神田千里作品一覧

  • 織田信長
    4.2
    時代に先駆けた思想をもち、伝統的権威や因習に囚われずに「天下統一」を目指した「革命児」信長。だが、この広く行きわたったイメージは、はたして歴史的な事実といえるのだろうか? 将軍足利義昭を擁しての上洛、対毛利戦や対武田戦による支配領土拡大、比叡山の焼討など史実を再検討していくと、実は伝統的権威と協調もし、諸大名との共存をも視野に入れ、世間の評判や常識にも敏感だった、時の武将の一面が見えてくる。中世的な価値観が近世へと向けて大きく変化する戦国時代を生きた、信長の真の姿を描く。
  • 島原の乱 キリシタン信仰と武装蜂起
    3.7
    関ヶ原合戦の記憶も遠のいた1637年、彼らは突如として蜂起した。幕府や各地大名を震撼させ、12万人の大軍をもってようやく鎮められた大規模な一揆は、なぜ、いかにして起こったのか? 「抵抗」や「殉教」の論理だけでは説明できない核心は何か。信者のみならぬ民衆、戦国あがりの牢人、再改宗者らが絡み合う実相を、宗教という視点から戦国時代を考察してきた第一人者が描く。島原の乱を知る必読の決定版!
  • 宗教で読む戦国時代
    3.8
    戦国日本人の「見えない宗教性」を解明。なぜキリスト教は拒否されたのか。一向一揆は宗教一揆だったのか。宣教師も驚いた戦国日本人の高度な精神性。その「ゆるやかな宗教性」のバックボーンとしての「天道」思想をキーワードに、一向一揆、キリシタン論争から島原の乱まで、日本人の心性に新たな光を投げかける。(講談社選書メチエ)
  • シリーズ<本と日本史>(4) 宣教師と『太平記』
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    <本と日本史>は各時代を代表する「本」のあり方から当時の文化や社会の姿を考え、その時代における世界観・価値観の成立を考察する歴史シリーズである。本書が扱うのは、宣教師と『太平記』の意外な関係だ。南北朝~室町期の武士の生きざまを描いた『太平記』は、戦国時代最大のベストセラーであり、数々の武将たちに愛好されていた。だからこそ、宣教師もこの作品を「日本を知るための最高の教科書」とみなして、必死に読み解こうとしたのであった。『太平記』と宣教師との接点に注目することで戦国時代に生きた人々の心性に迫ろうとする画期的論考。【目次】まえがき――宣教師の注目した『太平記』/第一章 中世びとの『太平記』/第二章 『太平記』と日本人の心性/第三章 『太平記』と歴史/第四章 記憶の場「日本」/終章 国家と未来/あとがき/参考文献
  • 戦国乱世を生きる力
    4.0
    応仁の乱以降の中世日本は、まさに戦乱の時代であった。民衆は、殺害、略奪、放火の危険にさらされつつ、無法地帯を生き抜いていかねばならなかった。戦国大名も自身の野心のためだけに行動できたわけではなく、「国を静謐せしめる」(平和の秩序を回復する)ことにその存在意義が求められた。「土一揆」から「宗教」、「天下人の在り方」まで、この時代の現象はすべて平和を願い、なんとか乱世を生き延びようとした民衆の姿と切り離して考えることはできない。「乱世の真の主役としての民衆」を焦点とした戦国時代史。

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