連合艦隊が、悲劇の戦艦大和が、〃もう一つの悔いなき戦い〃に挑む、戦記ロマン!!
  • わが一高時代の犯罪
    4.0
    一高の歴史の中で、これほど奇妙な人間消失事件もないだろう。ある日、本館正面の時計台の中で、一人の学生が忽然と姿を消した。事件には忌まわしい悪魔の影がつきまとっていた。一高生に扮した無気味な男の姿と、一高を憎み呪っていた女の謎。そして事件は悲劇的な結末を迎える――。本格推理白眉である表題作のほか、その続編ともいえる「輓歌」も収録。

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